JP3187180B2 - 強化繊維板及びその製造方法 - Google Patents

強化繊維板及びその製造方法

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JP3187180B2
JP3187180B2 JP35644992A JP35644992A JP3187180B2 JP 3187180 B2 JP3187180 B2 JP 3187180B2 JP 35644992 A JP35644992 A JP 35644992A JP 35644992 A JP35644992 A JP 35644992A JP 3187180 B2 JP3187180 B2 JP 3187180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、曲げ強さの低い繊維板
に自己乳化型ポリイソシアネ−ト組成物を浸漬させて得
られる強化繊維板、及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、繊維板の中でも例えばパ−テ
ィクルボ−ドや中質繊維板(以下MDFという)等の物
性を向上させる方法として、パ−ティクルボ−ドやMD
Fに化粧単板を貼りつけたり、表面に塗装を施したり、
接着力の優れた接着剤を使用する方法が知られている。
一方、接着剤としては、例えばイソシアネ−ト接着剤が
知られている。イソシアネ−ト接着剤は、その接着力、
耐水性、ホルムアルデヒド無放出の点で優れている事が
知られており、モミガラ、フォ−ム屑、プラスチック屑
等の従来のホルムアルデヒド系樹脂では充分な接着力が
得られなかった物質のバインダ−としても優れている。
また、木材の強化方法としては例えば、水分を含有する
木材中に、二個以上のイソシアネ−ト基を有する化合物
を減圧状態または加圧状態で含浸させ、木材中の水分と
反応させてポリ尿素を生成させることにより、木材を均
一に内部までポリ尿素で強化する方法が知られている
(特開昭56−161103号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなパ−ティクルボ−ド等の強化方法としてのイソシ
アネ−ト接着剤の使用は、ホットプレス時に熱板、コ−
ル板へ強固に付着するため成形品の取り出しが困難であ
ることから、芯層への利用は実施されているが、より強
度を出すための表層への適用は困難である。又、イソシ
アネ−ト化合物の含浸による木材の強化方法の実施にあ
たっては、上記特開昭56−161103号公報にある
ような有機イソシアネ−ト化合物では物性の向上が期待
の強度に達せず、特に合板よりも強度の劣る繊維板を基
材とした含浸強化ボ−ドは、例えばコンクリ−ト型枠用
合板として代替使用は出来なかった。又、化粧単板を張
り付ける場合においても、化粧単板を作製してそれをボ
−ドに貼り付けるため、コストアップは避けられなかっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等らは、鋭意研
究を重ねた結果、繊維板の浸漬強化剤として特定の有機
ポリイソシアネ−トを使用することにより、これら問題
点が解決できる事を見出だし、本発明を完成するに至っ
た。即ち、本発明の強化繊維板は、曲げ強さ300kg
f/cm2 以下の繊維板の表面から、0.5mmの厚み
〜前記繊維板の厚みの1/3の厚みの部分に、単官能ア
ルコ−ルのアルキレンオキサイド付加化合物と有機ポリ
イソシアネ−トとの反応生成物を含む自己乳化型ポリイ
ソシアネ−ト組成物を浸漬させ、反応・硬化させて得ら
れるものである。本発明の強化繊維板の製造方法は、曲
げ強さ300kgf/cm2 以下の繊維板の表面から、
0.5mmの厚み〜前記繊維板の厚みの1/3の厚みの
部分に、単官能アルコールのアルキレンオキサイド付加
化合物と有機ポリイソシアネ−トとの反応生成物を含む
自己乳化型ポリイソシアネ−ト組成物を浸漬させ、反応
・硬化させることを特徴とする。
【0005】本発明に用いる繊維板とは、パ−ティクル
ボ−ド、軟質繊維板、半硬質繊維板、MDF、硬質繊維
板等の、粗繊維、木材パルプ、植物繊維、木材の小片な
どを主な原料として、接着剤をもって熱圧成型した、曲
