JP3186623B2 - 内面溝付き管の製造方法及び製造装置 - Google Patents

内面溝付き管の製造方法及び製造装置

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JP3186623B2
JP3186623B2 JP00780297A JP780297A JP3186623B2 JP 3186623 B2 JP3186623 B2 JP 3186623B2 JP 00780297 A JP00780297 A JP 00780297A JP 780297 A JP780297 A JP 780297A JP 3186623 B2 JP3186623 B2 JP 3186623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内面溝付き管の製
造方法及び製造装置に係り、特に、溝の寸法出しに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図5に示すように、内面に溝を有する伝
熱管等を製造するための内面溝付き管製造装置40は、
被加工管2の外周を周方向に回転する回転ヘッド20
と、回転ヘッド20の内部に設けられた一対の押さえリ
ング21,22と、押さえリング21,22によって2
点支持され、被加工管2の外表面に押圧される複数のボ
ール23を有した押圧部41とを備えている。
【0003】押圧部41は、被加工管2を引き抜く引抜
きダイス42と、引抜きダイス42の引き抜き側に位置
される引抜きダイス5との間に位置して設けられてい
る。
【0004】被加工管2の内部では、外周部に螺旋状の
突起44が形成されボール23の押圧部41に位置して
被加工管2に内接する溝切り加工プラグ45と、被加工
管2の内壁に接して引抜きダイス42の導入側に位置す
るフローティングプラグ12とがタイロッド13によっ
て連結されており、加工プラグ45は、フローティング
プラグ12及びタイロッド13に回転自在に支持されて
いる。
【0005】この内面溝付き管製造装置40の作用を述
べると、被加工管2は、引抜きダイス42中を引き抜か
れることによりその外径が減径され、このとき、被加工
管2内に位置するフローティングプラグ12は、その外
周を被加工管2の内壁に当接させて引抜きダイス42の
導入側に留められる。
【0006】そして、減径された被加工管2は、引き抜
き方向に移動して回転ヘッド20内に送り込まれる。こ
の回転ヘッド20の内側に設けられ、押さえリング2
1,22を介して2点支持されるボール23は、被加工
管2の外周に点接触しており、回転ヘッド20の矢印に
示す方向へ回転することによって回転ヘッド20の回転
方向と同一方向に回転し、被加工管2の外周を押圧す
る。
【0007】このボール23の押圧により被加工管2の
内壁は、外周に螺旋状の突起44が形成されている溝切
り加工プラグ45に押し当てられる。そして、溝切り加
工プラグ45は、被加工管2の移動に伴って回転し、ス
パイラル状の連続した溝39を有する内面溝付き管が形
成されることとなる。
【0008】被加工管2は、さらに引抜き方向に位置し
て設けられている引抜きダイス5で引き抜かれることに
より所定の外径に成型される。
【0009】このような、内面溝付き管製造装置40に
おいて、溝39の深さを調節するには、ボール23の公
転径を変化させている。即ち、ボール23の押し込み量
を変化させている。
【0010】この押し込み量を変化させるための従来例
として、押さえリング21,22とボール23の接触部
分の断面を図6に示す。
【0011】押さえリング21,22は、それぞれ対向
する側に先端に向けて細くなるテーパ部46,47が形
成されており、これらテーパ部46,47間にボール2
3を位置させることによりボール23を保持するように
なっている。
【0012】ボール23の押し込み量の調節は、被加工
管2の軸方向に2分割された一対の押さえリング21,
22の対向間隔を調整することで行う。対向間隔が狭い
(実線で示す部分)と押さえリング21,22の各テー
パ部46,47は近接し、ボール23が押し込まれ、ボ
ール23の公転径は小さくなる。その結果、ボール23
で押圧され被加工管2内面に形成される溝部39の深さ
が深くなる。
【0013】一方、対向間隔を広く(点線で示す部分)
すると各テーパ部46,47は離間し、ボール23の押
し込みは小さくなり、ボール23の公転径が大きくな
る。この結果、被加工管2内面に形成される溝部39の
深さは浅くなる。
