JP3189154B2 - 免疫測定用担体の製造方法 - Google Patents

免疫測定用担体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫測定用担体の製造
方法に関するものであり、詳しくは、従来の担体に比較
して抗体や抗原等の吸着能力に優れた担体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に血清や尿等の生体試料に含有され
る微量の物質、例えば蛋白質等の含有量等は、抗体や抗
原を利用した免疫測定を実施することで知ることができ
る。
【0003】このような免疫測定においては抗体や抗原
を固定化するためにビ−ズ状の水不溶性の担体を使用す
ることがある。特に、磁性物質を含む担体は、溶液の攪
拌や免疫測定で行われる結合物/遊離物の分離(B/F
分離、洗浄等と称される)に有用である。
【0004】このような磁性物質を含む担体は、例え
ば、型枠を使用してビ−ズ状のポリスチレンを製造した
後、これに磁性物質を融着(熱融着)する方法(特開昭
62−197425号)、磁性物質を練り込んだポリス
チレン材料を適当な大きさに切断したペレットを製造
後、適当な溶媒中でスチレンモノマ−と重合させるなど
して製造されている。
【0005】
【従来技術の課題】型枠を使用してビ−ズ状ポリスチレ
ンを製造し、これに磁性物質を融着させる方法では、型
枠を作製するのに多大の時間と費用を要するという課題
がある。しかも、一種類の型枠からは一種類のビ−ズ状
ポリスチレンしか製造できないことから、担体の大きさ
等を変更する場合には型枠から作製し直さなければなら
ないという課題もある。
【0006】担体に含まれる磁性物質の量は、攪拌効率
等を考慮すると多ければ多いほど良いが、磁性物質を練
り込んだポリスチレン材料を切断してペレットにした
後、重合反応に供する方法では、磁性物質量をポリスチ
レン材料に多量に混入させると切断の際に切断用カッタ
−を傷付ける結果となってしまう。しかも、重合により
得られる担体は、その表面が滑面であるため、抗体や抗
原等の吸着能の面においても改善の余地がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来技術に鑑みて、本発
明者らは、磁性物質を含み、高い吸着能を有する担体の
製造方法であって、磁性物質を大量に含むにもかかわら
ず、カッタ−等を傷付けることのない方法について鋭意
検討を行った。その結果、磁性物質として疎水化処理し
た金属粒子を使用すれば、ポリスチレンペレットとスチ
レンモノマ−等の重合反応の際にこれを担体に取り込ま
せることが可能であることを見い出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0008】即ち本発明は、金属粒子を疎水化処理する
工程、ポリスチレンをペレットに切断する工程、このよ
うにして調製される疎水化金属粒子及びポリスチレンペ
レットを、スチレンモノマ−、重合開始剤及び架橋剤の
存在下、疎水化金属粒子及びスチレンが難溶解性を示す
溶媒中で処理して疎水化金属粒子を含んだポリスチレン
粒子を調製する工程、からなる免疫測定用担体の製造方
法である。
【0009】また本発明は、金属粒子を疎水化処理する
工程、ポリスチレンをペレットに切断する工程、このよ
うにして調製される疎水化金属粒子及びポリスチレンペ
レットを、スチレンモノマ−、重合開始剤、架橋剤及び
スチレンモノマ−の重合反応に不活性であり、後の工程
で抽出され又は蒸発する性質を有する添加剤の存在下、
疎水化金属粒子及びスチレンが難溶解性を示す溶媒中で
処理して疎水化金属粒子及び添加剤を含むポリスチレン
粒子を調製する工程、このようにして調製されるポリス
チレン粒子を抽出剤で処理し又は蒸発処理してその内部
に含まれる添加剤を抽出し又は蒸発させる工程、からな
る免疫測定用担体の製造方法である。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0010】本発明は、異なる工程からなる2種の方法
に関するものである。本明細書では便宜上、第一の方法
又は第二の方法として以下説明する。
【0011】第一の方法は、以下の工程からなる製造方
法である。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、(2)ポリスチ
