JP3183890B2 - 化学的軟化性組成物および結合剤物質を含んでなるマルチプライフェイシャルティッシュペーパー製品 - Google Patents

化学的軟化性組成物および結合剤物質を含んでなるマルチプライフェイシャルティッシュペーパー製品

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明はマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー製品に関する。より詳しくは、本発明は、化学的軟化
性組成物および永久的および/または一時的な湿潤強度
結合剤および乾燥強度結合剤の組合せを含んでなるマル
チプライフェイシャルティッシュペーパー製品に関す
る。処理したティッシュウェブは、フェイシャルティッ
シュ製品などの、柔らかく、吸収性で耐繊維くず性(耐
リント性)の紙製品の製造に使用できる。
発明の背景 ティッシュまたは紙ティッシュウェブまたはシートと
呼ばれることがある紙のウェブまたはシートは、現代社
会で広く使用されている。フェイシャルおよびトイレッ
トティッシュなどの製品は主要な商業製品である。これ
らの製品の4つの重要な物理的特性は、それらの強度、
それらの柔らかさ、それらの水系に対する吸収性を含む
それらの吸収性、およびそれらの湿潤時の耐繊維くず性
を含むそれらの耐繊維くず性、であることが以前から認
められている。これらの特性のそれぞれを、他の特性に
深刻な影響を及ぼさずに改良する、ならびに2つまたは
3つの特性を同時に改良する研究および開発の努力がな
されている。
強度は、その製品の、およびそれを構成するウェブ
の、使用条件における、特に濡れた時の、物理的な一体
性を維持し、裂け、破れ、およびちぎれに抵抗する能力
である。
柔らかさは、消費者が特定の製品を手に取り、皮膚に
擦りつけ、手の中で丸める時に感じる感触である。この
感触は幾つかの物理特性の組合せである。柔らかさに関
連する重要な物理特性は、その製品が製造される紙ウェ
ブの剛さ、表面の滑らかさおよび紙ウェブの潤滑性であ
ると当業者には考えられている。一方、剛さは、一般的
にウェブの乾燥引張強度およびそのウェブを形成する繊
維の剛さに直接依存すると考えられる。
吸収性は、製品およびそれを構成するウェブの、大量
の液体、特に水溶液または分散液を吸収する能力であ
る。消費者が知覚する全般的な吸収性は、一定質量のマ
ルチプライフェイシャルティッシュペーパーが飽和まで
吸収する液体の総量ならびにその材料が液体を吸収する
速度の組合せであると一般に考えられる。
耐繊維くず性は、繊維性製品およびそれを構成するウ
ェブの、濡れた時を含む使用条件下における、一つに結
合する能力である。つまり、耐繊維くず性が高い程、ウ
ェブから繊維くず(リント)が発生する傾向が低い。
ペーパーウェブの強度を高めるための湿潤強度樹脂の
使用は広く知られている。例えば、Westfeltは、Cellul
ose Chemistry and Technology,Volume 13,813−825頁
(1979)で、その様な多くの物質およびそれらの化学特
性について記載している。Freimarkらは、米国特許第3,
755,220号、1973年8月28日公布で、脱結合剤と呼ばれ
る、ある種の化学添加剤が、製紙工程におけるシート形
成の際に生じる自然の繊維対繊維の結合を妨害すること
を記載している。この結合低下により、より柔らかい、
または粗さの少ない紙シートが得られる。
Freimarkらは、脱結合剤の好ましくない影響を補償す
るために、湿潤強度樹脂の使用を、脱結合剤の使用と組
み合わせて開示している。これらの脱結合剤は乾燥引張
強度および湿潤引張強度の両方を低下させる。
Shawも、米国特許第3,821,068号、1974年6月28日公
布で、ティッシュペーパーウェブの剛さを低減させ、そ
れによって柔らかさを高めるために化学的脱結合剤を使
用することを開示している。
化学的脱結合剤は様々な文献、例えば米国特許第3,55
4,862号、1971年1月12日にHerveyらに公布、に記載さ
れている。これらの物質には、第4級アンモニウム塩、
例えば塩化ココトリメチルアンモニウム、塩化オレイル
トリメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化)タロウジメ
チルアンモニウムおよび塩化ステアリルトリメチルアン
モニウムが含まれる。
Emanuelssonらは、米国特許第4,144,122号、1979年3
月13日公布、で、ウェブを軟化させるための、塩化ビス
(アルコキシ(2−ヒドロキシ)プロピレン)第4級ア
ンモニウムの様な複合第4級アンモニウム化合物の使用
を開示している。これらの著者は、脂肪アルコールのエ
チレンオキシドおよびプロピレンオキシド付加物の様な
非イオン系界面活性剤を使用することにより、脱結合剤
により引き起こされる吸収性の低下を克服する試みも行
なっている。
イリノイ州シカゴのArmak Companyは、その広報76−1
7(1977)の中で、塩化ジメチルジ(水素化)タロウア
ンモニウムをポリオキシエチレングリコールの脂肪酸エ
ステルと組み合わせて使用することにより、柔らかさお
よび吸収性の両方がティッシュペーパーウェブに与えら
れることを記載している。
ペーパーウェブを改良するための代表的な研究結果が
米国特許第3,301,746号、1967年1月31日にSanfordおよ
びSissonに公布、に記載されている。この特許に記載さ
れている製法により製造されるペーパーウェブは高品質
であるにもかかわらず、またこれらのウェブから形成さ
れた製品は商業的な成果を上げているにもかかわらず、
製品改良のための研究努力は続けられている。
例えば、Beckerらは米国特許第4,158,594号、1979年
1月19日公布、で彼等が主張している方法により、強
く、柔らかい繊維性シートが形成されることを記載して
いる。より詳しくは、彼等は、ティッシュペーパーウェ
ブの強度(これは化学的脱結合剤の添加により軟化され
ていてよい)は、処理の際に、ウェブの片側表面を、細
かくパターン化された配置でウェブの一方の表面および
クレープ処理表面に付着させた接着剤(例えばアクリル
ラテックスゴムエマルション、水溶性樹脂、またはエラ
ストマー接着剤)により、クレープ処理表面に細かくパ
ターン化された配置で接着させ、ウェブをクレープ処理
表面からクレープ処理してシート材料を形成することに
より、強化できることを開示している。
良く知られたジアルキルジメチルアンモニウム塩(例
えば塩化ジタロウジメチルアンモニウム、メチル硫酸ジ
タロウジメチルアンモニウム、塩化ジ(水素化)タロウ
ジメチルアンモニウム、等)の様な従来の第4級アンモ
ニウム化合物は、効果的な化学的脱結合剤である。しか
し、これらの第4級アンモニウム化合物は、疎水性であ
り、生物分解性ではなく、処理した紙ウェブの吸収性に
悪影響を及ぼすことがある。出願者は、これらの第4級
アンモニウム化合物の生物分解性モノ−およびジ−エス
テル誘導対をポリヒドロキシ化合物(例えばグリセロー
ル、ポリグリセロールまたはポリエチレングリコール)
と混合することにより、繊維状セルロース材料の柔らか
さと吸収速度の両方が高くなることを発見した。
残念ながら、第4級アンモニウム化合物およびポリヒ
ドロキシ化合物を含んでなる化学軟化組成物を使用する
と、処理した紙ウェブの強度および耐繊維くず性が減少
することがある。出願者は、製紙業界で公知の湿潤およ
び乾燥強度樹脂および保持促進樹脂の様な適当な結合剤
を使用することにより、強度および耐繊維くず性の両方
を改良できることを発見した。
本発明は、一般のティッシュペーパーにも使用できる
が、特に、ここにその両方を参考として含める米国特許
第3,994,771号、1976年11月30日にMorgan Jr.らに公
布、および米国特許第4,300,981号、Carstens、1981年1
1月17日公布、に記載されている様なマルチプライ、多
層ティッシュペーパー製品に使用できる。
本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー製品は、繊維くず発生を抑制するために、および/ま
たは化学的軟化性組成物の使用により引き起こされるこ
とがある引張強度低下を補償するために、有効量の、永
久的および/または一時的な湿潤強度結合剤を、乾燥強
度結合剤と組み合わせて含む。予期せぬことに、永久的
および/または一時的な湿潤強度結合剤および乾燥強度
結合剤の両方を組み合わせることにより、化学的軟化性
組成物のシート中における保持性が改良されることが分
かった。これによって、マルチプライフェイシャルティ
ッシュペーパー製品の柔らかさが改良される。この柔ら
かさの改良はさらに、下記の紙特性、すなわちたわみ
性、摩擦の滑り−粘着係数および/または生理学的な表
面平滑性(ここに参考として含めるAmpulskiら、1991年
国際紙物理学会議録、ブック1、19〜30頁参照)、の一
つ以上の改良に注意することにより理解できる。軟化剤
保持生が増加しても、結合剤物質の組合せを使用せずに
製造されたティッシュペーパーシートと対照的に、引張
特性低下はほとんど、またはまったく生じない。これに
よって、軟化能力が最大限に発揮され、製品および製法
に対する悪影響が最少に抑えられる。
本発明の目的は、柔らかく、吸収性があり、耐繊維く
ず性を有するマルチプライフェイシャルティッシュペー
パー製品を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、柔らかく、吸収性があ
り、耐繊維くず性を有するマルチプライフェイシャルテ
ィッシュペーパー製品の製造方法を提供することであ
る。
これらの、および他の目的は、下記の説明から明らか
な様に、本発明の使用により達成することができる。
発明の概要 本発明は、製紙繊維、化学的軟化性組成物および永久
的および/または一時的な湿潤強度結合剤および乾燥強
度結合剤の組合せを含んでなる、柔らかく、吸収性があ
り、耐繊維くず性を有するマルチプライフェイシャルテ
ィッシュペーパー製品を提供する。手短にいうと、化学
的軟化性組成物は、 (a)0.01%〜約3.0%の、式 (式中、各R2置換基はC1〜C6アルキルまたはヒドロキシ
