JP3187829B2 - 超伝導体および製造方法 - Google Patents

超伝導体および製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 NbTiは長年にわたり超伝導ワイア(superconducting
wire)産業の基幹とされてきた。最近関心を集めている
高Tc超伝導を含め、代替物質の研究が行われてきたにも
関わらず、NbTiが最も良好な超伝導体であり続けてい
る。残念なことに、高品質のNbTiワイアは複雑で時間の
かかる熱処理工程を必要とし、製造が困難である。この
ような熱処理工程を必要としない複合体材料が望まれて
いる。
多くの熱処理行程がNbTi導体の製造において行いうる
ものであり、現在使用されているが、その目的はいずれ
もNbTi内のα−Ti粒子を沈殿させることである。これら
の粒子はフラックスラインをピニングすることのできる
欠点となる。このピニングは達成するべき高Jcをもたら
す。加工の熱処理方法の難点は多いが、簡単に要約する
と以下のとおりである。
1. 熱処理の回数と長さ、予備熱処理緊張、および熱処
理温度のバランスが微妙である。従って、Jcの至適化が
困難であり、ワイアの加工の間に誤差が生じ易い。
2. 複雑な熱処理工程が必要なため加工時間が実質的に
長くなり、製造費用を増大させる。
3. α−Tiの存在がNbTiの延性を低下させるため、所望
の導体片長を得るのが困難になる。
4. 広範囲な熱処理がTi−Cu化合物形成の問題の原因と
なり、これはバリア材を用いることによってのみ回避で
きる。
NbTi中のα−Ti析出は、それらがフラックスピニング
部位(flux pinning site)として機能する能力を有す
る為jcを大きく増大させることはよく知られている。β
−Nb−Tiグレイン境界部に生じるこれらの析出は、一般
的に、冷却変形を原因とするひずみにより分離される一
連の熱処理により形成される。このひずみがα−Ti析出
を促進する。最終的なより大きいひずみは最終熱処理後
に起こる。最終ひずみはα−Tiを伸長し、Jcの至適化を
可能にする。
熱処理工程の詳細は、NbTiの組成、均質性等のような
多くの要因により異なる。しかしながら、一般的に用い
られているNb46.5wt%Tiの場合の典型的な工程は、3回
以上の300〜450℃の処理を40〜80時間、約1.6の面積減
少で分割させながら行う。最終の面積減少は通常は7〜
12の範囲である。
これらの工程の最も良好なものでは、NbTi中α−Tiは
約20容量%となり、Jcは5Tおよび4.2゜Kで3000A/mm2
なる。これらの特性を有するワイアにおいてはα−Tiは
40〜80Å離れた厚み10〜20Åのリボンの緻密な列という
形状となり、アスペクト非は与えた最終ひずみにより異
なる(参考文献例:P.J.Lee,J.C.McKinnellおよびD.C.La
rbalestierの「Nb46.5wt%Tiにおける高Jc達成のための
制限新熱処理」出版予定、報告書#HX−03として1989年
7月25日ロサンゼルスICMC/CECに提出)。
明らかに、ピニング部位を製造する熱処理方法は長時
間を要するだけでなく、潜在的に有害な誤差をもたらし
易い。熱処理の時間または温度が不正確である場合、あ
るいは、適用するひずみが大きすぎるか小さすぎる場合
は、当初は良好な材料が使用不能になる。即ち、このよ
うな複雑な加工を必要とせず高いJcを高い信頼性で与え
るような材料は、大きな価値を有する。人造ピン付きNb
Tiはこのような材料となりえる。
G.L.Dorofejev,E.Yu.KlimenkoおよびS.V.Frolov
(「人造ピニングセンターを有する超伝導体の電流運搬
能力」第9回国際磁気技術会議会報、MT−9、スイス核
技術研究所、P.564−6,Zurich,1985,ISPN 3−907998−0
0−6)により数年前に行われた研究は遷移金属がNbTi
のピニング部位として使用できることを最初に示した。
これらの研究者は107ミクロフィラメントのNb、Tiまた
はVで包囲されたNb50wt%Tiマトリックスを有するワイ
アを製造した。ミクロフィラメントの間隔はミクロフィ
ラメント直径と等しかった。これらの複合体は熱処理を
行うことなくJc試験のために種々の大きさに加工され
た。Jcは500Åまでミクロフィラメント直径に反比例し
て増大したことが解った。この大きさ未満では、機械的
作用および拡散作用により特性が劣化し始める。NbTiマ
トリックスにNbフィラメントを導入した複合体の最良の
ものは、5Tおよび4.2゜Kで3500Å/mm2のJcを示した。
I.Hlanik等により行われた研究(「直径0.1μm未満
の超伝導NbTi超微細フィラメント複合体の性質」、cryo
genics,vol.25,1985年10月)では、Cuに包埋された9,39
3,931のNbTiフィラメントよりなるCu−NbTi複合体が多
重の再積載を経て作成された。加工中に特に熱処理は行
われていない。100Åの厚みのCuマトリックスを伴ってN
bTiフィラメント直径は200Åと小さくなった。第1図は
5Tおよび4.2゜KでのCu−NbTi複合体のフィラメント直径
に対する臨界電流密度のグラフである。最大Jc約3000A/
mm2は500Åフィラメント直径で認められ、その後は急速
に低下し、Dorofekev等の研究結果と合致している。
L.R.Motowidlo,H.C.KanithiおよびB.A.Zeitlinのより
最近の研究(「人造ピニング構造を有するNbTi超伝導
体」出版予定、報告書#HX−01として1989年7月25日ロ
サンゼルスICNC/CECに提出)はDorofejev等の方法に対
し、NbとNbTiの位置を置き換えており、Nbマトリックス
内にNbTiを置いている。これらの研究者は多重の再積載
を用いて1250のフィラメントを有する多重フィラメント
ワイアを製造している。これらの銅クラッドフィラメン
トはNbマトリックス内に5800のMb46.5wt%Tiコアを有し
ている。NbおよびNbTiはフィラメント内に等しい容積画
分を占有している。単に多重フィラメント材料を引き下
げることにより、研究者等は4Tおよび4.2゜Kで0.020″
直径ワイア内に3700A/mm2と高いJcを達成し、これは、N
bおよびNbTiの直径で約150Åマトリックス厚み)および
670Å(コア直径)にそれぞれ相当した。試験した数種
類のワイア直径での、適用した場とJcの関係を図2に示
す。これらのデータは標準4点プローブおよびらせん型
の傷を有する試料を用いて4.2゜Kで測定したものであ
る。電圧タップは75cm離した。
研究者等により発見された明らかに良好な低場挙動
は、不良な高場挙動により相殺される。材料のHc2は僅
か約7.5Tであることが解っており、従来通り加工された
材料(11T)より遥かに低い。それにもかかわらず、実
験では明らかに遷移金属ピニングが示されている。
より過去の研究であるRoberts等の米国特許3,625,662
号(1971年12月7日)およびMacDonaldの米国特許4,41
4,428号(1983年11月9日)は、層シート材を用いた超
伝導体の作成を示しているが、何れの場合も、超伝導お
よび通常の金属の操作を介してのピニング機構の作成技
術を示していない。
〔本発明の簡単な説明〕
本発明の必須要素は以下の段階を包含する。
1. 異なる「通常の」遷移金属の間に多くの界面が生じ