【0014】つまり、押さえリング21,22の対向間
隔がR1移動すると、ボール23は径方向にS2だけ移
動し、押し込みが変化するものである。
【0015】一方、溝付き管の寸法測定は、溝付き管を
径方向に切断し、その切断面を研磨後、顕微鏡等を用い
て測定している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、被加工
管2を変えフィン高さ(溝部39の深さ)、底肉厚を変
えるには、僅かな肉厚の異なる被加工管を用意する必要
があり、その製造、管理に多大な労力を必要とする課題
がある。
【0017】また、加工具と外周部に突起を有する加工
プラグ45との隙間を調整する方法は、加工具を径方向
に移動可能な構造とする必要がある。加工具がロールの
場合、構造が複雑になる。
【0018】加工具がボール23の場合、ボール23と
溝切り加工プラグ45との隙間調整の一例として向かい
合わせた押さえリング21,22の距離を変えること
で、ボール23と押さえリング21,22の接触点を移
動し、ボール23を径方向に移動させることになる。
【0019】この場合、被加工管2を加工管入り口方向
に引き抜き、押さえリング21,22及び各ボール23
を取り出して押さえリング21,22間の距離を調節す
る必要があり、調整に時間がかかり、且つ、作業も繁雑
になるという課題もあった。
【0020】このように、従来方法では、フィン高さ、
底肉厚に微調整を行う場合、装置が複雑になったり、調
整に時間がかかったり、また、作業が繁雑になるなどの
課題があった。
【0021】また、溝付き管の溝部39の寸法測定で
は、溝付き管を径方向に切断し、研磨しなければなら
ず、作業性が悪かった。さらに、従来技術での転造部4
8の押し込み量の調整及び寸法測定では、内面溝付き管
の寸法出しの自動化に対応することは困難であった。
【0022】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、被加工管に形成するフィン高さ及び底肉厚を容易か
つ高精度に調節することができる内面溝付き管の製造方
法及び簡単な構造の内面溝付き管の製造装置を提供する
ことにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被加工管を引抜きダイスとそのダイス内に
配置されたフローティングプラグ間を通して縮径し、そ
の縮径した被加工管を転造部とその転造部内に配置され
た加工プラグ間を通して内面溝付き管を製造する方法に
おいて、上記加工プラグとして外形が先細のテ―パ状の
ものを用い、この加工プラグの転造部に対する位置を調
節して被加工管内に形成する溝の寸法を調節するもので
ある。
【0024】また、被加工管内にフローティングプラグ
と、そのフローティングプラグとタイロッドを介して接
続した外周に溝を有する加工プラグを配すると共に、そ
のフローティングプラグを引抜きダイス部に留めること
によって、加工プラグを被加工管を径方向内方に押し込
む転造部に配置し、被加工管を引抜きダイスとフローテ
ィングプラグ間で縮径した後、転造部と加工プラグ間で
内面溝付き管に加工する内面溝付き管製造装置におい
て、加工プラグの外形を先細のテーパ状に形成し、か
つ、その加工プラグを転造部に対して位置調整自在に設
けたものとするよい。
【0025】そして、加工プラグは、これと接続された
フローティングプラグを留める引抜きダイスを移動可能
とすることにより転造部に対して位置調整自在にされる
ものとするとよい。
【0026】また、加工プラグ外表面のテーパに合わせ
溝深さが変化する加工プラグを用いるものとするとよ
い。
【0027】そして、引抜きダイスはその支持部が移動
装置で被加工管の軸方向に移動可能に構成され、該移動
装置には引抜きダイスの移動量を検出する検出部が設け
られている構成とするとよい。
【0028】また、移動装置のアクチュエータにアクチ
ュエータの動作を制御する制御部を接続し、この制御部
に、上記引抜きダイスの移動量を入力する移動量設定部
と引抜きダイスの移動量を検出する検出部を夫々接続
し、上記制御部で、上記移動量設定部に設定された上記
引抜きダイスの移動量に上記検出部で検出される上記引
抜きダイスの移動量を一致させるようにアクチュエータ
を制御するものとするとよい。
【0029】そして、上記転造部の引き抜き側に被加工
管の溝部の寸法を計測する測定部を設ける一方、任意の
位置に上記被加工管に加工する溝部の寸法を設定する寸
法設定部を設け、その寸法設定部及び上記測定部を、ア
