JP3188395B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム二次電池に係
わるものであって、特に放電容量、出力密度と充放電速
度が大であってサイクル特性に優れたリチウム二次電池
用負極に関する。リチウム二次電池は、電気自動車、メ
モリーバックアップ、ポータブル機器駆動用電源として
利用される。例えば、電子機器に搭載する場合、ノート
パソコン、ワープロ、携帯電話、コードレスフォン子
機、携帯ファックス、携帯プリンター、ヘッドフォンス
テレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリ
ーナー、ポータブルCD、電気シェーバー、電子翻訳
機、自動車電話、トランシーバー、電動工具、メモリー
カード等に利用される。その他民生用として医療機器
(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)、更には宇
宙用或いは太陽電池と組み合わせて利用できる。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池の負極として、従来は
リチウム (Li) 金属及びLi−Al,Li−Pb等の
合金が用いられてきたが、これらの電池は、樹脂状リチ
ウムの析出による正負極の短絡やサイクル寿命が短く、
エネルギー密度が低いという欠点があった。最近ではこ
れらの問題点を解決するため炭素材を負極に用いる研究
が活発である。この種の負極は、例えば特開平5-299073
号公報、特開平2-121258号公報、特開平6-349482号公
報、特開平7-335623号公報の各公報に開示されている。
特開平5-299073号公報での構成は、芯を形成する高結晶
炭素粒子の表面をVIII族の金属元素を含む膜で被覆し、
さらにその上を炭素が被覆することよりなる炭素複合体
を電極材料としており、これによって表面の乱層構造を
有する炭素材料がリチウムのインターカレーションを助
けると同時に、電極の表面積が大きいために充放電容量
及び充放電速度が著しく向上したとしている。特開平2-
121258号公報では、六方晶でH/C <0.15、面間隔 >3.
37Å及びC軸方向の結晶子の大きさLc <150Åである炭
素物質とLiと合金可能な金属との混合物とすることに
より、充放電サイクル寿命が長く、大電流における充放
電特性も良好であるとしている。特開平6-349482号公報
では、リチウムのインターカレーション・デインターカ
レーション可能な黒鉛粒子全部あるいは一部分の表面上
に酸化銅が付着している炭素複合体を電極材料としてお
り、これによって、酸化銅が電気化学的に還元されたも
のに、可逆的に進行するリチウムと銅の複合酸化物が形
成するため高容量化が可能としている。一方特開平7-33
5263号公報では、負極又は正極活物質に用いる炭素に導
電助剤として金属を添加する事により活物質どうしの接
触抵抗を低下させ、または集電体と活物質間の接触抵抗
を低下させることができ、高率放電(大電流放電)でも
極力容量低下を抑制することができる。負極に限ってい
えば、黒鉛にニッケル、銅、銀、アルミニウム等の金属
担体の他ステンレススチール、パーマロイ等の合金を添
加することにより集電体上の黒鉛の配向を防止できる結
果、黒鉛の端面が電解液側を向いている割合が多くな
り、イオンの拡散が容易になり大電流放電が可能になる
としている。本発明者らは、特願平7-15676号公報にお
いて、炭素粒子の表面にリチウムと合金を形成する金属
の1000Å以下の粒子を担持した炭素粒子を負極材として
用いることにより高容量、出力密度の増大及びサイクル
特性に優れたリチウム二次電池を提供する出願をした。
しかし、いずれにおいても、負極炭素材の調製の難しさ
や炭素の理論容量が引き出されておらず、出力密度が未
だ十分とはいえなかった。特に高速充放電(大電流充放
電)という面では大幅に改善されなければならないとい
う課題があった。したがって、電気自動車、自動二輪車
に搭載するにはエネルギー密度及び出力密度が不十分で
あった。
【0003】以上のとおり、炭素材及び複合材を負極と
して用いた場合、炭素の理論容量を引き出せないことや
