JP3185222B2 - チオフェン化合物およびその医薬用途 - Google Patents

チオフェン化合物およびその医薬用途

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圭史 都甲
雅和 藤尾
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明はドパミンD4(以下、D4という。以降に述べる
ドパミン受容体サブタイプについてもこの略法に準ず
る。)受容体に親和性を有する新規なチオフェン化合物
に関し、これらのチオフェン化合物を含有するドパミン
受容体遮断薬は中枢用剤、特に抗精神病薬、アルコール
依存症治療薬、および薬物乱用者の治療薬として医療の
分野で用いられる。
背景技術 D4受容体に親和性を有する中枢用剤について、たとえ
ば以下のような特許出願が公開されている。国際特許出
願公開WO94/10162号、WO94/21630号、WO94/21626号に
は、D4受容体に親和性を有する三環系ヘテロ芳香族化合
物類が開示され、国際特許出願公開WO94/21627号、WO94
/21628号、WO94/24105号には、D4受容体に親和性を有す
るインドール誘導体などが開示され、国際特許出願公開
WO94/20459号、WO94/20497号には、D4受容体に親和性を
有するピロピリジン誘導体などが開示され、国際特許出
願公開WO94/21615号、WO94/22839号には、D4受容体に親
和性を有するベンズイミダゾール誘導体などが開示され
ている。また、国際特許出願公開WO94/10145号、WO94/2
0471号には、それぞれD4受容体に親和性を有するピラゾ
ール誘導体およびキノロン誘導体などが開示されてい
る。さらに、特開平7−70135号により、D2受容体遮断
作用、セロトニン2(5−HT2)受容体遮断作用および
セロトニン1A(5−HT1A)受容体刺激作用を有する4,5,
6,7−テトラヒドロチエノ〔2,3−c〕ピリジン誘導体な
どが知られている。特開平8−325257号には、D4受容体
に選択性を有するピペラジン化合物、ピペリジン化合物
および1,2,5,6−テトラヒドロピリジン化合物が開示さ
れている。特開平9−3060号には、抗精神病作用を有す
るベンゾチエニルピペラジン化合物が開示されている。
GB2311010号には、D4受容体に親和性を有する4−(ベ
ンゾチオフェン−2−イル)−1−(4−クロロベンジ
ル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンなどのテトラヒ
ドロピリジン誘導体が開示されている。
精神分裂病を適応疾患とする抗精神病薬は、そのほと
んどが脳内神経伝達物質の一つであるドパミンの受容体
遮断という共通の薬理作用を有し、特に強力なD2受容体
遮断作用を示している。これらの薬物(定型抗精神病
薬)は、精神分裂病の急性期に特徴的な幻覚、妄想など
を中心とした陽性症状に対しては有効性を示すが、感情
鈍麻や無為、自閉などの陰性症状にはほとんど効果を示
さないことが指摘されている。また、急性的な投与およ
び長期連用したときに発現する錐体外路症状(遅発性ジ
スキネジア、急性ジストニア、アカシジアなど)や内分
泌異常(高プロラクチン血症など)等の副作用は重大な
問題となっている。
ドパミン受容体は、従来薬理学的手法によりリガンド
結合の性質、アデニル酸シクラーゼへの連関形態から2
つの受容体サブタイプに分類されることが認められてい
た〔ネイチャー(Nature)第227巻、93頁(1979)〕。
すなわち、促進性Gタンパク質を介してアデニル酸シク
ラーゼを賦活してサイクリックAMPを産生するD1受容体
型と、抑制性Gタンパク質を介してアデニル酸シクラー
ゼを抑制し、サイクリックAMPの産生を抑制するD2受容
体型である。しかし、近年の分子生物学の革命的な発展
に伴って、ドパミン受容体の5つの異なる遺伝子がクロ
ーニングされ、D1ファミリーに属するD1,D5受容体と、D
2ファミリーに属するD2,D3,D4受容体に分類されること
が明らかになった〔トレンズ・イン・ファーマコロジカ
ル・サイエンシズ(Trends in Pharmacol.Sci.)第15
巻、264頁(1994)〕。
定型抗精神病薬であるハロベルドールはD4受容体より
D2受容体に高い親和性を示すが、錐体外路系副作用が少
なく陰性症状にも有効なクロザピンはD2受容体よりD4
容体に10倍高い親和性を示すことが報告されている〔ネ
イチャー(Nature)第350巻、610頁(1991)、トレンズ
・イン・ファーマコロジカル・サイエンシズ(Trends
in Phermacol.Sci.)第15巻、264頁(1994)〕。しか
も、クロザピンの有効治療血漿中濃度はD4受容体への親
和性定数と相関することも報告されている〔トレンズ・
イン・ファーマコロジカル・サイエンシズ(Trends in
Pharmacol.Sci.)第15巻、264頁(1994)〕。また、
精神分裂病患者の死後脳を用いた結合試験の結果、D4
容体が正常人に比べ6倍も増加していたとの報告もある
〔ネイチャー(Nature)第365巻、441頁(1993)〕。し
たがって、D4受容体が精神分裂病の病因、あるいは治療
薬の作用部位に関わっている可能性が高いと考えられ
る。さらに、ドパミン受容体の脳内分布にもサブタイプ
間で差が認められ、D2受容体は線条体に最も多いのに対
して、D4受容体は情動機能を司る大脳皮質前頭葉に最も
多く存在することが明らかになっている。
また、遺伝子組み換えによって作成したD4受容体ノッ
クアウトマウス(mice lacking dopamine D4 recept
ors)が、アルコール、コカイン、メタンフェタミンな
どの薬物に対する感受性が増強していることが報告され
ている〔セル(Cell)第90巻、991頁(1997)〕。
発明の開示 これらのことから、選択的なD4受容体アンタゴニスト
は錐体外路系副作用が少なく陽性および陰性症状にも有
効な抗精神病薬として期待できる。本発明はD4受容体に
対して選択的で強い遮断作用を示し、精神分裂病の急性
期に特徴的な幻覚、妄想などを中心とした陽性症状のみ
ならず、感情鈍麻や無為、自閉などの陰性症状に対して
も有効であり、またD2受容体遮断作用を有する従来の抗
精神病薬を投与した場合に見られる、錐体外路症状や内
分泌異常といった副作用が軽減された安全性の高い抗精
神病薬であって、かつすぐれた経口吸収性、バイオアベ
イラビリティー、脳内移行性を有する抗精神病薬を提供
することを目的とする。また、本発明はD4受容体に対し
て選択的で強い遮断作用を示すことによって、アルコー
ル依存症の患者や薬物乱用者の治療薬を提供することを
目的とする。
本発明者等は鋭意検討を行った結果、下記の一般式
(1)により表される新規チオフェン化合物、光学異性
体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物がD2
受容体よりもD4受容体に対し選択的かつ強い遮断作用を
有することを見出した。従って、本発明化合物が精神分
裂病の急性期に特徴的な幻覚、妄想などを中心とした陽
性症状のみならず、感情鈍麻や無為、自閉などの陰性症
状に対しても効果を発揮する一方、D2受容体拮抗作用を
有する従来の抗精神病薬を投与した場合に見られる錐体
外路症状や内分泌異常といった副作用が軽減され、かつ
経口吸収性、バイオアベイラビリティー、脳内移行性に
優れた有用な抗精神病薬になり得ること、およびアルコ
ール依存症の患者や薬物乱用者の有用な治療薬になり得
ることを見出して本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
(1)一般式(1) 〔式中、Aはメチレン、−C(=O)−または−CH(OR
1)−(式中、R1は水素またはアルキルを示す。)を示
し、 Dは存在しないか、または炭素数1〜8個を有する直
鎖または分枝鎖状アルキレン鎖を示し、 nは0または1〜3の整数を示し、 R2は水素またはアルキルを示し、 R3は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、アミノまた
はニトロを示し、 R4は水素またはアルキルを示し、 Q−Tで表される結合はCH,CH2−N,(CH2−N,CH2
−C(R5)(式中、R5は水素、ヒドロキシ、アルキルま
たはアルコキシを示す。)またはCH=Cを示し、 Eは置換基を有してもよいアリールまたは置換基を有
してもよい芳香族複素環基を示す。〕 により表されるチオフェン化合物、その光学異性体、そ
の医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物。
(2)一般式(1)において、R4が水素である上記
(1)のチオフェン化合物、その光学異性体、その医薬
上許容しうる塩またはそれらの水和物。
(3)一般式(1)において、Aはメチレン、−C(=
O)−または−CH(OH)−を示し、 Dは炭素数1〜5個を有する直鎖または分枝鎖状アル
キレン鎖を示し、 nは1を示し、 R2は水素を示し、 R3は水素またはアルキルを示し、 R4は水素を示し、 Q−Tで表される結合はCH2−NまたはCH=Cを示
し、 Eは置換基を有してもよいアリールまたは置換基を有
してもよい芳香族複素環基であることを特徴とする上記
(1)のチオフェン化合物、その光学異性体、その医薬
上許容しうる塩またはそれらの水和物。
