JP3188859B2 - 無電解銅めっき液への銅イオン供給方法 - Google Patents

無電解銅めっき液への銅イオン供給方法

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JP3188859B2
JP3188859B2 JP26087897A JP26087897A JP3188859B2 JP 3188859 B2 JP3188859 B2 JP 3188859B2 JP 26087897 A JP26087897 A JP 26087897A JP 26087897 A JP26087897 A JP 26087897A JP 3188859 B2 JP3188859 B2 JP 3188859B2
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一法 小塚
明仁 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,無電解銅めっき液に消費された
銅イオンを供給する方法に関する。
【0002】
【従来技術】無電解めっきは,化学反応によって必要な
部分にのみめっきを施すことができる優れためっき方法
であるため,電子工業,その他の分野において広く用い
られている。かかる無電解めっきに用いるめっき液は,
めっきすべき銅を銅イオン(Cu2+)として含有してお
り,めっき処理により消費された銅イオンを,例えばC
uSO4 等を用いた水溶液の形で適宜補給しながら使用
している。
【0003】具体的なめっき液としては,例えば特開昭
59−93863号や特開昭63−83282号公報等
に示されているごとく,銅イオンの他に,錯化剤として
のEDTA,還元剤としてのHCHO,pH調整剤とし
てのNaOHを含有したものがある。
【0004】このようなめっき液に対して銅イオン等を
補給するに当たっては,通常は,めっきタンクからめっ
き液を循環めっき液として取り出し,消費された銅イオ
ン等を循環めっき液に添加して,これを再びめっきタン
クに返戻することにより行っている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の無
電解銅めっき液への銅イオン供給方法においては,次の
問題がある。即ち,無電解銅めっき液としては,上記銅
イオンの錯化剤として上記EDTA(エチレンジアミン
四酢酸)に代えてTEA(トリエタノールアミン)を用
いる場合がある。
【0006】この場合には,単に,上記循環めっき液に
対して銅イオンを補給してこれをめっきタンクに戻した
だけでは,十分に銅イオンが錯体化しない場合がある。
そして,錯体化されなかった銅イオンは,めっき液中に
おいて亜酸化銅等を形成する。この亜酸化銅等は,めっ
き形成の核となりうるものであるため,これが製品に付
着すれば不要な部分にめっきを形成してしまうという不
具合を発生させてしまう。
【0007】従来,上記不具合を解消するため,銅イオ
ンとTEAとを混合させて銅イオンを十分に錯体化させ
た溶液を予め作製し,これをめっき液に添加する方法が
とられていた。この方法によれば,上記の亜酸化銅等に
よる不具合を解消することができる。
【0008】しかしながら,この従来の対策方法におい
ては,銅イオンと共にその量に見合ったTEAを同時に
添加していく。そのため,めっき液中においては,めっ
き処理によって消化されないTEAが蓄積されていき,
銅イオン補給の度にその濃度が上昇していく。TEAの
濃度上昇は,めっき反応の反応性の低下や得られる皮膜
特性の劣化,めっき反応性低下,更には無電解銅めっき
液の不安定化,めっき品質特性の低下といった問題を発
生させてしまう。
【0009】また,このようなTEAの過剰供給は,め
っきコストを引き上げるという不具合にもつながる。ま
た,上記従来の対策方法においては,上記のごとく予め
混合溶液を作製する必要がある。そのため,錯化剤とし
てEDTAを用いた場合よりも銅イオン供給作業が複雑
であるという問題もあった。
【0010】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,錯化剤としてTEAを用いためっき液へ
の銅イオンの供給を,品質特性を維持したままで容易に
