JP3186133B2 - 熱間補修用珪石れんが - Google Patents

熱間補修用珪石れんが

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JP3186133B2 JP29919891A JP29919891A JP3186133B2 JP 3186133 B2 JP3186133 B2 JP 3186133B2 JP 29919891 A JP29919891 A JP 29919891A JP 29919891 A JP29919891 A JP 29919891A JP 3186133 B2 JP3186133 B2 JP 3186133B2
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紀郎 廣永
美津夫 神田
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慶二 西本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コークス炉炉壁れんが
の熱間積み替え補修等に使用する耐熱スポーリング性に
優れた熱間補修用珪石れんがに関する。
【0002】
【従来の技術】コークス炉炉壁には従来から主として珪
石れんがが使用されている。
【0003】ところが、従来の珪石れんがは、クリスト
バライトおよびトリジマイトを主鉱物としており、これ
らの鉱物が130〜270℃の温度領域で転移し、大き
な容積変化を生じるため耐熱スポ−リング性に極めて劣
り、そのまま熱間で積み替え補修に使用することは困難
である。
【0004】そのため、比較的耐熱スポーリング性に優
れた珪石質以外の粘土質、アルミナ質、炭化珪素質等の
れんがを補修に使用することも考えられるが、珪石れん
がとの熱間膨張性の差によるれんが間の目地切れによる
ガスリークなどが懸念されるため実用化されるには至っ
ていない。
【0005】この問題を解決するための手段として、例
えば、特公平1−38074号公報には、粒径が0.7
mm以上の溶融石英の粗粒を30〜70重量%含む耐熱
衝撃性珪石れんがの使用が開示されている。このれんが
は、溶融石英粒の内部に残存している石英ガラスの低熱
膨張性を利用して耐熱衝撃性を付与したものである。
【0006】このれんがは、従来の珪石れんがに比べて
確かにある程度、耐熱スポーリング性は優れてはいる
が、必ずしも、熱間補修用のれんがとして充分なレベル
に達したとは言えない。
【0007】すなわち、コークス炉炉壁れんがの熱間積
み替え補修に際しては、補修部分を約600℃程度まで
冷却してから補修を実施するが、この耐熱衝撃性を改善
した珪石れんがを、外気の下での常温から600℃程度
の炉内雰囲気に挿入した場合には、れんがそのものに亀
裂または微亀裂が発生するからである。
【0008】この対策として、コークス炉の補修部分を
600℃以下にまで冷却することも考えられるが、珪石
れんがの特性として600℃以上の温度範囲では熱膨張
収縮すなわち、容積変化が極めて小さく、耐熱スポーリ
ング性に優れてはいるが、600℃以下では徐々に容積
変化が大きくなり、炉壁れんが自体の熱スポールが問題
となり始めるため、600℃以下まで補修部分を冷却す
ることは望ましいことではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明において解決す
べき課題は、コークス炉炉壁れんがの熱間積み替え補修
時に常温から600℃程度の炉内雰囲気に持ち込んでも
亀裂を生じることがないように、補修用珪石れんがの耐
熱スポーリング性の改善策を確立することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、珪石れんが表
面に熱衝撃を緩和するための板状の保護材を貼付した
間補修用珪石れんがにおいて、板状の保護材が可燃性と
したことを特徴とする。
【0011】
【0012】珪石れんがとしては溶融石英を30〜70
重量%含み、残部が珪石よりなるものに適用したとき、
その効果は著しいものがある。
【0013】
【作用】珪石れんが表面に保護材を貼付することによ
り、珪石れんがを常温から熱間雰囲気に持ち込んだとき
の熱衝撃を緩和することによって、耐熱スポーリング性
は格段に向上する。
【0014】しかしながら、補修後のコークス炉稼働中
まで保護材れんが表面に残存していると、珪石れんが炉
壁の熱伝導率を低下させるため望ましくない。このた
め、保護材は、補修後に燃焼して消失するように可燃性
のものを使用することが望ましい。
【0015】可燃性保護材としては、木質の板、厚紙、
コルク、アクリルなどの有機質の可燃性物質を保護材と
して用いると熱間挿入後に保護材は完全に消失し、か
つ、れんがの耐熱衝撃性も向上する。この可燃性の保護
材は、熱間雰囲気挿入と同時に炭化、分解あるいは燃焼
し始めるため、効果を定量的に評価するのは非常に困難
であるが、熱間雰囲気からの放射あるいは空気の対流に
よるれんが表面への伝熱を一定時間緩和することによ
り、珪石れんがの耐熱スポーリング性を向上させるもの
と考えられる。
【0016】
【実施例】
実施例1 表1に示す配合組成を有する珪石れんがに、表面の保護
材として厚み6mmのベニア板を貼付し、常温から50
0℃の熱間雰囲気に挿入した。
【0017】
【表1】 図1に供試れんがの表面の温度変化を、保護材を貼付し
ない場合と比較して示す。同図に示すように、ベニア板
を貼付した場合には、無貼付の場合に比べて、珪石れん
がのスポーリングに最も影響を与える300℃以下で、
れんが表面の温度上昇が緩やかになっている。300℃
以上では、ベニア板の燃焼により急激にれんが表面の温
度が上昇している。このように熱衝撃を緩和するための
保護材として、可燃性の物質が優れたものであることが
分かる。
【0018】実施例2 表2は本発明に基づく珪石れんがの耐熱スポーリング性
の評価を行った結果を示す。
【0019】同表は、表1に示す配合組成を有する珪石
れんがに、保護材としてベニア板を貼付した場合を実施
例No.1とし、ボール紙を貼付した場合を実施例N
o.2として所定温度に保定した炉に挿入し、2時間所
定温度を維持した後のれんがの状態を観察した結果を示
し、れんがに、亀裂が生じない最高の熱間挿入可能温度
を無貼付の比較例の場合と共に示した。
【0020】
【表2】 実施例No.1および2に使用した保護材は、コークス
炉炉壁用れんがの燃焼室および炭化室側の面に貼付して
おり、その他の面には、モルタルを塗布したものであ
る。
【0021】表2から明らかなように、比較例の保護材
無貼付では、450℃を超える雰囲気への挿入により亀
裂が生じるのに対し、ベニア板を貼付した実施例No.
1では650℃まで、ボール紙を貼付した実施例No.
2では600℃雰囲気挿入後でも全くれんがに異常は認
められなかった。また、保護材は、試験後には完全に灰
化して、れんが面には全く残存しておらず、補修後にれ
んがの熱伝導率を低下させる恐れは全くないものであっ
た。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る熱間補修用珪石れんがは、
耐熱スポーリング性に極めて優れたものであって、表面
亀裂の発生のおそれがなく、且つ、コークス炉炉壁れん
がの補修部分を600℃以下に冷却することなく、熱間
積み替え補修の効率を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る保護板を表面に貼付した珪石れ
んがを加熱雰囲気に装入したときの表面温度の変化を、
無貼付の比較例と共に示す。
フロントページの続き (72)発明者 西本 慶二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株 式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 昭61−86486(JP,A) 特開 平1−38074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/82 C04B 41/83 F27D 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に熱衝撃を緩和するための板状の
    保護材を貼付した熱間補修用珪石れんがにおいて、板状
    の保護材が可燃性である熱間補修用珪石れんが。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、珪石れんが
    が、溶融石英を30〜70重量%含み、残部が珪石より
    なる熱間補修用珪石れんが
JP29919891A 1991-11-14 1991-11-14 熱間補修用珪石れんが Expired - Fee Related JP3186133B2 (ja)

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