JP3189442B2 - 液体の供給・補給システムにおける液体漏れ検出装置 - Google Patents

液体の供給・補給システムにおける液体漏れ検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,例えば常時運転が基本
である,いわゆるコ−ジェネレ−ションシステムや常用
発電装置に対する冷却水,燃料,潤滑油等の液体の供給
・補給システムにおける液体漏れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液体の供給・補給システムにおけ
る液体漏れに対処した装置は図4に示すように構成され
ていた。同図において,1は内燃機関等の機器,2はこ
の機器1の冷却水に使用される屋上設置型のラジエ−
タ,3及び4は夫々このラジエ−タ2に付属する放熱用
ファン及びファン駆動用モ−タである。5は膨張水槽兼
供給タンク,5aはレベルスイッチ,5bは水道等の給
水源に接続される配管,6は温度調節弁,7は機器1に
内蔵されたポンプで,これらの内,1点鎖線で示す部分
より上の2〜5の部分は屋上部に設置される。8a及び
8bは夫々往路となる配管,9a及び9bは夫々復路と
なる配管,10aは分岐用の配管,10bは給水用の配
管である。11は配管ピットで,上記各配管から冷却水
が漏れたとき,その冷却水が上記機器1に接触したり,
床面に湿気をもたらすことがないようにするためのもの
である。なお,11aは配管ピット11内に設けられる
ことがあるフロ−トセンサを示す。12はA重油等の燃
料または潤滑油を収納したタンク,12a及び12bは
夫々タンク12に設けた取出口及び取入口,12cは通
気管である。1a,1bは夫々機器1に設けた取出口及
び取入口である。13は燃料等の液体の供給管(補給
管)で,これはポンプ14,手動操作弁15,電磁弁1
6を介して,取出口12a,取入口1bに連結される。
17は戻入管で,ポンプPを介して,取入口12b,取
出口1aに連結される。この場合,ポンプ14と電磁弁
16とは連動して操作され,ポンプ14のON又はOF
Fにより夫々電磁弁16は開状態又は閉状態となり,一
方,手動操作弁15は通常時は開状態にされている。1
8はタンク12を据え付ける床面,18a,18bは夫
々防油堤でタンク12を取り囲むように設けられてい
る。なお,図示しないが,各取出口12a,1a,取入
口12b,1bの各部分にはフレキシブルパイプが設け
られていて,床面18が振動や地震で揺れたりしても,
供給管13,戻入管17に余分な外力が加わらないよう
に保護するようになっている。上記構成において,機器
1,配管9a,9b,ラジエ−タ2,給水用配管10
b,膨張水槽兼供給タンク5,配管8a,8b及び機器
1という循環経路は,機器1に冷却水を供給するための
もので,また,タンク12,供給管13,ポンプ14,
弁15,16,機器1及び戻り管17という循環経路
は,機器1に燃料もしくは潤滑油を供給・補給するため
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のコ−ジェネレ−
ションシステム常用発電装置等への燃料,冷却水等の液
体の供給・補給システムでは,上記燃料及び冷却水等の
液漏れに対処して,冷却水を供給する経路に配管ピット
11,さらに燃料等を供給・補給するタンク12には防
油堤18a,18bが設けられていた。しかし,液体漏
れによる上記配管ピット11及び防油堤18a,18b
に溜まった冷却水及び油がこれらの量が所定量に達する
と配管ピット中に設置されている電気配線部の絶縁を破
壊し,また油に引火した場合には火災を起こす危険性が
あるため何等かの監視が必要であった。しかし,係員に
よる目視による監視による場合には,24時間態勢で配
管ピット及び防油堤に対して行わなければならず大変で
ある。このため図4に示すように配管ピット11内にフ
ロ−トセンサ11aを設けることも行われているが,フ
ロ−トセンサ11aによっては,検出された液漏れの液
体の種別が油なのか,水なのかの判別ができないため,
適切な保護動作ができないという問題点があった。本発
明は従来のものの上記課題(問題点)を解決するように
した液体の供給・補給システムにおける液体漏れ検出装
置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記課題を解
