JP3182689U - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】推力を確保するとともに、推力のばらつきが抑制されたレンズ駆動装置を提供する。
【解決手段】環状の外壁部14Aと外壁部14Aの内側に位置する複数の内壁部14Cとを有するヨーク14と、レンズ体を保持可能なレンズ保持体12と、レンズ保持体12の周囲に配設されたコイル13と、コイル13を挟んで複数の内壁部14Cにそれぞれ対向配置される複数の磁石15と、レンズ保持体12を光軸方向へ移動可能に支持する弾性部材と、を備えたレンズ駆動装置101において、コイル13と対向する磁石15の内側着磁面には、第1平面15fが形成されているとともに、ヨーク14の外壁部14Aと対向する磁石15の外側着磁面には、第1平面15fと平行な第2平面15sが形成されており、磁石15の両側には、第1平面15fに沿った仮想平面よりも内壁部14C側に突出した突出部15tが設けられていることを特徴としている。
【選択図】図8

Description

本考案は、例えばカメラ付き携帯機器に搭載されるレンズ駆動装置に関する。
近年、携帯電話に代表される携帯機器にカメラ機構が搭載されているのは一般的となってきた。そして、小型の携帯機器にこのカメラ機構を搭載するので、カメラ機構の主要容積を占めるレンズ駆動装置をなるべく小さくしなければいけないと言う要求が高まってきた。一方、カメラの画素数の増加とともにレンズに要求される性能も向上し、レンズの駆動性能の向上を図りたいと言う要求も高まってきた。この2つの要求を満たすレンズ駆動装置として、レンズホルダを駆動するための磁気回路をレンズホルダの四方に設けたものが良く知られている。
上述したレンズ駆動装置として、特許文献1(従来例1)では、図11に示すようなレンズ駆動装置800が提案されている。図11は、従来例1のレンズ駆動装置800の分解斜視図である。従来例1のレンズ駆動装置800は、図11に示すように、装置の底面部を構成するベース部材802と、一対のターミナル803と、レンズ体(図示しない)を保持するレンズ保持手段(筒状のレンズホルダ804)と、このレンズホルダ804を光軸方向に移動させる移動機構850と、レンズホルダ804をベース部材802及びヨーク806に弾性的に固定する一対の板ばね(下側板ばね807及び上側板ばね808)と、上側板ばね808をヨーク806に固定するカバー部材809と、を含んで構成されている。そして、移動機構850は、4つの台形状の磁石805と、矩形状のヨーク806と、8角形のコイル841と、を有しており、レンズホルダ804の四方に磁気回路を設けることで、光軸方向に推力が発生し、この移動機構850による推力と一対の板ばねの弾性力(反発力)とのバランスで、レンズホルダ804を光軸方向に移動させている。
また、従来例1と同じようなレンズ駆動装置として、特許文献2(従来例2)では、図12に示すようなレンズ駆動装置900が提案されている。図12は、従来例2のレンズ駆動装置900の分解斜視図である。従来例2のレンズ駆動装置900は、図12に示すように、環状のヨーク903と、筒状のレンズ支持体907と、前側スプリング909と、後側スプリング911と、ヨーク903の後側に配置されるベース905(筐体)と、ヨークの前側に配置されるフレーム(筐体)906とを備えて構成されている。更に、レンズ支持体907の外周に固定された円形のコイル915と、ヨーク903に収納される4つのマグネット913と、ヨーク903と後側スプリング911との間に配置された絶縁体(スペーサ)917と、も備えて構成されている。そして、従来例1と同様に、4つのマグネット913、環状のヨーク903及び円形のコイル915による推力と一対の板ばね(前側スプリング909及び後側スプリング911)の弾性力(反発力)とのバランスで、レンズ支持体907を光軸方向に移動させている。
以上の従来例1及び従来例2のようなレンズ駆動装置(800、900)において、この推力を発生させるための構成部品は、レンズ駆動装置(800、900)の性能を決める上で重要な役割を担っている。
特開2012−058376号公報 特開2012−212179号公報
しかしながら、従来例2のレンズ駆動装置900では、マグネット913の内面側の形状が円弧状の形状であるために、磁石の寸法精度を良くして作製することが難しい上に、磁石の厚さ寸法を測定するのも難しかった。そのため、寸法ばらつきが大きい磁石を使用することとなり、レンズ保持体を動かす推力のばらつきが大きくなるという課題があった。一方、従来例1のレンズ駆動装置800は、磁石805の形状が台形状の形状であるので、磁石の寸法精度を良くして作製することができ、磁石の厚さ寸法を測定するのも容易であった。しかし、推力は、従来例2と比較すると、低下してしまうと言う課題があった。
