JP3182411B2 - 戸挟み検知装置 - Google Patents

戸挟み検知装置

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JP3182411B2
JP3182411B2 JP22802599A JP22802599A JP3182411B2 JP 3182411 B2 JP3182411 B2 JP 3182411B2 JP 22802599 A JP22802599 A JP 22802599A JP 22802599 A JP22802599 A JP 22802599A JP 3182411 B2 JP3182411 B2 JP 3182411B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に設けられる
出入口を開閉する戸板によって乗客および乗客の持物な
どが挟まれたことを検知するための戸挟み検知装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】典型的な従来の技術として、扉の自動開
閉装置が、たとえば特開昭61−18558号公報に示
される。この扉の自動開閉装置は、扉に人体や物などが
挟まれたとき、戸先ゴム内の空気圧力上昇を検知し、こ
の検知圧力により扉を反転開放動作させるようにした装
置において、前記上昇空気圧力により扉体の上方に突出
する遮光体と、この遮光体により光軸が遮断され、扉の
反転開放信号を出力する光電管装置とから成る。このよ
うな構成によって、戸先ゴムがゆっくりと押された場合
でも、遮光体は確実に動作し、光電管光軸を遮光し、扉
の反転用開放信号の出力により戸閉装置を反転し、扉を
確実に開放させ、挟まれた人体や物などを開放すること
ができる。また非接触方式であるため、信号伝達用の移
動ケーブルなどが不要で、信頼性の高い装置が容易に得
られる。
【0003】また他の従来の技術として戸挟み検知装置
が特公平6−8583号公報に示されている。この戸挟
み検知装置は、開閉可能な少なくとも1枚の戸の端部と
この端部に対面する対面部とから成る組合わせの一方に
発光器を、他方に受光センサを設け、前記発光器の光軸
を前記受光センサに向けるとともに、垂直に対して傾斜
して設け、前記戸を閉鎖したとき、前記受光センサは前
記発光器の光を受光可能に設けている。このような構成
によって、簡単な構造で精度よく戸挟みを検出すること
ができる。
【0004】また他の従来の技術として戸挟み検知装置
が特開平9−109883号公報に示されている。この
戸挟み検知装置は、車両用ドアの戸先部に設けられ、こ
のドアが戸当たりする際の衝撃を和らげる中空状の緩衝
体と、この緩衝体内に設けられた弾性変形可能な光通路
と、この光通路の一端部に設けられ、光通路に光を投射
する投光手段と、前記光通路の他端部に設けられ、光通
路を通過する光を受光する受光手段と、前記緩衝体に車
外側への力が作用したときのみに前記光通路を大きく変
形させる変形手段とを備え、前記光通路の変形に伴う前
記受光手段の受光量の変化に基づき、前記緩衝体に被挟
体が挟まったことを検知する。このような構成によっ
て、被挟体を車外側および車内側へ引っ張ることに応じ
て、受光手段の受光量が変化するので、被挟体が車外側
から挟まったことを検知できる。このため、必要時のみ
にドアを再開放して車両の発進を停止させることが可能
になるので、車両の遅れが防止され、その結果ダイヤ全
体の乱れも防止される。
【0005】さらに他の従来の技術として戸当たりゴム
が、特開平9−72169号公報に示される。この戸当
たりゴムは、一対のスライドドアの各戸当たり側端部に
それぞれ取付けられる基部と、この基部に一体形成さ
れ、前記スライドドアの上下方向に伸延するように設け
られた戸当たり部とから成り、この戸当たり部は、内部
に空間部が形成されるように設けられた断面半円状をし
た所定肉厚の外皮部と、前記基部より前記空間部内に向
けて突出させた凸状芯部とを有する戸当たりゴムにおい
て、前記戸当たり部の長手軸線に直交する内面の中心軸
線に対して前記凸状芯部が一側部に変位するように形成
し、両スライドドア閉鎖時に一方のスライドドアの凸状
芯部と下方のスライドドアの凸状芯部が衝突するように
幅方向で少なくとも一部が重合する重合部を有する。こ
のような構成によって、ドアに指などが挟まれた場合に
は、両ドアの凸状芯部同士が重合するように当たるの
で、戸当たり部が不必要に変形せず、指などが挟まれた
ときの警告を直ちに発することができ、挟まれた指など
も簡単に引き抜くことができる。また戸当たり部の成形
が極めて簡単となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開昭61−1855
8号公報に示される従来の技術では、戸先ゴム内の空気
圧力上昇によって遮光体を変位させているので、夏季と
冬季との大気温度の違いなどによって、戸先ゴム内の空
気の温度が異なると、この内部の空気が膨張および収縮
して遮光体の突出量が変化してしまう。たとえば夏季な
ど戸先ゴム内の空気の温度が高くなるときには、被挟体
