JP3182764B2 - 抗菌薬検査方法およびその装置 - Google Patents

抗菌薬検査方法およびその装置

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JP3182764B2
JP3182764B2 JP50435394A JP50435394A JP3182764B2 JP 3182764 B2 JP3182764 B2 JP 3182764B2 JP 50435394 A JP50435394 A JP 50435394A JP 50435394 A JP50435394 A JP 50435394A JP 3182764 B2 JP3182764 B2 JP 3182764B2
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antibacterial
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慎一郎 楠
潤一郎 新井
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/02Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving viable microorganisms
    • C12Q1/18Testing for antimicrobial activity of a material

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は抗菌薬検査方法およびその装置に関し、さ
らに詳細にいえば、感染症等の原因である細菌が特定の
抗菌薬に対して薬剤感受性があるか否かを検査するため
の方法およびその装置に関する。
背景技術 臨床医学において細菌に起因する感染症の治療を行な
う場合には、感染症の原因になる細菌が薬剤感受性を有
している抗菌薬(抗生物質、殺菌剤等)を投与すること
が一般的な治療方法として広く採用されている。但し、
抗菌薬を投与する前提として、感染症の原因である細菌
が当該抗菌薬に対して薬剤感受性を有していることが確
認されていなければならない。なぜならば、感染症の治
療に例えば抗生物質が一般的に使用されることに伴なっ
て、このような抗生物質に耐性を持つ耐性菌が出現する
ことが知られており、例えば、どのような抗生物質にも
耐性を持っていない細菌に対して最新の抗生物質を適用
すると、最新の抗生物質に耐性を持つ耐性菌が出現する
からである。
このような要請に応えるための薬剤感受性検査方法と
して日本化学療法学会の制定による最小発育阻止濃度
(MIC)測定法および液体培地を用いる方法とが提案さ
れている。
MIC測定法は、所定の濃度の抗菌薬を含ませた寒天培
地上に、別の培地で所定時間培養した細菌を例えば106
個/mlの濃度で接種し、寒天培地上に接種した細菌を所
定時間(18〜20時間程度)培養し、コロニーができたか
否かを目視判断することにより該当する細菌の薬剤感受
性を判定する方法である。したがって、抗菌薬の濃度を
異ならせた複数の寒天培地を準備しておくことにより、
薬剤感受性の有無、程度を正確に判定できる。
液体培地を用いる方法は、MIC測定法を、寒天培地に
代えて液体培地を用いて行なう方法であり、液体培地の
濁度、pH変化等に基づいて薬剤感受性の有無、程度を判
定する。
上記何れの方法も基本的にはMIC測定法であるから、
前処理としての分離菌株調整に著しく長時間がかかるだ
けでなく、分離株調整後に上述の所要時間がかかるので
あるから、全体としての所要時間が著しく長くなってし
まうという不都合がある。具体的には、MIC測定法を採
用する場合には分離株調整後に18〜20時間であり、液体
培地を用いる方法の場合には分離株調整後に数時間から
20時間程度である。特に、薬剤感受性の判定は感染症患
者等に投与する薬剤を決定するために必須であるから早
期治療の観点からは可能な限り短時間で薬剤感受性の判
