JP3189442U - ルアー - Google Patents

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Abstract

【課題】ルアーの長手方向を水平に保ちながら水底へ向かって移動させられるようなルアーを提供する。【解決手段】ルアー本体21と、そのルアー本体21から離れるように位置して水流抵抗を受ける形状をなす滞流部材22と、その滞流部材22およびルアー本体21を繋ぐための柄部材と、を備えたルアー20である。柄部材は、その長手方向を曲げることができる可撓性を備えた材質にて形成する。滞流部材22および柄部材は、ルアー本体21の長手方向に垂直な位置にて線対称となる位置へ複数備える柄部材を、ルアー本体21において水底へ導かれる側へ寄った位置に備える。【選択図】図1

Description

本考案は、ルアー釣りにおいて、釣り針や錘とともに使われるルアーに関する。
現在の釣りでは、活き餌の代わりに疑似餌(ルアー)を用いることが増えている。
ルアーは、硬質材料にて形成したハードルアーと、軟質材料にて形成したソフトルアーとに大別される。それぞれに長短があるが、いずれも釣りの対象魚に対して、如何に餌であるかをアピールする工夫が必要である。
ソフトルアーは、水流を受けて変形したり動いたりする部位を作製することが可能である、というメリットがある。また、ルアー本体へ釣り針を刺してしまうことで、釣り針の大部分を対象魚から視認できなくしてしまえる、という使い方ができる。
ソフトルアーは、その材質を樹脂とすることがほとんどであり、比重が1.0未満や1.0前後となることがほとんどである。すなわち、ソフトルアーだけでは水に浮く、あるいは沈むとしてもゆっくり沈むこととなる。それゆえ、ソフトルアーは、錘との組み合わせにて使用することとなる。
たとえば、特許文献1に開示された技術は、浮力を調整できる本体と、その本体に着脱可能な錘部とをそなえたルアーである。
特開2001−22269号公報
さて、前述したように、錘との組み合わせで用いるソフトルアーは、図5に示すように使われる。
すなわち、図5(a)に示すように、釣り人によって陸(または船上)から投げられる。そして、水面30へ着水し、図5(b)に示すように、水中31を水底に向かって沈んでいく。この場合のルアーの長手方向は、錘に向かって斜め下方向を向くこととなる。
さて、対象魚が好む餌が、斜め下方向を向きながら沈んでいくものばかりではない。身体の長手方向をほぼ水平に保ちながら水底へ向かって移動する(泳ぐ)生物は少なくない。
しかし、従来のルアーと錘との組み合わせでは、身体の長手方向を水平に保ちながら水底へ向かって移動させられるような技術は、ソフトルアー、ハードルアーを問わず、発見できなかった。
本考案が解決すべき課題は、ルアーが水流抵抗を受けることでバランスをとるような、より具体的には、ルアーの長手方向を水平に保ちながら水底へ向かって移動させられるようなルアーを提供することにある。
(第一の考案)
ルアー本体(21)と、 そのルアー本体(21)から離れるように位置して水流抵抗を受ける形状をなす滞流部材(22)と、 その滞流部材(22)および前記ルアー本体(21)を繋ぐための柄部材(24)と、を備えたルアー(20)である。 前記の柄部材(24)は、その長手方向を曲げることができる可撓性を備えた材質にて形成する。
(用語説明)
「滞流部材(22)」につき、「水流抵抗を受ける形状」とは、たとえば傘、パラシュート、アンカーなどと呼ばれる形状である。
「柄部材(24)」における「可撓性を備えた材質」とは、たとえば、軟質性の合成樹脂、硬質材料にて形成されたコイルスプリング、などがある。
(作用)
本考案に係るルアー(20)が水中にて移動すると、滞流部材(22)が水流抵抗を受ける。そして、滞流部材(22)が受けた水流抵抗を、柄部材(24)が曲がる動きをなすことで逃がし、ルアー本体(21)の移動を遅くする。すなわち、滞流部材(22)および柄部材(24)によって、ルアー(20)はゆっくり移動することとなる。
水中での移動が錘(11)に先導されて沈んでいく場合、水底へ向かって移動してゆく速度が弱められ、移動中のルアー(20)の動きに変化を与えることができることとなる。
(第一の考案のバリエーション1)
第一の考案は、以下のようなバリエーションを提供することもできる。
すなわち、滞流部材(22)および柄部材(24)は、ルアー本体(21)の長手方向に垂直な位置にて線対称となる位置へ複数備えることとしてもよい。
(用語説明)
「線対称となる位置へ複数備える」とは、二つ一組で対になっている場合が代表的であるが、二つ一組に加えて中央にひとつを加えた状態なども含む。
(作用)
複数の滞流部材(22)および柄部材(24)が備えられることにより、動きの安定に寄与する。
(第一の考案のバリエーション2)
第一の考案は、前記の柄部材(24)を、ルアー本体(21)において水底へ導かれる側に寄った位置へ備えることとするのが、より好ましい。
すなわち、ルアー本体(21)へ固定される錘(12)に近い位置へ柄部材(24)が位置し、その結果、滞流部材(22)も錘(12)に近い位置にて水流抵抗を受けることとなる。
柄部材(24)がルアー本体(21)において水底へ導かれる側に寄った位置へ備えられることにより、滞流部材(22)が水流抵抗を受けることとなる。その結果、ルアー本体(21)は水平を保とうとしながら水底へ導かれる。
