JP3186628B2 - 耐火物交換ハンドの位置決め装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳造装置にお
けるタンディッシュあるいはレ−ドル等の溶融金属収納
鍋に取り付けられたノズル等の耐火物を交換する際、用
いられる各種ハンドの位置決め装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、タンディッシュあるいはレード
ルなどの溶融金属収納鍋の底部に設けられた出鋼口に
は、溶融金属の出鋼量を制御するためのノズルが取付け
られており、このノズルの下方にはスライドゲートおよ
び浸漬ノズルを有する流量制御装置が設置されている。
前記溶融金属収納鍋の構造について図８に基づいて説明
すると、溶融金属収納鍋１００には、収納鍋本体１０１
の内側に内張りれんが１０２が張り付けられており、溶
融金属が出鋼する出鋼口１０３の近傍には、羽口ブロッ
ク１０４が設置されている。そして、溶融金属収納鍋１
００の前記羽口ブロック１０４に形成された取付孔の中
にノズル１０５が着脱自在に装着され、また前記ノズル
１０５の下方には溶融金属の出鋼量を制御するスライド
ゲート１０６および浸漬ノズル１０７を有する流量制御
装置１０８が設置されている。

【０００３】前記ノズル１０５は耐熱・耐蝕性で口径が
変化しない材質により形成されると共に、その先端部が
徐々に細くなるようにテーパ状に形成されている。しか
し、耐蝕性を有する材質で構成されているとはいえ、使
用回数が増すにつれて損耗量が大きくなため、新しいノ
ズルと交換する必要がある。この交換作業は、連続鋳造
における作業効率を低下させないように、鋳造工程にお
いて収納鍋内の溶融金属を全て注湯した後、収納鍋本体
が加熱保温状態のまま使用済のノズルを取外し、羽口を
清掃した後予め予熱されている新しいノズルと交換しな
ければならない。

【０００４】このような直接耐火物を交換する方法にお
いて、熱間状態のタンディッシュの耐火物を交換する場
合は、タンディッシュ内から熱及びガス等がタンディッ
シュの流体流出孔から噴出し、作業環境が悪くなると共
にオペレータの作業に危険が伴うという問題があった。

【０００５】このような問題を解決するために、本願出
願人は交換のための各種作業を自動化した装置を提案し
ている。例えば、特開昭７−２５６４４０に示される羽
口清掃装置を提案している。この羽口清掃装置を図９に
示すと共に、その構成の概略について説明すると、図中
１２０は、ロボットアーム１２０であって、ロボットア
−ム１２０ａの先端部にはＡＴＣ（オーツツールチェン
ジャ）１２０ａが形成され、一方ツール側にもＡＴＣ１
２０ｂが形成され、ロボット側ＡＴＣ１２０ａと連結で
きるように構成されている。そして、ツール側のＡＴＣ
１２０ｂの下面には、ベ−ス１２１が取りつけられて、
位置ずれ吸収機構であるコンプライアンス装置１２２を
介して、外輪１２３が取りつけられている。

【０００６】また外輪１２３には、支持棒１２４、支柱
アーム１２５を介して、カッタ１２６及びカッタ１２６
の自転用モータ１２７等が取り付けられている。また前
記カッタ１２６の公転用モータ１２８はハウジング１２
９に支承され、ハウジング１２９はモータ取付ブロック
に固定されており、前記モータ取付ブロックは外輪１２
３に固定されている。以上のように、カッタ１２６を駆
動するための部材は、直接あるいは間接的に外輪１２３
に取りつけられ、コンプライアンス装置１２２を介し
て、ツール側のＡＴＣ１２０ｂの下面に取り付けられた
ベ−ス１２１が装着されている。

