JP3183930B2 - 窒化アルミニウム基板の製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム基板の製造方法Info
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Description
の製造方法に関するものである。
場合、窒化アルミニウム粉末、バインダ及びイットリア
等の焼結助剤を含むスラリーを用いてグリーンシートが
成形される。グリーンシート上にはタングステンを含む
ペーストを用いて導体回路が形成され、その後、そのグ
リーンシートは窒化アルミニウムの焼結温度付近に加熱
される。これにより、グリーンシートとペーストとが同
時に焼成され、所望の窒化アルミニウム基板が製造され
る。
ート中にバインダとして残留している遊離炭素の量(残
炭量)が多いと、ペースト中のタングステン(W)粒子
が炭化して、タングステンカーバイド(WC,W2 C
等)となることが知られている。また、この種の炭化物
はタングステン単体よりも比抵抗が大きいため、その生
成量が多くなると導体回路の抵抗が増大してしまう。
を数百℃に加熱し、残留炭素をガス化させること(脱脂
処理)によって、グリーンシート中に含まれる残炭量を
低減させ、上記炭化物の生成を最小限に止めんとしてい
る。
減を図るためには、脱脂処理における諸条件(温度、圧
力等)を最適範囲に設定する必要あり、甚だ面倒であっ
た。また、脱脂最適条件を設定できたとしても、残留炭
素を完全になくすことは困難であった。
うな酸化物を予めグリーンシート中に添加しておく方法
も考えられる。この方法は、グリーンシートの焼成時に
残留炭素と酸化物中の酸素とを反応させ、上記炭化物の
生成を抑制させるというものである。
れた酸化物がグリーンシート中に不純物として残ってし
まうという問題が生じる。従って、酸化物の添加量が多
くなると、窒化アルミニウム基板の有する熱伝導性等の
好適な物性が損なわれる。そのため、添加量には一定の
制約を受け、充分に炭化物の生成を抑制することができ
なかった。
であり、その目的は、基板の好適な物性を損なうことな
く導体回路中の残炭量を確実に低減させ、それにより導
体回路の低抵抗化を図ることができる窒化アルミニウム
基板の製造方法を提供することにある。
めに、本発明では、窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を
添加したスラリーからグリーンシートを成形し、そのグ
リーンシート表面にタングステンペーストを用いて導体
回路を形成した後、前記グリーンシートとタングステン
ペーストを同時に焼成することにより、窒化アルミニウ
ム基板を製造する方法において、前記窒化アルミニウム
粉末は1.0重量%以上の酸素を含み、焼結助剤の添加
量は3.0重量%以上であり、前記焼成は仮焼成と本焼
成とに区分して行われ、仮焼成時の温度は1300℃〜
1600℃であることを特徴としている。
温すると、グリーンシート中のアルミニウム(Al)
と、イットリア(Y)等のような焼結助剤中の陽イオン
と、グリーンシート及び焼結助剤中の酸素(O)とが互
いに反応し、グリーンシート内に、例えばAl,Y,O
からなる液相が形成される。また、本発明によると、形
成される液相の量は、通常窒化アルミニウム粒子の焼結
に必要な量よりも多めになる。
シート中の残留炭素に作用して、残留炭素をガス化(C
O,CO2 )する。このように、残留炭素がガス化され
た形でグリーンシートの外部に放出されることにより、
グリーンシート中の残炭量の低減が図られる。その結
果、ペースト中のタングステンカーバイドの生成が抑制
され、導体回路の低抵抗化が達成される。
おける窒化アルミニウムの粒成長に伴って外部に滲出し
てしまう。そのため、窒化アルミニウム基板の好適な熱
伝導性が損なわれることがない。
含有量及び焼結助剤の添加量は、上記の分量以上である
ことが必須である。これらが上記分量未満であると、液
相の生成量が不足してしまい、残留炭素の酸化反応に関
与する酸素量を充分に確保することができない。
造方法について工程順に説明する。グリーンシートを製
造する場合、窒化アルミニウム粉末にはバインダ及び焼
結助剤等が添加され、それらを所定時間混練することに
よりスラリーが製造される。
0重量%以上にする手段としては、例えば、元々の酸素
含有量の高い粉末を使用する方法がある。このような粉
末では、酸素は窒化アルミニウム粒子の表面にてアルミ
ナ(Al2 O3 )として存在している。また、前記スラ
リーを混合した場合、粉末が壊砕されることによってそ
の表面積が増加し、多くの酸素が吸着されることが知ら
れている。従って、スラリーの混練時間等を適宜調整す