げ強さ300kgf/cm2以下、曲げヤング係数40
000kgf/cm2 以下、好ましくは250kgf/
cm2 以下、曲げヤング係数37000kgf/cm2
以下の板である。このような繊維板は0.9g/cm3
以下の密度を持っており、本来、本発明のような更なる
強化を図らなければ、曲げ強さ400kgf/cm2
上、特にさらに曲げヤング係数50000kgf/cm
2 以上を必要とする構造用合板の代替には使用できない
ものである。
【0006】本発明において用いる自己乳化型ポリイソ
シアネ−トは、有機ポリイソシアネ−トに単官能アルコ
−ルのアルキレンオキサイド付加化合物を反応させて得
られる反応生成物を含むものである。このような自己乳
化型ポリイソシアネ−トは、前記有機ポリイソシアネ−
トに比べ、繊維板中の木質セルロ−ス、−OH基、自由
水、結合水等との親和性が良好であり、強化剤として、
より好ましい特性を発現する。自己乳化型ポリイソシア
ネ−トの形成に使用する有機ポリイソシアネ−トとして
は、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の脂肪族ポリイ
ソシアネ−ト、トルイレンジイソシアネ−ト、キシリレ
ンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−
ト、ナフタレンジイソシアネ−ト等の芳香族ポリイソシ
アネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト等の脂環式ポリ
イソシアネ−ト、あるいは粗製トルイレンジイソシアネ
−ト、粗製ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(ポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネ−トとも呼ばれる)
等の脂肪族、脂環式、芳香族ポリイソシアネ−トの粗製
物、あるいはカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイ
ソシアネ−ト、イソシアヌレ−ト基含有ジフェニルメタ
ンジイソシアネ−ト、ポリオ−ル変性ジフェニルメタン
ジイソシアネ−トのような脂肪族、脂環式、芳香族ポリ
イソシアネ−トの変性物等であり、これらは2種類以上
混合して使用することができる。
【0007】単官能アルコ−ルのアルキレンオキサイド
付加化合物としては、単官能アルコ−ルにエチレンオキ
サイド単独あるいはエチレンオキサイドおよびプロピレ
ンオキサイドを付加した化合物が好ましく、特に次の一
般式(1)で表される化合物が好ましい。
【化1】 (式中、Rは分子量が100以下の単官能アルコ−ルの
炭化水素残基、nは5〜20の整数、mは0〜10の整
数を示す。)上記一般式(1)で表される化合物は、単
官能アルコ−ルを開始剤として、これに塩基性触媒の存
在下、エチレンオキサイド単独あるいはエチレンオキサ
イドおよびプロピレンオキサイドを付加させる方法で製
造される。エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサ
イドの付加順序、又はこれらの付加形式(ランダム、ブ
ロックなど)は何れでもよいが、好ましいのは先ずエチ
レンオキサイド次いで比較的少量のプロピレンオキサイ
ドを付加したものである。上記単官能アルコ−ルは分子
量100以下のものが好ましく、これには代表的なもの
としてメチルアルコ−ル、エチルアルコ−ル、n−プロ
ピルアルコ−ル、イソブチルアルコ−ル、ネオペンチル
アルコ−ル、ジエチルカルビノ−ル等の飽和単官能アル
コ−ル、アリルアルコ−ル、クロチルアルコ−ル、メチ
ルビニルカルビノ−ル、アリルカルビノ−ル、4−ペン
テン−2−オ−ル、プロパルギルアルコ−ル等がある。
単官能アルコ−ルの分子量が100を超えるか、あるい
は、上記一般式(1)で表される化合物におけるnが5
未満、あるいはmが10を超えると、常態曲げ強度の向
上は小さくなる。又、nが20を超える場合には耐水性
が悪化して実用時に問題となり易い。
【0008】上記の単官能アルコ−ルのアルキレンオキ
サイド付加化合物は、有機ポリイソシアネ−ト100重
量部当たり、好ましくは0.3〜10重量部、さらに好