(4)3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチ
ルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1−
オン、 3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−
イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベ
ンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1−オー
ル、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)プロピル)ピペラジン、 1−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)プロピル)ピペラジン、 4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベ
ンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−
(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、 4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベ
ンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−
(4−メチルフェニル)ピペラジン、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(2−エチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)ピロピル)ピペラジン、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7
−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プ
ロピル)ピペラジン、および 4−(4−クロロフェニル)−1−(3−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)プロピル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジ
ンから選ばれる上記(1)のチオフェン化合物、その光
学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和
物。
(5)上記(1)のチオフェン化合物、その光学異性
体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物を含
有する医薬。
(6)上記(1)のチオフェン化合物、その光学異性
体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物を含
有するD4受容体遮断薬。
(7)上記(1)のチオフェン化合物、その光学異性
体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物と医
薬上許容しうる添加剤を含有する医薬組成物。
上記一般式(1)における各基の具体例は次の通りで
ある。
Dにおける炭素数1〜8個を有する直鎖または分枝鎖
状アルキレン鎖とは、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレ
ン、オクタメチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレ
ン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、1,1−
ジメチルエチレン、2,2−ジメチルエチレン、エチルメ
チレン、ジエチルメチレン、1−エチルエチレン、2−
エチルエチレン、1−メチルトリメチレン、1,1−ジメ
チルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジ
メチルトリメチレン、3−メチルトリメチレン、3,3−
ジメチルトリメチレン、1−エチルトリメチレン、2−
エチルトリメチレン、3−エチルトリメチレンなどが挙
げられ、炭素数2〜5個を有する直鎖または分枝鎖状ア
ルキレン鎖が好ましく、特にエチレン、トリメチレンま
たはテトラメチレンが好ましい。
nは0または1〜3の整数を示し、n=1が好まし
い。
R1のアルキルとはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜8
個を有するアルキルを示し、炭素数1〜4個のアルキル
が好ましい。
R2、R3、R4、R5におけるアルキルとしてはR1における
アルキルと同様なものを挙げることができる。
R3におけるアシルとはアセチル、プロピオニル、ブチ
リル、イソブチリル、などの炭素数2〜8個を有するア
ルカノイルなどを示し、炭素数2〜4個のアルカノイル
が好ましい。
R5におけるアルコキシとはメトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第
3級ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプ
チルオキシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8個を有
するアルコキシを示し、炭素数1〜4個のアルコキシが
好ましい。
R3におけるハロゲンとしてはフッ素、塩素、臭素など
を示す。
Eにおけるアリールとはフェニル、ナフチル、4−イ
ンダニルなどを示す。Eにおける芳香族複素環基とはピ
リジル、フリル、チエニル、ピリミジニルなどを示す。
Eにおけるアリールおよび芳香族複素環基は置換基を有
してもよく、当該置換基とは、フッ素、塩素、臭素など
のハロゲン;トリフルオロメチルなどの炭素数1〜4個
のハロアルキル;メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、第3級ブチルなどの炭素数
1〜4個のアルキル;メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第3級
ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチル
オキシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8個のアルコ
キシ;ヒドロキシ;ニトロ;アミノ;メチルアミノ;ジ
メチルアミノなどを示す。
−A−D−としては、Aはメチレンを示し、Dは炭素
数1〜5個を有する直鎖または分枝鎖状アルキレン鎖で
ある場合が好ましく、特に−A−D−としては、トリメ
チレンである場合が好ましい。R2としては水素またはア
ルキルが好ましく、特に水素が好ましい。R3としては水
素またはアルキルが好ましく、特にメチルが好ましい。
R4としては水素またはアルキルが好ましく、特に水素が
好ましい。Eは置換基を有してもよいアリールが好まし
い。特に、Eにおけるアリールとしてはナフチルあるい
はハロゲン、メチル、トリフルオロメチル、メトキシな
どの置換基1〜2個を有するフェニルが好ましく、たと
えば4−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−
トリフルオロメチルフェニル、4−メチルフェニルなど
が挙げられる。Eにおける芳香族複素環基としてはチエ
ニル、ピリジルまたはハロゲン、メチルなどの置換基1
〜2個を有するチエニル、ピリジルが好ましい。
で表される環状アミノ基としては、次の(a)〜(e)
の態様が含まれる。このうち、Q−Tで表される結合が
CH2−NまたはCH=Cである式(b)または(e)の基
が好ましい。
一般式(1)の化合物の医薬上許容しうる塩としては
無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)
または有機酸(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコ
ール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン
酸、フマル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、
アスコルビン酸など)との酸付加塩が挙げられる。
一般式(1)の化合物およびその医薬上許容しうる塩
は水和物あるいは溶媒和物の形で存在することもあるの
で、これらの水和物(1/10水和物、1/2水和物、1水和
物、3/2水和物、2水和物など)、溶媒和物もまた本発
明に包含される。また一般式(1)の化合物が不斉原子
を有する場合には少なくとも2種類の光学異性体が存在
する。これらの光学異性体およびそのラセミ体は本発明
に包含される。
一般式(1)の化合物および一般式(1)に含まれる
本発明化合物は以下の反応式に示す方法によって合成す
ることができる。なお、反応式における各記号は特に示
さないかぎり前記と同義である。
ビュルタン ド ラ ソシエテ シミク ド フラン
ス(Bull.Soc.Chim.Fr.)1252頁(1955)に記載の方法
に従って得られた一般式(2)の化合物とハロアシルハ