行うことができる,無電解銅めっき液への銅イオン供給
方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,トリエタノール
アミンを銅イオンの錯化剤として含有するめっき液に銅
イオンを供給する方法であって,めっき液をめっきタン
クからサブタンクに循環めっき液として取り出し,該循
環めっき液に銅イオンを添加し,再び上記サブタンクか
ら上記めっきタンクに返戻するに当たり,上記銅イオン
を上記循環めっき液に添加した後,該循環めっき液を上
記めっきタンクに返戻するまでの時間を2分以上とする
ことを特徴とする無電解銅めっき液の銅イオン供給方法
にある。
【0012】本発明において最も注目すべきことは,上
記銅イオンを上記循環めっき液に添加した後,該循環め
っき液を上記めっきタンクに返戻するまでの時間を2分
以上とすることである。上記返戻までの時間を2分未満
とすると,銅イオンが十分に錯体化されずにめっきタン
ク内に返戻されてしまうという問題があり,より好まし
くは4分以上がよい。一方,上記返戻までの時間が長す
ぎる場合には,めっき液の循環サイクルが長くなりすぎ
て循環設備等の大型化が必要となるため,30分以下と
することが好ましい。
【0013】また,上記返戻までの時間を2分以上とす
る方法としては,サブタンクからめっきタンクへの返戻
経路を長くする方法,循環めっき液の循環サイクルが長
くなるようにサブタンクの容量を設定する等,種々の方
法をとることができる。
【0014】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明の無電解銅めっき液への銅イオン供給方法におい
ては,上記循環めっき液に対して銅イオンを添加した
後,その循環めっき液を2分以上の時間を経過させた後
めっきタンクに返戻する。
【0015】このとき,サブタンクに取り出された上記
循環めっき液は,めっき処理によって銅イオンが消費さ
れたものである。そのため,循環めっき液中のTEAの
多くは,TEA単体の状態で含有されている。かかる循
環めっき液に銅イオンを供給した場合には,上記単体の
TEAと銅イオンとが錯体を形成しうる状態となる。
【0016】しかしながら,TEAは,従来の錯化剤で
あるEDTAと比べると,銅イオンとの錯体を形成する
のに長時間を要する。そのため,単にTEAを含有する
循環めっき液に銅イオンを添加しただけでは錯体が十分
に形成されない。この点において本発明では,上記のご
とく,循環めっき液に銅イオンを添加してからこれをめ
っきタンクに返戻するまでの間に2分以上をとる。
【0017】そのため,循環めっき液内に添加された銅
イオンは,TEAと一緒になって十分に錯体化された状
態で,めっきタンク内に供給される。それ故,めっきタ
ンク内において補給された銅イオンが亜酸化銅等を形成
する等の不具合は確実に防止することができる。
【0018】また,銅イオン補給時には,TEAを同時
に補給する必要がない。そのため,予め混合溶液を作製
するというむだ作業や,過剰なTEAがめっき液内に蓄
積されていくという問題を解消することができる。それ
故,銅イオンの供給作業を容易にすることができ,かつ
これを繰り返しても,めっき液の品質特性を劣化させる
ことがない。
【0019】したがって,本発明によれば,錯化剤とし
てTEAを用いた場合においても,めっき液の品質特性
を維持した状態で容易に銅イオンを供給することができ
る,無電解銅めっき液への銅イオン供給方法を提供する
ことができる。
【0020】次に,請求項2の発明のように,上記循環
めっき液の上記サブタンクから上記めっきタンクへの返
戻は,両者間に介設した循環パイプと循環ポンプとによ
り行うことが好ましい。これにより,サブタンクからめ
っきタンクへの循環めっき液の返戻タイミング,返戻速
度を容易に調整することができ,上記返戻までの時間を
的確に調整することができる。
【0021】また,請求項3の発明のように,上記サブ
タンクは上記めっきタンクに併設されており,上記めっ
きタンク内のめっき液は,上記サブタンク内にオーバー
フローにより流出させることが好ましい。この場合に
は,サブタンク及びめっきタンクの構造を簡単にするこ
とができる。
