JPH0138074B2 - - Google Patents
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- JPH0138074B2 JPH0138074B2 JP59213385A JP21338584A JPH0138074B2 JP H0138074 B2 JPH0138074 B2 JP H0138074B2 JP 59213385 A JP59213385 A JP 59213385A JP 21338584 A JP21338584 A JP 21338584A JP H0138074 B2 JPH0138074 B2 JP H0138074B2
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Landscapes
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、耐熱衝撃性に極めて優れた珪石れん
がに係り、特にコークス炉炭化室炉壁などの熱間
補修に使用するに好適な耐熱衝撃性珪石れんがに
関する。 [従来の技術] 従来の珪石れんがは、周知の如く、低温度域に
おける急熱急冷抵抗性に著しく弱く非常に割れ易
い性質がある。その理由は、れんが中の主鉱物相
のトリジマイト、クリストバライトが100〜300℃
の温度域で結晶構造の転移を起こし、受熱温度の
変化に対して急激に容積変化が生じ、異常膨張ま
たは異常収縮するためである。そのため、従来の
珪石れんがは、冷間から予熱することなく直ちに
熱間の炉内に持ち込んで修理に供することは不可
能であつた。 この際の割れを防ぐためには、珪石れんがを
0.3℃/分以下の昇温速度で350〜400℃程度以上
に予熱してから熱間の炉内に持ち込み、補修する
方法が過去において実施されている。しかしなが
ら、この方法は安全性、作業性の面で大きな問題
がある。 そこでれんがを常温のまま熱間の炉内に持ち込
んでも割れ難い他の品質のれんが、例えば、粘土
質れんが、高アルミナ質れんが、炭化珪素質れん
が等がコークス炉炭化室炉壁の差し込み補修に用
いられたこともある。 一方、溶融石英れんがは、周知の如く熱間線膨
張収縮率が極めて小さいので、急熱急冷しても極
めて割れ難い性質がある。このれんがは常温のま
まで熱間の炉内に持ち込んでも割れることなく補
修に使用することができる。 良く知られているように、れんがの耐スポーリ
ング性はれんがを構成する鉱物相の熱膨張率に左
右される。この鉱物相の熱膨張率が大きい場合に
は、耐スポーリング性が小さくなり、逆に鉱物相
の熱膨張率が小さい場合には耐スポーリング性が
良くなる。 即ち、れんがを構成する鉱物相の熱膨張率が大
きくなと熱変化に対してれんが内の歪応力が大き
くなり、この歪応力に耐えられなくなつた組織が
破壊することによつてれんがに割れ(亀裂)が起
こる。下記表1は1000℃における溶融石英、クリ
ストバライト及びトリジマイトの熱間線膨張率を
示すものであるが、溶融石英(石英ガラス)は、
他の結晶質であるクリストバライト及びトリジマ
イトに比し熱間線膨張率が極めて小さいので、耐
スポーリング性に優れ、極めて割れ難い性質を有
する。
がに係り、特にコークス炉炭化室炉壁などの熱間
補修に使用するに好適な耐熱衝撃性珪石れんがに
関する。 [従来の技術] 従来の珪石れんがは、周知の如く、低温度域に
おける急熱急冷抵抗性に著しく弱く非常に割れ易
い性質がある。その理由は、れんが中の主鉱物相
のトリジマイト、クリストバライトが100〜300℃
の温度域で結晶構造の転移を起こし、受熱温度の
変化に対して急激に容積変化が生じ、異常膨張ま
たは異常収縮するためである。そのため、従来の
珪石れんがは、冷間から予熱することなく直ちに
熱間の炉内に持ち込んで修理に供することは不可
能であつた。 この際の割れを防ぐためには、珪石れんがを
0.3℃/分以下の昇温速度で350〜400℃程度以上
に予熱してから熱間の炉内に持ち込み、補修する
方法が過去において実施されている。しかしなが
ら、この方法は安全性、作業性の面で大きな問題
がある。 そこでれんがを常温のまま熱間の炉内に持ち込
んでも割れ難い他の品質のれんが、例えば、粘土
質れんが、高アルミナ質れんが、炭化珪素質れん
が等がコークス炉炭化室炉壁の差し込み補修に用
いられたこともある。 一方、溶融石英れんがは、周知の如く熱間線膨
張収縮率が極めて小さいので、急熱急冷しても極