【０００７】更に、位置ずれ吸収機構であるコンプライ
アンス装置１２２について説明すると、コンプライアン
ス装置１２２は前記ボルト１２２ａの一端は外輪１２３
に固定され、ベース部１２１の通し穴にボルト１２２ａ
を挿通させ、外輪１２３とベース１２１との間をボルト
１２２ａ及びコンプライアンス用バネ１２２ｂで接続し
たものであって、いろいろな方向の位置ずれに対応でき
るように構成されている。また、カッタ１２６の根本に
は４個の挿入用ストッパ１３０が設けられ、羽口の中心
とカッタの１２６中心がずれたとき、コンプライアンス
装置１２２でそのずれが調整される。即ち、順次４個の
挿入用ストッパ１３０が羽口端面に当接することで位置
ずれが修正され、位置決めがなされるように構成されて
いる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した羽
口清掃装置の位置ずれ吸収装置にあっては、外輪とベー
スとの間をボルト及びコンプライアンス用バネで接続す
ると共に、前記ボルトの一端は外輪に固定され、前記ボ
ルトはベ−ス部に形成された通し穴に単に挿通されてい
るため、傾き（斜め方向の位置ずれ）に対してはその位
置ずれを吸収し難いという技術的課題があった。

【０００９】また、前述の羽口清掃装置にあっては、作
業中カッタの振動等によって、前記カッタを位置ずれが
吸収された適正な位置を維持することが困難であった。
またカッタによって羽口を整形作業中、カッタを溶融金
属収納鍋底面に押しつけながら切削しなければならな
い。そのため、その反力は、ＡＴＣ及びコンプライヤン
ス装置に作用するため、ＡＴＣあるいはコンプライヤン
ス装置を破損させてしまう虞があった。

【００１０】本発明は、上述した従来の技術的課題を解
決するためになされたものであり、その目的とするとこ
ろは、傾き（斜め方向）の位置ずれに対しても、適切な
位置ずれを吸収を行う耐火物交換ハンドの位置ずれ吸収
機構を備え、位置ずれが吸収された耐火物交換ハンドを
その位置に位置決めすると共に、溶融金属収納鍋底面等
からの反力から、ＡＴＣ、コンプライヤンス装置を保護
する耐火物交換ハンドの位置決め装置を提供することに
ある。

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる耐火物交
換ハンドの位置決め装置は、溶融金属収納鍋に取り付け
られたノズル等の耐火物を交換する際用いられる作業用
ハンドを支持するフレ−ムと、ロボットア−ム等の移動
機構に固定される基体と、前記フレ−ムと基体との間に
装着された位置ずれ吸収機構と、前記位置ずれ吸収機構
によって位置ずれが吸収された後、作業用ハンドをその
位置に固定する位置決め機構とを備える耐火物交換ハン
ドの位置決め装置において、前記位置ずれ吸収機構は、
基体あるいはフレ−ムのいずれか一方に上下動、及び揺
動自在に装着されたバネポストと、バネポストとバネポ
ストが装着された基体あるいはフレ−ムとの間に装着さ
れ、バネポストを基体あるいはフレ−ムに支持する球面
ブッシュと、バネポストの一端部に取付けられた球面ブ
ッシュと、前記バネポストの一端部に取付けられた球面
ブッシュと係合すると共に、バネポストが装着されてい
ない基体あるいはフレ−ムに設けられたリンクボ−ル
と、バネポストを前方に付勢するコイルスプリングとを
備え、前記位置決め機構は、ハンドの前面から突出した
クランプ爪と、ハンドを支持するフレ−ムに固定される
と共に前記クランプ爪を回動自在に支持する支持フレ−
ムと、前記支持フレ−ムに回動自在に支持されると共に
ピストンロッドがクランプ爪の後部に取り付けられたピ
ストンシリンダとを備えていることを特徴としている。

【００１４】またこの耐火物交換ハンドの位置決め装置
は、クランプ爪が溶融金属収納鍋底部あるいはスライデ
ィングノズルカセットを適切に把持しているかを検出す
る検出機構が設けられているのが望ましい。更に、耐火
物交換ハンドは羽口清掃用のカッタ−であるのが望まし
い。

【００１５】本発明にかかる耐火物交換ハンドの位置決
め装置は、以上のような構成を有するため、耐火物交換
ハンドの垂直方向（装置における上下、左右方向）の位
置ずれは、リンクボールと球面ブッシュとが、それぞれ
の球中心Ｐ₁ 、Ｐ₂ 回りに回転することにより吸収さ
れ、水平方向（この装置における前後方向）の位置ずれ
は、球面ブッシュとバネポストとの前後方向の摺動によ
り吸収される。更に、水平方向および鉛直方向が相互に
作用することにより耐火物交換ハンドの傾斜方向の位置
ずれをも吸収することができる。