アルキル基、またはそれらの混合物であり、各R1置換基
はC14〜C22ヒドロカルビル基、またはそれらの混合物で
あり、X-は適当な陰イオンである) を有する第4級アンモニウム化合物、および (b)約0.01%〜約3.0%の、好ましくはグリセロー
ル、重量平均分子量が約150〜約800であるポリグリセロ
ールおよび重量平均分子量が約200〜1000のポリオキシ
エチレングリコールおよびポリオキシプロピレングリコ
ールからなる群から選択された水溶性ポリヒドロキシ化
合物 の混合物を含んでなる。
好ましくは、第4級アンモニウム化合物対ポリヒドロ
キシ化合物の重量比は約1.0:0.1〜0.1:1.0である。製紙
原料に加える前に、先ずポリヒドロキシ化合物および第
4級アンモニウム化合物を少なくとも56℃の温度で予備
混合した場合に、化学的軟化性組成物はより効果的であ
ることが分かった。
本発明で使用するのに適した第4級アンモニウム化合
物の例には、良く知られているジアルキルジメチルアン
モニウム塩、例えば塩化ジタロウジメチルアンモニウム
(DTDMAC)、メチル硫酸ジタロウジメチルアンモニウム
(DTDMAMS)、メチル硫酸ジ(水素化)タロウジメチル
アンモニウム(DHTDMAMS)、塩化ジ(水素化)タロウジ
メチルアンモニウム(DHTDMAC)がある。
本発明で有用なポリヒドロキシ化合物の例には、グリ
セロール、重量平均分子量約150〜約800を有するポリグ
リセロールおよび重量平均分子量約200〜約1000を有す
るポリオキシエチレングリコールが含まれ、重量平均分
子量約200〜約600のポリオキシエチレングリコールが好
ましい。
結合剤の用語は、この業界で公知の各種の湿潤および
乾燥強度添加剤および保持促進剤を意味する。これらの
物質は、本発明のティッシュペーパーウェブの耐繊維く
ず性を改良すると共に、化学的軟化性組成物により引き
起こされる引張強度の低下に反作用する。適当な結合剤
物質の例としては、永久湿潤強度結合剤(すなわちウィ
ルミントン、DEのHercules Incorporatedから市販のKym
eneTM557H)、一時的湿潤強度樹脂:陽イオン系ジアル
デヒドデンプン系樹脂(例えばJapan Carlet製造のCald
asまたはNational starch製造のCobond 1000)および乾
燥強度結合剤(すなわちウィルミントン、DEのHercules
Incorporatedから市販のカルボキシメチルセルロー
ス、およびBridgewater,NJのNational Starch and Chem
ical corporationから市販のRedibond 5320)がある。
本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー製品は、約0.01%〜約3.0%の永久的および/または
一時的な湿潤強度結合剤、および約0.01%〜約3.0%の
乾燥強度結合剤を含んでなる。
理論に捕らわれることはないが、第4級アンモニウム
軟化剤化合物は、ティッシュシート中の繊維−対−繊維
の水素結合を切る様に作用する有効な脱結合剤であると
考えられる。軟化剤で水素結合を切ると共に、湿潤およ
び乾燥強度結合剤で化学結合を導入することにより、強
度および耐繊維くず性を犠牲にせずに、ティッシュシー
トの全体的な結合密度を低下させる。結合密度の低下に
より、全体的にたわみ性があり、表面の柔らかさが改良
されたシートが造られる。これらの物理的特性変化の重
要な尺度は、ここに参考として含めるAmpulskiら、1991
年国際紙物理学会議録、ブック1、19〜30頁に記載され
ている様な、FFE−インデックス(Carstens)および嵩
たわみ性、摩擦の滑りおよび粘着係数、および生理学的
な表面平滑性である。
簡潔にいえば、本発明のマルチプライフェイシャルテ
ィッシュペーパー製品の製造方法は、上記の成分から単
層または多層製紙原料を形成する工程、その製紙原料を
有孔表面、例えばフォドリニエールワイヤ、上に堆積さ
せる工程、および堆積させた原料から水分を除去する工
程を含んでなる。得られた単層または多層ティッシュウ
ェブを1つ以上の他のティッシュウェブと組み合わせ、
マルチプライティッシュを形成する。
ここで百分率、比率および割合は、他に指示がない限
り、すべて重量により表示する。
図面の簡単な説明 本明細書の末尾にある請求項は本発明を特に指摘し、
明確に特許請求しているが、添付の図面に関連する下記
の説明から、発明をより正しく理解できると考えられ
る。
図1は、本発明の2プライ、2層のフェイシャルティ
ッシュの図式的な断面図である。
図2は、本発明の3プライ、単層のフェイシャルティ
ッシュの図式的な断面図である。
図3は、好ましい光重合体製紙ベルトの不規則な織り
パターン単位の反復セルの平面図である。
以下に本発明をより詳細に説明する。
発明の詳細な説明 本明細書の末尾にある請求項は本発明の課題を特に指
摘し、明確に特許請求しているが、下記の説明および付
随する実施例を読むことにより、本発明をより正しく理
解できると考えられる。
ここで使用する用語「耐繊維くず性」とは、繊維製品
およびそれを構成するウェブの、濡れた時を含む使用条
件下で、一つに結合する能力である。つまり、耐繊維く
ず性が高い程、ウェブの繊維くずを放出する傾向が低く
なる。
ここで使用する用語「結合剤」は、この業界で公知の
各種の湿潤および乾燥強度樹脂および保持促進樹脂を意
味する。
ここで使用する用語「水溶性」は、物質が25℃で水に
少なくとも3%可溶であることを意味する。
ここで使用する用語「ティッシュペーパーウェブ、ペ
ーパーウェブ、ウェブ、紙シートおよび紙製品」はすべ
て、水性の製紙原料を形成する工程、この原料を有孔表
面、例えばフォドリニエールワイヤ上に堆積させる工
程、および原料から、圧迫しながら、またはせずに、重
力または真空排水および蒸発により水を除去する工程を
含んでなる製法により製造された紙のシートを意味す
る。
ここで使用する用語「水性製紙原料」は、製紙繊維お
よび以下に記載する化学薬品の水性スラリーである。
ここで使用する用語「多層ティッシュペーパーウェ
ブ、多層ペーパーウェブ、多層ウェブ、多層紙シートお
よび多層紙製品」はすべて、好ましくは異なった繊維種
類を含んでなり、繊維が一般的にティッシュペーパー製
造に使用されている様な比較的長い軟材および比較的短
い硬材の繊維である水性製紙原料の2層以上から製造さ
れた紙のシートを意味する。これらの層は好ましくは、
希釈繊維スラリーの個別流を、1個以上の無限有孔スク
リーン上に堆積させることにより形成される。個々の層
が最初に個別のワイヤ上で形成される場合、続いて、そ
れらの層は(湿っている間に)組み合わされ、層状の複
合材料ウェブを形成する。
ここで使用する用語「マルチプライ(multi−ply)フ
ェイシャルティッシュペーパー製品」とは、少なくとも
2プライからなるティッシュペーパーを意味する。個々
のプライは単層または多層ティッシュペーパーウェブか
らなることができる。マルチプライ構造は、2つ以上の
ティッシュウェブを接着剤またはエンボス加工により一
つに結合させる。
本発明の第一工程は、水性製紙原料の形成である。こ
の原料は、すべて以下に説明する、製紙繊維(以下、木
材パルプと呼ぶことがある)、および少なくとも1種の
第4級アンモニウム化合物、ポリヒドロキシ化合物およ
び永久的および/または一時的な湿潤強度結合剤および
乾燥強度結合剤の混合物を含んでなる。
木材パルプはすべて、本発明で使用する製紙繊維を含
むと考えられる。しかし、他のセルロース繊維パルプ、
例えばコットンライナー、バガス、レーヨン、等も使用
でき、いずれも請求範囲に入る。ここで有用な木材パル
プとしては、ケミカルパルプ、例えばクラフト、亜硫酸
塩および硫酸塩パルプ、ならびに例えば砕木、サーモメ
カニカルパルプ、およびケミ−サーモメカニカルパルプ
(CTMP)を含むメカニカルパルプがある。落葉樹および
針葉樹の両方に由来するパルプを使用できる。
硬材パルプおよび軟材パルプの両方、ならびにこれら
2種類の混合物を使用することができる。ここで使用す
る硬材パルプの用語は、落葉樹(被子植物)の木性物質
に由来する繊維状パルプを意味し、軟材パルプは、針葉
樹(裸子植物)の木性物質に由来する繊維状パルプであ
る。ユーカリ樹の様な硬材パルプは、以下に説明する多
層ティッシュウェブの外側層に特に適当であり、内側の
層またはプライには北部軟材グラフトパルプが好まし
い。また、上記のいずれか、またはすべての材料、なら
びに他の非繊維性材料、例えば本来の製紙作業を行ない
易くするために使用する充填材および接着剤を含んでい
ることがある循環使用紙に由来する繊維も本発明に使用
できる。
化学的軟化剤組成物 本発明は、必須成分として、生物分解性第4級アンモ
ニウム化合物およびポリヒドロキシ化合物の混合物を含
む。第4級アンモニウム化合物対ポリヒドロキシ化合物
の比は、約1.0:0.1〜約0.1:1.0であり、好ましくは第4
級アンモニウム化合物対ポリヒドロキシ化合物の重量比
は約1.0:0.3〜0.3:1.0であり、より好ましくは第4級ア
ンモニウム化合物対ポリヒドロキシ化合物の重量比は約
1.0:0.7〜0.7:1.0であるが、この比率は、使用する特定
のポリヒドロキシ化合物および/または第4級アンモニ
ウム化合物の分子量により異なる。
これらの種類の化合物をそれぞれ以下に詳細に説明す
る。
A.第4級アンモニウム化合物 化学的軟化性組成物は、必須成分として、約0.01〜約
3.00重量%の、好ましくは約0.01〜約1.00重量%の、式 を有する第4級アンモニウム化合物を含む。
上記の構造中、各R1はC14〜C22炭化水素基、好ましく
はタロウであり、R2はC1〜C6アルキルまたはヒドロキシ
アルキル基、好ましくはC1〜C3アルキルであり、X-はハ
ロゲン化物(例えば塩化物または臭化物)またはメチル
硫酸塩の様な適当な陰イオンである。Swern編集、Baile
y′s Industrial Oil and Fat Products,第3版、John
Wiley and Sons(New York 1964)に記載されている様