が挟まれていないにもかかわらず遮光体が大きく突出し
て、光電管装置の光軸を遮断してしまう、または冬季な
ど戸先ゴム内の空気の温度が低くなるときには、人体や
物などが扉に挟まれているにもかかわらず遮光体が光電
管装置の光軸を遮光する位置まで突出しないおそれがあ
る。特に冬季において小さい物が挟まったときには、扉
にこの小さい物品が挟まったことを検出できないおそれ
がある。
【0007】特公平6−8583号公報に示される従来
の技術では、発光素子から発光された光が受光センサに
届かないとき、扉に物品が挟まれたと判断しているが、
発光素子からの光の経路に、たとえば汚れが生じたり、
またはほこりなどのごみが詰まるなどして、この光の経
路が遮断されてしまうと、扉に物品が挟まれていないに
もかかわらず物品が挟まれていると誤検出をしてしま
う。
【0008】特開平9−109883号公報に示される
従来の技術では、扉に物品が挟まれたとき、光通路が変
形し、受光素子による受光量が減少することによって、
扉に物品が挟まれたと判断しているが、光通路は、戸当
たり部の先端と空間をあけて設けられており、扉に挟ま
った物品が小さいときには、光通路が変形されず、扉物
品が挟まったことを検知できない。
【0009】特開平9−72169号公報に示される従
来の技術では、外皮部と凸状芯部との間に隙間が形成さ
れているので、この外皮部と凸状芯部との隙間よりも小
さい物品が挟まった場合には、ドアが完全に閉じた位置
にあると判断してしまい、物品が挟まれていることを検
知することができない。
【0010】このように上記の各従来の技術では、扉に
物品が挟まれたことを高い精度で検知することができな
い。特に物品が小さい場合に検知することができない。
【0011】したがって本発明の目的は、物品が小さい
ものであっても、戸板によって物品が挟まれたことを確
実に検知し、高い精度で戸挟みを検知することができる
戸挟み検知装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、開方向に変位することによって車両の出入口を開く
とともに、閉方向に変位することによって車両の出入口
を閉じる戸板の戸先部、および出入口を閉じたときに戸
先部が対向する戸当たり部のうち少なくともいずれか一
方に設けられ、密閉された内部空間に流体が封入される
可撓性を有する緩衝体と、緩衝体の内部空間内の流体の
圧力を検出する圧力検出手段と、車両の出入口が開いて
いるときに圧力検出手段によって検出される内部空間内
の流体の圧力に更新される設定圧力を記憶する記憶手段
と、車両の出入口が閉じたときに圧力検出手段によって
検出される内部空間の流体の圧力が記憶手段に記憶され
る設定圧力よりも大きいとき、戸挟み信号を出力する戸
挟み判定手段とを含むことを特徴とする戸挟み検知装置
である。
【0013】本発明に従えば、戸板の戸先部および戸当
たり部のうち少なくともいずれか一方には、緩衝体が設
けられ、この緩衝体には、密閉された内部空間が形成さ
れ、この内部空間には、流体が封入されている。出入口
を閉じたときに、戸板の戸先部と戸当たり部とによって
乗客および乗客の持物などの被挟体が挟まれて、緩衝体
が押圧されると、緩衝体の内部空間内の流体の圧力が上
昇する。この出入口を閉じたときの内部空間内の流体の
圧力が、圧力検出手段によって検出され、この検出圧力
が記憶手段に記憶される設定圧力よりも大きいとき、戸
挟み判定手段によって戸挟み信号が出力される。したが
って戸板の戸先部と戸当たり部との間に被挟体が挟まれ
たことを内部空間内の流体の圧力上昇に基づいて検知
し、戸挟み信号を出力することができる。
【0014】さらに戸挟み判定手段における戸挟みの判
定は、出入口を閉じたときの検出圧力にだけ基づいて行
われるのではなく、設定圧力と比較して行われるので、
この比較対象となる圧力を内部空間内の空気の温度など
の条件に応じて設定することによって、戸先部と戸当た
り部との間に被挟体が挟まれて、緩衝体が押圧されたこ
とによる圧力上昇を確実に検知し、被挟体が小さい場合
であっても、被挟体が挟まれたことを確実に検知するこ
とができる。設定圧力は、出入口が開いているときに検
出される内部空間内の流体の圧力であり、出入口が開い
ているときに検出されて更新されて記憶される。これに
よって季節などによって異なる大気温度の影響を受け
て、内部空間内の流体の温度が変化し、これに伴って内
部空間内の流体の圧力が変化した場合、この温度に基づ
いて変化した後の圧力を、出入口が閉じたときに戸挟み
の判定のために検出された圧力と比較する対象の圧力と
して設定することができ、このように内部空間内の流体
の温度変化に伴って圧力が変化しても、被挟体によって
緩衝体が押圧されたことによる圧力上昇だけを確実に検
知することができ、被挟体が小さい場合であっても、被
挟体が挟まれたことを確実に検知することができる。し
かも、季節の変化に伴う外気温度変化による内部空間の
流体の温度の変化だけでなく、昼夜、日陰と日向など、
車両が停車している状態によって内部空間の流体の流度
が頻繁に変化し、これに伴って内部空間内の流体の圧力