負極炭素材の調製の難しさ、更には高速充放電(大電流
充放電)が出来ないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明らは、前述の問
題点を解決するため鋭意研究をおこない、特定の構成か
らなる負極を用いることにより、高容量、高速充放電が
可能でかつ充放電サイクル特性の優れたリチウム二次電
池を完成し、本発明はこれを提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、次のよう
な知見を得て、これに基づき本発明を完成するに至っ
た。まず、従来型負極と改良型負極のサイクル特性の検
討を行い、その測定結果を図1に示す。ここで負極とし
て用いた炭素は、高純度化処理をした天然黒鉛で、その
粒径は約11μmである。この炭素に結着剤としてエチレ
ンプロピレンターポリマー(以下、EPDMと略記す
る)をジエチルベンゼンに溶解した溶液を用い、炭素と
EPDMが94:6の重量比になるようにしたペーストを
集電体である厚さ20μmの銅箔に塗布し、またこれとは
別に該ペーストを集電体である厚さ0.9mm、開孔率93%
の三次元網目構造を有する銅の発泡金属に充填した。こ
こで前者を従来型負極、後者を改良型負極と呼ぶ。両者
を風乾後、80℃で3時間真空乾燥し、0.5ton/cm2の圧
力で成型したのち、さらに150℃で2時間真空乾燥し、
それぞれを負極とした。これら負極の一つを、セパレー
タであるポリプロピレン製微孔膜を間に挟んで、リチウ
ム金属の対極と組合せ、電解液として1MLiPF6/エ
チレンカーボネート−ジメトキシエタン(以下EC−D
MEと略記する)、参照極としてリチウム金属を用いた
試験セルを組立てた。従来型負極、改良型負極について
それぞれ、この試験セルを用いて、充放電速度はカーボ
ン1g当り120mA、充放電の電位幅:0.01〜1.0Vでサイ
クル試験を行った。
【0006】試験の結果は、図1から明らかなように従
来型負極1を用いた場合は、サイクル毎に放電容量は低
下し、約500サイクル後には放電容量は初期容量の約60
%まで低下した。一方、改良型負極2を用いたものは50
0サイクル後においても低下率は4.5%と非常に小さく、
集電体の改良の効果が認められた。この実験事実は、炭
素の粒子間の集電効果が充放電の繰返しによる体積変化
などに起因する電極の膨れのために低下するのを三次元
網目構造を有する改良型電極では抑制できた結果と考え
られる。そこで次に前記の検証をするため以下の実験を
した。すなわち負極合剤中に金属繊維を添加したら同様
の効果が得られるかを検討した。
【0007】その結果を図2に示す。図2の実験はおお
むね図1と同じであるが、測定条件の概要を以下に示
す。用いた炭素は粒径が約3μmの人造黒鉛で、これに
線径が10μmの銅繊維を90:10の重量比で混合した。こ
の混合物に結着剤としてポリフッ化ビニリデン(以下、
PVDFと略記する)のN−メチルピロリドン溶液を用
い、上記混合物とPVDFを90:10の重量比になるよう
にしたペーストを集電体である厚さ20μmの銅箔に塗
布、風乾後、80℃で3時間真空乾燥し、0.5t/cm2の圧
力で成型したのち、さらに120℃で2時間、真空乾燥
し、負極とした。この負極を、ポリプロピレン製微孔膜
を介在させて、リチウム金属の対極と組合せ、電解液に
1MLiPF6/エチレンカーボネート+ジメトキシカー
ボネート(以下、EC+DMCと略記する)、参照極に
リチウム金属を用いた試験セルを組立てた。充放電速度
は炭素1g当たり120mA、充放電の上下限電位は、それ
ぞれ1.0Vと0.01Vとした。得られた結果を図2に示し
た。ちなみに図2には、銅繊維を添加しない負極の特性
も合わせて示した。図2の結果で明らかなように、銅繊
維を添加しない負極4に対し、銅繊維を添加した負極3
は放電容量が大きくサイクル毎の低下も極端に小さくな
ることが判明した。なお、銅繊維の代りに銅粉末を用い
た負極についても、同様の結果が得られた。以上の結果
から負極合剤層の集電性を高めることは、放電容量やサ
イクル特性の向上に重要な因子であり、炭素と導電性繊
維又は導電性粉末とを単に混合するのではなく、炭素上
にリチウムと合金を形成する金属の微細粒子を担持する