【００１６】また、前記耐火物交換ハンドの位置決め装
置には、フレ−ムの上面に端部が固定されたねじ部と、
前記ねじ部が挿通する基体の下面に形成された開口部
と、前記ねじ部の上端部に取り付けられ調整ねじによっ
て上下に移動可能になされた第１の係止部材と、前記ね
じ部に遊嵌され基体に接する第２の係止部材と、前記第
１、第２の係止部材の間に装着されたスプリングとから
かる自重キャンセル機構が設けられているため、耐火物
交換ハンドの自重を打ち消すことができ、前記ハンドを
水平を維持することができる。

【００１７】本発明にかかる耐火物交換ハンドの位置決
め装置は、位置ずれ吸収機構と、前記位置ずれ吸収機構
によって位置ずれが吸収された後、作業用ハンドをその
位置に固定する位置決め機構とを備えているため、位置
ずれが吸収された耐火物交換ハンドをその位置に位置決
めできると共に、溶融金属収納鍋底面等からの反力か
ら、ＡＴＣ、コンプライヤンス装置を保護することがで
きる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳細に説明する。本発明の実施形態を説明する
にあたって、羽口清掃装置を例にとって説明する。尚、
図１は本発明による溶融金属収納鍋の羽口清掃装置を示
す斜視図、図２は図１の側面一部断面図、図３は図１の
正面図である。また、図４は図２に示されたＡ−Ａ断面
側面図、図５は図２に示されたＢ−Ｂ断面側面図、図６
は位置ずれ吸収機構の要部拡大断面図である。図７は位
置決め機構を示す側面図である。

【００１９】図１に示すように、羽口清掃装置１は、溶
融金属収納鍋の羽口に付着したモルタル及び溶鋼を除去
し、羽口を整形する羽口清掃機構２と、前記羽口清掃機
構２を支持すると共に前後、左右、上下方向の位置ずれ
を吸収する位置ずれ吸収機構３と、羽口清掃機構２が取
り付けられているフレ−ムに取り付けられた位置決め機
構４と、前記位置ずれ吸収機構３を支持すると共に、ロ
ボットア−ムに取り付けられるＡＴＣに固定される基体
５とから構成されている。

【００２０】ここで、前記羽口清掃機構２について、図
２乃至図５に基づいて詳述すると、羽口の整形を行うカ
ッタ−１０と前記カッタ−１０が端部に取り付けられた
回転軸１１と、前記回転軸１１に取り付けられた従動側
歯車１２と、前記歯車１２に回転力を与える原動側歯車
１３と、前記原動側歯車１３を回転させる油圧モ−タ１
４と、前記回転軸１１を回転自在に支持収納している収
納体１５を備え、前記カッタ−１０を所定の回転速度を
もって回転できるように構成されている。また、前記原
動側歯車１３及び油圧モ−タ１４はケ−シング１６を介
して収納体１５に固定されている。なお、図示しない
が、前記回転軸１１の内部にはカッタ−１０を冷却する
ための水あるいは油が流通する流通路が形成され、回転
軸１１の後端部１１ａにはロ−タリカプラ−１７を介し
て前記流通路に冷却液を供給排出する供給排出手段１７
ａが接続されている。

【００２１】また、前記収納体１５の後端部１５ａに
は、フレ−ム１９に固定されたピストンシリンダ１８の
ピストンロッド１８ａが取り付けられている。また図
４、５に示すように、前記フレ−ム１９の側面両側には
前記収納体１５を摺動可能に保持する保持体２０が取り
付けられている。この前記保持体２０は回転軸１１の軸
線方向に延設された溝部２０ａが形成されている。ま
た、図２に示すようにこの保持体２０は、前記フレ−ム
１９の複数箇所に形成されていれば良く、必ずしも前記
フレ−ム１９の側面全域にわたって設ける必要はない。
一方、収納体１５の外周両側面には前記溝部２０ａに対
応して、前記保持体２０は回転軸１１の軸線方向に延設
された脚部１５ｂが設けられている。