が頻繁に変化しても、車両が停車している状態でかつ緩
衝体が抑圧されていない状態の内部空間の圧力を設定圧
力として戸挟みを判定することができ、圧力上昇に基づ
いて、高い信頼性で戸挟みを検知することができる。
【0015】請求項2記載の本発明は、前記緩衝体の内
部空間は、複数の圧力室に密に仕切られることを特徴と
する。
【0016】本発明に従えば、緩衝体の内部空間が複数
の圧力室に密に仕切られ、1つの大きな空間とする場合
に比べて内容積の小さい空間に仕切られるので、戸板と
戸当たり部とによって挟まれた被挟体によって緩衝体が
押圧されたとき、被挟体に臨む部分に対応した圧力室の
圧力がより高く上昇する。したがって内部空間が1つの
空間である場合の圧力上昇率に比べて、被挟体に臨む部
分に対応した圧力室の圧力上昇率を高くし、被挟体が小
さいものであっても、検出圧力が大きく変化するように
して、予め定める圧力との差を明確にし、被挟体が挟ま
れたことを確実に検知することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
戸挟み検知装置1を示すブロック図である。戸挟み検知
装置1は、車両の出入口を開閉するための開閉扉装置2
に関連して設けられる。たとえば鉄道車両などの車両
は、複数両が連結されて、列車として構成される。この
ような各車両には、幅方向の両側部に、それぞれ複数、
本実施の形態において3つずつ開閉扉装置2が設けられ
る。開閉扉装置2は、2枚の戸板3,4を有する。各戸
板3,4は、車両の側構体の一部から成る鴨居部分5に
よって上端部が案内されるとともに、側構体の一部から
成る敷居部分6によって下端部が案内されて、車両の前
後軸方向にスライド変位自在に保持されている。開閉扉
装置2は、各戸板3,4が、相互に離反する方向である
開方向A1,B1に変位されることによって、出入口7
を開くことができるとともに、各戸板3,4相互に近付
く方向である閉方向A2,B2に変位されることによっ
て、出入口7を閉じることができる。
【0018】このような開閉扉装置2において、戸挟み
を検知するために、具体的に述べると図2に示すよう
に、各戸板3,4の各戸先部8,9によって、乗客など
の身体および乗客の持物などの物品である被挟体10
が、挟まれていることを検知するために、本発明の戸挟
み検知装置1が設けられる。2枚の戸板3,4を有する
構成の開閉扉装置2が用いられる場合には、一方の戸板
3の戸先部8に対して、他方の戸板4の戸先部9が、出
入口7を閉じたときに対向する戸当たり部に相当し、逆
に他方の戸板4の戸先部9に対して、戸板3の戸先部8
が、出入口を閉じたときに対向する戸当たり部に相当す
る。
【0019】戸挟み検知装置1は、緩衝体13と、圧力
検出手段14と、戸挟み判定手段15とを含む。緩衝体
13は、各戸先部8,9(いずれか一方は戸当たり部に
相当)の少なくともいずれか一方、本実施の形態では戸
板3の戸先部8に設けられ、密閉された内部空間16が
形成され、内部空間16には、気体、たとえば空気が封
入されている。またこの緩衝体13は、たとえば合成ゴ
ムなどから成り可撓性を有している。圧力検出手段14
は、緩衝体13の内部空間16内の空気の圧力を検出す
る。戸挟み判定手段15は、緩衝体13の内部空間16
内の空気の検出圧力が設定圧力よりも大きいとき、戸挟
み信号すなわち戸挟みしていることを表す判定信号S1
を出力する。
【0020】戸板4の戸先部9には、たとえば合成ゴム
からなる戸当たり部材25が設けられており、開閉扉装
置2が閉じた状態で、戸板3の緩衝体13は、戸当たり
部材25との間に被挟体10が挟まれていない状態で
は、変形することなく戸当たり部材25に当接する。緩
衝体13は、戸板3の戸先部8の上下方向両端部間の全
領域にわたって設けられ、その内部空間16は、緩衝体
13の長手方向全領域に、換言すれば戸先部8の上下方
向両端部間の全領域にわたって形成されている。この内
部空間16は、緩衝体13の長手方向に、複数、本実施
の形態において4つの圧力室17に、隔壁18によって
相互に密に仕切られ、したがって各圧力室17に空気が
封入されている。
【0021】圧力検出手段14は、複数、圧力室に対応
した個数である4つの圧力センサ19を有し、各圧力セ
ンサ19によって各圧力室17の内部の圧力をそれぞれ
個別に検出することができる。各圧力センサ19によっ
て検出された検出圧力は、この検出圧力を表す信号S1
1〜S14が伝送されて、戸挟み判定手段15に与えら
れる。各圧力センサ19からの検出圧力を表す信号S1
1〜S14は、たとえば図3に示されるケーブル27を
用いて、戸挟み判定手段15に与えられる。このケーブ
ル27は、帯状であって、一端部が鴨居部分5に固定さ
れるコネクタ28に電気的に接続され、他端部が戸板3
の上端部に固定されるコネクタ29に電気的に接続され
ている。コネクタ28は、車両の側構体内を通して戸挟
み判定手段15に電気的に接続されており、コネクタ2
9は、戸板3内を通して各圧力センサ19に電気的に接
続されている。このようなケーブル27は、可撓性を有
