JP3189539U - 車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車 - Google Patents

車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的シンプルな構成でコストをあまりかけることなく、車内スペースを有効利用しながら、車両に対する乗降を容易とした座席構造を適用することができる車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車を提供する。
【解決手段】車両の運転席より後方の車内スペース4にて、向きを変えるように回動可能に構成された回動座席10の側方に設けられる棺台20であって、長手方向に連続する複数の分割部分をなす分割構造を有し、複数の分割部分の一つとして、ガイドローラを含む移動機構によって少なくとも回動座席10の回動動作を許容する範囲で移動可能に構成された分割移動部50を有する構成とする。
【選択図】図14

Description

本考案は、車両に搭載される車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車に関する。
遺体が納められた棺や担架等を搬送するための霊柩車や寝台車等の棺搬送車においては、棺や担架等が載せられる棺台(車両搭載用棺台)が搭載される。かかる棺搬送車においては、例えばバン型の車両における運転席および助手席の後方の(運転席より後方の)車内スペースに、棺台が設置される。具体的には、例えば特許文献1に示されているように、運転席より後方の車内スペースにおいて、左右一側略半分のスペースに、平面視略矩形状の棺台が、車両の前後方向を長手方向として設置される。特許文献1には、運転席より後方の車内スペースにおいて、助手席の後方に位置する座席を残し、運転席の後方に位置する座席を撤去して、棺台の設置スペースを確保した構成が開示されている。かかる構成の棺搬送車においては、棺台の横に、助手席の後方に残された座席が存在する。
一方で、近年、歩行が困難な高齢者や身体の不自由な人等のために、自動車の座席の構造として、車両側面のドアの開口部から座席を出入可能かつ昇降可能に設け、車両に対する乗降を容易とした構造がある。具体的には、かかる構造においては、車両側面のドアを開けた状態で、通常は車両の前方を向いている座席が出口側(外側)を向くように回転(回動)させられ、その後、座席がドアの開口部からスライド移動によって車外に出され、下降させられることで、座席と地面との段差が縮められ、車両に対する乗降が容易とされる(例えば、特許文献2参照。)。このような座席構造の中には、座席の移動のみを可能としたタイプのものや、座席が車両に対して着脱可能に構成され、座席自体がそのまま車イスとして使用できるタイプのものがある。
特開2013−209005号公報 特開平10−217812号公報
上述したように車両に対する乗降を容易とした座席構造においては、回動・移動して車外に出される座席(以下「回動座席」という。)は、その平面視形状や回動構造等から、外側に向きを変えるために回動することで、内側(座席が向く車両の外側と反対側)の端部の位置を、車両の前を向いた通常状態での位置よりも内側に位置させることになる。すなわち、車両の平面視(上面視)において、回動座席の通常状態での内側の端部の位置を通る車両の前後方向に沿う直線を仮想した場合、回動座席が車外に出される過程で回動することで、回動座席の内側の端部側の一部が仮想の直線から一時的に内側にはみ出ることになる。
したがって、例えば、特許文献1のように運転席より後方の車内スペースに棺台が設置され、その棺台の横に座席が存在する構成において、棺台の横に位置する座席が上述したような回動座席である場合、次のような問題が生じる。すなわち、回動座席が車外に出されるに際して回動させられることで、回動座席の内側の一部分が通常状態での位置に対して内側つまり棺台側にはみ出るため、回動座席と棺台との間に、回動座席と棺台との干渉を避けて回動座席の回動を許容するためのスペースが必要となる。このように回動座席と棺台との間に回動座席の回動を許容するためのスペースを設けることは、車内スペースの有効利用の観点から好ましくない。
本考案は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、比較的シンプルな構成でコストをあまりかけることなく、車内スペースを有効利用しながら、車両に対する乗降を容易とした座席構造を適用することができる車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車を提供することを目的とする。
本考案のうち第1の態様に係る車両搭載用棺台は、車両の運転席より後方の車内スペースにて、向きを変えるように回動可能に構成された回動座席の側方に設けられる車両搭載用棺台であって、長手方向に連続する複数の分割部分をなす分割構造を有し、複数の前記分割部分の一つとして、少なくとも前記回動座席の回動動作を許容する範囲で移動可能に構成された分割移動部を有するものである。
本考案のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る車両搭載用棺台において、前記分割移動部は、他の前記分割部分に対する分割ラインに沿って水平方向にスライド移動するように構成されているものである。
本考案のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係る車両搭載用棺台において、前記分割ラインは、車両の左右方向に対して所定の角度をなす斜め方向に沿うものである。
本考案に係る棺搬送車は、前記車両搭載用棺台を備えたものである。
本考案によれば、比較的シンプルな構成でコストをあまりかけることなく、車内スペースを有効利用しながら、車両に対する乗降を容易とした座席構造を適用することができる。
本考案の一実施形態に係る棺搬送車の内部の構成を示す平面図である。 本考案の一実施形態に係る棺搬送車のバックドアを開いた状態を示す後方斜視図である。 本考案の一実施形態に係る棺搬送車の回動座席を車外に出した状態を示す図である。 本考案の一実施形態に係る棺搬送車の回動座席の動作説明図である。 本考案の一実施形態に係る棺搬送車の回動座席の動作説明図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台を示す平面図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台を示す右側面図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台を示す平面図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台の後側ストッパを示す斜視図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台の分割移動部の移動機構を示す断面図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台の分割移動部の移動機構の構成要素を示す図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台の分割移動部の移動機構の構成要素を示す図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台の分割移動部のロック機構の構成を示す図である。 本考案の一実施形態に係る車両搭載用棺台および棺搬送車についての動作説明図である。