【００２２】このように構成されているため、ピストン
シリンダ１８のピストンロッド１８ａを伸縮させること
によって、フレ−ム１９に対して前記収納体１５は前後
に移動させることができ、しかも前述のように前記収納
体１５に油圧モ−タ１４の原動側歯車１３がケ−シング
１６を介して一体的に固定されているため、カッタ−１
０を回転させながら、前後方向に摺動させることができ
る。

【００２３】また、図２に示すように、前記フレ−ム１
９の前部には前板２２が一体的に取りつけられ、前記前
板２２は後述する位置ずれ吸収機構３を介して基体５に
取りつけられている。また前記前板２２の中央部分は、
前記カッタ−１０が挿通するように開口部２２ａが形成
され、そして左右部分には前記フレ−ム１９を溶融金属
収納鍋に対して、固定し反力を吸収する位置決め機構４
のクランプ爪５０が挿通するように開口部２２ｂが形成
されている。また位置決めを行う位置決め部材２１が前
記フレ−ム１９の前端部に取り付けられると共に、カッ
タ−１０を覆う遮蔽筒体２３が取りつけられている。

【００２４】次に基体５について説明すると、基体５は
フレ−ム１９と別体であって、いわゆる枠型に形成さ
れ、ＡＴＣが取りつけられる上面部５ａ及び左右の側面
部５ｂ、下面部５ｃを有している。前記基体５がいわゆ
る枠型に形成されているため、その中央部分にはフレ−
ム１９、収納体１５等を配置することができる。そし
て、前記上面部５ａの立上部５ｄ及び下面部５ｃに取り
つけられた後述する位置ずれ吸収機構３を介して、基体
５とフレ−ム１９とは連結されている。

【００２５】次に位置ずれ吸収機構３について、図６に
基づいて説明する。この位置ずれ吸収機構３は、基体５
と、基体５に上下動、及び揺動自在に装着されたバネポ
スト３０と、バネポスト３０を基体５に対して支持する
球面ブッシュ３１と、バネポスト３０の一端部に取付け
られた球面ブッシュ３２と、羽口の清掃機構２のフレ−
ム１９（前板２２）に設けられ、前記球面ブッシュ３２
と係合するリンクボ−ル３３と、バネポスト３０を前方
に付勢するコイルスプリング３４とにより、その主要部
が構成されている。

【００２６】その主要部の構成について更に詳述する
と、前記バネポスト３０の一端部には、図６に示すよう
に逆Ｔ字状の鍔３０ａを有しており、このバネポスト３
０を支持している球面ブッシュ３１の外周部は、基体５
に形成された開口部５ｅ内にブッシュ３１ａを介して保
持されている。そして、このブッシュ３１ａはリング状
蓋体３５により抜け出さないように保持されている。

【００２７】このように、バネポスト３０は球面ブッシ
ュ３１を介して、基体５に保持されているため、バネポ
スト３０は基体５に対して揺動することができるととも
に、球面ブッシュ３１の内面をバネポスト３０が摺動す
ることができるため、バネポスト３０は、傾動及び前後
動することができる。

【００２８】また前記バネポスト３０の他端部にはねじ
部３０ｂが形成され、球面ブッシュ３２が固定されるよ
うになされている。また、球面ブッシュ３２の一端に
は、コイルスプリング３４を係止する係止部３２ａが形
成されると共に、他端には羽口の清掃機構２の第１のフ
レ−ム１９に固定されたリンクボール３３と係合する球
面ブッシュ部３２ｂが形成されている。そして、バネポ
スト３０を前方に付勢するコイルスプリング３４が、前
記基体５と球面ブッシュ３２の係止部３２ａとの間に装
着され、このコイルスプリング３４によって、後方向に
摺動したバネポスト３０は初期状態に復帰することがで
きるようになされている。