しており、大略的にU字状に折り返された状態で、戸板
3の上端部と鴨居部分5との間に形成される空間に収納
され、折り返し部分30をケーブル27の延在方向に変
位させながら変形することによって、戸板3の開方向A
1および閉方向A2の変位を許容することができる。こ
のようなケーブル27を用いて各圧力センサ19からの
検出圧力が戸挟み判定手段15に与えられる。
【0022】戸挟み判定手段15は、各開閉扉装置2毎
に対応して設けられる。戸挟み検知装置1は、また各開
閉扉装置2毎に対応して設けられる記憶手段20を含
む。この記憶手段20には、戸挟み判定手段15におけ
る戸挟み判定において検出圧力と比較するための設定圧
力が、各圧力室17毎に記憶されている。戸挟み判定手
段15は、上記記憶手段20に各圧力室17毎に記憶さ
れる設定圧力と、各圧力センサ19によって検出された
各圧力室17内の空気の検出圧力とを比較する。戸挟み
判定手段15は、このような比較を行い、各圧力室17
のうち少なくともいずれか1つにおいて、検出圧力が設
定圧力よりも大きいとき、前記戸挟み信号すなわち戸挟
みしていることを表す判定信号S1を出力する。
【0023】各開閉扉装置2は、各戸板3,4を開方向
A1,B1および閉方向A2,B2に変位駆動するため
の駆動手段22を含む。この変位駆動手段22は、たと
えば復動エアシリンダによって実現される。また各開閉
扉装置2は、各駆動手段22への空気の供給量を制御す
る駆動制御手段30を含む。この駆動制御手段30によ
って、空気の供給量を制御することによって、復動エア
シリンダである駆動手段22によって、各戸板3,4を
開方向A1,B1および閉方向A2,B2へ変位するこ
とができる。
【0024】また戸挟み検知装置1は、さらに各開閉扉
装置2毎に対応して設けられる戸閉検知センサ23,2
4と、列車に2つ設けられる中央制御手段26と、列車
に2つ設けられる操作手段32とを含む。各戸閉検知セ
ンサ23,24は、たとえばリミットスイッチによって
実現され、鴨居部分5に設けられる。各戸閉検知センサ
23,24は、作動片23a,24aをそれぞれ有する
とともに、各戸板3,4は、上端部に操作片3a,4a
をそれぞれ有する。各戸閉検知センサ23,24は、各
戸板3,4が、緩衝体13と戸当たり部材25とが上述
のように変形しない状態で、上下方向両端部間にわたっ
て当接して出入口7を閉じる図1に示すような閉位置に
あるときに、戸板3の操作片3aが戸閉検知センサ23
の作動片23aを押圧操作し、戸板4の操作片4aが戸
閉検知センサ24の作動片24aを押圧操作するように
設けられる。各戸閉検知センサ23,24は、各作動片
23a,24aが押圧操作されると、戸閉信号S2,S
3をそれぞれ出力する。
【0025】各中央制御手段26は、列車の各側部にそ
れぞれ関連して設けられる。一方の中央制御手段26
は、列車の一側部に設けられる各開閉扉装置2の駆動手
段22による各戸板3,4の変位駆動を指令することが
でき、他方の中央制御手段26は、列車の他側部に設け
られる各開閉扉装置2の駆動手段22による各戸板3,
4の変位駆動を指令することができる。また各操作手段
32は、列車の各側部にそれぞれ関連して設けられる。
一方の操作手段32は、乗務員が操作することによっ
て、列車の一側部に設けられる各開閉扉装置2の各戸板
3,4を開閉駆動するための指令を入力することがで
き、他方の操作手段32は、乗務員が操作することによ
って、列車の他側部に設けられる各開閉扉装置2の各戸
板3,4を開閉駆動するための指令を入力することがで
きる。
【0026】一方の中央制御手段26には、列車の一側
部に設けられる各開閉扉装置2に関連する各戸挟み判定
手段15から上記の戸挟み信号すなわち戸挟みしている
ことを表す判定信号S1がそれぞれ与えられるととも
に、列車の一側部に設けられる各開閉扉装置2に関連す
る各戸閉検知手段23,24から各戸板3,4が閉位置
まで移動して開閉扉装置2が閉じていることを表す上記
の戸閉信号S2,S3がそれぞれ与えられる。さらに一
方の中央制御手段26には、乗務員による操作に基づい
て、一方の操作手段27から列車の一側部に設けられる
各開閉扉装置2の開動作を一斉に指令する開指令および
閉動作を一斉に指令する閉指令を表す開閉指令信号S4
が与えられる。一方の中央制御手段26は、これらの各
信号S1〜S4に基づいて、列車の一側部に設けられる
各開閉扉装置2に関連する各駆動制御手段30に制御指
令信号S6をそれぞれ与える。各駆動制御手段30は、
この一方の制御手段からの制御指令信号S6に基づい
て、各駆動手段22への空気の供給量を制御する。図1
には、1つ開閉扉装置2に関連する構成を代表して示し
ている。
【0027】このような列車の一側部に関連して設けら
れる構成と同様の構成が、列車の他側部に関連して設け
られる。つまり他方の中央制御手段26には、列車の一
側部に設けられる各開閉扉装置2に関連する各戸挟み判
定手段15から上記の戸挟み信号すなわち戸挟みしてい
ることを表す判定信号S1がそれぞれ与えられるととも
に、列車の他側部に設けられる各開閉扉装置2に関連す