本考案は、運転席より後方の車内スペースにて、回動可能な回動座席の側方に設けられ、棺や担架等が乗せられる車両搭載用棺台について、棺台を長手方向に分割した分割構造を採用するとともに分割部分を移動可能とすることで、棺台を部分的に移動可能な構成とし、これにより、回動座席による車両に対する乗降の容易性の向上を図りながら、車内スペースの有効活用を図ろうとするものである。以下、本考案の実施の形態を説明する。
まず、本実施形態に係る棺搬送車1の全体構成について、図1および図2を用いて説明する。なお、図1は、本実施形態に係る棺搬送車1の内部の構成を模式的に示す平面図である。図1および図2に示すように、棺搬送車1は、棺や担架等を搬送するための霊柩車や寝台車等として用いられるバン型(ワンボックス型)の車両である。棺搬送車1は、車両の前部の右側に設けられた運転席2と、車両の前部の左側、つまり運転席2の左側に設けられた助手席3とを備える。助手席3の後方には、後方席である回動座席10を備える。回動座席10は、運転席2より後方の、つまり運転席2および助手席3の後方の車内スペース4において、前部の左側に設けられている。
また、棺搬送車1は、棺や担架等(以下単に「棺」ともいう。)が載せられる車両搭載用棺台(以下単に「棺台」とする。)20を備える。棺台20は、運転席2より後方の車内スペース4において、運転席2の後方となる右側の部分に設けられている。棺台20は、平面視(上面視)で略矩形状の外形を有し、その長手方向を車両の前後方向(図1における左右方向)に沿わせて設けられている。
棺台20は、長手方向の寸法として、運転席2より後方の車内スペース4において前後方向の略全体にわたる長さを有する。すなわち、運転席2および助手席3の後方の車内スペース4は、平面視で車両の前後方向を長手方向とする略矩形状をなす空間であり、かかる空間の右半分の略全体を占めるように、棺台20が設けられる。そして、棺台20の前部の左側方に、回動座席10が位置する。このように、棺台20は、車内スペース4にて回動座席10を側方(棺台20の短手方向の一側、本実施形態では左側方)に位置させるように長手方向を車両の前後方向に沿わせて設けられている。なお、車内スペース4は、例えば、運転席2および助手席3を前から1列目としてこれらの後方に2列目、3列目と2座席ずつ計4席の既存の座席のうち、回動座席10以外の座席、つまり2列目の右側の座席、および3列目の左右の2つの座席が取り外されることにより確保される。
棺台20に対する棺(図示略)の積み降ろしは、棺搬送車1の車両の後側に設けられたバックドア5を上方に開いた状態で、車両の後方開口部1aから行われる(図2参照)。
次に、回動座席10について、図3から図5を用いて説明する。回動座席10は、歩行が困難な高齢者や身体の不自由な人等のために、車両に対する乗降を容易とした構造の座席である。回動座席10は、サイドリフトアップ式シート等と称され、図3に示すように、棺搬送車1の車両側面のスライドドア6による左側の側方開口部1bから出入可能かつ昇降可能に設けられている。具体的には次のとおりである。
図4(a)および図5(a)に示すように、回動座席10は、通常状態では車両の前方(図4(a)において左方)を向いている。回動座席10は、向きを変えるように水平方向に(鉛直方向を回動軸方向として)回動可能に構成されている。本実施形態では、回動座席10は、所定の回動軸を中心として、車両の外側を向くように所定の角度範囲で回動可能に構成されている。したがって、図4(b)および図5(b)に示すように、回動座席10は、車両の外部に出されるに際して、前方を向いた通常状態から車両の外側(図4(b)において下側)を向くように回動させられる(矢印X1参照)。
図4(c)に示すように、回動座席10は、通常状態から所定の角度α回動動作した後、あるいは回動動作とともに、車両の内部から外部へスライド移動可能に構成されている。回動座席10は、通常状態に対して所定の角度α回動した状態で、車両の外部に出された状態となる(図3、図4(c)参照。)。なお、回動座席10の回動に関し、所定の角度αは、車両の前後方向に沿う基準線O1に対する角度であり、棺搬送車1の車種や寸法等によって異なるが、例えば70°〜90°の角度である。
そして、回動座席10は、車両の内部から外部へのスライド移動の後、あるいはスライド移動とともに、下降動作可能に構成されている。したがって、図5(c)に示すように、回動座席10は、車両のステップ1cの外側において下降動作することで、その着座面の高さを地面7に近付ける。下降後の回動座席10の着座面の地面7からの高さH1は、例えば400〜500mm程度である。
以上のように、回動座席10は、車両側面のスライドドア6を開けた状態で、車両の前方を向いた通常状態から出口側(外側)を向くように回転(回動)させられ、スライドドア6の側方開口部1bからスライド移動によって車外に出され、下降させられることで、地面7との間の段差が縮められるように構成されている。かかる構成により、車両に対する乗降が容易とされる。このような座席構造の中には、座席の移動のみを可能としたタイプのものや、座席が車両に対して着脱可能に構成され、座席自体がそのまま車イスとして使用できるタイプのものがある。図3に示す例の回動座席10は、着脱タイプ(車イスタイプ)のものであり、移動用の車輪10aを備える。
上述したように回動動作・スライド動作・昇降動作によって車両に対する乗降を容易とした構造の回動座席10は、その平面視形状や回動構造等から、外側に向きを変えるために回動することで、内側(車両の外側と反対側(図4(a)において上側))の端部の位置を、車両の前を向いた通常状態での位置よりも内側に位置させることになる。すなわち、図4(a)に示すように、車両の平面視(上面視)において、回動座席10の通常状態での内側の端部の位置を通る車両の前後方向に沿う直線A1を仮想した場合、回動座席10が車外に出される過程で回動することで、図4(b)に示すように、回動座席10の内側の端部側の一部が仮想の直線A1から一時的に内側にはみ出ることになる。