レンをペレットに切断する工程、(3)前記(1)及び
(2)で調製される疎水化金属粒子及びポリスチレンペ
レットを、スチレンモノマ−、重合開始剤及び架橋剤の
存在下、疎水化金属粒子及びスチレンが難溶解性を示す
溶媒中で処理して疎水化金属粒子を含んだポリスチレン
粒子を調製する工程。使用する金属粒子は磁性物質であ
れば制限はない。例えば、コバルト、マンガン、ニッケ
ル、フェライト又は鉄やこれらの酸化物等が例示でき
る。これら金属粒子を後に説明する重合工程において担
体に取り込ませる目的で、疎水化処理を行う。この処理
は、例えばオクタデシルトリエトキシシラン等に代表さ
れるシランカップリング剤等の表面処理剤を使用して行
うが、使用する表面処理剤は金属粒子の表面に疎水基を
導入し得るものであれば特に制限はない。
【0012】本発明で使用するポリスチレンは、ポリス
チレンのみからなる(ポリスチレン100%)必要はな
く、50%程度以上のポリスチレンを含むものであれば
良い。このポリスチレンをペレットに切断する工程は、
通常のカッタ−を使用したり、押し出し等することによ
り容易に実施できる。なお、本発明の製造方法において
均一な大きさの担体を製造しようとする場合には、本工
程においてポリスチレンを均一重量のペレットに切断す
れば良い。
【0013】本発明においてはペレットの重量に制限は
ないが、後の重合工程の効率等を考慮した場合、通常は
0.2から200mg程度、とくに1から3mg程度の
ペレットにポリスチレンを切断すると良い。
【0014】以上説明した二つの工程を行う順序は特に
限定されたものではなく、単に次の工程に先立って行わ
れていれば良い。
【0015】次に、調製された疎水化金属粒子及びポリ
スチレンペレットを、スチレンモノマ−、重合開始剤及
び架橋剤の存在下、疎水化金属粒子及びスチレンが難溶
解性を示す溶媒中で処理して疎水化金属粒子を含んだポ
リスチレン粒子を調製する。この工程は即ち、前記した
ペレットを核としてスチレンモノマ−を重合させる工程
であり、その重合に際して前記疎水化金属粒子を取り込
ませるのである。
【0016】重合開始剤や架橋剤に特別の制限はなく、
例えばそれぞれ過酸化ベンゾイル等やジビニルベンゼン
等が例示できる。疎水化金属粒子及びスチレンが難溶解
性を示す溶媒にも特別な制限はなく、例えば水やポリビ
ニルアルコ−ルの水溶液等が例示できる。また、処理時
間や処理温度等の詳細な条件は、処理に供されるペレッ
トの大きさや使用する薬剤更には溶媒の種類等により適
宜決定すれば良い。例えば前記したような本発明におい
て特に好ましい範囲の重量を有するペレットについて、
過酸化ベンゾイル及びジビニルベンゼンを用いて水溶液
中で本工程を行う場合には、50から100℃の温度条
件下、15分から48時間、好ましくは1から4時間程
度の処理を行えば良い。またここで、溶媒は緩やかに攪
拌すると良い。
【0017】以上の工程により、金属粒子を含む、ビ−
ズ状(ほぼ真球状)のポリスチレン粒子が製造される。
この粒子は、抗体や抗原等を吸着することができ、その
まま免疫測定用担体として使用することができる。しか
し、その吸着能を高める目的で、表面を粗面化する工程
に供することが好ましい。
【0018】表面を粗面化する工程は、例えば酸化アル
ミニウム等の、ポリスチレン粒子の表面を削れるような
研磨剤を使用することで容易に実施できる。具体的に
は、研磨剤及びポリスチレン粒子を、これらが不溶の例
えば水やメタノ−ル等の溶媒に加え、攪拌することが例
示できる。なおこの工程は、ポリスチレン粒子が変形し
ない範囲の温度条件下で、15分から24時間程度実施
すれば良い。
【0019】第二の方法は、以下の工程からなる製造方
法である。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、(2)ポリスチ
レンをペレットに切断する工程、(3)前記(1)及び
(2)で調製される疎水化金属粒子及びポリスチレンペ
レットを、スチレンモノマ−、重合開始剤、架橋剤及び
スチレンモノマ−の重合反応に不活性であり、後の
(4)の工程で抽出され又は蒸発する性質を有する添加
剤の存在下、疎水化金属粒子及びスチレンが難溶解性を
示す溶媒中で処理して疎水化金属粒子及び添加剤を含む
ポリスチレン粒子を調製する工程、(4)前記(3)に