ことにより、炭素・導電性物の混合系に比べて、添加
(担持)量が少なくても同等の効果があると同時に、リ
チウムとの合金化容量が利用できる、又炭素粒子間に金
属を介在させることによる電気導電度や熱伝導度の向上
等が期待できるという新しい機能をもたらすことを見出
し既に出願した。この出願の負極のサイクル試験におい
て、約300サイクルまで安定した性能を示した。
【0008】その後、更なる詳細な検討の結果、負極と
して炭素上にリチウムと合金を形成する金属と合金を形
成しない金属の微細粒子を担持した炭素粒子又は両者の
合金の微細粒子を担持した炭素粒子を用いることによ
り、負極として炭素上にリチウムと合金を形成しない金
属の微細粒子を担持した炭素粒子を用いた場合に比べて
意外にも既出願の前記機能に加えて高速充放電(大電流
充放電)、すなわち電池重量1kg当りのエネルギー密度
350w以上の出力を20分以上放電することを可能にする
ことを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、リチウム二次電池を
構成する単電池の負極が、リチウムと合金を形成する金
属と合金を形成しない金属との両者の金属が担持された
炭素粒子又は両者の金属が合金を形成して担持された炭
素粒子を集電体に保持させたものであることを特徴とす
るリチウム二次電池である。上記リチウム二次電池とし
ては、0.5wh〜50kwhの容量を有するものが用いられる。
そして、上記負極を装着するリチウム二次電池は、電池
重量1kg当りのエネルギー密度350w以上の出力を20分
以上放電することを可能にするものである。また、上記
金属は、好ましくは粒径1000Å以下の微細粒子のものが
用いられ、金属の担持量は炭素と金属の全重量に対し30
%以下、好ましくは1〜10wt%以下が良く、Liと合金を
形成する金属と合金を形成しない金属の添加比率は、
1:9〜9:1、好ましくは1:3〜3:1重量比であ
る。
【0010】さらに、本発明は、上記リチウム二次電池
を動力源とするモータを搭載した電気自動車又は自動二
輪車である。そして、このリチウム二次電池は、その充
放電速度が、1C以上で、電池容積1リットル当り350w
h以上のエネルギー密度であるものが用いられる。本発
明で用いる炭素としては、リチウムをインターカレー
ト、デインターカレート可能なもの、例えば天然黒鉛、
石油コークスあるいは石炭ピッチコークス等から得られ
る易黒鉛化材料を2500℃以上の高温で熱処理したもの、
メソフェーズカーボン或いは非晶質炭素及びこれらの混
合物が用いられる。その平均粒径は50μm以下、好まし
くは1〜20μmが好適である。また形状は、球形、塊
状、鱗片状、繊維状あるいはそれらの粉砕品であって良
い。
【0011】リチウムと合金を形成する担持金属として
は、Al,Sb,B,Ba,Bi,Cd,Ca,Ga,
In,Ir,Pb,Hg,Si,Ag,Sr,Te,T
i及びSnのうち少なくとも1種類が選択されるが、好
ましくは(1)リチウム含有量が多い合金組成、(2)
原子量が比較的小さく、密度が比較的大きい、(3)還
元が容易、(4)リチウム合金の酸化還元電位が低い、
(5)廃棄上の問題が少ない、(6)比較的安価であ
る、等の諸条件を満たすものがよい。
【0012】次にリチウムと合金を形成しない金属とし
ては、Fe,Ni,Cu,Pt及びAuのうち少なくと
も1種類が選択されるが、好ましくは(1)酸化電位が
高い、(2)還元が容易、(3)廃棄上の問題が少な
い、(4)比較的安価である、等の諸条件を満たすもの
がよい。金属の担持方法としては、蒸着法、スパッタリ
ング法、湿式還元法、電気化学的還元法、メッキ法及び
気相還元ガス処理法等の方法があるが、用いる金属種に
対応して最適な担持法を適用すればよい。また金属の担
持量としては、両者の合計量として30wt%以下、好まし
くは1〜10wt%が好適である。リチウムと合金を形成す
る金属とリチウムと合金を形成しない金属の添加比率
は、1:9〜9:1、好ましくは1:3〜3:1であ
る。そして、両者の金属の添加比率が前記範囲でない場
合、高速充放電(大電流充放電)の効果が得られない。
【0013】リチウムと合金を形成する金属と合金を形