定ができることが望まれることを考慮すれば、上述の所
要時間をより短縮することが強く望まれている。
また、上記MIC測定法はコロニーの発生を目視判定す
るのであるから、例えば、CCDカメラ等を用いてMIC測定
法全体を自動化できる可能性があるように思われるが、
感染症等の治療を行なうための薬剤感受性の対象となる
細菌は種類が不明であり、しかも細菌の種類によって増
殖のし方が大きく異なるのであるから、種類が不明な細
菌の種類に適合するようにCCDカメラの感度調節等を行
なうことが殆ど不可能であり、この結果、未知の種類の
細菌に対する抗菌薬の薬剤感受性検査を自動的に行なう
装置は提供されていない。したがって、薬剤感受性検査
を行なうための作業が著しく繁雑化している。
発明の開示 この発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであ
り、測定対象溶液中の細菌の抗菌薬に対する薬剤感受性
を短時間で検査できるとともに、一連の検査を自動化で
きる新規な抗菌薬検査方法およびその装置を提供するこ
とを目的としている。
上記の目的を達成するための、請求項1の抗菌薬検査
方法は、細菌が存在する溶液中に抗菌薬を存在させると
ともに、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌以外の動
物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸阻害剤お
よび/または細菌不感受性呼吸阻害剤をも存在させ、こ
の状態における溶液中の溶存酸素量を検出し、溶液中に
抗菌薬を存在させない状態における溶液中の溶存酸素量
に対して抗菌薬を存在させた状態における溶存酸素量が
実質的に変化したか否かを判別し、溶存酸素量が変化し
た場合にのみ該当する抗菌薬に対する薬剤感受性がある
と判定する方法である。尚、ここで抗菌薬としては、抗
生物質、殺菌剤を含む概念として用いられる。また、溶
液中に抗菌薬および細菌を存在させるための添加順序と
しては、抗菌薬、細菌の一方を先に添加してもよく、双
方を同時に添加してもよい。さらに、添加される抗菌薬
の濃度としては、通常の濃度よりも十分に高い濃度(例
えば、通常の濃度の10〜100倍濃度)に設定することが
好ましい。また、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌
以外の動物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸
阻害剤としては、ロテノン、アミタール、アンチマイシ
ンA、シアン化合物等が例示でき、細菌不感受性呼吸阻
害剤としては、例えば、オリゴマイシン、アトラクチロ
シド等が例示できる。さらに、細菌が存在する溶液とし
ては、体液、尿、浸出液、組織液、組織洗液、培養液等
が例示できる。
請求項2の抗菌薬検査装置は、少なくとも2つの培養
セル手段と、各培養セル手段に細菌が存在する溶液を供
給する検体注入手段と、各培養セル手段に対応する酸素
電極手段と、1の培養セル手段に対応する1の酸素電極
手段からの出力信号と他の培養セル手段に対応する他の
酸素電極手段からの出力信号とが実質的に異なるか否か
を判別する判別手段とを含み、上記1の培養セル手段を
除く他の培養セル手段にのみ抗菌薬を存在させてあると
ともに、全ての培養セル手段に細菌に対する呼吸阻害効
果よりも細菌以外の動物細胞に対する呼吸阻害効果の方
が大きい呼吸阻害剤および/または細菌不感受性呼吸阻
害剤を存在させてある。尚、ここで抗菌薬としては、抗
生物質、殺菌剤を含む概念として用いられる。また、溶
液中に抗菌薬および細菌を存在させるための添加順序と
しては、抗菌薬、細菌の一方を先に添加してもよく、双
方を同時に添加してもよい。さらに、添加される抗菌薬
の濃度としては、通常の濃度よりも十分に高い濃度(例
えば、通常の濃度の10〜100倍濃度)に設定することが