したがって、本実施形態の棺搬送車1のように、運転席2より後方の車内スペース4に棺台20が設置され、その棺台20の横に回動座席10が存在する構成において、次のような問題が生じる。すなわち、回動座席10が車外に出されるに際して回動させられることで、上述したように回動座席10の内側の一部分が通常状態での位置に対して内側つまり棺台20側にはみ出るため、回動座席10と棺台20との間に、回動座席10と棺台20との干渉を避けて回動座席10の回動を許容するためのスペース8(幅寸法B1参照)が必要となる。このように回動座席10と棺台20との間に回動座席10の回動を許容するためのスペース8を設けることは、車内スペース4の有効利用の観点から好ましくない。
そこで、本実施形態の棺搬送車1が運転席より後方の車内スペース備える棺台20は、以下に詳細に説明するように、部分的に移動可能な分割構造を備える。
棺台20について、図6から図13を用いて説明する。棺台20は、車両の運転席2より後方の車内スペース4にて、回動座席10の側方に設けられる(図1参照)。棺台20は、略矩形厚板状ないし略直方体状の外形を有する土台部21と、土台部21上に設けられ、実際に棺が載る部分となる本体部22とを有する。
土台部21は、その大部分が車両側に固定された状態で設けられる。本体部22は、全体として略矩形板状の外形を有し、平面視での外形を土台部21と略同じとし、平面視で土台部21に重なるように土台部21上に設けられる。土台部21は、例えば木製であり、本体部22は例えばステンレス鋼等の金属製である。
棺台20は、棺搬送車1の車内スペース4において長手方向を車両の前後方向に沿わせて設けられ、棺台20に対する棺の積み降ろしは、車両の後方開口部1aから行われる(図2参照)。このため、棺台20の前端部、つまり奥側の端部に、棺台20に乗せられた棺が前方へ移動することを規制する突当て板23が設けられている。突当て板23は、棺台20における棺の載置面よりも上側に突出する板状の部分であり、棺台20の後端部において棺台20の幅方向(短手方向)の全体にわたって設けられている。また、本体部22の幅方向(短手方向)の両側、つまり左右両側には、棺台20に載せられる棺の左右方向のずれを規制するためのガイド壁24が設けられている。ガイド壁24は、本体部22の左右両側の縁に沿って立設された板状の部分であり、棺台20における棺の載置面よりも上側に突出する。
棺台20の後端部には、棺台20における棺の載置面に対して後下がりのスロープを形成するスロープ板25が設けられている。スロープ板25は、本体部22と同じ幅の略矩形板状の外形を有し、その一辺側が、本体部22の後端部に対して棺台20の幅方向を回動軸方向として回動可能に支持されている。スロープ板25は、棺台20の通常の状態においては、棺台20の載置面に対して折り曲げられる態様で車内側へ向けて回動させられ、立った状態で支持される。一方、スロープ板25は、棺台20に対する棺の積み降ろしが行われる際には、車外側へ向けて回動させられることで、車両の後方開口部1aを介して車内から車外にわたって後下がりのスロープを形成する(図2参照)。本体部22とスロープ板25との連結部分の左右両側の側面に、スロープ板25の傾斜角度を調整するためのアジャスタ26が設けられている。なお、図7においてはアジャスタ26の図示を省略している。
また、本体部22には、棺台20における棺の載置面側に上端部を突出させた複数のローラ27が設けられている。ローラ27は、本体部22の幅方向の中間部において所定の幅を有しながら本体部22の長手方向の略全体にわたって設けられた凹状の中央溝28内に設けられている。ローラ27は、長手方向を回転軸方向とする円柱状ないし棒状の部材であり、中央溝28を形成する左右の側壁28a間に架設された状態で回転自在に支持されている。本実施形態では、図6に示すように、6本のローラ27が、本体部22の長手方向に適宜間隔をあけて設けられている。このように設けられるローラ27は、棺台20上に載せられた棺の底面に接触・回転し、棺台20の載置面上における棺の長手方向に沿う移動をスムーズなものとして棺の搬入・搬出を補助する。
以上のような構成を備える棺台20は、その長手方向に連続する複数の分割部分をなす分割構造を有する。棺台20は、分割部分として、棺台20の前端部を構成する前端支持部29と、棺台20の後半部を構成する棺台レール部30と、前端支持部29と棺台レール部30との間に位置する分割移動部50とを有する。分割移動部50が、棺台20において他の部分に対して所定の範囲で移動可能に設けられた分割部分である。
前端支持部29は、本体部22の前端部が土台部21上に固定された部分であり、分割移動部50の移動にかかわらず所定の位置に存在する部分となる。前端支持部29の前側に、上述した突当て板23が立設された態様となる。
棺台レール部30について説明する。棺台レール部30は、本体部22の後半部分であり、分割移動部50との関係においては、前端支持部29と同様に分割移動部50の移動にかかわらず所定の位置に存在する部分となる。ただし、棺台レール部30は、棺台20の長手方向に沿って移動可能な部分である棺台レール31を有する。
棺台レール31は、棺台レール部30の幅方向の中間部において所定の幅を有しながら棺台レール部30の長手方向の全体にわたって設けられている。すなわち、棺台レール31は、棺台レール部30がその幅方向に3分割されたうちの中間部分が棺台20の長手方向に沿って移動可能に構成されたものである。したがって、棺台レール部30は、棺台レール31の幅方向の両側に、前端支持部29と同様に土台部21上に固定された固定部32を有する。
棺台レール31は、棺台レール部30の幅方向について、棺台レール部30の全幅の1/3よりもやや大きな幅寸法で、中央溝28の棺台レール部30の部分を含むように中央部に設けられている。すなわち、棺台レール31は、中央溝28に設けられたローラ27を含む部分であって、ローラ27ごと左右の固定部32に対して相対的に前後方向に移動可能に設けられている。言い換えると、棺台レール部30の幅方向の中央部においてローラ27が設けられる中央溝28を形成する部分が、棺台レール31として、左右の固定部32に対して前後方向に移動可能に設けられている。本実施形態では、棺台20が有する6本のローラ27のうち、後側の4本のローラ27が、棺台レール31に設けられている。
棺台レール31は、棺台20に対する棺の積み降ろしに際して、後方(図6において左方)に引き出されるように、棺台20の載置面に露出するローラ27の高さ位置を保ちながら、水平方向にスライド移動するように設けられている。棺台レール31は、左右の固定部32の互いに対向する壁面に左右方向(棺台20の幅方向)を回転軸方向として設けられた複数のローラ33や図示せぬガイドレール等を含む移動機構により、棺台20の長手方向に沿って水平に移動可能に設けられている。棺台レール31は、その後端部がスロープを形成した状態のスロープ板25よりも後方に突出する所定の範囲で移動可能に設けられている(図8参照)。なお、スロープ板25には、本体部22に対する連結側の部分に、後方に引き出される棺台レール31との干渉を避けるための開放部25aが形成されており、スロープ板25は全体として前側を開放側とする略U字状の外形を有する。