に、タロウは様々な組成物を有する天然産の物質であ
る。Swern編集の上記文献中、表6.13はタロウの脂肪酸
の一般に78%以上が16または18個の炭素原子を含むこと
を示している。一般的に、タロウ中に存在する脂肪酸の
半分が主としてオレイン酸の形態で不飽和である。合成
ならびに天然の“タロウ”が本発明の範囲内に入る。好
ましくは、各R1はC16〜C18アルキル、最も好ましくは、
各R1は直鎖C18アルキルである。好ましくは、R2はメチ
ルであり、X-は塩化物またはメチル硫酸塩である。
本発明で使用するのに適当な第4級アンモニウム化合
物の例には、良く知られているジアルキルジメチルアン
モニウム塩、例えば塩化ジタロウジメチルアンモニウ
ム、メチル硫酸ジタロウジメチルアンモニウム、塩化ジ
(水素化)タロウジメチルアンモニウムがあるが、メチ
ル硫酸ジ(水素化)タロウジメチルアンモニウムが好ま
しい。この特別な物質は、Dublin、オハイオのWitco Co
mpany Inc.から“VarisoftTM137"の商品名で市販されて
いる。
B.ポリヒドロキシ化合物 化学的軟化性組成物は、必須成分として、約0.01〜約
3.00重量%、好ましくは約0.01〜約1.00重量%の水溶性
ポリヒドロキシ化合物を含む。
本発明で有用なポリヒドロキシ化合物の例には、グリ
セロール、重量平均分子量約150〜約800を有するポリグ
リセロールおよび重量平均分子量約200〜約4000、好ま
しくは約200〜約1000、最も好ましくは約200〜約600の
ポリオキシエチレングリコールおよびポリオキシプロピ
レングリコールが含まれる。重量平均分子量約200〜約6
00のポリオキシエチレングリコールが特に好ましい。上
記のポリヒドロキシ化合物の混合物も使用できる。例え
ば、グリセロールと、重量平均分子量約200〜1000、よ
り好ましくは約200〜600のポリオキシエチレングリコー
ルの混合物が本発明で有用である。好ましくは、グリセ
ロール対ポリオキシエチレングリコールの重量比は約1
0:1〜約1:10である。
特に好ましいポリヒドロキシ化合物は、重量平均分子
量が約400のポリオキシエチレングリコールである。こ
の物質は、Danbury、コネチカットのUnion Carbide Com
panyから“PEG−400"の商品名で市販されている。
上記の化学的軟化性組成物、すなわち第4級アンモニ
ウム化合物およびポリヒドロキシ化合物の混合物は、好
ましくは所望の濃度に希釈し、第4級化合物およびポリ
ヒドロキシ化合物の分散液を形成してから、製紙繊維の
水性スラリー、つまり原料に、製紙機械の湿潤末端で、
フォドリニエールワイヤまたはシート形成段階の前の適
当な地点で加える。しかし、上記の化学的軟化性組成物
を、湿ったティッシュウェブ形成の後で、ウェブを乾燥
させる前に塗布することも、柔らかさ、吸収性、および
湿潤強度を著しく改良し、無論、本発明の範囲内に入
る。
化学的軟化性組成物は、製紙原料に加える前に、まず
第4級アンモニウム化合物およびポリヒドロキシ化合物
を一緒に予備混合した場合に、より効果的であることが
分かった。好ましい方法では、以下に例1でより詳細に
説明する様に、まずポリヒドロキシ化合物を約88℃(19
0゜F)の温度に加熱し、次いで、この高温のポリヒドロ
キシ化合物に第4級アンモニウム化合物を加え、均質な
液体を形成する。第4級アンモニウム化合物対ポリヒド
ロキシ化合物の重量比は約1.0:0.1〜0.1:1.0であり、好
ましくは第4級アンモニウム化合物対ポリヒドロキシ化
合物の重量比は約1.0:0.3〜0.3:1.0であり、より好まし
くは第4級アンモニウム化合物対ポリヒドロキシ化合物
の重量比は約1.0:0.7〜0.7:1.0であるが、この比率は使
用する特定のポリヒドロキシ化合物および/または第4
級アンモニウム化合物の分子量に応じて異なる。
予期せぬことに、ポリヒドロキシ化合物の紙上への吸
着性は、ポリヒドロキシ化合物を第4級アンモニウム化
合物と予備混合し、上記の方法で紙に加えた場合に、著
しく強化されることが分かった。
重要なことに、吸着は製紙の際に使用するのに実用的
な濃度および時間枠内で起こる。ポリヒドロキシ化合物
の、紙上への驚くほど高い保持率を解明するために、メ
チル硫酸ジ(水素化)タロウジメチルアンモニウム(DH
TDMAMS)およびポリオキシエチレングリコール400の溶
融溶液および水性分散液の物理科学を研究した。
理論に縛られることなく、あるいは本発明を制限する
ことなく、第4級アンモニウム化合物が、ポリヒドロキ
シ化合物の紙上への吸着をどれ程促進するかを説明する
ために、下記の考察を行なう。
DHTDMAMS メチル硫酸ジ(水素化)タロウジメチルア
ンモニウム、R2N+(CH32,CH3OSO3 -の物理的状態およ
びDODMAMSに関する情報は、市販の混合物に対するX線
およびNMR(核磁気共鳴)データにより与えられる。DOD
MAMS(メチル硫酸ジオクタデシルジメチルアンモニウ
ム、(CH18H372N+(CH32,CH3OSO3 -)はDHTDMAMSの
主成分であり、市販混合物のモデル化合物として役立
つ。最初により簡単なDODMAMS系を、次いでより複雑な
市販のDHTDMAMS混合物を考えるのが好都合である。
温度に応じて、DODMAMSは、2種類の多形結晶(Xβ
およびXα)、薄層(Lam)液晶、または液相の4種類
の相状態のいずれかで存在することができる。Xβ結晶
は室温未満から47℃で存在する。この温度でXβは多形
α結晶に転換し、72℃でLam液晶相に転換する。この
相はさらに150℃で等方性の液体に転換する。DHTDMAMS
は、その物理的挙動においてDODMAMSに似ていると予想
されるが、相転換の温度はより低く、広くなる。例えば
βからXαへの転換は、DODMAMSにおける47℃の代わ
りに、DHTDMAMSでは27℃で起こる。また、熱量測定デー
タは、DHTDMAMSでは、DODMAMSにおける1種類ではな
く、数種類の結晶φLam相転換が起こることを示してい
る。これらの転換の最も高い開始温度は56℃であり、X
線データとは良く一致している。
DODMAC(塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム)
は、Lam液晶相がこの化合物では存在しないので、DODMA
MSから定性的に異なった挙動を示す(ここに参考として
含める、Laughlinら、Journal of Physical Chemistr
y、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム−水系の
物理科学。1.平衡相挙動、1990、94巻、2546−2552頁参
照)。しかし、この違いは、紙の処理におけるこの化合
物(または市販されているその類似体DHTDMAC)の使用
には重要ではないと考えられる。
DHTDMAMSおよびPEG400の混合物 これら2種類の物質の1:1重量比混合物を研究する。D
ODMAMSおよびPEGは高温で混和せず、2つの液相として
共存することが示されている。この領域内にあるこれら
2種類の液体の混合物を冷却すると、Lam相が混合物か
ら分離する。したがって、この研究は、これら2種類の
材料は、高温では混和しないが、低温ではLam液晶相内
で混和し得ることを示している。さらに低い温度では、
結晶相がLam相から分離し、これらの化合物は再び混和
し得なくなる。
したがってこれらの研究は、水中でDHTDMAMSおよびPE
G−400の良好な分散液を形成するには、水で希釈した予
備混合物を、2種類の化合物が混和し得る中間温度範囲
内に保持すべきであることを示している。
DHTDMACおよびPEG400の混合物 段階的希釈法を使用するこれら2種類の相研究から、
それらの物理的挙動はDHTDMAMSのそれとは著しくことな
っていることが分かる。液晶相は見られない。これらの
化合物は広い温度範囲内で混和し、これは、これらの混
合物から対応する温度範囲で分散液を製造できることを
示唆している。特に、混和性の上限温度は存在しない。
分散液の製造 これらの物質のいずれかの分散液は、ポリヒドロキシ
化合物および第4級アンモニウム塩が混和し得る温度に
維持したプレミックスを水で希釈することにより製造で
きる。液晶相内で(DHTDMAMSの場合の様に)、あるいは
液相で(DHTDMACの場合の様に)混和し得るかは、大し
た問題ではない。DHTDMAMSもDHTDMACも水に可溶ではな
いので、いずれかの乾燥相を水で希釈すると第4級アン
モニウム化合物が小さな粒子として沈殿する。乾燥溶液
が液体であったか、あるいは液晶であったかに関係な
く、どちらの第4級アンモニウム化合物も高温では液晶
相として希釈水溶液中で沈殿する。ポリヒドロキシ化合
物はあらゆる比率で水で可溶なので、沈殿しない。
低温電子顕微鏡検査により、存在する粒子の大きさが
約0.1〜1.0マイクロメートルであり、構造が非常に様々
であることが分かる。シート(湾曲した、または平ら
な)もあれば、閉じた小胞もある。これらすべての粒子
の薄膜は分子の大きさの二重層であり、そこでは頭の群
は水に露出しており、尾は一緒になっている。PEGはこ
れらの粒子と会合していると推定される。この様にして
製造した分散液を紙の塗布することにより、第4級アン
モニウムイオンが紙に付着し、ポリヒドロキシ化合物の
紙上への吸着を強く促進し、柔らかさおよび湿潤性を改
良する。
分散液の状態 上記の分散液を冷却すると、コロイド状粒子中で材料
の部分的結晶化が起こることがある。しかし、平衡状態
の達成には長時間(恐らく数ヵ月)が必要と思われるの
で、紙と相互作用する粒子内の薄膜は無秩序な状態にあ
る。
繊維状セルロース材料が乾燥すると、DHTDMAMSおよび
PEGを含む小胞が壊れると考えられる。小胞が壊れる
と、PEG成分の大部分がセルロース繊維の内部に浸透
し、そこで繊維のたわみ性を強化する。重要なのは、PE
Gの一部が繊維表面上に保持され、そこでセルロース繊
維の吸収速度を高める様に作用することである。イオン
性の相互作用により、DHTDMAMSの大部分がセルロース繊
維の表面上に残り、そこで紙製品の表面感触および柔ら
かさを高める。
湿潤強度結合剤物質 本発明は、必須成分として、重量で約0.01〜約3.0
