JP3186963B2 - 歯車の歯厚測定方法 - Google Patents

歯車の歯厚測定方法

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JP3186963B2 JP34190595A JP34190595A JP3186963B2 JP 3186963 B2 JP3186963 B2 JP 3186963B2 JP 34190595 A JP34190595 A JP 34190595A JP 34190595 A JP34190595 A JP 34190595A JP 3186963 B2 JP3186963 B2 JP 3186963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯車の歯厚測定方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車の歯厚を測定する方法は、日本工業
規格の「平歯車およびはすば歯車の測定方法」(JI
S,B−1752−1989)により、次の3種が定め
られている。
【0003】(1)またぎ歯厚法 図8に示されるように、歯車Gにおける複数の歯をまた
いで歯厚Sm を測定するものであり、測定具としては歯
厚マイクロメータが市販されており、手作業で測定が行
われている。ただし、内歯歯車の測定は不可能である。
【0004】(2)オーバボール(ピン)法またはビト
ゥイーンボール(ピン)法 図9において、(A)(B)は歯車Gが外歯の場合のオ
ーバボール(ピン)法を示し、(C)(D)は歯車Gが
内歯の場合のビトゥイーンボール(ピン)法を示す。
(A)(C)は偶数歯の場合、(B)(D)は奇数歯の
場合である。
【0005】図9(A)(B)に示されるオーバボール
(ピン)法は、外歯において互いに反対側にある歯溝に
適当な直径のボール(またはピン)を挿入し、その両側
のボール(またはピン)間の外径を汎用のマイクロメー
タによって測定する。その外径は、オーバボール(また
はピン)径OBD と呼ばれている。
【0006】図9(C)(D)に示されるビトゥイーン
ボール(ピン)法は、内歯において互いに反対側の歯溝
に挿入された適当な直径のボール(またはピン)間の内
径を測定する。その内径は、ビトゥイーンボール(また
はピン)径BBD と呼ばれている。
【0007】これらの測定法に使用するボール(または
ピン)の直径dpは、歯数と転位係数との関係を示す線図
などによって決定する。
【0008】これらの測定法は、普通は手作業により行
われるが、一部では卓上でダイヤルゲージを使った、す
なわち寸法のわかったゲージを利用して予め零セットを
行う比較測定の形式でも行われている。
【0009】(3)弦歯厚法 一歯の弦歯厚を歯厚キャリパという測定具を使って手作
業で測定するものであるが、安定した測定値が得られな
いため、一部の特殊な場合以外は殆ど使われていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の歯厚
測定法のうち、一般的に行われているのは(1)と
(2)の方法であるが、いずれの測定法も手作業による
計測法であり、個人誤差が多くて信頼性に乏しいととも
に、下記のような問題点を有している。
【0011】(1)のまたぎ歯厚法は、はすば歯車の歯
厚測定が困難であり、内歯歯車の歯厚測定は不可能であ
る。
【0012】(2)のオーバボール(ピン)法またはビ
トゥイーンボール(ピン)法は、はすば歯車の歯厚測定
において、またぎ歯厚法ほど困難ではないが信頼性が低
い。また、内歯歯車の歯厚測定も一応可能ではあるが困
難であり、特に、小径の内歯歯車の歯厚測定は不可能で
ある。
【0013】したがって、平歯車、はすば歯車などのオ
ーバボール(ピン)径などの歯厚を正確で迅速に測定で
きる歯厚測定法が求められている。さらに、内歯歯車、
特に小径の内歯歯車のビトゥイーンボール(ピン)径な
どの歯厚を測定できる歯厚測定法が要望されている。
【0014】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、歯車の歯形誤差の測定や、歯すじ方向誤差の測定