棺台レール31の後端面には、棺台レール31を引き出したり押し戻したりするための取手34が設けられている。また、棺台レール31は、その後端面の位置を左右の固定部32の後端面と一致させて棺台レール部30において収納された状態(図6参照)、および上述のとおり後端部をスロープ板25よりも後方に突出させるように引き出された状態(図8参照)の各状態で、図示せぬロック機構によりロック(位置が固定)されるように構成されている。そして、各ロック機構は、収納された状態の棺台レール31を引き出す際には、取手34の横に付設された解除ボタン35によりロックが解除され、引き出された状態の棺台レール31を押し戻す際には、棺台レール31の後端面に設けられた解除操作部36の操作によりロックが解除されるように構成されている。
また、棺台レール31には、棺台20に載せられた棺が後方へ移動することを規制する後側ストッパ37(図9参照)を支持するためのストッパ支持孔38が、前後方向(本体部22の長手方向)に所定の間隔を隔てて複数設けられている。ストッパ支持孔38は、ローラ27と同様に中央溝28に架設された水平面をなす支持板38aに形成されている。本実施形態では、本体部22の幅方向の中央の位置に8箇所のストッパ支持孔38が前後方向に沿って一列に並ぶように設けられている。
ストッパ支持孔38に取り付けられる後側ストッパ37は、図9に示すように、下端の縮径部37bがストッパ支持孔38に差し込まれる支持棒部37aと、支持棒部37aの上端部に設けられたナット部37cを貫通する棒ネジ部37dと、棒ネジ部37dの一端側に設けられた回動操作部37eと、棒ネジ部37dの他端側に設けられた支持板部37fとを有する。棒ネジ部37dは、回転することでナット部37cに対する相対的な位置を変化させる。回動操作部37eは、棒ネジ部37dを回転させるための操作部であり、六角形状の板状の部分である。支持板部37fは、円盤状の部分であり、一側(回動操作部37e側と反対側)の板面を棺台20上に載せられた棺の後端面に接触させることで、棺を支持する。
このように構成された後側ストッパ37によれば、棺台20上に載せられる棺のサイズに応じて、差し込むストッパ支持孔38の選択、および回動操作部37eの回動操作により、棺の後端に接触する支持板部37fの前後方向の位置が調整される。以上のような後側ストッパ37は、棺台20の前端に設けられた突当て板23とともに、棺台20上に載せられた棺の前後方向の移動を規制するストッパとして機能する。
また、前側のストッパに関しては、突当て板23の手前側(後側)に、中間突当て板39が設けられている。中間突当て板39は、分割移動部50における中央溝28内に設けられている。中間突当て板39は、矩形板状の部材であり、その長手方向の一端側の部分が左右方向を回動軸方向として回動可能に支持された状態で設けられている。そして、中間突当て板39は、通常は中央溝28の底面に沿うように寝た状態となっており、必要に応じて回動することで棺台20の載置面から上方に突出した状態となり、前側のストッパとして機能する。中間突当て板39は、棺台20上に載せられる棺のサイズが比較的小さい場合に用いられる。つまり、突当て板23および中間突当て板39は、棺台20上に載せられる棺のサイズに応じて選択的に用いられる。
以上のような構成の棺台レール部30を備える棺台20によれば、棺台レール31の前後方向の移動、およびローラ27の回転によって、棺を滑らせながら、棺台20に対する棺の積み降ろし作業が行われる。
続いて、棺台20を構成する分割移動部50について説明する。分割移動部50は、前端支持部29および棺台レール部30とともに棺台20を構成する棺台20の長手方向の分割要素であり、所定の位置に存在する固定部分である前端支持部29および棺台レール部30に対して、棺台20を横切る方向に移動可能に設けられた部分である。すなわち、分割移動部50は、車両に対する固定部分である前端支持部29および棺台レール部30(の固定部32)に対して相対的に移動可能に設けられることで、車両に対して相対的に移動する部分となる。
図6に示すように、分割移動部50は、その前側に位置する前端支持部29および後側に位置する棺台レール部30とともに、棺台20の平面視形状として一体的な略矩形状をなす。分割移動部50は、前端支持部29および棺台レール部30それぞれに対する境界を、互いに平行な直線である分割ラインL1,L2に沿わせている。分割移動部50は、前端支持部29および棺台レール部30とともに棺台20の平面視形状として一体的な略矩形状をなす位置(図6参照)を基準位置として、この基準位置から車両の外側、つまり棺台20に対して回動座席10が位置する側と反対側(図6における下側)に移動可能に設けられている(図8参照)。以下の説明では、棺台20の状態について、図6に示すように分割移動部50が基準位置にある状態を「基準状態」とし、図8に示すように分割移動部50が車両の外側に所定量移動した移動位置にある状態を「移動状態」とする。
このように棺台20において前端支持部29および棺台レール部30に対して移動可能な分割移動部50が存在する構成においては、本体部22の左右両側の縁に沿うガイド壁24、およびローラ27が設けられる中央溝28は、棺台20の基準状態において連続するように、棺台レール部30および分割移動部50それぞれに設けられている。すなわち、ガイド壁24は、棺台レール部30に設けられる後側ガイド壁部24xと、分割移動部50に設けられる前側ガイド壁部24yとからなり、中央溝28は、棺台レール部30に設けられる後側溝部28xと、分割移動部50に設けられる前側溝部28yとからなる。なお、中央溝28に設けられる6本のローラ27のうち、棺台レール31に設けられた4本のローラ27の残りの2本のローラ27が、分割移動部50の前側溝部28y設けられている。
分割移動部50は、他の分割部分である前端支持部29および棺台レール部30に対する分割ラインL1,L2に沿って水平方向にスライド移動するように構成されている。すなわち、分割移動部50は、平面視において前端支持部29に対する境界が沿う分割ラインL1、および棺台レール部30に対する境界が沿う分割ラインL2に沿うとともに、水平方向に沿って移動可能に構成されている。
特に、本実施形態では、移動する分割移動部50が沿う分割ラインL1,L2は、車両の左右方向(幅方向、図6における上下方向)に対して所定の角度θをなす斜め方向に沿っている。すなわち、分割移動部50がその移動方向として沿う前端支持部29および棺台レール部30との間の分割ラインL1,L2は、棺台20の長手方向に対する直角方向、つまり棺台20の幅方向に一致せずに、棺台20の幅方向に対して所定の角度θ傾いている。したがって、分割移動部50は、平面視における外形形状として、棺台20の平面視形状における左右の(図6における上下の)辺部の一部を形成する1組の対辺部と、前端支持部29および棺台レール部30それぞれとの境界が沿う分割ラインL1,L2に沿う1組の対辺部とからなる平行四辺形状をなす。
