JP3188434U - バネ機構を備えたセグメント式加硫モールド用装置容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】保守のコストが下がり、加硫装置容器の寿命サイクルが長くなり、上部プレートの変形がなくなる上に、セグメントキャリヤ体の機能面のジャミングがなくなるセグメント式加硫モールド用装置容器を提供する。
【解決手段】加硫装置容器100は、プレスの上部ラムと下部ラムとの間に装着する。プレスの上部ラムは2つの部分、即ち上部外側プレート60(円形)と上部内側プレート70(円形)とに分割する。これら2つのプレートは相互に独立して移動する。タイヤのトレッドパターンをもつセグメント式加硫モールド(以下単にモールドと呼ぶ)は加硫装置容器100内に固定する。このモールドは上型および下型からなり、上型をプレスの上部ラムに接続するとともに、下型をプレスの下部ラムに接続する。スペーサリング11は上部プレート60に固定し、このプレート60はバネ機構10を介してコニカルリング12に接続する。
【選択図】図3

Description

本考案は、タイヤ製造を対象とした、バネ機構を備えたセグメント式加硫モールド用装置容器において、このバネ機構によってコンテナの上部プレートの損傷および変形を防止する装置容器に関する。
タイヤの場合、セグメント構造の加硫装置容器を備えたプレス機において加硫処理する(図1)。セグメント式加硫モールド50は加硫装置容器に挿入する。このモールドは上型と下型からなり、いずれも加硫装置容器のそれぞれの部分に取り付ける。また、この加硫装置容器の場合、図示を省略したプレスの上部ラムと下部プレスラムとの間に取り付ける。そして加硫モールドの上型をプレスの上ラムに取り付け、加硫モールドの下型をプレスの下部ラムに取り付ける。プレスの上部ラムは2つの部分に、即ち上部外側プレート60(リング)と上部内側プレート70(リング)に分割する。これら2つの部分は、相互に独立して動作する。スペーサリング11を外側プレート60に固着し、リングの下に機械的接触関係でコニカルリング12を取り付ける。戻り止めを備えたT形案内部材13をコニカルリング12に接続する。この案内部材13は加硫モールド50のセグメント51に滑動自在に接続する。プレスラムの上部プレート70に、装置容器の上部プレート41を取り付け、ここに加硫モールドの上型の各部分を取り付ける。即ち、上部ラテラルリング52に上部リング53を取り付ける。キャリヤ体21を上部プレート50に滑動自在に装着する。加硫モールド50の下型は下部リング55を備えた下部ラテラルリング54からなり、いずれも装置容器100の下部プレート31に取り付ける。
加硫装置容器のキャリヤ体21およびこれらに固定した加硫モールドのセグメント51は、T形溝24および戻り止めを備えたT形案内部材13によって相互に滑動自在に装着し、これによって滑動自在にコニカルリング12に接続する。この装着構造のため、加硫装置容器が閉じた(開放した)状態にある時に、加硫モールドのコニカルリング12の上下移動が、キャリヤ体21およびこれらに固定したセグメント51の半径方向移動に変換する。同時に、上部のT形案内部材23によって装置の上部プレート41内にキャリヤ体21が滑動自在に装着する。この装着構造によって、加硫装置容器の中心に向かってキャリヤ体21が半径方向かつ水平方向に移動する。プレスラムの内側プレートおよび外側プレートが相互に移動できるため、加硫モールドを開閉することができ、また閉じた後にモールドが一定の後圧を発生できる。即ち、プレストレス状態(pre−tension)になる。図2に示すように、このプレストレス状態はスペーサリング11を装置容器の上部プレート41に対して0.4mm〜1mmだけオフセット(ずらす)ことによって発生する。装置容器のキャリヤ体21およびこれらに固定したセグメント51を加硫装置容器内に形成したテーパの滑動によって閉じている間、加硫装置容器のテーパを上型に対してオフセットする必要がある。コニカルリングの上部プレートに対するこのオフセットは、プレスが閉じた時点で、ラムの外側プレートおよび内側プレートが端位置にある状態において閉じる力(圧力)が加硫装置容器テーパを通じて常時伝達するように、プレスの閉じる力の代わりになる圧力負荷の下で加硫装置容器の組み立て時に測定しておく必要がある。これらの圧力があるため、加硫装置容器が連続的に密閉状態を維持するが、これは高品質タイヤの加硫プロセスになくてはならないものである。圧力媒体の成形力は、加硫モールド50のブラダ(袋構造体:bladder)の圧力に対抗する力である。ブラダの成形力がこれら圧力よりも上回ると、加硫装置容器およびモールドが一部開き、モールドセグメント51、上部ラテラルリング52と下部ラテラルリング54との間に化合物(タイヤストック)が侵入する結果、タイヤに目に見える咬みだし(フィン)が発生する。加硫装置容器にプレストレス状態を維持できると、加硫装置容器を常時閉じた状態に置くことができる。
