JP3183648B2 - 可動収納箱体の固定装置 - Google Patents

可動収納箱体の固定装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、可動収納
箱体の固定装置に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、突っ張り固定手段としての内部材
が、最高位において外部材から外れて位置ずれを起こ
し、下降不能となったり、落下したりすることのない可
動収納箱体の固定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】間取り変更や部屋の模様替え等に際して
居住者自身が容易に行えるように、下部にキャスターを
備えた収納家具等の可動収納箱体が知られている。この
可動収納箱体については、地震や衝撃等により動いた
り、倒れ込んだりせずに所望の位置にしっかりと固定す
るための工夫がなされている。
【0003】その一つとして、例えば図3に示したよう
に、可動収納箱体(1)の天板(2)の上面に配設され
る幕板等の外部材(3)と、突っ張り固定手段として機
能する内部材(4)とを備え、内部材(4)を、外部材
(3)の内側に沿って上下に移動自在とした、可動収納
箱体(1)の固定装置が検討されている。この固定装置
では、内部材(4)の下部に高さ調節ボルト(5)が連
結され、これを可動収納箱体(1)の内部より操作する
ことによって内部材(4)の高さが変更され、この内部
材(4)を天井面(6)に突き当てて可動収納箱体
(1)を固定するようにしている。
【0004】なお、可動収納箱体(1)の下部に備えら
れたキャスターは、内部材(4)の上下動に対応して昇
降し、可動収納箱体(1)の固定時には床面から離れ、
本体下端が床面と接触する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
この図3に示した可動収納箱体(1)の固定装置にはさ
らなる検討を加える余地が残されている。その一つに、
内部材(4)は、高さ調節ボルト(5)を過度に操作し
た時に、外部材(3)から完全に突出し、外れるという
点がある。天井面(6)の高さによっては内部材(4)
が最高位まで達しても届かないという場合がある。この
ような場合に内部材(4)が外部材(3)から外れる
と、位置ずれが生じ、下降不能となったり、落下するお
それもある。
【0006】この出願の発明は、以上の通りの事情に鑑
みてなされたものであり、可動収納箱体の固定装置につ
いての上記欠点を解消し、突っ張り固定手段としての内
部材が、最高位において外部材から外れて位置ずれを起
こし、下降不能となったり、落下したりすることのない
可動収納箱体の固定装置を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、上記
の課題を解決するものとして、可動収納箱体の天板上面
に取り付けられる外部材の内側にこの外部材に沿って上
下に移動自在に内部材が設けられ、かつ、内部材下部に
高さ調節ボルトが連結されると共に、この高さ調節ボル
トの外周面に形成されたネジ部に螺合するネジ部を開口
部内周面に有する座金が、外部材において高さ調節ボル
トに対向する部位に配設された可動収納箱体の固定装置
であって、内部材は、最高位において外部材の高さ以内
に納まり、かつ、この内部材の最高位において、高さ調
節ボルトが座金内で空回りすることを特徴とする可動収
納箱体の固定装置(請求項1)を提供する。
【0008】またこの出願の発明は、座金において、開
口部上端部の内径が、高さ調節ボルトの外径より拡大さ
れていること(請求項2)、並びに、内部材の高さ調節
ボルトとの連結部に、外部材における座金固定部以上の
大きさを有する凹部が形成されていること(請求項3)
をそれぞれ好ましい態様として提供するものでもある。
【0009】以下、図面に沿ってこの出願の発明の可動
収納箱体の固定装置についてさらに詳しく説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、この出願の発明の可動収
納箱体の固定装置の一実施形態を示した断面図である。
例えばこの図1に示したように、この出願の発明の可動
収納箱体の固定装置は、可動収納箱体(1)の天板
(2)の上面に取り付けられる外部材(3)と、この外
部材(3)の内側に設けられ、外部材(3)に沿って上
下に移動自在とした内部材(4)を備えている。内部材
(4)の下部には高さ調節ボルト(5)が連結されてお
り、外部材(3)には、この高さ調節ボルト(5)に対
向する部位に座金(7)が配設されている。座金(7)
は、開口部内周面に、高さ調節ボルト(5)の外周面に
形成されたネジ部(8)に螺合するネジ部を有してい
る。
【0011】外部材(3)及び内部材(4)は、この図
1に示した実施形態では、共に箱体としているが、特に
その形態に制限はない。板体、パネル体等とすることも
できる。ただ、外部材(3)は幕板等であってもよい
が、その場合にも座金(7)を配設する座金取付け部
(9)は備えることとする。これにより、座金(7)の
配設に関して天板(2)に制約を与えず済むと共に、高
さ調節ボルト(5)の上方向のストロークを座金取付け
部(9)の厚さ分かせぐことができる。内部材(4)に
ついては、天井面(6)に突き当たることにより可動収
納箱体(1)を固定するため、ある程度剛性を有するも
のとするのが好ましい。
【0012】また、外部材(3)は勿論、内部材(4)
の側面にも化粧を施すことができ、可動収納箱体(1)
の固定に際して、内部材(4)が外部材(3)より突出
しても見栄えの低下を防ぐことができる。高さ調節ボル
ト(5)及び座金(7)は、この出願の発明の可動収納
箱体の固定装置において対をなしているが、装置全体に
はこれらを複数対設けることができる。これによって、
例えば天井面(6)が床面(10)に平行でない場合に
も、高さ調節ボルト(5)の間で調整高さを異ならせる
ことにより、内部材(4)を天井面(6)に沿わせて突