以上のように、本実施形態に係る分割移動部50は、平面視で棺台20がなす略矩形状の外形の一部を形成するとともに、棺台20の幅方向に対して所定の角度θ傾いた1組の対辺部を有することで、平面視で平行四辺形状となる外形を有する。そして、分割移動部50は、棺台20の幅方向に対して角度θ傾いた1組の対辺部に沿って、つまり分割ラインL1,L2に沿って、車両の内側(図6において上側)から外側(同図において下側)に斜め前方向に平行にスライド移動するように設けられている。なお、分割移動部50が沿う分割ラインL1,L2が左右方向に対してなす所定の角度θは、特に限定されるものではないが、例えば約10°である。
分割移動部50の詳細な構成について説明する。分割移動部50は、本体部22の下側の土台部21の部分に設けられた移動機構55によって移動可能に設けられている。図7および図10に示すように、分割移動部50の下側には、下側を開口側とする箱状の化粧カバー51が設けられており、この化粧カバー51の内部に移動機構55が構成されている。
化粧カバー51は、棺台20の基準状態において、略矩形厚板状ないし略直方体状の外形をなす土台部21の一部を構成する部分であり、土台部21の左右両側の側面の一部を形成する。化粧カバー51は、分割移動部50に固定され、分割移動部50と一体的に移動する部分である。化粧カバー51においては、下側を開口側とする箱状の外形における上面部が、分割移動部50の下側の面部に対して固定される。
図10から図12に示すように、移動機構55は、分割移動部50側に設けられる移動部60と、土台部21側に設けられるガイド部70とを有する。なお、図11は、移動部60を示す図であり、同図(b)は、同図(a)におけるC方向矢視図である。また、図12は、ガイド部70を示す図であり、同図(b)は、同図(a)におけるD方向矢視図である。
移動部60は、化粧カバー51を介して分割移動部50に固定され、分割移動部50の一部として分割移動部50と一体的に移動する部分である。移動部60は、複数の直線状のフレーム部材により分割移動部50の平面視形状である平行四辺形状に沿って枠組み構成された外枠フレーム61と、この外枠フレーム61の下側に設けられたガイド溝フレーム62とを有する。
外枠フレーム61は、矩形状の横断面形状を有する複数の直線状の角パイプをフレーム部材とする。外枠フレーム61は、分割移動部50の平面視形状である平行四辺形状に対して、左右両側(図11(a)において上下両側)の辺部である1組の対辺部に対応する左右フレーム部61aと、前後両側(図11(b)において左右両側)の辺部である1組の対辺部に対応する前後フレーム部61bとを有する。また、外枠フレーム61においては、前後フレーム部61b間に、前後フレーム部61bの長手方向の中央部同士を繋ぐ態様で、左右フレーム部61aに平行に、角パイプからなる中間フレーム部61cが架設されている。また、左右フレーム部61aの下側には、左右フレーム部61aに沿うように、前後のガイド溝フレーム62間に架設される態様で設けられる補強フレーム61dが設けられている。
ガイド溝フレーム62は、C形状あるいはコ字状の横断面形状を有する直線状の溝形鋼により構成されている。ガイド溝フレーム62は、外枠フレーム61の前後フレーム部61bに沿って、前後フレーム部61bと略同じ長さで設けられている。前後のガイド溝フレーム62は、それぞれ横断面形状の開放側を外側(前後両外側)に向けた状態で、前後フレーム部61bの下側に固定される。つまり、前側の前後フレーム部61bの下側に設けられるガイド溝フレーム62(62a)は、前側(図11において右側)が横断面形状の開放側となるように設けられ、後側の前後フレーム部61bの下側に設けられるガイド溝フレーム62(62b)は、後側(図11において左側)が横断面形状の開放側となるように設けられる。なお、ガイド溝フレーム62は、外枠フレーム61に対して溶接やボルト等の締結部材等によって固定される。
以上のような構成の移動部60が、化粧カバー51の内部側から、外枠フレーム61の部分を化粧カバー51の上面部に対して面接触させる態様で、化粧カバー51に固定される(図10参照)。これにより、移動部60が化粧カバー51を介して分割移動部50に固定される。このように設けられた移動部60においては、ガイド溝フレーム62が、分割移動部50の移動方向に沿って配された状態となる。
ガイド部70は、棺台20を構成する土台部21側に固定された状態で設けられる部分であり、上記のとおり車両に対して相対的に移動する部分である分割移動部50に対して、車両側に固定された部分となる。ガイド部70は、複数の直線状のフレーム部材により分割移動部50の平面視形状である平行四辺形状に沿って枠組み構成されている。
ガイド部70は、分割移動部50の平面視形状である平行四辺形状に対して、左右両側(図12(a)において上下両側)の辺部である1組の対辺部に対応する左右フレーム部71と、前後両側(図12(a)において左右両側)の辺部である1組の対辺部に対応する前後フレーム部72とを有する。また、ガイド部70は、移動部60を介して分割移動部50の移動を促す複数のガイドローラ73を有する。
左右フレーム部71は、帯板状の部材により構成されており、その板面が上下を向くように配されている。
前後フレーム部72は、L字状の横断面形状を有する直線状の山形鋼(アングル)により構成されている。前後フレーム部72は、左右の左右フレーム部71の前後の両端部同士を繋ぐ態様で、移動部60のガイド溝フレーム62に沿うように、左右の左右フレーム部71間に架設された状態で設けられている。
前後の前後フレーム部72は、それぞれ横断面形状のL字における一辺側の部分である帯板状の固定部72xを左右フレーム部71の板面上に沿わせるとともに、L字における他辺側の部分であって左右フレーム部71上に起立した状態となる帯板状の起立部72yを前後方向の内側に位置させた状態で、左右フレーム部71上に固定されている。つまり、前側の前後フレーム部72(72a)は、後側(図12において左側)に起立部72yを位置させるように設けられ、後側の前後フレーム部72(72b)は、前側(図12において右側)に起立部72yを位置させるように設けられる。なお、前後フレーム部72は、固定部72xによって左右フレーム部71に対して溶接やボルト等の締結部材等によって固定される。