異なるサスペンションの装置容器のコニカルリング12および装置容器の上部プレート41(図2)を備えた従来の加硫装置容器の構成の場合、ブラダの形成圧力が上下方向に作用するため、装置容器の上部プレート41が変形する。これが、上部T形案内部材23の機能面および変形した上部プレート41上で滑動するセグメント51のキャリヤ体21がジャミングする原因になる。さらに、セグメント式加硫装置容器の各部分が徐々に変形し、この変形が加硫モールドのセグメント52に伝わり、成形タイヤの欠陥になる。上記理由から、セグメント式加硫装置容器の場合、一定の時間の経過後に修理する必要がある。セグメント式装置容器およびモールドを修理するためには、数週間稼働を停止する必要がある。(符号:50)
技術的な設計基準
従来公知の装置容器の欠点は、本考案のバネ機構を備えたセグメント式加硫モールド用装置容器によって大幅に改善できる。本考案の装置容器はスペーサリングを備え、これにコニカルリングを取り付け、案内部材をこのコニカルリングに取り付け、そして案内部材をキャリヤ体および加硫モールドセグメントに接続する。スペーサリングをプレスの上部ラムの上部外側プレートに取り付ける。本考案の技術的設計の実質は、スペーサリングおよびコニカルリングをバネ機構によって移動自在に接続することにある。
本考案の従来技術より有利な技術的設計によれば、バネ機構は、このコニカルリングに形成した第1凹部の下にあるコニカルリングに固着したピンからなる。このピンは、スペーサリングの開口からこのスペーサリングに形成した第2凹部まで延設する。このピンの第1凹部に、バネを装着し、一方の側を第1凹部の垂直側に当接するとともに、他方の側を第1座金に当接し、この第1座金はスペーサリングの下側に当接する。ピンの第2凹部に、この第2凹部の水平側に接触する第2座金を固定し、2つの固定ナットを第2座金上のピンに装着し、コニカルリングに、スペーサリングに形成した着座部分が嵌合するノッチを形成する。
本考案の作用効果によれば、スペーサリングとコニカルリングとの間に設けたバネがプレストレス状態を確保するため、加硫モールドが常時閉じた状態を維持でき、ブラダ(bladder)圧力により生じる圧力負荷に屈することはない。また、バネの位置をこのように設定すると、セグメント式加硫装置容器の各部分が機械的に接触することがなくなり、同時にバネのリフト作用により、加硫装置容器および加硫モールドの全部分が閉じた状態にある時に、各部分に発生するクリアランスがなくなる。また、バネ機構を圧縮することによって、加硫装置容器の各部分のずれおよびクリアランスが自動的に補償される。また、本考案の構成によれば、加硫装置容器の各部分に対する機械的損傷の可能性が大幅に低下する。本考案のバネ機構を使用すると、保守の必要性およびコストが下がり、加硫装置容器の寿命サイクルが長くなり、加硫装置容器の上部プレートの変形がなくなる上に、セグメントキャリヤ体の機能面のジャミングがなくなる。
以下、添付図面を参照して本考案を詳しく説明する。
従来技術によるセグメント構成の加硫装置容器を示す図である。 従来技術において加硫装置容器の上部プレートに対してコニカルリングをオフセットすることによって構造的なプレストレス状態を設定することを示す図である。 本考案の技術的設計に従ってバネ機構を設けた加硫装置容器の構成を示す図である。 加硫装置容器が閉じていない場合におけるバネ機構プレストレス状態を示す図である。 加硫装置容器が閉じている場合におけるバネ機構プレストレス状態を示す図である。 バネ機構を設けた加硫装置容器を装置円周からみた上面図である。 タイヤ製造時において加硫装置容器の内部に作用する力を示す図である。