ましくは1〜5重量部用いる。その使用量が0.3重量
部未満であると得られる繊維板の物性向上は小さくな
り、逆に10重量部を超えた場合でも物性向上は小さく
なる。単官能アルコ−ルのアルキレンオキサイド付加化
合物と有機ポリイソシアネ−トの反応は、通常の反応で
行われる。すなわち、一般的には、50〜150℃で必
要により通常のウレタン化触媒の存在下で所定時間反応
させる。これらの生成ポリイソシアネ−ト化合物はその
まま、又はエチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ
−トなどに代表される環状カ−ボネ−トやジメチルカ−
ボネ−ト、ジエチルカ−ボネ−トなどに代表されるジア
ルキルカ−ボネ−ト、あるいはソルベントナフサのよう
な脂肪族系溶剤、又はこれらの脂肪族系溶剤を30%以
上含有する炭化水素混合溶剤、さらにシクロヘキサンの
ような脂環族系溶剤、またあるいはジメチルホルムアミ
ドなどのようなイソシアネ−トに不活性で且つ水を溶解
する有機溶媒に溶解させた溶液として用いる。高粘度の
生成ポリイソシアネ−ト化合物は、上記にあげた溶媒に
溶解させることにより、粘度を低下させ、繊維板中に浸
漬させやすい形で用いる方が有利である。また溶媒は、
木材組織を膨潤させ溶液の拡散を容易にするものが好ま
しく、繊維板中の木質セルロ−ス、−OH基や、自由
水、結合水等と親和性のあるものが望ましい。
【0009】これらの自己乳化型ポリイソシアネ−ト組
成物またはその溶液を繊維板に浸漬させるには、単に繊
維板をこれらの組成物又はその溶液に浸すか繊維板にこ
れらを塗布するだけでも可能であるが、短時間に内部ま
で浸漬させるためには、繊維板に減圧状態、又は加圧状
態で浸漬させるのがよい。減圧及び加圧の程度は、繊維
板のサイズによって変化させる必要があるが、通常、減
圧状態ではゲ−ジ圧−400mmHgで2分間、加圧状
態ではゲ−ジ圧1000mmHgで2分間以上が好まし
い。浸漬処理した繊維板は常温で1〜数日間放置するこ
とにより、所望の強度を持つ強化繊維板が得られる。浸
漬量は多ければ多いほど強化繊維板の強度は向上する
が、繊維板の密度が大きくなる欠点があり、例えば構造
用合板の代替として使用する場合、人力での運搬が重量
増加によって従来に比べて困難になる等の問題が生ずる
ので、その重量増加率を10重量%以下とすることが好
ましい。自己乳化型ポリイソシアネ−ト組成物の浸漬層
は表層に近いほど曲げ強度の向上に効果があり、芯層付
近は効果が少ないので、繊維板の表面から0.5mmの
厚みより多く浸漬させること、かつ繊維板の表面からそ
の厚みの1/3の部分を越えないことが必要である。
又、表層に近い部分のみに浸漬させることは、その重量
増加を効果的に抑えることが出来るばかりでなく、芯層
部は母材特性の良い面がそのまま生かされている為、実
際の使用に当たっても、釘打ち特性、鋸引き特性等が優
れたものとなっている。自己乳化型ポリイソシアネ−ト
組成物は、繊維板の一方の面に、あるいは両面にそれぞ
れ前記厚みで浸漬させればよく、浸漬方法としては塗布
または溶液中に浸す方法のいずれでも良い。
【0010】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、これ
まで強度不足で構造用合板の代替として使用できなかっ
た繊維板を使用して、その密度を増大することなく、構
造用合板の代替品として必要な曲げ強さ、曲げヤング係
数、寸法安定性等の諸物性を持った強化繊維板を提供す
ることが出来る。
【0011】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明する。実施例及び比較例において、「部」
は全て「重量部」を意味する。合成例1 ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル220.0部
と水酸化カリウム4.5部をオ−トクレ−ブに入れ、窒
素ガス置換後90℃に昇温してからエチレンオキサイド
1020部を加圧下にて反応させ、更にプロピレンオキ
サイド200.0部を反応させた。その後、反応生成物
を理論量のりん酸で中和し、濾過後製品とした。この製
品(以下TK−1という)のOH価は79であった。合成例2 攪拌機、温度計、窒素シ−ル、冷却器の付いた反応容器