る方法によっても、同様に前記酸素含有量を増加させる
ことが可能である。
って所定形状のグリーンシートに成形され、その後、そ
のグリーンシートには数百℃の温度下にて脱脂が施され
る。次いで、前記グリーンシートはるつぼ内に装入され
た後、不活性雰囲気の下、所定時間及び所定温度にて焼
成が施される。
して行われることが望ましい。仮焼成時及び本焼成時の
温度は、それぞれ1300℃〜1600℃,1750℃
〜1900℃であることが好ましい。また、本焼成の焼
成時間は30分〜10時間であることが好ましく、更に
は1時間〜5時間であることが良い。尚、仮焼成及び本
焼成を行う際には、上述のように温度及び時間を設定す
ることに加えて、昇温割合及び降温割合等も好適範囲に
設定することができる。
と、グリーンシート内に液相が充分生成されない。一
方、この温度が1600℃を越えると、グリーンシート
が焼結を開始してしまう。
あると、グリーンシートを充分に焼結することができな
い。一方、本焼成時の温度及び時間が前記範囲を越える
と、グリーンシートより液相が滲出して、メタライズ強
度を低下させる原因となる。
従来公知のタングステンペーストがスクリーン印刷等の
常法に従って印刷され、その部分に所望の導体回路のパ
ターンが形成される。この場合、予めグリーンシートに
スルーホール形成用孔を透設しておき、印刷によってそ
の孔に上記ペーストを充填することにより、スルーホー
ル内導体回路を形成しても良い。
テンからなる導体回路を備えた所望の窒化アルミニウム
基板が製造される。
例について図面に基づき詳細に説明する。実施例1で
は、平均粒径が1.8μm,酸素含有量が1.5重量%
の窒化アルミニウム粉末(東洋アルミニウム製:商品名
UFグレード)を使用した。この窒化アルミニウム粉末
に対し、アクリル系バインダを11重量%と、焼結助剤
としてのイットリア粉末を5.0重量%と、適量の分散
剤及び添加剤等とを添加した。そして、この混合物をボ
ールミル等を用いて24時間混練することにより、高粘
度のスラリーを製造した。このスラリーの状態では、窒
化アルミニウム粉末中の酸素含有量は1.8重量%であ
る。
リーンシートを成形した後、グリーンシートに通常良く
使用されているタングステンペーストをスクリーン印刷
して、その表面に所望の導体回路のパターンを形成し
た。その後、グリーンシートを必要枚数積層し、圧着を
行った。そして、そのグリーンシートを窒素雰囲気で満
たされたるつぼ内に装入し、脱脂処理を行った。図1に
は、脱脂の際の温度プロファイルが示されている。即
ち、グリーンシートが第1の脱脂温度(350℃)に達
するまでは0.5℃/分の割合で昇温し、その温度にて
10時間保持した。その後、第2の脱脂温度(850
℃)に達するまでは5℃/分の割合で昇温し、その温度
で10時間保持した。
割合で前記脱脂温度から仮焼成温度(1550℃)まで
昇温し、かつその温度にて5時間保持した後、グリーン
シートを常温まで放冷した(図1参照)。
つぼ内に装入し、窒素雰囲気下で所定の本焼成を行っ
た。図2には、本焼成の際の温度プロファイルが示され
ている。即ち、本焼成温度(1850℃)に達するまで
は10℃/分の割合で昇温し、1850℃に達した後に
5時間保持した。そして、1500℃までは1℃/分の
割合で降温し、その温度以降は放冷した。
テンからなる導体回路を備えた所望の窒化アルミニウム
基板を得た。この基板の特性を評価するために、仮焼成
後におけるグリーンシート中の残炭量(%)、基板のシ
ート抵抗値(mΩ/□)及び基板の熱伝導率(W/m
K)の各項目について測定を行った。その結果を表1に
示す。
化アルミニウム粉末中の酸素含有量を2.1重量%、イ
ットリアの添加量を5.0重量%として、グリーンシー
トを成形した。また、実施例3及び実施例4では、前記
粉末中の酸素含有量をそれぞれ2.1重量%,1.8重
量%に、イットリアの添加量をそれぞれ7.0重量%,
3.0重量%として、グリーンシートを成形した。
1及び比較例2では、前記粉末中の酸素含有量を共に
0.8重量%に、イットリアの添加量をそれぞれ3.0
重量%,1.0重量%として、グリーンシートを成形し
た。尚、各実施例2〜4及び各比較例1,2の各グリー
ンシートから基板を製造するまでの工程については、全
て前記実施例1の工程に従った。
を行った結果を表1に共に示す。
るグリーンシート中の残炭量(重量%)測定した結果、
実施例1〜実施例4では何れも0.03重量%以下とい
う極めて低い値を示した。それに比して比較例1,2で
は、0.08重量%,0.09重量%と高かった。ま
た、基板のシート抵抗値(mΩ/□)を測定したとこ
ろ、全ての実施例について比較例1,2の基板のシート
抵抗より低い値となっていた。
た主な理由としては、グリーンシート中の残炭量が少な