めて割れ難い性質がある。このれんがは常温のま
まで熱間の炉内に持ち込んでも割れることなく補
修に使用することができる。 良く知られているように、れんがの耐スポーリ
ング性はれんがを構成する鉱物相の熱膨張率に左
右される。この鉱物相の熱膨張率が大きい場合に
は、耐スポーリング性が小さくなり、逆に鉱物相
の熱膨張率が小さい場合には耐スポーリング性が
良くなる。 即ち、れんがを構成する鉱物相の熱膨張率が大
きくなと熱変化に対してれんが内の歪応力が大き
くなり、この歪応力に耐えられなくなつた組織が
破壊することによつてれんがに割れ(亀裂)が起
こる。下記表1は1000℃における溶融石英、クリ
ストバライト及びトリジマイトの熱間線膨張率を
示すものであるが、溶融石英(石英ガラス)は、
他の結晶質であるクリストバライト及びトリジマ
イトに比し熱間線膨張率が極めて小さいので、耐
スポーリング性に優れ、極めて割れ難い性質を有
する。
【表】
また、珪石れんがと粘土質れんがの中間的性質
を有するセミシリカれんがは、熱間線膨張率が低
く割れに対して比較的強い性質があり、いずれも
炉壁への使用が検討されている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前述の粘土質れんが、高アルミ
ナ質れんが、炭化珪素質れんが等をコークス炉炭
化室炉壁の差し込み補修に用いる方法は、これら
を珪石れんが積みの炉壁の一部に混用した場合、
熱間性状、特に熱間線膨張率の違いによつて反
り、割れなどが生じ、れんが間の目地や割れ部分
などからガスリークを起こしたり、差し込みれん
がの強度が低下したりなどするため、期待する効
果は得られていない。 また、溶融石英れんがは、実炉に使用された場
合、特に1100℃以上になると溶融石英がクリスト
バライトに転移し、容積変化を起こしてれんが組
織に亀裂が発生し、強度が低下するためにコーク
ス炉などでは長期使用に耐えないことが認められ
ている。特に従来の溶融石英れんがは、溶融石英
のうち相当量が微粉として添加されているので、
クリストバライト転移速度が大きくなり、そのた
めに早期にれんが組織に亀裂が発生し易かつた。 さらに、セミシリカれんがは、高温度域での耐
クリープ性状が珪石れんがに比べて著しく小さい
ので、コークス炉炭化室炉壁の補修には、構造体
の強度不足の観点から実用的ではない。 従つて、従来より耐熱衝撃性に極めて優れてお
り、常温のまま熱間の窯炉内に持ち込んでれんが
壁の積み替えや補修に供しても割れることなく、
しかもそのまま断続使用し得るれんがの出現望ま
れていた。 [問題を解決するための手段] 本発明は、上記従来の問題点を解消し、耐熱衝
撃性に極めて優れ、常温のままで熱間の炉内に持
ち込んで珪石れんが壁の積み替や補修に供しても
割れることがなく、しかもそのまま継続使用し得
る耐熱衝撃性を有する珪石れんがを提供すること
を目的としてなされたものである。 かかる目的を達成するために、本発明は 溶融石英の粗粒と珪石とを含む珪石れんがであ
つて、溶融石英粒の周辺がリム状にクリストバラ
イト及び/又はトリジマイトに転移して殻を形成
しており、内部が非結晶質であることを特徴とす
る耐熱衝撃性珪石れんが、 を要旨とするものである。 以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
なお、以下の記載において、含有率に係る%はい
ずれも重量%を表す。 本発明の珪石れんがにおいては、溶融石英粗粒
の表面部分がクリストバライト及び/又はトリジ
マイトに転移し、これによつて、溶融石英粒の表
面にリム状に殻が形成されている。この溶融石英
粗粒の表面、即ち殻は、溶融石英粒をとりまく珪
石れんが組織(後述のように、好ましくは一般の
珪石れんが組織)と結合されている。なお、溶融
石英粗粒の内部は、未転移の石英ガラス相から成
る。 このリム状の殻を形成させことにより、溶融石
英粗粒中の石英ガラスがクリストバライト及び/
又はトリジマイトに転移しても粗粒の容積変化が
防止される。また殻とその周囲組織とを結合させ
ることにより、れんが組織を強固にさせ、れんが
取り扱い時および搬送時における必要な圧縮強度
を従来のコークス炉仕様である、200Kg/cm2程度
の値とすることができる。 溶融石英粗粒の表面部分に形成するリム状の殻
の厚さは、れんがの膨張率を小さくするためには
薄いほど良いが、溶融石英粒内部の石英ガラスが
転移する際の容積変化を十分に抑制し得るように
