JP3183180U - 積層部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた弾力性、反発性、クッション性及び不燃性や難燃性を有し、表面の凹凸模様及び/又は小孔により表面積が大きくなることから吸音性や遮音性、防振性並びに高級感を得ることのできる積層部材を提供する。
【解決手段】表面シート2と裏面シート3との間に不燃性又は難燃性の弾力性、反発性、クッション性を有する綿4を配設し、該綿4の移動を防止すること及び該綿4を硬綿化させるための該表・裏面シート2,3の縫着手段となる止め糸5による縫着部を凹部6とし、その他の部分を凸部7とした凹凸模様を該表面シートに形成し、裏面シートは高収縮性シートとしたことを特徴とする積層部材。
【選択図】図2

Description

本考案は、建物の内装、車両の床面を含めた内装、工場建築物等の内壁仕上げ及びモーター室、機械等の設備に関連する内張り等の各種仕上げ部材並びにカーテン等のインテリア部材として使用することができる積層部材に関する。
建物の内装、車両の内装、工場建築物等の内壁仕上げ及びモーター室、機械等の設備に関連する内張り等の各種仕上げ部材並びにカーテンや装飾品を囲む材料等のインテリア部材には様々な材料が使用されているが、弾力性、反発性、クッション性に優れ、保温性、断熱性を有し、且つ吸音性、遮音性、防振性及び審美性を備えた積層部材はなかった。
下記する特許文献1のように、基材にポリオレフィン系樹脂性発泡層を積層したクッション性、成形性、施工接着性等に優れた内装材が知られているが、不燃性や難燃性及び吸音性、遮音性、防振性並びに露出する表面シートに凹凸模様を形成する等の構成はなかった。
また、特許文献2のように、ポリフェニレンエーテル系樹脂製発泡層の両面に難燃性を有する非発泡層を積層した難燃性に優れている内装材が提案されているが、上記同様、吸音性、遮音性、防振性及び表面シートに凹凸模様を形成する等の構成はなかった。
特開2001−315280公報 特開2002−120328公報
本考案は、上記欠点を解決したもので、優れた弾力性、反発性、クッション性及び不燃性や難燃性を有し、表面の凹凸模様及び/又は小孔により吸音性、遮音性、防振性並びに高級感を得ることのできる積層部材を提供するものである。
本考案は、表面シートと裏面シートとの間に不燃性又は難燃性の弾力性、反発性、クッション性を有する綿を配設し、該綿の移動を防止すること及び該綿を硬綿化させるための該表・裏面シートの縫着手段となる止め糸による縫着部を凹部とし、その他の部分を凸部とした凹凸模様を該表面シートに形成し、裏面シートは高収縮性シートとした積層部材を特徴とする。
また、上記綿を木綿、真綿、パンヤ、麻繊維による綿、羊毛繊維による綿及び合成綿に不燃剤又は難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの或いは不燃剤又は難燃剤を練り込み加工したもの、又はグラスウール、ロックウール等の無機繊維綿のいずれかとした積層部材を特徴とする。
更に、上記表面シートは、柔軟性を有する高質な素材を基材とした材料又は/及び高級感があり、優れた色彩や各種模様等の意匠性を表現できる材料とした積層部材を特徴とする。
また、上記表面シートは、不燃性とし、カーボン繊維或いはステンレス繊維・アモルファス繊維等の金属繊維、セラミック繊維、無機物のガラス繊維やアスベスト、テフロン(登録商標)コーティングした繊維等の材料のいずれかとした積層部材を特徴とする。
更に、上記表面シートは、難燃性とし、皮、ナイロン、ポリエステル、コットン、レーヨン、合成レザー等に不燃剤又は難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの、シリコンをコーティングしたもの、或いは素材自体に不燃剤又は難燃剤を練り込み加工や含浸加工したもの等の材料のいずれかとした積層部材を特徴とする。
また、上記裏面シートは、高収縮ポリエステル、高収縮アクリル、高収縮ナイロン、ポリウレタン等の高収縮性を有する材料或いはそれらと他の材料との混合物よりなる材料のいずれかとした積層部材を特徴とする。
更に、上記表面シートに100μm〜2mmφの多数の小孔を設けた積層部材を特徴とする。
また、上記表・裏面シートは、0.1mm〜5mm厚、綿は1mm〜20mm厚とした積層部材を特徴とする。