に用いられていた歯車測定機を利用して、歯厚測定を短
時間で正確に行える歯厚測定方法を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、歯形測定用の歯車測定機により歯車の歯厚を測定
する方法であって、歯形測定用の歯車測定機にあって測
定歯車の歯溝を介して位置する一側の歯面と他側の歯面
とにそれぞれ接触して追従するように回動可能に設けら
れている歯面接触用の測定子を歯車の歯溝におけるピッ
チ円上まで挿入し、一側の歯面と接触する測定子が、測
定子の回動支点と測定歯車の中心とを結ぶ線上にある測
定子の零点検出位置より他側の歯面側に位置するように
測定歯車の回転状態を準備設定し、測定歯車を回転する
ことにより測定歯車の一側の歯面に接触して追従する測
定子が零点検出位置を通過した時点で、測定歯車の回転
角度を検出する角度検出手段により測定歯車の回転角度
測定を開始し、その後、他側の歯面に向って切換えられ
他側の歯面に接触した測定子が測定歯車の回転に追従し
て零点検出位置に到達した時点で回転角度測定を停止す
ることにより、歯溝を介して対向する一側の歯面と他側
の歯面との間に挟まれたピッチ円上の歯溝の幅に対応す
る歯溝の角度を測定し、この歯溝の角度より歯厚に関連
する値を演算する歯車の歯厚測定方法である。
【0016】請求項に記載された発明は、請求項
載の歯車の歯厚測定方法において、歯車の歯溝における
ピッチ円上まで挿入した測定子を零点検出位置より一側
にて測定歯車の一側の歯面に向け、測定歯車を測定子に
近付く準備方向に回転することにより一側の歯面に測定
子を接触させるとともに測定子を押動し、測定子が零点
検出位置を超えた位置で測定歯車を停止して逆転させる
ことにより、測定歯車を測定方向に回動するとともに一
側の歯面に接触した測定子を追従させ、測定子が零点検
出位置に復帰した時点で角度検出手段により測定歯車の
回転角度測定を開始し、測定子が測定歯車の回転に追従
できない状態に至ったとき測定子の向きを零点検出位置
より他側の歯面側へ切換え、測定歯車の測定方向への回
転を継続してその他側の歯面に接触した測定子をこの歯
面に追従させ、測定子が零点検出位置に到達した時点で
回転角度測定を停止することにより、歯溝の幅に対応す
る歯溝の角度を測定する歯厚測定方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図6を参照しながら説明する。
【0018】図1は、本発明に係る歯厚測定方法を実施
するために使用される歯車測定機を示す。この歯車測定
機は、本来は歯車の歯形誤差の測定や、歯すじ方向誤差
の測定に用いられていた数値制御式歯車測定機(以下、
NC歯車測定機という)である。
【0019】このNC歯車測定機は、例えば歯形誤差の
測定では、歯車の歯形の座標をデジタル的に測定し、こ
れを歯形のインボリュート曲線(理論値)と比較して、
その誤差を算出し、記録手段に出力するものであるが、
本発明は、このNC歯車測定機を歯厚の測定に利用した
ものである。
【0020】この図1に基づき、NC歯車測定機の構造
を説明すると、測定歯車Gの中心Oと同心にロータリエ
ンコーダ11が設けられている。このロータリエンコーダ
11は、測定歯車Gの回転角度を検出する角度検出手段で
あり、測定歯車Gと一体に回転する回転角スケール11a
と、定位置に固定され回転角スケール11a の目盛間隔で
パルスを検出する回転角センサ11b と、この回転角セン
サ11b により検出されたパルス数を積算して測定歯車G
の回転角を計測するカウンタ11c とにより構成されてい
る。
【0021】測定歯車Gの中心Oに対し移動台12が半径
方向に進退自在に設けられ、この移動台12に回動支点13
を介して検出器本体14が回動自在に設けられ、この検出
器本体14の先端に歯面接触用の測定子15が取付けられて
いる。
【0022】検出器本体14は、図示されないスプリング
により反時計方向または時計方向に弾力的に付勢され
る。その付勢方向は切換信号により選択される。したが