くなった結果、ペーストにおけるタングステンカーバイ
ドの生成が抑制されたためであると考えられる。更に、
カーバイド化したタングステンが生成した液相の酸素と
反応して、WC,W2 Cになっていることも考えられ
る。
果、各実施例1〜4の基板の熱伝導率の値は、比較例1
の値には若干及ばないものの、充分好適な範囲にあるた
め、特に問題はないことが判明した。これは、液相成分
がグリーンシート焼結時における窒化アルミニウムの粒
成長に伴って外部に滲出された結果、基板の好適な物性
が保持されたものと考えられる。
〜4の製造方法が比較例1,2の製造方法に比して優れ
ていることが判る。
ミニウム基板の製造方法によれば、タングステンからな
る導体回路を表面に備えた所望の窒化アルミニウム基板
が製造され、基板の好適な物性を損なうことなく導体回
路中の残留炭素量を確実に低減させ、それにより導体回
路の低抵抗化を図ることができるという優れた効果を奏
する。
ける脱脂時・仮焼成時の温度プロファイルを示すグラフ
である。
ける本焼成時の温度プロファイルを示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】窒化アルミニウム粉末に焼結助剤を添加し
たスラリーからグリーンシートを成形し、そのグリーン
シート表面にタングステンペーストを用いて導体回路を
形成した後、前記グリーンシートとタングステンペース
トを同時に焼成することにより、窒化アルミニウム基板
を製造する方法において、 前記窒化アルミニウム粉末は1.0重量%以上の酸素を
含み、焼結助剤の添加量は3.0重量%以上であり、前
記焼成は仮焼成と本焼成とに区分して行われ、仮焼成時
の温度は1300℃〜1600℃であることを特徴とす
る窒化アルミニウム基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02973092A JP3183930B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 窒化アルミニウム基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02973092A JP3183930B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 窒化アルミニウム基板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05226795A JPH05226795A (ja) | 1993-09-03 |
JP3183930B2 true JP3183930B2 (ja) | 2001-07-09 |
Family
ID=12284223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02973092A Expired - Lifetime JP3183930B2 (ja) | 1992-02-17 | 1992-02-17 | 窒化アルミニウム基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3183930B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8706305B2 (en) | 2008-02-21 | 2014-04-22 | Canadian Space Agency | Feedback control for shape memory alloy actuators |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022210520A1 (ja) * | 2021-03-31 | 2022-10-06 | デンカ株式会社 | 窒化アルミニウム焼結体、及びその製造方法、回路基板、並びに、積層基板 |
-
1992
- 1992-02-17 JP JP02973092A patent/JP3183930B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8706305B2 (en) | 2008-02-21 | 2014-04-22 | Canadian Space Agency | Feedback control for shape memory alloy actuators |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05226795A (ja) | 1993-09-03 |
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