ライド(3)を適当な溶媒(ニトロベンゼン、塩化メチ
レン、クロロホルム、ジクロロエタンまたはこれらの任
意の混合溶媒など)中、ルイス酸(塩化アルミニウム、
三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化スズなど)と
冷却下、室温または溶媒の還流温度で1〜24時間反応さ
せることにより、一般式(4)の化合物が得られる。こ
の化合物を反応を妨げない溶媒(メタノール、エタノー
ル、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホル
ム、ベンゼン、トルエン、あるいはこれらの任意の混合
溶媒など)中、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ト
リエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンな
どの塩基の存在下、テトラヘドロン・レターズ(Tetrah
edron Letters)第37巻、319頁(1996)に記載の方法
に従って得られた一般式(5)の化合物と室温から溶媒
の還流温度で1〜24時間反応させることにより、一般式
(1−1)により表される化合物が得られる。
さらに、一般式(1−1)の化合物を反応を妨げない
溶媒(メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、
塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、ジ
エチルエーテルあるいはこれらの任意の混合溶媒など)
中、適当な還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、ボラン、
リチウムアルミニウムハイドライドなど)を使用し、氷
冷下または加温下で1〜24時間反応させることによっ
て、一般式(1−2)により表される化合物が得られ
る。この化合物(1−2)を反応を妨げない溶媒(ジメ
チルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、アセ
トニトリル、ベンゼン、トルエン、ジメチルスルホキシ
ドあるいはこれらの任意の割合の混合物など)中、塩基
(水素化ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下、アルキル
ハライド(R1−Cl、R1−Brなど)と反応させることによ
り、一般式(1−3)の化合物を得ることができる。
さらに、一般式(1−2)の化合物を反応を妨げない
溶媒(ジメチルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホ
ルム、アセトニトリル、ベンゼン、トルエンなど)中、
ヨウ化ナトリウムの存在下、トリメチルシリルクロライ
ドと、室温から溶媒の還流温度で1〜8時間反応させる
ことにより、一般式(1−4)により表される化合物が
得られる。また、上記の反応で一般式(1−2)の化合
物をトリフルオロ酢酸中、トリエチルシランを用いて反
応させることによっても一般式(1−4)の化合物を得
ることができる。
一般式(5)の化合物を反応を妨げない溶媒(ジメチ
ルホルムアミド、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、あるいはこれらの任意の割合の混合物な
ど)中、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチ
ルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどの塩
基を用いて、一般式(6)のエステルハライドと、冷却
下、室温下または加温下で30分〜24時間反応させること
によって一般式(7)の化合物を得る。
一般式(7)の化合物を反応を妨げない溶媒(メタノ
ール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、
アセトニトリル、あるいはこれらの任意の割合の混合物
など)中、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水
溶液で加水分解させることによって一般式(8)の化合
物を得る。一般式(8)の化合物を適当な溶媒(塩化メ
チレン、クロロホルム、ジクロロエタン、アセトニトリ
ル、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはこれらの任意
の混合溶媒など)中、チオニルクロライドと溶媒の還流
温度で1〜24時間反応させることにより一般式(8)の
化合物の対応する酸クロリド化合物が得られる。この化
合物と化合物(2)を適当な溶媒(ニトロベンゼン、塩
化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンまたはこれ
らの任意の混合溶媒など)中、ルイス酸(塩化アルミニ
ウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化スズな
ど)と冷却下、室温または溶媒の還流温度で1〜24時間
反応させることにより、一般式(1−1)の化合物が得
られる。
一般式(5)の化合物を反応を妨げない溶媒(塩化メ
チレン、クロロホルム、アセトニトリル、ベンゼン、ト
ルエン、水あるいはこれらの任意の割合の混合物など)
中、塩基(炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエ
チルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなど)
の存在下、一般式(3)のハロアシルハライドと反応さ
せることにより、一般式(9)の化合物を得ることがで
きる。一般式(9)の化合物を適当な溶媒(ニトロベン
ゼン、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンま
たはこれらの任意の混合溶媒など)中、ルイス酸(塩化
アルミニウム、三フッ化ホウ素、塩化亜鉛、塩化鉄、塩
化スズなど)と冷却下、室温または溶媒の還流温度で1
〜24時間反応させることにより、一般式(10)の化合物
が得られる。
一般式(10)の化合物を反応を妨げない溶媒(テトラ
ヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン、ジエチルエーテルあるいはこれらの任意
の混合溶媒など)中、適当な還元剤(ボラン、リチウム
アルミニウムハイドライドなど)を使用し、氷冷下また
は加温下1〜24時間反応させることによっても一般式
(1−4)により表される化合物が得られる。
一般式(1)においてR3が塩素または臭素である化合
物(1−5)を反応を妨げない溶媒(メタノール、エタ
ノール、酢酸エチル、酢酸、塩酸水、アセトニトリルあ
るいはこれらの任意の割合の混合物など)中、パラジウ
ム炭素、ラネーニッケル、酸化白金などの触媒の存在
下、脱ハロゲン化させることにより、R3が水素である一
般式(1−6)の化合物を得ることができる。
上記方法によって得られた一般式(1)のチオフェン
化合物を適当な溶媒(メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール、イソプロピルエーテル、クロロホル
ム、酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテルまたはそ
れらの混合溶媒など)に溶解し、これに無機酸(塩酸、
臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)または有機酸
(酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳
酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸、カンファースルホン酸、アスコルビン
酸など)もしくはこれらの水和物を加え、析出する結晶
を適当な溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、イソプロピルエーテル、クロロホルム、酢
酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテル、水またはそれ
らの混合溶媒など)から再結晶を行うことによって、一
般式(1)の化合物の無機酸または有機酸との塩または
その水和物として得ることができる。また、化合物の結
晶化を目的としてシュウ酸を加えてシュウ酸塩とするこ
ともできる。
このようにして得られる本発明化合物は再結晶法、カ
ラムクロマト法などの常法により単離精製することがで
きる。得られる生成物がラセミ体であるときは、たとえ
ば光学活性な酸との塩の分別再結晶により、もしくは光
学活性な担体を充填したカラムを通すことにより、所望
の光学活性体に分割することができる。個々のジアステ
レオマーは分別結晶化、クロマトグラフィーなどの手段
によって分離することができる。これらは光学活性な原
料化合物などを用いることによっても得られる。また、
立体異性体は再結晶法、カラムクロマト法などにより単
離することができる。
本発明のチオフェン化合物、その光学異性体、その医
薬上許容しうる塩またはそれらの水和物はD4受容体に対
して強い遮断作用を有するD4受容体遮断薬であり、精神