【0022】また,請求項4の発明のように,上記サブ
タンクは複数個設けてあり,そのうち第1サブタンクは
上記めっきタンクからオーバーフローしためっき液を受
け,最終サブタンクには上記めっきタンクへメッキ液を
返戻するポンプが連結されており,また上記第1サブタ
ンクから最終サブタンクの間は順次めっき液がオーバー
フローしていくよう構成してあることが好ましい。
【0023】この場合には,上記第1サブタンクにおい
て銅イオンを補給し,これを順次複数のサブタンクにオ
ーバーフローさせることにより,銅イオンを補給した循
環めっき液を十分に撹拌することができる。それ故,銅
イオンとTEAとの錯体化を促進させることができる。
【0024】また,請求項5の発明のように,上記サブ
タンクには,撹拌用ガスを送入することが好ましい。こ
れにより,銅イオンを補給した循環めっき液を十分に撹
拌することができ,さらに銅イオンとTEAとの錯体化
を促進させることができる。なお,撹拌用ガスとして
は,空気,N2 等種々のガスを用いることができる。
【0025】また,上記サブタンクに添加する銅イオン
は,上記サブタンクにおける循環めっき液中のトリエタ
ノールアミン(TEA)に対して等モル以下において添
加することが好ましい。これにより,銅イオンを確実に
錯体化させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる無電解銅めっき液への銅イ
オン供給方法につき,図1,図2を用いて説明する。本
例の無電解銅めっき液への銅イオン供給方法は,図1に
示すごとく,トリエタノールアミンを銅イオンの錯化剤
として含有するめっき液1に銅イオンを供給する方法で
ある。
【0027】めっき液1をめっきタンク5からサブタン
ク6に循環めっき液12として取り出し,該循環めっき
液12に銅イオン2を添加し,再びサブタンク6からめ
っきタンク5に返戻する。銅イオン2を循環めっき液1
2に添加した後,循環めっき液12をめっきタンク5に
返戻するまでの時間は4分以上に設定してある。
【0028】以下,これを詳説する。本例における銅イ
オン供給方法を実施する装置は,図1に示すごとく,め
っきタンク5に隣接してサブタンク6を有している。め
っきタンク5とサブタンク6との間の隔壁52は周囲の
隔壁51,53よりも低く設け,めっきタンク5内のめ
っき液1が少しずつオーバーフローするよう構成してあ
る。
【0029】また,サブタンク6の下端部側壁には,循
環めっき液12をめっきタンク5に返戻するための循環
パイプ71を配設してある。この循環パイプ71は,フ
ィルタ73,循環ポンプ72を介して,めっきタンク5
に接続してある。そのため,循環ポンプ72を運転させ
ると,循環めっき液12が循環パイプ71を通ってめっ
きタンク5に戻される。
【0030】また,循環パイプ71の長さは,1分間の
流量の4倍以上に設けてある。即ち,循環めっき液12
はサブタンク6を出てから4分以上の時間を経てめっき
タンク5に返戻されるように構成してある。また,サブ
タンク6の底部には,撹拌用ガス8としての空気を導入
するためのガス導入装置80を配設してある。このガス
導入装置80は,空気をサブタンク6内に送って適度な
エアレーションを生じさせ,サブタンク6内の循環めっ
き液12を撹拌するよう構成されている。
【0031】また,本例のめっき液1は,銅イオン(C
2+)を含有していると共に,還元剤としてのHCH
O,pH調整剤としてのNaOHを含有し,かつ,錯化
剤としてTEA(トリエタノールアミン)を含有してい
る。また,本例における被処理材9はラック90に入れ
た状態でめっきタンク5内のめっき液1中に浸漬され,
メッキ処理される。
【0032】また,銅イオンの補給は,CuSO4 水溶
液の形で行う。また,補給量は,サブタンク6内におけ
る循環めっき液12中のTEAと等モル以下となる割合
とする。具体的には,サブタンク6にめっきタンク5か
らオーバーフローしてくる循環めっき液が例えば1モル
/分の割合でTEAを含有している場合には,銅イオン
の補給量は1モル/分以下とする。なお,銅イオンの補
給の際には,上記還元剤及びpH調整剤も適量補給す
る。
【0033】次に,本例においては,本発明の無電解銅
めっき液への銅イオン供給方法による効果を確認すべ
