JP3189153B2 - 免疫測定用担体の製造法 - Google Patents

免疫測定用担体の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、免疫測定用担体の製造
方法に関するものであり、詳しくは、従来の担体に比較
して抗体や抗原等の吸着能力に優れた、金属粒子を含む
微粒子担体等の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に血清や尿等の生体試料に含有され
る微量の物質、例えば蛋白質等の含有量等は、抗体や抗
原を利用した免疫測定を実施することで知ることができ
る。
【0003】このような免疫測定においては抗体や抗原
を固定化するためにラテックス等の微粒子担体を使用す
ることがある。このようなラテックス等の微粒子担体
は、溶液の攪拌や免疫測定で行われる結合物/遊離物の
分離(B/F分離(洗浄)等と称される)の実施が困難
であるため、例えば磁性を有する金属粒子等を含有させ
るのが普通である。
【0004】
【従来技術の課題】ラテックス等の微粒子担体に関して
は、成型が事実上不可能であり、従って懸濁重合反応の
ような高分子反応を利用して製造せざるを得ないが、こ
の場合、磁性を有する金属粒子を含有させようとして
も、反応させる高分子との親和性や比重の違いにより、
希望する大きさ、形の担体が製造できないとか、少量し
か製造できないという課題がある。
【0005】また、あらかじめ金属粒子を練り込んだ高
分子材料を後に破砕する等の製造方法においては、製造
される担体の大きさや形状を均一にすることが困難なう
え、場合によっては金属を含んでいない担体が製造され
る可能性があるなど、なお改善されるべき点がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、金属粒子
を含む微粒子担体の製造方法について鋭意検討を行った
結果、表面を疎水化処理した金属粒子はそれ自体が有用
な担体であること及び表面を疎水化処理された金属粒子
はスチレンモノマ−と良好に結合し得ることを見出だ
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、金属粒子の表面を疎水化処
理することを特徴とする、疎水化された表面を有する金
属粒子からなる免疫測定用担体の製造方法である。
【0008】また本発明は、(1)金属粒子を疎水化処
理する工程、(2)疎水化処理された金属粒子を、スチ
レンモノマ−、重合開始剤及び架橋剤の存在下、疎水化
金属粒子及びスチレンモノマ−が難溶解性を示す溶媒中
で重合処理して疎水化金属粒子を含んだポリスチレン粒
子を調製する工程、からなる、疎水化された表面を有す
る金属粒子及びその表面を覆うポリスチレンからなる免
疫測定用担体の製造方法である。
【0009】更に本発明は、(1)金属粒子を疎水化処
理する工程、(2)疎水化処理された金属粒子を、スチ
レンモノマ−、重合開始剤、架橋剤及びスチレンモノマ
−の重合反応に不活性であり、後の(3)の工程で抽出
され又は蒸発する性質を有する添加剤の存在下、疎水化
金属粒子及びスチレンが難溶解性を示す溶媒中で処理し
て疎水化金属粒子及び添加剤を含むポリスチレン粒子を
調製する工程、(3)前記(2)により調製されるポリ
スチレン粒子を抽出剤で処理し又は蒸発処理してその内
部に含まれる添加剤を抽出し又は蒸発させる工程、から
なる、疎水化された表面を有する金属粒子及びその表面
を覆うポリスチレンからなる免疫測定用担体の製造方法
である。以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明は、異なる工程からなる3種の方法
に関するものである。本明細書では便宜上、第一、第二
又は第三の方法として以下説明する。
【0011】第一の方法は、金属粒子の表面を疎水化処
理することを特徴とする、疎水化された表面を有する金
属粒子からなる免疫測定用担体の製造方法である。本発
明でいう金属粒子は、例えば微粒子担体の比重を大きく
する目的で、また例えば先に説明したようにB/F分離