%、好ましくは約0.01〜約1.0%の、永久的および/ま
たは一時的な結合剤物質を含む。
A.永久湿潤強度結合剤物質 永久湿潤強度結合剤物質は、下記の薬品群、すなわち
ポリアミド−エピクロロヒドリン、ポリアクリルアミ
ド、スチレン−ブタジエンラテックス、不溶化されたポ
リビニルアルコール、尿素−ホルムアルデヒド、ポリエ
チレンイミン、キトサン重合体、およびそれらの混合
物、から選択する。好ましくは、永久湿潤強度結合剤物
質は、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、ポリアク
リルアミド樹脂、およびそれらの混合物からなる群から
選択する。永久湿潤強度結合剤物質は、繊維くずの発生
を抑制し、化学的軟化剤組成物により引き起こされるこ
とがある引張強度の低下を補償する様に作用する。
ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂は、特に有用で
あることが分かっている陽イオン系湿潤強度樹脂であ
る。その様な樹脂の適当な種類は、両方共ここに参考と
して含める、どちらもKeimに公布された米国特許第3,70
0,623号、1972年10月24日公布、および米国特許第3,77
2,076号、1973年11月13日公布、に記載されている。有
用なポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂は、Wilmingt
on、デラウェアのHercules,Inc.からKymemeTM557Hの商
標で市販されている。
ポリアクリルアミド樹脂も湿潤強度樹脂として使用で
きることが分かっている。これらの樹脂は、両方共ここ
に参考として含める、米国特許第3,556,932号、1971年
1月19日Cosciaらに公布、および米国特許第3,556,933
号、1971年1月19日Williamsら公布、に記載されてい
る。ポリアクリルアミド樹脂は、Atanford、コネチカッ
トのAmerican Cyanamid Co.からParez TM631 NCの商標
で市販されている。
本発明で使用できるさらに別の水溶性陽イオン系樹脂
は、尿素ホルムアルデヒドおよびメラミンホルムアルデ
ヒド樹脂である。これらの多官能性樹脂のより一般的な
官能基は、窒素含有基、例えばアミノ基および窒素に結
合したメチロール基である。ポリエチレンイミン型の樹
脂も本発明で使用できる。
B.一時的湿潤強度結合剤物質 一時的な湿潤強度が望ましい場合、結合剤物質は下記
のデンプン系一時的湿潤強度樹脂の群から、すなわち陽
イオン系ジアルデヒドデンプン系樹脂(例えばJapan Ca
rlet製造のCaldasまたはNational Starch製造のCoBond
1000)、ジアルデヒドデンプン、および/またはここに
参考として含める米国特許第4,981,557号、1991年1月
1日にBjorkquistに公布、に記載されている樹脂、から
選択することができる。
乾燥強度結合剤物質 本発明は、必須成分として、重量で約0.01〜約3.0
%、好ましくは約0.01〜約1.0%の、下記の物質群、す
なわちポリアクリルアミド(例えば、Wayne,N.J.のAmer
ican cyanamid製のCypro 514およびAccostrength 711の
組合せ)、デンプン(例えばNational Starch and Chem
ical Company,Bridgewater,ニュージャージーから市販
のRedibond 5320および2005)、ポリビニルアルコール
(例えばAllentown,PAのAir Products Inc製のAirvol 5
40)、グアーまたはロウカストビーンガム、および/ま
たはカルボキシメチルセルロース(例えばWilmington,D
EのHercules,Inc.から市販のCMC)、から選択された乾
燥強度結合剤物質を含む。好ましくは、乾燥強度結合剤
物質はカルボキシメチルセルロース樹脂、および未変性
デンプン系樹脂およびそれらの混合物からなる群から選
択される。乾燥強度結合剤物質は、繊維くずの発生を抑
制し、化学的軟化剤組成物により引き起こされることが
ある引張強度の低下を補償する様に作用する。
一般的に、本発明の実行に適当なデンプンは、水溶性
および親水性が特徴である。適当なデンプン結合剤の範
囲を限定するものではないが、代表的なデンプン材料に
はコーンスターチおよびジヤガイモデンプンがあり、工
業界でamiocaデンプンと呼ばれるワックス状のコーンス
ターチが特に好ましい。一般的なコーンスターチはアミ
ロペクチンとアミロースの両方を含むのに対し、amioca
デンプンは、アミロペクチンだけである点で一般的なコ
ーンスターチとは異なっている。
amiocaデンプンの様々な、独特な特性は、「Amioca−
ワックス状コーンから得られるデンプン」、H.H.Schopm
eyer,Food Industries、1945年12月、106−108頁(Vol.
pp1476−1478)に記載されている。デンプンは、顆粒ま
たは分散形態でよいが、顆粒形態が好ましい。デンプン
は、十分に加熱し、顆粒を膨潤させるのが好ましい。よ
り好ましくは、デンプン顆粒を、加熱により、デンプン
顆粒が分散する直前の点まで膨潤させる。その様な高度
に膨潤したデンプン顆粒は、「十分に加熱した」と呼ぶ
ことにする。分散条件は、一般的にデンプン顆粒の大き
さ、顆粒の結晶化度、および存在するアミロースの量に
より異なる。十分に加熱したamiocaデンプンは、例え
ば、デンプン顆粒の約4Xコンシステンシーの水性スラリ
ーを約190゜F(約88℃)に約30〜40分間加熱することに
より製造できる。使用できる他の代表的なデンプン結合
剤には、National Starch and Chemical Company(Brid
gewater、ニュージャージー)から入手可能な、アミノ
基、窒素に結合したメチロール基の様な窒素含有基を有
する様に変性させたデンプンの様な、変性陽イオン系デ
ンプンがある。その様な変性デンプンは、主として湿潤
および/または乾燥強度を増加させるためのパルプ原料
添加剤として使用されている。その様な変性デンプン材
料は未変性のデンプンよりも高価なので未変性デンプン
が一般的に好まれている。
使用方法には、他の化学的添加剤の使用に関して前に
説明したのと同じ、湿潤末端で加える方法、噴霧、およ
び、あまり好ましくないが、印刷がある。結合剤はティ
ッシュペーパーウェブに単独で、化学的軟化剤組成物と
同時に、その前に、またはそれに続いて、塗布すること
ができる。結合剤処理していないがその他は同等である
シートの繊維くず発生を抑制すると共に、乾燥により強
度を増加させるために、少なくとも有効な量の、永久的
および/または一時的な湿潤強度結合剤および乾燥強度
結合剤の組合せ、好ましくは永久的湿潤強度樹脂、例え
ばkymeneR、および乾燥強度樹脂、例えばCMC、の組合せ
をシートに塗布する。好ましくは、乾燥繊維重量で計算
して約0.01〜約3.0%の結合剤物質が乾燥シート中に保
持され、より好ましくは約0.1%〜約1.0%の結合剤物質
が乾燥シート中に保持される。
本発明の方法の第二の工程は、上記の化学的軟化剤組
成物および結合剤物質を添加剤として使用する単層また
は多層製紙原料を多孔性表面上に堆積させることであ
り、第三の工程は、その様に堆積させた原料から水分を
除去することである。これら2つの処理工程を達成する
のに使用される技術および装置は、製紙分野の当業者に
は明らかである。本発明の好ましい多層ティッシュペー
パー実施態様は、乾燥繊維に対して、重量で約0.01%〜
約3.0%、より好ましくは約0.1%〜1.0%の、ここに開
示する化学的軟化性組成物および結合剤物質を含む。得
られる単層または多層ティッシュウェブは、1枚以上の
他のティッシュウェブと組み合わされ、マルチプライテ
ィッシュを形成する。
本発明は、通常のフェルトプレスされたマルチプライ
フェイシャルティッシュペーパー、かさの大きい、パタ
ーン状に緻密化されたマルチプライフェイシャルティッ
シュペーパー、およびかさの大きい、圧縮されていない
マルチプライフェイシャルティッシュペーパーを含む、
一般的なマルチプライフェイシャルティッシュペーパー
に使用できるが、これらに限定するものではない。そこ
から製造されたマルチプライフェイシャルティッシュペ
ーパー製品は単層または多層構造を有するものでよい。
層状に重ねた紙ウェブから形成されたティッシュ構造
は、ここに参考として含める米国特許第3,994,771号、M
organ,Jr.ら、1976年11月30日公布、に記載されてい
る。一般的に、湿った状態で置いた複合材料の、柔らか
く、かさの大きい吸収性の紙構造は、好ましくは異なっ
た種類の繊維を含んでなる2層以上の原料から製造され
る。これらの層は、希釈された繊維スラリーの個別の流
れを1個以上の無限多孔スクリーン上に堆積させること
により形成されるが、繊維は一般的にティッシュペーパ
ー製造に使用される、一般的に比較的長い軟材および比
較的短い硬材の繊維である。個々の層が最初に別のワイ
ヤ上で形成される場合、続いてそれらの層を、(湿って
いる間に)組み合わせ、層状の複合材料ウェブを形成す
る。続いて層ウェブを、流体を作用させたウェブに押し
付けることにより、オープンメッシュ乾燥/刻印織物の
表面に従わせ、その後、低密度製紙工程の一部として該
織物上で熱的に予備乾燥させる。層形成されたウェブ
は、繊維の種類に対して区分することも、あるいは各層
の繊維含有量を実質的に等しくすることもできる。多層
ティッシュペーパーは、好ましくは坪量が10g/m2〜約65
g/m2で、密度が約0.60g/cm3以下である。好ましくは、
坪量が約35g/m2以下で、密度が約0.30g/cm3以下であ
る。最も好ましくは密度が約0.04g/cm3〜約0.20g/cm3
ある。
本発明の好ましい実施態様では、ティッシュ構造は、
ここに参考として含める米国特許第4,300,981号、Carst
ens、1981年11月17日公布、に記載されている様に、多
層紙ウェブから形成される。Carstensによれば、その様
な紙は、多層であり、少なくとも約60%、好ましくは約