するためには、30〜100μmの程度の厚さとする
のが好ましく、とりわけ50μmとするのが好まし
い。 溶融石英粗粒の内部は、前述のように、未転移
の石英ガラス相として存在しているのであるが、
この未転移の石英ガラス相は50%以上存在するよ
うに、換言するとクリストバライト及び/又はト
リジマイトへの転移量が50%未満とするのが好ま
しい。表2は、転移量の異なる溶融石英粗粒を用
いて製造した珪酸れんがの急熱時における亀裂発
生状況について試験した結果を示すものである。
この表2により、溶融石英粗粒中の残存石英ガラ
ス量が50%未満であると急熱時に亀裂が極めて生
じ易いことが認められる。従つて、れんがを予熱
することなく熱間の炉内に持ち込んで使用できる
ようにするために、転移量は50%未満とするのが
好ましいのである。 なお、溶融石英粒の表面部分のクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトへの転移により形成さ
れた結晶質殻の厚さは鉱物顕微鏡により測定する
ことができる。即ち、結晶質殻はクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトの鱗片状結晶により形
成されているため、鉱物顕微鏡により明瞭に内部
の非晶質部分との境界を確認することができ、そ
の厚さを顕微鏡用マイクロメータで読み取ること
により、容易に結晶質殻の厚さを測定することが
できる。 また、溶融石英粒の表面部分のクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトへの転移量は、X線回
折装置を用いて検量線法により測定することがで
きる。即ち、まず、焼成珪石(微粉)のクリスト
バライト(及び/又はトリジマイト)量を予め求
めておき、配合割合との検量線を作製する。次
に、本発明の珪石れんがの溶融石英以外のクリス
トバライト(及び/又はトリジマイト)(Y)を
配合量から検量線より求める。別に、本発明の珪
石れんがのクリストバライト(及び/又はトリジ
マイト)量(Z)をX線回折装置を用いて測定す
る。溶融石英の転移により生じたクリストバライ
ト(及び/又はトリジマイト)量(X)は、全体
のクリストバライト(及び/又はトリジマイト)
(Z)から、検量線により求められるクリストバ
ライト(及び/又はトリジマイト)(Y)を差し
引いた増量分として、下記式にて算出することが
できる。 X=Z−Y
を有するセミシリカれんがは、熱間線膨張率が低
く割れに対して比較的強い性質があり、いずれも
炉壁への使用が検討されている。 [発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前述の粘土質れんが、高アルミ
ナ質れんが、炭化珪素質れんが等をコークス炉炭
化室炉壁の差し込み補修に用いる方法は、これら
を珪石れんが積みの炉壁の一部に混用した場合、
熱間性状、特に熱間線膨張率の違いによつて反
り、割れなどが生じ、れんが間の目地や割れ部分
などからガスリークを起こしたり、差し込みれん
がの強度が低下したりなどするため、期待する効
果は得られていない。 また、溶融石英れんがは、実炉に使用された場
合、特に1100℃以上になると溶融石英がクリスト
バライトに転移し、容積変化を起こしてれんが組
織に亀裂が発生し、強度が低下するためにコーク
ス炉などでは長期使用に耐えないことが認められ
ている。特に従来の溶融石英れんがは、溶融石英
のうち相当量が微粉として添加されているので、
クリストバライト転移速度が大きくなり、そのた
めに早期にれんが組織に亀裂が発生し易かつた。 さらに、セミシリカれんがは、高温度域での耐
クリープ性状が珪石れんがに比べて著しく小さい
ので、コークス炉炭化室炉壁の補修には、構造体
の強度不足の観点から実用的ではない。 従つて、従来より耐熱衝撃性に極めて優れてお
り、常温のまま熱間の窯炉内に持ち込んでれんが
壁の積み替えや補修に供しても割れることなく、
しかもそのまま断続使用し得るれんがの出現望ま
れていた。 [問題を解決するための手段] 本発明は、上記従来の問題点を解消し、耐熱衝
撃性に極めて優れ、常温のままで熱間の炉内に持
ち込んで珪石れんが壁の積み替や補修に供しても
割れることがなく、しかもそのまま継続使用し得
る耐熱衝撃性を有する珪石れんがを提供すること
を目的としてなされたものである。 かかる目的を達成するために、本発明は 溶融石英の粗粒と珪石とを含む珪石れんがであ