分裂病の急性期に特徴的な幻覚、妄想などを中心とした
陽性症状のみならず、感情鈍麻や無為、自閉などの陰性
症状に対しても効果を示す有用な抗精神病薬である。ま
たD4受容体遮断作用を有する従来の抗精神病薬を投与し
た場合に見られる、錐体外路症状や内分泌異常といった
副作用が軽減された抗精神病薬として期待される。従っ
て、本発明化合物は精神分裂病などの治療薬として用い
ることができる。また、本発明のチオフェン化合物、そ
の光学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの
水和物は、アルコール依存症の患者や薬物乱用者の治療
薬としても用いることができる。
本発明化合物を医薬として用いる場合、本発明化合物
を製剤上許容しうる担体(賦形剤、結合剤、崩壊剤、矯
味剤、矯臭剤、乳化剤、希釈剤、溶解補助剤など)と混
合して得られる医薬組成物を通常の方法に従って製剤化
して得られる錠剤、ピル剤、カプセル剤、顆粒剤、散
剤、シロップ剤、エマルジョン剤、エリキシル剤、懸濁
剤、溶液剤、注射剤、点滴剤あるいは坐剤などの形態で
経口的または非経口的に投与することができる。
本明細書において、非経口とは皮下注射、静脈内注
射、筋肉内注射、腹腔内注射あるいは点滴法などを含む
ものである。注射用調剤、たとえば無菌注射用水性懸濁
物あるいは油性懸濁物は、適当な分散化剤または湿潤剤
および懸濁化剤を用いて当該分野で知られた方法で調製
することができる。その無菌注射用調剤は、また、たと
えば水溶液などの非毒性の非経口投与することのできる
希釈剤あるいは溶剤中の無菌の注射のできる溶液または
懸濁液であってもよい。使用することのできるベヒクル
あるいは溶剤として許されるものとしては、水、リンゲ
ル液、等張食塩液などがあげられる。さらに、通常溶剤
または懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油も用いること
ができる。このためには、いかなる不揮発性油も脂肪酸
も使用でき、天然あるいは合成あるいは半合成の脂肪性
油または脂肪酸、そして天然あるいは合成あるいは半合
成のモノあるいはジあるいはトリグリセリド類も包含さ
れる。直腸投与用の坐剤は、その薬物と適当な非刺激性
の補形剤、たとえば、ココアバターやポリエチレングリ
コール類といった常温では固体であるが、腸管の温度で
は液体で、直腸内で融解し、薬物を放出するものなどと
混合して製造することができる。
経口投与用の固形投与剤型としては、粉剤、顆粒剤、
錠剤、ピル剤、カプセル剤などの上記したものがあげら
れる。そのような剤型において、活性成分化合物は少な
くとも一つの添加物、たとえばショ糖、乳糖、セルロー
ス糖、マンニトール、マルチトール、デキストラン、デ
ンプン類、寒天、アルギネート類、キチン類、キトサン
類、ペクチン類、トラガントガム類、アラビアゴム類、
ゼラチン類、コラーゲン類、カゼイン、アルブミン、合
成または半合成のポリマー類またはグリセリド類と混合
することができる。そのような剤型物は、また、通常の
如く、さらなる添加物を含むことができ、たとえば不活
性希釈剤、マグネシウムステアレートなどの滑択剤、パ
ラベン類、ソルビン酸またはその塩などの保存剤、アス
コルビン酸、α−トコフェロール、システインなどの抗
酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味付与
剤、フレーバー付与剤、パーフューム剤などがあげられ
る。錠剤およびピル剤はさらにエンテリックコーティン
グされて製造されることもできる。経口投与用の液剤
は、医薬として許容されるエマルジョン型、シロップ
剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤などがあげられ、そ
れらは当該分野で普通用いられる不活性希釈剤、たとえ
ば水を含んでいてもよい。
投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食
事、投与時間、投与方法、排泄速度、薬物の組み合わ
せ、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応
じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められ
る。本発明化合物、その光学異性体またはその医薬上許
容しうる塩は、低毒性で安全に使用することができ、そ
の1日の投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、
投与経路などによって異なるが、たとえば非経口的には
皮下、静脈内、筋肉内または直腸内に、約0.01〜50mg/
人/日、好ましくは0.01〜20mg/人/日投与され、また
経口的には約0.01〜150mg/人/日、好ましくは0.1〜100
mg/人/日投与されることが望ましい。
実施例 以下、本発明を原料合成例、実施例、製剤処方例およ
び実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらによ
り何ら限定されるものではない。
4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン107gと3−クロロプロピオニルクロライド268g
を塩化メチレン1.1Lに溶解し、撹拌しながら氷浴下で塩
化アルミニウム282gを徐々に加えた。室温で17時間撹拌
し、反応溶液を氷水中に注いだ。反応溶液を室温で2時
間撹拌し、過剰のクロロプロピオニルクロライドを分解
させた後、クロロホルムで2回抽出した。続いてクロロ
ホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水、さらに飽和食塩
水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マ
グネシウムを濾去し、減圧下で溶媒を留去した。得られ
た残渣をシリカゲル300gに吸着させ、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル600g)に付した。ヘキ
サンのみの流出分から原料(4,5,6,7−テトラヒドロ−
2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン)30gを回収した。
またヘキサン:酢酸エチル=20:1流出分から3−(3−
クロロプロピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン106gを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.87(2H,t,J=6.59Hz),3.20(2
H,t,J=6.59Hz),2.65−2.72(4H,m),2.57(3H,s),1.
73−1.86(4H,m) 原料合成例1と同様の方法で、2−エチル−4,5,6,7
−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェンと3−クロロプ
ロピオニルクロライドから、3−(3−クロロプロピオ
ニル)−2−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、2−ブチル−4,5,6,7
−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェンと3−クロロプ
ロピオニルクロライドから、2−ブチル−3−(3−ク
ロロプロピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、2−ブロモ−4,5,6,7
−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェンと3−クロロプ
ロピオニルクロライドから、2−ブロモ−3−(3−ク
ロロプロピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕チオフェンと3−クロ
ロプロピオニルクロライドから、3−(3−クロロプロ
ピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2,4−ジメチルベ
ンゾ〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェンとクロロアセチ
ルクロライドから、3−(クロロアセチル)−4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェンを
得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:4.45(2H,s),2.63−2.76(4H,
m),2.58(3H,s),1.73−1.90(4H,m) 原料合成例1と同様の方法で、4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェンと4−クロロブ
チリルクロライドから、3−(4−クロロブチリル)−
4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオ
フェンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:3.64(2H,t,J=6.60Hz),2.92(2
H,t,J=6.60Hz),2.62−2.75(4H,m),2.56(3H,s),2.