等を効率的に実施する目的で使用される。後者の目的で
は磁性等を有するマンガン、フェライト、ニッケル、コ
バルト等を使用することが例示できる。
【0012】金属粒子は、希望する担体の大きさに合致
した粒子径を有するものを選択して使用すれば良いが、
0.1μm〜1mm程度のものが本発明においては好ま
しく使用される。
【0013】金属粒子の疎水化処理は、例えば有機溶媒
中で表面疎水処理剤と金属粒子を混合する等して実施で
きる。この有機溶媒は表面疎水処理剤を溶解できるもの
であれば制限は無い。例えばトルエン等に代表される疎
水性有機溶媒が好ましく使用できる。表面疎水処理剤
は、金属粒子表面に結合でき、かつ、その表面に疎水性
を与えることができるものなら特に制限されないが、例
えばオクタデシルトリエトキシシランやオクタデシルト
リメトキシシランに代表されるシランカップリング剤が
例示できる。
【0014】表面疎水化処理を実施する際の処理時間等
の条件は、使用する金属粒子、表面処理剤、溶媒等によ
り異なるが、トルエン中でオクタデシルトリエトキシシ
ランと粒子径0.3μmのフェライトを混合する場合に
は、室温から溶媒の沸騰温度の条件下で15分から48
時間程度、好ましくは1から4時間程度処理することが
例示できる。なおこの際、溶媒を攪拌することが好まし
い。
【0015】以上のようにして製造される金属粒子を含
む微粒子担体は、例えば蛋白質等を吸着することができ
るため、単に混合して放置するのみで抗体や抗原等を吸
着することが可能である。
【0016】本発明の第二の方法は、以下の工程からな
る疎水化された表面を有する金属粒子及びその表面を覆
うポリスチレンからなる免疫測定用担体の製造方法であ
る。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、(2)疎水化処
理された金属粒子を、スチレンモノマ−、重合開始剤及
び架橋剤の存在下、疎水化金属粒子及びスチレンモノマ
−が難溶解性を示す溶媒中で重合処理して疎水化金属粒
子を含んだポリスチレン粒子を調製する工程。
【0017】(1)の工程は、先に説明した第一の方法
のようにして実施できる。なおこの工程は、(2)の工
程の直前に行われる必要はなく、例えば第一の工程のみ
を実施しておき、後に(2)の工程を実施しても良い。
【0018】(2)の工程は即ち、疎水化金属粒子を核
として、それを覆うようにスチレンモノマ−を重合させ
る工程である。重合開始剤や架橋剤に特別の制限はな
く、例えばそれぞれ過酸化ベンゾイル等やジビニルベン
ゼン等が例示できる。疎水化金属粒子及びスチレンモノ
マ−が難溶解性を示す溶媒にも特別な制限はなく、例え
ば水やポリビニルアルコ−ルの水溶液等が例示できる。
ここで、添加するスチレンモノマ−の量を制御すること
により、製造される担体の大きさを制御することも可能
であるが、やや小さめの金属粒子を使用し、スチレンモ
ノマ−の重合を制御して希望する大きさの担体を製造す
ると良い。
【0019】処理時間や処理温度等の詳細な条件は、処
理に供される金属粒子や使用する薬剤、更には溶媒の種
類等により適宜決定すれば良い。例えば前記したよう
に、過酸化ベンゾイル及びジビニルベンゼンを用いて水
溶液中で本工程を行う場合、50から100℃の温度条
件下、15分から48時間、好ましくは1から4時間程
度の処理を行えば良い。またここで、溶媒は緩やかに攪
拌すると良い。
【0020】以上の工程により、金属粒子及びその表面
を覆うポリスチレンからなる担体が製造できる。この粒
子は、抗体や抗原等を吸着することができ、そのまま免
疫測定用担体として使用することができる。しかし、そ
の吸着能を高める目的で、表面を粗面化する工程に供す
ることが好ましい。
【0021】表面を粗面化する工程は、例えば酸化アル
ミニウム等の、担体表面を覆うポリスチレン表面を削れ
るような研磨剤を使用することで容易に実施できる。具
体的には、研磨剤及びポリスチレン粒子を、これらが不
溶の例えば水やメタノ−ル等の溶媒に加え、攪拌するこ
とが例示できる。なおこの工程は、ポリスチレン粒子が
変形しない範囲の温度条件下で、15分から24時間程
度実施すれば良い。