つて、溶融石英粒の周辺がリム状にクリストバラ
イト及び/又はトリジマイトに転移して殻を形成
しており、内部が非結晶質であることを特徴とす
る耐熱衝撃性珪石れんが、 を要旨とするものである。 以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
なお、以下の記載において、含有率に係る%はい
ずれも重量%を表す。 本発明の珪石れんがにおいては、溶融石英粗粒
の表面部分がクリストバライト及び/又はトリジ
マイトに転移し、これによつて、溶融石英粒の表
面にリム状に殻が形成されている。この溶融石英
粗粒の表面、即ち殻は、溶融石英粒をとりまく珪
石れんが組織(後述のように、好ましくは一般の
珪石れんが組織)と結合されている。なお、溶融
石英粗粒の内部は、未転移の石英ガラス相から成
る。 このリム状の殻を形成させことにより、溶融石
英粗粒中の石英ガラスがクリストバライト及び/
又はトリジマイトに転移しても粗粒の容積変化が
防止される。また殻とその周囲組織とを結合させ
ることにより、れんが組織を強固にさせ、れんが
取り扱い時および搬送時における必要な圧縮強度
を従来のコークス炉仕様である、200Kg/cm2程度
の値とすることができる。 溶融石英粗粒の表面部分に形成するリム状の殻
の厚さは、れんがの膨張率を小さくするためには
薄いほど良いが、溶融石英粒内部の石英ガラスが
転移する際の容積変化を十分に抑制し得るように
するためには、30〜100μmの程度の厚さとする
のが好ましく、とりわけ50μmとするのが好まし
い。 溶融石英粗粒の内部は、前述のように、未転移
の石英ガラス相として存在しているのであるが、
この未転移の石英ガラス相は50%以上存在するよ
うに、換言するとクリストバライト及び/又はト
リジマイトへの転移量が50%未満とするのが好ま
しい。表2は、転移量の異なる溶融石英粗粒を用
いて製造した珪酸れんがの急熱時における亀裂発
生状況について試験した結果を示すものである。
この表2により、溶融石英粗粒中の残存石英ガラ
ス量が50%未満であると急熱時に亀裂が極めて生
じ易いことが認められる。従つて、れんがを予熱
することなく熱間の炉内に持ち込んで使用できる
ようにするために、転移量は50%未満とするのが
好ましいのである。 なお、溶融石英粒の表面部分のクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトへの転移により形成さ
れた結晶質殻の厚さは鉱物顕微鏡により測定する
ことができる。即ち、結晶質殻はクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトの鱗片状結晶により形
成されているため、鉱物顕微鏡により明瞭に内部
の非晶質部分との境界を確認することができ、そ
の厚さを顕微鏡用マイクロメータで読み取ること
により、容易に結晶質殻の厚さを測定することが
できる。 また、溶融石英粒の表面部分のクリストバライ
ト及び/又はトリジマイトへの転移量は、X線回
折装置を用いて検量線法により測定することがで
きる。即ち、まず、焼成珪石(微粉)のクリスト
バライト(及び/又はトリジマイト)量を予め求
めておき、配合割合との検量線を作製する。次
に、本発明の珪石れんがの溶融石英以外のクリス
トバライト(及び/又はトリジマイト)(Y)を
配合量から検量線より求める。別に、本発明の珪
石れんがのクリストバライト(及び/又はトリジ
マイト)量(Z)をX線回折装置を用いて測定す
る。溶融石英の転移により生じたクリストバライ
ト(及び/又はトリジマイト)量(X)は、全体
のクリストバライト(及び/又はトリジマイト)
(Z)から、検量線により求められるクリストバ
ライト(及び/又はトリジマイト)(Y)を差し
引いた増量分として、下記式にて算出することが
できる。 X=Z−Y
【表】
※ ○:亀裂発生なし
△:微亀裂発生
×:亀裂発生
本発明において、溶融石英は粗粒が用いられる
のであるが、具体的には0.7mm以上の粒径のもの
が好ましい。即ち、溶融石英は、微粉で用いると
1100℃以上の高温でクリストバライト化が速くな
るという性質を有する。表3は溶融石英の粒度と
転移速度との関係の一例を示すものであるが、粒
径が0.7mmよりも小さくなるとクリストバライト
への転移速度が急速に大きくなる。従つて、れん
が組織に亀裂が発生することを防止するために、
溶融石英としては、転移速度の小さい粒径0.7mm