るように少なくとも2種類の「通常の」遷移金属の周期
的配列により特徴付けられる複合体を形成すること。
「通常の」遷移金属とは、遷移金属Nb、Ti、ZrおよびV
を指す。
2. これらの材料の界面に延性超伝導合金を形成するた
めに遷移金属を反応させること。
3. 合金に添った純粋またはほぼ純粋な遷移金属の領域
を維持できるように反応の範囲を制限すること。
4. 超伝導および通常の金属の厚みが0.1μm未満とな
るように複合体を減少させ、超伝導−通常金属の界面に
おけるフラックスピニングが最も顕著になるようにする
こと。
上記加工段階の結果として、2種類の通常の遷移金属
の間の界面が遥かに増大しているような製品が形成さ
れ、この面は、界面を2種類の「通常の」遷移金属の拡
散合金に変換するような条件下で形成されており、その
合金は高磁場で超伝導である。
本発明の1つの好ましい実施態様においては、超伝導
体は複数の金属シート層を支持体の周囲に巻きつけて複
合体構造を形成する段階により製造される。シートは好
ましくは、純粋な遷移金属、ニオビウム、チタン、ジル
コニウムまたはバナジウムであり、例えば交互のシート
を異なる遷移金属から形成する。支持体は何れかの延性
金属であってよい。得られる複合体構造は各遷移金属シ
ートの厚みが1000Å未満になるように機械的に減少させ
る。減少の過程では、遷移金属層が部分的に反応して遷
移金属層の間に延性の超伝導材料を形成するのに十分な
時間、複合体を十分な温度に曝す。遷移金属層のほぼ半
分の容積が未反応のまま残存する。これらの未反応層
は、層が最終厚み1000Å未満にまで減少した場合に、複
合体内に効果的なフラックスピニングを与える。
遷移金属層の反応は、その層の厚みが1μm以上の場
合に起こる必要があり、そのための適切な手段の例は、
アイソタクティックな加圧、熱押出しまたは熱処理であ
る。比較的大きい厚みで層を反応させることにより、所
望の超伝導および通常の層の寸法が得られるように反応
を制御できる。一方、層が非常に薄い場合、最終的な大
きさのものに適用する熱処理は、未反応の材料を維持す
るのに必要な範囲に制御する。未反応の層が維持されな
ければならない点が、このような条件を設定していない
Roberts等の発明と本発明の相違である。
〔本発明の詳細な記述〕
本発明をより理解するために、後記する詳細な説明と
ともに以下のとおり図面を添付した。
図1はI.Hlasnik等の「直径0.1μm未満の超伝導NbTi
超微細フィラメント複合体の性質」(Cryogenics,vol.2
5,1985年10月)から引用したものであり、計算値(0)
および実測値(.)として、5Tおよび4.2゜Kでの臨界電
流密度とNbTiフィラメント直径の関係を示したものであ
る。
図2はL.R.Motowidlo、H.C.KanithiおよびB.A.Zeitli
nの「人造ピニング構造を有するNbTi超伝導体」(出版
予定、報告書#HX−01として1989年7月25日ロサンゼル
スICMC/CEMに提出)から引用したものであり、NbTi寸
法、237Å、592Åおよび968Å(それぞれA、Bおよび
C)に相当する3種類のワイアの大きさについて、臨界
電流密度と適用磁場の関係を示したものである。
図3はNb46.5wt%Tiコアの周囲に巻いたNbおよびTiの
シートの交互の層を有するモノフィラメントビレットの
設計図である。
図4は本発明に従って作成した0.0084″直径のNb/Ti
複合体の、電流密度(5T、4.2K)と適用磁場の関係を示
したグラフである。
図5は本発明に従って作成したNb/Ti複合体の、電流
密度と平均層厚みの間の関係を示すグラフである。平均
層厚みは、初めのシート厚みから推定した、試験した大
きさにおける、NbおよびTiの層の厚みの平均値である。
図6は本発明に従って作成した複合体の3種類の0.00
84″直径の試料の、電流密度と適用磁場の関係を示すグ
ラフである。A)非熱処理;B)0.0084″での熱処理(75
0℃、1時間);C)0.508″での熱処理(730℃、1時
間)の後、0.0084″まで減少。
図7は本発明に従って製造した複合体の層におけるNb
およびTiの濃度の変化を示す模式図である。
図8はNbの輪により包囲されたTiコアを含むモノフィ
ラメントビレットを示す模式図である。
図9は図8のビレットから製造したフィラメントを含
む第2段階のモノフィラメントビレットを示す模式図で
ある。
図10は図9のビレットから製造したフィラメントを含
むマルチフィラメントビレット示す模式図である。
図11は図8に示した種類の切断された銅非含有モノフ
ィラメントワイアの2つの断片に対する伸長作用を示す
模式図である。
図12はNb45.5wt%Tiコアの周囲に巻いたNb、Taおよび
Tiのシートの交互の層を有するモノフィラメントビレッ
トの設計を示すものである。
図13はNb46.5wt%Tiコアの周囲に巻いたNb15wt%Taお
よびTiのシートを有するモノフィラメントビレットの模
式図である。
図14は部分合金シートの模式図である。
図15はNbコアの周囲に巻いたTaのシートを有するモノ
フィラメントビレットの模式図である。
図16は長方形の棒に押出した後の図15のモノフィラメ
ントの模式図である。
図17はNb46.5wt%Tiコアの周囲に巻いたNb46.4wt%T
i、NbおよびTiのシートを有するモノフィラメントビレ
ットの模式図である。
図18はNb46.5wt%Tiコアの周囲に巻いたNb46.4wt%Ti
およびTi40wt%Taのシートを有するモノフィラメントビ
レットの模式図である。
本発明の好ましい実施態様においては、純粋な遷移金
属のシートを積層し、次にコアに巻き付ける。この材料
を加工する場合、薄い層厚は迅速に容易に得られる。加
工中、シートの厚みのほぼ半分が未反応のまま残存する
ように延性の超伝導材料が積層シートの界面に形成され
る。これらの未反応の遷移金属層は1000Å未満に減少し
た場合に複合体内部のピニングを可能にする。複合体に
ピニング部位が存在することにより、低磁場(1T〜5T)
での優れたJcが得られる。本明細書では、ピニング部位
とは通常および超伝導の材料の界面として定義される。
一般的に、複合体内のピニング部位密度が高い程、低磁
場Jcは良好になる。
通常および超伝導の層の厚みは、複合体の最終的な性
能のために重要である。層厚みが大きすぎる場合、即
ち、特定の磁場においてフラクソイド間隔の水準に無い
場合は、ピニングの効率が不良になる。一方、層が過剰
に減少した場合、機械的および拡散上の問題が生じ、近
接作用と同様、複合体の臨界電流密度および上方臨界場
を低下させる。
本発明に従って、遷移金属の交互の層を用いた複合体
材料を以下の実施例に記載するとおり作成した。
〔実施例I〕
先ずNb46/5wt%Tiコアの周囲にNbおよびTiの交互の層
を有するクラッドモノフィラメントビレットを構築した
(図3参照)。加工中、後の段階で層が反応するよう
に、NbおよびTiの層を選択した。層の厚みは、この反応
の後に未反応のNbおよびTiの薄層が残存し、ピニング部
位として作用するように、一方残りの材料はNbTi合金と
なるように選択した。これらの配慮により、NbのTiに対
する比は容量で5:4となった。
組立後、モノフィラメントビレットを電子線で真空下
に溶接し、4時間15ksiでアイソスタティックに650℃で
加熱加圧した。次にビレットを押出しのために直径2.