85%以上の短硬材繊維を含んでなる最上表面層を有し、
最上表面層のHTR(Human Texture Response)構造が約
1.0以下、より好ましくは約0.7以下、最も好ましくは約
0.1以下であり、最上表面のFFE(Free Fiber End)イン
デックスが約60以上、好ましくは約90以上であるため
に、高度の主観的に感知できる柔らかさを有する。その
様な紙の製造方法は、その最上表面を構成する短硬材繊
維間の十分な繊維間結合を破壊し、繊維の十分な自由末
端部を与え、ティッシュペーパーの最上表面の必要なFF
Eインデックスを達成する工程を含む。その様な結合破
壊は、最上表面層(短繊維層)が接着剤固定されている
クレープ加工表面からティッシュペーパーを乾燥クレー
プ処理することにより達成され、クレープ処理は少なく
とも約80%コンシステンシー(乾燥度)、好ましくは少
なくとも約95%コンシステンシーで行なわれる。その様
なティッシュペーパーは、従来のフェルトまたは多孔質
キャリヤー織物を使用することにより製造できる。その
様なティッシュペーパーは必ずしも比較的高いかさ密度
を有していない。
本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー製品に含まれる個々のプライは、少なくとも2つの重
なりあった層、つまり内側層およびその内側層に接触し
た外側層を含んでなる。外側層は、好ましくは約60重量
%以上の、平均繊維約0.2mm〜約1.5mmを有する比較的短
い製紙繊維からなる一次フィラメント成分を含んでな
る。これらの短い製紙繊維は一般的に硬材繊維、好まし
くはユーカリ樹繊維である。あるいは、短繊維の低コス
ト供給源、例えば亜硫酸塩繊維、サーモメカニカルパル
プ繊維、ケミ−サーモメカニカルパルプ(CTMP)繊維、
循環使用繊維、およびそれらの混合物を外側層に使用す
る、または所望により内側層に混合することもできる。
内側層は、好ましくは約60重量%以上の、平均繊維長が
少なくとも約2.0mmである比較的長い製紙繊維からなる
一次フィラメント成分を含んでなる。これらの長い製紙
繊維は一般的に軟材繊維、好ましくは北部軟材クラフト
繊維である。
本発明の好ましい実施態様では、マルチプライフェイ
シャルティッシュペーパー製品は、少なくとも2つの多
層フェイシャルティッシュペーパーウェブを並列の関係
に配置することにより形成される。例えば、第一の2層
ティッシュペーパーウェブおよび第二の2層ティッシュ
ペーパーウェブを並列の関係に接続することにより、2
層、2プライティッシュペーパー製品を製造することが
できる。この例では、各プライは、内側層および外側層
を含んでなる2層ティッシュシートである。外側層は好
ましくは短い硬材繊維を含んでなり、内側層は好ましく
は長い軟材繊維を含んでなる。2つのプライは、各プラ
イの外側層の短い硬材繊維が外側を向き、長い軟材繊維
を含む内側層が内側を向く様に組み合わせる。つまり、
各プライの外側層がマルチプライフェイシャルティッシ
ュペーパーの露出した表面を形成し、各プライの該内側
層のそれぞれがフェイシャルティッシュウェブの内側に
向いている。
図1は、本発明の2層2プライのフェイシャルティッ
シュの図式的な断面図である。図1に関して、2層2プ
ライウェブ20は、並列関係にある2つのプライ15を含ん
でなる。各プライ15は、内側層19および外側層18を含ん
でなる。外側層18は主として短い製紙繊維16を含んでな
るのに対し、内側層19は主として長い製紙繊維17を含ん
でなる。
本発明の別の好ましい実施態様では、3枚の単層ティ
ッシュペーパーウェブを並列関係に配置することによ
り、マルチプライフェイシャルティッシュペーパーを形
成する。この例では、各プライは軟材または硬材繊維か
らなる単層ティッシュシートである。外側プライはは好
ましくは短い硬材繊維を含んでなり、内側プライは好ま
しくは長い軟材繊維を含んでなる。3つのプライは、短
い硬材繊維が外側を向く様に組み合わせる。図2は、本
発明の単層3プライのフェイシャルティッシュの図式的
な断面図である。図2に関して、単層3プライウェブ10
は、並列関係にある3つのプライ15を含んでなる。2つ
の外側プライ11は主として短い製紙繊維16を含んでなる
のに対し、内側プライ12は主として長い製紙繊維17を含
んでなる。この実施態様の変形(図には示していない)
では、2つの外側プライのそれぞれが2つの重なりあっ
た層を含むことができる。
上記の説明から本発明は3プライ−1層または2プラ
イ−2層、等を含んでなるティッシュペーパー製品に限
定されると考えるべきではない。2プライ以上からな
り、個々のプライが1層以上からなるすべてのティッシ
ュペーパー製品が、無論、本発明の範囲内に入る。
好ましくは、本発明のマルチプライフェイシャルティ
ッシュペーパー製品の少なくとも1つの外側層(または
3プライ、単層製品の外側プライ)に、第4級アンモニ
ウム化合物およびポリヒドロキシ化合物の大部分が含ま
れる。より好ましくは、外側の層またはプライの両方
に、第4級アンモニウム化合物およびポリヒドロキシ化
合物の大部分が含まれる。化学的軟化性組成物は、ティ
ッシュペーパー製品の外側の層またはプライに添加した
場合に最も効果的であることが分かった。そこでは、第
4級化合物およびポリヒドロキシ化合物の混合物が作用
し、本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペー
パー製品の柔らかさおよび吸収性の両方を強化する。図
1および2に関して、第4級アンモニウム化合物および
ポリヒドロキシ化合物の混合物を含んでなる化学的軟化
性組成物を図式的に黒い円14で表す。図1および2で、
化学的軟化性組成物14の大部分がそれぞれ外側層18およ
び外側プライ11に含まれているのが分かる。
しかし、多層ティッシュペーパー製品の耐繊維くず性
は、第4級アンモニウム化合物およびポリヒドロキシ化
合物を含むことにより減少することも分かっている。し
たがって、結合剤物質は、繊維くず発生を抑制し、引張
強度を増加させるために使用される。結合剤物質は本発
明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパー製品
の内側層(または3プライ製品の内側プライ)および外
側層(または3プライ単層製品の外側プライ)の少なく
とも一方に含まれるのが好ましい。より好ましくは、結
合剤物質の大部分はマルチプライフェイシャルティッシ
ュペーパー製品の内側層(または3プライ製品の内側プ
ライ)に含まれる。図1および2に関して、永久的およ
び/または一時的な湿潤強度結合剤物質は図式的に白い
円13で表し、乾燥強度結合剤物質は図式的に十字の入っ
た菱形21で示す。図1および2で、結合剤物質13および
21の大部分がそれぞれ内側層19および内側プライ12に含
まれているのが分かる。
第4級アンモニウム化合物およびポリヒドロキシ化合
物を含んでなる化学的軟化性組成物と結合剤物質を組み
合わせることにより、柔らかさ、吸収性、および耐繊維
くず性が優れたティッシュペーパー製品が得られる。化
学的軟化性組成物の大部分をティッシュペーパーの外側
の層またはプライに選択的に加えることにより、その有
効性が強化される。一般的に結合剤はティッシュシート
の全体に分散させ、繊維くず発生を抑制する。しかし、
化学的軟化性組成物と同様に、結合剤物質は最も必要と
される所に選択的に加えることができる。
通常のプレスした多層ティッシュペーパーおよびその
様な紙の製造方法はこの分野では良く知られている。そ
の様な紙は一般的に有孔成形ワイヤ上に製紙原料を堆積
させることにより製造される。この成形ワイヤは、この
分野でフォドリニエールワイヤと呼ばれることが多い。
原料を成形ワイヤ上に堆積させた後、それはウェブと呼
ばれる。ウェブを脱水フェルトに送り、ウェブを圧縮し
て脱水し、高温で乾燥させる。上記の製法によりウェブ
を製造するための技術および代表的な装置は、当業者に
は良く知られている。代表的な製法では、コンシステン
シーの低いパルプ原料を加圧したヘッドボックスに供給
する。ヘッドボックスは、パルプ原料の薄い堆積物をフ
ォドリニエールワイヤ上に配送し、湿ったウェブを形成
するための開口部を有する。次いで、ウェブを、真空脱
水により、一般的にコンシステンシーが約7%〜約25%
(ウェブの総重量に対して)になる様に脱水し、さらに
圧縮操作により乾燥させるが、その際、対向する機械的
部材、例えば円筒状のロールでウェブを加圧する。
次いで、脱水されたウェブを、この分野でヤンキード
ライヤーと呼ばれる流れドラム(stream drum)装置で
さらに圧縮および乾燥される。ヤンキードライヤーで
は、機械的手段、例えば対向してウェブを圧迫する円筒
状のドラム、により圧力を発生させることができる。ウ
ェブがヤンキー表面に押し付けられている時に、ウェブ
に真空を作用させることもできる。複数のヤンキードラ
イヤードラムを使用できるが、その際、所望によりドラ
ム間でさらに圧縮を行なう。形成される多層ティッシュ
ペーパー構造は、以下、通常の、圧縮されたティッシュ
ペーパー構造と呼ぶ。その様なシートは、繊維が湿って
いる間に著しい機械的圧縮力にさらされ、次いで圧縮さ
れた状態で乾燥されるので、緻密化されていると考えら
れる。
パターン状に緻密化された多層ティッシュペーパー
は、繊維密度が比較的低い、かさが比較的大きい面、お
よび繊維密度が比較的高い緻密化された区域の列を有す
るのが特徴である。かさの大きな面は、ピロウ区域(pi
llow region)の面とも呼ばれる。緻密化された区域
は、ナックル区域とも呼ばれる。緻密化された区域は、
かさの高い面の中で不連続的に間隔を置いて配置する
か、あるいはかさの高い面の中で、完全にまたは部分的
に相互接続することができる。パターン状に緻密化され
たティッシュウェブの好ましい製造方法は、すべてここ
に参考として含める、米国特許第3,301,746号、1967年
1月31日、SanfordおよびSiaaonに公布、米国特許第3,9
74,025号、1976年8月10日、Peter G.Ayersに公布、お
よび米国特許第4,191,609号、1980年3月4日にPaul D.
