JP3184260B2 - 自動車構造部材用アルミニウム合金のウェルドボンド接合方法 - Google Patents

自動車構造部材用アルミニウム合金のウェルドボンド接合方法

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車構造部材用アルミ
ニウム合金のウェルドボンド接合方法、更に詳しくは、
接着剤接合とスポット溶接を併用するウェルドボンド接
合方法において、該アルミニウム合金を特定の表面酸化
皮膜厚に調整し、かつ接着剤接合に当り通電性で防錆効
果に優れたエポキシ樹脂接着剤を用いることにより、優
れた接合力を発揮し、特に、スポット溶接の連続打点数
を高めることができる自動車構造部材用アルミニウム合
金のウェルドボンド接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動車産
業において、燃費向上、高性能化を目的とした車体重量
の低減が叫ばれる中、従来の構造部材として使用されて
いる鉄もしくは鉄鋼材料に代わり比重が鉄のほぼ3分の
1であるアルミニウム材料(特にアルミニウム合金)の需
要が伸びている。しかも、アルミニウム合金は軽量であ
るばかりでなく、耐食性、加工性、表面処理性等にも
、また再生が容易であることから、自動車構造部材用
として最も注目されており、現在では既にボディ、ホイ
ール、バンパー、熱交換器、エンジン等に用いられ、更
に他の部位への応用範囲が増えつつある。
【0003】ところで、このようなアルミニウム合金を
自動車構造部材に用いる場合、その製造工程は従来の鉄
鋼材料と基本的に同じであり、原則的に成形性、溶接
性、塗装後の耐食性、美観および接着性等の面で遜色な
いことが要求される。鉄鋼材料を用いた自動車ボディの
場合を例にとると、その製造工程は先ず、成形(コイル
またはコイルから所定寸法に切断した板材より所定形状
に成形)→接合(接着および溶接にて周辺部材と接合)の
後、塗装前処理、次いで塗装[下塗(電着塗装)→中塗→
上塗]、最後に艤装の順で行われる。これに対しアルミ
ニウム合金の場合では、通常の鋳造→ソーキング→熱間
圧延→冷間圧延→仕上焼鈍(冷間圧延途中に実施する場
合あり)を経た後、上述の製造工程において、コイル状
態または所定寸法の切断板材の状態にて成形工程に供さ
れる。
【0004】しかしながら、自動車構造部材用としてア
ルミニウム合金を用い、かつ上記接合工程において特に
接着剤接合とスポット溶接を併用するウェルドボンド接
合方法を採用した場合、従来より、以下に示すような問
題が起る。 a) 接着剤接合における接着性不良と経時による接着性
低下、並びに初期強度が所望レベルに到達しなかった
り、あるいは苛酷環境下の促進耐久試験を行うと接合部
より剥離を生じたりして、接合部の接着強度が所望レベ
ルを下回り安全性、信頼性に支障を来す。 b) スポット溶接時の連続して溶接可能な連続打点数が
低く、電極のメンテナンス回数が多いことから生産性が
低い。 c) 接着剤の主成分が非導電性樹脂であることから通常
の方法では高電流下で通電するスポット溶接を行うこと
は極めて難かしい。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、か
かる自動車構造部材用アルミニウム合金のウェルドボン
ド接合方法が抱える、接着性不良、苛酷環境における耐
久性不信、スポット溶接の困難性の原因について究明し
たところ、(1)アルミニウム合金の表面酸化皮膜が厚い
と、酸化皮膜自体が脆弱層(剥離部)として働き、接着強
度を低下させる、(2)従来の接着剤(一般にエポキシ樹
脂系)では防錆機能が低いため、苛酷環境において接着
力の低下が激しく耐久性に劣り、さらに非導電性の樹脂
を使用しているため通電性に乏しく、スポット溶接を困
難とすることを知見し、これらの酸化皮膜および接着剤
特性に基づく接着性不良並びにスポット溶接不良を解決
すべく鋭意検討を進めた結果、アルミニウム合金を特定
の表面酸化皮膜厚に調整し、かつ通電性で防錆効果の優
れたエポキシ樹脂接着剤を用いることにより、接着性、
耐久接着性、スポット溶接性に優れ、かつ接着剤接合の
経時劣化での接合力の信頼性を高めたウェルドボンド接
合方法を実施しうることを見出し、本発明を完成させる
に至った。
【0006】すなわち、本発明は、自動車構造部材用ア
ルミニウム合金に対し接着剤接合とスポット溶接を併用