以上の粗粒を用いるのが好ましい。
△:微亀裂発生
×:亀裂発生
本発明において、溶融石英は粗粒が用いられる
のであるが、具体的には0.7mm以上の粒径のもの
が好ましい。即ち、溶融石英は、微粉で用いると
1100℃以上の高温でクリストバライト化が速くな
るという性質を有する。表3は溶融石英の粒度と
転移速度との関係の一例を示すものであるが、粒
径が0.7mmよりも小さくなるとクリストバライト
への転移速度が急速に大きくなる。従つて、れん
が組織に亀裂が発生することを防止するために、
溶融石英としては、転移速度の小さい粒径0.7mm
以上の粗粒を用いるのが好ましい。
溶融石英粒の表面部分に形成されたリム状の殻
は、熱間でも容積が安定しており、溶融石英粒の
内部に存在する石英ガラスが相転移してその体積
を減じても溶融石英粒自体はほとんど収縮せず、
れんが組織に弛緩を生じさせない。そのため安定
してれんが全体の強度を維持することが可能とな
る。 また、溶融石英粒の内部を構成する石英ガラス
は、熱間線膨張率が極めて小さいので、耐スポー
リング性に優れ、極めて割れ難い。従つて、仮に
本発明のれんがにおいて珪石組織の部分にクラツ
クが生じても、このクラツクは溶融石英粒によつ
てそれ以上の伝播が遮断され、れんが全体の強度
低下が防止される。 このようなことから、れんが製造過程において
も焼成時の転移温度域における温度調整が不要に
なり、トンネルキルンで連続焼成することができ
る。また、炉補修時にれんがを予熱することなく
常温のまま熱間の炉内に持ち込んでもれんがは割
れることがない。従つて、本発明の珪石れんがは
炉壁の積み替えや補修に極めて容易に供すること
ができ、しかもそのまま断続して長期使用に供す
ることができる。 〔実施例〕 以下本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例 1 表4に示す混合割合で混合したれんが坏土を、
300トンフリクシヨンプレスで所定寸法に成形し、
乾燥した後、トンネルキルンで1350℃に8時間保
持して焼成し、本発明の耐熱衝撃性珪石れんがNo.
1〜3を得た。得られた珪石れんがNo.1〜3から
300mmφ×10mmの円盤状供試品を加工して琢磨片
を作製し、鉱物顕微鏡を用いて結晶質殻の厚さを
顕微鏡用マイクロメータを読み取ることにより測
定した。測定は100個の溶融石英粒について行な
い、平均厚さを求めて結晶質殻厚さとした。ま
た、クリストバライト(及び/又はトリジマイ
ト)転移量を、X線回折装置を用い、前述した検
量線法に求め、溶融石英に対する割合(%)を算
出した。これらの測定結果もあわせて表4に示
す。これらのれんがの物性及び耐スポーリング性
を表5に示す。また、比較のために、従来のコー
クス炉用珪石れんがの物性および耐スポーリング
性を表5に示す。なお、従来のコークス炉用珪石
れんがは、溶融石英を使用していないため、クリ
ストバライト(及び/又はトリジマイト)の転移
に関する数値は求められない。
は、熱間でも容積が安定しており、溶融石英粒の
内部に存在する石英ガラスが相転移してその体積
を減じても溶融石英粒自体はほとんど収縮せず、
れんが組織に弛緩を生じさせない。そのため安定
してれんが全体の強度を維持することが可能とな
る。 また、溶融石英粒の内部を構成する石英ガラス
は、熱間線膨張率が極めて小さいので、耐スポー
リング性に優れ、極めて割れ難い。従つて、仮に
本発明のれんがにおいて珪石組織の部分にクラツ
クが生じても、このクラツクは溶融石英粒によつ
てそれ以上の伝播が遮断され、れんが全体の強度
低下が防止される。 このようなことから、れんが製造過程において
も焼成時の転移温度域における温度調整が不要に
なり、トンネルキルンで連続焼成することができ
る。また、炉補修時にれんがを予熱することなく
常温のまま熱間の炉内に持ち込んでもれんがは割
れることがない。従つて、本発明の珪石れんがは
炉壁の積み替えや補修に極めて容易に供すること
ができ、しかもそのまま断続して長期使用に供す
ることができる。 〔実施例〕 以下本発明を実施例により更に具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例 1 表4に示す混合割合で混合したれんが坏土を、
300トンフリクシヨンプレスで所定寸法に成形し、
乾燥した後、トンネルキルンで1350℃に8時間保
持して焼成し、本発明の耐熱衝撃性珪石れんがNo.