0″とした。押出しの前に、ビレットを650℃に加熱し、
この温度で2時間維持した。次にビレットを650℃で直
径0.5″に押出した。押出した棒を直径0.03″に冷間延
伸し、この時点で銅ジャケットを外し、材料をNbライニ
ング付きの銅製カンに再積載(restack)し、ここでNb
は、モノフィラメントの場合と同様に材料の銅汚染を防
止する作用を有する。このようにして製造した新しいビ
レットは薄いNbマトリックス内に約4000のフィラメント
を有していた。
再積載ビレットをモノフィラメントビレットと同様に
して加工し、最終的にいくつかの大きさのワイアに延伸
してJc試験に供した。標準的な4点プローブを用いて4.
2゜Kでらせん状に巻いた試料のIcを測定した。電圧ラッ
プは22cm離しておいた。図4は非加熱処理のNbおよびTi
の材料の、Jcと適用場の関係を示す代表的な曲線を示
す。実際はグラフは0.0084″直径のワイアのものである
が、試験したその他の試料(0.0297″〜0.0045″)のデ
ータもほぼ同じ曲線であった。Jcは、銅および銅汚染に
対する保証のために含めたNbの外部の環体の両方を除
く、フィラメントおよびNbマトリックスの領域に渡って
計算したものである。この環体は、2.0″の再積載ビレ
ット直径において0.045″の厚みであり、将来の設計で
は容易に排除できるものであり、従って、Jcでは考慮し
なかった。
図4に示すとおり、実施例Iの製品は、純粋なNbおよ
びTiのシートのみが複合体の塊内に入っていることを考
慮すると明らかに高いJcを示した。測定した5T Jcの最
高値は0.0084″直径ワイアで2175A/mm2であった。Hc2は
10.2Tと推定された。Nbマトリックス内のNb46.5wt%Ti
コアのみを有する対照材料で得られたデータに基づけ
ば、巻かれたフォイル内のNbTiコアはJcの計算から排除
されており、NbおよびTiの層内のJcの推定が可能であっ
た。5Tおよび4.2゜Kでの0.0084″ワイアについては、こ
の領域のJcは3250A/mm2と推定された。これらの電流密
度が特に熱処理を行うことなく達成されたという点は、
NbおよびTiの層のなんらかの合金化が加工中に生じたこ
とを示唆している。モノフィラメントおよび再積載ビレ
ットの両方の加工は熱アイソスタティック加圧および熱
押出しを用いているため、NbTi形成の機会が多大にあ
る。
図5は複合体のJcと、平均層厚み、即ち、最初のシー
ト厚み(平均0.018″)から推定した試験される大きさ
におけるNbおよびTiの層の厚みの平均、の関係を示すグ
ラフである。最大Jcは300Å〜400Åの間にあった。この
曲線とHlasnik等の曲線(図1)は相似しており、何ら
かのピニング機構が作用していることを示している。
α−Tiの形成を防止できるように選択された750℃1
時間の反応熱処理の適用は、0.508″〜0.0045″の直径
のワイアに対してJcを低下させることが解った。熱処理
の後に試料の大きさまで延伸することは、7〜9Tの範囲
で、その大きさでのJcを増大させる傾向を有するが、ピ
ニングが最も重要である低場領域に渡り、Jcは不良のま
まとなる。図6はこれらの作用を示すグラフである。観
察される不良な低場Jcは、高温熱処理が材料を均質化さ
せ、NbおよびTiの層で得られるピニングの程度を低下さ
せることを示唆している。
0.508″直径押出寸法における複合体のEDS(エネルギ
ー分散スペクトル分析)によれば、NbおよびTiの層のい
ずれも、完全に反応することはなかったが、Nb/Ti界面
に沿って顕著な拡散が起こったことが解った。この作用
は図7に模式的に示されており、NbTi超伝導領域の厳密
な範囲は定義の問題である(即ちNbおよびTiの濃度に関
係する)。NbおよびTiの両方とも、複合体のフラックス
ピニングに寄与している。
本発明を実施する別の方法を以下の実施例に記載す
る。
〔実施例II〕
図8に示すモノフィラメントビレットは4500を越える
直径6μmのフィラメントを有するマルチフィラメント
ワイアの製造に適している。この種のワイアを製造する
ためには、2つの第1段階および2つの第2段階のモノ
フィラメントビレットを構築し、加工しなければならな
い。第1段階のモノフィラメントビレットの各々は、シ
ートから形成するか、固体から製造することのできるNb
の環体により包囲される24″の長さの固体Tiインゴット
を有する。図に示すとおり、各Nb/Ti組立物を薄い銅の
カンに挿入する。このカンを溶接して封じ、真空にす
る。ビレットを3時間650℃で加熱することにより、押
出しのために調整する。次にこれらを7.125″直径のラ
イナから650℃で、直径1.00″に押出す。押出したもの
を回収し、先端部および末端部の過剰の銅を除去し、次
に冷却しながら延伸して0.063″の平板−平板の六角形
のワイアとする。この材料を22″の長さのフィラメント
に切断する。フィラメント上に付着した銅を硝酸で除去
した後に、第2段階のモノフィラメントの組立を行う
(銅クラッドが極めて薄いため、フィラメント上のNbは
再積載ビレットの空隙を最小限にすることのできる六角
形となる)。
第2段階のモノフィラメントの設計図を図9に示す。
このようなビレット2つを各々、以下のとおり組み立て
る。銅製のカンにNb障壁のライニングを施し、加工中の
銅汚染を防止する。銅非含有モノフィラメント約7950本
を組み立てて六角形の封鎖充填されたアレイとする。障
壁を有する銅製のカンをこのアレイを包囲するように滑
り込ませる。2つのビレットが組み立てられた後に、そ
れらの先端部と末端部を真空下の電子線溶接により連結
する。次にビレットを650℃および15ksiで4時間熱アイ
ソスタティック加圧(HIP)した。押出しの前に、ビレ
ットを直径7.05″とした。次にこれらを予備加熱し、押
出し、第1段階のビレットと同様にして回収した。1.