る各戸閉検知手段23,24から各戸板3,4が閉位置
まで移動して開閉扉装置2が閉じていることを表す上記
の戸閉信号S2,S3がそれぞれ与えられる。さらに他
方の中央制御手段26には、乗務員による操作に基づい
て、他方の操作手段27から列車の他側部に設けられる
各開閉扉装置2の開動作を一斉に指令する開指令および
閉動作を一斉に指令する閉指令を表す開閉指令信号S4
が与えられる。他方の中央制御手段26は、これらの各
信号S1〜S4に基づいて、列車の他側部に設けられる
各開閉扉装置2に関連する各駆動制御手段30に制御指
令信号S6をそれぞれ与える。各駆動制御手段30は、
この他方の制御手段からの制御指令信号S6に基づい
て、各駆動手段22への空気の供給量を制御する。
【0028】また各車両には、たとえば各側部に1つず
つ表示灯33がそれぞれ設けられている。一側部の各表
示灯33は、一方の中央制御手段26によって動作指令
信号S7が与えられて制御され、点灯および消灯され
る。また他側部の各表示灯33は、他方の中央制御手段
26によって動作指令信号S7が与えられて制御され、
点灯および消灯される。戸挟み検知装置1は、これら各
表示灯33も含む。
【0029】このような戸挟み検知装置1の動作につい
て、以下に、列車の一側部に設けられる構成を例に挙げ
て説明する。列車の他側部に設けられる構成についても
同様に動作する。列車が停車場に到着して一側部をプラ
ットホームに臨ませて停車すると、一側部に設けられる
各開閉扉装置2を動作させて出入口7を開くために、乗
務員によって一方の操作手段32が操作される。これに
よってこの一方の操作手段27から、前記一側部に設け
られる各開閉扉装置2を開くように指令する開閉指令信
号S4が、一方の中央制御手段26に与えられる。一側
部の各開閉扉装置2を開くように指示するこの開閉指令
信号S4が与えられると、一方の中央制御手段26は一
側部の各開閉扉装置2に関連する各戸板3,4を開方向
A1,B1に変位するように、関連する各駆動制御手段
30に制御指令信号S6を与えて指令し、これに基づい
て各駆動制御手段30が各駆動手段22への空気の供給
量を制御して、各駆動手段22によって各戸板3,4を
開方向A1,B1に変位駆動し、一側部の各出入口7が
開かれる。各戸板3,4が、所定の開口面積の出入口7
を形成する所定の開位置まで変位すると、各戸板3,4
が開位置まで変位したことが図示しないセンサによって
検知され、各戸板3,4の変位駆動が停止される。一側
部の開閉扉装置2が動作されて出入口7が開かれた状態
で、乗客が出入口7を通って車両に乗り降りする。
【0030】このように各出入口7が開かれたときに
は、一側部の開閉扉装置2において、各戸板3,4の操
作片3a,4aによる各戸閉検知センサ23,24の作
動片23a,24aの押圧が解除されて戸開、すなわち
出入口7が開いていることを表す開閉状態信号S2,S
3が一方の中央制御手段26に与えられる。一方の中央
制御手段26は、このように各戸開を表す開閉状態信号
S2,S3が与えられると、各戸開を表す開閉状態信号
S2,S3が与えらる開閉扉装置2に関して、出入口7
が開いていると判断する。一方の中央制御手段26は、
各戸開を表す開閉状態信号S2,S3に基づいて、各車
両毎に出入口7が開いているか判断し、少なくとも1つ
開いている出入口7があると判断したときには、この開
いている出入口7が設けられる車両の表示灯33を点灯
する。
【0031】乗客の乗り降りが終了すると、乗務員は、
一方の操作手段27を操作する。これによって一側部の
各開閉扉装置2に設けられる各戸板3,4を、閉方向A
2,B2に変位するように指令する開閉指令信号S4が
一方の中央制御手段26に与えられる。一側部の各開閉
扉装置2を閉じるように指示するこの開閉指令信号S4
が与えられると、一方の中央制御手段26は一側部の各
開閉扉装置2に関連する各戸板3,4を閉方向A2,B
2に変位するように、関連する各駆動制御手段30に制
御指令信号S6を与えて指令し、これに基づいて各駆動
制御手段30が各駆動手段22への空気の供給量を制御
して、各駆動手段22によって各戸板3,4を開方向A
2,B2に変位駆動し、一側部の各出入口7が閉じられ
る。
【0032】図4は、開閉扉装置2の閉動作時の戸挟み
検知装置1の動作を示すフローチャートである。図4を
参照して上述の閉動作に関連する動作を具体的に説明す
ると、ステップa0で、乗務員によって一方の操作手段
32が操作されて、各戸板3,4を閉方向A2,B2に
変位させるように指令する開閉指令信号S4が与えられ
ると、戸挟み検知装置1の閉動作時の制御が開始され
る。このようにステップa0で閉動作が開始されると、
ステップa1で各戸閉検知センサ23,24の各作動片
23a,24aが各戸板3,4の操作片3a,4aによ
って押圧されたか否かが、開閉状態信号S2,S3に基
づいて、一方の中央制御手段26で判断される。この判
断は、各戸板3,4が閉位置まで移動して出入口7が閉
じたか否かの判断に相当する。このステップa1の判断
は、一側部に設けられる各開閉扉装置2の全てにおい