左右フレーム部71上に立ち上がった部分である前後フレーム部72の起立部72yに、複数のガイドローラ73が支持される。ガイドローラ73は、板状の部分である起立部72yを貫通するとともに起立部72yを貫通する方向を回転軸方向とする軸支部73aにより回転自在に支持される。本実施形態では、片側の前後フレーム部72において3個のガイドローラ73が前後フレーム部72の長手方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
以上のような構成のガイド部70は、移動部60に対してガイド溝フレーム62の開放側となる外側からガイドローラ73を嵌め込んだ態様で設けられる。つまり、ガイド部70のガイドローラ73は、ガイド溝フレーム62の上側の板面部に接触した状態で上下の板面部間に挟まれるようにガイド溝フレーム62内に位置し、分割移動部50と一体的に移動する移動部60の移動にともなって回転する。このように、移動部60およびガイド部70によって構成される移動機構55においては、ガイド部70の一対の起立部72y間に、ガイドローラ73を介して移動部60が移動可能に支持される。かかる構成により、分割移動部50が分割ラインL1,L2に沿う斜め方向かつ水平方向にスライド移動可能となる。
分割移動部50の下側に位置する化粧カバー51の外側(本実施形態では車両の右側)の面となるカバー前面部51aには、分割移動部50を引き出したり押し戻したりするためのハンドル52が設けられている。ハンドル52は、車両における右側側面のスライドドア6を開けることで、右側の側方開口部1bから外側に臨むように位置する。
また、上述したように棺台20が基準状態となる基準位置から棺台20が移動状態となる所定量移動した移動位置まで移動可能に設けられた分割移動部50に対しては、分割移動部50の基準位置および移動位置の各位置での移動を規制するストッパが設けられている。具体的には、図12(a)に示すように、移動機構55を構成するガイド部70において、左右の左右フレーム部71間に架設された架設板74上に、基準位置用の内側ストッパ75aと、移動位置用の外側ストッパ75bとが設けられている。なお、図12(b)においては、これらのストッパの図示を省略している。
内側ストッパ75aは、基準位置にある分割移動部50が基準位置よりも内側(車両における左側)に移動することを規制する。外側ストッパ75bは、移動位置まで引き出された分割移動部50が移動位置よりも外側(車両における右側)に移動することを規制する。内側ストッパ75aおよび外側ストッパ75bは、いずれも架設板74上における所定の位置に、L字状に折り曲げられた板状部材がL字における一辺側の板状の部分を架設板74上に起立させた状態で固定されることにより構成されている。
このような内側ストッパ75aおよび外側ストッパ75bに対して、分割移動部50あるいは移動部60等の分割移動部50と一体的に移動する部分から、分割移動部50の移動にともなってストッパ75a,75bに接触する係止部(図示略)が下側に向けて突設されている。分割移動部50は、この係止部をストッパ75a,75bに接触させることで、ストッパ75a,75bに干渉し、基準位置および移動位置の各位置における移動の規制を受ける。
また、上述したように分割移動部50が所定の範囲で移動可能に設けられた構成において、分割移動部50を基準位置および移動位置の各位置でロックするためのロック機構80が設けられている。ロック機構80は、いわゆるプッシュロック機構であり、操作ボタン81の操作によってロック、つまり分割移動部50の位置決め、およびロックの解除を行うものである。
具体的には、図13(a)に示すように、ロック機構80は、ハンドル52に設けられた操作ボタン81と、左右方向に延設されるプッシュロッド82と、プッシュロッド82の押圧作用を受けて上下方向に移動する係止体84を含むプッシュ式のラッチ機構83と、ラッチ機構83による係止作用を受けるストライカ85とを有する。これらのロック機構80の構成要素のうち、操作ボタン81、プッシュロッド82、およびラッチ機構83は、分割移動部50側に設けられて分割移動部50と一体的に移動する。これに対し、ストライカ85は、後述するように移動機構55を構成するガイド部70に設けられ、車両に対して固定の位置に存在する。
操作ボタン81は、ハンドル52を把持した状態の手の親指により押圧操作可能な位置に設けられている。つまり、ハンドル52は、操作ボタン81が付設された押しボタン式のハンドルとして構成されている。操作ボタン81の押圧方向は、ハンドル52が設けられた化粧カバー51のカバー前面部51aの板面に対して垂直な方向、つまり車両の左方向となる。
プッシュロッド82は、操作ボタン81が設けられたハンドル52から左右方向に沿って延出された棒状の部材である。プッシュロッド82は、操作ボタン81の押圧操作に連動して、軸方向に沿って左側、つまりラッチ機構83側に移動し、操作ボタン81の押圧が解除されることで、軸方向に沿って右側に戻るように設けられている。
ラッチ機構83は、プッシュロッド82の先端側の所定の位置に設けられる。本実施形態では、ラッチ機構83は、移動部60を構成する中間フレーム部61cの長手方向の中央部であって中間フレーム部61cの左側面に固定支持された状態で設けられている。
ラッチ機構83は、略矩形状の外形を有する筐体83a内に、略四角柱状の係止体84を、その長手方向の一部を下向きに突出させた状態で支持する。係止体84は、筐体83aに収納されたバネ83bにより下向きに突出する方向に付勢された状態で設けられている。
また、筐体83a内には、押圧作用を受けて回動することで係止体84を筐体83aの内部側に引き込む押圧体86が設けられている。押圧体86は、車両の前後方向を回動軸方向とする軸支部86aにより回動可能に設けられており、プッシュロッド82からの押圧作用を受ける突片部分である被押圧部86bと、係止体84に作用する突片部分である押圧部86cとを有する。押圧体86は、押圧部86cを、係止体84に形成された孔部84a内に位置させ、プッシュロッド82からの押圧作用によって軸支部86a回りに回動することで、係止体84をバネ83bによる付勢力に抗して筐体83a内に引き入れる。一方、プッシュロッド82からの押圧作用が解除されることで、係止体84はバネ83bの付勢力によって下側に突出した状態となる。このように、操作ボタン81の操作によるプッシュロッド82の軸方向に沿う移動(図13(a)、矢印D1参照)に連動して、係止体84が上下方向に移動することになる(同図、矢印D2参照)。
ストライカ85は、ラッチ機構83の係止体84からの係止作用を受けて分割移動部50の移動を規制する。ストライカ85は、ガイド部70において内側ストッパ75aおよび外側ストッパ75bが配設される架設板74上に設けられている。ストライカ85は、2箇所の稜部85a,85bを形成するようにM字状に折り曲げ形成された板状の部材が架設板74上に固定されることにより構成されている。ストライカ85は、2箇所の稜部85a,85bを分割移動部50が移動する方向となる左右方向の両側に位置させるように設けられる。ストライカ85においては、各稜部85a,85bの互いに対向する側の斜面部によりV字状の溝部85cが形成されている。なお、ストライカ85を構成するM字状の板状の部材は、架設板74に対して溶接やボルト等の締結部材等によって固定される。