より調製されるポリスチレン粒子を抽出剤で処理し又は
蒸発処理してその内部に含まれる添加剤を抽出し又は蒸
発させる工程。
【0020】第二の方法における(1)及び(2)の工
程は、先に説明した第一の方法と同一である。しかしな
がら、第二の方法における(3)の工程は、第一の方法
と同一の重合開始剤や架橋剤以外に、添加剤を使用する
点で異なる。添加剤とは、この工程における重合反応に
は不活性であり、(4)の工程において抽出又は蒸発さ
れる物質である。重合反応に不活性とは、スチレンモノ
マ−の重合反応に関与しないことを意味している。添加
剤としては、例えばイソアミルアルコ−ルやトルエン等
を例示できる。
【0021】以上の工程により、金属粒子及び添加剤を
含む、ビ−ズ状(ほぼ真球状)のポリスチレン粒子が製
造される。従って、この粒子に含まれる添加剤を抽出又
は蒸発させ、表面に無数の孔を有する、抗体等の吸着能
が高められた担体を製造する目的で、続いて(4)の工
程を実施する。
【0022】この処理の詳細は、使用した添加剤を、製
造されたポリスチレン粒子内部から抽出又は蒸発させる
ことが可能であれば制限はなく、添加剤との関係で適宜
決定して実施すれば良い。例えば先に述べたイソアミル
アルコ−ルやトルエン等を添加剤として使用した場合に
は、蒸発処理を実施することが例示できる。この蒸発処
理は、例えばポリスチレン粒子を減圧条件下に放置し又
は40から100℃の高温条件下に放置することで実施
できる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0024】実施例1 フェライトの疎水化 フェライト(東ソ−(株)製)1000g、トルエン
(ナカライテスク(株)製)3.4L、オクタデシルト
リエトキシシラン(信越化学(株)製)120gを反応
容器に加え、加熱してトルエンを還流させながら3時間
攪拌した。次いで反応物を濾過して乾燥させ、表面が疎
水化されたフェライトを得た。
【0025】実施例2 フェライトを含むポリスチレン
粒子の製造(第一の製造方法) 25gのポリビニルアルコ−ル(和光純薬工業(株)
製)を500mLのイオン交換水に溶解し、80℃に加
熱した。一方、ポリスチレン(旭化成工業(株)製)を
切断機を用いて1.3から1.5mgに切断してポリス
チレンペレットとし、総量で5gをポリビニル溶液に添
加した。
【0026】1時間攪拌した後、実施例1で得た疎水化
フェライト5g、スチレンモノマ−(和光純薬工業
(株)製)35g、ジビニルベンゼン(東京化成工業
(株)製)15g、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク
(株)製)0.67gを添加し、3時間攪拌しつつ重合
反応を行った。
【0027】反応終了後、製造されたほぼ真球状のポリ
スチレン粒子(担体)を回収し、水で洗浄して乾燥し
た。
【0028】実施例3 ポリスチレン粒子の表面粗面化 実施例2で得られたポリスチレン粒子5gを、酸化アル
ミニウム(ナカライテスク(株)製)1gと共にイオン
交換水100mLに加え、25℃条件下で攪拌しつつ3
時間放置して、表面が粗面化されたポリスチレン粒子
(担体)を得た。
【0029】実施例4 フェライトを含むポリスチレン
粒子の製造(第二の製造方法) 25gのポリビニルアルコ−ル(和光純薬工業(株)
製)を500mLのイオン交換水に溶解し、80℃に加
熱した。一方、ポリスチレン(旭化成工業(株)製)を
切断機を用いて1.3から1.5mgに切断してポリス
チレンペレットとし、総量で5gをポリビニル溶液に添
加した。
【0030】1時間攪拌した後、実施例1で得た疎水化
フェライト5g、スチレンモノマ−(和光純薬工業
(株)製)35g、ジビニルベンゼン(東京化成工業
(株)製)15g、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク
(株)製)0.67g及びイソアミルアルコ−ル(和光
純薬工業(株)製)25gを添加し、3時間攪拌しつつ
重合反応を行った。
【0031】反応終了後、製造されたほぼ真球状のポリ
スチレン粒子を回収し、水で洗浄して乾燥した。
【0032】実施例5 ポリスチレン粒子内のイソアミ
ルアルコ−ルの抽出 丸底フラスコに、実施例4で得られた内部にイソアミル
アルコ−ルを含むポリスチレン粒子を入れ、減圧条件