17(2H,tt,J=6.60,6.60Hz),1.69−1.88(4H,m) 原料合成例1と同様の方法で、4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェンと3−クロロブ
チリルクロライドを用いることにより、3−(3−クロ
ロブチリル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベ
ンゾ〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、5,6−ジヒドロ−2−
メチル−4H−シクロペンタ〔b〕チオフェンと3−クロ
ロプロピオニルクロライドから、3−(3−クロロプロ
ピオニル)−5,6−ジヒドロ−2−メチル−4H−シクロ
ペンタ〔b〕チオフェンを得る。
原料合成例1と同様の方法で、5,6,7,8−テトラヒド
ロ−2−メチル−4H−シクロヘプタ〔b〕チオフェンと
3−クロロピロピオニルクロライドから、3−(3−ク
ロロプロピオニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−メ
チル−4H−シクロヘプタ〔b〕チオフェンを得る。
N−(4−クロロフェニル)ピペラジン塩酸塩10gと
炭酸カリウム18gをジメチルホルムアミドとトルエンの
混合溶液(1:1)60mlに懸濁させ、室温で撹拌しなが
ら、原料合成例1の化合物3−(3−クロロプロピオニ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ
〔b〕チオフェン11gを上記の混合溶液15mlに溶解させ
た溶液を滴下した。滴下終了後、14時間加熱撹拌し、溶
媒を減圧留去し、残渣に水およびトルエンを加え撹拌し
た。この溶液をトルエンで抽出し、硫酸マグネシウムで
乾燥した。硫酸マグネシウムを濾去し、減圧下で溶媒を
留去した。得られた残渣にイソプロピルエーテル100ml
を加え、さらに生成物の結晶を少量加え、結晶を濾取
し、3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1
−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチル
ベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1−オ
ン15g(淡黄色結晶)を得た。融点82℃ 実施例1の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)
ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プ
ロパン−1−オン15gをメタノール150mlおよびクロロホ
ルム50mlに溶解させ、氷浴中で撹拌しながら水素化ホウ
素ナトリウム4gを徐々に加えた。室温で2.5時間撹拌
し、溶媒を減圧留去した。残渣に水を加え、クロロホル
ムで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネ
シウムを濾去し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残
渣にイソプロピルアルコール40mlおよびイソプロピルエ
ーテル70mlを加え、結晶を濾取し、3−(4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)プロパン−1−オール12g(褐色結晶)を
得た。融点110℃ ヨウ化ナトリウム30gのアセトニトリル溶液300mlに室
温で撹拌しながらクロロトリメチルシラン26mlを加え
た。この反応液に実施例2の化合物3−(4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)プロパン−1−オール12gを加え、2.5時間
加熱還流した。反応液を氷水中に注ぎ、撹拌しながら亜
硫酸ナトリウムおよび炭酸カリウムを加えた。アセトニ
トリル層を分離後、水層をクロロホルムで抽出し、アセ
トニトリル層に併せ、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫
酸マグネシウムを濾去し、減圧下で溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー60gに付し、
クロロホルム:メタノール=30:1流出分から粗結晶11g
を得た。これをアセトン150mlに溶解させ、塩酸のイソ
プロピルアルコール溶液(35%W/W)6gを加えた。生成
した結晶を濾取し、エタノールと水の混合溶媒で再結晶
して、1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4,5,
6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェ
ン−3−イル)プロピル)ピペラジン2塩酸塩9gを得
た。融点215℃(分解) 実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えてN(4−フルオロフェニ
ル)ピペラジンを用いることにより、3−(4−(4−
フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,
5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフ
ェン−3−イル)プロパン−1−オンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:6.81−7.02(4H,m),3.10(4H,t,J
=4.73Hz),2.96(2H,t,J=6.02Hz),2.86(2H,t,J=6.
02Hz),2.52−2.78(8H,m),2.55(3H,s),1.70−1.88
(4H,m) 実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例4の化合物3−(4−(4−フルオロフェニル)
ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プ
ロパン−1−オンを用いることにより、3−(4−(4
−フルオロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)プロパン−1−オールを得た。融
点128℃ 実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例5の化合物3−(4−(4−フルオロフェニル)
ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プ
ロパン−1−オールを用いることにより、1−(4−フ
ルオロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プ
ロピル)ピペラジン2塩酸塩を得た。融点205℃ 実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えてN−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)ピペラジンを用いることにより、1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−3−(4−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1
−オンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.33(1H,dd,J=7.30,7.35Hz),7.
00−7.13(3H,m),3.22(4H,t,J=5.01Hz),2.96(2H,
t,J=6.01Hz),2.84(2H,t,J=6.01Hz),2.51−2.73(8
H,m),2.55(3H,s),1.70−1.89(4H,m) 実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例7の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1
−イル)プロパン−1−オンを用いることにより、1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)−3−(4−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1
−オールを得た。1 H−NMR(CF3COOD)δ:7.78−8.03(4H,m),6.92−7.08
(1H,m),4.21−4.61(10H,m),4.00−4.14(2H,m),2.