0″の押出し物を延伸して0.1083″の平板−平板六角形
ワイアとした。OFHC銅も同様に延伸し、この大きさの六
角形ワイアとした。次にこれらの材料をマルチフィラメ
ントビレットに組み込むために長さ35″に切断した。
マルチフィラメントビレットの設計を図10に示す。洗
浄後、六角形の銅および第2段階のフィラメントを、図
に示すプロポーションを有するアレイとして組み立て
る。銅製カンをアレイを包囲するように滑り込ませ、銅
フィラメントを境界部に充填しカン内にぴったり納まる
ようにする。先端部および末端部を真空下の電子線溶接
により連結した後、マルチフィラメントビレットを4時
間650℃15ksiのHIPに付す。ビレットを直径9.85″と
し、銅−非銅の容積比を1.3:1とし、十分な電気的熱的
安定性を確保する。ビレットを3時間650℃で予備加熱
し、直径10.0″のライナーから650℃で直径2.5″に押出
す。この押出し物を回収し、延伸して直径0.0255″の最
終ワイアの大きさとする。
この加工手順により直径6μmのフィラメントが得ら
れ、各フィラメントはNbTiマトリックス中に直径300Å
のTiサブフィラメントを有する。NbTi複合体は拡散の範
囲に応じて、約Nb30wt%Tiとなる。NbTiとTiの間の界面
は最終複合体におけるプラックスピニング部位として作
用する。
本明細書に記載した以外のNbおよびTiの形状も容易に
用いて良好な作用を得ることができる。例えば、第1段
階のモノフィラメントのNbおよびTiの位置を逆にするこ
とができる。NbおよびTiの相対量も適宜変化してよい。
押出しの回数を低減するためには、第1段階のモノフィ
ラメントビレットは、Ti(またはNb)の棒材を受領でき
るような多くの穿孔部を有する固体のNb(またはTi)の
マトリックスを組み込むことができる。棒材の数が十分
である場合、第2段階のモノフィラメントを省略してマ
ルチフィラメントの作成に直接進行することができる。
このような変更は本発明の本質から外れるものではな
い。
上記したような加工手順を用いて、NbTiがほぼ純粋な
Nb、TiまたはNbとTiの両方を伴ったいかなる複合体も製
造できる。特に、加工後に、Nbマトリックス内にNbTiフ
ィラメントを有するような複合体、即ち、最初はTiフィ
ラメントを有するが、加工が進行する過程でNbマトリッ
クスと完全に反応するような複合体を製造することがで
きる。Nbマトリックス内にNbTiフィラメントを有する複
合体はintermagnetics General corporationの特許4,80
3,310号に記載されている。
特許4,803,310号は、純粋な遷移金属を反応させて人
造ピン付き複合体を形成することは全く記載していな
い。実際、図8のNb環状体と同等のものを参照しなが
ら、4,803,310号特許は「使用する金属はコアフィラメ
ントに拡散しないか、または名目的にのみ拡散するよう
なものでなければならない」と記載している(セクショ
ン2、47行および48行)、この条件は本発明の加工の要
件とはきわ立って対照的である。当然ながら、より一般
的な場合においては、加工の間にコア材料は完全には反
応せず、得られる複合体は4,803,310号特許に記載のも
のとは完全に異なっている。
〔実施例III〕
複合体内に周期的構造を製造するための別の方法は粉
末冶金による方法である。粉末粒子の形状に応じて、遷
移金属粉末の混合物は、十分な伸長の後、フィラメント
状またはリボン構造の複合アレイとなる。このような系
は、前記したようなシートまたはフィラメントの系より
も内因的に整っていないが、本発明の積層特性をなお有
している。
粉末を用いた作成の好ましい方法を以下に述べる。
1. 選択された遷移金属、例えばNbおよびTiの粉末を得
る。フィラメント厚みがある程度確実に予測できるため
には粉末粒子は球形でなければならない。回転電極法に
より作成される粉末はほぼ球形であり、この用途に適す
る。粒子の表面積の体積に対する比が大きすぎることに
よりもたらされる酸素汚染の問題を回避するためには粉
末グレインは比較的大きい(直径150m)でなければなら
ない。粒子の大きさは全ての成分粉末で同様でなければ
ならない。
2. 粉末を適切な比で混合する。NbおよびTiの場合は、
容積比はほぼ1:1である。
3. 粉末混合物を拡散障壁でライニングされた銅製カン
内に圧縮充填する。拡散障壁は、粉末コア内の銅汚染を
防止するために必要である。明らかに、障壁材料は銅と
反応しない物質(例えばNbまたはTi)でなければならな
い。粉末混合物を何らかの機械的方法でカンに圧縮充填
する。ただし、その方法は粉末を汚染してはならない。
4. カンを真空密封した後、粉末混合物の最大高密度化
が得られるのに十分な温度、圧力および時間、熱アイソ
スタティック加圧(HIP)する。NbおよびTiの系では、6
505℃15ksi 4時間が十分なHIPである。
5. HIPに付された組立物から粉末混合物の固体コアを
作成する。このコアを、HIPされたカンで用いたものと
同様の材料よりなる拡散障壁でライニングされた銅押出
しカンに挿入する。
6.これ以降は、再積載を含めて前述の実施例Iの複合体
の場合と同様に加工するが、ただし、コアは既に十分緊
密であるため、モノフィラメントビレットはHIP処理し
ない。最終的なワイアの大きさは、複合体内のフィラメ
ントが、最初の粉末の大きさから推定して、厚み0.1μ
m未満となるようなものとする。
〔実施例IV〕
粉末冶金法にはいくつかの難点がある。最も重大なも
のには、加工の困難さをもたらす酸素汚染の危険性が常
にある点である。更に、粒径または分散を厳密に制御で
きない。これらの問題点を回避できる別の方法は、切断
されたワイアを粉末の代わりに使用することである。
必要な積層構造を得るために切断ワイアを用いること
のできる方法は2種類ある。第1の方法は所望の遷移金
属で形成されたワイアを入手し、それらを切断して小片
とし、これらを正しい比率で混合してモノフィラメント
押出しカンに導入する方法である。第2の方法は、必要
な遷移金属の層を1つ以上有するモノフィラメントワイ
アを作成し、それを適切な大きさに切断し、得られた小
片を押出してカン内に入れる方法である。後者の方法
は、ワイアの断片が全て正しい比率で金属を含有してい
るため材料の混合が適切であるか否かが問題とならない
ため、有利である。この種の複合体を伸長することによ
り、中間的な形態を有する、フィラメント、リボンおよ
び素子の緊密なとりまき混合物が得られる。図11はこの
作用を模式的に示したものである。図11Aは図8に示し
た種類のワイアの2つの断片を示している。
モノフィラメント中の断片の多くと同様に、断片は直
交方向を向く。図11Bは矢印の方向の伸長の作用を示し
ており、1つの断片はリボンの形状であるが、他方はフ
ィラメントのままである。即ち、切断ワイア法は、前記
した3つの系:シート、フィラメントおよび粉末の組合
せである。
モノフィラメント中で用いることになるワイアの種類
には関わらず、長さの直径に対する比が約1:1であるよ
うな断片に切断しなければならない。粉末よりも有利な
表面積対体積の比率を得るためには、ワイアの直径は0.