Trokhanに公布、および米国特許第4,637,859号、1987年
1月20日にPaul D.Trokhanに公布、に開示されている。
一般的に、パターン状に緻密化したウェブは、好まし
くは製紙原料を有孔成形ワイヤ、例えばフォドリニエー
ルワイヤ、上に堆積させて湿ったウェブを形成し、次い
でそのウェブを支持体の列に並列して配置する。ウェブ
を支持体の列に対して圧迫し、それによって、支持体の
列と湿ったウェブの接点に幾何学的に対応する位置で、
ウェブ中に緻密化された区域が形成される。この操作の
際に圧縮されなかったウェブの残りの部分はかさの大き
な面と呼ばれる。このかさの大きな面は、例えば真空型
装置または吹抜け乾燥機で流体の圧力を作用させること
によりさらに脱緻密化することができる。ウェブは、か
さの大きな面が実質的に圧迫されない様に脱水し、所望
により予備乾燥させる。これは、例えば真空型装置また
は吹抜け乾燥機による流体圧力で、あるいはウェブを支
持体の列に機械的に圧迫することにより、かさの大きな
面が圧縮されない様に行なうのが好ましい。脱水、所望
により行なう予備乾燥、および緻密化区域の形成作業
は、統合または部分的に統合することにより、実行する
製造工程の総数を少なくすることができる。緻密化区域
の形成、脱水、および所望による予備乾燥に続いて、好
ましくはなお機械的な圧迫を避けながら、完全に乾燥さ
せる。好ましくは、多層ティッシュペーパー表面の約8
%〜約55%が、かさの大きな面の密度の少なくとも125
%の相対的な密度を有する緻密化されたナックルを含
む。
支持体の列は好ましくは、加圧時に緻密化された区域
を形成し易くする支持体の列として作用する、パターン
状に配置されたナックルを有する刻印担体織物(imprin
ting carrier fabrics)である。ナックルのパターン
は、上記の支持体の列を構成する。刻印担体織物は、す
べてここに参考として含める、米国特許第3,301,746
号、SanfordおよびSisson,1967年1月31日公布、米国特
許第3,821,068号、Salvucci,Jrら、1974年5月21日公
布、米国特許第3,974,025号、Ayers、1976年8月10日公
布、米国特許第3,573,164号、Friedbergら、1971年3月
30日公布、米国特許第3,473,576号、Amneus、1969年10
月21日公布、米国特許第4,239,065号、Trokhan、1980年
12月16日公布、および米国特許第4,528,239号、Trokha
n、1985年7月9日公布、に記載されている。
好ましくは、原料をまず有孔成形担体、例えばフォド
リニエールワイヤ、上で湿ったウェブに成形する。この
ウェブを脱水し、刻印織物に搬送する。あるいは原料
を、刻印織物としても作用する有効支持担体上に最初に
堆積させることもできる。成形後、湿ったウェブを脱水
し、好ましくは、約40%〜約80%の選択された繊維コン
システンシーに熱的に予備乾燥させる。脱水は好ましく
は、吸引ボックスまたは他の真空装置あるいは吹抜け乾
燥機で行なう。ウェブを完全に乾燥させる前に、刻印織
物のナックル刻印部が上記の様にウェブ中に押し付けら
れる。一方法では、これを機械的に圧力を作用させるこ
とにより行なう。これは例えば、刻印織物を支持するニ
ップロールと、乾燥ドラム、例えばヤンキードライヤー
の間にウェブを配置し、ニップロールを乾燥ドラムの面
に押付けることにより達成できる。また、好ましくはウ
ェブを刻印織物に対して成形してから、吸引ボックスの
様な真空装置で、あるいは吹抜け乾燥機で流体圧力を作
用させることにより完全に乾燥させる。流体圧力は、最
初の脱水の際に、別の、それに続く工程で、あるいはそ
れらの組合せで作用させ、緻密化区域の刻印を行なうこ
とができる。
圧縮していない、パターン状に緻密化していない多層
ティッシュペーパー構造は、両方ともここに参考として
含める、米国特許第3,812,000号、Joseph L.Salvucci,J
r,およびPeter N.Yiannos、1974年5月21日公布、およ
び米国特許第4,208,459号、Henry E.Becker,Albert L.M
cConellおよびRichard Schutte、1980年6月17日公布に
記載されている。一般的に、圧縮していない、パターン
状に緻密化していない多層ティッシュペーパー構造は、
製紙原料を有孔成形ワイヤ、例えばフォドリニエールワ
イヤ、上に堆積させて湿ったウェブを形成し、ウェブか
ら排水し、機械的圧縮を行なわずに、ウェブの繊維コン
システンシーが少なくとも約80%になるまで、余分な水
を除去し、ウェブをクレープ加工することにより製造さ
れる。水は、真空脱水および熱的乾燥によりウェブから
除去される。得られる構造は、柔らかいが弱く、かさの
大きな、比較的圧縮されていない繊維のシートである。
クレープ加工する前に結合剤をウェブに部分的に塗布す
るのが好ましい。
本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー製品は、柔らかい吸収性の多層ティッシュペーパーウ
ェブが必要なすべての用途に使用できる。本発明のマル
チプライフェイシャルティッシュペーパー製品の特に有
利な用途はトイレットティッシュおよびフェイシャルテ
ィッシュ製品である。
分子量測定 A.序論 重合体材料を区別する実質的な特性は、それらの分子
の大きさである。重合体を様々な用途に使用できる様に
する特性は、ほとんどすべてそれらの高分子的性質に由
来する。これらの材料を十分に特徴付けるには、それら
の分子量および分子量分布を測定する幾つかの手段を有
することが不可欠である。分子量ではなく、相対的分子
量の用語を使用するのがより正確であるが、重合体技術
では分子量の用語がより一般的に使用されている。分子
量分布を測定することは常に実際的である訳ではない。
しかし、これはクロマトグラフィー技術を使用してより
一般的になりつつある。どちらかといえば、分子の大き
さを表すのに、分子量平均に頼っている。
B.分子量平均 相対的な分子質量(Mi)を有する分子の重量画分
(wi)を代表する簡単な分子量分布を考える場合、幾つ
かの有用な平均値を定義することができる。特定の大き
さ(Mi)を有する分子の数(Ni)に基づいて行なう平均
は、数平均分子量 を与える。
この定義の重要な点は、グラムで表す数平均分子量が
分子のアボガドロ数を含むことである。分子量のこの定
義は、単分散分子種、すなわち同じ分子量を有する分
子、の分子量と一致する。より重要なのは、特定質量の
多分散重合体における分子の数をいずれかの方法で測定
できれば、nは簡単に計算できる。これは総合的な特性
測定の基礎である。
特定の質量(Mi)を有する分子の重量画分(Wi)に基
づいて行なう平均は、重量平均分子量 を与える。
wは、重合体の溶融粘度および機械的特性の様な特性
をより正確に反映するので、重合体の分子量を表すのに
nよりも有用な手段であり、したがって本発明で使用す
る。
分析および試験手順 ここで使用する、つまりティッシュペーパーウェブ上
に保持される処理薬品の量の分析は、この分野で採用さ
れているいずれかの方法で行なうことができる。
A.第4級アンモニウムおよびポリヒドロキシ化合物の定
量分析 例えば、マルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ーにより保持される第4級アンモニウム化合物、例えば
メチル硫酸ジ(水素化)タロウジメチルアンモニウム
(DHTDMAMS)、の量は、有機溶剤でDHTDMAMSを溶剤抽出
し、続いて指示薬として臭化ジミジウムを使用する陰イ
オン/陽イオン滴定により測定することができ、ポリヒ
ドロキシ化合物、例えばPEG−400、の量は、水系溶剤、
例えば水、で抽出し、続いてガスクロマトグラフィー技
術により、抽出物中のPEG−400の量を測定することによ
り、求められる。これらの方法は例であり、ティッシュ
ペーパーに保持される特定成分の量を測定するのに有用
な他の方法を排除するものではない。
B.親水性(吸収性) マルチプライフェイシャルティッシュペーパーの親水
性は、一般的に、マルチプライフェイシャルティッシュ
ペーパーが水で濡れる傾向を表す。マルチプライフェイ
シャルティッシュペーパーの親水性は、乾燥した多層テ
ィッシュペーパーが水で完全に濡れるまでに必要な時間
を測定することにより、ある程度定量できる。この時間
は「濡れ時間」と呼ばれる。濡れ時間の一定した反復可
能な試験を行なうために、濡れ時間測定には下記の手順
を使用することができる。第一に、マルチプライフェイ
シャルティッシュペーパー構造の調整した試料単位シー
ト(紙試料の試験のための環境条件は、TAPPI方法T402
