JP3181794B2 - 仮撚加工方法および仮撚装置 - Google Patents
仮撚加工方法および仮撚装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成繊維糸条の仮撚加工
方法及び該方法を実施するに好適な仮撚装置に関するも
のであり、さらに詳しくは、極細繊維や低配向繊維及び
それらを含む複合加工糸の仮撚加工に好適な仮撚加工方
法並びに仮撚装置に関するものである。
方法及び該方法を実施するに好適な仮撚装置に関するも
のであり、さらに詳しくは、極細繊維や低配向繊維及び
それらを含む複合加工糸の仮撚加工に好適な仮撚加工方
法並びに仮撚装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合成繊維糸条の同時延伸仮撚加工
に際しては、加撚域の糸条を200℃程度の温度に加熱
し、延伸と熱固定を行なった後解撚する方法が主として
採用されており、得られた仮撚糸は25〜40%という
高い捲縮率を有しているのが一般的であった。
に際しては、加撚域の糸条を200℃程度の温度に加熱
し、延伸と熱固定を行なった後解撚する方法が主として
採用されており、得られた仮撚糸は25〜40%という
高い捲縮率を有しているのが一般的であった。
【0003】一方、上記仮撚糸が有する、キラキラした
光沢や嵩高性を押さえ、よりシルキーな風合を現出する
ため、低捲縮の仮撚糸を得る方法も種々検討されてい
る。
光沢や嵩高性を押さえ、よりシルキーな風合を現出する
ため、低捲縮の仮撚糸を得る方法も種々検討されてい
る。
【0004】例えば、特公平4−47050号公報に
は、未延伸のポリエステルフィラメントを130℃以下
の温度で仮撚した後熱処理し、微細な捲縮を持つストレ
ート形状の仮撚糸を得る方法が開示されている。
は、未延伸のポリエステルフィラメントを130℃以下
の温度で仮撚した後熱処理し、微細な捲縮を持つストレ
ート形状の仮撚糸を得る方法が開示されている。
【0005】しかしながら、上記方法においては、糸条
の加熱温度が低い上、加熱域で延伸と加撚が施されるた
め、特に極細繊維や低配向繊維の加工に際しては次のよ
うな問題を生じることが判明した。 ・加撚張力の変動により延伸点や加撚開始点が変動し易
く、断糸や毛羽が多発する。 ・糸条の内部まで熱が充分に伝わらず、加熱斑による捲
縮斑を生じ易い。
の加熱温度が低い上、加熱域で延伸と加撚が施されるた
め、特に極細繊維や低配向繊維の加工に際しては次のよ
うな問題を生じることが判明した。 ・加撚張力の変動により延伸点や加撚開始点が変動し易
く、断糸や毛羽が多発する。 ・糸条の内部まで熱が充分に伝わらず、加熱斑による捲
縮斑を生じ易い。
【0006】即ち、上記仮撚加工には、一般にDTY機
と称される、糸条の供給ローラーと引取りローラー、お
よび両ローラー間に加熱ヒーター板と仮撚具を設けた仮
撚装置(日本繊維機械学会発行、「フィラメント加工技
術マニュアル(上巻)」第77頁〜同第78頁参照)が
専ら使用されており、加熱ヒーター板上で延伸点や加撚
開始点が変動し易いからである。
と称される、糸条の供給ローラーと引取りローラー、お
よび両ローラー間に加熱ヒーター板と仮撚具を設けた仮
撚装置(日本繊維機械学会発行、「フィラメント加工技
術マニュアル(上巻)」第77頁〜同第78頁参照)が
専ら使用されており、加熱ヒーター板上で延伸点や加撚
開始点が変動し易いからである。
【0007】さらに、上記装置を用いて、伸度差を有す
る2種以上の未延伸糸を引き揃え、交互撚糸形状を呈す
る複合仮撚加工糸を製造するに際しては、糸条の加熱が
加撚領域で行われるため加撚が不安定になり、高伸度糸
の巻付き構造の斑等が生じ易いという問題があることも