01″より大きくなければならない。銅汚染を防止するた
めにモノフィラメントのカンには拡散障壁のライニング
を施すことが必要である。別の高密度化HIPに付される
のではなく、モノフィラメントは単にHIPに付されて押
出されることを除き、実施例IIIの複合体の場合と同様
に組立および加工を行う。十分高密度化されたコアを押
出して収量を高めることが望ましいが、比較的大型の切
断ワイア断片は、HIP中の結合する傾向は小さく、その
後の固体コアの加工を行うには十分である。
隣接する「通常の」遷移金属体の間に延長された界面
を作成する別の方法は、それらの交互のシートを積載
し、大きさを減少させ、適切な熱処理を行って超伝導体
の拡散層を形成する方法である。シートは折るか、折り
込みを入れるか、その他の処理を行って何れかの所望の
界面の配置を得ることができる。その他の機械的複合、
減少および熱処理の段階を用いて、超伝導合金の所望の
拡散領域を作成してもよい。
前記した実施例における本発明の好ましい形態におい
て、超伝導体は金属シートの複数の層を組合せて複合体
構造を形成する段階により製造される。シートは好まし
くは純粋な遷移金属、ニオビウム、チタン、ジルコニウ
ムまたはバナジウムであり、交互のシートは異なる遷移
金属を用いて形成する。得られる複合体構造は各遷移金
属シートの厚みが1000Å未満になるように機械的に減少
させる。減少の過程では、遷移金属が部分的に反応して
遷移金属層の間に延性超伝導物質を形成するように、複
合体を十分な温度に十分な時間曝す。
遷移金属層の約半分の体積は未反応のまま残存する。
これらの未反応の層は、層の最終の大きさが1000Å未満
まで減少された場合に、効果的なフラックスピニングを
与える。別の実施態様においては、最初の層の代わりに
粉末およびフィラメントを用いることができる。
上記した特定の実施例は遷移金属の2元合金を対象と
したが、同様の原理を2種類より多い遷移金属を用いた
系に適用できる。2種類より多い金属よりなる合金はNb
Tiのような2元合金よりも有利である場合が多い。例え
ばNbTiTaは、全磁場領域を通じて従来のNb46.5Tiよりも
1.8Kにおけるより高い臨界電流密度を有することが解っ
ている(「スーパーコリダーおよび他用途のためのマル
チフィラメントNbTi超伝導複合体の設計における進
歩)、E.Gregpry,T.S.KreilickおよびJ.Wong,Supercoll
ider I,Plenum Press,1989)。この挙動のため、低温、
高場の用途において、NbTiTaはNbTiより好ましい。複数
の遷移金属を用いたその他の合金は異なる利点を与え
る。しかしながら、これらの合金は通常は作成に費用が
かかり、従来の方法でこれらをワイアに加工すること
は、不可能ではないが困難である場合が多い。NbTiTaお
よび2種類より多い遷移金属よりなるその他の合金に本
発明を適用することは、費用を多大に低減させ、これら
を組み込んだ超伝導ワイアの作成を進歩させる。更に、
2種類より多い遷移金属を使用できるという能力は、よ
り単純な2成分系では得られないような人造ピン付き超
伝導複合体の設計における有る程度の柔軟性をもたら
す。
NbTiTa合金はNbTiに付いて実施例Iで記載した方法に
より導体中に製造できる。作成における唯一の相違点
は、アニリングされたTaシートの厚み0.002″の層をモ
ノフィラメントのNbとTiの層の間に挿入する点である。
Nb、TaおよびTiの積層構造は、コアの周囲に4種類のシ
ートの組立物:0.020″Nb+0.002″Ta+0.016″Ti+0.00
2″Taを巻き付けることにより形成できる。この配置に
よりNbとTiの直接の接触を絶対回避できる。モノフィラ
メントを組み立てた後は、実施例1に記載の方法と全く
同様にして加工を継続する。
本発明のこの実施態様に従って、遷移金属の交互の層
を用いた複合体材料を以下の実施例で記載するとおり作
成できる。
〔実施例V〕
先ずNb46/6wt%Tiコアの周囲にNb、TaおよびTiの交互
の層を有するクラッドモノフィラメントビレットを構築
する(図12)。加工中の層の反応を介して合金NbTaTiが
形成されるように、TaおよびTiの層を使用する。層の厚
みは、この反応の後に未反応のNbおよびTiの薄層が残存
し、ピニング部位として作用するように選択し、残りの
材料はNbTaTi合金とする。これらの条件により、NbとTa
とTiの比は容量で10:8:1となる。
組立後、モノフィラメントビレットを電子線で真空下
に溶接し、4時間15ksiでアイソスタティックに650℃で
加熱加圧する。次にビレットを押出しのために直径2.
0″とした。押出しの前に、ビレットを650℃に加熱し、
この温度で2時間維持する。次にビレットを650℃で直
径0.5″に押出す。押出した棒を直径0.03″に冷却延伸
し、この時点で銅ジャケットを外し、材料をNbライニン
グ付きの銅製カンに再積載し、ここでNbは、モノフィラ
メントの場合と同様、材料の銅汚染を防止する作用を有
する。このようにして製造した新しいビレットは薄いNb
マトリックス内に約4000のフィラメントを有する。
再積載ビレットをモノフィラメントビレットと同様に
して加工し、最終的に約0.0085″の直径にまで延伸する
と、NbおよびTiの層の厚みは500Å未満となり、これら
の層は複合体内のフラックスピニング部位として機能す
る。
NbおよびTiの層と比較して、Ta層は薄いため、加工に
よりTa全体に渡るNbおよびTiの完全な拡散が起こる。こ
のようにして得られた最終複合体は、ピニング層として
機能するNbおよびTiの未反応領域により分割されたNbTi
Ta層を有する。容積でNbの約半分およびTiの半分はTaと
反応し、平均でほぼNb23wt%Ti34wt%Taの組成となる
が、当然ながら組成の変動は大きい。
この加工手順は変更が可能であるが、変更された方法
も本発明に従うものである。変更は主に2点、即ち層の
厚みと層の配列から生じる。これらの要因は下記のとお
り多重遷移金属複合体に影響する。
1. 少なくとも1種類の金属がほぼ純粋な状態で維持さ
れ、複合体内のフラックスピニングを与える限り、成分
となる遷移金属の層のどれ、または幾つを比較的薄く作
成しなければならないかは重要ではない。上記した複合
体においては、Nb、TiおよびTaの層のどの2つも、拡散
工程で完全に消費されるように比較的薄く作成できた。
2. 場合により、全ての成分金属の厚膜を用いることに
より3元(またはより多元の)合金よりもむしろいくつ
かの異なる2元超伝導合金の層を有する複合体を製造す
ることが望ましい。Nbと厚みが等しいTaの層を上記複合
体で用いる場合は、加工により得られるTaへの拡散は不
完全となり、複合体には、ともに超伝導体であるNbTaお
よびTiTaの層が貫通する。
3. 成分の層の順序を変更させることにより基本的に異
なる複合体を得ることができる。上記複合体において
は、Nb+Ta+Ti+Taの代わりにTa+Nb+Ti+Taの順序を
用いた場合、二元のNbTiが形成されるが、NbTiTaはTaが
二重であるために全く形成されない。明らかに得られる
複合体は初めの配列で製造されるものとは極めて異なる
ものとなる。
4. 実施例Vの複合体で行うことのできる変更のうち、
NbTiおよびNbTiTaの層を含むものは、これらの合金の両
方とも優れた超伝導体であるため、特に興味深い。この
ような複合体は、モノフィラメント内のNbTiコアの周囲
に以下のシート組立体:0.020″Nb+0.002″Ti+0.002″
Ta+0.016″Tiを巻き付けることにより作成できる。次
に上記実施例Iと全く同様にして加工を継続する。拡散
により薄いTiおよびTaの領域内にNbTiTaが形成され、Nb
TiはNbおよびTiの界面に形成される。Nb層および厚いTi
層の各々の容積のほぼ半分に未反応のまま残存し、複合
体内にフラックスピニングが確保される。即ちNbTiTa複
合体はNb27wt%Ti33wt%Taとなり、NbTi複合体はほぼNb
30wt%Tiとなる。
遷移金属超伝導合金の全てが実施例Vのプロトタイプ
の作成において用いられる加工温度および加工時間に適
合するわけではない。例えば、Vm(Hf0.5Zr0.5)のよう
なLaves相物質は一般的に、実施例Vの650℃より遥かに
高温の約900℃で形成する。本発明に含まれ合金のいく
つかを形成するために温度および時間を変更する必要が
あるという点は、本発明自体には全く影響しない。遷移
金属系内の拡散の知識は本発明の適用のために必要であ
る。その知識が有る場合は、本発明を活用するために特
定の系に適するように加工のパラメーターを調整するこ
とは、容易である。
コア材料以外は、上記実施例で記載した多層複合体は
純粋な金属のみからなる。このような複合体も有用であ
るが、超伝導体作成の効率は、モノフィラメントビレッ
トに用いられる成分層一つ以上が、純粋な金属ではなく
合金である場合に大きく向上する。最終的に望まれる超
伝導体の性質に応じて、超伝導体であってもよくなくて
もよい合金を、純粋な金属または別の合金と積層するこ
とができる。この材料の加工の過程の拡散により、超伝
導合金の層が形成され、これは最初の合金と類似してい
るが同一ではない。
純粋な金属の層ではなく合金の層を本発明で用いるこ
とは、本発明の基本的原則に影響しない。これらの原則