本考案は、上述した課題を解決するもので、推力を確保するとともに、推力のばらつきが抑制されたレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本考案のレンズ駆動装置は、環状の外壁部と前記外壁部の内側に位置する複数の内壁部と前記外壁部と前記内壁部とを間隔をあけて連結する連結部とを有するヨークと、該ヨークの内側に配設されレンズ体を保持可能な筒状のレンズ保持体と、該レンズ保持体の周囲に配設されて、環状に巻かれたコイルと、該コイルの外側に位置するとともに、前記コイルを挟んで前記ヨークの前記複数の内壁部にそれぞれ対向配置される複数の磁石と、前記レンズ保持体を光軸方向へ移動可能に支持する弾性部材と、を備えたレンズ駆動装置において、前記磁石の前記コイルと対向する内側着磁面には、第1平面が形成されているとともに、前記ヨークの前記外壁部と対向する前記磁石の外側着磁面には、前記第1平面と平行な第2平面が形成されており、前記第1平面の周方向における前記磁石の両側には、前記第1平面に沿った仮想平面よりも前記内壁部側に突出した突出部が設けられていることを特徴としている。
これによれば、本考案のレンズ駆動装置は、円弧状に形成された磁石と比較して、磁石の厚さ寸法が測定しやすくなり、寸法ばらつきが小さい磁石を使用することができる。このため、レンズ保持体を動かす推力のばらつきを抑制することができる。また、台形に形成された磁石と比較して、磁石の体積を大きくすることができる。このため、台形状の磁石を用いる場合に比べて、レンズ保持体を動かす推力を大きくすることができる。これらのことにより、推力を確保することができるとともに、推力のばらつきが抑制されたレンズ駆動装置を提供することができる。
また、本考案のレンズ駆動装置は、前記突出部の前記コイルと対向する面には、平面状に形成された突出面を有し、前記コイルが、前記磁石の前記第1平面及び前記突出面に沿うように、角度を有して形成されていることを特徴としている。
これによれば、磁石とコイルの距離を近づけることができるので、レンズ保持体を動かす推力を充分に確保することができる。
また、本考案のレンズ駆動装置は、前記コイルが16角形状をしていることを特徴としている。
これによれば、対角面の距離を測定することにより、コイルの寸法が測定しやすくなるので、寸法ばらつきが小さいコイルを使用することができる。このことにより、レンズ保持体を動かす推力のばらつきをより抑制することができる。
また、本考案のレンズ駆動装置は、前記ヨークの前記内壁部が円弧状であることを特徴としている。
これによれば、ヨークを絞り加工で作製する際には、容易に絞り加工を行うことができるので、ヨークの内壁部の形状及び配設の位置の精度を高めることができる。このことにより、レンズ保持体を動かす推力のばらつきをより一層抑制することができる。
また、本考案のレンズ駆動装置は、前記ヨークの前記外壁部が、平面視して、矩形状をなすとともに4つの側壁を有し、前記磁石の前記第2平面の周方向における両側には、2つの交わる前記側壁に沿った2つの外側面を有し、前記第2平面と前記外壁部の角部との間に隙間が設けられているとともに、前記隙間に、前記磁石を前記外壁部に固定する接着層が設けられていることを特徴としている。
これによれば、この2つの外側面を2つの側壁に押しあてることにより、磁石の位置決めを容易に行うことができる。また、磁石をヨーク(外壁部)に固定する際に、この隙間に接着剤を確実に充填することができ、磁石の固定を確実に行うことができる。これらのことにより、磁石の位置精度を高めることができ、レンズ保持体を動かす推力のばらつきをより一層抑制することができる。
本考案のレンズ駆動装置は、円弧状に形成された磁石と比較して、磁石の厚さ寸法が測定しやすくなり、寸法ばらつきが小さい磁石を使用することができる。このため、レンズ保持体を動かす推力のばらつきを抑制することができる。また、台形に形成された磁石と比較して、磁石の体積を大きくすることができる。このため、台形状の磁石を用いる場合に比べて、レンズ保持体を動かす推力を大きくすることができる。これらのことにより、推力を確保することができるとともに、推力のばらつきが抑制されたレンズ駆動装置を提供することができる。