く,上記構成の装置を用いて実際にめっき処理を実施
し,めっきタンク5内のTEA濃度の推移を測定した。
また,比較のために,従来の銅イオン補給方法(従来
法),即ち,オフラインにて銅イオンとTEAとを混合
させて銅イオンを十分に錯体化させた溶液を予め作製
し,これをめっき液に添加する方法も行い,同様にTE
A濃度の推移を測定した。この従来法を用いた例を比較
例(C1)とする。
【0034】TEA濃度の測定は,被処理材へのめっき
処理量が100m2 増加する毎に行った。結果を図2に
示す。同図は,横軸にめっき処理量(m2 ),縦軸にT
EA濃度(モル)をとった。同図より知られるごとく,
本発明の方法(E1)の場合には,めっき処理量が増加
しても,TEA濃度を安定的に一定値に保つことができ
た。これに対して,比較例(C1)の場合には,めっき
処理量が増加するにしたがって,つまり,銅イオンの補
給を重ねる度に,TEA濃度の上昇が見られた。
【0035】この結果から,本例の方法によれば,銅イ
オン補給に伴うTEA量の増加を確実に防止しつつ,銅
イオンの補給をオンラインにて行うことができることが
分かる。即ち,本例によれば,少なくとも,(1)循環
めっき液に対して銅イオンを添加した後その循環めっき
液を4分以上の時間を経過させてめっきタンク5に返戻
すること,(2)サブタンク6内においてエアレーショ
ンを行うこと,(3)銅イオンの補給量を循環めっき液
中のトリエタノールアミンに対して等モル以下にするこ
とという3つの要件を具備することによって,従来の不
具合を解消しつつ銅イオンの補給作業を容易化すること
ができる。
【0036】実施形態例2 本例においては,図3に示すごとく,実施形態例1にお
ける上記3つの要件のうちの(1)及び(3)の要件の
有効性につき調査した。具体的には,循環めっき液を1
リッター取り出し,これに0.02モル,0.025モ
ル,0.03モルの3種類の濃度の銅イオンを添加した
溶液をそれぞれ作製し,その溶液中における銅イオンの
錯体化状態を測定した。なお循環めっき液中におけるT
EA濃度は0.03モルである。
【0037】錯化状態の測定は,銅イオンの錯体形成中
にUV吸光度(ABS)が変化する特性を利用し,UV
吸光度の変化が止まった時点を錯化完了時点と判断し
た。測定結果を図3に示す。図3は,横軸に銅イオン添
加後の経過時間(分)を,縦軸にUV吸光度(ABS)
をとった。そして,上記の銅イオンを0.02モル添加
したものを符号E21,0.025モル添加したものを
符号E22,0.03モル添加したものを符号E23と
して示した。また,比較のために,循環めっき液のまま
で銅イオンを新たに添加しなかったものについても測定
し,これを符号E20として示した。
【0038】同図より知られるごとく,循環めっき液E
20は,銅イオンの補給がないため,当然錯化の進行が
なく,UV吸光度も一定値を維持した。それ以外の溶液
E21〜E23は,いずれも時間の経過と共にUV吸光
度が増加した。そして,E21〜E23は,いずれも銅
イオン添加後2分までは急激にUV吸光度が上昇した。
【0039】また,2分経過以降においては,銅イオン
の添加量が少ないほど錯体化が早く完了することが分か
る。特に銅イオンの添加量が0.025モル以下の場合
(E21,22)は4分経過によってほぼ錯体化が完了
した。一方,E23については,30分経過後において
も徐々にUV吸光度の上昇が続いた。
【0040】以上の結果から,第1に,銅イオンの錯体
化には銅イオンの添加後少なくとも2分以上保持するこ
とが必要であり,特に4分以上であることが好ましいこ
とが分かる。第2に,銅イオンの添加は,循環めっき液
におけるTEA濃度の等モル以下,好ましくは約0.8
倍(0.025/0.03)以下であることが望ましい
ことがわかる。
【0041】実施形態例3 次に,本例においては,図4に示すごとく,実施形態例
1における上記3つの要件のうちの(2)及び(3)の
要件の有効性につき,さらに詳細に調査した。具体的に
は,まず0.03モルのTEAを含有する循環めっき液
1リッターを取り出し,これに0.02モル,0.02
5モル,0.03モルの3種類の濃度の銅イオンを添加
した溶液をそれぞれ2つずつ作製した。
