JP3184355U - フッ素供給用のパージボックス及びパージシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】不活性ガスをパージし、かつ、排出する安全な接続ボックスを提供する。
【解決手段】パージボックス11は、パージガス供給用のパイプ12と、パージガス換気用のパイプ13と、パージガス供給用および換気用のパイプに接続される弁であってケーシングの外側に配置される弁と、フッ素ガスを含有する容器および供給システムからのパイプが貫通する入口部分であって、そのパイプがその入口部分を通して継手によってパージボックスに接続される入口部分と、パイプ、弁および入口部分を囲繞するケーシングとを含む。
【選択図】図1

Description

本考案は、2010年7月5日付で提出された優先権番号EP20100168436号の欧州特許出願の利益を主張するものであり、この欧州特許出願の全内容は、あらゆる目的に関して本願明細書に組み込まれる。本考案はパージシステムに関し、さらに具体的には、半導体、光起電力および液晶表示(LCD)装置のような最先端産業に用いられる特殊ガス供給設備周縁のガス漏洩を含む有害元素を防止し得るパージシステムに関する。
半導体、光起電力およびLCDの工場におけるもっとも必須の反応性化学物質に属する特殊ガスの管理はきわめて重要である。この点に関して、種々のガスキャビネットおよびガス供給設備が用いられる。ほとんどの特殊ガスは、腐食性挙動、毒性、燃焼性および引火性のために非常に有害である。従って、それらは細心の注意をもって取り扱わなければならない。
従来のガス供給設備は、シリンダおよび全パネルが1つのキャビネット内に配置される方式の簡単な排出システムを採用している。そうすることによって外部空気を全システムの中に導入することが可能になり、その後、排出ダクトを通してガスを排出するために圧力を低減することができる。特定の場合には、高度の反応性を有し、爆発性であって、自発燃焼性があるガスは、ガス漏洩の結果として、損傷、爆発および火災を惹起することがあり得る。さらに、このようなガスは、設備の停止および再起動が不可避になるので、時間と費用との大幅な損失をもたらす可能性が高い。また、それらは1つのキャビネットの中に構築されるので、それらが、実質的に有害な位置において有害元素を完全に除去することはできない。
欧州特許出願第20100168436号
本考案の目的、特に本考案のパージボックスの目的は、ガスパイプとシリンダとの間の継手を外部/周囲空気から遮断することにある。この継手が、半導体に用いられる特殊ガスの漏洩による汚染、燃焼および火災の主たる原因になっている。本考案は、不活性ガス(ArまたはNなど)をパージしかつ排出する別個の安全な接続ボックスの提供を目指している。
上記の目的を実現するため、本考案によるパージボックスは、次の各構成要素、すなわち、パージガス供給用のパイプと、パージガス換気用のパイプと、パージガス供給用および換気用のパイプに接続される弁と、反応化学物質を含有する容器および供給システムからのパイプが貫通する入口部分であって、そのパイプがその入り口部分を通して継手によってパージボックスに接続される入口部分と、パイプ、弁および入口部分を囲繞するケーシングとを含む。ガス漏洩検知器のセンサーもこのパージボックス内に設けられる。
本考案に従って構成されたパージボックスの形態の模式図である。 本考案によるパージボックスの詳細図である。 本考案に従って構成されたパージシステムの模式図である。 本考案によるパージボックス用のケーシングの模式図である。
図1および2に示すパージボックスは、元素のフッ素のような有害ガスが大気中に放散されるのを避けるために用いられる用具である。さらに、このボックスは、ボックス内の放散Fを希釈するために不活性ガスでフラッシュすることができる。これは、ほとんど100%純度のFで作業する場合に、ガス供給システム内でのF燃焼を避けるために特に重要である。
多くの場合、Fは、FまたはFを含有するガス混合物を含む中空体のバンドル、例えば細長いシリンダ形状の容器のバンドルによって使用点に供給される。FガスまたはFガス含有混合物の供給によく適したバンドルトレーラが国際公開第2010/046428号パンフレットに記述されている。このバンドルトレーラは、多くの場合、数個のバンドル、例えば6個のバンドルを含み、各バンドルは、FまたはF含有混合物貯蔵用のいくつかの容器、例えば2〜40個の容器を含む。各バンドルはバンドル弁を介して接続される。各バンドル弁は、トレーラ弁と接続される主パイプに接続される。トレーラ弁は、Fを局所的なガス供給システムに供給するパイプに接続される。バンドルトレーラ内に貯蔵されるFがほとんど完全に供給されると、使用済みのバンドルトレーラは、新しいバンドルトレーラに取り換えなければならない。トレーラ弁およびバンドル弁は閉じられ、パイプが切り離される。
パージボックスは、バンドルと局所的なガス供給システムとの間の接続部において用いることができる。