決するために,内燃機関等の機器に燃料,潤滑油等の油
と冷却水を供給・補給し,上記燃料,潤滑油を供給・補
給するタンクの周りに防油堤と,上記冷却水を供給する
経路の上記燃料,潤滑油が供給される機器の近傍に配管
ピットを備えた液体の供給・補給システムにおいて,
上記防油堤には第1の液位検出装置を設け,上記配管ピ
ットには,導電性の有無の判別機能を備えた第2の液位
検出装置を設けるように構成した。この場合,上記防油
堤に設けられる第1の液位検出装置はフロ−トセンサよ
り構成し,また上記配管ピットに設けられる第2の液位
検出装置はフロ−トセンサと電極棒センサとより構成す
ることが望ましい。また,上記第1の液位検出装置の検
出値により防油堤からの油漏れを検出し,この検出値が
所定の警戒レベルに達したときは警報を出すようにする
ことが望ましい。さらに,上記第2の液位検出装置の検
出値が,電極棒センサの検出値はなく,フロ−トセンサ
の検出値のみの場合には油漏れであると判別し,また,
電極棒センサとフロ−トセンサの両者の検出値がある場
合には水漏れ又は大半が水漏れと判別した上,これらの
判別した検出値のレベルが所定の警戒レベル以上となっ
た時は,警報を出すようにすることが望ましい。
【0005】
【作用】本発明の液体の供給・補給システムにおける液
体漏れ検出装置は防油堤と配管ピットに水位検出装置を
備えるようにしたため,液体漏れによる上記配管ピット
及び防油堤に溜まった冷却水及び油の検出を常時自動的
に行える。また,これらの液体漏れがあった場合,これ
らの液体の種別を判別した上で,漏れ量が警戒レベル以
上となったときは,警報を出し,所要の保守を行えるよ
うになっている。
【0006】
【実施例】以下図1乃至図3に示す一実施例によって本
発明を具体的に説明する。同図において従来のものと対
応する構成については,図4と同一の符号を付して示し
た。30はタンク12を据え付ける床面,30a,30
bは夫々防油堤でタンク12を取り囲むように設けられ
ている。31は床面30に設けられた凹所32に収納し
たフロ−トセンサ等の液位検出装置で,その拡大図を図
2に示す。40は配管ピット,41はフロ−トセンサ4
2及び電磁棒センサ43より成る液位検出装置で,その
拡大図を図3に示す。この液位検出装置41は配管ピッ
ト40内の適当区間内に設けられる受けマス等の凹所4
0aを利用して配置される。なお,図3において電磁棒
センサ43を構成する電磁棒43a,43b,43cは
夫々LL,HL,FLの液位を検出する。図示しない
が,液位検出装置31,41により検出された液体漏れ
量のレベルが夫々所定の警戒レベルとなったときは,こ
れを検出して警報信号を出す手段が設けられているもの
とする。この場合,防油堤30a,30b内に設けられ
る第1の液位検出装置31を構成するフロ−トセンサ
は,その検出値により防油堤からの油漏れを検出し,こ
の検出値が所定の警戒レベルに達したときに警報を出す
ようになっている。また,配管ピット40に設けられる
第2の液位検出装置41はフロ−トセンサ42と電極棒
センサ43とから構成されているから,この第2の液位
検出装置41の検出値が,電極棒センサ43の検出値は
なく,フロ−トセンサ42の検出値のみの場合には油漏
れであると判別し,また,電極棒センサ43とフロ−ト
センサ42の両者の検出値がある場合には水漏れ又は大
半が水漏れと判別した上,これらの判別した検出値のレ
ベルが所定の警戒レベル以上となった時に,警報を出す
ようになつている。従って,防油堤30a,30b内の
液位検出装置31はフロ−トセンサ32より成るため,
特定レベルの液位だけでなく連続した液位を検出でき,
火災につながる恐れがある燃料,潤滑油等のタンク12
からの油漏れに対して常時細かな監視を行い,必要時に
は警報を出すことができる。また,配管ピット40内の
液位検出装置41は,フロ−トセンサ42のみの検出値
によって油漏れを検出し,フロ−トセンサ42と電極棒
センサ43の両者の検出値があることにより水漏れであ
ることを判別した上で,図3に示す電極棒センサ43の
電極棒43a,43b,43cによって夫々LL,H
L,FLという所定の警戒レベルを検出しており,これ
らの判別値が警戒レベル以上となったときに警報を出す
ようにしている。このような液種の判別を行った上で警
戒レベルとの比較を行うという2種のセンサの物理的性
質を利用したセンサ検出を行うことにより,漏れた液体