本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する分解斜視図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する斜視図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する図であって、図2に示すX1側から見た側面図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する図であって、図4(a)は、図2に示すZ1側から見た上面図であり、図4(b)は、図2に示すZ2側から見た底面図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する底面図であり、図5(a)は、図4(b)に示す底面図でベース基体を省略した図であり、図5(b)は、図5(a)に示す底面図で弾性部材(下板ばね)を省略した図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置におけるレンズ保持体及びコイルの斜視図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置におけるヨークを説明する斜視図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する図であって、図3に示すVIII−VIII線における断面図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する図であって、図8に示すP部分の拡大断面図である。 本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する図であって、図4(a)に示すX−X線における断面図である。 従来例1のレンズ駆動装置の分解斜視図である。 従来例2のレンズ駆動装置の分解斜視図である。
以下、本考案の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する分解斜視図である。図2は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する斜視図である。図3は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する図であって、図2に示すX1側から見た側面図である。図4は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する図であって、図4(a)は、図2に示すZ1側から見た上面図であり、図4(b)は、図2に示すZ2側から見た底面図である。図5は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置を説明する底面図であり、図5(a)は、図4(b)に示す底面図でベース基体8を省略した図であり、図5(b)は、図5(a)に示す底面図で弾性部材16(下板ばね)を省略した図である。
本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101は、図1ないし図5に示すように、レンズ体(図示していない)を保持可能な筒状のレンズ保持体12と、環状に巻かれたコイル13と、矩形状で環状の外壁部14Aと複数の内壁部14Cとを有したヨーク14と、複数の磁石15と、レンズ保持体12を光軸方向へ移動可能に支持する弾性部材16と、を備えて構成される。他に、端子7が埋め込まれたベース基体8と、ヨーク14と弾性部材16との間に配設されたスペーサ9とを有している。そして、レンズ駆動装置101は、図示しないレンズ体をレンズ保持体12に保持し、図示しないイメージセンサを実装した基板上に取り付けられる。そして、イメージセンサに対して、レンズ体に保持されたレンズを光軸方向(図2に示すZ方向)に駆動させて焦点距離を調整するために、コイル13に電源より通電して生じる電磁力により、レンズ保持体12を光軸方向に沿って移動させるものである。
図6は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置におけるレンズ保持体12及びコイル13の斜視図である。図7は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置におけるヨーク14を説明する斜視図である。図8は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する図であって、図3に示すVIII−VIII線における断面図である。図9は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する図であって、図8に示すP部分の拡大断面図である。図10は、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101を説明する図であって、図4(a)に示すX−X線における断面図である。
レンズ保持体12は、図1、図2及び図6に示すように、筒状に形成されており、円形の外周面及び内周面を有する筒部12sと、筒部12sの下端の外周面から径方向外側に突出した鍔部12tとから構成されている。また、筒部12sの内周面には、雌ねじ部12nが形成されており、この雌ねじ部12nに図示しないレンズ体が装着され、保持される。また、筒部12sの外周面には、コイル13を内側から支持するコイル支持部12jが4箇所に設けられ、コイル支持部12jの一端側には、鍔部12tと対向して径方向外側に突出した庇部12hが形成されている。また、レンズ保持体12は、図8に示すように、ヨーク14の内側に配設され、コイル支持部12jがヨーク14の外壁部14Aの側壁W14と対向するようになる。