本考案の積層部材は、三層となる積層構造の中間層に綿を設けることにより弾力性、反発性、クッション性及び断熱性に優れた各種仕上げ部材やインテリア部材を得ることが可能となった。
また、綿を不燃性又は難燃性の高い部材とすることにより防火性又は難燃性を高めることが可能となった。
更に、表面シートに止め糸の縫着部を利用して凹凸模様を設けたこと及び/又は多数の小孔を設けたことにより室内や車両内或いは外部から発生する様々な音や振動の減衰効果を高めることが可能となった。特に工場及び音楽ホール等の建物内部から発生する騒音、振動の減衰効果を高めることが可能となった。また、音楽ホール等においては、吸音効果により音の適度な響き、ノイズの減少による単音の明瞭化等の音環境の改善を図ることが可能となった。
また、表面シートに材質や色彩に優れた材料のもの及び各種形状の凹凸模様を選択形成することにより極めて豪華で高級感があり、且つ審美性のある仕上げ面を有する各種仕上げ部材やインテリア部材を得ることが可能となった。
更に、裏面シートを高収縮性の材料とし、表面シート側を収縮の少ない材料としているので、裏面シート側が大きく収縮し表面側は少ないため、該表・裏面シートにおいて収縮差が生じ、表面シート側が盛り上がることになり、該表面シートに形成した凹凸を一層大きくすることができ、吸音性、遮音性、防振性を高めることが可能となった。
また、例えば、本考案の積層部材を鉄板等に重ねて車両内に敷設することにより車両本体を含む外部で発生した音や振動が該車両内に入り込むのを防止することができる。従って、従来より車両内の床面に敷設していた鉄板等の厚みを薄くすることができ、且つ吸音効果及び振動防止効果等をより一層高めることが可能となった。
更に、マンション、アパート及び仮設住宅等の界壁に、仕上げ材として簡単に装着することができ、それにより隣接する住居空間から発生する音や振動を防ぐことが可能となった。
本考案の積層部材の一実施例の平面図。 本考案の積層部材の一実施例の断面図。 本考案の積層部材の他の実施例の断面図。
以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。
図1は本考案の一実施例を示す積層部材の平面図、図2は同断面図を示している。該積層部材1は、表面シート2と裏面シート3との間に弾力性、反発性、クッション性を有する綿4を設けた三層の積層部材とし、該綿4の上下、左右方向への移動を防止すること及び該綿4を硬綿化させるために止め糸5により表・裏面シート2、3を縫着手段により縫着し、仕切りを設けている。
上記表・裏面シート2、3の縫着により該縫着部となる綿4は押しつぶされ、表面シート2の当該箇所に連続或いは断続した凹部6が形成されることになる。止め糸5により縫着された部分以外の領域は綿4の弾力性により表面シート2側へ膨出する凸部7が形成される。これにより表面シート2側には凹凸状の各種模様が形成されることになる。更に、該表面シート2は、下記する様々な材質の他、様々な色彩のものを適宜選択することができる。
該凹凸模様は、止め糸5の縫着箇所により図1のような菱形状や、ハート形状、三つ葉形状、三角形・四角形・五角形等の多角形状、各種動物や植物の形状、建物・橋・塔等の構築物の形状等様々な形状模様を適宜選択することができる。
また、上記のような連続的な縫着手段以外に、点状或いは断続状縫着により他の様々な形状模様を形成することができる。
該表面シート2は、柔軟性を有する高質な素材を基材とした材料又は/及び高級感があり、優れた色彩や各種模様等の意匠性を表現できる材料等から適宜選択する。例えば、織物、編物、不織布、皮、合成レザー、フィルム等或いはそれらを積層したもの等適宜な材料から選択することができる。
また、該表面シート2として、必要に応じて不燃性又は難燃性の材料が選択でき、耐久性の他、防火性能や難燃性能に優れた材料が選ばれる。また、必要に応じて止め糸5も上記と同様の材料を選択することができる。
具体的には、不燃性の表面シート2及び/又は止め糸5として、カーボン繊維或いはステンレス繊維・アモルファス繊維等の金属繊維、セラミック繊維、無機物のガラス繊維やアスベスト、テフロンコーティングした繊維等が適宜選択使用される。
更に、難燃性の表面シート2及び/又は止め糸5として、皮或いはナイロン、ポリエステル、コットン、レーヨン、合成レザー等に難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの、シリコンをコーティングしたもの、又は素材自体に不燃剤や難燃剤を練り込み加工や含浸加工したもの等が適宜選択使用される。