第一の考案によれば、ルアーが水流抵抗を受けることでバランスをとるような、より具体的には、ルアーの長手方向を水平に保ちながら水底へ向かって移動させられるようなルアーを提供することができた。
本考案の第一の実施形態に係るルアーが水中にある場合を示す斜視図である。 本考案の第一の実施形態に係るルアーの平面図である。 本考案の第一の実施形態に係るルアーが水中にある場合の断面図である。 本考案の第一の実施形態に係るルアーが投げられ(a)、水中へ没し(b)、沈んでいく(c)様子を連続的に示した図である。 従来のルアーが投げられ、水中へ没して沈んでいく様子を連続的に示した図である。
以下、本考案の実施形態について図面を参照して説明する。ここで使用するのは、図1から図4である。
まず、図2に基づいて、本実施形態に係るルアー20の全体形状を示す。
このルアー20は、いわゆるソフトルアーと呼ばれる、全体を合成樹脂にて形成した軟質なルアーである。
ルアー本体21は、水生昆虫(トビゲラなど)に代表的な全体形状をなす。カールした二本の尾を備えるが、その反対端に傘を模した二本の腕を備える。
その傘は、ルアー本体21から延設される柄部材24と、その柄部材24の先端に位置する滞流部材22とからなる。
前述したように、ルアー本体21は軟質素材で形成されているので、柄部材24も滞流部材22も軟質である。柄部材24は、ルアー本体21よりもずっと細いので、その長手方向には、簡単に曲がる。
ルアー本体21の腹部分(中央付近)を貫通させるように釣り針12を突き刺し、その釣り針12の根元には、ライン10が結ばれている。そのライン10のルアー本体21とあまり離れない位置には、錘11が固定される。
滞流部材22は、ルアー本体21が沈んでいく際に、水流抵抗を受ける形状をなしている。図3に表しているが、傘の内曲面を補強するための骨部材23が存在する。すなわち、骨部材23は、半球面をなす滞流部材22が水流抵抗を受けることによってひっくり返るのを防止している。
錘11とともに水中へ没したルアー本体21は、錘11を水底へ向けて沈もうとするが、滞流部材22が水流抵抗を受ける。そのため、ルアー本体21の長手方向は、水平を保とうとしながら、ゆっくり沈んでいく。
図4とともに説明する。
図4(a)に示すように、ライン10へ錘11とともに固定されたルアー20は、釣り人によって投げられ、水面30へ着水する。着水したら、図4(b)に示すように、比重が大きい錘11が沈み、その錘11とライン10でつながれたルアー本体21も、錘11に引っ張られて沈もうとする。
しかし、錘11に近い側へ位置させている滞流部材22が水流抵抗を受けるので、図4(c)に示すように、ルアー本体21の長手方向は水平を保とうとする。釣り人が釣り竿を操作することによる対象魚への誘い動作の際、釣り人の釣り竿の動作速度は、滞流部材22が水流抵抗を受けてルアー本体21への応答を弱め、自然の動きに近づく。その姿に興味を示す対象魚40が、ルアー本体21へ突き刺している釣り針12に食いついてくるのを、釣り人は待つ。
柄部材24も滞流部材22も軟質であるため、適度に変形することで、水流抵抗を逃がすこともある。その際には、柄部材24も滞流部材22も不規則に揺れ、ルアー本体21も不規則な動きをすることとなる。そのため、対象魚をだましやすく、食いつきの確率上昇に寄与すると推測される。
本実施形態に係るルアー20は、ソフトルアーであり、合成樹脂製である。樹脂としては、主に軟質ゴムである。具体的には、たとえばシリコーンゴム、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブタジエン−アクリロニトリルゴム(NBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、ウレタンゴムなどである。
また、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系TPE、オレフィン系TPE、塩化ビニル系TPE、ウレタン系TPE、エステル系TPE、アミド系TPE、塩素化ポリエチレン系TPE、なども採用できる。
本考案は、釣り具の製造業、販売業またはレンタル業、アウトドアスポーツのインストラクター事業などにおいて、利用可能性を有する。
10; ライン 11; 錘
12; 釣り針
20; ルアー 21; ルアー本体
22; 滞流部材 23; 骨部材
24; 柄部材
30; 水面 31; 水中
40; 対象魚

Claims (3)

  1. ルアー本体と、
    そのルアー本体から離れるように位置して水流抵抗を受ける形状をなす滞流部材と、
    その滞流部材および前記ルアー本体を繋ぐための柄部材と、
    を備えたルアーであって、
    前記の柄部材は、その長手方向を曲げることができる可撓性を備えた材質にて形成したルアー。
  2. 前記の滞流部材および前記の柄部材は、ルアー本体の長手方向に垂直な位置にて線対称となる位置へ複数備えることとした請求項1に記載のルアー。
  3. 前記の柄部材は、ルアー本体において水底へ導かれる側へ寄った位置に備えることとした請求項1または請求項2のいずれかに記載のルアー。
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