JP3183352B2 - 電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方法 - Google Patents

電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方法

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JP3183352B2
JP3183352B2 JP07403291A JP7403291A JP3183352B2 JP 3183352 B2 JP3183352 B2 JP 3183352B2 JP 07403291 A JP07403291 A JP 07403291A JP 7403291 A JP7403291 A JP 7403291A JP 3183352 B2 JP3183352 B2 JP 3183352B2
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melt
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秀幸 水本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁誘導によるシリコ
ンの連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池等の素材として使用されるシリ
コンの方向性凝固鋳塊の製造方法として、電磁誘導によ
る連続鋳造方法が、例えば特開平2−30698号公報
により提案されている。電磁誘導によるシリコンの連続
鋳造方法は、図2に示すように、誘導コイル1と、その
内部に配設された導電性の無底るつぼ2とを使用する。
無底るつぼ2は、軸方向の少なくとも一部が周方向に複
数分割されている。無底るつぼ2内に装入された原料シ
リコンは、誘導コイルによる電磁誘導を受けて、るつぼ
内面に非接触の状態で溶融する。そして、無底るつぼ2
内に原料シリコンを供給しながら、無底るつぼ2内のシ
リコン融液3を下方へ徐々に引き下げて凝固させること
により、シリコンの方向性凝固鋳塊4が連続的に製造さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような電磁誘導に
よるシリコンの連続鋳造方法では、無底るつぼ2とシリ
コン融液3との接触がないため、製造されるシリコンの
方向性凝固鋳塊4に無底るつぼ2からの汚染がなく、そ
の高純度が保証される。また、無底るつぼ2内のシリコ
ン融液3が下方からのみ凝固されるので、結晶構造も良
好になるとされている。ところが、実際の操業では、鋳
造を終了する際の固め時、即ち、無底るつぼ2内に残る
シリコン融液3を凝固させるとき、誘導コイル1の出力
を下げるために、無底るつぼ2内に残るシリコン融液3
に上面から凝固が始まり、中心部の融液が最後に凝固す
るのを避け得ない。その結果、残融液の凝固過程では、
上下から結晶が成長するにつれて液圧が上昇し、結晶の
弱い部分の殻を破って一部融液が吹き出すものの、最終
的には鋳塊内に応力が蓄積され、冷却過程において応力
破壊によるクラックが多発する。このクラックは、製造
された方向性凝固鋳塊4に使用不能部分を発生させ、ま
た、残融液が多くなる大型鋳塊の製造ほど顕著になる。
従って、大型鋳塊の製造では、クラックによる歩留低下
が特に大きな問題となり、鋳塊の大型化を阻害する一因
にもなっている。
【0004】本発明の目的は、るつぼ内融液の最終凝固
部のクラックを防ぎ、鋳塊の全体にわたって高品質を付
与する電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁誘導による
シリコンの連続鋳造方法は、誘導コイル内に軸方向の少
なくとも一部が周方向に複数分割された導電性の無底る
つぼを設置し、該無底るつぼ内に供給され、その内部で
電磁誘導により溶解されるシリコンを、順次下方へ引き
下げて方向性凝固鋳塊となす電磁誘導によるシリコンの
連続鋳造方法において、鋳造を終了する際に、誘導コイ
ルによる電磁誘導を受けて自己発熱する発熱体を、無底
るつぼ内に残るシリコン融液に上方から対向させ、シリ
コン融液の上面からの凝固を防ぎつつ、シリコン融液の
凝固を終了することを特徴としてなる。
【0006】
【作用】鋳造終了の際に無底るつぼ内に残ったシリコン
融液は、発熱体により上方から保温され、その上面から
の放熱が防止されることより、誘導コイルの出力を下げ
た場合にも、上方へ向けて凝固が進み、クラックのない
高品質な一方向性凝固鋳塊となる。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施態様を示す模式図である。
【0008】誘導コイル1および無底るつぼ2は、気密
容器内に設置されている。無底るつぼ2の構造は、前述
したとおり、軸方向の少なくとも一部が周方向に複数分
割されている。無底るつぼ2の上方には、電磁誘導によ
り自己発熱が可能な黒鉛、モリブデン等からなる発熱体
5が設けられている。発熱体5は、支持棒6の下端に取
り付けられ、鉛直方向に駆動される。発熱体5の大きさ
は、無底るつぼ2内に挿入され、且つ、るつぼ内面との
間に数mm程度のギャップが確保されるように設定され
ている。
【0009】通常の鋳造時には、無底るつぼ2内への原
料シリコンの投入を妨げないように、無底るつぼ2の上
方に発熱体5が退避されている。鋳造を終了するにあた
り、原料シリコンの投入が停止されると、誘導コイル2
の出力を低下させると共に、無底るつぼ2内に残るシリ
コン融液3の上面から10〜15mm程度のところまで
発熱体5を降下させる。発熱体5の降下により、無底る
つぼ2内に発熱体5が挿入され、誘導コイル1による電
磁誘導を受けて発熱体5が自己発熱する。そして、方向
性凝固鋳塊4の引き下げ速度に同期して、発熱体5を降
下させる。これにより、無底るつぼ2内に残るシリコン
融液3が凝固し終るまで、これが発熱体5にて上方から
保温され、下方へのみ放熱されるので、上端まで結晶方
向の揃った方向性凝固鋳塊4が製造される。
【0010】このような方法で、85mm角および11
7mm角のシリコン方向性凝固鋳塊を製造した。発熱体
5を使用しない場合、85mm角鋳塊には15%、11
7mm角鋳塊には100%の本数比率で、残融液凝固部
分にクラックが発生したが、発熱体5を使用することに
より、117mm角鋳塊においても、残融液凝固部分の
クラックは皆無となり、製造された鋳塊の全てが全長に
わたって製品化可能となった。
【0011】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方法は、鋳造終了
の際に無底るつぼ内に残るシリコン融液の凝固方向をコ
ントロールし、残融液凝固部分のクラックを防ぐことに
より、この部分に他の部分と変わらない結晶方向性を与
え、シリコン鋳塊の製造歩留り向上に大きな効果を発揮
する。また、大型鋳塊においても残融液凝固部分のクラ
ックを確実に防止し得るので、シリコン鋳塊の大型化に
も寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の一実施態様を示す模式図である。
【図2】従来法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 誘導コイル 2 無底るつぼ 3 シリコン融液 4 凝固鋳塊 5 発熱体 6 支持棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C01B 33/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導コイル内に軸方向の少なくとも一部
    が周方向に複数分割された導電性の無底るつぼを設置
    し、該無底るつぼ内に供給され、その内部で電磁誘導に
    より溶解されるシリコンを、順次下方へ引き下げて方向
    性凝固鋳塊となす電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方
    法において、鋳造を終了する際に、誘導コイルによる電
    磁誘導を受けて自己発熱する発熱体を、無底るつぼ内に
    残るシリコン融液に上方から対向させ、シリコン融液の
    上面からの凝固を防ぎつつ、シリコン融液の凝固を終了
    することを特徴とする電磁誘導によるシリコンの連続鋳
    造方法。
  2. 【請求項2】 シリコン引き下げ速度に周期させて発熱
    体を下降させることを特徴とする請求項1に記載の電磁
    誘導によるシリコンの連続鋳造方法。
JP07403291A 1991-03-12 1991-03-12 電磁誘導によるシリコンの連続鋳造方法 Expired - Lifetime JP3183352B2 (ja)

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