67−2.75(2H,m),2.58−2.65(2H,m),2.45(3H,s),
1.82−1.92(4H,m) 実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例8の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン−1
−イル)プロパン−1−オールを用いることにより、4
−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−(3−
トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン2塩酸塩を得
た。融点236℃ 実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えてN−(4−メチルフェニ
ル)ピペラジンを用いることにより、1−(4,5,6,7−
テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)−3−(4−(4−メチルフェニル)ピペラジ
ン−1−イル)プロパン−1−オンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.06(2H,d,J=8.57Hz),6.82(2
H,d,J=8.57Hz),3.12(4H,t,J=5.32Hz),2.95(2H,t,
J=6.00Hz),2.82(2H,t,J=6.00Hz),2.52−2.74(8H,
m),2.54(3H,s),2.26(3H,s),1.68−1.88(4H,m) 実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に化えて
実施例10の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オンを用いることにより、1−(4,5,6,7−
テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)−3−(4−(4−メチルフェニル)ピペラジ
ン−1−イル)プロパン−1−オール2塩酸塩を得た。
融点224℃ 実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例11の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−メチルフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オール2塩酸塩を用いることにより、4−
(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−(4−
メチルフェニル)ピペラジン2塩酸塩を得た。融点221
実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えてN−(1−ナフチル)ピ
ペラジンを用いることにより、1−(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)−3−(4−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イ
ル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例13の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−
1−オンを用いることにより、1−(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)−3−(4−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イ
ル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例14の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(1−ナフチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−
1−オールを用いることにより、4−(3−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)プロピル)−1−(1−ナフチル)ピペラジ
ンを得る。
実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えてN−(3−ピリジル)ピ
ペラジンを用いることにより、1−(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)−3−(4−(3−ピリジル)ピペラジン−1−イ
ル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例16の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(3−ピリジル)ピペラジン−1−イル)プロパン−
1−オンを用いることにより、1−(4,5,6,7−テトラ
ヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)−3−(4−(3−ピリジル)ピペラジン−1−イ
ル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例17の化合物1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−
メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(3−ピリジル)ピペラジン−1−イル)プロパン−
1−オールを用いることにより、4−(3−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)プロピル)−1−(3−ピリジル)ピペラジ
ンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例2の化合物3−(3−クロロプロピオニ
ル)−2−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェンを用いることにより、3−(4−(4
−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(2
−エチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフ
ェン−3−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例19の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(2−エチル−4,5,6,7−
テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロ
パン−1−オンを用いることにより、3−(4−(4−
クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(2−
エチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェ
ン−3−イル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例20の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(2−エチル−4,5,6,7−
テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロ
パン−1−オールを用いることにより、1−(4−クロ
ロフェニル)−4−(3−(2−エチル−4,5,6,7−テ
トラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロピ
ル)ピペラジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例3の化合物2−ブチル−3−(3−クロ
ロプロピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベゾ〔b〕
チオフェンを用いることにより、1−(2−ブチル−4,
5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)−3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−
1−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例22の化合物1−(2−ブチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オンを用いることにより、1−(2−ブチル
−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)−3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジ
ン−1−イル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例23の化合物1−(2−ブチル−4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オールを用いることにより、4−(3−(2
−ブチル−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフ
ェン−3−イル)プロピル)−1−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例4の化合物2−ブロモ−3−(3−クロ
ロプロピオニル)−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェンを用いることにより、1−(2−ブロ
モ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)−3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラ
ジン−1−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例25の化合物1−(2−ブロモ−4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オンを用いることにより、1−(2−ブロモ
−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)−3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジ
ン−1−イル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例26の化合物1−(2−ブロモ−4,5,6,7−テトラ
ヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)−3−(4
−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)プロ
パン−1−オールを用いることにより、4−(3−(2
−ブロモ−4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフ
ェン−3−イル)プロピル)−1−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例5の化合物3−(3−クロロプロピオニ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2,4−ジメチルベンゾ
〔b〕チオフェンを用いることにより、3−(4−(4
−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,
5,6,7−テトラヒドロ−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕チオ
フェン−3−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例28の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)
プロパン−1−オンを用いることにより、3−(4−
(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕
チオフェン−3−イル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例29の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)
プロパン−1−オールを用いることにより、1−(4−
クロロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒド
ロ−2,4−ジメチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)プロピル)ピペラジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例6の化合物3−(クロロアセチル)−4,
5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフ
ェンを用いることにより、2−(4−(4−クロロフェ
ニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)エタン−1−オンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.18(2H,d,J=9.2Hz),6.82(2H,
d,J=9.24Hz),3.61(2H,s),3.18−3.27(4H,m),2.65
−2.80(8H,m),2.56(3H,S),1.70−1.88(4H,m) 実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例31の化合物2−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)エタ
ン−1−オンを用いることにより、2−(4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)エタノールを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.21(2H,d,J=9.24Hz),6.83(2
H,d,J=9.24Hz),4.91(1H,dd,J=3.30,10.56Hz),3.18
−3.28(4H,m),2.52−2.91(10H,m),2.43(3H,s),1.
72−1.90(4H,m) 実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例32の化合物2−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)エタ
ノールを用いることにより、1−(4−クロロフェニ
ル)−4−(2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチ
ルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)エチル)ピペラ
ジン1.5塩酸塩 0.1水和物を得た。融点236℃ 実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例7の化合物3−(4−クロロブチリル)
−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェンを用いることにより、4−(4−(4−クロロ
フェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−
テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)ブタン−1−オンを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.18(2H,d,J=9.23Hz),6.82(2
H,d,J=9.23Hz),3.70(2H,t,J=15.18Hz),3.12−3.25
(4H,m),2.58−2.92(10H,m),2.54(3H,s)1.72−1.8
9(4H,m) 実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例34の化合物4−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)ブタ
ン−1−オンを用いることにより、4−(4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)ブタン−1−オールを得た。1 H−NMR(CDCl3)δ:7.18(2H,d,J=9.24Hz),6.82(2
H,d,J=9.24Hz),4.68−4.83(1H,m),3.13−3.23(4H,
m),2.48−2.81(10H,m),2.37(3H,s),1.68−1.89(6
H,m) 実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例35の化合物4−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)ブタ
ン−1−オールを用いることにより、1−(4−クロロ
フェニル)−4−(4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2
−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)ブチル)
ピペラジン2塩酸塩を得た。融点198℃ 実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例8の化合物3−(3−クロロブチリル)
−4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェンを用いることいにょり、3−(4−(4−クロ
ロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)ブタン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例37の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)ブタ
ン−1−オンを用いることにより、3−(4−(4−ク
ロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,
7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン
−3−イル)ブタン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例38の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ
−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)ブタ
ン−1−オールを用いることにより、1−(4−クロロ
フェニル)−4−(1−メチル−3−(4,5,6,7−テト
ラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)プロピル)ピペラジンを得る。
実施例3の化合物1−(4−クロロフェニル)−4−
(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)ピペラジン2
塩酸塩1gをメタノールと水酸化ナトリウム水溶液の混合
溶液(1:1)に溶解し、ラネーニッケル0.2gを加え、40
℃に加温して常圧で接触還元を行った。5時間撹拌後、
セライト濾過で触媒を取り除き、濾液を濃縮した。残渣
に水を加えクロロホルムで抽出し、硫酸マグネシウムで
乾燥後、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーに付し、1−(4−クロロフェ
ニル)−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)ピペラジンを
得る。
実施例40と同様の方法で、実施例3の化合物に代えて
実施例6の化合物1−(4−フルオロフェニル)−4−
(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)ピペラジン2
塩酸塩を用いることにより、1−(4−フルオロフェニ
ル)−4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)ピペラジンを
得る。
実施例1と同様の方法で、N−(4−クロロフェニ
ル)ピペラジン塩酸塩に代えて4−(4−クロロフェニ
ル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを用いることに
より、3−(4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6−
テトラヒドロピリジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−
テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例42の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)−
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)−1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)プロパン−1−オンを用いること
により、3−(4−(4−クロロフェニル)−1,2,3,6
−テトラヒドロピリジン−1−イル)−1−(4,5,6,7
−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
3−イル)プロパン−1−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例43の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)−
1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−イル)−1−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)プロパン−1−オールを用いるこ
とにより、4−(4−クロロフェニル)−1−(3−
(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チ
オフェン−3−イル)プロピル)−1,2,3,6−テトラヒ
ドロピリジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例9の化合物3−(3−クロロプロピオニ
ル)−5,6−ジヒドロ−2−メチル−4H−シクロペンタ
〔b〕チオフェンを用いることにより、3−(4−(4
−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−(5,
6−ジヒドロ−2−メチル−4H−シクロペンタ〔b〕チ
オフェン−3−イル)プロパン−1−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例45の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(5,6−ジヒドロ−2−メ
チル−4H−シクロペンタ〔b〕チオフェン−3−イル)
プロパン−1−オンを用いることにより、3−(4−
(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)−1−
(5,6−ジヒドロ−2−メチル−4H−シクロペンタ
〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1−オールを
得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例46の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(5,6−ジヒドロ−2−メ
チル−4H−シクロペンタ〔b〕チオフェン−3−イル)
プロパン−1−オールを用いることにより、1−(4−
クロロフェニル)−4−(3−(5,6−ジヒドロ−2−
メチル−4H−シクロペンタ〔b〕チオフェン−3−イ
ル)プロピル)ピペラジンを得る。
実施例1と同様の方法で、原料合成例1の化合物に代
えて原料合成例10の化合物3−(3−クロロプロピオニ
ル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−2−メチル−4H−シク
ロヘプタ〔b〕チオフェンを用いることにより、3−
(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)
−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−メチル−4H−シ
クロヘプタ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1
−オンを得る。
実施例2と同様の方法で、実施例1の化合物に代えて
実施例48の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−メチル−4H−シクロヘプタ〔b〕チオフェン−3
−イル)プロパン−1−オンを用いることにより、3−
(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イル)
−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ−2−メチル−4H−シ
クロヘプタ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1
−オールを得る。
実施例3と同様の方法で、実施例2の化合物に代えて
実施例49の化合物3−(4−(4−クロロフェニル)ピ
ペラジン−1−イル)−1−(5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−メチル−4H−シクロヘプタ〔b〕チオフェン−3
−イル)プロパン−1−オールを用いることにより、1
−(4−クロロフェニル)−4−(3−(5,6,7,8−テ
トラヒドロ−2−メチル−4H−シクロヘプタ〔b〕チオ
フェン−3−イル)プロピル)ピペラジンを得る。
製剤処方例1 本発明化合物0.5部、乳糖25部、結晶セルロース35部
およびコーンスターチ3部とをよく混和したのち、コー
ンスターチ2部で製した結合剤とよく練合した。この練
合物を16メッシュで篩過し、オーブン中50℃で乾燥後、
24メッシュで篩過する。ここに得た練合粉体とコーンス