するウェルドボンド接合方法において、上記アルミニウ
ム合金の表面処理として脱脂、エッチングおよびマスカ
ット除去を行って、表面酸化皮膜厚を200Å以下に調
整し、かつ上記接着剤接合に当り、1〜15%(重量
%、以下同様)の導電性材料を含有する、エポキシ樹
脂、潜在性硬化剤および防錆剤としてリン酸塩;オルト
リン酸アルミニウムと亜鉛化合物との混合物;および/
またはメタリン酸アルミニウムと亜鉛化合物、ホウ酸化
合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも1種と
の混合物から成る加熱硬化性エポキシ樹脂接着剤(以
下、通電性接着剤と称す)を用いることを特徴とする自
動車構造部材用アルミニウム合金のウェルドボンド接合
方法を提供するものである。
【0007】本発明においてアルミニウム合金の表面処
理として、脱脂、エッチングおよびスマット除去を行
い、200Å以下、好ましくは100Å以下の表面酸化
皮膜厚に調整しておくことが重要である。表面酸化皮膜
厚が200Åを越えると、上述の如く接着時に酸化皮膜
自体が脆弱層として働き、接着強度を低下させることに
なる。上記脱脂は、常法によりたとえばトリクロロエタ
ン洗浄で行えばよい。
【0008】上記エッチングは、市販のアルカリ性洗剤
や酸性洗剤、あるいは苛性ソーダ水溶液を用いて行えば
よく、エッチング量は通常、5mg/m2以上となるように
選定する。5mg/m2未満では、結晶性の酸化皮膜を完全
除去できない傾向にある。このエッチングは熱間圧延時
に生成した酸化皮膜を除去し、かつ200Åを越えて成
長した酸化皮膜を低減することを目的とするもので、エ
ッチングの実施時点としては、熱間圧延以降であればそ
の目的は達成されるが、仕上焼鈍の後に行うことが最も
有効である。
【0009】上記スマット除去は、酸化皮膜中の不純物
(水酸化アルミニウムなど)を除去するためのもので、た
とえば硝酸や硫酸の水溶液洗浄で行えばよい。
【0010】なお、本発明にあって、上記表面処理を行
った後、要すればアルミニウム合金表面と通電性接着剤
の密着性をより向上せしめるため、強制的に酸化皮膜を
生成させる下地処理を行うことができる。この下地処理
としては、以下に示す2つの方法(i,ii)のいずれかが採
用されてよい。
【0011】(i)電気化学的な陽極酸化電解を行って、
通常膜厚0.05〜5μm、好ましくは0.1〜1.5
μmの陽極酸化皮膜を生成する。かかる陽極酸化電解に
用いる電解液としては、リン酸、クロム酸、シュウ酸、
硫酸等の水溶液からなる酸性が例示される。生成する
陽極酸化皮膜は多孔質で、通常孔径100〜350Åの
多数の孔(ポア)が存在し、一般的には封孔処理が行われ
るが、本発明ではこの封孔処理は行わない。何故なら、
多数の孔の存在は、接着剤の投錨効果をもたらし接着強
度の向上に貢献し、また逆に封孔処理を行うと、多孔質
による陽極酸化皮膜の電導性を低下させることになるか
らである。
【0012】なお、陽極酸化電解に使用する電解液は酸
性であるため、これらの電解液が陽極酸化皮膜中に残存
していると、アルミニウム合金表面の変質要因であるア
ノード腐食を促進する。従って、後処理として陽極酸化
皮膜の孔中に浸透している電解液を除去せしめ、アルミ
ニウム合金の表面変質を防止し、接着強度の耐久性を高
めることが必要となる。かかる電解液の除去手段とし
て、十分な水洗あるいは超音波洗浄等が採用されてよ
い。
【0013】(ii)水性媒体もしくは湿潤雰囲気中で加熱
処理を行って、通常膜厚0.05〜1.5μm、好まし
くは0.1〜1μmのベーマイト酸化皮膜(Al23・H2
O)を生成する。
【0014】かかる加熱処理における水性媒体として
は、水道水、純水、トリエタノールアミン水溶液または
アンモニア水溶液が例示され、この場合の加熱温度は5
0℃以上が適当である。また湿潤雰囲気としては、たと
えば温度50℃以上200℃以下,相対湿度50%RH
以上が使用されてよい。なお、本処理により生成するベ
ーマイト皮膜は耐食性に優れることから、アルミニウム
合金表面の変質要因であるアノード腐食を抑制する効果
があり、接着強度の耐久性向上に有利である。
【0015】本発明で用いる通電性接着剤は、エポキシ
樹脂、潜在性硬化剤および防錆剤としてリン酸塩;オル
トリン酸アルミニウムと亜鉛化合物との混合物(オルト
リン酸アルミニウム系防錆剤);および/またはメタリン