て、出入口7が閉じたと判断されるまで、すなわち全て
の戸閉検知センサ23,24から戸閉を表す開閉状態信
号S3,S4が与えられるまで繰返し行われる。
【0033】このステップa1の動作において、閉位置
まで変位したこと、すなわち戸閉を表す開閉状態信号S
2(またはS3)を中央制御手段26に与えた戸閉検知
センサ23(または24)に関連する戸板3(または
4)については、中央制御手段26から駆動制御手段3
0に制御指令が与えられて、変位駆動が停止される。
【0034】ステップa1で一側部の全ての開閉扉装置
2において出入口7が閉じたと判断されたときには、ス
テップa2に移行し、このステップa2で一側部の各開
閉扉装置2に関連する各緩衝体13の各圧力室17内の
空気の圧力が、各圧力センサ19によって検出されて、
この検出圧力を表す信号S10〜S13が戸挟み判定手
段15に伝送され、各圧力室17の検出圧力が戸挟み判
定手段15に与えられる。このようにステップa2で、
一側部に関連する各圧力室17内の空気の圧力が検出さ
れて、戸挟み判定手段15において取得された後、ステ
ップa3に移行して、記憶手段20に記憶された各圧力
室の設定圧力が読出されて、戸挟み判定手段15に与え
られて取得される。
【0035】このように検出圧力および設定圧力が取得
された後、ステップa4に移行し、戸挟み判定手段15
において、検出圧力が設定圧力よりも大きいか否かが判
断される。ステップa4で、一側部に関連する各戸挟み
判定手段15において、各検出圧力全てが設定圧力以下
であると判断されたとき、すなわち各戸挟み判定手段1
5から中央制御手段26に与えられる判定信号S1が、
全て戸挟みがないことを表す信号であるときには、ステ
ップa5に移行して、戸挟み判定手段15から戸挟みし
ていないことを表す判定信号S1が、中央制御手段26
に与えられる。このステップa5では、さらに中央制御
手段26が、戸挟みしていないことを表す判定信号S1
に基づいて、全ての表示灯33を消灯し、この後ステッ
プa6に移行して閉動作を終了する。
【0036】またステップa4において、検出圧力が設
定圧力よりも大きいと判断されたとき、すなわち一側部
に関連して設けられる各戸締まり判定手段15のうち少
なくとも1つの戸締まり判定手段15において、検出圧
力が設定圧力よりも大きいと判断され、中央制御手段2
6に与えられる判定信号S1のうち、少なくとも1つが
戸挟みを表す判定信号S1であるときには、ステップa
7に移行する。このステップa7では、駆動制御手段2
7によって駆動手段22に指令が与えられ、駆動手段2
2によって戸板3,4を閉方向A2,B2に押圧する空
気圧の圧力を低下させて、乗務員が操作手段27を操作
して戸板3,4を開方向A1,B1に変位させようとし
たときに、容易に変位させることができるように制御さ
れる。またステップa7では、中央制御手段26は、各
判定信号S1に基づいて各車両毎に判断して、全ての開
閉扉装置2において戸挟みしていないと判断される車両
に設けられる表示灯33は消灯し、1つでも開閉扉装置
2において戸挟みしていると判断された車両の表示灯3
3は点灯したままにして、ステップa6に移行して動作
を終了する。
【0037】戸挟み検知装置1がこのように動作するこ
とによって、各戸先部8,9によって大きな被挟体10
が挟まれるなどして、各戸板3,4のうち1つでも閉位
置まで移動していない戸板3,4が存在するときには、
ステップa1の動作が繰り返されるので、各表示灯33
が点灯したままの状態となる。したがって乗務員は、各
出入口7を閉じるための操作手段27の操作からの経過
時間を考慮し、閉動作が好適に行われていないことを把
握することができ、一旦各出入口7を開くための操作手
段27の操作を行い、再度各出入口7を閉じるための操
作をやり直すことができる。また全ての戸板3,4が閉
位置まで変位しても、各戸先部8,9に小さい被挟体1
0が挟まれているときには、ステップa7で被挟体10
が挟まれた開閉扉装置2が存在する車両の表示灯33を
点灯させたままの状態となる。したがってこの場合にも
乗務員は、各出入口7を閉じるための操作手段27の操
作からの経過時間を考慮し、閉動作が好適に行われてい
ないことを把握することができ、一旦各出入口7を開く
ための操作手段27の操作を行い、再度各出入口7を閉
じるための操作をやり直すことができる。
【0038】列車の一側部に関連する構成を例に挙げて
説明したけれども、他側部に関連する構成も同様に動作
して、同様に戸挟みを検知することができる。
【0039】このような戸締まり検知装置1によれば、
各戸板3,4の各戸先部8,9のうち一方の戸先部8に
緩衝体13が設けられ、この緩衝体13には、密閉され
た内部空間16が形成され、この内部空間16には、空
気が封入されている。各戸板3,4の戸先部8,9によ
って被挟体10が挟まれて、緩衝体13が押圧される
と、緩衝体13の内部空間16内の空気の圧力が上昇す
る。この内部空間内の空気の圧力が、圧力検出手段14
によって検出され、この検出圧力が予め定める圧力より
も大きいとき、戸挟み判定手段15によって戸挟みを表