クチュエータを制御する制御部に夫々接続し、上記寸法
設定部に設定された溝部寸法から決まるおおよその引抜
きダイスの移動量に上記検出部で検出される引抜きダイ
スの移動量を一致させるようにアクチュエータを制御
し、一致したら上記寸法設定部に設定された溝部寸法に
上記測定部で計測される溝部寸法を一致させるようにア
クチュエータを制御するものとするとよい。
【0030】また、上記測定部は被加工管の溝深さを非
破壊で測定する測定部とするとよい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図
面に基づいて詳述する。
【0032】図1に示すように、内面溝付き管製造装置
1は、被加工管2を縮径させる引抜きダイス3と、引抜
きダイス3の引抜き側に配置される転造部4と、転造部
4のさらに引抜き側に配置される引抜きダイス5と、引
抜きダイス3を移動させるアクチュエータ8を有する移
動装置9と、引抜きダイス3の移動量を設定する移動量
設定部6と、引抜きダイス3の移動を制御する制御部7
と、引抜きダイス3の移動量を検出する検出部10と、
検出部10で検出された引抜きダイス3の移動量を表示
する移動量表示部11とからなる。
【0033】引抜きダイス3は、移動装置9に被加工管
2の軸方向に移動可能に設けられており、引抜きダイス
3内に挿通される被加工管2内にはフローティングプラ
グ12が配置されている。フローティングプラグ12は
くさび状の形状を有し、引抜きダイス3の導入側に被加
工管2に内接して位置されている。また、フローティン
グプラグ12には被加工管2の引き抜き方向に延びるタ
イロッド13の一端が連結されており、タイロッド13
の他端には被加工管2内に溝部39を形成するための加
工プラグ14がねじり方向に回転自在に連結されてい
る。
【0034】図2に示すように、加工プラグ14は、被
加工管2の送り側に位置される先端の径D1が、タイロ
ッド13に接続される側の径D2よりも径が小さい先細
のテーパ状に形成されており、外周に螺旋状の突起15
が形成されている。また、この突起15により形成され
る加工プラグ14外表面の溝16は、加工プラグ14の
先端から後端に向けて深くなるように、テーパ17に合
わせて溝深さが変わるように形成されている。そして、
加工プラグ14の転造部4に対する引き抜き方向の位置
を調節して後述するボール23と加工プラグ14との間
隔を調節するようになっている。
【0035】図1に示すように、転造部4は、加工プラ
グ14の外周側から被加工管2を径方向内方に押圧して
被加工管2を加工プラグ14に押し付けるためのもので
あり、基台18に固定された支持台19と、支持台19
に回転自在に支持されて被加工管2の外周を周方向に回
転する回転ヘッド20と、回転ヘッド20の内部に設け
られた一対の押さえリング21,22と、押さえリング
21,22によって2点支持され、被加工管2の外表面
に押圧される複数のボール23とからなる。
【0036】引抜きダイス5は、被加工管2を最終的な
径寸法に縮径させるためのものであり、引抜きダイス3
と同じ向きを向くように基台18に固定されている。
【0037】移動装置9は、被加工管2の引抜き方向前
後に向かい合わせとなるように基台18上に固定された
一対の支持部24,25と、これら支持部24,25間
に回転自在に掛け渡され外周に雄ネジの切られた送りロ
ッド26と、引抜きダイス3に一体に設けられ送りロッ
ド26に螺合されるナット27と、送りロッド26に複
数の歯車28a,28bからなる動力伝達装置28を介
して連結されるアクチュエータ8とからなり、送りロッ
ド26が回転されることにより引抜きダイス3を被加工
管2の引抜き方向前後に移動させるようになっている。
アクチュエータ8は、具体的にはサーボモータ等の回転
角度を自在に制御できる電動機であり、図示しない電源
に接続されている。
【0038】移動量設定部6は、外部から引抜きダイス
3の移動量を入力するための手段であり、制御部7に接
続されている。
【0039】制御部7は、移動量設定部6及び検出部1
0から送られる値を基にアクチュエータ8の回転方向及
び回転量を制御するものであり、この制御部7には移動
量設定部6、検出部10及びアクチュエータ8の他、移
動量表示部11が接続されている。
【0040】検出部10は、引抜きダイス3の移動軌跡
に沿って基台18上に設けられており、その内部には引
抜きダイス3の存在を検知する素子(図示せず)が多数
埋め込まれている。
【0041】次に作用を述べる。
【0042】内面溝付き管を製造する場合、まず移動量