(0.1atm)下、80℃で緩やかに攪拌しつつ1時
間放置してイソアミルアルコ−ルを蒸発させ、表面に無
数の孔を有するポリスチレン粒子(担体)を得た。
【0033】実施例6 ヒト免疫グロブリンMの酵素免
疫測定−1 実施例2又は実施例3で得たポリスチレン粒子(担体)
を用いて、免疫測定を行った。1gの担体と0.2mg
の抗ヒトIgM抗体(BIOSYSTEM 社製)をP
BS溶液(Phosphate Buffer Sal
ine、pH7.4)中で混合して室温で24時間放置
し、抗体を吸着させた。
【0034】溶液から担体を回収し、PBS溶液で3回
洗浄し、1重量%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む
PBS溶液に加えて、ブロッキング処理を行った。
【0035】ヒトIgMを、0、100、200、40
0、800ng/mLの濃度で含む試験溶液の150μ
Lを、以上のようにして得た抗体を吸着した担体の5個
と混合し、37℃で1時間放置し、免疫反応を行わせ
た。なお、この際、磁石を使用して担体を緩やかに攪拌
する操作を実施した。
【0036】免疫反応終了後、溶液から担体を回収し、
0.05% Tween20を含むPBS溶液で3回洗
浄し、アルカリ性フォスファタ−ゼ(ALP)と結合し
た抗ヒトIgM抗体(TAGO社製)の150μLを添
加し、37℃で1時間放置した。なお、この際、磁石を
使用して担体を緩やかに攪拌する操作を実施した。
【0037】溶液から担体を回収し、PBS溶液で3回
洗浄した。続いてALPの基質であるPNPP(1mM
のパラニトロフェニルリン酸を含むpH10の溶液)の
100μLを加え、37℃で1時間放置した。100μ
Lの1N−NaOHを加えて酵素反応を停止させた後、
405nmの吸光度を測定した。
【0038】結果を図1に示す。図1によれば、実施例
2又は実施例3で得た担体を使用した免疫測定において
は、抗原として使用したヒトIgMの濃度に依存して測
定されるシグナル(吸光度)が大きくなり、いずれの担
体も免疫測定に使用し得ることが分かる。また、表面を
粗面化されていない担体(実施例2の担体)に比較し
て、表面を粗面化された担体(実施例3の担体)は、測
定されるシグナルが大きいことも分かる。このことは、
表面の粗面化処理により、抗体が担体表面に結合し易く
なることを示している。
【0039】実施例7 ヒト免疫グロブリンMの酵素免
疫測定−2 実施例4で得たポリスチレン粒子(担体)を用いて、免
疫測定を行った。1gの担体と0.2mgの抗ヒトIg
M抗体(BIOSYSTEM社製)をPBS溶液(Ph
osphate Buffer Saline,pH
7.4)中で混合して室温で24時間放置し、抗体を吸
着させた。
【0040】溶液から担体を回収し、PBS溶液で3回
洗浄し、1重量%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む
PBS溶液に加えて、ブロッキング処理を行った。
【0041】ヒトIgMを、0、100、200、40
0、800ng/mLの濃度で含む試験溶液の150μ
Lを、以上のようにして得た抗体を吸着した担体の5個
と混合し、37℃で1時間放置し、免疫反応を行わせ
た。なお、この際、磁石を使用して担体を緩やかに攪拌
する操作を実施した。
【0042】免疫反応終了後、溶液から担体を回収し、
0.05% Tween20を含むPBS溶液で3回洗
浄し、アルカリ性フォスファタ−ゼ(ALP)と結合し
た抗ヒトIgM抗体(TAGO社製)の150μLを添
加し、37℃で1時間放置した。なお、この際、磁石を
使用して担体を緩やかに攪拌する操作を実施した。
【0043】溶液から担体を回収し、PBS溶液で3回
洗浄した。続いてALPの基質であるPNPP(1mM
のパラニトロフェニルリン酸を含むpH10の溶液)の
100μLを加え、37℃で1時間放置した。100μ
Lの1N−NaOHを加えて酵素反応を停止させた後、
405nmの吸光度を測定した。
【0044】結果を図2に示す。図2によれば、実施例
4で得た担体を使用した免疫測定においては、抗原とし
て使用したヒトIgMの濃度に依存して測定されるシグ
ナル(吸光度)が大きくなり、いずれの担体も免疫測定
に使用し得ることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、その表面付近に金属粒子を有