【００２９】次に、この位置ずれ吸収機構３の動作につ
いて説明すると、羽口の清掃機構２の垂直方向（バネポ
ストの軸線に対して垂直な方向、この装置における上
下、左右方向）の位置ずれは、リンクボール３３と球面
ブッシュ３１とが、それぞれの球中心Ｐ₁ 、Ｐ₂ 回りに
回転することにより吸収され、水平方向（バネポストの
軸線方向、この装置における前後方向）の位置ずれは、
球面ブッシュ３１とバネポスト３０との前後方向の摺動
により吸収される。更に、水平方向および鉛直方向が相
互に作用することにより羽口清掃機構２の傾斜方向の位
置ずれをも吸収することができる。しかも、前記コイル
スプリング３４が設けられているため、カッタ−１０の
振動を抑制し、基体５に振動が伝わり難い。

【００３０】尚、前記したように基体３０とフレ−ム１
９とは前記位置ずれ吸収機構３によって連結されている
ため、羽口清掃機構２の自重によって、フレ−ム１９及
び前記羽口清掃機構２の前部は、基体５に対して下方に
垂れ下がる。これを防止するために、羽口清掃機構２の
自重を打ち消す自重キャンセル機構３６が設けられてい
る。

【００３１】この自重キャンセル機構３６は、図２に示
すようにフレ−ム１９の上面に対して端部が固定された
ねじ部３７と、前記ねじ部３７が挿通する基体５の下面
に形成された開口部３８と、前記ねじ部３７の上端部に
取り付けられ調整ねじ４２によって上下に移動可能にな
された係止部材３９と、前記ねじ部３７に遊嵌され基体
５に接する係止部材４０と、前記係止部材３９、４０の
間に装着されたスプリング４１とを備えている。

【００３２】自重キャンセル機構３６はこのように構成
されているため、スプリング４１の反発力によって、基
体５に対して下方に垂れ下がった羽口清掃機構２及びフ
レ−ム１９をほぼ水平な状態に復帰させることができ
る。しかも、スプリング４１の反発力は、調整ねじ４２
によって係止板３９を移動させることによって変えられ
るため、最適な状態（水平位置）に羽口清掃機構２及び
フレ−ム１９を配することができる。

【００３３】なお、上記実施形態に示した位置ずれ吸収
機構とは逆方向にバネポストを配置したものであっても
よい。即ち、羽口清掃機構２が固定されるフレ−ムに対
して上下動、及び揺動自在に装着されたバネポストと、
バネポストを前記フレ−ムに支持する球面ブッシュと、
バネポストの一端部に取付けられた球面ブッシュと、前
記バネポストの一端部に取付けられた球面ブッシュと係
合すると共に、基体に設けられたリンクボ−ルと、バネ
ポストを前方に付勢するコイルスプリングとを備えたも
のであっても良い。

【００３４】次に位置決め機構４について、図１、３、
４、５、７に基づいて説明する。位置決め機構４は羽口
清掃装置１の左右両側に設けられており、前板２２から
突出したクランプ爪５０と、フレ−ム１９に固定される
と共に前記クランプ爪５０を回動自在に支持する支持フ
レ−ム５１と、前記支持フレ−ム５１に回動自在に支持
されたクランプ爪５０の後部に取り付けられたピストン
ロッド５２ａと、前記ピストンロッド５２ａを駆動する
ピストンシリンダ５２とを備えている。したがって、前
記ピストンロッド５２ａを上下動させることによって、
支点５１ａを中心としてクランプ爪５０を回動させ、溶
融金属収納鍋底部に取り付けられたスライディングノズ
ルカセットを把持することができる。

【００３５】このように、クランプ爪５０によって、ス
ライディングノズルカセットを把持するように構成され
ているため、ハンドをその位置に位置決めできると共
に、溶融金属収納鍋底面等からの反力から、ＡＴＣ、コ
ンプライヤンス装置を保護することができる。なお、前
記クランク爪はスライディングノズルカセットを把持せ
ず、溶融金属収納鍋底部をする把持するようにしても良
い。