が水の場合,この水が内燃機関等の機器1へ直接接触
し,漏電の原因となったり,配管ピット内の電気配線部
の絶縁破壊を起こしたり,さらに,漏れた油に引火して
火災となるような事態が未然に防止できる。なお,図示
しないが,本発明は発電機室内での冷却水の配管からの
液体漏れの検出にも適用可能である。
【0007】
【発明の効果】本発明の液体の供給・補給システムにお
ける液体漏れ検出装置は,上記のように燃料,潤滑油等
の油を供給・補給するタンクの周囲に防油堤を設け,こ
の防油堤には,油漏れ検出用の第1の液位検知装置を備
え,配管ピットには導電性の有無の判別機能を有する第
2の液位検知装置(フロートセンサと電極棒センサとの
組合せ等)を備えて構成したものである。そして,この
場合,水は電気の導通性を有するが,油は電気の導通性
がないという物理的性質を有する点と,フロ−トセンサ
は水,油に拘わらず液面の液位の変化を検出し,電極棒
センサは水位の変化のみを検出する点を考慮し,これら
の2つのセンサの設置場所も考慮して配置したものであ
るから,次のような優れた効果を有する。液体漏れに
よる上記配管ピット及び防油堤に溜まった冷却水及び油
の検出を常時自動的に行え,これらの液漏れ量が警戒レ
ベルとなった場合の警報も自動的に報知するから,監視
のための係員を配置する必要がなくなった。また,こ
の検出装置による報知によって,タンクからの油漏れに
対して初期の段階にて適切な措置をとれるから火災の心
配がなくなった。また,漏れた水の内燃機関等の機器
への直接接触も無くなったため,電気配線部の絶縁破壊
をも未然に防げるようになった。さらに,床面を通じ
て配管ピットに漏れた液体が水か油かを判別して検知で
きるから遅滞なく相応の対策がとれるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す配管を含
めた正面略図である。
【図2】本発明の水位検出装置の一実施例を示す拡大図
である。
【図3】本発明の水位検出装置の他の一実施例を示す拡
大図である。
【図4】従来の構成を示す配管を含めた正面略図であ
る。
【符号の説明】
30:床面 30a,30b:防油堤 40:配管ピット 31,41:液位検出装置 32,40a:凹所 42:フロ−トセンサ 43:電極棒センサ 43a,43b,43c:電極棒

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関等の機器に燃料,潤滑油等の油
    と冷却水を供給・補給し,上記燃料,潤滑油を供給・補
    給するタンクの周りに防油堤, 上記冷却水を供給する経路の上記燃料,潤滑油が供給さ
    れる機器の近傍に配管ピットを備えた液体の供給・補
    給システムにおいて, 上記防油堤には第1の液位検出装置を設け, 上記配管ピットには,導電性の有無の判別機能を備えた
    第2の液位検出装置を設けるようにしたことを特徴とす
    る液体の供給・補給システムにおける液体漏れ検出装
    置。
  2. 【請求項2】 上記防油堤に設けられる第1の液位検出
    装置はフロ−トセンサより構成し,また上記配管ピット
    に設けられる第2の液位検出装置はフロ−トセンサと電
    極棒センサとより構成するようにした請求項1記載の液
    体の供給・補給システムにおける液体漏れ検出装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の液位検出装置の検出値により
    防油堤からの油漏れを検出し,この検出値が所定の警
    レベルに達したときは警報を出すようにした請求項1又
    は2記載の液体の供給・補給システムにおける液体漏れ
    検出装置。
  4. 【請求項4】 上記第2の液位検出装置の検出値が,電
    極棒センサの検出値はなく,フロ−トセンサの検出値
    みの場合には油漏れであると判別し,また,電極棒セン
    サとフロ−トセンサの両者の検出値がある場合には水漏
    れ又は大半が水漏れと判別した上,これらの判別した検
    出値のレベルが所定の警戒レベル以上となった時は,警
    報を出すようにした請求項1又は2記載の液体の供給・
    補給システムにおける液体漏れ検出装置。
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