漏洩は、バンドルとガス供給システムとの間の接続部において発生する可能性が最も高い。この接続部は頻繁に取り付けと取り外しとが繰り返されるからである。このような漏洩が生じると、ガスモニターがガスの放散を直ちに認識して、供給を閉止するための信号をバンドル弁に送り、同時に、不活性ガスを供給するようにガスキャビネット弁に信号送信する。ガス安全ボックスは、直ちに、Fの着火を避けるために、例えば100%Fガスの高濃度になるのを避けるように不活性ガスでフラッシュされる。不活性ガスおよび漏洩ガスは、システムのPOU(使用点:Point Of Use)の洗浄器に送られるであろう。漏洩ガスを効率的に分解し得る任意の洗浄器を用いることができるが、水酸化カルシウムのようなアルカリ性の水溶液を含む洗浄器システム、あるいは固体炭酸カルシウム洗浄器を使用することが望ましい。不活性ガスのパージ流量の増大と同時に、F供給用の弁が閉じられ、その結果、30秒後にはFは放散されなくなるであろう。
パージボックスはシリンダとパイプとの間の継手を被包しているので、それは、汚染および漏洩をもたらす可能性がある頻繁な取り付けおよび取り外しによってシリンダとガスパイプとの間の継手の周縁に2次的な有害事故が発生するのを防止する。
一実施態様において、反応性の化学物質が元素のフッ素である。別の実施態様においては、パージガスが少なくとも1つの不活性ガス、好ましくはアルゴンまたは窒素である。
他のいくつかの実施態様においては、ケーシングが、図4に示すような一般的なボックス形状である。好ましいいくつかの実施態様においては、ケーシングは、外部空気がケーシング内に侵入し得ないように形成される。別の一実施形態においては、パージボックスが、反応性化学物質を監視する検出器を含む。ケーシングは、少なくとも部分的に、ASTM A240 Type 304のようなステンレス鋼から製作される。但し、フッ素に対して不活性な他の材料も使用可能である。
本考案は、さらに、反応性化学物質を閉じ込めるための好ましくはシリンダ形状を有する少なくとも1つの容器と、上記に規定したようなパージボックスと、反応性化学物質およびパージガスの流れを制御するためのパイプおよび弁を含むマニホルドパネルと、反応性化学物質監視用の検出器とを含むパージシステムに関する。好ましい実施態様においては、このパージシステムは、さらに、パージガス換気用のパイプに接続される洗浄器を含み、反応性化学物質の漏洩が発生すると、検出器が直ちに警報を発信する。
本考案のいくつかの特定の実施態様においては、パージシステムが、パージボックスを囲繞するケーシングと、反応性化学物質用の少なくとも1つの容器と、反応性化学物質およびパージガスの流れを制御するためのパイプおよび弁を含むマニホルドパネルと、反応性化学物質監視用の検出器とを含む。
また、本考案は、半導体、光起電力または液晶表示(LCD)産業、あるいはマイクロ電気機械システム(micro−electromechanical system:MEMS)産業に用いられる特殊ガス供給設備において、特に、反応性化学物質の漏洩および/または濃縮された化学物質の燃焼によって惹起される有害事象を防止するために、パージボックスを使用することにも関する。
本考案は上記の使用および適用に限定されない。当業者は誰でも、必要に応じて使用および適用を変更できる。
添付の図面を参照すると、理想的な適用の例が示されている。
図1および2は、本考案に従って構築されたパージボックスの構成の実施態様を模式的に示す。このパージボックス(11)は、パージガス供給用のパイプ(12)と、パージガス換気用のパイプ(13)と、パージガス供給用および換気用のパイプに接続される弁であってケーシングの外側に配置される弁(図示されていない)と、フッ素ガスを含有する容器および供給システムからのパイプが貫通する入口部分であって、そのパイプがその入り口部分を通して継手によってパージボックスに接続される入口部分と、パイプ、弁および入口部分を囲繞するケーシングとを含む。
図3は、本考案によるパージシステムの実施態様を模式的に示す。本考案のパージボックス(1)はバンドルフレーム(2)上に設置され、そのバンドルフレーム(2)の上には、化学物質を含有する複数の容器(3)が搭載される。パージボックス(1)は、容易な組み立てのために、2つの部分が一緒に溶接されている。このパージシステムのマニホルドパネル(4)は、容器からの反応性化学物質およびパージガスの流れを制御するためのパイプおよび弁と、反応性化学物質監視用の検出器とを含む。例えば、バンドルをガス供給システムに接続した際に反応性ガスが漏洩したとすると、検出器が、直ちにガスの漏洩を認識して、反応性ガスの供給を停止する信号をバンドル弁に送る。一方、ほとんど同時に、パージボックスを、例えばFが20%より高いガスに濃度増大することと、それによる結果とを避けるためにアルゴンガスでフラッシュする。パージガスは、Fが検出されると直ちにパージボックスをフラッシュするであろう。パージガスの流量が高いので、F濃度の増大が避けられ、燃焼開始の臨界濃度になるのが防止される。希釈効果以外に、冷却効果があることも考え得る。これに加えて、F供給弁が同時に閉止されるであろう。