に、合成例1で得られたTK−1を30部仕込み、窒素
気流下で常温にて1000部のMDI−A(日本ポリウ
レタン工業(株)製、粗製ジフェニルメタンジイソシア
ネ−ト、NCO含有量31.1%)を投入、混合し、反
応容器の内温を80℃まで昇温し、同温度にて2時間、
攪拌混合した。得られた反応物(以下OI−1という)
は、粘度187センチポイズ(25℃)、NCO含有量
30.2%であった。又、このOI−1の30部を30
0ccのポリエチレン製のビ−カ−にとり、タ−ビン羽
根、1200rpmの混合条件下で、これに70部の水
を一括投入したところ、自己乳化性を示した。この乳化
物は、40℃において100分まで再分散可能であっ
た。合成例3 攪拌機、温度計、冷却器の付いた反応容器に、市販され
ている単官能アルコ−ルのエチレンオキサイド付加化合
物であるMPG−081(日本乳化剤(株)製)を30
部仕込み、窒素気流下で常温にて1000部のMDI−
Aを投入、混合し、反応容器の内温を80℃まで昇温
し、同温度にて2時間、攪拌混合した。得られた反応物
(以下OI−2という)は、粘度183センチポイズ
(25℃)、NCO含量29.8%であった。又、この
OI−2の30部を300ccのポリエチレン製ビーカ
ーにとり、タ−ビン羽根、1200rpmの混合条件下
で、これに70部の水を一括投入したところ、自己乳化
性を示した。この乳化物は、40℃において90分まで
再分散可能であった。
【0012】実施例1 密度0.65g/cm3 、含水率9%、曲げ強さ180
kgf/cm2 の縦300mm、横150mm、厚み1
2mmのパ−ティクルボ−ド(市販品U200タイプ)
を、合成例2で得られた自己乳化型ポリイソシアネ−ト
OI−1の50%プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−テ
ィクルボ−ドの表面から2mm(表面からの厚み1/6
までの部分)まで浸し、ゲ−ジ圧−700mmHgの減
圧した状態で3分間含浸漬させる操作をパ−ティクルボ
−ドの表裏にそれぞれ実施した後、80℃の熱風乾燥器
に2時間放置した。このようにして製造した強化パーテ
ィクルボードの重量増加率は3.5%であった。25℃
恒温室内で1週間養生後に、この強化パ−ティクルボ−
ドの物性を測定したところ、曲げ強さ430kgf/c
2 、曲げヤング係数51000kgf/cm2 であっ
た。又、この時の寸法を測定したところ、その伸び及び
厚さにおいてほとんど変化が認められなかった(変化率
0.1%以下)。実施例2 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、合成例2で得
られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の50%
プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−ティクルボ−ドの表
面から2mm(表面からの厚み1/6までの部分)まで
浸し、ゲ−ジ圧760mmHgの加圧した状態で3分間
浸漬させる操作をパ−ティクルボ−ドの表裏にそれぞれ
実施した後、80℃の熱風乾燥器に2時間放置した。こ
のようにして製造した強化パ−ティクルボ−ドの重量増
加率は2.1%であった。25℃恒温室内で1週間養生
後に、この強化パ−ティクルボ−ドの物性を測定したと
ころ、曲げ強さ400kgf/cm2 、曲げヤング係数
50400kgf/cm2 であった。又、この時の寸法
を測定したところ、その伸び及び厚さにおいてほとんど
変化が認められなかった。
【0013】実施例3 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、合成例2で得
られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の50%
プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−ティクルボ−ドの表
面から3mm(表面からの厚み1/4までの部分)まで
浸し、ゲ−ジ圧−500mmHgの減圧した状態で3分
間浸漬させる操作をパ−ティクルボ−ドの表裏にそれぞ