コイル13は、図1に示すように、環状形状で16角形状の角度を有して導線を巻回して形成されている。このため、対角面の距離を測定することにより、コイル13の寸法が測定しやすくなるので、寸法ばらつきが小さいコイル13を使用することができる。また、コイル13は、図5(b)、図6及び図8に示すように、レンズ保持体12の筒部12sの周囲を囲む位置に配設され、コイル支持部12jにより内側から支持された状態で、コイル13の一部が庇部12hと鍔部12tに挟まれるようにして、鍔部12tの上面に固定されている。そして、コイル13の内周面13pがコイル支持部12jにより等方的にバランス良く支持されるため、コイル13の中心軸とレンズ保持体12の中心軸とが一致した状態でレンズ保持体12に保持される。これにより、レンズ保持体12の雌ねじ部12nにより保持されたレンズの中心軸とレンズ体の光軸とを容易に一致させ易くなる。
ヨーク14は、図1ないし図3に示すように、外形が箱状に形成され、レンズ保持体12及びコイル13を覆うようにして、ベース基体8に係合されている。また、ヨーク14は、図1、図2、図及び図10に示すように、外側の環状の外壁部14Aと、外壁部14Aの上端(図10に示すZ1側)と連続して設けられた平板状の上面部14Bと、上面部14Bの一部である連結部14tを介して下方(図10に示すZ2方向)に延設された4つの内壁部14Cと、を有して構成されている。この連結部14tにより、外壁部14Aと内壁部14Cとの間隔をあけて、外壁部14Aの内側に位置するようにしている。
外壁部14Aは、図4(a)に示すように、平面視して、矩形状をなすとともに4つの側壁W14(W14a、W14b、W14c、W14d)を有している。また、4つの内壁部14Cは、図7及び図8に示すように、四方に等分に配設され、かつ4つの側壁W14(W14a、W14b、W14c、W14d)と約45°ずれた位置になるように配設されている。そして、内壁部14Cのそれぞれは、図8及び図9に示すように、円弧状に形成され、レンズ駆動装置101が組み立てられた際に、レンズ保持体12の筒部12sの外周面に沿って配設されるとともに、コイル13の内周面13pと対向して配設される。更に、内壁部14Cのそれぞれは、コイル13を挟んで、磁石15のそれぞれと対向する位置に配設されている。なお、ヨーク14を絞り加工で作製する際には、ヨーク14の内壁部14Cが円弧状であるので、容易に絞り加工を行うことができる。このため、ヨーク14の内壁部14Cの形状及び配設の位置の精度を高めることができる。
磁石15は、図1、図8及び図9に示すように、断面形状が台形状で、平板状の外形をしており、4つの磁石15(15A、15B、15C、15D)がコイル13の外側に位置するとともに、コイル13を挟んでヨーク14の4つの内壁部14Cにそれぞれ対向配置されて、ヨーク14の四隅に等分に配設されている。
また、図5(b)、図8及び図9に示すように、コイル13と対向する磁石15の内側着磁面には、第1平面15fが形成されているとともに、ヨーク14の四隅の外壁部14Aと対向する磁石15の外側着磁面には、第1平面15fと平行な第2平面15sが形成されている。これにより、従来例2のように円弧状に形成された磁石15と比較して、磁石15の厚さ寸法が測定しやすくなり、寸法ばらつきが小さい磁石15を使用することができる。更に、第1平面15fの周方向における磁石15の両側には、第1平面15fに沿った仮想平面(図9に示すILは、仮想平面上に存在する仮想線を示している)よりも内壁部14C側に突出した突出部15tが設けられている。これにより、従来例1のように台形に形成された磁石15と比較して、磁石15の体積を大きくすることができ、レンズ保持体12を動かす推力を大きくすることができる。
また、突出部15tのコイル13と対向する面には、図1及び図9に示すように、平面状に形成された突出面15pを有している。そして、前述した16角形状に形成されたコイル13の外壁面の一部が、図8及び図9に示すように、磁石15の第1平面15f及び突出面15pに沿うように、配設されている。これにより、磁石15とコイル13の距離を近づけることができ、レンズ保持体12を動かす推力を充分に確保することができる。なお、本考案の第1実施形態では、磁石15を4つ用いて、磁石15のそれぞれに1つの第1平面15f及び2つの突出面15pを設けるとともに、コイル13を16角形状にしているので、16角形状の16面の外壁面の内、12面の外壁面を磁石15と対向するようにしている。