1〜3を得た。得られた珪石れんがNo.1〜3から
300mmφ×10mmの円盤状供試品を加工して琢磨片
を作製し、鉱物顕微鏡を用いて結晶質殻の厚さを
顕微鏡用マイクロメータを読み取ることにより測
定した。測定は100個の溶融石英粒について行な
い、平均厚さを求めて結晶質殻厚さとした。ま
た、クリストバライト(及び/又はトリジマイ
ト)転移量を、X線回折装置を用い、前述した検
量線法に求め、溶融石英に対する割合(%)を算
出した。これらの測定結果もあわせて表4に示
す。これらのれんがの物性及び耐スポーリング性
を表5に示す。また、比較のために、従来のコー
クス炉用珪石れんがの物性および耐スポーリング
性を表5に示す。なお、従来のコークス炉用珪石
れんがは、溶融石英を使用していないため、クリ
ストバライト(及び/又はトリジマイト)の転移
に関する数値は求められない。
【表】
【表】
【表】
△:微亀裂発生
×:亀裂発生
表5より、本発明の耐熱衝撃性珪石れんがは、
従来のコークス炉用珪石れんがと比較して化学組
成がほとんど同じであるにも拘らず、耐スポーリ
ング性が著しく向上し、耐熱衝撃性に極めて優れ
ていることが認められる。また、見掛気孔率、見
掛比重、荷重軟化点は、従来品とほぼ同一であ
り、熱間膨張率は、従来品よりも小さい。また、
所要の圧縮強度も備えている。 実施例1と同様にして製造した本発明の耐熱衝
撃性珪石れんがを、予熱することなく常温のまま
熱間のコークス炉内に持ち込んで珪石れんがで構
築されている炭化室炉壁の補修を行なつたとこ
ろ、割れは全く生じなかつた。またそのまま継続
使用しても強度の低下およびれんが組織の劣化は
認められず、ガスリークも発生することがなく、
長期間使用することができた。 [効果] 以上詳述した通り、本発明の耐熱衝撃性珪石れ
んがは下記の如き優れた効果を有しており、コー
クス炉等の窯炉の熱間補修に用いるに好適であ
る。 従来のコークス炉熱間補修用れんがに比べ、
耐熱衝撃性に著しく優れており、かつ補修後も
長期の耐用性を有するので炉体の保守に大いに
役立つ。 熱間補修時に予熱が全く不要であり、安全性
および作業性の点において優れている。 損傷部位の珪石れんがを置き換えて同質れん
がとして使用することができるので、れんが目
地からのガスリークを防止することができる。 れんがの製造過程において、焼成時の転移温
度域における温度調整が不要になるので、従来
の珪石れんがでは単独窯でしか焼成することが
できなかつたのに対し、トンネルキルンで連続
焼成することができ、生産性の向上およびコス
トダウンが図れる。
×:亀裂発生
表5より、本発明の耐熱衝撃性珪石れんがは、
従来のコークス炉用珪石れんがと比較して化学組
成がほとんど同じであるにも拘らず、耐スポーリ
ング性が著しく向上し、耐熱衝撃性に極めて優れ
ていることが認められる。また、見掛気孔率、見
掛比重、荷重軟化点は、従来品とほぼ同一であ
り、熱間膨張率は、従来品よりも小さい。また、
所要の圧縮強度も備えている。 実施例1と同様にして製造した本発明の耐熱衝
撃性珪石れんがを、予熱することなく常温のまま
熱間のコークス炉内に持ち込んで珪石れんがで構
築されている炭化室炉壁の補修を行なつたとこ
ろ、割れは全く生じなかつた。またそのまま継続
使用しても強度の低下およびれんが組織の劣化は
認められず、ガスリークも発生することがなく、
長期間使用することができた。 [効果] 以上詳述した通り、本発明の耐熱衝撃性珪石れ
んがは下記の如き優れた効果を有しており、コー
クス炉等の窯炉の熱間補修に用いるに好適であ
る。 従来のコークス炉熱間補修用れんがに比べ、
耐熱衝撃性に著しく優れており、かつ補修後も
長期の耐用性を有するので炉体の保守に大いに
役立つ。 熱間補修時に予熱が全く不要であり、安全性
および作業性の点において優れている。 損傷部位の珪石れんがを置き換えて同質れん
がとして使用することができるので、れんが目
地からのガスリークを防止することができる。 れんがの製造過程において、焼成時の転移温
度域における温度調整が不要になるので、従来
の珪石れんがでは単独窯でしか焼成することが
できなかつたのに対し、トンネルキルンで連続
焼成することができ、生産性の向上およびコス
トダウンが図れる。
第1図は結合剤(Ca(OH)2)の添加量と形成
殻厚さとの関係を示す図、第2図は焼成温度と形
成殻厚さとの関係を示す図、第3図は焼成温度別
の焼成時間と形成殻厚さとの関係を示す図であ
る。
殻厚さとの関係を示す図、第2図は焼成温度と形
成殻厚さとの関係を示す図、第3図は焼成温度別
の焼成時間と形成殻厚さとの関係を示す図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 溶融石英の粗粒と珪石とを含む珪石れんがで
あつて、溶融石英粒は、その表面部分がクリスト
バライト及び/又はトリジマイトに転移して殻を
形成しており、内部が非結晶質であることを特徴
とする耐熱衝撃性珪石れんが。 2 溶融石英のクリストバライト及び/又はトリ
ジマイトへの転移量が50%未満であることを徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の珪石れんが。 3 溶融石英粒以外の部分は珪石れんがの組織で