【0022】本発明の第三の方法は、以下の工程からな
る疎水化された表面を有する金属粒子及びその表面を覆
うポリスチレンからなる免疫測定用担体の製造方法であ
る。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、(2)疎水化処
理された金属粒子を、スチレンモノマ−、重合開始剤、
架橋剤及びスチレンモノマ−の重合反応に不活性であ
り、後の(3)の工程で抽出され又は蒸発する性質を有
する添加剤の存在下、疎水化金属粒子及びスチレンが難
溶解性を示す溶媒中で処理して疎水化金属粒子及び添加
剤を含むポリスチレン粒子を調製する工程、(3)前記
(2)により調製されるポリスチレン粒子を抽出剤で処
理し又は蒸発処理してその内部に含まれる添加剤を抽出
し又は蒸発させる工程第三の方法における(1)の工程
は、先に説明した第一の方法と同一である。また(2)
の工程は、重合開始剤や架橋剤以外に、添加剤を使用す
る点で第二の方法における(2)の工程と異なる以外、
それと同一である。
【0023】添加剤とは、この工程における金属粒子と
スチレンモノマ−の結合反応には不活性であり、(3)
の工程において抽出又は蒸発される物質である。結合反
応に不活性とは、スチレンモノマ−との重合反応又は金
属粒子の疎水化表面との結合反応に関与しないことを意
味している。添加剤としては、例えばイソアミルアルコ
−ルやトルエン等を例示できる。
【0024】以上の工程により、疎水化された表面を有
する金属粒子及びその表面を覆うポリスチレンからなる
担体が製造できる。この担体は、表面のポリスチレンの
覆いの内側に添加剤をも含んでいる。従って、この粒子
に含まれる添加剤を抽出又は蒸発させ、表面に無数の孔
を有する、抗体等の吸着能が高められた担体を製造する
目的で、続いて(3)の工程を実施する。
【0025】この処理の詳細は、使用した添加剤を、製
造されたポリスチレン覆いの内側から抽出又は蒸発させ
ることが可能であれば制限はなく、添加剤との関係で適
宜決定して実施すれば良い。例えば先に述べたイソアミ
ルアルコ−ルやトルエン等を添加剤として使用した場合
には、蒸発処理を実施することが例示できる。この蒸発
処理は、例えばポリスチレン粒子を減圧条件下に放置し
又は40から100℃の高温条件下に放置することで実
施できる。この工程により、ポリスチレン覆いの内側に
含まれる添加剤は抽出又は蒸発するため、ポリスチレン
覆いには多数の孔が形成されるのである。
【0026】
【実施例】以下に本発明を更に詳細に説明するために実
施例を記載するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0027】実施例1 フェライトからなる微粒子担体
の製造 粒子径が0.3μmのフェライト(東ソ−(株)製)1
000g、トルエン(ナカライテスク(株)製)3.4
L、オクタデシルトリエトキシシラン(信越化学(株)
製)120gを反応容器に加え、加熱してトルエンを還
流させながら3時間攪拌した。次いで反応物を濾過して
乾燥させ、表面が疎水化されたフェライトを得た。
【0028】実施例2 ヒト免疫グロブリンMの免疫測
定 実施例1で製造された担体の1g又は比較のため実施例
1で原料として使用したフェライトを使用して、ヒト免
疫グロブリンMの免疫測定を実施した。まず0.2mg
の抗ヒトIgM抗体(BIOSYSTEM社製)を担体
と接触させ、24時間放置して吸着させた。
【0029】担体を磁石を使用して溶液と分離した後、
1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS溶
液(Phosphate Buffer Salin
e、pH7.4)と接触させ、ブロッキング処理した。
【0030】ヒトIgMを0、100、200、400
又は800ng/mLの濃度で含む試験溶液の150μ
Lを前記のようにして調製した担体の10mgを接触さ
せ、250rpmで攪拌しつつ25℃で1時間放置し
た。磁石を使用して担体を溶液から分離した後、アルカ
リ性フォスファタ−ゼと結合した抗ヒトIgM抗体(T