また、磁石15の第2平面15sの周方向における両側には、図1及び図9に示すように、2つの交わる側壁W14に沿った2つの外側面15vを有している。そして、レンズ駆動装置101を組み立てる際に、磁石15は、この2つの外側面15vを2つの側壁W14に押しあてて、配置している。これにより、磁石15の位置決めを容易に行うことができる。
また、磁石15がヨーク14内に配置されると、図8及び図9に示すように、第2平面15sと外壁部14Aの角部との間に、4箇所の隙間SSが設けられる。そして、この隙間SSに、流動性の接着材等を充填し、硬化させて接着層を形成するようにする。これにより、磁石15と外壁部14Aとを確実に固定することができ、磁石15の位置精度を高めることができる。なお、本考案の第1実施形態では、接着層として、流動性の接着材等を硬化して用いたが、これに限るものではなく、例えば、接着テープ等を予め磁石15に貼り付けておき、磁石15をヨーク14の四隅に配置することにより、この接着テープ等を接着層としても良い。
弾性部材16は、図1に示すように、ヨーク14の上部開口部分よりも小径な開口を有しヨーク14の上面部14Bに配設される上板ばね16Aと、レンズ保持体12とベース基体8との間に載置される2枚の下板ばね16C及び下板ばね16Eとから構成される。そして、レンズ保持体12と弾性部材16のそれぞれ(16A、16C、16E)が係合され、レンズ保持体12が光軸方向(図2に示すZ方向)へ移動可能になるように、レンズ保持体12を空中で支持している。また、図5(a)に示すように、下板ばね16Cは、コイル13の一端側と電気的に接続されるとともに(図中に示すCN1の部分)、下板ばね16Eは、コイル13の一端側と電気的に接続されている(図中に示すCN2の部分)。また、図示はしていないが、下板ばね16Cは、端子7C(図10参照)と電気的に接続されるとともに、下板ばね16Eは、端子7E(図10参照)と電気的に接続されている。これにより、この下板ばね16C及び下板ばね16Eを介して、コイル13に電流を流すことができる。
ベース基体8は、合成樹脂材料からなり、図1に示すように、外形が矩形の板状形状で構成され、中央に円形の開口8kが形成されている。詳細に図示はしていないが、ベース基体8の上面には上方に向けて突出する突設部が複数設けられ、下板ばね16C及び下板ばね16Eの角部にそれぞれ設けられた開口部とこの突設部とが係合し、下板ばね16C及び下板ばね16Eがベース基体8に位置決めされる。また、図示はしていないが、ヨーク14の外壁部14Aの内壁とベース基体8の外周側面が組み合わさって位置決めされた後に、ベース基体8とヨーク14とのつなぎ目部分を4箇所溶接して固定している。
また、ベース基体8には、銅や鉄もしくはそれらを主成分とした合金等の材質を用いた金属板からなる端子7が、インサート成形されて埋め込まれており、端子7のそれぞれは(端子7C及び端子7E)、図示していないイメージセンサを実装した基板と電気的に接続され、この端子7からレンズ駆動装置101に電力を供給できるようになっている。そして、前述したように、端子7の一方の端子7Cは、下板ばね16Cと電気的に接続されるとともに、端子7の他方の端子7Eは、下板ばね16Eと電気的に接続されており、この端子7C及び端子7Eから、下板ばね16C及び下板ばね16Eを介して、コイル13に電流を流すことができる。
スペーサ9は、図1に示すように、中央に円形状の開口9kを有した矩形の形状をしており、上板ばね16Aの上方(図1に示すZ1側)に配設されている。そして、図示はしていないが、スペーサ9の下面(図1に示すZ2側の面)には、下方(図1に示すZ2側)に向けて突出する凸設部が複数設けられ、上板ばね16Aの角部にそれぞれ設けられた開口部とこの凸設部とが係合し、上板ばね16Aの四隅がスペーサ9に固定される。
上述した、ヨーク14、スペーサ9、上板ばね16A、磁石15、コイル13が巻回されたレンズ保持体12、下板ばね16C及び下板ばね16E、ベース基体8と、上から順に取り付けることにより、各部材が同軸上に配設される。
以上により、本考案の第1実施形態のレンズ駆動装置101は、磁石15の内側着磁面(第1平面15f)と外側着磁面(第2平面15s)とが平行になっているので、従来例2のように円弧状に形成された磁石15と比較して、磁石15の厚さ寸法が測定しやすくなる。このため、寸法ばらつきが小さい磁石15を使用することができ、レンズ保持体12を動かす推力のばらつきを抑制することができる。また、第1平面15fの周方向における磁石15の両側には、第1平面15fに沿った仮想平面よりも内壁部14C側に突出した突出部15tが設けられているので、従来例1のように台形に形成された磁石15と比較して、磁石15の体積を大きくすることができる。このため、台形状の磁石15を用いる場合に比べて、レンズ保持体12を動かす推力を大きくすることができる。これらのことにより、推力を確保することができるとともに、推力のばらつきが抑制されたレンズ駆動装置101を提供することができる。