図3について説明する。タイヤのモールド成形用のセグメント構成の加硫装置容器100(以下単に装置容器と呼ぶ)は、図示を省略したプレスの上部ラムと下部ラムとの間に装着する。プレスの上部ラムは2つの部分、即ち上部外側プレート60(円形)と上部内側プレート70(円形)とに分割する。これら2つのプレートは相互に独立して移動する。タイヤのトレッドパターンをもつセグメント式加硫モールド50(以下単にモールドと呼ぶ)は加硫装置容器100内に固定する。このモールド50は上型および下型からなり、上型をプレスの上部ラムに接続するとともに、下型をプレスの下部ラムに接続する。
スペーサリング11は上部プレート60に固定し、このプレート60はバネ機構10を介してコニカルリング12に接続する。戻り止めを備えたT形案内部材13はコニカルリング12に接続する。案内部材13は、モールド50のセグメント51に強固に接続した装置容器100のキャリヤ体21に滑動自在に接続する。
装置容器の上部プレート41はプレスラムの上部内側プレート70に取り付け、このプレート41に加硫モールド50の上型の各部分、即ち上部リング53が接続されている上部ラテラルリング52を取り付ける。また、上部内側プレート70も装置容器のキャリヤ体51に接続する。加硫モールド50の下型は下部ラテラルリング54および下部リング55からなり、いずれのリングも装置容器100の下部プレート31に取り付ける。下部プレート31は、図示を省略したプレスの下部ラムに取り付ける。
装置容器のキャリヤ体21およびこれらに取り付けた加硫モールド50のセグメント51は上部T形案内部材23によって装置容器の上部プレート41に同時に滑動自在に装着する。このように装着すると、装置容器のキャリヤ体21が容器装置100の中心に向かって半径方向に移動できる。装置容器100が閉じる(開く)と、キャリヤ体21だけでなくこれらに固定したモールド50のセグメント51がコニカルリング12のテーパにそって移動する。このためには、既に説明したように、プレスの上部ラムをそれぞれ独立した上部外側プレート60と上部内側プレート70とに分割すればよい。
プレスの上部ラムの上部外側プレート60と上部内側プレート70が相互に移動できるため、加硫モールド50を開閉でき、閉じた時には、モールド50に一定の後圧を維持する。即ち、プレストレス状態Pである。加硫モールド50のセグメント51が加硫モールド50の上部ラテラルリング52および下部ラテラルリング54と完全に接触した瞬間に加硫装置容器100が閉じた時に、プレストレス状態が生じる必要がある。このために、バネ機構10がある。
バネ機構10(図3、図4、図5)はピン10.1からなり、このピンはコニカルリング12内において、コニカルリング12に形成した第1凹部10.2の下に強固に装着される。ピン10.1はコニカルリング12から開口10.4を介してスペーサリング11内に形成した第2凹部10.3まで延設する。このスペーサリング11には開口10.4を形成する。バネ10.5は第1凹部10.2においてピン10.1に装着する。即ち、これらバネは一方の側において第1凹部10.2の垂直側部10.21に当接し、そして他方の側において第1座金10.6に当接し、この座金は他方の側部においてスペーサリング11の下側11.2に当接する。第2座金10.7は第2凹部10.3においてピン10.1に取り付け、そしてこの座金は第2凹部10.3の水平側10.31に接触する。第2座金10.7を覆って、2つの固定ナット10.8をピン10.1に装着する。コニカルリング12にノッチ12.1を刻設し、このノッチにスペーサリング11に形成した着座部分11.1を嵌合する。図6は、装置容器100の円周にそって設けたバネ機構10の構成を示す上面図である。バネ機構の数は、加硫装置容器100の大きさによって定まる。
スペーサリング11とコニカルリング12との間にバネ機構10による可撓性継ぎ手が形成するため、これらが相互に滑動することができ、同時にスペーサリング11の装置容器のコニカルリング12の装着が強固になる。スペーサリング11とコニカルリング12との間にバネ10.5を挿入しているため、装置容器および加硫モールドの各機能部分の間にプレストレス状態Pが生じる。この構成が、加硫モールドが常時閉じている状態を確保するとともに、モールドのブラダによって誘導される圧力から生じる圧力負荷に屈することがなくなる。また、バネ10.5によって、セグメント式加硫装置容器の各部分が接触することがなくなり、同時にバネのリフト作用により、閉じた状態にあるときに、装置容器部分とモールドとの間に発生するクリアランスが補償される。