AGO社製)の150μLを添加し、更に250rpm
で攪拌しつつ25℃で1時間放置した。
【0031】担体を磁石を利用して溶液から分離し、い
ったん0.05% Tween20を含むPBS溶液に
懸濁して洗浄した後、アルカリ性フォスファタ−ゼの基
質であるPNPP溶液(1mMのパラニトロフェニルり
ん酸を含むpH10の溶液)の150μLを加え、25
0rpmで攪拌しつつ、25℃で3時間放置した後、酵
素反応を停止させて吸光度を測定した。
【0032】結果を図1に示す。図1によれば、本発明
により製造された担体を使用して免疫測定を行った場
合、抗原であるヒトIgMの濃度に依存して測定結果で
ある吸光度が増加することが分かる。このことは、フェ
ライトの表面を疎水化処理した微粒子担体は免疫測定用
担体として有効であることを示している。
【0033】実施例3 表面がポリスチレンにより覆わ
れたフェライト担体の製造(1) 25gのポリビニルアルコ−ル(和光純薬工業(株)
製)を500mLのイオン交換水に溶解し、80℃に加
熱した。これに実施例1で得た表面疎水化フェライト5
g、スチレンモノマ−(和光純薬工業(株)製)35
g、ジビニルベンゼン(東京化成工業(株)製)15
g、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク(株)製)0.
67gを添加し、3時間攪拌しつつ80℃に加熱した。
【0034】反応終了後、製造された粒子径50μmの
粒子担体を回収し、水で洗浄して乾燥した。
【0035】実施例4 表面粗面化 実施例3で得られた粒子担体の5gを、酸化アルミニウ
ム(ナカライテスク(株)製)1gと共にイオン交換水
100mLに加え、25℃条件下で攪拌しつつ3時間放
置して、表面が粗面化された粒子担体を得た。
【0036】実施例5 ヒトIgMの免疫測定 実施例3又は4で製造された担体の1gを使用して、ヒ
ト免疫グロブリンMの免疫測定を実施した。まず0.2
mgの抗ヒトIgM抗体(BIOSYSTEM社製)を
担体と接触させ、24時間放置して吸着させた。
【0037】担体を磁石を使用して溶液と分離した後、
1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS溶
液(Phosphate Buffer Salin
e、pH7.4)と接触させ、ブロッキング処理した。
【0038】ヒトIgMを0、100、200、400
又は800ng/mLの濃度で含む試験溶液の150μ
Lを前記のようにして調製した担体の10mgを接触さ
せ、250rpmで攪拌しつつ25℃で1時間放置し
た。磁石を使用して担体を溶液から分離した後、アルカ
リ性フォスファタ−ゼと結合した抗ヒトIgM抗体(T
AGO社製)の150μLを添加し、更に250rpm
で攪拌しつつ25℃で1時間放置した。
【0039】担体を磁石を利用して溶液から分離し、い
ったん0.05% Tween20を含むPBS溶液に
懸濁して洗浄した後、アルカリ性フォスファタ−ゼの基
質であるPNPP溶液(1mMのパラニトロフェニルり
ん酸を含むpH10の溶液)の150μLを加え、25
0rpmで攪拌しつつ、25℃で3時間放置した後、酵
素反応を停止させて吸光度を測定した。
【0040】結果を図2に示す。図2によれば、本発明
により製造された担体を使用して免疫測定を行った場
合、抗原であるヒトIgMの濃度に依存して測定結果で
ある吸光度が増加することが分かる。このことは、表面
がポリスチレンにより覆われた疎水化フェライトの微粒
子担体は免疫測定用担体として有効であること、及び表
面を粗面化した担体は、表面を粗面化していない担体に
比較して、より好ましい担体であることを示している。
【0041】実施例6 表面がポリスチレンにより覆わ
れたフェライト担体の製造(2) 25gのポリビニルアルコ−ル(和光純薬工業(株)
製)を500mLのイオン交換水に溶解し、80℃に加
熱した。これに実施例1で得た表面疎水化フェライト5
g、スチレンモノマ−(和光純薬工業(株)製)35
g、ジビニルベンゼン(東京化成工業(株)製)15
g、過酸化ベンゾイル(ナカライテスク(株)製)0.