酸アルミニウムと亜鉛化合物、ホウ酸化合物およびアル
カリ土類金属化合物の少なくとも1種との混合物(メタ
リン酸アルミニウム系防錆剤)から成る加熱硬化性エポ
キシ樹脂接着剤に導電性材料を配合した系で構成され、
防錆性に優れ苛酷環境においても接着力の低下が極めて
低い耐久性の優れたものである。
【0016】上記エポキシ樹脂としては、当該分野で公
知のものが使用されてよく、たとえばグリシジルエーテ
ル型、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、線
状脂肪族エポキサイド型、脂環族エポキサイド型等が挙
げられ、これらの1種または2種以上の混合物を使用に
供する。特に、グリシジルエーテル型の液状のものが好
ましい。
【0017】上記潜在性硬化剤としては、加熱により硬
化作用を発揮する通常の硬化剤で、一般に80〜250
℃の温度範囲で活性化するものが使用されてよい。かか
る硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド、4,4'
−ジアミノジフェニルスルホン、イミダゾール誘導体
(2−n−ヘプタデシルイミダゾールなど)、イソフタル
酸ジヒドラジド、N,N−ジアルキル尿素誘導体、N,N
−ジアルキルチオ尿素誘導体、メラミン誘導体等が挙げ
られ、硬化条件や物性に応じて、これらの1種または2
種以上の混合物を使用に供する。使用量は通常、エポキ
シ樹脂100部(重量部、以下同様)に対して1〜30部
の範囲で選定すればよい。
【0018】上記防錆剤として使用しうるリン酸塩とし
ては、アルミニウム塩や亜鉛塩、具体的にはトリポリリ
ン酸二水素アルミニウム(AlH2310・2H2O)また
はリン酸亜鉛(Zn3(PO4)2・nH2O、n=2〜4]等が
挙げられる。就中、これらのリン酸塩を100℃以上、
特に150〜200℃の温度で30分間以上加熱脱水し
た、含水率0.5%(重量%、以下同様)以下の脱水リン
酸塩の使用が好ましい。
【0019】上記オルトリン酸アルミニウム系防錆剤に
おける、オルトリン酸アルミニウムとしては、オルトリ
ン酸アルミニウムを50%以上含有している物質であれ
ば特に制限はなく、その結晶型としてベルリナイト型、
トリジマイト型、クリストバライト型が知られている。
オルトリン酸アルミニウムは、たとえばリン酸とアルミ
ニウム化合物の混合物(P25/Al23=0.5〜2程
度)を、約300〜1200℃の温度で焼成することに
より得られる。オルトリン酸アルミニウムと亜鉛化合物
の重量比が通常、10:1〜1:1となるように選定すれ
ばよく、この場合のpHは4〜10に設定されている。
特に、オルトリン酸アルミニウムと酸化亜鉛を5:2で
混合したものは、pH6前後であり、より優れた防錆性
を示し、また樹脂の種類の選択性も少ない。
【0020】上記メタリン酸アルミニウム系防錆剤の具
体的構成を例示すると、以下の通りである。 i)メタリン酸アルミニウムと亜鉛化合物および/または
アルカリ土類金属化合物とからなる防錆剤 ii)メタリン酸アルミニウムとホウ酸化合物(またはこれ
とアルカリ土類金属化合物との混合物)とからなる防錆
剤 上記メタリン酸アルミニウムとしては、メタリン酸アル
ミニウムを含有している物質であれば特に制限はなく、
この結晶型としてA型、B型、C型、D型が知られてい
る。上記i)の場合はメタリン酸アルミニウムの50%以
上がA型、またii)の場合はメタリン酸アルミニウムの
50%以上がB型であるのが好ましい。メタリン酸アル
ミニウムは、たとえばリン化合物とアルミニウム化合物
をP/Al=1.1〜3程度となるように反応させ、1
00〜200℃で乾燥させた後250〜450℃で焼
成、次いで450〜900℃で焼成し、粉砕するか、ま
たは市販のトリポリリン酸二水素アルミニウムを400
〜900℃で焼成することにより得られる。
【0021】上記亜鉛化合物、アルカリ土類金属化合物
およびホウ酸化合物は、150℃以下の温度で遊離する
結晶水を含有せずまたはわずかしか含有しない、難溶性
または不溶性のものが使用できる。かかる結晶水は、焼
付時に遊離して発泡の原因となったり、あるいは水に対
して不安定な樹脂への混練を不可能とする。なお、結晶
水を多量に含む場合は、別途焼成して結晶水を飛ばして
おけばよい。これらの金属化合物の具体例として、亜鉛
化合物では酸化亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ホ