【0042】次いで,各溶液を10分間機械的に撹拌し
た後,同種類の2つの溶液のうち一方にはエアレーショ
ンを導入し,他方はそのまま何もせず,いずれも7日間
放置した。そして,スラッジ(CuOあるいはCu
2 O)の発生の有無により,銅イオンの錯体の安定性を
評価した。なお,本例においても,比較のために,循環
めっき液のままで銅イオンを新たに添加しなかったもの
(E30,C30)についても評価した。
【0043】評価結果を図4に示す。同図は,横軸に各
溶液への銅イオンの添加濃度(モル/リットル)を,縦
軸に放置日数をとった。そして,各溶液においてスラッ
ジが発生するまでの日数を示した。なお,測定日数は7
日であるため,示された値が7日の場合にはスラッジの
発生がないことを示している。また,各測定結果は,エ
アレーション有りをE30〜E33として示し,エアレ
ーション無しをC30〜C33として示した。
【0044】図4より知られるごとく,エアレーション
有無に関わらず,銅イオンの添加量が多いほど溶液の安
定性が悪いことがわかる。一方,銅イオンの添加量が多
くなっても,エアレーションを導入すれば溶液の安定
性,即ち銅イオンの錯体の安定性を向上させることがで
きることが分かる。
【0045】実施形態例4 本例においては,図5,図6に示すごとく,実施形態例
1における方法により実際に被処理材9に対して270
2 のめっき処理を実施,その間のめっき処理特性,品
質等を評価した。具体的には,めっき析出速度の測定を
行うと共に,めっきされた製品にホットオイル試験を行
った。
【0046】まず,めっき析出速度の測定は,すでに触
媒処理を施した一辺5cmの正方形基材にめっきを析出
させ,その重量変化をめっき析出速度に換算して行っ
た。その結果を図5に示す。同図は,横軸にめっき処理
量(m2 ),縦軸にめっき析出速度(μm/H)をとっ
た。同図より知られるごとく,めっき析出速度は非常に
安定していた。このことから,実施形態例1の方法によ
れば,めっき反応性の安定化を図ることができることが
わかる。
【0047】次に,ホットオイル試験は,スルーホール
をラインにより交互に接続させた試験用サンプルを作製
し,そのサンプルを260℃×20秒と室温×20秒に
保持することを1サイクルとし,これを繰り返して断線
するまでのサイクル数を測定した。その結果を図6に示
す。同図は,横軸にめっき処理量(m2 )を,縦軸にホ
ットオイル試験により得られる抵抗変化による断線サイ
クル数の値(∞)をとった。
【0048】同図より知られるごとく,ホット試験の結
果も非常に安定しており,得られる製品のめっき品質も
良好であることが分かる。また,本例においては,めっ
き品質をさらに確認するため,表面状態及び内部組織状
態を観察したが,いずれも良好であった。
【0049】実施形態例5 本例は,図7に示すごとく,実施形態例1における装置
(図1)において,サブタンク61〜63を複数個階段
状に設けた例である。即ち,図7に示すごとく,サブタ
ンクは3個設けてあり,そのうち第1サブタンク61は
めっきタンク5からオーバーフローしためっき液を受け
るよう構成されている。また,最終サブタンク63には
めっきタンクへメッキ液を返戻するポンプ72等を有す
る循環パイプ71が連結されている。
【0050】また第1サブタンク61と最終サブタンク
63との間は順次めっき液がオーバーフローしていくよ
うに第2サブタンク62を設けてある。そして,銅イオ
ン2の補給は,上記第1サブタンク61において行うよ
うに構成してある。また,各サブタンク61から63に
は,実施形態例1と同様のエアレーションを行うための
ガス導入装置80をそれぞれ設けてある。その他は実施
形態例1と同様である。
【0051】この場合には,第1サブタンク61におい
て銅イオン2が添加された循環めっき液12が,さらに
第2サブタンク62,最終サブタンク63にオーバーフ
ローしながら移動していく。そのため,循環めっき液1
2を撹拌する効果が十分に発揮され,銅イオン2の錯化
を促進させることができる。また,本例においても,実
施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,無電解銅めっきを行う