に規定されている様に23+1℃および50+2%R.H.であ
る)、約4−3/8インチx−3/4インチ(約11.1cm x12c
m)を用意し、第二に、そのシートを4つに折り、直径
約0.75インチ(約1.9cm)〜約1インチ(約2.5cm)のボ
ールに丸め、第三に、丸めたシートを、23±1℃で、あ
る量の蒸留水表面上に置き、同時にタイマーを始動さ
せ、第四に、丸めたシートが完全に濡れた時にタイマー
を止めて読む。完全に濡れた状態は目視で観察する。
本発明のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
ー実施態様の親水性は、無論、製造直後に測定できる。
しかし、多層ティッシュペーパー製造後の最初の2週
間、すなわち紙が製造されてから2週間熟成した後で、
疎水性が著しく増加することがある。したがって、上記
の湿潤時間はその様な2週間後に測定するのが好まし
い。そこで、2週間の熟成後に室温で測定する湿潤時間
を「2週間湿潤時間」と呼ぶ。
C.密度 ここで使用する、マルチプライフェイシャルティッシ
ュペーパーの密度、の用語は、そこに含まれる適当な単
位変換で、その紙の坪量を厚さで割ることにより計算さ
れた平均密度である。ここで使用する、マルチプライフ
ェイシャルティッシュペーパーの厚さ、とは95g/in2(1
5.5g/cm2)の圧縮加重をかけた時の紙の厚さである。
D.繊維くず 乾燥繊維くず 乾燥繊維くずは、Sutherland Rub試験機、一片の黒色
フェルト、4ポンドの重りおよびHunter Colorメーター
を使用して測定することができる。Sutherland試験機は
モーター駆動の、荷重をかけた試料を、静止した試料を
横切る様に前後に往復運動させることができる装置であ
る。黒色のフェルト片を4ポンド重りに取り付ける。次
いで試験機が荷重フェルトを静止したティッシュ試料の
上を5往復する様に移動させる。黒色フェルトのHunter
Color L値を摩擦前後に測定する。2つのHunter Color
の読みの差が乾燥繊維くず発生の測定値である。乾燥繊
維くずを測定するための先行技術の他の方法も使用でき
る。
湿潤繊維くず ティッシュ試料の湿潤繊維くず発生特性を測定するた
めの適当な方法が、ここに参考として含める米国特許第
4,950,545号、1990年8月21日にWalterらに公布、に記
載されている。この方法では、実質的にティッシュ試料
を、一方が水浴中に部分的に浸漬されている2本の鋼製
ロールに通す。ティッシュ試料から発生する繊維くず
は、水浴により湿った鋼製ロールに移動する。鋼製ロー
ルの連続的な回転により、繊維くずが水浴中に蓄積す
る。繊維くずを回収し、計数する。Walterらの特許の5
段落、45行〜6段落、27行参照。湿潤繊維くずを測定す
る先行技術で公知の他の方法も使用できる。
所望により使用する成分 製紙に一般に使用される他の薬品も、繊維材料の軟
化、吸収性に著しい悪影響も及ぼさず、化学的軟化性組
成物の作用を強化するのであれば、ここに記載する化学
的軟化性組成物、または製紙原料に加えることができ
る。
例えば、界面活性剤を使用して本発明のマルチプライ
フェイシャルティッシュペーパー製品を処理することが
できる。使用する場合、界面活性剤の量は、多層ティッ
シュペーパーの乾燥繊維重量に対して好ましくは約0.01
〜約2.0重量%である。界面活性剤は、8個以上の炭素
原子を有するアルキル鎖を有するのが好ましい。代表的
な陰イオン系界面活性剤は直鎖アルキルスルホン酸塩お
よびアルキルベンゼンスルホン酸塩である。代表的な非
イオン系界面活性剤は、アルキルグリコシドエステルを
含むアルキルグリコシド、例えばCroda,Inc.(New Yor
k,NY)から市販されているCrodesta SL−40、米国特許
第4,011,389号、1977年3月8日にW.K.Langdon、らに公
布、に記載されているアルキルグリコシドエーテル、お
よびアルキルポリエトキシル化エステル、例えばGlyco
Chemicals,Inc.(Grrenwich,CT)から市販のPegosperse
200 MLおよびRhone Poulenc Corporation(Cranbury,
N.J.)から市販のIGEPAL RC−520である。
上記の所望により使用する化学添加剤は、単なる例で
あって、本発明の範囲を限定するものではない。
下記の例は、本発明の実施を例示するが、本発明を限
定するものではない。
実施例1 この実施例の目的は、メチル硫酸ジ(水素化)タロウ
ジメチルアンモニウム(DHTDMAMS)およびポリオキシエ
チレングリコール400(PEG−400)の混合物を含んでな
る、化学的軟化剤組成物の製造に使用できる方法を例示
することである。
化学的軟化剤組成物を下記の手順により製造する:1.
当量のDHTDMAMSおよびPEG−400を個別に計量し、2.PEG
を約88℃(190゜F)に加熱し、3.DEDTHTDMAMSをPEGに溶
解させ、88℃(190゜F)で溶融した溶液を形成し、4.十
分に混合してDHTDMAMSとPEGの均質な混合物を形成し、
5.(4)の均質な混合物を室温で固体形態に冷却する。
(5)の化学的軟化剤組成物は、薬品供給者の所(例
えばDublin,OhioのWitco Corporation)で予備混合(上
記工程1−5)し、次いで化学的軟化性組成物の最終ユ
ーザーの所に経済的に輸送し、そこで所望の濃度に希釈
することができる。
実施例2 この実施例の目的は、塩化ジ(水素化)タロウジメチ
ルアンモニウム(DHTDMAC)およびポリオキシエチレン
グリコール400(PEG−400)の混合物を含んでなる、化
学的軟化剤組成物の製造に使用できる方法を例示するこ
とである。
化学的軟化剤組成物を下記の手順により製造する:1.
当量のDHTDMACおよびPEG−400を個別に計量し、2.PEGを
約88℃(190゜F)に加熱し、3.DHTDMACをPEGに溶解さ
せ、88℃(190゜F)で溶融した溶液を形成し、4.十分に
混合してDHTDMACとPEGの均質な混合物を形成し、5.
(4)の均質な混合物を室温で固体形態に冷却する。
(5)の化学的軟化剤組成物は、薬品供給者の所(例
えばDublin,OhioのWitco Corporation)で予備混合(上
記工程1−5)し、次いで化学的軟化性組成物の最終ユ
ーザーの所に経済的に輸送し、そこで所望の濃度に希釈
することができ 実施例3 この実施例の目的は、吹抜け乾燥および層状製紙技術
を使用し、メチル硫酸ジ(水素化)タロウジメチルアン
モニウム(DHTDMAMS)およびポリオキシエチレングリコ
ール400(PEG−400)、永久的湿潤強度樹脂および乾燥
強度樹脂を含んでなる化学的軟化剤組成物で処理した柔
らかい、吸収性の、耐繊維くず性のマルチプライフェイ
シャルティッシュペーパーを製造する方法を例示するこ
とである。
本発明の実施にはパイロット規模のフォドリニエール
製紙機械を使用する。第一に、実施例1の手順にしたが
って実質的に化学的軟化剤組成物を製造するが、その
際、DHTDMAMSとポリヒドロキシ化合物の均質な固体状態
のプレミックスを約88℃(190゜F)の温度で再融解させ
る。次いで、融解した混合物を調整した水タンク(温度
約66℃)中に分散させ、1ミクロン未満の小胞分散液を
形成する。小胞分散液の粒子径は、光学顕微鏡技術を使
用して測定する。粒子径は約0.1〜1.0ミクロンである。
第二に、通常のリ−パルパー中で北部軟材グラフトの
3重量%水性スラリーを製造する。NSKスラリーを穏や
かに精製し、永久的湿潤強度樹脂(すなわちWilmingto
n,DEのHercules Incorporatedから市販のKymeneTM557
H)の2%溶液をNSK原料パイプに乾燥繊維の約0.75重量
%の比率で加える。永久的湿潤強度樹脂のNSK繊維への
吸着はイン−ラインミキサーにより強化する。乾燥強度
樹脂(すなわちWilmington,DEのHercules Incorporated
から市販のCMC)の1%溶液をNSK原料にファンポンプの
前で、乾燥繊維の0.2重量%の比率で加える。NSKスラリ
ーをファンポンプで約0.2%コンシステンシーに希釈す
る。
第三に、通常のリ−パルパー中で、ユーカリ繊維の3
重量%水性スラリーを製造する。永久的湿潤強度樹脂
(すなわちKymeneTM557H)の2%溶液をユーカリ原料パ
イプに、乾燥繊維の2.0重量%の比率で加え、続いてCMC
の1%溶液を乾燥繊維の0.05重量%の比率で加える。化
学的軟化剤混合物の1%溶液をユーカリ原料パイプに、
イン−ラインミキサーの前で、乾燥繊維の0.25重量%の
比率で加える。ユーカリスラリーをファンポンプで約0.