上記難燃剤としては、一般に使用される有機難燃剤や無機難燃剤等を使用する。有機難燃剤としては、ポリリン酸アンモニウム等のポリリン酸塩系やリン酸エステル系等のリン系難燃剤或いは窒素系、ハロゲン系、臭素系の難燃剤が挙げられる。また、無機難燃剤としては、ホウ素化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ジルコニウム化合物、硼砂、硼酸亜鉛、三酸化モリブデン、ケイ酸ナトリウム、或いは上記化合物の錯体である複合無機物が挙げられる。中でも特に、火災時や使用後の焼却処分時に有害なハロゲン系ガスを発生しない非ハロゲン系の難燃剤、特にポリリン酸塩系難燃剤が好ましい。
難燃剤の添加量は、表面シート100重量部当たり1〜50重量部であるのが好ましい。添加量が少ないと充分な難燃性が得られず、一方、難燃剤の添加量が多いと、成形性が悪くなり凹凸が小さくなることから、該表面シート2の物性が低下する。該表面シート2には、上記の成分以外に本考案の目的を損なわない範囲で必要に応じ、他の樹脂や無機フィラー、発泡分解促進剤、滑剤、界面活性剤、粘着防止剤、顔料、抗菌剤等を添加することができる。
上記表面シート2のシート厚は0.1mm〜5mmの範囲にあるのが好ましい。厚さが薄いと、成形中のシート破断が起こりやすく、特に穴が生じた場合、当該箇所から表面シート2が破断する恐れがある。他方、厚い場合は、本考案の積層部材の成形速度が低下し、生産性が低下したり、二次加工の際の加工性も悪化する。より好ましい厚みは1mm前後である。
上記綿4としては、木綿、真綿、パンヤ、麻繊維による綿、羊毛繊維による綿及び合繊綿、又はグラスウール、ロックウール等の無機繊維綿等のいずれかが選択使用できる。
更に、上記綿4に上記同様、不燃剤や難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの或いは不燃剤や難燃剤を練り込み加工したもの、又は不燃材であるグラスウール、ロックウール等が適宜選択使用できる。上記不燃剤や難燃剤の使用に際しては、弾力性、反発性、クッション性、断熱性或いは吸音性、遮音性、防振性を損なわないようにする。例えば、表面側のみに適用する等を選択することができる。
綿4の厚さは、1mm〜20mmの間で必要に応じて適宜選択することができる。それにより弾力性、反発性、クッション性の他、断熱性、吸音性、遮音性、防振性にも優れたものとすることができる。これらの性能は厚みが大きい程向上するが、二次加工性、施工性等を考慮すると、より好ましい厚みは10mm前後である。カーテン等のドレープ性が必要とされるインテリア部材においては、3mm以下が好ましい。
裏面シート3は、織物、編物、不織布、皮、合成レザー、フィルム或いはそれらの積層体が使用でき、特に木綿や化学繊維或いはそれらの混紡物、不織布等の軽くて可撓性のある高収縮性を有するシートが使用される。該裏面シート3に織物や不織布等の高収縮性を有するシートを使用することで、該裏面シート3を熱収縮させることができ、それにより収縮の少ない表面シート側が盛り上がり、該表面シート2に形成した凹凸をより一層大きくすることができ、吸音性、遮音性、防振性等の効果を高めることができる。該裏面シート3の素材としては、高収縮ポリエステル、高収縮アクリル、高収縮ナイロン、ポリウレタン等より選択できる。また、上記した高収縮性を有する素材に収縮の少ない素材を混合した材料、例えば、高収縮ポリエステルに低収縮ポリエステルを混合した材料等、を選択することもできる。それらを1:0.1乃至1:5での混合比率であれば高収縮性を維持することが可能である。該裏面シート厚は、該表面シート2と同様、0.1mm〜5mmの範囲にあるのが好ましい。より好ましい厚みは1mm前後である。
使用場所によっては糊着、接着等により直接下地側に装着することも有り得るので、糊や接着剤がより多く付着するように糸の織目、編目やエンボス加工等により凹凸面のある装着面が形成できるようにしておくこと、或いはシートにアクリル樹脂等のコーティング加工又は含浸加工を施し下地との装着強度を向上させることが有効となる。
上記表・裏面シート2、3及び綿4との積層部材の形成と縫着とは、同時でもよいし、時間差を設けてもよい。