このようなストライカ85に対し、ラッチ機構83は、係止体84を稜部85a,85bの頂点よりも下側まで突出させるように設けられる。係止体84が2箇所の稜部85a,85bの外側に位置することで、係止体84がストライカ85に対して左右外側から接触して係止され、ラッチ機構83の移動が規制される。これにより、ラッチ機構83が設けられた移動部60を介して分割移動部50の移動が規制される。つまり、ラッチ機構83の係止体84が2箇所の稜部85a,85bの外側に位置する状態が、ロック機構80による分割移動部50の基準位置および移動位置の各位置についてのロック状態となる。
以上のような構成を備えるロック機構80動作について、図13を用いて説明する。図13(a)は、ロック機構80による分割移動部50の基準位置についてのロック状態を示す。かかる状態においては、ラッチ機構83の係止体84がストライカ85の奥側(左側)の稜部85aの外側に位置し、係止体84が稜部85aに接触することで係止され、分割移動部50の基準位置から移動位置側への移動が規制される。したがって、このロック状態では、分割移動部50は、ハンドル52によって単純に引っ張られることによっては移動しない状態となる。
図13(a)に示す状態から、同図(b)に示すように、操作ボタン81が押圧操作されることで(矢印F1参照)、プッシュロッド82が押されて左側に移動し(矢印F2参照)、プッシュロッド82によってラッチ機構83の押圧体86が被押圧部86bにより押されて回動する(矢印F3参照)。これにより、係止体84が押圧体86の押圧部86cによってバネ83bによる付勢力に抗して筐体83a内に引っ込む方向に押され、係止体84の下端がストライカ85の奥側の稜部85aの頂点の位置よりも上方に位置するまで引っ込み(矢印F4参照)、ロック機構80によるロックが解除された状態、つまり分割移動部50がスライド移動可能な状態となる。
図13(b)に示すようにロックが解除された状態で、ハンドル52によって分割移動部50が引き出され、ラッチ機構83の係止体84がストライカ85の手前側(右側)の稜部85bの外側に位置するまで、つまり分割移動部50が移動位置に達するまで移動させられる(矢印F5参照)。この分割移動部50の移動の過程において、奥側の稜部85aの位置を超えた係止体84は、操作ボタン81の押圧操作の解除によりプッシュロッド82による押圧が解除されることによってバネ83bにより突出した状態に戻っても、ストライカ85が有する溝部85cにより、ストライカ85に係止することはない。そして、分割移動部50の手前側への移動にともなって係止体84が手間側の稜部85bに近付くにつれて、溝部85cの手前側の稜部85bを形成する斜面部の傾斜にならって自動的に係止体84がバネ83bによる付勢力に抗して押し込まれ、係止体84が手前側の稜部85bを越えることにより、手前側の稜部85bの外側において係止体84がバネ83bの付勢力によって自動的に突出した状態となる。すなわち、図13(c)に示すように、ロック機構80による分割移動部50の移動位置についてのロック状態となる。
図13(c)に示すロック状態においては、ラッチ機構83の係止体84がストライカ85の手前側(右側)の稜部85bの外側に位置し、係止体84が稜部85bに接触することで係止され、分割移動部50の移動位置から基準位置側への移動が規制される。したがって、このロック状態では、分割移動部50は、ハンドル52によって単純に押し込まれることによっては移動しない状態となる。
分割移動部50が移動位置にてロック機構80によってロックされた状態から基準位置に移動させる場合も、上述した基準位置から移動位置までの移動の場合と同様にして、操作ボタン81の操作によるロックの解除、および分割移動部50の移動にともなうストライカ85による自動的なロック機構80のロック動作が行われる。
このようなロック機構80においては、分割移動部50のスライド幅(移動範囲)に応じて、ストライカ85の長さ、つまりストライカ85における2つの稜部85a,85b間の間隔が調整される。すなわち、ストライカ85の2つの稜部85a,85bの外側に係止体84が位置するロック機構80によるロック位置は、分割移動部50の基準位置および移動位置の各位置に対応することから、分割移動部50の基準位置と移動位置との間のスライド幅を規定するストライカ85の長さが、その分割移動部50のスライド幅に応じて調整される。
以上のような構成を備えた本実施形態の棺台20およびそれを備えた棺搬送車1は、次のようにして用いられる。図14(a)に示すように、棺搬送車1において、通常は、回動座席10は車両の前方を向いており、棺台20は分割移動部50が基準位置に位置する基準状態となっている。なお、図14においては右側が車両の前側であり、左側が車両の後側である。
そして、回動座席10を車両の外部に出すに際しては、まず、図14(b)に示すように、基準位置の分割移動部50が移動位置まで移動させられる(矢印G1参照)。ここでは、上述したようにハンドル52および操作ボタン81の操作によって基準位置でのロック機構80によるロックが解除され、分割移動部50が引き出されて移動位置に達することで、ロック機構80により分割移動部50が移動位置にて自動的にロックされる。
分割移動部50を移動位置まで移動させた後、回動座席10が車両の外側を向くように回動させられる(矢印G2参照)。ここで、棺台20においては回動座席10の側方の部分である分割移動部50が車両の外側(右側)に移動していることから、所定の回動中心により回動する回動座席10の棺台20に対する接触が回避される。すなわち、棺台20において分割移動部50を部分的に回動座席10側と反対側に移動させることにより、回動座席10の回動にともなう回動座席10と棺台20との干渉を避けることが可能となる。
したがって、棺台20における分割移動部50の前後方向の長さ寸法やスライド幅(移動範囲)は、回動座席10の形状・大きさ、回動座席10と棺台20との間の距離等に応じて、回動座席10の回動にともなう回動座席10と棺台20との干渉を避けることができるように適宜設定される。分割移動部50のスライド幅は、例えば10〜30cm程度である。
棺台20との接触を避けた状態で回動した回動座席10は、上述したように車両の外側へのスライド移動および下降動作等の所定の動作によって、車両の外部に露出した状態となる(図3参照)。車両の外部に出された回動座席10を車内に戻す場合も、回動座席10を外向きの状態から前向きに回動させる際に、分割移動部50を車両の外側の移動位置に移動させ、回動座席10と棺台20との接触が避けられる。