成しない金属について、合金を形成させるには、例えば
湿式還元でCuとSnを炭素粒子上に担持し、乾燥した
炭素粉を還元ガス気流中にて所定の温度で熱処理するこ
とによって行われる。更に担持された金属の粒径は、合
金で形成する金属の場合充放電におけるリチウム合金の
析出・溶解速度を考慮し、又合金を形成しない金属の場
合、電子電導性を左右する炭素間の接触点を増大させる
ため1000Å以下が望ましい。更に、担持された金属の粒
径は合金を形成する金属の場合、充放電におけるリチウ
ム金属の析出、溶解速度を考慮し、又合金を形成しない
金属の場合、電子電導性を左右する炭素間の接触点を増
大させるため1000Å以下が望ましい。
【0014】以上で得られた金属担持炭素粒子を用いて
負極を作成するが、この場合に結着剤を用いる。結着剤
としては、例えばEPDM、PVDF、ポリテトラフル
オロエチレン等電解液と反応しないものであれば、特に
限定されない。結着剤の配合量は、カーボンに対し1〜
30wt%、好ましくは、5〜15wt%が好適である。前述の
合剤を用いた負極形状としては、シート状、フィルム
状、金属箔上にフィルム状或いは発泡金属に充填するな
どして電池形状に適応させる事が可能である(図4参
照)。合剤層厚みは、10〜200μmの範囲が望ましい。
【0015】このようにして得られた負極は、通常用い
られる正極、セパレータおよび電解液と組合わせること
により最適なリチウム二次電池とすることが出来る。正
極に用いる活物質としては、LiCoO2,LiNiO2やLiMn2O4
等のリチウムを含有した複合酸化物が用いられてよく、
これに導電剤のカーボンブラックや炭素および粘着剤を
混合したものをAl箔等の集電体に塗布して正極とす
る。
【0016】セパレータとしては、ポリプロピレン、ポ
リエチレンやポリオレフィン系の多孔質膜が用いられて
いる。また電解液としては、プロピレンカーボネート
(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジ
メトキシエタン(DME)、ジメトキシカーボネート
(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル
エチルカーボネート(MEC)などの2種類以上の混合
溶媒が用いられる。また電解質としては、LiPF6,LiB
F4,LiClO4等があり、上記溶媒に溶解したものが用いら
れる。
【0017】リチウム二次電池用炭素負極を改良し、て
リチウムと合金を形成する金属と合金を形成しない金属
の微細粒子を担持した炭素粒子又は両者の合金の微細粒
子を担持した炭素粒子を用いることにより、(1)放電
容量の増大する、(2)出力密度の向上する、(3)電
気伝導性が向上し、充放電反応の速度が向上する、
(4)添加金属がリチウムと形成する合金の充放電容量
が利用できるので黒鉛の理論容量の372mAh/gを越える
値が得られる、(5)不可逆容量を引き起こす炭素粒子
表面の反応サイトを担持金属が覆うので不可逆容量が低
減される、(6)放電容量が大きくなるので電池の出力
密度も当然大きくなる、(7)前記(2)に付随してサ
イクル特性も向上し、組電池における熱放散性も向上さ
せることができる、等の顕著な効果がえられる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により具体
的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲がこれら実
施例に限定されるものではない。
【0019】
【実施例】
[実施例1]高純度化処理した人造黒鉛(面間隔d002
=3.359Å、結晶子大きさLc =540Å、比表面積=10m2
g)9.5gを25mlのエタノールを含む水450mlに懸濁させ
る。これを約55℃に加温し、強攪拌しながら0.39gの硝
酸銀(AgNO3)と0.95gの硝酸銅(Cu(NO3)2・3H2O)を添加
し溶解させる。これに8mlのヒドラジン(N2H4) を含む
水100ml をマイクロチューブポンプで滴下し、約3時間
かけて同時還元反応を完結させる。その後、ロ過・水洗
して、350℃で6時間真空乾燥した。得られた粉末A中
の金属量は、化学分析によれば、仕込み重組織の各々2.