2%コンシステンシーに希釈する。
個別に処理した原料流(流1=100%NSK/流2=100%
ユーカリ)をヘッドボックスを通して分離したまま維持
し、フォドリニエールワイヤ上に堆積させ、等しい分量
のNSKおよびユーカリを含む2層の未発達ウェブを形成
する。フォドリニエールワイヤを通し、そらせ板および
真空ボックスの支援により脱水する。フォドリニエール
ワイヤは、1インチあたりそれぞれ機械方向で110、お
よび機械横断方向で95本のモノフィラメントを有する5
−shed、サテン織り構造になっている。未発達の湿潤ウ
ェブは、移送地点で約15%の繊維コンシステンシーにあ
るフォドリニエールワイヤから、米国特許第4,528,239
号、Trokhan、1985年7月9日公布、にしたがって製造
された光重合体ベルトに移送される。図3に関して、そ
の様なベルトは、織り上げた補強部材の上に、1平方イ
ンチあたり425個の分離した導管31、反復する不規則な
織りパターン32、35%光重合体のランド区域および5ミ
ルの重合体深さを有する。真空排水により、ウェブの繊
維コンシステンシーが約28%になるまでさらに脱水す
る。パターン化したウェブを、空気の吹抜けにより繊維
コンシステンシー約65重量%まで予備乾燥させる。次い
で、ポリビニルアルコール(PVA)の0.25%水溶液を含
むクレープ処理接着剤を吹き付けながら、ウェブをヤン
キードライヤーの表面に付着させる。繊維コンシステン
シーを推定96%に増加させてから、ドクターブレードで
ウェブを乾燥クレープ処理する。ドクターブレードは傾
斜角度が約25度であり、突当たり角度が約81度になる様
にヤンキードライヤーに対して配置し、ヤンキードライ
ヤーは約800fpm(フィート/分)(約244メートル/
分)で運転する。乾燥ウェブは680fpm(208メートル/
分)の速度でロールに形成される。
ウェブは、2層、2プライのフェイシャルティッシュ
ペーパーに加工する。このマルチプライフェイシャルテ
ィッシュペーパーは、約20#/3M Sq Ftの坪量を有し、
約0.475%の永久的湿潤強度樹脂、約0.125%の乾燥強度
樹脂および約0.125%の化学的軟化剤混合物を含む。重
要なことに、得られたマルチプライフェイシャルティッ
シュペーパーは柔らかく、吸収性があり、良好な耐繊維
くず性を有し、フェイシャルティッシュとして使用する
のに適している。
実施例4 この実施例の目的は、従来の乾燥および層形成製紙技
術を使用し、塩化ジ(水素化)タロウジメチルアンモニ
ウム(DHTDMAC)およびポリオキシエチレングリコール4
00(PEG−400)、永久的湿潤強度樹脂および乾燥強度樹
脂を含んでなる化学的軟化剤組成物で処理した、柔らか
く、吸収性の、耐繊維くず性を有するマルチプライフェ
イシャルティッシュペーパーを製造する方法を例示する
ことである。
本発明の実施例にはパイロット規模のフォドリニエー
ル製紙機械を使用する。第一に、実施例2の手順にした
がって化学的軟化剤組成物を製造するが、その際、DHTD
MACとポリヒドロキシ化合物の均質な固体状態のプレミ
ックスを約88℃(190゜F)の温度で再融解させる。次い
で、融解した混合物を調整した水タンク(温度約66)中
に分散させ、1ミクロン未満の小胞分散液を形成する。
小胞分散液の粒子径は、光学顕微鏡技術を使用して測定
する。粒子径は約0.1〜1.0ミクロンである。
第二に、通常のリ−パルパー中でNSKの3重量%水性
スラリーを製造する。NSKスラリーを穏やかに精製し、
永久的湿潤強度樹脂(すなわちWilmington,DEのHercule
s Incorporatedから市販のKymeneTM557H)の2%溶液を
NSK原料パイプに乾燥繊維の約0.3重量%の比率で加え
る。永久的湿潤強度樹脂のNSK繊維への吸着はイン−ラ
インミキサーにより強化する。乾燥強度樹脂(すなわち
Wilmington,DEのHercules Incorporatedから市販のCM
C)の1%溶液をNSK原料にファンポンプの前で、乾燥繊
維の0.05重量%の比率で加える。NSKスラリーをファン
ポンプで約0.2%コンシステンシーに希釈する。
第三に、通常のリ−パルパー中で、ユーカリ繊維の3
重量%水性スラリーを製造する。永久的湿潤強度樹脂
(すなわちKymeneTM557H)の2%溶液をユーカリ原料パ
イプに、乾燥繊維の0.1重量%の比率で加え、続いてCMC
の1%溶液を乾燥繊維の0.025重量%の比率で加える。
化学的軟化剤混合物の1%溶液をユーカリ原料パイプ
に、イン−ラインミキサーの前で、乾燥繊維の0.25重量
%の比率で加える。ユーカリスラリーをファンポンプで
約0.2%コンシステンシーに希釈する。
個別に処理した原料流(流1=100%NSK/流2=100%
ユーカリ)をヘッドボックスを通して分離したまま維持
し、フォドリニエールワイヤ上に堆積させ、等しい分量
のNSKおよびユーカリを含む2層の未発達ウェブを形成
する。フォドリニエールワイヤを通し、そらせ板および
真空ボックスの支援により脱水する。フォドリニエール
ワイヤは、1インチあたりそれぞれ機械方向で110、お
よび機械横断方向で95本のモノフィラメントを有する5
−shed、サテン織り構造になっている。未発達の湿潤ウ
ェブは、移送地点で約8%の繊維コンシステンシーにあ
るフォドリニエールワイヤから、通常のフェルトに移送
される。真空排水により、ウェブの繊維コンシステンシ
ーが約35%になるまでさらに脱水する。次いで、ウェブ
を、ヤンキードライヤーの表面に付着させる。繊維コン
システンシーを推定96%に増加させてから、ドクターブ
レードでウェブを乾燥クレープ処理する。ドクターブレ
ードは傾斜角度が約25度であり、突当たり角度が約81度
になる様にヤンキードライヤーに対して配置し、ヤンキ
ードライヤーは約800fpm(フィート/分)(約244メー
トル/分)で運転する。乾燥ウェブは650fpm(200メー
トル/分)の速度でロールに形成される。
このウェブを2層、2プライのフェイシャルティッシ
ュペーパー製品に製造する。このマルチプライフェイシ
ャルティッシュペーパーは、約18#/3M Sq Ftの坪量を
有し、約0.2%の永久的湿潤強度樹脂、約0.0375%の乾
燥強度樹脂および約0.125%の化学的軟化剤混合物を含
む。重要なことに、得られたマルチプライティッシュペ
ーパーは柔らかく、吸収性があり、良好な耐繊維くず性
を有し、フェイシャルティッシュとして使用するのに適
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トロクハーン,ポール デニス アメリカ合衆国オハイオ州、ハミルト ン、ウォーベル、ロード、1356 (72)発明者 ファン,ディーン バン アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、 チェスター、タイラース、クロッシン グ、6512 (56)参考文献 特開 平2−99690(JP,A) 国際公開93/9287(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 A47K 7/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)製紙繊維、 b)0.01%〜3.0%の、式 (式中、各R2置換基はC1〜C6アルキルまたはヒドロキシ
    アルキル基、またはそれらの混合物であり、各R1置換基
    はC14〜C22ヒドロカルビル基、またはそれらの混合物で
    あり、X-は適当な陰イオンである。) を有する第4級アンモニウム化合物、 c)0.01%〜3.0%の水溶性ポリヒドロキシ化合物、 d)0.01%〜3.0%の永久的および/または一時的な湿
    潤強度結合剤、および e)0.01%〜3.0%の乾燥強度結合剤 を含んでなることを特徴とする、マルチプライフェイシ
    ャルティッシュペーパー製品であって、 少なくとも2プライを有し、前記プライのそれぞれが少
    なくとも2つの重なり合った層、すなわち内側層および
    前記内側層に接している外側層、を含んでなり、各プラ
    イの前記外側層が前記マルチプライフェイシャルティッ
    シュの露出した表面を形成し、前記プライの前記内側層
    のそれぞれが前記フェイシャルティッシュペーパー製品
    の内側に向けて配置される様に、前記プライが前記フェ
    イシャルティッシュ中に配置され、 第4級アンモニウム化合物およびポリヒドロキシ化合物
    の大部分が前記プライの前記外側層の少なくとも一方に
    含まれ、湿潤強度結合剤および乾燥強度結合剤の大部分
    が前記内側層の少なくとも一方に含まれる、マルチプラ
    イフェイシャルティッシュペーパー製品。
  2. 【請求項2】2つの前記内側層のそれぞれが、平均長さ
    が少なくとも約2.0mmである比較的長い製紙繊維を含ん
    でなり、2つの前記外側層のそれぞれが、平均長さが約
    0.2〜約1.5mmである比較的短い製紙繊維を含んでなる、
    請求項1に記載のマルチプライフェイシャルティッシュ
    ペーパー製品。
  3. 【請求項3】前記内側層が軟材繊維または軟材繊維と低
    価各繊維の混合物を含んでなり、前記外側層の少なくと
    も一方が低価格繊維または硬材繊維と低価格繊維の混合
    物を含んでなり、前記低価格繊維が、亜硫酸塩繊維、サ
    ーモメカニカルパルプ繊維、ケミ−サーモメカニカルパ
    ルプ繊維、循環使用繊維、およびそれらの混合物から選
    択される、請求項1または2に記載のマルチプライフェ
    イシャルティッシュペーパー製品。
  4. 【請求項4】第4級アンモニウム化合物が塩化ジ(水素
    化)タロウジメチルアンモニウムまたはメチル硫酸ジ
    (水素化)タロウジメチルアンモニウムである、請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のマルチプライフェイシャ
    ルティッシュペーパー製品。
  5. 【請求項5】第4級アンモニウム化合物対ポリヒドロキ
    シ化合物の重量比が約1.0:0.1〜約0.1:1.0である、請求
    項1〜4のいずれか1項に記載のマルチプライフェイシ
    ャルティッシュペーパー製品。
  6. 【請求項6】前記フェイシャルティッシュペーパー製品
    が、並列関係にある3プライ、すなわち2つの外側プラ
    イおよび1つの内側プライ、を含んでなり、前記内側プ
    ライが2つの前記外側プライの間に位置しており、前記
    3プライのそれぞれが単層ウェブを含んでなる、請求項
    1に記載のマルチプライフェイシャルティッシュペーパ
    ー製品。
  7. 【請求項7】第4級アンモニウム化合物およびポリヒド
    ロキシ化合物の大部分が2つの前記外側プライに含ま
    れ、前記永久的湿潤強度結合剤および乾燥強度結合剤の
    大部分が前記内側プライ中に位置する、請求項6に記載
    のマルチプライフェイシャルティッシュペーパー製品。
  8. 【請求項8】前記第4級アンモニウム化合物がジ(水素
    化)タロウジメチルクロライドまたはメチルサルフェー
    トであり、前記ポリヒドロキシ化合物が、重量平均分子
    量が200〜600であるポリオキシエチレングリコールであ
    り、前記永久的湿潤強度結合剤がポリアミド−エピクロ
    ロヒドリン樹脂であり、前記乾燥強度結合剤がカルボキ
    シメチルセルロース樹脂である、請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載のマルチプライフェイシャルティッシュペ
    ーパー製品。
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