って、測定子15は、測定歯車Gの歯溝を介して位置する
一側の歯面Rと他側の歯面Lとにそれぞれ接触して追従
するように回動可能である。
【0023】検出器本体14は、回動支点13と測定歯車G
の中心Oとを結ぶ線を基準線として動作し、その基準線
に対する測定子15の変位量を、検出器センサ16により電
流または電圧などの電気量に変換し、増幅器17により増
幅し、電流計または電圧計などの計器類18で表示する。
【0024】前記移動台12にリニアエンコーダ19が設け
られている。このリニアエンコーダ19は、固定的に設け
られたリニア軸スケール19a と、移動台12と一体的に設
けられリニア軸スケール19a の目盛間隔でパルスを検出
するリニア軸センサ19b と、このリニア軸センサ19b に
より検出されたパルス数を積算して移動台12の直線移動
量をカウントするカウンタ19c とにより構成されてい
る。
【0025】前記検出器本体14の回動は、一対のストッ
パ20L ,20R により一定の範囲で係止される。
【0026】ロータリエンコーダ11で検出された測定歯
車Gの回転角度信号と、検出器センサ16により検出され
た測定子回動信号と、リニアエンコーダ19で検出された
測定子位置信号は、それぞれNC歯車測定機に備えられ
ているパーソナルコンピュータのインターフェース21を
介して中央処理装置(以下、CPUという)22に取込ま
れる。
【0027】このCPU22は、図示されないメモリと、
キーボードおよび記録装置などの入出力装置23とを備
え、必要な演算処理を行うとともに、インターフェース
21を経て測定歯車GをL方向およびR方向に回転する測
定主軸の回転用パルスモータ(図示せず)や、移動台12
を進退する送りねじ軸の回転用パルスモータ(図示せ
ず)に制御信号を出力する。
【0028】次に、図2および図3に基づき、このNC
歯車測定機を用いて歯厚を測定する方法の基本的原理を
説明する。
【0029】すなわち、図2に示されるように、測定歯
車Gの歯溝を介して対向する一側の歯面Rと他側の歯面
Lとの間に挟まれたピッチ円上の歯溝の幅W1 に対応す
る歯溝の角度X1 (ラジアン)を測定し、この歯溝の角
度X1 とピッチ円の半径roとの積によって歯溝の幅W1
を求める。
【0030】さらに、図3に示されるように、歯厚S
は、ピッチtから歯溝の幅W1 を差引いた値であり(S
=t−W1 )、歯溝の幅W1 は、上記の通り歯溝の角度
X1 とピッチ円の半径roとの積(W1 =ro・X1 )であ
るから、S=t−ro・X1 となり、ピッチtおよびピッ
チ円の半径roが既知である場合は、歯溝の角度X1 を測
定することにより歯厚Sを演算することができる。
【0031】次に、前記NC歯車測定機を利用して歯厚
に関連する値を演算するための歯溝の角度X1 を測定す
る具体的手順を、図4乃至図6に示されるフローチャー
トおよび説明図に基づき説明する。
【0032】図4(A)に示されるように、NC歯車測
定機の制御部に測定歯車Gの諸元を登録する(ステップ
1,2)。歯車測定に必要な登録項目は、測定歯車Gの
内歯または外歯、モジュール、圧力角、歯数、はすば歯
車のねじれ角、オーバボール法におけるボール径dpおよ
びオーバボール径OBD と公差との関係などである。
【0033】NC歯車測定機の測定主軸に測定歯車Gを
一体的に嵌着し(ステップ3)、測定子15を挿入するた
めの歯溝を選定し(ステップ4)、測定を開始する(ス
テップ5)。これ以降のサイクルは全て自動的に行われ
る。
【0034】図4(B)に示すように移動台12により測
定子15を測定歯車Gの半径方向に移動して測定歯車Gの
歯溝に挿入し、その歯溝におけるピッチ円上(歯車中心
Oより半径ro)に設定する(ステップ6)。
【0035】さらに、図4(C)に示すように検出器本
体14のスプリングによる測定圧を歯面Rの測定に自動的
に切換えて、測定子15を零点検出位置より測定歯車Gの
一側の歯面Rに向ける(ステップ7)。
【0036】図4(C)から(D)に示すようにパルス
モータにより測定主軸をR方向へ回転することにより、