以上のように、本実施形態に係る棺台20は、棺台20を長手方向について分割した複数の分割部分の一つとして、少なくとも回動座席10の回動動作を許容する範囲で移動可能に構成された分割移動部50を有する。以上のような本実施形態の棺台20およびそれを備えた棺搬送車1によれば、比較的シンプルな構成でコストをあまりかけることなく、車内スペースを有効利用しながら、車両に対する乗降を容易とした座席構造を適用することができる。
例えば、回動座席10の回動にともなう回動座席10とその横に配置された棺台との接触を避けるための手法としては、回動座席10と棺台との間に相当程度のスペースを設けることが考えられる。しかしながら、かかるスペースは通常は不要なスペースとなることから、このスペースを設けることは、車内スペースの有効利用の観点から好ましくない。この点、本実施形態に係る棺台20および棺台20を備えた棺搬送車1によれば、回動座席10を回動させるときのみ一時的に棺台20の一部である分割移動部50を移動させることにより、回動座席10の回動にともなう回動座席10と棺台20との接触を避けることができる。このため、回動座席10と棺台20との間のスペースを必要に応じてできるだけ狭くすることが可能となり、無駄なスペースを生じさせることなく、車内スペースを有効利用することが可能となる。
また、回動座席10の回動にともなう回動座席10とその横に配置された棺台との接触を避けるための手法としては、棺台を全体的に車両の外側に移動可能に設ける構成が考えられる。しかしながら、棺台が全体的に移動する構成によれば、装置構成が非常に大がかりなものとなり、コストの面でも高くなってしまう。この点、本実施形態に係る棺台20および棺台20を備えた棺搬送車1によれば、棺台20の一部である分割移動部50によって必要に応じた部分的な移動構成が実現できることから、装置構成をコンパクトにすることができるとともに、コスト面でも有利となる。また、棺台が全体的に移動する構成の場合、棺台を移動させた状態において、棺台の下側に設けられる棺台の移動機構の露出部分が多くなるため、意匠性の低下を招く。特に、高齢者等にとってはメカニカルな構造の露出部分が多くなることはイメージ的に好ましくない。この点、本実施形態に係る棺台20および棺台20を備えた棺搬送車1によれば、棺台20における分割移動部50の部分的な移動であるため、棺台を移動させるための機構の露出が最小限に抑えられるので、高い意匠性を得ることができる。
なお、本実施形態に係る棺台20においては、分割移動部50の移動の態様として、水平方向のスライド移動が採用されているが、分割移動部50の移動の態様については本実施形態のようなスライド移動に限定されない。分割移動部50の移動の態様としては、例えば上下方向の昇降移動であってもよい。この場合、例えば、油圧シリンダやモータ等を用いた昇降機構等が適宜採用され、分割移動部50が回動座席10との干渉を避けるような位置まで上昇可能に設けられる。ただし、分割移動部50としては、本実施形態のように分割ラインL1,L2に沿って水平方向にスライド移動する構成を採用することで、分割移動部50の移動のための機構を簡単な構成により実現することができる。
また、本実施形態では、分割移動部50の移動の態様に関し、分割移動部50が沿う分割ラインL1,L2は、車両の左右方向に対して所定の角度θをなす斜め方向に沿う構成が採用されている。かかる構成を採用することにより、分割ラインL1,L2の左右方向に対する所定の角度θの大きさの調整により、分割移動部50を棺搬送車1の右側のスライドドア6による側方開口部1bを形成する部分に対しての干渉を避けることができ、分割移動部50のスライド幅によっては分割移動部50を側方開口部1bから車両の外側まで出すことも可能となる。これにより、分割移動部50のスライド幅の確保が容易となるので、回動座席10と棺台20とを可及的近接させることができ、回動座席10と棺台20の間のスペースをより狭くすることが可能となり、効果的に車内スペースの有効利用を図ることが可能となる。ただし、分割移動部50の移動方向としては、車両の左右方向に沿う方向、つまり棺台20の長手方向に対して垂直な方向であってもよい。
なお、本実施形態に係る棺台20は、その長手方向について前端支持部29、棺台レール部30、および分割移動部50の3つの分割部分を有する3分割の構造であるが、これに限定されず、2分割の構造であったり、4分割以上の構造であったりしてもよい。また、本実施形態に係る棺搬送車1は、運転席2より後方の車内スペース4において車両の左側に回動座席10を備え、右側に棺台20を備える配置構成であるが、これらの配置は左右逆であってもよい。
1 棺搬送車
2 運転席
4 車内スペース
10 回動座席
20 棺台(車両搭載用棺台)
29 前端支持部
30 棺台レール部
50 分割移動部
本考案のうち第1の態様に係る車両搭載用棺台は、車両の運転席より後方の車内スペースにて、向きを変えるように回動可能に構成された回動座席の側方に設けられる車両搭載用棺台であって、長手方向に連続する複数の分割部分をなす分割構造を有し、複数の前記分割部分の一つとして、ガイドローラを含む移動機構によって少なくとも前記回動座席の回動動作を許容する範囲で移動可能に構成された分割移動部を有するものである。

Claims (4)

  1. 車両の運転席より後方の車内スペースにて、向きを変えるように回動可能に構成された回動座席の側方に設けられる車両搭載用棺台であって、
    長手方向に連続する複数の分割部分をなす分割構造を有し、複数の前記分割部分の一つとして、少なくとも前記回動座席の回動動作を許容する範囲で移動可能に構成された分割移動部を有する、
    ことを特徴とする車両搭載用棺台。
  2. 前記分割移動部は、他の前記分割部分に対する分割ラインに沿って水平方向にスライド移動するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両搭載用棺台。
  3. 前記分割ラインは、車両の左右方向に対して所定の角度をなす斜め方向に沿う、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両搭載用棺台。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両搭載用棺台を備えた棺搬送車。
JP2013006900U 2013-12-04 車両搭載用棺台およびそれを備えた棺搬送車 Expired - Lifetime JP3189539U (ja)

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KR20210134109A (ko) * 2020-04-29 2021-11-09 (주)디테크게엠베하 장의용 운구 차량

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