を以下に簡単に記載する。
1. 2種類以上の金属の交互の層により特徴づけられる
複合体 2. 下記の目的のための高温での複合体の加工 a. 複合体の減少を容易にするために金属層を結着さ
せる。
b. 拡散により、複合体の金属−金属界面に超伝導材
料の層を形成し、未反応の金属の領域も維持する。
3. 反応層および未反応層の厚みが1000Å未満とするた
めの複合体の機械的に減少 上記した実施例においては、純粋な金属は一般的に価
格が安く、合金より望ましいため、上記した原則は純粋
な金属層にのみ適用した。しかしながら、作成の容易さ
および性能の向上に関連した理由のため、合金層の利点
が費用の増大より重要である場合がある。本発明に従っ
た合金層の使用は本出願の中心である。
Intermagnetics General Corporationの米国特許4.80
3.310号は、超伝導合金および非超伝導、即ち、「通常
の」金属の積層構造により特徴づけられる複合体を記載
しているが、後者の材料が複合体のフラックスラインを
ピニングする作用を有する。全般的には本発明の複合体
と同様で有るが、IGCの複合体は通常の金属として「拡
散しないか、名目的のみ拡散するような(第二巻、47〜
48行)」金属を超伝導合金に組み込んでいる。一方、本
発明では、通常の金属の大部分が複合体内の隣接層に拡
散することが必要である。このような方法によっての
み、望ましい超伝導層が形成されるのである。
本実施態様においては、合金を用いて反応の間の超伝
導材料の形成を促進する。一般的に、本実施態様では以
下に示す二種類の合金を用いる。
I.通常の合金、例えばNbTa、TiTaまたはHfZr。これらは
三元(またはより多元の)超伝導体の作成を単純化する
が、それ自体有用な磁場では超伝導ではない。
II.延在超伝導合金、例えばNbTiまたはNbZr。これら
は、通常の金属(純粋または合金)と組合せて、当初の
合金よりも超伝導特性が良好である超伝導材の層を形成
できる。
ケースI 超伝導体が形成される前に少なくとも一種類の金属が
完全に拡散することが必要であるため、NbTiTaのような
三元超伝導体を有する複合体の作成は、純粋な金属のみ
を使用した場合は困難である。これは緩やかな過程であ
り、三元(NbTiTa)合金の形成の前に二元(例えばNbTa
およびTiTa)の形成を必要とする。二成分系はより効率
的であり、全ての拡散が、中間合金ではなく超伝導体の
形成に向かう。三元(またはより多元の)超伝導体のた
めには、二成分は明らかに少なくとも一種類の合金を含
んでいることが必要である。例えばNbTiTaはNbTa合金と
純粋なTiから理論上は形成できる。その他の可能性は、
TiTa+Nb、NbTi+Ta、NbTi+TiTaおよびNbTi+NbTaであ
り、後の三者は例IIの組合せである。NbTaおよびTiTaの
ような合金は「前駆合金」と称され、これは、合金が操
作される場ではそれ自体超伝導ではないが、三元(また
はより多元の)超伝導体の形成に必要であることを意味
する。
前駆合金層は、これらの層全体を通じて超伝導体が広
がっている必要はないため、全体が合金である必要はな
い。合金材料の十分な層を純粋な金属の表面に形成する
ためには、別の金属の比較的薄い層をその表面に付着さ
せ、その後、組合せたものを層表面の金属が反応するの
に十分な時間十分な温度に曝す。第二の金属の付着は第
二の金属を第一の金属の上にスパッタリングするか、ま
たは、第一および第二の金属を、結着点まで同時に減少
させることにより実施できる。反応後、材料を一つ以上
の別の金属と積層して100%合金材の場合と同様にして
複合体を形成する。
本発明に記載した合金の薄層は100%合金の別の層と
して容易に組み込むことができる。これは真実である
が、所望の合金組成物は容易に入手できなかったり、非
常に高価である場合が多い。このような場合は、上記し
た方法は、合金を基材とした人造ビン付き複合体で用い
るのに適する材料を製造する。これらの方法の別の利点
は、合金を純粋な金属に完全に結着させた後に、モノフ
ィラメントの作成を行うことができ、これは後の工程で
唯一役に立つものである。
本発明に従って、以下の実施例で記載するとおり、人
造ビン付き超伝導複合体を作成するが、実施例Iは100
%合金シートを使用しており、実施例IIは部分合金シー
トを使用している。
〔実施例VI〕
先ずNb46.5wt%Tiのコアの周囲にNb15wt%Ta合金およ
び純粋なチタンの交互の層を有する銅クラッドモノフィ
ラメントビレットを構築する(図1参照)。加工の間の
層の反応により通常のNbTaおよびチタンの層の界面にNb
TiTa超伝導合金が形成する。層の厚みは、この反応の後
に未反応のNbTaおよびTiの薄層が残存して三元導体内の
ピニング部位として作用するように選択する。これらの
条件により、Nb15wt%Taのチタンに対する比は容量で1:
1となる。この例では、モノフィラメントの両方の層の
厚みは0.016″とした。全体的なコアの長さ(シート
幅)は6.0″である。別のニオビウムをカン/コアの界
面に置き、チタン層と銅製カンの間の反応を防止する。
全てのビレット成分を完全に洗浄した後に、ビレットの
組立を行う。
組立後、モノフィラメントビレットを電子線溶接によ
り真空下に封じ、次いで、15ksiの圧力で4時間650℃の
HIPに付す。次にビレットを直径2.0″とし、2.125″の
押出しライナに合致するようにする。押出しの前に、ビ
レットを2時間650℃で加熱する。次にビレットを、15i
pmの速度で、直径0.50″に650℃で押出す。押出した棒
材を、ダイスパス当り20%の面積減少率で冷却延伸して
直径0.030″とする。このワイアを直線化し、長さ4.7
5″に切断し、硝酸溶液に浸漬して銅クラッドを除去す
る。得られたフィラメントを0.010″ニオビウムでライ
ニングされた銅製押出しカン(外径2.50″、内径1.7
5″)内に積載する。ここでニオビウムはモノフィラメ
ントの場合と同様、材料の銅汚染を防止する作用を有す
る。このようにして製造された新しいビレットはほぼ40
00のニオビウムクラッドフィラメントを有している。
再積載ビレットをモノフィラメントビレットの場合と
同様にして加工し、最終的に直径を約0.010″とする
と、NbTaおよびチタンの層は厚み1000Å未満となり、こ
の大きさではこれらの層は複合体内に効果的なフラック
スピニングを与える。NbTa/Ti界面の拡散により、純粋
な金属層のみを用いた場合に形成される中間二元合金で
はなく、超伝導NbTiTaが直接形成される。体積で約半分
のチタンおよび半分のNbTaが反応し、界面の組成は平均
でNb18wt%Ta32wt%Tiとなるが、当然ながら組成の変動
は大きい。
〔実施例VII〕
NbTa合金のような高価な材料の必要性を最小限にする
ために、実施例Iの合金層を部分合金材料と置き換える
ことができる。図2に示すとおり、このような材料は、
合金が純粋な金属の表面に担持されており、層厚みの約
1/4のみ層内に広がっているようなものである。ニオビ
ウムおよびタンタルの場合は、このような層を形成する
ためには、ニオビウムのコアの周囲のタンタルを含有す
るモノフィラメントビレットを押出し、銅クラッドを除
去し、得られたものをロール処理してシートとし、減少
過程において中間熱処理を行い、最終シートをアニリン
グする。中間熱処理はニオビウムをタンタルに拡散させ
るために行う。これは拡散の領域に渡り、良好な制御を
行うために比較的厚いシートに適用する。最終アニリン
グは主に、材料の作業性を回復するために行うが、この
段階でも一部拡散が起こる。
費用のかかる溶融操作を回避する外に、部分合金シー
トの作成に関して本発明に記載した方法は、NbTiTaのタ
ンタル含有量の点で多大な柔軟性を与える。加熱時間を
単に延長したり低減したりすることにより、より少量ま
たは大量の表面タンタルを有する前駆合金シートを製造
でき、これは、三元合金タンタル含有量に直接影響す
る。Nb/Ta前駆合金シートの作成の詳細な加工段階を以
下に記載する。
Nb/Taビレットの典型的カン設計を図15に示す。高純
度(99.99%以上)のタンタルの厚み0.015″長さ12.0″
のシート四枚を直径5.28″長さ12.0″のニオビウムコア
の周囲に巻き、この組立物を銅製押出しカンに挿入す
る。これらの成分の全てを洗浄した後にビレットの組立
を行う。組立後、銅の先端部およびビレットの末端部を
真空下に電子線溶接し、ビレットを2時間650℃で加熱
することにより押出しができるようにする。図16に示す
とおり、ビレットを断面が幅4.0″高さ0.50″の長方形
となるように650℃で押出す。
押出された棒材を硝酸溶液に浸漬して銅を除去し、得
られたNb/Ta棒材を、パス当り10%の面積減少率で冷却
ロール処理し、幅6.0″厚み0.10″とする。この材料を
アセトンで十分脱脂し、次に真空下に加熱処理し、ニオ
ビウムとタンタルを反応させる。熱処理は2時間1200℃
で行う。熱処理の後、シートを同様の減少率でロール処
理し、最終厚み0.016″とする。シートを脱脂し、次に1
000℃で1時間真空下に最終アニリングする。最終スト
リップは各側に厚み0.004″のNbTaを層を有する以外
は、純粋なニオビウムである。この合金層の平均組成は
Nb15wt%Taである。
100%合金シートに付いて図1で示したとおり、Nb46.