ウ酸亜鉛、塩基性リン酸亜鉛等が挙げられ、特に酸化亜
鉛が好ましい。アルカリ土類金属化合物ではアルカリ土
類金属(Ca,Ba,Sr)の炭酸塩、塩基性炭酸塩、塩基性
硫酸塩、塩基性リン酸塩、ケイ酸塩、酸化物、水酸化物
等が挙げられる。ホウ酸化合物ではホウ酸カルシウム、
ホウ酸マグネシウム、ホウ酸バリウム、メタホウ酸バリ
ウム等が挙げられる。
【0022】上記i)とii)のメタリン酸アルミニウムと
各種金属化合物の重量比は、前記オルトリン酸アルミニ
ウム系防錆剤の場合と同様、pHが4〜10となるよう
に選定すればよい。特に、メタリン酸アルミニウムと酸
化亜鉛またはメタホウ酸バリウムの組合せが、pH5〜
8で、より優れた防錆性を示し、樹脂選択性も少ない。
【0023】当該通電性接着剤で用いる防錆剤は、上述
のリン酸塩、オルトリン酸アルミニウム系およびメタリ
ン酸アルミニウム系の群から選ばれる1つまたは2つ以
上の組合せで使用に供してよい。使用量は、当該通電性
接着剤全量に対して5〜50%の範囲で選定すればよ
い。
【0024】上記導電性材料としては、通常0.01〜
50μm粒径のもので、たとえば一般式:MeO・Fe23
(MeはMn,Ba,Co,Sr,Pb,Zn,Mg,Cdなどの2価金
属)で示される酸化金属−酸化鉄の焼結複合体フェライ
トまたはα−Fe23粒子粉末、銀、銅、パラジウム,ア
ルミニウム,ニッケル,亜鉛などの金属粉、酸化ルテニウ
ム、酸化ビスマス,酸化イリジウムなどの酸化金属粉、
カーボンブラック、グラファイト粉、銀コートガラス粉
等の1種または2種以上が使用されてよい。特に、カー
ボンブラック粉やグラファイト粉は少量配合によって、
電着塗料が塗着する程度の導電性とスポット熔接できる
通電性が得られるので望ましい。かかる導電性材料の配
合量は、当該通電性接着剤全量に対して1〜15%、好
ましくは2〜10%の範囲で選定する。1%未満では、
スポット溶接を行う上で所望の通電性付与が達成され
ず、また15%を越えても、スポット溶接自体に支障は
ないが、このように配合量が多いと、いわゆる接着剤機
能を低下させることになる。なお、導電性材料を配合し
ない場合では、高電流により爆発が起りスポット溶接は
難かしい。
【0025】さらに、必要に応じて通常の充填剤(炭酸
カルシウム、クレー、タルク、シリカなど)、若干の可
塑剤、溶剤、顔料等を適量添加配合してもよい。
【0026】本発明に係る自動車構造部材用アルミニウ
ム合金のウェルドボンド接合方法は、該アルミニウム合
金に対し上述の表面処理(脱脂、エッチングおよびスマ
ット除去)で行い所定の表面酸化皮膜厚に調整し、次い
で要すれば下地処理を行った後、上記の通電性接着剤を
通常1〜5mmφのビード形状で塗布し、これに他方の自
動車構造部材[アルミニウム合金と同種または異種(たと
えば鉄鋼材料)]を重ね合せた後、それぞれに適した溶接
条件でスポット溶接を行い、次いで150〜220℃の
温度で10〜60分間加熱硬化させることによって実施
される。
【0027】
【発明の効果】以上の構成から成る本発明方法によれ
ば、アルミニウム合金のウェルドボンド接合方法におい
て、従来困難とされていたスポット溶接を効率的に行う
ことができ、しかも優れた接着性、耐久接着性を備えた
信頼性の高い接合力を発揮することができる。
【0028】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。 実施例1〜10および比較例1〜8 (1)アルミニウム材料 アルミニウム素材から通常の製造方法により最終板厚1
mmとしたAl−Mg系JIS5182合金またはAl−Mg
−Si系JIS6061合金を使用する。なお、この仕
上厚1mm圧延合金板の製造は以下の手順で行った。すな
わち、ソーキング(560℃×8時間)、更に540℃×
1時間加熱後板厚5mmに熱間圧延し、次いで第一次冷間
圧延を行って板厚2mmとし、更に360℃×2時間の中
間焼鈍を行った後、第二次冷間圧延で板厚1.0mmと
し、その後5182合金については360℃×2時間の
加熱を行い、6061合金については590℃に加熱
し、3分間保持後水中急冷する溶体化処理を行った。
【0029】(2)表面処理 脱脂はトリクロロエタンを用いて行い、エッチングおよ
びスマット除去を下記表1および2に示す条件で行っ
た。