設定部6に所望の移動量を設定する。移動量設定部6に
設定された移動量は、信号として制御部7に送られ、同
時に検出部10は、引抜きダイス3の位置情報を検出し
て制御部7に送る。
【0043】制御部7は、移動量設定部6の信号と検出
部10の信号を基に、アクチュエータ8に制御信号を送
る。
【0044】アクチュエータ8は、制御部7からの信号
に基づき回転する。アクチュエータ8の回転は、動力伝
達装置28を介して送りロッド26に伝わり、送りロッ
ド26が回転することとなる。このため、送りロッド2
6に螺合されているナット27に回転軸方向に向かう力
がかかり、引抜きダイス3がその方向に移動されること
となる。
【0045】この間、引抜きダイス3の移動量は、検出
部10に常に検出されて制御部7に信号として送られて
おり、制御部7では検出部10から送られてくる信号を
移動量表示部11に送りつつ、既に制御部7から送られ
ている信号とその都度比較している。そして、制御部7
は、検出部10から送られてくる信号と制御部7の信号
とを一致させるように、アクチュエータ8の回転を止め
る。
【0046】移動量表示部11では、制御部7から送ら
れる移動量を逐次表示しており、引抜きダイス3の移動
状況が一目でわかるようになっている。
【0047】また、引抜きダイス3が移動されることに
より、引抜きダイス3の導入側に被加工管2に内接して
位置されているフローティングプラグ12は、引抜きダ
イス3と共に移動され、フローティングプラグ12に連
結されている加工プラグ14も移動される。
【0048】具体的には、引抜きダイス3が被加工管2
の引き抜き方向に移動された場合、フローティングプラ
グ12は引き抜かれる被加工管2との摩擦力により引抜
きダイス3と同じ方向に同じ距離だけ移動され、加工プ
ラグ14も引抜きダイス3と同じ方向に同じ距離だけ移
動されることとなる。加工プラグ14は、先細のテーパ
状に形成されているため、ボール23の位置で加工プラ
グ14の径が大きくなり、ボール23と加工プラグ14
との間隔が狭まって押し込み力が大きくなる。また、加
工プラグ14の先端から後端に向けて溝16が深くなる
ように形成されているため、被加工管2に深い溝部39
を形成し、底肉厚を薄く形成することとなる。
【0049】そして、引抜きダイス3が引き抜き方向と
は反対の方向に移動された場合、フローティングプラグ
12は引抜きダイス3の導入部に被加工管2を介して押
されることにより引抜きダイス3と同じ方向に同じ距離
だけ移動され、加工プラグ14も引抜きダイス3と同じ
方向に同じ距離だけ移動されることとなる。加工プラグ
14は、先細のテーパ状に形成されているため、ボール
23の位置で加工プラグ14の径が小さくなり、ボール
23と加工プラグ14との間隔が拡がって押し込み力が
小さくなる。また、加工プラグ14の後端から先端に向
けて溝16が浅くなるように形成されているため、被加
工管2に浅い溝部39を形成し、底肉厚を厚く形成する
こととなる。
【0050】このように、被加工管2を引抜きダイス3
と引抜きダイス3内に配置されたフローティングプラグ
12内を通して縮径し、その縮径した被加工管2を転造
部4と転造部4内に配置された加工プラグ14間を通し
て内面溝付き管を製造する方法において、加工プラグ1
4を先細のテーパ状に形成し、加工プラグ14の転造部
4に対する位置を調節して被加工管2内に形成する溝部
39の寸法を調節するようにしたため、転造部4に対し
て加工プラグ14の位置を調節することで、被加工管2
の内面に所望の寸法の溝16を形成することが可能とな
る。
【0051】また、加工プラグ14を先細のテーパ状に
形成し、かつ、その加工プラグ14を転造部4に対して
位置調整自在に設けたため、製造する内面溝付き管の溝
寸法を調節する際に、その都度被加工管2を内面溝付き
管製造装置1から取り外すことなく調節でき、作業効率
が向上する。
【0052】そして、引抜きダイス3を移動可能に設け
て加工プラグ14を転造部4に対して位置調整自在にし
たため、簡易な構造で容易に加工プラグ14とボール2
3の間の押し込み力を調節することができる。
【0053】また、加工プラグ14外表面のテーパ17
に合わせ溝深さが変化する加工プラグ14を用いるた
め、被加工管2の押し込み力に対応する最適な溝深さで
被加工管2内に溝部39を形成することができる。
【0054】そして、引抜きダイス3は、移動装置9で
被加工管2の軸方向に移動可能に設けられ、その移動量
を検出する検出部10が設けられ、引抜きダイス3の移
動で、被加工管2の径方向に被加工管2を加工プラグ1