れ実施した後、80℃の熱風乾燥器に2時間放置した。
このようにして製造した強化パ−ティクルボ−ドの重量
増加率は3.9%であった。25℃恒温室内で1週間養
生後に、この強化パ−ティクルボ−ドの物性を測定した
ところ、曲げ強さ410kgf/cm2 、曲げヤング係
数50800kgf/cm2 であった。又、この時の寸
法を測定したところ、その伸び及び厚さにおいてほとん
ど変化が認められなかった。実施例4 密度0.70g/cm3 、含水率11%、曲げ強さ21
0kgf/cm2 の縦300mm、横150mm、厚み
12mmの硬質繊維板(市販品T200)を、合成例2
で得られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の5
0%プロピレンカ−ボネ−ト溶液にこの板の表面から2
mm(表面からの厚み1/6までの部分)まで浸し、ゲ
−ジ圧−700mmHgの減圧した状態で3分間浸漬さ
せる操作を硬質繊維板の表裏にそれぞれ実施した後、8
0℃の熱風乾燥器に2時間放置した。このようにして製
造した強化硬質繊維板の重量増加率は2.5%であっ
た。25℃恒温室内で1週間養生後に、この強化硬質繊
維板の物性を測定したところ、曲げ強さ480kgf/
cm2 、曲げヤング係数58000kgf/cm2であ
った。又、この時の寸法を測定したところ、その伸び及
び厚さにおいてほとんど変化が認められなかった。
【0014】実施例5 密度0.70g/cm3 、含水率10%、曲げ強さ20
0kgf/cm2 の縦300mm、横150mm、厚み
12mmのMDF(市販品M200タイプ)を、合成例
2で得られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の
50%プロピレンカ−ボネ−ト溶液にMDFの表面から
2mm(表面からの厚み1/6までの部分)まで浸し、
ゲ−ジ圧−700mmHgの減圧した状態で3分間浸漬
させる操作をMDFの表裏にそれぞれ実施した後、80
℃の熱風乾燥器に2時間放置した。このようにして製造
した強化MDFの重量増加率は3.2%であった。25
℃恒温室内で1週間養生後に、この強化MDFの物性を
測定したところ、曲げ強さ445kgf/cm2 、曲げ
ヤング係数53800kgf/cm2 であった。又、こ
の時の寸法を測定したところ、その伸び及び厚さにおい
てほとんど変化が認められなかった。実施例6 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、合成例2で得
られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の50%
プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−ティクルボ−ドの表
面から2mm(表面からの厚み1/6までの部分)ま
で、大気圧下で5時間浸し、浸漬させる操作をパ−ティ
クルボ−ドの表裏にそれぞれ実施後、80℃の熱風乾燥
器に2時間放置した。このようにして製造した強化パ−
ティクルボ−ドの重量増加率は2.8%であった。25
℃恒温室内で1週間養生後に、この強化パ−ティクルボ
−ドの物性を測定したところ、曲げ強さ400kgf/
cm2 、曲げヤング係数51200kgf/cm2 であ
った。又、この時の寸法を測定したところ、その伸び及
び厚さにおいてほとんど変化が認められなかった。実施例7 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、合成例3で得
られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−2の50%
プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−ティクルボ−ドの表
面から3mm(表面からの厚み1/4までの部分)まで
浸し、ゲ−ジ圧−500mmHgの減圧した状態で3分
間浸漬させる操作をパ−ティクルボ−ドの表裏にそれぞ
れ実施した後、80℃の熱風乾燥器に2時間放置した。
このようにして製造した強化パ−ティクルボ−ドの重量
増加率は3.8%であった。25℃恒温室内で1週間養
生後に、この強化パ−ティクルボ−ドの物性を測定した