好ましい。また、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌
以外の動物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸
阻害剤としては、ロテノン、アミタール、アンチマイシ
ンA、シアン化合物等が例示でき、細菌不感受性呼吸阻
害剤としては、例えば、オリゴマイシン、アトラクチロ
シド等が例示できる。さらに、細菌が存在する溶液とし
ては、体液、尿、浸出液、組織液、組織洗液、培養液等
が例示できる。
請求項1の抗菌薬検査方法であれば、該当する抗菌薬
に対して溶液中の細菌が薬剤感受性を有している場合に
細菌の存在数が減少することに起因して溶液中の溶存酸
素の消費量が減少する。これに対して細菌が薬剤感受性
を有していない場合および溶液中に抗菌薬が存在してい
ない場合に細菌が増殖することに起因して溶存酸素の消
費量が時間経過に伴って増加する。また、細菌に対する
呼吸阻害効果よりも細菌以外の動物細胞に対する呼吸阻
害効果の方が大きい呼吸阻害剤および/または細菌不感
受性呼吸阻害剤を存在させるのであるから、細菌以外の
動物細胞の呼吸による影響を排除できる。したがって、
溶液中に抗菌薬が存在する場合と存在しない場合とで溶
液中の溶存酸素量が実質的に異なるか否かを判別するこ
とにより溶液中の細菌が該当する抗菌薬に対して薬剤感
受性を有しているか否かを精度よく判定できる。また、
以上の説明から明らかなように、細菌の呼吸に伴って変
化する溶存酸素量を測定するだけでよいから、分離菌株
調整後の所要時間を著しく短縮できる。
ここで、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌以外の
動物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸阻害剤
を存在させれば、細菌および細菌以外の動物細胞の双方
の呼吸を阻害することになると思われるが、本件発明者
が鋭意研究を重ねた結果、通常の濃度(例えば、10〜10
0μM程度)の、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌
以外の動物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸
阻害剤を用いた場合に、動物細胞に対しては十分な呼吸
阻害作用を確認できたのに対して細菌に対しては殆ど呼
吸阻害作用を確認できなかった。したがって、細菌不感
受性呼吸阻害剤に加えて/または代えて細菌に対する呼
吸阻害効果よりも細菌以外の動物細胞に対する呼吸阻害
効果の方が大きい呼吸阻害剤を用いても動物細胞による
呼吸の影響のみを確実に排除でき、薬剤感受性判定精度
を高めることができる。
請求項2の抗菌薬検査装置であれば、少なくとも2つ
の培養セル手段の何れか1つを除いて抗菌薬を存在させ
ておくとともに、全ての培養セル手段に細菌に対する呼
吸阻害効果よりも細菌以外の動物細胞に対する呼吸阻害
効果の方が大きい呼吸阻害剤および/または細菌不感受
性呼吸阻害剤を存在させておき、この状態で検体注入手
段により各培養セル手段に細菌が存在する溶液を供給す
ればよく、各培養セル手段に対応する酸素電極手段によ
り、細菌以外の動物細胞の呼吸による影響を排除した状
態で培養セル手段内の溶存酸素量を測定できる。そし
て、上記1の培養セル手段に対応する酸素電極手段から
の出力信号と他の培養セル手段に対応する酸素電極手段
からの出力信号とが実質的に異なるか否かを判別手段に
より判別して、両出力信号が実質的に異ならなければ薬
剤感受性がないと判別でき、逆に、実質的に異なれば薬
剤感受性があると判別できる。また、以上の説明から明
らかなように、細菌の呼吸に伴って変化する溶存酸素量
を測定するだけでよいから、分離菌株調整後の所要時間
を著しく短縮できる。さらに、抗菌薬の存在、不存在に
対応する溶存酸素量を測定し、両測定信号が実質的に異
なるか否かを判定するだけでよいから、検査対象となる