67g、イソアミルアルコ−ル(和光純薬工業(株)
製)25gを添加し、3時間攪拌しつつ80℃に加熱し
た。
【0042】反応終了後、製造された粒子径50μmの
粒子担体を回収し、水で洗浄して乾燥した。
【0043】このようにして得られた粒子担体の5gを
丸底フラスコに入れ、エチルアルコ−ル(ナカライテス
ク(株)製)と混合し、80℃、減圧(0.1atm)
条件下で攪拌しつつ放置し、ポリスチレンの覆いの内側
のイソアミルアルコ−ルを蒸発させた後、洗浄して乾燥
させた。
【0044】実施例7 ヒトIgMの免疫測定 実施例6で製造された担体の1gを使用して、ヒト免疫
グロブリンMの免疫測定を実施した。まず0.2mgの
抗ヒトIgM抗体(BIOSYSTEM社製)を担体と
接触させ、24時間放置して吸着させた。
【0045】担体を磁石を使用して溶液と分離した後、
1重量%の牛血清アルブミン(BSA)を含むPBS溶
液(Phosphate Buffer Salin
e、pH7.4)と接触させ、ブロッキング処理した。
【0046】ヒトIgMを0、100、200、400
又は800ng/mLの濃度で含む試験溶液の150μ
Lを前記のようにして調製した担体の10mgを接触さ
せ、300rpmで攪拌しつつ25℃で2時間放置し
た。磁石を使用して担体を溶液から分離した後、アルカ
リ性フォスファタ−ゼと結合した抗ヒトIgM抗体(T
AGO社製)の150μLを添加し、更に300rpm
で攪拌しつつ25℃で2時間放置した。
【0047】担体を磁石を利用して溶液から分離し、い
ったん0.05% Tween20を含むPBS溶液に
懸濁して洗浄した後、アルカリ性フォスファタ−ゼの基
質であるPNPP溶液(1mMのパラニトロフェニルり
ん酸を含むpH10の溶液)の150μLを加え、30
0rpmで攪拌しつつ、25℃で2時間放置した後、酵
素反応を停止させて吸光度を測定した。
【0048】結果を図3に示す。図3によれば、本発明
により製造された担体を使用して免疫測定を行った場
合、抗原であるヒトIgMの濃度に依存して測定結果で
ある吸光度が増加することが分かる。このことは、表面
がポリスチレンにより覆われた疎水化フェライトの微粒
子担体であって、そのポリスチレン表面には添加剤を蒸
発させる等して形成した多数の孔が存在するものは免疫
測定用担体として有効であることを示している。
【0049】
【発明の効果】本発明は金属粒子からなる免疫測定用担
体等の製造方法である。本発明では金属粒子の表面を疎
水化処理することによる、それ自体が微粒子担体として
有効でな担体を製造する方法である。この方法によれ
ば、製造される担体の大きさ(粒子径)や形状等は、金
属粒子を選択するのみで決定でき、またそれが製造中に
変化することはない。しかも一度に大量の金属を処理す
ることで、大量の微粒子担体を製造することが可能であ
る。
【0050】また本発明は、表面が疎水化された金属粒
子及びそれを覆うポリスチレンからなる微粒子担体を製
造する方法である。表面が疎水化された金属粒子は、ス
チレンモノマ−と馴染み易いため、その重合に際してコ
アとなり易い。従って、より容易かつ確実に金属粒子を
担体内部に取り込ませることが可能である。しかも、金
属粒子を覆うポリスチレンを粗面化処理すること等によ
り、より抗体や抗原等の吸着能が高められた担体をも製
造することができる。
【0051】本発明は更に、表面が疎水化された金属粒
子及びそれを覆うポリスチレンからなる微粒子担体であ
って、表面を覆うポリスチレンが多数の孔を有するもの
を製造する方法である。このように多数の孔を有するこ
とにより、ポリスチレン表面が粗面化された担体と同様