4に押し込む転造部4での、加工プラグ14への押し込
み量の調整を行うものであるため、容易に加工プラグ1
4とボール23の間の押し込み力を調節できる。
【0055】また、移動装置9のアクチュエータ8に制
御部7を接続し、制御部7に、移動量設定部6を接続す
ると共に検出部10を接続し、制御部7で、移動量設定
部6に設定された引抜きダイス3の移動量に検出部10
で検出される引抜きダイス3の移動量を一致させるよう
にアクチュエータ8を制御するため、迅速かつ正確に引
抜きダイス3を所望の位置に移動させることができ、容
易に加工プラグ14とボール23の間の押し込み力を調
節できる。
【0056】なお、上記実施の形態にて移動装置9を支
持部24,25と、送りロッド26と、ナット27と、
アクチュエータ8とからなるものとしたが、これにとら
われるものではなく、引抜きダイス3を連続的に移動さ
せることができ、かつ、任意の位置に固定することので
きる移動装置であれば他の移動装置であってもよい。
【0057】次に他の実施の形態を述べる。
【0058】図3に示すように、内面溝付き管製造装置
30は、図1に示す内面溝付き管製造装置1の制御系
(移動量設定部6及び制御部7等)に変更を加えたもの
である。
【0059】内面溝付き管製造装置30は、内面溝付き
管製造装置1の移動量設定部6に代えて寸法設定部31
を有し、引抜きダイス5の引抜き側に被加工管2の溝深
さを非破壊で測定する寸法測定部32を有する。
【0060】また、内面溝付き管製造装置30の制御部
33は、寸法設定部31、寸法測定部32、アクチュエ
ータ8、検出部10及び移動量表示部11にそれぞれ接
続されており、寸法測定部32で測定される被加工管2
の溝深さを寸法設定部31で設定された寸法値に近付け
るようにアクチュエータ8を制御するようになってい
る。
【0061】図3及び図4に示すように、寸法測定部3
2は、被加工管2に向けて放射線(例えばX線等)を照
射する放射線源34と、この放射線源34から照射され
た放射線を検出するための放射線検出部35と、放射線
量の変化信号を寸法変化に算出する処理部36と、放射
線源34及び放射線検出部35を囲繞して放射線を遮蔽
するケーシング37とからなる。
【0062】放射線源34は、被加工管2の真上に適宜
離間して配置されており、被加工管2と直交する方向か
ら被加工管2に放射線を照射できるように配置されてい
る。放射線検出部35は、被加工管2の真下に配置され
ており、特に被加工管2の中心付近を透過した放射線を
検出できるようになっている。
【0063】次に作用を述べる。
【0064】内面溝付き管を製造する場合、まず寸法設
定部31に被加工管2に形成したい溝部寸法を設定す
る。
【0065】制御部33は、寸法設定部31からの信号
(溝寸法値)を受け取ると、予め求めてある引抜きダイ
ス3の移動量と溝部寸法との関係からおおまかな移動距
離を求め、この移動距離と、検出部10からの信号とを
基に、アクチュエータ8に制御信号を送る。
【0066】アクチュエータ8は、制御部33からの信
号に基づき回転する。アクチュエータ8の回転は、動力
伝達装置28を介して送りロッド26に伝わり、送りロ
ッド26が回転することとなる。このため、送りロッド
26に螺合されているナット27に回転軸方向に向かう
力がかかり、引抜きダイス3がその方向に移動されるこ
ととなる。
【0067】この間、引抜きダイス3の移動量は、検出
部10に常に検出されて制御部33に信号として送られ
ており、制御部33では検出部10から送られてくる信
号を移動量表示部11に送りつつ、既に制御部33から
送られている信号とその都度比較している。そして、制
御部33は、検出部10から送られてくる信号と制御部
33の信号とが一致したら、寸法測定部32を作動させ
て被加工管2の溝部39の寸法Hf を測定する。測定さ
れた溝部寸法Hf は、信号として制御部33に送られ、
制御部33は、この信号(溝部寸法Hf )と予め寸法設
定部31から送られている信号と対比し、寸法チェック
を行う。測定された溝部寸法Hf が所定寸法以外の時
は、押し込み量を増加させるか、減少させるかの判断を
行い、アクチュエータ8に制御信号を送る。そして、検
出部10から送られてくる信号を逐次チェックしなが
ら、引抜きダイス3を移動させる。
【0068】そして、このように内面に溝部39の形成
された被加工管2の溝部寸法測定を行いながら設定値と
比較し、フィードバック制御をしながら引抜きダイスの
移動を行うことで溝部39の深さが所定寸法となる引抜