図4は、閉じる前の装置容器を示す図である。バネ機構10がプレスの上部ラムの外側プレート60を介して作用する圧力によって圧縮されていないため、装置容器は閉じた状態にある。バネ10.5の構成を考えると、これらバネは圧縮されず、スペーサリング11とコニカルリング12との間のクリアランスが大文字Bで示すように補償されている。このクリアランスを装置容器のアップリフトと呼ぶ。
図5は、閉じた状態の装置容器を示す図である。バネ10.5が圧縮すると、プレストレス状態および後圧が生じ、コニカルリングテーパ12を介してモールド50のキャリヤ体21およびセグメント51に伝わる。バネ機構10が加える圧縮力の値はバネ10.5の個数、バネ10.5の形状および予め設定された値Bによって定まる。加硫装置容器(図1)が閉じた状態にある時、バネは圧縮され、値B、即ち装置容器のアップリフトは最小である。バネ10.5が誘導する圧縮力、即ちプレストレス状態の大きさは、ナット10.8を使用してアップリフトを設定することによって調整でき、それにより、値B、即ち装置容器のアップリフトを小さく/大きくする。装置容器がバネ機構10によって閉じている状態にある時、プレスの圧縮力が徐々に強くなり、加硫モールドのセグメントキャリヤ体21に作用する。
タイヤ製造時に作用する力を図7に示す。
なお、各記号の意味は次の通りである。
Fuz:加硫装置容器のテーパを介して作用する加硫プレスの閉じる力である。
Fub:上型を介して作用する加硫プレスの閉じる力である。
Fuc:下型に作用するプレスの下部プレートの力である。
Pmem:モールドブラダの圧力媒体の圧力である。
Fmb:加硫装置容器の側部に作用する加硫プレスブラダの力である。
Fmo:半径方向に作用するブラダの力である。
Fmk:加硫プレスが閉じるさいにこれに対抗する、垂直方向に作用する力Fmoの成分である。
10:バネ機構
11:スペーサリング
12:コニカルリング
13:案内部材
21:キャリア体
51:セグメント
100:装置容器
10.1:ピン
10.2:第1凹部
10.3:第2凹部
10.4:開口
10・5:バネ
10.6:第1座金
10.7:第2座金
10.8:ナット
11.1:着座部分
12.1:ノッチ

Claims (2)

  1. バネ機構を備えたセグメント式加硫モールド用装置容器(100)であって、コニカルリング(12)を取り付けるスペーサリング(11)を有し、案内部材(13)を前記コニカルリング(12)に取り付け、前記加硫モールドのキャリヤ体(21)およびセグメント(51)に前記案内部材を滑動自在に接続し、プレスの上部ラムの上部外側プレートに前記スペーサリング(11)を取り付けた前記装置容器(100)において、バネ機構(10)によって前記スペーサリング(11)および前記コニカルリング(12)を移動自在に接続したことを特徴とする装置容器(100)。
  2. 前記バネ機構(10)が前記コニカルリング(12)においてこのコニカルリング(12)に形成された第1凹部(10.2)の下に強固に装着されたピン(10.1)からなり、このピン(10.1)が前記スペーサリング(11)に形成された開口(10.4)を通ってこのスペーサリング(11)に形成された第2凹部まで延設し、前記ピン(10.1)の第1凹部(10.2)にバネ(10.5)を装着し、これらバネが一方の側で第1凹部(10.2)の垂直側部(10.21)に当接するとともに、他方の側で第1座金(10.6)に当接し、前記第1座金(10.6)がスペーサリング(11)の下側(11.2)に当接し、前記ピン(10.1)の第2凹部(10.3)に第2凹部(10.3)の水平側部(10.31)に接触する第2座金(10.7)を固定し、前記ピン(10.1)において第2座金(10.7)の上に2つの固定ナット(10.8)を装着し、前記コニカルリング(12)にノッチ(12.1)を形成し、前記スペーサリング(11)に形成された着座部分(11.1)を前記ノッチに嵌合したことを特徴とする請求項1に記載の装置容器。
JP2013006319U 2013-06-05 2013-11-05 バネ機構を備えたセグメント式加硫モールド用装置容器 Expired - Lifetime JP3188434U (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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