き当てることができ、可動収納箱体(1)の固定を安定
なものとすることができる。
【0013】高さ調節ボルト(5)は、可動収納箱体
(1)の内部から操作可能である。これを実現するため
に、例えばこの図1に示したように、可動収納箱体
(1)の天板(2)において座金(7)の直下に貫通口
(11)を開口形成することができる。この貫通口(1
1)を通じて高さ調節ボルト(5)の操作が可能とな
る。貫通口(11)には、可動収納箱体(1)の内部か
ら化粧キャップ(12)を装着することができ、高さ調
節ボルト(5)の非操作時には貫通口(11)を閉鎖
し、見栄えを良好に保持する。
【0014】なお、可動収納箱体(1)については、こ
の高さ調節ボルト(5)を操作しての内部材(4)の上
下動に対応して、下部に備えたキャスター(13)を昇
降させることができる。このキャスター(13)は、可
動収納箱体(1)の固定時には、図1に示したように床
面(10)から離れ、可動収納箱体(1)の本体下端が
床面(10)と接触する。
【0015】そしてこの出願の発明の可動収納箱体の固
定装置では、内部材(4)は、最高位において外部材
(3)の高さ以内に納まり、しかもこの内部材(4)の
最高位において高さ調節ボルト(5)が、座金(7)内
で空回りするようにされている。このため、高さ調節ボ
ルト(5)が座金(7)から抜け外れてしまうことはな
く、高さ調節ボルト(5)の下端は、内部材(4)の最
高位においても座金(7)内に位置する。しかも、この
時、内部材(4)は、外部材(3)内に納まり、外部材
(3)から完全に突出することはない。このため、突っ
張り固定手段として機能する内部材(4)は、最高位ま
で達しても外部材(3)から外れない。天井面(6)に
内部材(4)が届かない時に、内部材(4)が位置ずれ
を起こし、下降不能となったり、落下したりすることは
ない。
【0016】より具体的には、この出願の発明の可動収
納箱体の固定装置では、図2に拡大して示したように、
座金(7)において、開口部上端部(14)の内径を高
さ調節ボルト(5)の外径より拡大することにより、内
部材(4)が最高位に達した時の高さ調節ボルト(5)
の空回りを実現することができる。この場合には、高さ
調節ボルト(5)の空回りが容易に実現される。
【0017】そのように内部材(4)が天井面(6)に
届かない時には、例えば内部材(4)の上面に、側面に
化粧を施した調整板(15)を設けたり、あるいは内部
材(4)の高さ調節ボルト(5)との連結部にスペーサ
ーを介在させる等して内部材(4)が確実に天井面
(6)に突き当たるようにすることができる。これらの
調整板(15)、スペーサーは、いずれか一方を、又は
両方を採用することができる。また、調整板(15)
は、内部材(4)の上面に部分的(例えば四隅部やその
中間部等)に設けても、内部材(4)の上面の全面にわ
たって設けてもよい。ただ、部分的に配設する方が施工
性には優れる。
【0018】さらにこの出願の発明の可動収納箱体で
は、内部材(4)の高さ調節ボルト(5)との連結部
に、外部材(3)における座金固定部(16)以上の大
きさを有する凹部(17)を形成することができる。こ
こで、座金固定部(16)とは、座金(7)、座金
(7)を取り付けるための木ネジ(18)等からなる部
位を意味する。凹部(17)の形成により、そのような
座金固定部(16)を内部材(4)の最低位において凹
部(17)内に納めることができ、内部材(4)の移動
範囲を十分長くすることができる。
【0019】もちろんこの出願の発明は、以上の実施形
態によって限定されるものではない。可動収納箱体をは
じめ、外部材及び内部材の構成及び構造等の細部につい
ては様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この出願の発
明によって、突っ張り固定手段である内部材が、最高位
において外部材から外れて位置ずれを起こし、下降不能
となったり、落下したりすることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の可動収納箱体の固定装置の一
実施形態を示した断面図である。
【図2】図1に示した実施形態の拡大断面図である。
【図3】この出願の発明以前の可動収納箱体の固定装置
を示した断面図である。
【符号の説明】
1 可動収納箱体 2 天板 3 外部材 4 内部材 5 高さ調節ボルト 6 天井面 7 座金 8 ネジ部 9 座金取付け部 10 床面 11 貫通口 12 化粧キャップ 13 キャスター 14 開口部上端部 15 調整板 16 座金固定部 17 凹部 18 木ネジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47B 81/00 A47B 97/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可動収納箱体の天板上面に取り付けられ
    る外部材の内側にこの外部材に沿って上下に移動自在に
    内部材が設けられ、かつ、内部材下部に高さ調節ボルト
    が連結されると共に、この高さ調節ボルトの外周面に形
    成されたネジ部に螺合するネジ部を開口部内周面に有す
    る座金が、外部材において高さ調節ボルトに対向する部
    位に配設された可動収納箱体の固定装置であって、内部
    材は、最高位において外部材の高さ以内に納まり、か
    つ、この内部材の最高位において、高さ調節ボルトが座
    金内で空回りすることを特徴とする可動収納箱体の固定
    装置。
  2. 【請求項2】 座金において、開口部上端部の内径が、
    高さ調節ボルトの外径より拡大されている請求項1記載
    の可動収納箱体の固定装置。
  3. 【請求項3】 内部材の高さ調節ボルトとの連結部に、
    外部材における座金固定部以上の大きさを有する凹部が
    形成されている請求項1又は2記載の可動収納箱体の固
    定装置。
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