【００３６】また、この位置決め機構４には、クランプ
爪５０が溶融金属収納鍋底部に取り付けられたスライデ
ィングノズルカセットを適切に把持しているかを検出す
る検出機構が設けられている。この検出機構は、クラン
プ爪５０の上面に接している検出ロッド５５と、前記検
出ロッド５５を上下動可能に支持している支持フレ−ム
５６と、前記支持フレ−ム５６と検出ロッド５５の間に
装着され、前記検出ロッド５５をクランプ爪５０の上面
方向に押圧するスプリング５７と、前記検出ロッド５５
に形成されたカム部５８と、前記カム部５８に接して設
けられたリミットスイッチ５９とを備えている。

【００３７】即ち、クランプ爪５０が溶融金属収納鍋底
部に取り付けられたスライディングノズルカセットを把
持する際、まずピストンシリンダ５２を動作させ、ピス
トンロッド５２ａを上方向に移動させ、クランプ爪５０
を支点５１ａを中心に回動させ、クランプ爪５０の先端
部を下方向に回動させることによって把持する。このと
きクランプ爪５０が適切に把持している場合には、検出
ロッド５５は下方に移動し、前記カム部５８によって、
リミットスイッチ５９をＯＮし、適切に把持しているこ
とが検出される。一方、クランプ爪５０が適切に把持し
ていない場合には、検出ロッド５５は下方に移動しない
ため、リミットスイッチ５９をＯＦＦ状態のままであ
り、適切に把持していないことが検出される。

【００３８】次に、この実施形態の一連の動作について
説明する。まず、ロボットのア−ム等の移動手段によっ
て、溶融金属収納鍋の所定位置に移動させる。そして、
溶融金属収納鍋あるいはスライディングノズルカセット
に設けられた位置決め孔（図示せず）に位置決め部材２
１を挿入する。このとき、位置ずれが生じていると、位
置ずれ吸収機構３が動作しその位置ずれを吸収し、羽口
清掃機構２を適切な位置に移動せしめる。その後、位置
決め機構４が動作し、羽口清掃機構２を溶融金属収納鍋
に取り付けられたスライディングノズルカセットに保
持、固定する。

【００３９】次に、油圧モ−タ１４を動作させカッタ−
１０を回転させると共に、収納体１５をピストンシリン
ダ１８を動作させ、ピストンロッド１８ａを伸ばし、カ
ッタ１０を前方に移動させながら、羽口の清掃を行う。
羽口清掃の後、ピストンシリンダ１８のピストンロッド
１８ａを縮め、羽口清掃機構２のカッタ１０を後退さ
せ、羽口の清掃を終了する。羽口の清掃終了後、クラン
プ爪５０と溶融金属収納鍋あるいはスライディングノズ
ルカセットとの係合を解き、羽口清掃装置１を自由状態
となし、再びロボットア−ムによって、羽口清掃装置を
移動させる。

【００４０】なお、上記実施形態では羽口清掃装置を用
いて説明したが、耐火物交換ハンドの位置決め装置は、
特に羽口清掃装置に限定されるものではなく、例えばノ
ズル引抜き装置、ノズル押抜き装置、ダボ面切削装置
等、溶融金属収納鍋に取り付けられた耐火物を交換する
ために用いられる各種作業用ハンドを搭載する装置に適
用することができる。

【００４１】

【００４２】

【００４３】

【発明の効果】本発明にかかる耐火物交換ハンドの位置
決め装置は、位置ずれ吸収機構と、前記位置ずれ吸収機
構によって位置ずれが吸収された後、作業用ハンドをそ
の位置に固定する位置決め機構とを備えているため、位
置ずれが吸収された耐火物交換ハンドをその位置に位置
決めできると共に、溶融金属収納鍋底面等からの反力か
ら、ＡＴＣ、コンプライヤンス装置を保護することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明による溶融金属収納鍋の羽口清掃
装置を示す斜視図である。