5wt%Tiコアの周囲に純粋チタンシート(やはり厚み0.0
16″)とともに前駆合金ストリップを巻き付ける。この
ビレットの加工は、上記実施例VIで説明したとおり進行
する。
加工の間の拡散により、NbTa領域(および等価な容積
のチタン)の大部分が超伝導Nb18wt%Ta32wt%Tiに変換
される。これらの超伝導層は同等の厚みの純粋なニオビ
ウムおよびチタンの層で分割される。厚みが1000Å未満
である場合、純粋な金属の領域は三元導体内に効果的な
フラックスピニングをもたらす。
ケースII 通常の合金の外に、操作場で超伝導であるような合金
を本発明で使用できる。これらの場合、加工の間の格差
により当初の合金と比較して進歩した特性を有するよう
な超伝導層が製造される。進歩した層は、所望の最終特
性に応じて、当初の合金層の全て、または部分のみを形
成する。超伝導合金層を使用することの第一の利点は、
非超伝導成分から進歩した超伝導体を作成するよりも、
既存の超伝導材料を向上させることが遥かに容易である
点である。
超伝導合金の特性は二通りに変更できるが、これらは
両方とも本発明において重要である。
1. 成分金属の濃度を変更できる。
2. 新しい金属を合金に加えることができる。
本発明において第一の点は合金と、その合金の成分で
ある純粋な金属の一つ以上との組合せを指す。このよう
な組合せの例はNbTi+NbおよびNbTi+Tiである。NbTi/N
b界面に格差により形成されるNbTi層は、必然的に、も
とのNbTi層よりも多くのニオビウム(少ないチタン)を
含有する。NbTi/Ti界面では全く逆のことが当てはま
る。即ち、基本成分は同様であるものの、拡散により、
複合体に初めから組み込まれているものとは明らかに異
なる合金が形成される。
超伝導合金の性質を変化させる第二の方法は、合金の
構成成分ではない金属一種類以上を合金に単に加えるこ
とである。本発明においては、これは、所望の添加物を
含有する金属と合金を積層することにより行う。例えば
NbTiをTiTaと積層して、拡散により、NbTiTaの超伝導体
層を製造できる。
複合体内の一つ以上の層を完全に反応させることが望
ましい場合がある。これは、通常の金属の領域がピニン
グ部位として作用するように維持されるかぎり、本発明
の範囲に含まれる。例えばTi+NbTi+Ti+Nbの層を有す
るビレットを比較的薄いチタン層とともに構築する場合
は、チタンはその後の加工の間に隣接層に完全に拡散す
る。この過剰分のチタンは二つの重要な作用を有する。
第一に、付加的なチタンは、単純なNbTi+Nb構造におけ
るニオビウムに、失われるべきチタンをオフセットす
る。第二に、チタンからNbTiへの拡散により、高チタン
NbTiの領域が形成され、これは、一般的に、標準NbTi合
金(例えばNb46.5wt%Ti)よりも高いJcをもたらす。
人造ビン付き複合体において超伝導合金を用いること
の興味深い結果は、フラックスピニングがより複雑にな
る点である。基の超伝導合金の層が最終複合体に存在し
ている場合、それはフラックスピニングに寄与してもし
なくてもよい。即ち、有る磁場水準において、もとの合
金層は通常の金属層と同様の挙動を示すが、反応した層
は超伝導のままであるという場合が有り得る。これは新
しく製造した超伝導合金の上方臨界場(Hc2)がもとの
合金のそれを越えない限り起こらない。例えば、超伝導
合金ABを純粋な金属Cと組合せて三元超伝導体ABCを形
成する場合を考える。ABのHc2が5Tであり、ABCのHc2が1
1Tである場合、ABは5〜11Tの場の範囲内でフラックス
ピニングを与えることができるが、0〜5Tでは不可能で
ある。実際はこの作用は、Nbのような「通常の金属が、
実際は約1Tより低い場で超伝導であり、この極めて低い
場の領域では上記したような挙動を示すため、基本発明
の範囲のみである。
本発明に従って、延性超伝導合金層を用いた人造ビン
付き複合体を以下の実施例に記載するとおり作成した。
〔実施例VIII〕
Nb15wt%Taの代わりにNb30wt%Tiを用いた以外は、上
記実施例Iと同様にしてモノフィラメントビレットを構
築する。その後のビレット加工は実施例VIと同様とす
る。
ほぼ半分の容積のNbTiおよびチタンの層が加工中に反
応し、反応区画の平均組成はNb58wt%Tiとなる。この比
較的高いチタン含有量により、拡散が起こらなかった場
合と比較して(即ちNb30wt%Tiと比較して)、より高い
Jcが得られる。複合体内のピニングは、未反応のチタン
層の最終厚みが1000Å未満の場合に、これらの層により
与えられる。
〔実施例IX〕
図17に示す模式図に従ってモノフィラメントビレット
を組み立てる。ビレット内の各層は、厚み0.016″のNb4
6.5wt%Ti+0.008″Ti+0.016″Nb+0.008″Tiよりな
る。ビレットの組立および加工は実施例Iと全く同様に
行う。
加工の過程において、複合体の純粋なチタンは全て隣
接するニオビウムおよびNbTiの層の約半分の容積と反応
する。その結果平均の組成は、NbTi/Ti界面ではNb74wt
%Ti、Nb/Ti界面ではNb35wt%Tiとなる。未反応のニオ
ビウムは最終複合体にフラックスピニングをもたらす。
チタン拡散により、NbTi/TiおよびNb/Ti界面に相当す
る2つのかなり異なる領域が形成されると推定される。
チタンの使用量が少ない場合、または拡散をより進めた
場合は、上記したような2種類の合金の混合物が得られ
る。この状況は、実施例に記載した状況と大きく異なら
ないが、より複雑である。
〔実施例X〕
図18に示す模式図に従ってモノフィラメントビレット
を組み立てる。ビレット内の各層は、厚み0.008″Nb46.