構成されていることを特徴とする特許請求の範囲
第1項又は第2項に記載の耐熱衝撃性珪石れん
が。 4 30〜70重量%の溶融石英の粗粒と70〜30重量
%の珪石とを含むことを特徴とする特許請求の範
囲第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の耐
熱衝撃性珪石れんが。 5 溶融石英粒の粒径は0.7mm以上であることを
特徴とする特許請求の範囲第1項ないし第4項の
いずれか1項に記載の耐熱衝撃性珪石れんが。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21338584A JPS61111962A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 耐熱衝撃性珪石れんが |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21338584A JPS61111962A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 耐熱衝撃性珪石れんが |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61111962A JPS61111962A (ja) | 1986-05-30 |
JPH0138074B2 true JPH0138074B2 (ja) | 1989-08-10 |
Family
ID=16638321
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21338584A Granted JPS61111962A (ja) | 1984-10-12 | 1984-10-12 | 耐熱衝撃性珪石れんが |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61111962A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0231006B1 (en) * | 1986-01-28 | 1991-08-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Method for producing ceramics with thermal shock resistance |
JP4630111B2 (ja) * | 2005-04-08 | 2011-02-09 | 新日本製鐵株式会社 | 耐火物、その製造方法、および、加熱炉 |
KR20100135699A (ko) * | 2007-12-17 | 2010-12-27 | 이머리 | 세라믹 허니컴 구조물 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5122001A (en) * | 1974-08-20 | 1976-02-21 | Mitsubishi Electric Corp | Seiryushino seizohoho |
JPS54131609A (en) * | 1978-04-04 | 1979-10-12 | Denki Kagaku Kogyo Kk | Refractory for coke furnace door |
JPS5692162A (en) * | 1979-12-24 | 1981-07-25 | Kogyo Gijutsuin | Manufacture of low shrinkage quartz glass type refractories |
-
1984
- 1984-10-12 JP JP21338584A patent/JPS61111962A/ja active Granted
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5122001A (en) * | 1974-08-20 | 1976-02-21 | Mitsubishi Electric Corp | Seiryushino seizohoho |
JPS54131609A (en) * | 1978-04-04 | 1979-10-12 | Denki Kagaku Kogyo Kk | Refractory for coke furnace door |
JPS5692162A (en) * | 1979-12-24 | 1981-07-25 | Kogyo Gijutsuin | Manufacture of low shrinkage quartz glass type refractories |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61111962A (ja) | 1986-05-30 |
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Legal Events
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