JP3183469B2 - 複合焼結部品の製造方法 - Google Patents
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Description
複数のつば部外周がスプロケットやギャあるいはカム等
とされる複合焼結部品の製造方法に関するものである。
に形成された複数のつば部5a,5bの外周がスプロケ
ットやギャあるいはカム等とされるような形状の焼結部
品は、一体形状に圧粉成形することが困難なため、筒状
部4を同心円で内外に2分割して圧粉体を金型から抜き
出せる形状でそれぞれ成形し、それら各部分を焼結に先
立って嵌合し、これを焼結により生じる膨脹,収縮の差
あるいは部材間の拡散などを利用して一体化して形成す
る方法などが採用されている。
度を向上する手段としては、例えば鉄系焼結合金を例に
すると、次のような手段が提案されている。
などに開示されているように、圧粉体の軸部材と外部材
との嵌め合い寸法差を特定量の締まり嵌め状態にするも
のや、特公昭62−35442号公報に開示されている
ように、膨脹および収縮を利用するものとして軸部材に
炭素を添加するとともに炭素量を外部材より0.2%以
上多くするものや、特公昭63−15961号公報に開
示されているように、嵌合面の粗さによるものとして圧
粉体である両部材を形成する鉄粉の重量比50%以上を
還元鉄粉とするものなどが提案されている。
示されているように、拡散促進を利用するものでは銅粉
や黒鉛粉などからなる拡散促進元素を両部材に添加する
もの等がある。
うに筒状部4の軸方向につば状のスプロケットやギャ等
を備えた複合焼結部品は、使用中に回転方向へ力が掛か
り分割面に剪断応力が掛かるので、これに耐え得る接合
強度が必要である。
および元素の拡散促進などを組み合わせることが有効で
あるが、信頼性をより高めるためには、さらに溶浸や金
属ろうにより互いの接合面を接合する手段を付加するこ
とが有効であると考えられる。
品の接合境界面にろう材を供給するには、接合面が露出
している上下各部分にろう材を配置して加熱した場合、
接合面だけに選択的にろう材を供給することは困難で、
ろう材を配置した近傍の部材気孔内に殆どが溶浸されて
しまい、軸方向の中間部にはろう材が供給されないた
め、所望するほどの効果が得られず多量のろう材を必要
としていた。
ためには、例えば特公昭57−44433号公報に記載
されているように、少なくとも一方の成形体に凹部を形
成すればろう材を保持することができるのであるが、こ
の種の部品のように円筒状の面が嵌合する場合には、粉
末成形で凹部を形成することが困難なため採用されてい
なかった。
部材の圧粉体の組み合わせの場合に、軸部材のつば部表
面に外部材を付き当てて嵌合すると、それぞれの部材を
成形したときの加圧方向における圧粉体の全長寸法のば
らつきは、通常のプレスで圧粉すると0.2mm程度で
あるので、両部材により形成される部品の全長ばらつき
は最大0.4mmになる。
に押圧すると圧粉体に割れを生じることがある。
されたものであり、その目的とするところは、軸部材お
よびこれと嵌合する外部材との接合面の中間部近傍にろ
う材を供給して良好な接合を得るとともに、組み付け寸
法精度も良好とすることが可能な複合焼結部品の製造方
法を提供することにある。
な目的を達成するために、圧粉体製の軸部材と、この軸
部材に嵌合される圧粉体製の外部材とを、互いに嵌合状
態で焼結して一体化する複合焼結体の製造方法におい
て、上記軸部材の軸部は先端が小径で長くかつ他方が大
径で短い、段差を有する2段円筒面に形成し、上記外部
材の軸受面は前記軸部材の円筒面と嵌合する入口側が大
径で長くかつ他方が小径で短い、段差を有する2段円筒
面に形成されるとともに、上記軸部材の軸部小径円筒面
と段差部および上記外部材の大径円筒面と段差部にて空
間部を形成し、上記空間部に部材の焼結温度で溶融する
ろう材または多孔質圧粉体を装填し、かつ両部材を軸方
向に押圧嵌合するとともにその後に両部材を焼結するこ
とを特徴とする。
段円筒面がテーパ面であることを特徴とする。
部材とを嵌合した際に、互いに対向する軸部材のつば部
と外部材の端面との少なくともいずれか一方に、一定間
隔毎の環状にもしくは環状に連なる突起部を設けて両部
材を形成し、かつ両部材を嵌合して軸方向に押圧するこ