また、コイル13が磁石15の第1平面15f及び突出面15pに沿うように、角度を有して形成されているので、磁石15とコイル13の距離を近づけることができる。このことにより、レンズ保持体12を動かす推力を充分に確保することができる。
また、対角面の距離を測定することにより、コイル13の寸法が測定しやすくなるので、寸法ばらつきが小さいコイル13を使用することができる。このことにより、レンズ保持体12を動かす推力のばらつきをより抑制することができる。
また、ヨーク14の内壁部14Cが円弧状であるので、ヨーク14を絞り加工で作製する際には、容易に絞り加工を行うことができる。このことにより、ヨーク14の内壁部14Cの形状及び配設の位置の精度を高めることができ、レンズ保持体12を動かす推力のばらつきをより一層抑制することができる。
また、磁石15の第2平面15sの周方向における両側には、ヨーク14の外壁部14Aである、2つの交わる側壁W14に沿った2つの外側面15vを有しているので、この2つの外側面15vを2つの側壁W14に押しあてることにより、磁石15の位置決めを容易に行うことができる。また、第2平面15sと外壁部14Aの角部との間に設けられた隙間SSに、接着層が設けられているので、磁石15をヨーク14(外壁部14A)に固定する際に、この隙間SSに接着剤を確実に充填することができ、磁石15の固定を確実に行うことができる。これらのことにより、磁石15の位置精度を高めることができ、レンズ保持体12を動かす推力のばらつきをより一層抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
<変形例1>
上記第1実施形態では、ヨーク14の内壁部14Cを円弧状で構成したが、内壁部14Cの形状はこれに限るものではなく、例えば、磁石15の形状に沿った多角形状であっても良い。また、コイル13の多角形状に沿った形状にしても良い。これにより、ヨーク14の内壁部14Cとコイル13との距離を近づけることができ、ひいては磁石15との距離も近づけることができる。このことにより、レンズ保持体12を動かす推力を充分に確保することができる。
本考案は上記実施の形態に限定されず、本考案の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
12 レンズ保持体
13 コイル
14 ヨーク
14A 外壁部
14C 内壁部
14t 連結部
W14 側壁
15 磁石
15f 第1平面
15p 突出面
15s 第2平面
15t 突出部
15v 外側面
16 弾性部材
SS 隙間
101 レンズ駆動装置

Claims (5)

  1. 環状の外壁部と該外壁部の内側に位置する複数の内壁部と前記外壁部と前記内壁部とを間隔をあけて連結する連結部とを有するヨークと、
    該ヨークの内側に配設されレンズ体を保持可能な筒状のレンズ保持体と、
    該レンズ保持体の周囲に配設されて、環状に巻かれたコイルと、
    該コイルの外側に位置するとともに、前記コイルを挟んで前記ヨークの前記複数の内壁部にそれぞれ対向配置される複数の磁石と、
    前記レンズ保持体を光軸方向へ移動可能に支持する弾性部材と、を備えたレンズ駆動装置において、
    前記磁石の前記コイルと対向する内側着磁面には、第1平面が形成されているとともに、前記ヨークの前記外壁部と対向する前記磁石の外側着磁面には、前記第1平面と平行な第2平面が形成されており、
    前記第1平面の周方向における前記磁石の両側には、前記第1平面に沿った仮想平面よりも前記内壁部側に突出した突出部が設けられていることを特徴とするレンズ駆動装置
  2. 前記突出部の前記コイルと対向する面には、平面状に形成された突出面を有し、
    前記コイルは、前記磁石の前記第1平面及び前記突出面に沿うように、角度を有して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
  3. 前記コイルが16角形状をしていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
  4. 前記ヨークの前記内壁部が円弧状であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のレンズ駆動装置。
  5. 前記ヨークの前記外壁部は、平面視して、矩形状をなすとともに4つの側壁を有し、
    前記磁石の前記第2平面の周方向における両側には、2つの交わる前記側壁に沿った2つの外側面を有し、
    前記第2平面と前記外壁部の角部との間に隙間が設けられているとともに、前記隙間に、前記磁石を前記外壁部に固定する接着層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
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