この測定主軸に固定された測定歯車Gを測定子15に近付
くR方向(準備方向)に回転すると(ステップ8)、図
4(D)に示すように測定歯溝の一側の歯面Rが測定子
15に接触する(ステップ9)。
【0037】図5(B)から(C)に示すように歯面R
により測定子15を押動し、測定子15が零点検出位置を超
えると、検出器センサ16から出力される検出信号も零点
を通過するので(ステップ10)、その検出器センサ16
の零信号により測定主軸のパルスモータを停止させて、
測定歯車Gの回転を止める(ステップ11)。このと
き、検出器センサ16の検出信号は、やや+側にオーバー
している。
【0038】このようにして、一側の歯面Rと接触する
測定子15が、この測定子15の回動支点13と測定歯車Gの
中心とを結ぶ線上にある測定子15の零点検出位置より他
側の歯面L側に位置するように測定歯車Gの回転状態を
準備設定する。
【0039】その後、図5(C)から(D)に示すよう
に測定主軸のパルスモータをL方向へ逆転させることに
より、測定歯車GをL方向(測定方向)へ逆転させ、一
側の歯面Rに接触した測定子15を追従させる(ステップ
12)。
【0040】そして、図5(D)に示すように測定子15
が零点検出位置に復帰した時点で、すなわち検出器セン
サ16の検出信号が零点を通過すると同時に、その検出器
センサ16の零信号により測定歯車Gの回転角度を検出す
る角度検出手段としての主軸ロータリエンコーダ11のカ
ウントを開始する。すなわち、測定歯車Gの回転角度測
定を開始する(ステップ13)。
【0041】さらに、図6(B)に示すように、測定子
15が測定歯車Gの回転に追従できない状態に至ると、歯
面Rが測定子15より離れるので(ステップ14)、図6
(C)に示すように、検出器本体14のスプリングによる
測定圧を歯面Lの測定に自動的に切換え(ステップ1
5)、測定子15の向きを零点検出位置より他側の歯面L
側へ切換える。
【0042】そして、図6(C)から(D)に示すよう
に、測定歯車GのL方向(測定方向)への回転を継続し
て、他側の歯面Lに接触した測定子15をこの歯面Lに追
従させ、図6(D)に示すように測定子15が零点検出位
置に到達した時点で、検出器センサ16の検出信号が零点
を通過する。この検出器センサ16の零信号により、測定
歯車Gの測定主軸を回転するパルスモータを停止させる
とともに、ロータリエンコーダ11のカウントを終了す
る。すなわち、測定歯車Gの回転角度測定を停止する
(ステップ16)。
【0043】このようにして、測定歯車Gを回転するこ
とにより測定歯車Gの一側の歯面Rに接触して追従する
測定子15が零点検出位置を通過した時点で、測定歯車G
の回転角度を検出するロータリエンコーダ11により測定
歯車Gの回転角度測定を開始し、その後、他側の歯面L
に向って切換えられ接触した測定子15が測定歯車Gの回
転に追従して零点検出位置に到達した時点で回転角度測
定を停止するから、その測定開始から測定停止までのロ
ータリエンコーダ11のカウント数により、歯溝の幅W1
に対応する歯溝の角度X1 を測定することができる。
【0044】そして、図2および図3にて既に説明した
ように、半径roのピッチ円上での歯溝の幅W1 は、W1
=ro・X1 で求めることができる。
【0045】以上の測定を、測定歯車Gの反対側に位置
する歯溝、すなわち偶数歯の場合は第1回測定歯溝から
180°位相ずれの位置にある歯溝、また奇数歯の場合
はそのすぐ隣に位置する歯溝についても同様に行い、そ
の反対側の歯溝の幅W2 (図示せず)に対応する歯溝の
角度X2 (図示せず)を同様に測定する。
【0046】そして、これらの互いに反対側にある2箇
所の歯溝の角度X1 ,X2 と入力済みの既知データとか
ら、歯厚に関連する値として、例えば測定歯車Gが外歯
の場合はオーバボール径OBD の寸法を、また測定歯車G
が内歯の場合はビトゥイーンボール径BBD の寸法を、N
C歯車測定機のCPU22により演算し(ステップ1
7)、その寸法値(測定演算値)と理論演算値との誤差
が最初に設定された公差(許容値)の範囲内に入るか否