【図２】図２は図１の側面一部断面図、図３は図１の正
面図である。

【図３】図３は図１の正面図である。

【図４】図４は図２に示されたＡ−Ａ断面側面図であ
る。

【図５】図５は図２に示されたＢ−Ｂ断面側面図であ
る。

【図６】図６は位置ずれ吸収機構の要部拡大断面図であ
る。

【図７】図７は位置決め機構を示す側面図である。

【図８】溶融金属収納鍋底部の側面断面図である。

【図９】従来の羽口清掃装置を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 羽口清掃装置 ２ 羽口清掃機構 ３ 位置ずれ吸収機構 ４ 位置決め機構 ５ 基体 １０ カッタ− １１ 回転軸 １２ 従動側歯車 １３ 原動側歯車 １４ 油圧モ−タ １５ 収納体 １５ｂ 脚部 １８ ピストンシリンダ １９ フレ−ム ２０ 保持体 ２０ａ 溝部 ２１ 位置決め部材 ３０ バネポスト ３１ 球面ブッシュ ３２ 球面ブッシュ ３２ａ 係止部 ３２ｂ 球面ブッシュ部 ３３ リンクボ−ル ３４ コイルスプリング ３５ リング状蓋体 ３６ 自重キャンセル機構 ３７ ねじ部 ３８ 開口部 ３９ 係止部材 ４０ 係止部材 ４１ スプリング ４２ 調整ねじ ５０ クランプ爪 ５１ 支持フレ−ム ５２ ピストンシリンダ ５５ 検出ロッド ５６ 支持フレ−ム ５７ スプリング ５８ カム部 ５９ リミットスイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 道雄 愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地 東芝 セラミックス株式会社 刈谷製造所内 (72)発明者 五十嵐 英樹 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番 地 東芝セラミックス株式会社 小国製 造所内 (72)発明者 川東 佐太志 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属 工業株式会社 和歌山製鉄所内 (72)発明者 久保 吉一 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属 工業株式会社 和歌山製鉄所内 (72)発明者 南之園 信竹 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属 工業株式会社 和歌山製鉄所内 (56)参考文献 特開 平10−156521（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−164474（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−39209（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−328230（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−39233（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−232266（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−256440（ＪＰ，Ａ) 実開 平６−48956（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B22D 41/56 B22D 11/10 320 B22D 11/10 340 B22D 41/34 520

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 溶融金属収納鍋に取り付けられたノズル
   等の耐火物を交換する際用いられる作業用ハンドを支持
   するフレ−ムと、ロボットア−ム等の移動機構に固定さ
   れる基体と、前記フレ−ムと基体との間に装着された位
   置ずれ吸収機構と、前記位置ずれ吸収機構によって位置
   ずれが吸収された後、作業用ハンドをその位置に固定す
   る位置決め機構とを備える耐火物交換ハンドの位置決め
   装置において、 前記位置ずれ吸収機構は、基体あるいはフレ−ムのいず
   れか一方に上下動、及び揺動自在に装着されたバネポス
   トと、バネポストとバネポストが装着された基体あるい
   はフレ−ムとの間に装着され、バネポストを基体あるい
   はフレ−ムに支持する球面ブッシュと、バネポストの一
   端部に取付けられた球面ブッシュと、前記バネポストの
   一端部に取付けられた球面ブッシュと係合すると共に、
   バネポストが装着されていない基体あるいはフレ−ムに
   設けられたリンクボ−ルと、バネポストを前方に付勢す
   るコイルスプリングとを備え、 前記位置決め機構は、ハンドの前面から突出したクラン
   プ爪と、ハンドを支持するフレ−ムに固定されると共に
   前記クランプ爪を回動自在に支持する支持フレ−ムと、
   前記支持フレ−ムに回動自在に支持されると共にピスト
   ンロッドがクランプ爪の後部に取り付けられたピストン
   シリンダとを備えていることを特徴とする耐火物交換ハ
   ンドの位置決め装置。
2. 【請求項２】 クランプ爪が溶融金属収納鍋底部あるい
   はスライディングノズルカセットを適切に把持している
   かを検出する検出機構が設けられていることを特徴とす
   る請求項１に記載された耐火物交換ハンドの位置決め装
   置。
3. 【請求項３】 耐火物交換ハンドは羽口清掃用のカッタ
   −であること特徴とする請求項１または請求項２に記載
   された耐火物交換ハンドの位置決め装置。