5重量%に対し、Agは2.45重量%、Cuは2.32重量%
であった。また、X線回折によりAgとCuの存在状態
を調べたところ、金属状態のAgとCuの回折線に加え
て酸化第1銅:Cu2O に基づく極く微量の回折線が認め
られた。次にエネルギー分散型電子プローブマイクロア
ナリシスにより、AgとCuの分散状態を観察したとこ
ろ、Ag及びCu粒子は黒鉛粒子の全面に分布してお
り、黒鉛粒子の端面部に若干濃縮していた。さらに透過
型電子顕微鏡で金属粒子の大きさを観察したところ、数
百Åの粒子がほぼ均一に分散していた。
【0020】[実施例2]高純度化処理を行った天然黒
鉛(d002 =3.362Å、Lc =330Å、比表面積=20m2
g)を用いて実施例1と同様の操作を行い粉末Bを得
た。 [実施例3]高純度化処理を行った人造黒鉛9.5gを25m
lのエタノールを含む水450mlに懸濁させる。これを約55
℃に加温し、強攪拌しながら0.39gとAgNO3と1.24gの
硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H2O)を添加し溶解させる。
これに0.5重量%のテトラヒドリドホウ酸ナトリウム(N
aBH4) 水溶液をマイクロチューブポンプで滴下し、約3
時間かけて同時還元反応を完結させる。その後、ロ過、
水洗して350℃で6時間真空乾燥した。得られた粉末C
中の金属量は、化学分析によれば、仕込み量組成の各々
2.5重量%に対し、Agは2.44重量%、Niは2.30重量
%であった。また、X線回折によりAgとNiの存在状
態を調べたところ、金属状態のAgとNiの回折線に加
えてNiOに基づく極く微量の回折線が認められた。次
にエネルギー分散型電子プローブマイクロアナリシスに
より、AgとNiの分散状態を観察したところ、Ag及
びNiは黒鉛粒子の全面に分布しており、黒鉛粒子の端
面部に若干濃縮していた。さらに濾過型電子顕微鏡で金
属粒子の大きさを観察したところ、数百Åの粒子がほぼ
均一に分散していた。
【0021】[実施例4]高純度化処理を行った天然黒
鉛を用いて実施例3と同様の操作を行い粉末Dを得た。 [実施例5]エタノール25mlと水450mlを混合し、55℃
に加温する。これに0.5gのフタル酸水素カリウムを添
加溶解した後、強攪拌しながら0.39gとAgNO3とCu(NO3)
2 ・3H2O 0.95gを添加し溶解する。次いでこれに高純
度化処理した人造黒鉛9.5gを加え懸濁させる。この懸
濁液を強攪拌しながら0.5重量%のNaBH4水溶液をマイク
ロチューブポンプで滴下し、約3時間かけて同時還元反
応を完結させる。その後、ロ過、水洗して350℃で6時
間真空乾燥した。得られた粉末Eは、実施例1の粉末A
とほとんど同じものが得られたが、炭素上の金属粒子の
粒径は、粉末Aのものより小さく、分散状態が改良され
ていた。
【0022】[実施例6]2ml酢酸−25mlエタノール−
25mlH2Oの混合溶液に0.475gSnCl2・2H2Oと0.95gCu(NO
3)2・3H2Oを溶解した後、蒸留水を加え400mlとする。こ
の溶液に9.5gの高純度化処理した人造黒鉛を懸濁させ
約50℃に加温する。次いで懸濁液を強く攪拌しながら水
100ml に1.7gのNaBH4を含む還元剤液を滴下して還元反
応を行わしめる。その後、濾過水洗して150℃で20時間
真空乾燥して粉末Fを得た。粉末のX線回析において
は、黒鉛に基づく回析線の他に金属状態のCuとSnの
回析線と微量の酸化第一銅の回析線が認められた。
【0023】[比較例1]実施例5の操作において、0.