【0030】(3)加熱硬化性エポキシ樹脂接着剤の調製 接着剤Aの配合組成 エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、エピコート828) ……80 反応性希釈剤(日東化成社製、エポニット012) ……20 潜在性硬化剤(ジシアンジアミド) …… 7 ベンゾグアナミン ……10 炭酸カルシウム ……10 トリポリリン酸二水素アルミニウム(180℃×30分加熱脱水、含水率0. 5%以下) ……15 上記組成成分を順次ニーダーに投入し、撹拌混合し、3
本ロールで分散混合後減圧下に脱泡処理して接着剤Aを
得る。
【0031】接着剤B 接着剤Aにおいて、加熱脱水したトリポリリン酸二水素
アルミニウム15部の代わりに、オルトリン酸アルミニ
ウム/酸化亜鉛(5:2)の混合物(pH6)15部を用いる
以外は、同様にして接着剤Bを得る。
【0032】(4)通電性接着剤の調製 上記(3)の接着剤AまたはBに、各種の導電性材料(A:
Al粉、N:Ni粉、Z:Zn粉、C:カーボンブラック粉、
F:フェライト)を表1および2に示す添加量(%)で配合
して、接着剤AA(接着剤AにAl粉を配合したもの、以
下同様)、AN、AZ、AC、AFまたは接着剤BA(接
着剤BにAl粉を配合したもの、以下同様)、BZとす
る。
【0033】(5)ウェルドボンド接合(またはスポット
溶接のみ) 上記(2)の表面処理したアルミニウム材料(1×25×
100mm)と他の同寸法のアルミニウム材料を、上記
(3),(4)の接着剤を用いず、または用いて(接着剤の厚
さ:0.1mm)、ラップ巾25mmにて重ね合せ、次いで単
相整流スポット溶接機により、溶接電流20000A、
加圧力300kg、通電時間5サイクルの溶接条件で接合
した後、190℃×30分で加熱硬化させた。
【0034】(6)スポット溶接性の評価 上記(5)の条件で各試験片を溶接し、溶接後のアルミニ
ウム材料表面を観察し、ピックアップが発生するまでの
連続打点数で評価した。結果を表1および2に示す。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大栗 靖弘 大阪府高槻市明田町7番1号 サンスタ ー技研株式会社内 (72)発明者 榊原 利盛 大阪府高槻市明田町7番1号 サンスタ ー技研株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−47088(JP,A) 特開 昭61−179897(JP,A) 特開 昭63−297417(JP,A) 特開 昭62−79282(JP,A) 特開 昭62−79256(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 11/00 - 11/36 330

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車構造部材用アルミニウム合金に対
    し接着剤接合とスポット溶接を併用するウェルドボンド
    接合方法において、上記アルミニウム合金の表面処理と
    して脱脂、エッチングおよびスマット除去を行って、
    面酸化皮膜厚を200Å以下に調整し、かつ上記接着剤
    接合に当り、1〜15重量%の導電性材料を含有する、
    エポキシ樹脂、潜在性硬化剤および防錆剤としてリン酸
    塩;オルトリン酸アルミニウムと亜鉛化合物との混合物;
    および/またはメタリン酸アルミニウムと亜鉛化合物、
    ホウ酸化合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくと
    も1種との混合物から成る加熱硬化性エポキシ樹脂接着
    剤を用いることを特徴とする自動車構造部材用アルミニ
    ウム合金のウェルドボンド接合方法。
  2. 【請求項2】 ッチングを該アルミニウム合金の熱間
    圧延以降または仕上焼鈍の後に行い、そのエッチング量
    が5mg/m2以上である請求項1に記載の接合方法。
  3. 【請求項3】 加熱硬化性エポキシ樹脂接着剤における
    導電性材料が、カーボンブラック、フェライト、金属粉
    および酸化金属粉の群から選ばれる1種または2種以上
    の混合物である請求項1または2に記載の接合方法。
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