パージシステムは、さらに、パージガス換気用のパイプに接続される洗浄器を含む。さらに、検出器が、反応性化学物質の漏洩が生じると直ちに警報を発信する。漏洩したフッ素を含有する不活性ガス(例えばアルゴン)が、乾式または湿式洗浄器システムのいずれかであるPOU(使用点:Point Of Use)洗浄器に送られる。アルゴンのような不活性ガスによるフラッシングは、バンドル弁が閉じられ、許容閾値(Threshold Limit Value:TLV)を超えるF信号が検出されなくなるまで実施される。次のステップにおいて、安全ボックスを開放し、接続およびガスケットを交換および/または再調整できる。バンドルシステムの具体的な形態は、PCT出願番号PCT/EP2009/063867号明細書(国際公開第2010/046428号パンフレットとして公刊)に記述されており、このPCT出願の内容はその全体が参照によって本願に組み込まれる。
本考案のパージボックスによって、シリンダおよびパイプの間の継手においてガス漏洩が発生した場合、汚染、燃焼、爆発および火災による有害事象を防止するために、かつ、漏洩特殊ガスおよび廃棄物を排出するために、不活性ガス(例えば、アルゴン、窒素など)がパージされ、ボックス形状の構造によって外部空気が遮断される。これによって、設備の運転の連続性を確保することが可能になり、いかなる不必要な事故も防止できる。既存または別個のガスキャビネットを含むガス供給設備に搭載されるシリンダの取り付けおよび取り外しから生じる物理的および化学的損傷を防止できる。
参照によって本願に組み込まれる任意の特許、特許出願および刊行物の開示内容が、用語を不明確にする可能性がある限りにおいて本願明細書の記述と矛盾する場合には、本願明細書の記述が優先するものとする。
1 パージボックス
2 バンドルフレーム
3 容器
4 マニホルドパネル
11 パージボックス
12 パージガス供給用のパイプ
13 パージガス換気用のパイプ

Claims (14)

  1. パージガス供給用のパイプと、
    前記パージガス換気用のパイプと、
    前記パージガス供給用のパイプおよび前記換気用のパイプに接続される弁と、
    反応性化学物質を含有する容器および供給システムからのパイプが貫通する入口部分であって、そのパイプがその入り口部分を通して継手によってパージボックスに接続される入口部分と、
    前記パイプ、弁および入口部分を囲繞するケーシングと、
    を含むパージボックス。
  2. 前記反応性化学物質が元素のフッ素である、請求項1に記載のパージボックス。
  3. 前記パージガスが少なくとも1種類の不活性ガスである、請求項1または2に記載のパージボックス。
  4. 前記パージガスがアルゴンである、請求項3に記載のパージボックス。
  5. 前記パージガスが窒素である、請求項3に記載のパージボックス。
  6. 前記ケーシングが一般的なボックス形状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパージボックス。
  7. 前記ケーシングが、外部空気がそのケーシング内に進入し得ないように構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパージボックス。
  8. 前記ケーシングが、前記反応性化学物質を含有する容器のバンドルと局所的なガス供給システムとの間の接続部を囲繞する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパージボックス。
  9. 反応性化学物質監視用の検出器を含む、請求項1に記載のパージボックス。
  10. 反応性化学物質を含有する少なくとも1つの容器と、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のパージボックスと、
    前記反応性化学物質およびパージガスの流れを制御するためのパイプおよび弁を含むマニホルドパネルと、
    前記反応性化学物質監視用の検出器と、
    を含むパージシステム。
  11. 前記パージガス換気用のパイプに接続される洗浄器をさらに含む、請求項10に記載のパージシステム。
  12. 前記容器が一般的なシリンダ形状を有する、請求項10または11に記載のパージシステム。
  13. 前記反応性化学物質の漏洩が発生すると、前記検出器が直ちに警報を発信する、請求項10〜12のいずれか一項に記載のパージシステム。
  14. 前記パージボックスを囲繞するケーシングと、反応性化学物質用の少なくとも1つの前記容器と、前記反応性化学物質およびパージガスの流れを制御するためのパイプおよび弁を含む前記マニホルドパネルと、前記反応性化学物質監視用の前記検出器とを含む、請求項10に記載のパージシステム。
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