98gのAgNO3のみを添加し、全く同じ条件で5重量%A
g/人造黒鉛の粉末Gを得た。 [比較例2]実施例5の操作において、0.95gのCu(N
O3)2・3H2Oのみを添加し、全く同じ条件で2.5重量%C
u/人造黒鉛の粉末Hを得た。
【0024】[実施例7]上記実施例1〜6と比較例1
及び2で得られた粉末A〜Hに結着剤としてPVDFの
N−メチルピロリドン溶液を用い、各粉末とPVDFを
90:10の重量比になるようにしたペーストを集電体であ
る厚さ20μmの銅箔に塗布、風乾後、80℃で3時間真空
乾燥し、0.5ton/cm2の圧力で成型したのち、さらに120
℃で2時間、真空乾燥し、負極A〜Hを得た。又高純度
化処理を行った人造黒鉛のみを用いて上述の操作で負極
Iを得た。これらの負極をポリエステル製の多孔質膜を
介してリチウム金属の対極と組合せ、電解液に1MLi
PF6/EC+DMC、参照極にリチウム金属を用いた
試験セルを組立てた。充放電速度は炭素1g当たり120m
A、充放電の上下限電位は、それぞれ1.0Vと0.01Vとし
た。得られた結果を放電容量〔mAh/g・(炭素+金
属)〕として表1にまとめて示した。
【0025】
【表1】
【0026】又負極I,G,F,Eについて充放電速度
を変えたときの放電容量を測定し、その結果を図3に示
した。図より明らかなごとく本発明による負極Eは、充
放電速度が高い場合においても放電容量の大きいことが
わかる。ちなみに250mAh/gの放電容量を維持するため
には人造黒鉛のみの負極を1.0とすると5重量%Ag担
持人造黒鉛負極は約1.7、2.5重量%Cu担持人造黒鉛負
極は約1.6、2.5重量%Ag−2.5重量%Cu担持人造黒
鉛は、約3.2倍となり、高速充放電(大電流充放電)に
耐える負極材料であることが判明した。又負極A,B,
C,D,Fについても同様の試験を行った結果、負極E
とほぼ同等の結果が得られた。
【0027】〔実施例8〕実施例6で得られた粉末Fを
4%H2/He気流中、550℃−3時間熱処理した。この
粉末のX線分析によりCuとSnの金属に基づく回析線
以外に合金化に基づく回析線が認められた。この粉末を
用いて実施例7と同様、負極の評価を行った。放電容量
は、粉末Fを用いた負極とほぼ同じ値であった。
【0028】〔実施例9〕実施例1の操作において、C
u:Agの重量比が3:1になるように仕込み、同じ操
作で粉末を得た。この粉末を用いて実施例7と同様、負
極の評価を行った。放電容量は、粉末Aを用いた負極と
ほぼ同等の値を示した。 〔実施例10〕実施例1の操作において、Cu:Agの
重量比が1:3になるように仕込み、同じ操作で粉末を
得た。この粉末を用いて実施例7と同様、負極の評価を
行った。放電容量は、粉末Aを用いた負極とほぼ同等の
値を示した。
【0029】〔実施例11〕実施例1の操作において、
Cu:Agの重量比が9:1になるように仕込み、同じ
操作で粉末を得た。この粉末を用いて実施例7と同様、
負極の評価を行った。放電容量は、粉末Aを用いた負極
の370mAh/gの値に対し350mAh/gであった。
【0030】〔実施例12〕実施例1の操作において、
Cu:Agの重量比が1:9になるように仕込み、同じ
操作で粉末を得た。この粉末を用いて実施例7と同様、
負極の評価を行った。放電容量は、360mAh/gの値を示
した。 〔実施例13〕実施例1の操作において、人造黒鉛の20
重量部をX線分析のdooz面から求めた面間隔3.85Å
の非晶質で置きかえた粉末を得た。この粉末を用いて実
施例7と同様、負極の評価を行った。放電容量は、粉末
Aを用いた負極とほぼ同等の値であった。
【0031】[実施例14]厚さ20μmのアルミ箔に、
LiCoO2 活物質と人造黒鉛とPVDFを重量比で87:
9:4とした合剤を両面に塗布し乾燥・圧延し片面90μ
m厚さとなるようにした正極15と、厚さ20μmの銅箔に
実施例5で得られた粉末EをPVDFと重量比で9:1
となるようにした合剤を両面に塗布し乾燥・圧延し片面
58μm厚さとなるようにした負極17及び厚さ25μmのポ
リエチレン製多孔質膜セパレータ19を、図4に示すよう
に捲回して外寸法14φ−47mmの電池缶に収納し、電解液
として1MLiPF6 /EC−DMCを用いて、その特