細菌の種類が不明であっても簡単にかつ正確に薬剤感受
性を判別でき、ひいては抗菌薬検査装置を全体として簡
単に自動化できる。
図面の簡単な説明 第1図はこの発明の抗菌薬検査方法の一実施例の検査手
順を説明するフローチャートである。
第2図はこの発明の抗菌薬検査装置の一実施例を示す概
略図である。
第3図はこの発明の抗菌薬検査方法の他の実施例の検査
手順を説明するフローチャートである。
第4図はこの発明の抗菌薬検査装置の他の実施例を示す
概略図である。
第5図は細菌としてE.coli C#2021を用いた場合にお
ける溶存酸素濃度の経時変化を示す図である。
第6図は細菌として黄色ブドウ球菌を用いた場合におけ
る溶存酸素濃度の経時変化を示す図である。
第7図は細菌としてE.coli C#1181を用いた場合にお
ける溶存酸素濃度の経時変化を示す図である。
発明を実施するための最良の形態 以下、実施例を示す添付図面によって詳細に説明す
る。
第1図はこの発明の抗菌薬検査方法の一実施例の検査
手順を説明するフローチャートであり、ステップSP1に
おいて所定濃度(通常の濃度よりも著しく高い濃度)の
抗菌薬を存在させた溶液および抗菌薬を存在させていな
い溶液を準備し、ステップSP2において両溶液に検体を
添加し、ステップSP3において検体添加後所定時間が経
過するまで待ち、ステップSP4において両溶液中の溶存
酸素量を測定し、ステップSP5において測定された両溶
存酸素量が実質的に異なるか否かを判別し、両溶存酸素
量が実質的に異なる場合には、ステップSP6において検
体に含まれる細菌が抗菌薬に対して薬剤感受性があるこ
とを表示し、逆にステップSP5において両溶存酸素量が
実質的に等しいと判別された場合には、ステップSP7に
おいて検体に含まれる細菌が抗菌薬に対して薬剤感受性
がないことを表示する。
尚、上記ステップSP5において実質的に異なるか否か
を判別しているのは、測定系等における誤差の影響を排
除するためである。
この実施例においては、溶存酸素量が実質的に異なる
と判定できるまで待つだけで薬剤感受性の有無を判定で
きるのであるから、長くても検体添加後60分以内に薬剤
感受性検査結果を得ることができる。
また、この実施例においては、1種類の抗菌薬に対す
る薬剤感受性の検査を行なうようにしているが、2種類
以上の抗菌薬に対する薬剤感受性の検査を行なう場合に
は、各抗菌薬を存在させた溶液を準備しておき、抗菌薬
を存在させた溶液および抗菌薬を存在させていない溶液
の溶存酸素量を測定して実質的に異なるか否かを判別す
ればよく、例えば、その判別手順として、溶存酸素両の
比較を各抗菌薬非存在溶液毎に順次行なってもよいし、
すべての抗菌薬非存在溶液に対して同次に比較するよう
にしてもよく、いずれにせよ2種類以上の抗菌薬に対す
る薬剤感受性をほぼ同時に検査できる。もちろん、抗菌
薬を存在させた溶液と抗菌薬を存在させていない溶液と
を対として準備してもよい。
実施例2 第2図はこの発明の抗菌薬検査装置の一実施例を示す
概略図であり、2つの培養セル2a,2bと、両培養セル2a,
2bに同時に検体を添加する検体注入部1と、両培養セル
2a,2bのそれぞれに対応して設けられた酸素電極3と、
両酸素電極3からの出力信号を比較する比較部4と、比
較部4の比較結果に応答して薬剤感受性の有無を表示す
る表示部5とを有している。尚、一方の培養セル2aのみ
に抗菌薬を存在させている。また、上記比較部4は、両
出力信号の差が所定の閾値より大きい場合にのみ両出力
信号が異なると判別するものである。さらに、検体添加
後所定時間が経過した時点において比較部4を動作させ
る制御部6を有している。
上記の構成の抗菌薬検査装置であれば、予め抗菌薬を
存在させた培養セル2aおよび抗菌薬を存在させていない
培養セル2bを準備しておき、この状態において検体注入
部1から両培養セル2a,2bに対して同時に細菌を含む検
体を添加すればよく、以下のようにして薬剤感受性の有
無を検査できる。