かを比較して、歯厚の合格または不合格を判定する(ス
テップ18)。
【0047】なお、この実施形態で説明された測定の手
順は、NC歯車測定機に付属されているパーソナルコン
ピュータに予めソフトプログラムを組み込んで記憶さ
せ、必要な歯車諸元を入力することにより、全自動で計
測制御することができる。
【0048】また、オーバボール径OBD 、ビトゥイーン
ボール径BBD などの計算も、このパーソナルコンピュー
タにより自動的に行われ、予めローディングされたソフ
トプログラムにより決められたフォームで出力される。
【0049】
【実施例】次に、本発明の歯厚測定方法に関係するオー
バボール径OBD の計算方法を、図7に示された具体例に
基づき説明する。
【0050】図7(A)に示す関係から、 円弧W1 =ro・X1 …(1) rg・(Φ1 +θ1 )=(ro−rg1/2 …(2) cos Φ1 =rg/ro …(3) X1 /2+Φ1 =Xg1 /2+(Φ1 +θ1 ) …(4) がそれぞれ得られる。
【0051】 (2)式から、θ1 =(ro−rg1/2/rg−Φ1 …(2)´ (3)式から、Φ1 =cos −1(rg/ro) …(3)´ がそれぞれ得られる。
【0052】よって、基礎円上での両歯面間の角度Xg1
は、(2)´式および(3)´式より、 Xg1=X1 −2θ1 =X1 −2{(ro−rg1/2/rg−cos −1(rg/ro)} …(5) となる。
【0053】この(5)式において、 rg :基礎円の半径(歯車諸元よりの計算値) ro :歯溝の幅を測定する位置の半径(=ピッチ円の半
径) X1 :円弧W1 の中心角(測定値) であり、これらは既知数であるから、Xg1を求めること
ができる。
【0054】同様に、約180°反対側の歯溝の計測か
ら Xg2=X2 −2{(ro−rg1/2/rg−cos −1(rg/ro)} …(6) から、Xg2を求めることができる。
【0055】そして、図7(B)に示すように、両歯溝
に直径dのボール(またはピン)を挿入したときのオー
バボール(またはピン)径OBD の半分すなわち一側のオ
ーバボール半径R1 は、次のようになる。
【0056】 R1 ={rg+(rg・Φ1d+rg・θ1d+d/2 )1/2+d/2 …(7) θ1d=円弧長さAC/直線長さAO−Φ1d =直線長さAP/直線長さAO−Φ1d =tan Φ1d−Φ1d …(8) tan (Φ1d+θ1d+Xg1/2) =(rg・Φ1d+rg・θ1d+d/2)/rg …(9) (8)(9)の連立方程式から二つの未知数Φ1dおよび
θ1dを求めることができ、これらのΦ1dおよびθ1dと他
の既知数を(7)式に代入することにより、オーバボー
ル半径R1 を求めることができる。
【0057】同様に、測定歯車の反対側の歯溝における
オーバボール半径R2 を求めることができる。
【0058】したがって、測定歯車Gが偶数歯のオーバ
ボール径OBD は、 OBD =R1 +R2 で求めることができる。
【0059】また、図7(C)に示すように、測定歯車
Gが奇数歯の場合は、180°反対側から1/2ピッチ
(角度β)隔った箇所のオーバボール径OBD を求める必
要がある。
【0060】ここで、モジュールをmとした場合、ro・
β=π・m/2であるから、β=π・m/2・roとな
り、奇数歯のオーバボール径OBD は、 OBD =[{R1 −d/2 +(R2 −d/2 )cos β} +{(R2 −d/2 )sin β}1/2+d で求めることができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、歯車の歯
形誤差の測定に用いられていた歯車測定機を利用して、
歯厚に関する値の測定を自動的に行える歯厚測定方法を
提供でき、短時間で正確に歯厚に関する合否判定を行う
ことができる。特に、歯溝の角度を測定するための好適
な測定方法を提供することができる。
【0062】請求項記載の発明によれば、請求項
載の歯溝の角度測定における測定子の好適な制御方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯車の歯厚測定方法に使用される