とを特徴とする。
るとか、拡散促進するなどの手段は従来通り用いられ
る。
けでも接合力を向上することができるが、従来の外部材
および軸部材の接合面が露出している箇所への供給と併
用することが望ましい。
あり、線材または圧粉体が用いられる。また、ろう材の
圧粉体は変形または崩壊して空間部に充填されるので、
線材のものを用いた場合より接合面への供給性がよい。
組立全長寸法精度をさらに向上する。 また、一端につ
ば部を有する軸部材に外部材を嵌合したとき対抗する内
部材のつば部と外部材の端面との少なくともいずれか一
方に、環状に突起部を設けておくと、圧入嵌合するとき
に突起部が弱い圧力で変形または崩壊するので、組立寸
法が確保されるまで押圧すれば長さ方向の目的寸法を精
度よく確保する。
個に限らず、2個以上ある場合でも適用できる。
ても軸部材と外部材とを嵌合した際に、互いに対向する
段差部間、すなわち、軸部材の軸部小径円筒面と段差部
および外部材の大径円筒面と段差部にて空間部が形成さ
れるので、両部材の接合面における中間部分にろう材な
どを供給でき、特に両部材の接合強度を向上させる。
細に説明する。
て説明する。
を有する焼結部品が試料である。
銅粉と黒鉛粉を添加した混合粉とする成形体で、軸部材
2の方が外部材3よりも黒鉛量を0.3%および銅量を
2%多くしてあるが、両部材2,3とも密度は6.7g
/cm3 である。
の嵌合面には、図1に示すように、小径の円筒面10a
と大径の円筒面10bを備えており、各寸法は締まり嵌
めになるよう形成されている。
る空間部8には、銅,青銅,銀ろう等のろう材9(図2
参照)を巻き付け、両部材2,3は軸方向に押圧嵌合さ
れる。 そして、この両部材2,3を通常行われている
ように焼結すると、相対的な寸法変化は軸部材2が膨脹
し外部材3が収縮して両部材2,3が接合されるととも
に、空間部8内のろう材9が互いの接合面に流入されま
た近傍の部材気孔(図示略)内に溶浸されて接合力が増
加される。
供給することができる。
着した場合の要部拡大断面図である。 この場合には、
軸部材2と外部材3を軸方向に押圧すると多孔質圧粉体
9aは僅かの圧力で変形し、部材2,3に割れを生じる
ことが無く目的の全長寸法を確保することができる。
実施例で、両部材2,3は小径のテーパ面11aと大径
のテーパ面11bを備えている。このように構成する
と、両部材2,3を嵌合する際に、外部材3の内孔入り
口が大きく軸部材2の先端が細いので両部材2,3の嵌
め合わせが容易であり、押圧中に部材が傾きにくく両部
材2,3が破損しにくくなる。
して示してあるが、両部材2,3のテーパ比は15/1
00程度が望ましい。
際には、軸部材2のつば部5b面に外部材3の筒状部4
の端面が当接する僅か前に、締まり嵌めになるようにテ
ーパ面11a,11bの寸法は調整されている。その他
の構成は上記した実施例と同様である。
すものであり、嵌合面の構成は上記した実施例と同様で
ある。
た加圧方向の両部材2,3の対向面には突起部14,1
5を設けてある。軸部材2の突起部15の斜面に外部材
3の突起部14が押圧すると僅かの圧力で変形または崩
壊し、組立寸法になるまで押圧すれば部材2,3に割れ
を生じること無く目的の寸法が確保される。
成し外部材3の外径との間にろう材9を供給すると、崩
壊または変形した部分を接合できるので、仮に圧粉体の
小さな破片があっても部材2,3を固着することがで
き、部材2,3間の接合力もさらに増加することができ
る。
部材2と外部材3とを嵌合した際に両部材2,3の中間
部にろう材9や多孔質圧粉体9a等を装填させることが
可能な空間部8を形成することができるので、この空間
部8内にろう材9を装填させれば両部材2,3を嵌合し
て軸方向に押圧するとろう材9を両部材2,3に積極的
に供給でき、互いの接合力を向上することができる。
填させれば、両部材2,3を嵌合して軸方向に押圧する
と多孔質圧粉体9aは圧縮変形するので、所望する位置
で押圧を中止すれば精度よく組立全長寸法を決定するこ
とができる。
5bと外部材3の端面とに環状に突起部14,15を設
けておくと、軸部材2に外部材3を嵌合する圧入嵌合時
にこの突起部14,15が弱い圧力で変形または崩壊す
るので、組立寸法が確保されるまで押圧すれば長さ方向
の目的寸法を精度よく確保することができる。