装置の構成を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,めっき処理量とTEA
濃度との関係を示す説明図。
【図3】実施形態例2における,銅イオン添加後のUV
吸光度の経時変化を示す説明図。
【図4】実施形態例3における,銅イオンの濃度等とス
ラッジ発生との関係を示す説明図。
【図5】実施形態例4における,めっき処理量とめっき
析出速度との関係を示す説明図。
【図6】実施形態例4における,めっき処理量とめっき
析出速度とホットオイル試験結果との関係を示す説明
図。
【図7】実施形態例5における,無電解銅めっきを行う
装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
1...めっき液, 12...循環めっき液, 2...銅イオン, 5...めっきタンク, 6...サブタンク, 61...第1サブタンク, 62...第2サブタンク, 63...最終サブタンク, 71...循環パイプ, 72...ポンプ, 73...フィルタ, 80...ガス導入装置, 9...被処理材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小塚 一法 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式 会社デンソー内 (72)発明者 中村 明仁 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビ デン株式会社内 (72)発明者 袁 本鎮 岐阜県揖斐郡揖斐川町北方1−1 イビ デン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−162585(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 18/00 - 18/54

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリエタノールアミンを銅イオンの錯化
    剤として含有するめっき液に銅イオンを供給する方法で
    あって, めっき液をめっきタンクからサブタンクに循環めっき液
    として取り出し,該循環めっき液に銅イオンを添加し,
    再び上記サブタンクから上記めっきタンクに返戻するに
    当たり, 上記銅イオンを上記循環めっき液に添加した後,該循環
    めっき液を上記めっきタンクに返戻するまでの時間を2
    分以上とすることを特徴とする無電解銅めっき液の銅イ
    オン供給方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記循環めっき液の
    上記サブタンクから上記めっきタンクへの返戻は,両者
    間に介設した循環パイプと循環ポンプとにより行うこと
    を特徴とする無電解銅めっき液への銅イオン供給方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記サブタン
    クは上記めっきタンクに併設されており,上記めっきタ
    ンク内のめっき液は,上記サブタンク内にオーバーフロ
    ーにより流出させることを特徴とする無電解銅めっき液
    への銅イオン供給方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において,上記サブタンクは複
    数個設けてあり,そのうち第1サブタンクは上記めっき
    タンクからオーバーフローしためっき液を受け,最終サ
    ブタンクには上記めっきタンクへメッキ液を返戻するポ
    ンプが連結されており,また上記第1サブタンクから最
    終サブタンクの間は順次めっき液がオーバーフローして
    いくよう構成してあることを特徴とする無電解銅めっき
    液への銅イオン供給方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記サブタンクには,撹拌用ガスを送入することを特徴
    とする無電解銅めっき液への銅イオン供給方法。
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