NC歯車測定機の一実施例を示す説明図である。
【図2】同上歯厚測定方法におけるピッチ円の半径roと
歯溝の角度X1 と歯溝の幅W1との関係を示す説明図で
ある。
【図3】同上歯厚測定方法における歯溝の幅W1 とピッ
チtと歯厚Sとの関係を示す説明図である。
【図4】(A)は同上歯厚測定方法の作業手順を示すフ
ローチャート、(B)(C)(D)はそのステップ6,
7,8に対応する説明図である。
【図5】(A)は同上歯厚測定方法の作業手順を示すフ
ローチャート、(B)(C)(D)はそのステップ10,
11,12に対応する説明図である。
【図6】(A)は同上歯厚測定方法の作業手順を示すフ
ローチャート、(B)(C)(D)はそのステップ14,
15,16に対応する説明図である。
【図7】(A)は同上歯厚測定方法に関係するオーバボ
ール径を計算する際の条件式を導くための説明図、
(B)はそのボール挿入時の条件式を導くための説明
図、(C)はその測定歯車が奇数歯の場合の条件式を導
くための説明図である。
【図8】従来のまたぎ歯厚法の測定方法を示す説明図で
ある。
【図9】(A)(B)は従来の外歯歯車のオーバボール
法を示す説明図、(C)(D)は内歯歯車のビトゥイー
ンボール法を示す説明図である。
【符号の説明】
G 測定歯車 O 測定歯車の中心 S 歯厚 R 一側の歯面 L 他側の歯面 W1 歯溝の幅 X1 歯溝の角度 11 角度検出手段 13 回動支点 15 測定子

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯形測定用の歯車測定機により歯車の歯
    厚を測定する方法であって、 歯形測定用の歯車測定機にあって測定歯車の歯溝を介し
    て位置する一側の歯面と他側の歯面とにそれぞれ接触し
    て追従するように回動可能に設けられている歯面接触用
    の測定子を歯車の歯溝におけるピッチ円上まで挿入し、 一側の歯面と接触する測定子が、測定子の回動支点と測
    定歯車の中心とを結ぶ線上にある測定子の零点検出位置
    より他側の歯面側に位置するように測定歯車の回転状態
    を準備設定し、 測定歯車を回転することにより測定歯車の一側の歯面に
    接触して追従する測定子が零点検出位置を通過した時点
    で、測定歯車の回転角度を検出する角度検出手段により
    測定歯車の回転角度測定を開始し、 その後、他側の歯面に向って切換えられ他側の歯面に接
    触した測定子が測定歯車の回転に追従して零点検出位置
    に到達した時点で回転角度測定を停止することにより、
    歯溝を介して対向する一側の歯面と他側の歯面との間に
    挟まれたピッチ円上の歯溝の幅に対応する歯溝の角度を
    測定し、 この歯溝の角度より歯厚に関連する値を演算する ことを
    特徴とする歯車の歯厚測定方法。
  2. 【請求項2】 歯車の歯溝におけるピッチ円上まで挿入
    した測定子を零点検出位置より一側にて測定歯車の一側
    の歯面に向け、 測定歯車を測定子に近付く準備方向に回転することによ
    り一側の歯面に測定子を接触させるとともに測定子を押
    動し、 測定子が零点検出位置を超えた位置で測定歯車を停止し
    て逆転させることにより、測定歯車を測定方向に回動す
    るとともに一側の歯面に接触した測定子を追従させ、 測定子が零点検出位置に復帰した時点で角度検出手段に
    より測定歯車の回転角度測定を開始し、 測定子が測定歯車の回転に追従できない状態に至ったと
    き測定子の向きを零点検出位置より他側の歯面側へ切換
    え、 測定歯車の測定方向への回転を継続してその他側の歯面
    に接触した測定子をこの歯面に追従させ、 測定子が零点検出位置に到達した時点で回転角度測定を
    停止することにより、歯溝の幅に対応する歯溝の角度を
    測定することを特徴とする請求項記載の歯車の歯厚測
    定方法。
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