す判定信号S1が出力される。したがって被挟体10が
挟まれたことを内部空間16内の空気の圧力上昇に基づ
いて検知し、戸挟みを表す判定信号S1を出力すること
ができる。
【0040】さらに戸挟み判定手段15における戸挟み
の判定は、出入口7を閉じたときの検出圧力にだけ基づ
いて行われるのではなく、設定圧力と比較して行われる
ので、この比較対象となる圧力を内部空間16内の空気
の温度などの条件に応じて設定することによって、被挟
体10が挟まれて、緩衝体13が押圧されたことによる
圧力上昇を確実に検知し、被挟体10が小さい場合であ
っても、被挟体が挟まれたことを確実に検知することが
できる。戸挟みの判定のための設定圧力は、全ての出入
口7が開いているとき測定される圧力室17内の検出圧
力である。具体的には、閉じた状態から、操作手段27
が出入口7を開くために操作されたとき、すなわち開指
令を表す開閉指令信号S4が与えられた後に、出入口7
が開かれて各戸板3,4が開位置まで変位したことが上
記センサによって検知されてその信号が与えらたとき、
またはこのように全出入口7が開いている状態から開指
令を表す開閉信号S4が与えられたとき、中央制御手段
26が、各圧力センサ19に指令を与えて、圧力室17
内の圧力が測定され、この検出圧力が設定圧力として更
新して記憶手段に記憶される。これによって季節などに
よって異なる大気温度の影響を受けて、内部空間16内
の流体の温度が変化し、これに伴って内部空間16内の
流体の圧力が変化した場合、この温度に基づいて変化し
た後の圧力を、検出圧力と比較する対象の圧力として設
定することができ、このように内部空間16内の流体の
温度変化に伴って圧力が変化しても、被挟体10によっ
て緩衝体13が押圧されたことによる圧力上昇だけを確
実に検知することができ、被挟体10が小さい場合であ
っても、被挟体10が挟まれたことを確実に検知するこ
とができる。
【0041】
【0042】しかも夏季および冬季などの外気温度の違
いによる各圧力室17内の圧力変化だけでなく、昼夜、
日陰と日向など、列車が停車している状態によって各圧
力室17内の空気の温度が頻繁に変化して、これに伴っ
て圧力が頻繁に変化しても、列車が停車している状態で
緩衝体13が押圧されていない状態の各圧力室17内の
空気の圧力を設定圧力とすることができ、圧力上昇に基
づいて、高い信頼性で戸挟みを検知することができる。
【0043】特に製造が容易である上述のような圧力室
17に空気が封入される構成をはじめ、圧力室17に気
体が封入される構成では、この気体の圧力が温度変化の
影響を受け易いけれども、この場合にも温度の影響を受
けることなく、高い信頼性で戸挟みを検知することがで
きる。このように圧力室17に気体を封入する構成で
は、この気体が圧縮されやすいので、被挟体10が乗客
の身体であっても、緩衝体13が大きく変形して乗客に
大きな外力が作用することを防ぐ効果も同時に達成する
ことができる。
【0044】また、緩衝体13の内部空間16が複数の
圧力室17に密に仕切られ、1つの大きな空間とする場
合に比べて内容積の小さい空間に仕切られるので、各戸
板34によって挟まれた被挟体10によって緩衝体13
が押圧されたとき、被挟体13に臨む部分に対応した圧
力室17の圧力がより高く上昇する。したがって内部空
間16が1つの空間である場合の圧力上昇率に比べて、
被挟体10に臨む部分に対応した圧力室17の圧力上昇
率を高くし、被挟体10が小さいものであっても、検出
圧力が大きく変化するようにして、予め定める圧力との
差を明確にし、被挟体10が挟まれたことを確実に検知
することができる。また緩衝体13の内部空間16を仕
切る隔壁18は、残余の部分に比べて剛性を高くする、
または剛性の高い部材を挿入するなどして、変形しにく
くしてもよい。これによって被挟体10が挟まれたとき
に、隔壁18が変形して圧力変化を各圧力室17に分散
し、各圧力室17での圧力上昇率が小さくなってしまう
ことを防ぐことができる。したがって小さい被挟体10
であっても、被挟体10に臨む部分に対応する圧力室1
7の容積変化率を大きくして圧力上昇率を高くし、小さ
い被挟体10であっても、より確実に戸挟みを検知する
ことができる。
【0045】上述の実施の形態は本発明の一例に過ぎ
ず、本発明の範囲内において構成を変更することが可能
である。たとえば、開閉扉装置2は2枚の戸板3,4を
変位させることによって出入口7を開閉する構成とした
けれども、1枚の戸板を変位させることによって出入口
を開閉する構成の開閉扉に戸挟み検知装置を設けるよう
にしてもよい。また列車の各側部に1つずつ中央制御手
段26を設けて、各側部毎に動作を制御したけれども、
たとえば各車両毎に、または各開閉扉装置2毎に、中央
制御手段26を設けるようにして、各車両毎に、まはた
各開閉扉装置2毎に、制御するようにしてもよい。また
戸挟み検知手段15、記憶手段20および中央制御手段
26は、1つのマイクロコンピュータによって構成する
ようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、戸板の戸先部および戸当たり部のうち少なくとも