図3は、積層部材10の他の実施例で、表面シート11に多数の小孔を設けたものである。実施例1と同様、表・裏面シート11、12間に綿13の層を積層し、止め糸14による縫着により内側となる綿13の移動を防止すること及び該綿13を硬綿化して積層部材10としている。該表面シート11は、その表面に凹凸模様を形成すると同時に、100μm〜2mmφの多数の小孔15を設けている。
該積層部材10の該表面シート11側を室内や車両内等の表面側に向けて使用することにより、それらの空間や外部から発生した音や振動等を、該表面シート11の小孔15より綿13側へ取り込み、該綿13による多数の繊維層のからみにより音や振動等の吸収及び防振を達成することが可能となる。
また、実施例1も同様であるが、表面シート11に形成した多数の凹凸模様により該表面シート11に衝突した音はその一部が様々な方向へ反射することになり、音の衝突現象が生じ、音を減衰させることが可能となる。実施例2の場合は、音や振動等の内側層への吸収減衰と音の反射による減衰とにより相乗的に音や振動等を減衰させることが可能となる。
また、実施例1と同様の綿13の所定厚さにより弾力性、反発性、クッション性及び断熱性にも優れた積層部材となっている。
裏面シート12は、実施例1と同様のものが適宜選択される。
1、10 積層部材
2、11 表面シート
3、12 裏面シート
4、13 綿
5、14 止め糸
6 凹部
7 凸部
15 小孔
また、上記表面シートは、不燃性とし、カーボン繊維或いはステンレス繊維・アモルファス繊維等の金属繊維、セラミック繊維、無機物のガラス繊維テフロン(登録商標)コーティングした繊維等の材料のいずれかとした積層部材を特徴とする。
具体的には、不燃性の表面シート2及び/又は止め糸5として、カーボン繊維或いはステンレス繊維・アモルファス繊維等の金属繊維、セラミック繊維、無機物のガラス繊維テフロンコーティングした繊維等が適宜選択使用される。

Claims (8)

  1. 表面シートと裏面シートとの間に不燃性又は難燃性の弾力性、反発性、クッション性を有する綿を配設し、該綿の移動を防止すること及び該綿を硬綿化させるための該表・裏面シートの縫着手段となる止め糸による縫着部を凹部とし、その他の部分を凸部とした凹凸模様を該表面シートに形成し、裏面シートは高収縮性シートとしたことを特徴とする積層部材。
  2. 綿を木綿、真綿、パンヤ、麻繊維による綿、羊毛繊維による綿及び合成綿に不燃剤又は難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの或いは不燃剤又は難燃剤を練り込み加工したもの、又はグラスウール、ロックウール等の無機繊維綿のいずれかとしたことを特徴とする請求項1記載の積層部材。
  3. 表面シートは、柔軟性を有する高質な素材を基材とした材料又は/及び高級感があり、優れた色彩や各種模様等の意匠性を表現できる材料としたことを特徴とする請求項1又は2記載の積層部材。
  4. 表面シートは、不燃性とし、カーボン繊維或いはステンレス繊維・アモルファス繊維等の金属繊維、セラミック繊維、無機物のガラス繊維やアスベスト、テフロンコーティングした繊維等の材料のいずれかとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の積層部材。
  5. 表面シートは、難燃性とし、皮、ナイロン、ポリエステル、コットン、レーヨン、合成レザー等に不燃剤又は難燃剤を塗布加工や含浸加工したもの、シリコンをコーティングしたもの、或いは素材自体に不燃剤又は難燃剤を練り込み加工や含浸加工したもの等の材料のいずれかとしたことを特徴とする請求項1又は2記載の積層部材。
  6. 裏面シートは、高収縮ポリエステル、高収縮アクリル、高収縮ナイロン、ポリウレタン等の高収縮性を有する材料或いはそれらと他の材料との混合物よりなる材料のいずれかとしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の積層部材。
  7. 表面シートに100μm〜2mmφの多数の小孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の積層部材。
  8. 表・裏面シートは、0.1mm〜5mm厚、綿は1mm〜20mm厚としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の積層部材。
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