に抗体や抗原等の吸着能が大幅に向上された免疫測定を
行うのに好適な担体を製造できる。
【0052】以上のように本発明の免疫測定用担体は、
比較的小さな粒子径を有する担体を簡単な操作により、
一回あたり大量に製造し得る製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2の結果を示すものである。図
中、横軸は免疫測定に抗原として使用したヒトIgMの
濃度を、縦軸は405nmにおける吸光度をそれぞれ示
している。丸は、表面が疎水化されたフェライト粒子担
体についての結果を示すものであり、三角は実施例表面
が疎水化されていないフェライト粒子についての結果を
示すものである。
【図2】図2は、実施例5の結果を示すものである。図
中、横軸は免疫測定に抗原として使用したヒトIgMの
濃度を、縦軸は405nmにおける吸光度をそれぞれ示
している。丸は、実施例3で調製した、表面を粗面化し
ていない粒子担体についての結果を示すものであり、三
角は実施例4で調製した、表面を粗面化処理した粒子担
体についての結果を示すものである。
【図3】図3は、実施例7の結果を示すものである。図
中、横軸は免疫測定に抗原として使用したヒトIgMの
濃度を、縦軸は405nmにおける吸光度をそれぞれ示
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/553 C08F 2/44 C08K 3/08 C08L 25/04 G01N 33/545

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程からなる、疎水化された表面を
    有する金属粒子及びその表面を覆うポリスチレンからな
    る免疫測定用担体の製造方法。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、 (2)疎水化処理された金属粒子を、スチレンモノマ
    ー、重合開始剤及び架橋剤の存在下、疎水化金属粒子及
    びスチレンモノマーが難溶解性を示す溶媒中で重合処理
    して疎水化金属粒子を含んだポリスチレン粒子を調製す
    る工程、そして、 (3)得られたポリスチレン粒子を、その表面を粗面化
    する処理工程。
  2. 【請求項2】前記(3)の粗面化する処理工程が、研磨
    剤によりポリスチレン表面を削る工程であることを特徴
    とする、請求項1の免疫測定用担体の製造方法。
  3. 【請求項3】以下の工程からなる、疎水化された表面を
    有する金属粒子及びその表面を覆うポリスチレンからな
    る免疫測定用担体の製造方法。 (1)金属粒子を疎水化処理する工程、 (2)疎水化処理された金属粒子を、スチレンモノマ
    ー、重合開始剤、架橋剤及びスチレンモノマーの重合反
    応に不活性であり、後の(3)の工程で抽出され又は蒸
    発する性質を有する添加剤の存在下、疎水化金属粒子及
    びスチレンモノマーが難溶解性を示す溶媒中で重合処理
    して疎水化金属粒子を含んだポリスチレン粒子を調製す
    る工程、そして、 (3)得られたポリスチレン粒子を、抽出剤で処理し又
    は蒸発処理してその内部に含まれる前記添加剤を抽出し
    又は蒸発させる工程。
  4. 【請求項4】前記添加剤がイソアミルアルコール又はト
    ルエンであることを特徴とする、請求項3の免疫測定用
    担体の製造方法。
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