5wt%Ti+0.016″Ti40wt%Taよりなる。ビレットの組立
および加工は実施例VIと同様に行う。
加工の過程において、NbTiの全ておよびほぼ半分の容
積のTiTaが反応し、平均組成Nb19wt%Ta39wt%Tiの超伝
導層が得られる。未反応のTiTa層は、最終的に1000Å未
満に減少される際に、3元複合体内にフラックスピニン
グをもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ルードジアーク,マーク・ケイ アメリカ合衆国マサチユーセツツ州 01473.ウエストミニスター.ノウアー ロード118 (56)参考文献 特開 平3−263714(JP,A) 特開 昭62−110207(JP,A) 特公 昭50−19239(JP,B1) 米国特許3534459(US,A) 米国特許3625662(US,A) 米国特許4803310(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 12/00 - 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニオビウム、チタニウム、ジルコニウムお
    よびバナジウムからなる群から選択される遷移金属から
    それぞれ構成される複数の金属体を、隣接する金属体相
    互がそれぞれ異なる遷移金属から構成されて対をなすよ
    うに、交互に配置して複合構造体を形成すること、 遷移金属を反応させて、遷移金属の少なくとも1種類を
    隣接する別の金属体内に拡散させ、その拡散の結果とし
    て延性のある超伝導合金層を形成するとともに、反応の
    範囲を制限して金属体の各対の少なくとも一方内に該超
    伝導合金層に沿った本質的に未拡散の遷移金属からなる
    未拡散層を維持して、部分拡散層が各超伝導合金層を各
    未拡散層から分離させるようにすること、 複合構造体の厚みを機械的に減少させ、さらに拡散をも
    たらし、各対において非超伝導である未拡散層と接触し
    た超伝導合金層を形成し、各層を厚み1000オングストロ
    ーム未満とすること、という段階を包含する超伝導体を
    製造する方法。
  2. 【請求項2】ニオビウム、チタニウム、ジルコニウムお
    よびバナジウムからなる遷移金属群から選択される遷移
    金属からそれぞれ構成される少なくとも2種の金属体
    を、隣接する金属体相互がそれぞれ異なる遷移金属から
    構成されて対をなすように、配置して複合構造体を形成
    すること、 その異なる金属体の対により金属界面を与えること、 その界面を圧縮して金属−金属結合を与えること、 遷移金属を反応させて遷移金属の少なくとも1種類を別
    の金属体内に拡散させてこれらの金属体の対の界面に延
    性のある超伝導合金層を形成するとともに、反応の範囲
    を制限して金属体の各対の少なくとも一方内に該超伝導
    合金層に沿った本質的に未拡散の遷移金属からなる未拡
    散層を維持して、部分拡散層が各超伝導合金層を各未拡
    散層から分離させるようにすること、および 前記各金属体が厚み1000オングストローム未満となるよ
    うに複合構造体の厚みを機械的に減少させ、これにより
    各未拡散層をそれぞれ隣接する超伝導合金層に対する人
    造ピニング部位として作用させること、という段階を包
    含する複合体構造の製造方法。
  3. 【請求項3】隣接する金属体相互をそれぞれ異なる遷移
    金属から構成してトリプレットを形成し、遷移金属を反
    応させてこれらの金属トリプレットの界面に延性のある
    超伝導体三元合金層を形成するとともに、反応の範囲を
    制限して各トリプレットの金属体の少なくとも一つの内
    部に該超伝導三元合金層に沿った本質的に未拡散の遷移
    金属からなる未拡散層を維持し、そして、 各未拡散層が、それぞれ隣接する各超伝導三元合金層に
    対する人造ピニング部位として作用するのに十分な程度
    複合構造体の厚みを機械的に減少させる請求項2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】ニオビウム、タンタル、チタニウム、ジル
    コニウム、ハフニウムおよびバナジウムからなる遷移金
    属群から選択される遷移金属からそれぞれ構成される複
    数の金属体を、隣接する金属体相互がそれぞれ異なる遷
    移金属から構成されてトリプレットをなすように、交互
    に配置して複合構造体を形成すること、 遷移金属を反応させて遷移金属の少なくとも1種類を別
    の金属体内に拡散させてこれらの金属体のトリプレット
    の界面に延性のある超伝導三元合金層を形成するととも
    に、反応の範囲を制限して各トリプレットの金属体の少
    なくとも一つの内部に該超伝導三元合金層に沿った本質
    的に未拡散の遷移金属からなる未拡散層を維持し、 複合体構造の厚さを機械的に減少させ、さらに拡散をも
    たらし、各トリプレットの非超伝導である未拡散層と接
    触した超伝導層を形成し、各層を厚み1000オングストロ
    ーム未満とする、という段階を包含する超伝導体を製造
    する方法。
  5. 【請求項5】ニオビウム、チタニウム、タンタル、ジル
    コニウム、バナジウムおよびハフニウムからなる遷移金
    属群から選択される遷移金属からそれぞれ構成される少
    なくとも3種類の金属体を、隣接する金属体相互がそれ
    ぞれ異なる遷移金属から構成されてトリプレットをなす
    ように、交互に配置して複合構造体を形成すること、 その界面を圧縮して金属−金属結合を与えること、 遷移金属を反応させて遷移金属の少なくとも1種類を別
    の金属体内に拡散させてこれらの金属体のトリプレット
    の界面に延性のある超伝導三元合金層を形成するととも
    に、反応の範囲を制限して各トリプレットの金属体の少
    なくとも一つの内部に該超伝導三元合金層に沿った本質
    的に未拡散の遷移金属からなる未拡散層を維持するこ
    と、および 複合構造体の厚みを機械的に減少させ、さらに拡散をも
    たらし、各トリプレットの非超伝導である未拡散層と接
    触した超伝導層を形成し、各層を厚み1000オングストロ
    ーム未満とすること、という段階を包含する超伝導体の
    製造方法。
  6. 【請求項6】ニオビウム、タンタル、チタニウム、ジル
    コニウム、ハフニウムおよびバナジウム並びにこれらの
    金属の合金であってかつ所定の磁場では超伝導Jcを有さ
    ないような延性を有する合金からなる群から選択される
    金属からそれぞれ構成される複数の金属体を、隣接する
    金属体相互がそれぞれ異なる遷移金属から構成されて対
    をなすように、交互に配置して複合構造体を形成するこ
    と、 遷移金属を反応させて遷移金属の少なくとも1種類を別
    の金属体内に拡散させてこれらの金属体の界面に延性の
    ある高Jc超伝導三元合金層を形成するとともに、反応の
    範囲を制限して各対の金属体の少なくとも一つの内部
    に、該超伝導三元合金層に沿った遷移金属または所定の
    磁場で超伝導ではない遷移金属合金からなる未拡散層を
    維持すること、および 非超伝導である未拡散層が厚み1000オングストローム未
    満であり、それぞれ隣接する各超伝導区画に対する人造
    ピニング部位として作用させるのに十分となるように複
    合構造体の厚みを機械的に減少させること、という段階
    を包含する超伝導体の製造方法。
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