造方法は、複合焼結部品の作製に際し互いに嵌合される
軸部材と外部材との接合面の中間部分、すなわち、軸部
材の軸部小径円筒面と段差部および外部材の大径円筒面
と段差部にて空間部を形成することができるので、この
空間部にろう材を供給して両部材を嵌合し互いの接合強
度を向上することができる。
または端部当接箇所に突起を設けて両部材を嵌合するこ
とより、組み付け全長の寸法精度を良好に確保すること
ができるので、自動車等に用いられるダブル・フランジ
ド・スプロケットのような機械要素や、その他同類形状
の各種焼結部品にも利用を拡大することができる。
図。
示す要部拡大断面図。
状態を示す要部拡大断面図。
場合の接合構造を示す説明用断面図。
断面図。
用断面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 圧粉体製の軸部材と、この軸部材に嵌合
される圧粉体製の外部材とを、互いに嵌合状態で焼結し
て一体化する複合焼結体の製造方法において、 上記軸部材の軸部は先端が小径で長くかつ他方が大径で
短い、段差を有する2段円筒面に形成し、上記外部材の
軸受面は前記軸部材の円筒面と嵌合する入口側が大径で
長くかつ他方が小径で短い、段差を有する2段円筒面に
形成されるとともに、上記軸部材の軸部小径円筒面と段
差部および上記外部材の大径円筒面と段差部にて空間部
を形成し、上記空間部に部材の焼結温度で溶融するろう
材または多孔質圧粉体を装填し、かつ両部材を軸方向に
押圧嵌合するとともにその後に両部材を焼結することを
特徴とする複合焼結部品の製造方法。 - 【請求項2】 軸部材および外部材のそれぞれの2段円
筒面がテーパ面であることを特徴とする請求項1記載の
複合焼結部品の製造方法。 - 【請求項3】 一端につば部を有する軸部材と外部材と
を嵌合した際に、互いに対向する軸部材のつば部と外部
材の端面との少なくともいずれか一方に、一定間隔毎の
環状にもしくは環状に連なる突起部を設けて両部材を形
成し、かつ両部材を嵌合して軸方向に押圧することを特
徴とする請求項1または2記載の複合焼結部品の製造方
法。
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JPH05105913A JPH05105913A (ja) | 1993-04-27 |
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Family
ID=17474222
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JP26957191A Expired - Lifetime JP3183469B2 (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | 複合焼結部品の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3183469B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3049203A2 (de) * | 2013-09-23 | 2016-08-03 | GKN Sinter Metals Holding GmbH | Verfahren zur herstellung eines sinterteils mit hochgenauer radialer präzision sowie teilesatz mit sinterfügetellen |
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JP5557191B2 (ja) * | 2010-07-05 | 2014-07-23 | 住友電工焼結合金株式会社 | ロウ付け方法及びロウ付け接合部品 |
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-
1991
- 1991-10-17 JP JP26957191A patent/JP3183469B2/ja not_active Expired - Lifetime
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