即ち、検体が添加されれば、培養セル2aに存在する抗
菌薬が検体中の細菌に対して作用を開始し、細菌が薬剤
感受性を有していれば、抗菌薬の作用により細菌の生存
数が時間の経過に伴なって減少する。逆に、薬剤感受性
を有していない場合および抗菌薬が存在していない培養
セルに添加された場合には、細菌の生存数が時間の経過
に伴なって増加する。したがって、細菌の生存数が減少
すれば溶存酸素の消費量が少なくなり、細菌の生存数が
増加すれば溶存酸素の消費量が多くなる。この結果、検
体添加後所定時間が経過した時点で酸素電極3により各
培養セル中の溶存酸素量を測定し、酸素電極3からの出
力信号を比較部4に供給することにより両出力信号が実
質的に異なるか否か、即ち、薬剤感受性の有無を判定で
きる。したがって、その後は比較部4の比較結果に応答
して表示部5により薬剤感受性の有無を表示することが
できる。
また、この実施例においては、1種類の抗菌薬に対す
る薬剤感受性の検査を行なうようにしているが、2種類
以上の抗菌薬に対する薬剤感受性の検査を行なう場合に
は、各抗菌薬を存在させた培養セルを準備しておき、抗
菌薬を存在させた培養セルおよび抗菌薬を存在させてい
ない培養セルの溶存酸素量を測定して実質的に異なるか
否かを判別すればよく、例えば、その構成として、抗菌
薬を存在させた各培養セルにおける酸素電極3の出力信
号を順次比較部4に供給するよう制御してもよいし、抗
菌薬を存在させた各培養セルの各々に対し複数の比較部
を設け、これらの培養セルにおける酸素電極3の出力信
号を同次に比較するようにしてもよく、いずれにせよ2
種類以上の抗菌薬に対する薬剤感受性をほぼ同時に検査
できる。もちろん、抗菌薬を存在させた培養セルと抗菌
薬を存在させていない培養セルとを対として準備しても
よい。
実施例3 第3図はこの発明の抗菌薬検査方法の他の実施例の検
査手順を説明するフローチャートであり、第1図のフロ
ーチャートと異なる点は、ステップSP1で準備する両液
体に呼吸阻害剤または細菌不感受性呼吸阻害剤を添加す
る点のみである。
したがって、この実施例の場合には、検体に含まれ
る、細菌以外の動物細胞の呼吸を阻害して、細菌の生存
数のみに起因する溶存酸素の消費量(具体的には該当す
る時点における溶存酸素量)のみを測定できる。この結
果、動物細胞による酸素消費の影響を排除して高精度に
薬剤感受性の有無を判定できる。
実施例4 第4図はこの発明の抗菌薬検査装置の他の実施例を示
す概略図であり、第2図の実施例と異なる点は、培養セ
ル2a,2bに代えて呼吸阻害剤または細菌不感受性呼吸阻
害剤をも添加した培養セル2c,2dを用いている点のみで
ある。
したがって、この実施例の場合にも、検体に含まれ
る、細菌以外の動物細胞の呼吸を阻害して、細菌の生存
数のみに起因する溶存酸素の消費量(具体的には該当す
る時点における溶存酸素量)のみを測定できる。この結
果、動物細胞による酸素消費の影響を排除して高精度に
薬剤感受性の有無を判定できる。
具体例 第5図は細菌としてE.coli C#2021(5×106個/m
l)を用い、抗生物質としてアンピシリン(500μg/ml添
加)、ストレプトマイシン(200μg/ml添加)、クロラ
ムフェニコール(200μg/ml添加)、テトラサイクリン
(40μg/ml添加)を用いた場合における溶存酸素濃度の
変化を示す図である。尚、図中aがアンピシリン添加
時、bがストレプトマイシン添加時、cがクロラムフェ
ニコール添加時、dがテトラサイクリン添加時、eが抗
生物質無添加時をそれぞれ示している。
この図から明らかなように、抗生物質無添加時には溶
存酸素濃度が時間の経過に伴なってほぼ直線的に減少し
ているのに対して、抗生物質を添加した場合には、ある
程度の時間は溶存酸素濃度がほぼ直線的に減少し、その
後は溶存酸素濃度の減少が殆ど認められなくなってしま
うことが分る。また、a〜dにおける直線的な減少の割
合もeにおける減少割合より少なくなっている。したが
って、検体を添加してから20〜40分経過時点においてa