性を評価した。
【0032】試験条件として、充放電速度:1C、充電
終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vとして行った。その
結果、350wh/l のエネルギー密度が得られ、300サイク
ルまで安定した性能を示している。
【0033】
【発明の効果】リチウム二次電池において、新規な負極
を用いることにより特に放電容量、出力密度と充放電速
度が大であってサイクル特性に優れたリチウム二次電池
を提供することができる。このリチウム二次電池は、電
気自動車、メモリーバックアップ、ポータブル機器駆動
用電源として利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来型負極と改良型負極のサイクル特性図。
【図2】銅繊維添加負極と無添加負極のサイクル特性
図。
【図3】本発明よりなる負極と従来・改良型の負極の充
放電速度と放電容量の関係を示す図。
【図4】本発明の円筒形電池の構成図。
【符号の説明】
1…従来型負極のサイクル特性、2…改良型負極のサイ
クル特性、3…銅繊維添加負極のサイクル特性、4…無
添加負極のサイクル特性、5…本発明負極の充放電速度
と放電容量の関係、6…Ag担持人造黒鉛粉末を用いた
負極の充放電速度と放電容量の関係、7…Cu担持人造
黒鉛粉末を用いた負極の充放電速度と放電容量の関係、
8…人造黒鉛粉末を用いた負極の充放電速度と放電容量
の関係、15…正極、16…正極端子、17…負極、18…負極
端子、19…セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−273702(JP,A) 特開 平5−286763(JP,A) 特開 平8−69797(JP,A) 特開 平4−259764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/36 - 4/62 H01M 10/40

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウム二次電池を構成する単電池の負
    極が、リチウムと合金を形成する金属と合金を形成しな
    い金属との両者の金属が担持された炭素粒子又は両者の
    金属が合金を形成して担持された炭素粒子を集電体に保
    持させたものであることを特徴とするリチウム二次電
    池。
  2. 【請求項2】 上記使用するリチウム二次電池が0.5wh
    〜50kwhの容量を有するものであることを特徴とする請
    求項1記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 金属が、粒径が1000Å以下の微細粒子で
    あることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電
    池。
  4. 【請求項4】 リチウムと合金を形成する金属とリチウ
    ムと合金を形成しない金属の比率が、1:9〜9:1で
    あることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電
    池。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の何れかの項記載のリチ
    ウム二次電池を動力源とするモータを搭載することを特
    徴とする電気自動車。
  6. 【請求項6】 リチウム二次電池の充放電速度が、1C
    以上で350wh/l(電池容積)以上のエネルギー密度で
    あることを特徴とする請求項5記載の電気自動車。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4の何れかの項記載のリチ
    ウム二次電池を動力源とするモータを搭載することを特
    徴とする自動二輪車。
  8. 【請求項8】 前記リチウム二次電池の充放電速度が、
    1C以上で、350wh/l(電池容積)以上のエネルギー
    密度である請求項7記載の自動二輪車。
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