する免疫測定用担体を型枠等をすることなしに製造する
方法である。しかも本発明の製造方法においては、ポリ
スチレンペレットもコアとして使用し、これにスチレン
モノマ−を重合させてビ−ズ状とする際、金属粒子をこ
れに取り込ませるため、仮に金属粒子を含んでいないポ
リスチレンペレットを使用した場合であっても、最終的
に金属粒子を含んだ担体を製造できる。従って、大量の
金属粒子を含む担体を製造しようとする場合に、金属粒
子を含んでいないか又は切断カッタ−を傷付ける恐れの
少ない量の金属粒子しか含んでいないポリスチレンペレ
ットをコアとして使用することができる。特に金属粒子
を含んでいないポリスチレンペレットを使用する場合に
は、金属粒子をポリスチレンと混合する工程を省略で
き、ペレット製造の際にカッタ−を傷付けることもな
い。
【0046】本発明では、担体に含ませる金属粒子の量
や、金属粒子の種類自体を容易に変更できる。従って、
比重の高い金属粒子を使用すれば、必要に応じて比重の
高い担体を製造することが可能である。しかも、本発明
では重合の際に金属粒子を取り込ませるため、担体全体
に渡って均一に金属粒子が分布した担体が製造されるこ
とになる。
【0047】本発明により製造される担体は、表面に多
数の孔を有するものか、又は後に表面を粗面化される担
体である。このように表面が加工された担体では、抗体
や抗原等の吸着能が大幅に向上されており、免疫測定を
行うために、好適な担体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例6の結果を示すもので
ある。図中、横軸は免疫測定に抗原として使用したヒト
IgMの濃度を、縦軸は405nmにおける吸光度をそ
れぞれ示している。白丸は、実施例3で得られた表面を
粗面化された担体についての結果を示すものであり、黒
丸は実施例2で得られた担体についての結果を示すもの
である。
【図2】図2は、本発明の実施例7の結果を示すもので
ある。図中、横軸は免疫測定に抗原として使用したヒト
IgMの濃度を、縦軸は405nmにおける吸光度をそ
れぞれ示している。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程からなる、免疫測定用担体の製
    造方法。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、 (2)ポリスチレンをペレットに切断する工程、 (3)前記(1)及び(2)工程で調製される疎水化金
    属粒子及びポリスチレンペレットを、スチレンモノマ
    ー、重合開始剤及び架橋剤の存在下、疎水化金属粒子及
    びスチレンモノマーが難溶解性を示す溶媒中で処理して
    疎水化金属粒子を含むポリスチレン粒子を調製する工
    程、そして、 (4)得られたポリスチレン粒子の表面を粗面化する処
    理工程。
  2. 【請求項2】前記(4)の粗面化する処理工程が、研磨
    剤によりポリスチレン粒子の表面を削る工程であること
    を特徴とする、請求項1の免疫測定用担体の製造方法。
  3. 【請求項3】以下の工程からなる、免疫測定用担体の製
    造方法。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、 (2)ポリスチレンをペレットに切断する工程、 (3)前記(1)及び(2)工程で調製される疎水化金
    属粒子及びポリスチレンペレットを、スチレンモノマ
    ー、重合開始剤、架橋剤及びスチレンモノマーの重合反
    応に不活性であり、後の(4)の工程で抽出され又は蒸
    発する性質を有する添加剤の存在下、疎水化金属粒子及
    びスチレンモノマーが難溶解性を示す溶媒中で処理して
    疎水化金属粒子を含むポリスチレン粒子を調製する工
    程、そして、 (4)前記(3)により調製されるポリスチレン粒子
    を、抽出剤で処理し又は蒸発処理してその内部に含まれ
    る前記添加剤を抽出し又は蒸発させる工程。
  4. 【請求項4】前記添加剤がイソアミルアルコール又はト
    ルエンであることを特徴とする、請求項3の免疫測定用
    担体の製造方法。
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