きダイス3の位置が求まり、被加工管2に溝部寸法Hf
の溝部39が形成されると共に、底肉厚Tw が溝部寸法
f に応じた厚さに形成されることとなる。
【0069】またこの間、移動量表示部11では、制御
部33から送られる移動量を逐次表示しており、引抜き
ダイス3の移動状況が一目でわかるようになっている。
【0070】引抜きダイス3の移動量と被加工管2の溝
部寸法の関係は、暫時更新しながら記憶されるようにな
っており、次回調整時のデータとなる。
【0071】また、寸法測定部32では、次のように非
破壊で寸法測定を行う。
【0072】放射線源34より照射された放射線は、ワ
ーク38上にある被加工管2を透過し、放射線検出部3
5に到達する。放射線検出部35に到達する放射線量
は、被加工管2の透過厚さにより変化する。
【0073】被加工管2の横断面の中心近傍を通過する
放射線量は、被加工管2の横断面が円形である影響が極
めて小さく、溝部寸法により変化することになる。この
被加工管2の横断面の中心近傍を通過する放射線量の変
化信号を処理部36により、寸法変化に算出し、制御部
33へ送る。
【0074】このように、引抜きダイス5の引き抜き側
に、被加工管2の溝部39の寸法を計測する寸法測定部
32を設け、アクチュエータ8にアクチュエータ8の動
作を制御する制御部33を接続し、制御部33に、被加
工管2に加工する溝部寸法を設定する寸法設定部31を
接続すると共に寸法測定部32及び検出部10を接続
し、寸法設定部31に設定された溝部寸法から決まるお
およその移動量に検出部10で検出される移動量を一致
させるようにアクチュエータ8を制御し、一致したら寸
法設定部31に設定された溝部寸法に寸法測定部32で
計測される溝部寸法Hf を一致させるようにアクチュエ
ータ8を制御するものとしたため、寸法設定部31に所
望する溝深さを設定するだけで、容易に設定深さの溝部
39を形成することができる。
【0075】また、引抜きダイス5の引き抜き側に被加
工管2の溝深さを非破壊で測定する寸法測定部32を設
けたため、被加工管2の溝深さを非破壊で測定しつつ被
加工管内に形成する溝部39の寸法を調節できる。
【0076】そして、引抜きダイス3の移動量と被加工
管2の溝部寸法の関係を用いておおまかな移動量を求
め、予めこの移動量だけ引抜きダイス3を移動させてお
くため、比較的時間のかかるX線測定を用いての制御を
引抜きダイス3の位置微調整のみとすることができ、引
抜きダイス3を迅速に所定の位置に移動させることがで
きる。
【0077】また、引抜きダイス3の移動量と被加工管
2の溝部寸法Hf の関係を、暫時更新しながら記憶する
ようにしたため、寸法設定部31に設定される溝部寸法
から求まる引抜きダイス3の移動量を高精度なものとす
ることができ、引抜きダイス3を迅速に所定の位置に移
動させることができる。
【0078】そして、引抜きダイス5の引抜き側に被加
工管2の溝深さを非破壊で測定する寸法測定部32を配
置し、ほぼ加工が終わった被加工管2の溝深さを基準に
引抜きダイス3の移動を制御するため、加工終了時の被
加工管2の溝部39を確実に所望の溝寸法に形成するこ
とができる。
【0079】なお、寸法測定部は、放射線を用いるもの
に限るものではなく、非破壊で被加工管の溝深さを計測
できるものであれば他のものであってもよい。
【0080】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。
【0081】(1)請求項1に記載の発明によれば、転
造部に対して加工プラグの位置を調節することで、被加
工管の内面に所望の寸法の溝を高精度で形成することが
可能となる。
【0082】(2)請求項2に記載の発明によれば、被
加工管を内面溝付き管製造装置から取り外さなくとも内
面溝付き管内に形成する溝の寸法を調節できる。
【0083】(3)請求項3に記載の発明によれば、容
易に加工プラグとボールの間の押し込み力を調節するこ
とができる。
【0084】(4)請求項4に記載の発明によれば、被
加工管の押し込み力に対応する最適な溝深さの加工プラ
グで被加工管内に溝を形成することができる。
【0085】(5)請求項5に記載の発明によれば、容
易に加工プラグとボールの間の押し込み力を調節でき
る。
【0086】(6)請求項6に記載の発明によれば、引
抜きダイスを迅速かつ正確に所望の位置に移動させるこ
とができる。
【0087】(7)請求項7に記載の発明によれば、被
加工管に容易に設定深さの溝を形成することができる。
【0088】(8)請求項8に記載の発明によれば、被