〜dとeとを確実に区分できる。即ち、短時間で薬剤感
受性の有無を正確に判定できる。
第6図は細菌として黄色ブドウ球菌(S.aureus)(1
×107個/ml)を用い、抗生物質としてアンピシリン(1m
g/ml添加)を用いた場合における溶存酸素濃度の変化を
示す図である。尚、図中aがアンピシリン添加時、bが
抗生物質無添加時をそれぞれ示している。
この図から明らかなように、約40分経過時点において
両者を確実に区分できる。尚、K.pneumoniae、P.aerugi
nosaを用いた場合にも同様の溶存酸素濃度変化特性が得
られた。
第7図は細菌としてE.coli C#1181(5×106個/m
l)を用い、抗生物質としてストレプトマイシン(200μ
g/ml添加)を用いた場合における溶存酸素濃度の変化を
示す図である。
この図から明らかなように、E.coli C#1181は第5
図のeとほぼ同様な反応を示しており、ストレプトマイ
シンの添加にも拘らず何ら影響を受けていないことが分
る。したがって、この場合には薬剤感受性がないと判定
される。
尚、以上には抗菌薬として抗生物質を用いた場合につ
いてのみ説明したが、抗菌薬としてサルファ剤(1mg/m
l)を用いることによりE.coli(1×107個/ml)の呼吸
を阻害することを確認した。したがって、呼吸を阻害す
ることにより細菌を死滅させることができる。また、サ
ルファ剤以外にイミダゾール誘導体剤等もE.coli、P.ae
ruginosa等の細菌の酸素消費を停止させることができる
ので抗菌薬として使用できる。
尚、この発明は上記の実施例に限定されるものではな
く、例えば、検体を添加した後に抗菌薬を添加するこ
と、検体と抗菌薬とを同時に添加すること等が可能であ
るほか、この発明の要旨を変更しない範囲内において種
々の設計変更を施すことが可能である。
産業上の利用可能性 この発明は、薬剤により生体系、反応系等における微
生物の活動を抑制することができるか否かを短時間で正
確に判定でき、医療の前処理(検査)に適用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 1/66 C12M 1/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】細菌が存在する溶液中に抗菌薬を存在させ
    るとともに、細菌に対する呼吸阻害効果よりも細菌以外
    の動物細胞に対する呼吸阻害効果の方が大きい呼吸阻害
    剤および/または細菌不感受性呼吸阻害剤をも存在さ
    せ、この状態における溶液中の溶存酸素量を検出し、溶
    液中に抗菌薬を存在させない状態における溶液中の溶存
    酸素量に対して抗菌薬を存在させた状態における溶存酸
    素量が実質的に変化したか否かを判別し、溶存酸素量が
    変化した場合にのみ該当する抗菌薬に対する薬剤感受性
    があると判定することを特徴とする抗菌薬検査方法。
  2. 【請求項2】少なくとも2つの培養セル手段(2c)(2
    d)と、各培養セル手段に細菌が存在する溶液を供給す
    る検体注入手段(1)と、各培養セル手段に対応する酸
    素電極手段(3)と、1の培養セル手段(2d)に対応す
    る1の酸素電極手段(3)からの出力信号と他の培養セ
    ル手段(2c)に対応する他の酸素電極手段(3)からの
    出力信号とが実質的に異なるか否かを判別する判別手段
    (4)とを含み、上記1の培養セル手段(2d)を除く他
    の培養セル手段(2c)にのみ抗菌薬を存在させてあると
    ともに、全ての培養セル手段(2c)(2d)に細菌に対す
    る呼吸阻害効果よりも細菌以外の動物細胞に対する呼吸
    阻害効果の方が大きい呼吸阻害剤および/または細菌不
    感受性呼吸阻害剤を存在させてあることを特徴とする抗
    菌薬検査装置。
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