いずれか一方には、緩衝体が設けられ、この緩衝体に
は、密閉された内部空間が形成され、この内部空間に
は、流体が封入されている。出入口を閉じたときに、戸
板の戸先部と戸当たり部とによって乗客および乗客の持
物などの被挟体が挟まれて、緩衝体が押圧されると、緩
衝体の内部空間内の流体の圧力が上昇する。この出入口
を閉じたときの内部空間内の流体の圧力が、圧力検出手
段によって検出され、この検出圧力が記憶手段に記憶さ
れる設定圧力よりも大きいとき、戸挟み判定手段によっ
て戸挟み信号が出力される。したがって戸板の戸先部と
戸当たり部との間に被挟体が挟まれたことを内部空間内
の流体の圧力上昇に基づいて検知し、戸挟み信号を出力
することができる。
【0047】さらに戸挟み判定手段における戸挟みの判
定は、出入口を閉じたときの検出圧力にだけ基づいて行
われるのではなく、設定圧力と比較して行われるので、
この比較対象となる圧力を内部空間内の空気の温度など
の条件に応じて設定することによって、戸先部と戸当た
り部との間に被挟体が挟まれて、緩衝体が押圧されたこ
とによる圧力上昇を確実に検知し、被挟体が小さい場合
であっても、被挟体が挟まれたことを確実に検知するこ
とができる。設定圧力は、出入口が開いているときに検
出される内部空間内の流体の圧力であり、出入口が開い
ているときに検出されて更新されて記憶される。これに
よって季節などによって異なる大気温度の影響を受け
て、内部空間内の流体の温度が変化し、これに伴って内
部空間内の流体の圧力が変化した場合、この温度に基づ
いて変化した後の圧力を、出入口が閉じたときに戸挟み
の判定のために検出された圧力と比較する対象の圧力と
して設定することができ、このように内部空間内の流体
の温度変化に伴って圧力が変化しても、被挟体によって
緩衝体が押圧されたことによる圧力上昇だけを確実に検
知することができ、被挟体が小さい場合であっても、被
挟体が挟まれたことを確実に検知することができる。し
かも、季節の変化に伴う外気温度変化による内部空間の
流体の温度の変化だけでなく、昼夜、日陰と日向など、
車両が停車している状態によって内部空間の流体の流度
が頻繁に変化し、これに伴って内部空間内の流体の圧力
が頻繁に変化しても、車両が停車している状態でかつ緩
衝体が抑圧されていない状態の内部空間の圧力を設定圧
力として戸挟みを判定することができ、圧力上昇に基づ
いて、高い信頼性で戸挟みを検知することができる。
【0048】請求項2記載の本発明によれば、緩衝体の
内部空間が複数の圧力室に密に仕切られ、1つの大きな
空間とする場合に比べて内容積の小さい空間に仕切られ
るので、戸板と戸当たり部とによって挟まれた被挟体に
よって緩衝体が押圧されたとき、被挟体に臨む部分に対
応した圧力室の圧力がより高く上昇する。したがって内
部空間が1つの空間である場合の圧力上昇率に比べて、
被挟体に臨む部分に対応した圧力室の圧力上昇率を高く
し、被挟体が小さいものであっても、検出圧力が大きく
変化するようにして、予め定める圧力との差を明確に
し、被挟体が挟まれたことを確実に検知することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の戸挟み検知装置1を示
すブロック図である。
【図2】図1のセクションIIを拡大して示す断面図で
ある。
【図3】各圧力センサ19から戸挟み判定手段15への
信号を導くためのケーブル27を示す斜視図である。
【図4】戸挟み検知装置1の動作を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 戸挟み検知装置 2 開閉扉装置 3,4 戸板 7 出入口 8,9 戸先部 10 被挟体 13 緩衝体 14 圧力検出手段 15 戸挟み判定手段 16 内部空間 17 圧力室 19 圧力センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開方向に変位することによって車両の出
    入口を開くとともに、閉方向に変位することによって車
    両の出入口を閉じる戸板の戸先部、および出入口を閉じ
    たときに戸先部が対向する戸当たり部のうち少なくとも
    いずれか一方に設けられ、密閉された内部空間に流体が
    封入される可撓性を有する緩衝体と、 緩衝体の内部空間内の流体の圧力を検出する圧力検出手
    段と、 車両の出入口が開いているときに圧力検出手段によって
    検出される内部空間内の流体の圧力に更新される設定圧
    力を記憶する記憶手段と、 車両の出入口が閉じたときに圧力検出手段によって検出
    される内部空間の流体の圧力が記憶手段に記憶される設
    定圧力よりも大きいとき、戸挟み信号を出力する戸挟み
    判定手段とを含むことを特徴とする戸挟み検知装置。
  2. 【請求項2】 前記緩衝体の内部空間は、複数の圧力室
    に密に仕切られることを特徴とする請求項1記載の戸挟
    み検知装置。
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