加工管の溝深さを非破壊で測定しつつ内面溝付き管内に
形成する溝の寸法を調節できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す内面溝付き管製
造装置の側断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】他の実施の形態を示す内面溝付き管製造装置の
側断面図である。
【図4】図3の要部説明図である。
【図5】従来の内面溝付き管製造装置の側断面図であ
る。
【図6】図5の要部説明図である。
【符号の説明】
1 内面溝付き管製造装置 2 被加工管 3 引抜きダイス 4 転造部 6 移動量設定部 7 制御部 8 アクチュエータ 9 移動装置 10 検出部 12 フローティングプラグ 13 タイロッド 14 加工プラグ 16 溝 17 テーパ 31 寸法設定部 32 寸法測定部(測定部) 33 制御部 39 溝部

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工管を引抜きダイスとそのダイス内に
    配置されたフローティングプラグ間を通して縮径し、そ
    の縮径した被加工管を転造部とその転造部内に配置され
    た加工プラグ間を通して内面溝付き管を製造する方法に
    おいて、上記加工プラグとして外形が先細のテ―パ状の
    ものを用い、この加工プラグの転造部に対する位置を調
    節して被加工管内に形成する溝の寸法を調節することを
    特徴とする内面溝付き管の製造方法。
  2. 【請求項2】被加工管内にフローティングプラグと、そ
    フローティングプラグとタイロッドを介して接続した
    外周に溝を有する加工プラグを配すると共に、そのフロ
    ーティングプラグを引抜きダイス部に留めることによっ
    て、加工プラグを被加工管を径方向内方に押し込む転造
    部に配置し、被加工管を引抜きダイスとフローティング
    プラグ間で縮径した後、転造部と加工プラグ間で内面溝
    付き管に加工する内面溝付き管製造装置において、加工
    プラグの外形を先細のテーパ状に形成し、かつ、その加
    工プラグを転造部に対して位置調整自在に設けたことを
    特徴とする内面溝付き管製造装置。
  3. 【請求項3】加工プラグは、該加工プラグと接続された
    フローティングプラグを留める引抜きダイスが移動可能
    に設けられて転造部に対して位置調整自在にされる請求
    項2記載の内面溝付き管製造装置。
  4. 【請求項4】加工プラグ外表面のテーパに合わせ溝深さ
    が変化する加工プラグを用いる請求項2又は3に記載の
    内面溝付き管製造装置。
  5. 【請求項5】引抜きダイスはその支持部が移動装置で被
    加工管の軸方向に移動可能に構成され、該移動装置には
    引抜きダイスの移動量を検出する検出部が設けられてい
    る請求項2、3又は4記載の内面溝付き管製造装置。
  6. 【請求項6】移動装置のアクチュエータにアクチュエー
    タの動作を制御する制御部を接続し、該制御部に、上記
    引抜きダイスの移動量を入力する移動量設定部と引抜き
    ダイスの移動量を検出する検出部を夫々接続し、上記制
    御部で、上記移動量設定部に設定された上記引抜きダイ
    スの移動量に上記検出部で検出される上記引抜きダイス
    の移動量を一致させるようにアクチュエータを制御する
    請求項5記載の内面溝付き管製造装置。
  7. 【請求項7】上記転造部の引き抜き側被加工管の溝部
    の寸法を計測する測定部を設ける一方、任意の位置に
    記被加工管に加工する溝部の寸法を設定する寸法設定部
    設け、その寸法設定部及び上記測定部を、アクチュエ
    ータを制御する制御部に夫々接続し、上記寸法設定部に
    設定された溝部寸法から決まるおおよその引抜きダイス
    移動量に上記検出部で検出される引抜きダイスの移動
    量を一致させるようにアクチュエータを制御し、一致し
    たら上記寸法設定部に設定された溝部寸法に上記測定部
    で計測される溝部寸法を一致させるようにアクチュエー
    タを制御する請求項5記載の内面溝付き管製造装置。
  8. 【請求項8】上記測定部が加工管の溝深さを非破壊で測
    定する測定部である請求項7記載の内面溝付き管製造装
    置。
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