ところ、曲げ強さ440kgf/cm2 、曲げヤング係
数52000kgf/cm2 であった。又、この時の寸
法を測定したところ、その伸び及び厚さにおいてほとん
ど変化が認められなかった。
【0015】比較例1 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、自己乳化型で
ないイソシアネ−ト(日本ポリウレタン工業(株)製M
R−200)にパ−ティクルボ−ドの表面から2mm
(表面からの厚み1/6までの部分)まで浸し、ゲ−ジ
圧−700mmHgの減圧状態で3分間浸漬させる操作
をパ−ティクルボ−ドの表裏にそれぞれ実施後、80℃
の熱風乾燥器に2時間放置した。このようにして製造し
た強化パ−ティクルボ−ドの重量増加率は3.3%であ
った。25℃恒温室内で1週間養生後に、この強化パ−
ティクルボ−ドの物性を測定したところ、曲げ強さ34
0kgf/cm2 、曲げヤング係数43200kgf/
cm2 であった。比較例2 実施例5で用いたMDFを、自己乳化型でないイソシア
ネ−ト(日本ポリウレタン工業(株)製MR−200)
にMDFの表面から2mm(表面からの厚み1/6まで
の部分)まで浸し、ゲ−ジ圧760mmHgの加圧状態
で3分間浸漬させる操作をMDFの表裏にそれぞれ実施
後、80℃の熱風乾燥器に2時間放置した。このように
して製造した強化MDFの重量増加率は2.2%であっ
た。25℃恒温室内で1週間養生後に、この強化MDF
の物性を測定したところ、曲げ強さ310kgf/cm
2 、曲げヤング係数42100kgf/cm2 であっ
た。比較例3 実施例1で用いたパ−ティクルボ−ドを、合成例2で得
られた自己乳化型ポリイソシアネ−トOI−1の50%
プロピレンカ−ボネ−ト溶液にパ−ティクルボ−ドの表
面から12mmすなわち全部浸し、ゲ−ジ圧−500m
mHgの減圧状態で3分間浸漬させた後、80℃の熱風
乾燥器に2時間放置した。このようにして製造した強化
パ−ティクルボ−ドの重量増加率は31.2%であっ
た。25℃恒温室内で1週間養生後に、この強化パ−テ
ィクルボ−ドの物性を測定したところ、曲げ強さは54
0kgf/cm2 、曲げヤング係数62100kgf/
cm2 であった。曲げ強さ等の物性は目標とする値を示
したものの、重量増加率が高く、例えば構造用合板の代
替として使用する場合、人力での運搬が重量増加によっ
て従来に比べて困難となり、事実上使用不可能であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石津 修 神奈川県横浜市港南芹ケ谷2−23 (72)発明者 岡島 要一 福島県いわき市小名浜住吉字浜道20−5 (72)発明者 武川 芳広 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建 設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−13002(JP,A) 特開 平4−25402(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 3/00 - 3/52 B27N 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曲げ強さ300kgf/cm2 以下の繊
    維板の表面から、0.5mmの厚み〜前記繊維板の厚み
    の1/3の厚みの部分に、単官能アルコ−ルのアルキレ
    ンオキサイド付加化合物と有機ポリイソシアネ−トとの
    反応生成物を含む自己乳化型ポリイソシアネ−ト組成物
    を浸漬させ、反応・硬化させて得られる強化繊維板。
  2. 【請求項2】 曲げ強さ300kgf/cm2 以下の繊
    維板の表面から、0.5mmの厚み〜前記繊維板の厚み
    の1/3の厚みの部分に、単官能アルコ−ルのアルキレ
    ンオキサイド付加化合物と有機ポリイソシアネ−トとの
    反応生成物を含む自己乳化型ポリイソシアネ−ト組成物
    を浸漬させ、反応・硬化させることを特徴とする強化繊
    維板の製造方法。
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