ターチ8部、結晶セルロース11部およびタルク9部とを
よく混合したのち、圧搾打錠して1錠当たり有効成分0.
5mg含有の錠剤を得る。
製剤処方例2 本発明化合物1.0mgと塩化ナトリウム9.0mgを注射用水
にて溶解し、濾過して発熱物質を除去し、濾液を無菌下
にアンプルに移し、殺菌後、溶融密封することにより有
効成分1.0mg含有注射剤を得る。
一般式(1)の化合物の優れた薬理活性は以下に示す
一連の試験によって証明される。
実験例1:D4受容体に対する親和性;3H−スピペロン結合 D4受容体発現細胞膜標本と3H−スピペロンを被験化合
物存在下で27℃、2時間インキュベートした。反応終了
後、ただちにワットマンGF/Bフィルター(商品名)で吸
引濾過し、フィルター上の放射能活性は液体シンチレー
ションカウンターで測定した。非特異的結合量は10μM
ハロペリドール存在下で求めた。試験化合物の50%抑制
濃度(IC50)を非線形回帰より算出し、阻害定数(Ki
値)を求めた。その結果、Y−36074(実施例3の化合
物)のKi値は0.50nMであった。
実験例2:D4受容体に対する親和性;3H−スピペロン結合 粗シナプス膜調製および結合実験はクリーズ(I.Cree
se)らの方法〔ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ファ
ーマコロジー第46巻、377頁(1977)〕に準じて行っ
た。凍結保存したラット線条体から粗シナプス膜を調製
し、膜標本と3H−スピペロンを被験化合物存在下で37℃
で20分反応させた。反応終了後、ただちにワットマンGF
/Bフィルター(商品名)で吸引濾過し、フィルター上の
放射能活性は液体シンチレーションカウンターで測定し
た。非特異的結合量は100μM(±)−スルピリド存在
下で求めた。試験化合物の50%抑制濃度(IC50)を非線
形回帰より算出し、阻害定数(Ki値)を求めた。その結
果、Y−36074のKi値は170nMであった。
実験例1、2の結果、本発明化合物のD4受容体に対す
るKi値は0.1〜1nMを示したが、D2受容体に対しては100n
M以上であった。従って、本発明化合物はD2受容体より
もD4受容体により強い親和性を有することが確認され、
その乖離は100倍以上であった。
実験例3:アンタゴニスト作用に関する実験 被験化合物のD4受容体への作用態度は、[35S]−GTP
γS結合試験法によって検討した。D4受容体発現細胞膜
を、非特異的結合を除去するためにグアノシン二リン酸
10μmol/Lと反応させた後、被験化合物と37℃で10分間
反応させた。その後、受容体作動薬であるキンピロール
を10-8から10-4mol/Lの濃度で加え、放射性同位元素35S
でγ位をラベルされたグアノシン三リン酸と37℃で30分
間反応させた。一連の反応は全て0.5mmol/Lジチオスレ
イトール、0.01%ルブロールPX、1mmol/Lエチレンジア
ミン四酢酸二ナトリウム、3mmol/L塩化マグネシウムお
よび100mmol/L塩化ナトリウムを含むHEPES−水酸化ナト
リウム緩衝液(pH8.0)中で行った。反応終了後、反応
液をセルハーベスタで濾過し、シンチレーターを加え、
放射線測定装置(トップカウント、アマシャム社)にて
放射線量を測定し、受容体作用薬による[35S]−GTPγ
Sの結合量の上昇に対する被験化合物の作用により、作
動薬もしくは拮抗薬かを判別した。上記実験によって、
Y−36074は[35S]−GTPγSの結合量を濃度依存的に
抑制したことからアンタゴニストであることがわかっ
た。
実験例4:禁断挙動症状モデルにおけるアルコール依存症
に対する評価 1群5〜8匹のラットを用い、20%エタノール5mlを
8時、13時、18時、24時の時点で1日4回、7日間にわ
たりラットに経口投与する。被験化合物は4日目の17
時、5日目および6日目の7時、17時の計5回、経口投
与する。最後のエタノール投与後の8〜12時間にわた
り、アルコール中断の挙動結果の相違について、各動物
を観察する。禁断現象(発作の誘発、飲水量など)の状
態で重篤度を評価し、コントロール群(被験化合物非投
与群)と比較することによって、アルコール依存症に対
する被験化合物の効果を評価することができる。
実験例5:禁断挙動症状モデルにおけるモルヒネ依存症に
対する評価 1群5〜8匹のラットを用い、モルヒネ(10mg/kg、
皮下)と被験化合物(5、10または20mg/kg、経口)を
5日間同時投与して、5日目の投与後、1時間後にナロ
キソン(2.0mg/kg、皮下)を投与して、モルヒネ禁断症
状を観察する。身震い、下痢、ジャンピングなどの挙動
を20分間観察し、コントロール群(被験化合物非投与
群)と比較することによって、薬物依存に対する被験化
合物の効果を評価することができる。
実験例6:毒性試験 5週齢のSD系雌性ラット4匹にY−36074 1000mg/kg
を経口投与したところ、何ら死亡例は観察されなかっ
た。また、Y−36074をラットに10日間反復経口投与し
たところ、100mg/kgの投与量で死亡例はみられず、一般
状態、体重、摂餌量、血液学的検査、血液生化学的検
査、尿検査、臓器重量および剖検(組織検査)では何れ
も異常は認められなかった。また、イヌに30mg/kgを10
日間反復投与したときも何ら毒性変化は認めなかった。
実験例7:ラットにおけるバイオアベイラビリティーの評
価 SD系雄性ラット(1群5匹)に5mg/kgを静脈内投与及
び30mg/kgを経口投与したのち、経時的に採血し、血漿
中薬物濃度を高速液体クロマトグラフを用いて測定し
た。次式によりバイオアベイラビリティー(BA)を算出
した結果、Y−36074のBAは30%以上と、良好であっ
た。
実験例8:ラットにおける脳内移行性の測定 SD系雄性ラット(1群3匹)に5mg/kgを静脈内投与後
30分に断頭して、血液および脳を採取し、血漿中および
脳内薬物濃度を高速液体クロマトグラフを用いて測定し
た。その結果、Y−36074の脳内/血漿中薬物濃度比は
2倍以上であり、脳への移行性は良好であった。
実験例7、8の結果から、本発明化合物のバイオアベ
イラビリティー(BA)および脳内移行性は良好であり、
抗精神病薬として有用であることが確認された。
本発明化合物はD4受容体に対して選択的に強い遮断作
用を有するD4受容体遮断薬であり、精神分裂病の急性期
に特徴的な幻覚、妄想などを中心とした陽性症状のみな
らず、感情鈍麻や無為、自閉などの陰性症状に対しても
効果を示す有用な抗精神病薬である。またD2受容体遮断
作用を有する従来の抗精神病薬を投与した場合に見られ
る、錐体外路症状や内分泌異常といった副作用が軽減さ
れた安全性の高い抗精神病薬として期待される。また、
本発明化合物の他の受容体(D1,5−HT1A,5−HT2,M1/M2,
α)に対するKi値は、D4受容体に対するKi値に対して
100倍以上の乖離を示し、他の中枢作用による影響が少
ない抗精神病薬になり得る。本発明化合物は精神分裂病
の治療薬として用いることができる。また、本発明化合
物はすぐれた経口吸収性、バイオアベイラビリティー、
脳内移行性を有する。さらに、本発明化合物はアルコー
ル依存症の患者や薬物乱用者の治療薬になり得る。
本出願は日本で出願された平成9年特許願第8161号を
基礎としており、その内容は本明細書に全て包含される
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 333/78 C07D 333/78 409/12 409/12 (72)発明者 二村 隆史 福岡県築上郡吉富町大字小祝955番地 吉富製薬株式会社 創薬第二研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 333/58 C07D 333/78 C07D 409/12 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、Aはメチレン、−C(=O)−または−CH(OR
    1)−(式中、R1は水素またはアルキルを示す。)を示
    し、 Dは存在しないか、または炭素数1〜8個を有する直鎖
    または分枝鎖状アルキレン鎖を示し、 nは0または1〜3の整数を示し、 R2は水素またはアルキルを示し、 R3は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、アミノまたは
    ニトロを示し、 R4は水素またはアルキルを示し、 Q−Tで表される結合はCH,CH2−N,(CH2−N,CH2
    C(R5)(式中、R5は水素、ヒドロキシ、アルキルまた
    はアルコキシを示す。)またはCH=Cを示し、 Eは置換基を有してもよいアリールまたは置換基を有し
    てもよい芳香族複素環基を示す。〕 により表されるチオフェン化合物、その光学異性体、そ
    の医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物。
  2. 【請求項2】一般式(1)において、R4が水素である請
    求の範囲1記載のチオフェン化合物、その光学異性体、
    その医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物。
  3. 【請求項3】一般式(1)において、Aはメチレン、−
    C(=O)−または−CH(OH)−を示し、 Dは炭素数1〜5個を有する直鎖または分枝鎖状アルキ
    レン鎖を示し、 nは1を示し、 R2は水素を示し、 R3は水素またはアルキルを示し、 R4は水素を示し、 Q−Tで表される結合はCH2−NまたはCH=Cを示し、 Eは置換基を有してもよいアリールまたは置換基を有し
    てもよい芳香族複素環基であることを特徴とする請求の
    範囲1記載のチオフェン化合物、その光学異性体、その
    医薬上許容しうる塩またはそれらの水和物。
  4. 【請求項4】3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラ
    ジン−1−イル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2
    −メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン
    −1−オン、 3−(4−(4−クロロフェニル)ピペラジン−1−イ
    ル)−1−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベン
    ゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロパン−1−オー
    ル、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7−
    テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
    −イル)プロピル)ピペラジン、 1−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7
    −テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−
    3−イル)プロピル)ピペラジン、 4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベン
    ゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−(3
    −トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、 4−(3−(4,5,6,7−テトラヒドロ−2−メチルベン
    ゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロピル)−1−(4
    −メチルフェニル)ピペラジン、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(2−エチル
    −4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3
    −イル)プロピル)ピペラジン、 1−(4−クロロフェニル)−4−(3−(4,5,6,7−
    テトラヒドロベンゾ〔b〕チオフェン−3−イル)プロ
    ピル)ピペラジン、および 4−(4−クロロフェニル)−1−(3−(4,5,6,7−
    テトラヒドロ−2−メチルベンゾ〔b〕チオフェン−3
    −イル)プロピル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン
    から選ばれる請求の範囲1記載のチオフェン化合物、そ
    の光学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの
    水和物。
  5. 【請求項5】請求の範囲1記載のチオフェン化合物、そ
    の光学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの
    水和物を含有する医薬。
  6. 【請求項6】請求の範囲1記載のチオフェン化合物、そ
    の光学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの
    水和物を含有するD4受容体遮断薬。
  7. 【請求項7】請求の範囲1記載のチオフェン化合物、そ
    の光学異性体、その医薬上許容しうる塩またはそれらの
    水和物と医薬上許容しうる添加剤を含有する医薬組成
    物。
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