判明した。
る2種以上の未延伸糸を引き揃え、交互撚糸形状を呈す
る複合仮撚加工糸を製造するに際しては、糸条の加熱が
加撚領域で行われるため加撚が不安定になり、高伸度糸
の巻付き構造の斑等が生じ易いという問題があることも
判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する問題点を解消し、特に極細繊維や低配
向繊維の低捲縮糸及びそれらを含む複合仮撚加工糸を、
断糸や毛羽を発生させることなく、しかも均一な捲縮あ
るいは複合糸構造を有するように製造する方法およびそ
れに好適な製造装置を提供することにある。
従来技術の有する問題点を解消し、特に極細繊維や低配
向繊維の低捲縮糸及びそれらを含む複合仮撚加工糸を、
断糸や毛羽を発生させることなく、しかも均一な捲縮あ
るいは複合糸構造を有するように製造する方法およびそ
れに好適な製造装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討した結果、仮撚装置(DTY
機)の糸条供給ローラーを加熱ローラーとし、予め非加
撚状態で加熱した後、該加熱終了点を加撚開始点とし
て、直ちに仮撚を行なうとき、上記目的が達成できるこ
とを究明した。
達成するために鋭意検討した結果、仮撚装置(DTY
機)の糸条供給ローラーを加熱ローラーとし、予め非加
撚状態で加熱した後、該加熱終了点を加撚開始点とし
て、直ちに仮撚を行なうとき、上記目的が達成できるこ
とを究明した。
【0010】かくして本発明によれば、合成繊維糸条を
同時延伸仮撚加工するに際し、該合成繊維糸条を予め非
加撚状態で加熱した後、該加熱終了点を加撚開始点とし
て仮撚を施すことを特徴とする仮撚加工方法が提供され
る。
同時延伸仮撚加工するに際し、該合成繊維糸条を予め非
加撚状態で加熱した後、該加熱終了点を加撚開始点とし
て仮撚を施すことを特徴とする仮撚加工方法が提供され
る。
【0011】さらに、本発明によれば、糸条供給ローラ
ーと引取りローラー、および両ローラー間に糸条に仮撚
を施す仮撚具を設けた仮撚装置において、該糸条供給ロ
ーラーが、加熱ローラーとセパレートローラー、および
加熱ローラーに接して回転する糸押さえローラーから構
成される1対のゴデット型ローラーであることを特徴と
する仮撚装置が提供される。
ーと引取りローラー、および両ローラー間に糸条に仮撚
を施す仮撚具を設けた仮撚装置において、該糸条供給ロ
ーラーが、加熱ローラーとセパレートローラー、および
加熱ローラーに接して回転する糸押さえローラーから構
成される1対のゴデット型ローラーであることを特徴と
する仮撚装置が提供される。
【0012】以下、本発明を添付図面を参照しつつ詳細
に説明する。
に説明する。
【0013】図1は本発明の一実施態様を示す仮撚装置
の正面図、また、図2は同じく側面図である。
の正面図、また、図2は同じく側面図である。
【0014】図1および図2において、1、1’はポリ
エステル繊維やポリアミド繊維等の熱延伸が可能な合成
繊維糸条をいい、特にポリエステル繊維糸条が好ましく
例示される。
エステル繊維やポリアミド繊維等の熱延伸が可能な合成
繊維糸条をいい、特にポリエステル繊維糸条が好ましく
例示される。
【0015】特に、上記合成繊維糸条が、単繊維繊度が
0.5デニール以下の極細繊維糸条や3500m/分以
下の紡糸速度で紡糸された未延伸糸条のような低配向糸
条の場合には、本発明の効果が顕著に発現する。
0.5デニール以下の極細繊維糸条や3500m/分以
下の紡糸速度で紡糸された未延伸糸条のような低配向糸
条の場合には、本発明の効果が顕著に発現する。
【0016】また、上記合成繊維糸条のデニールには特
に制限はないが、捲縮斑や複合仮撚加工糸の巻付き構造
の斑の発生を防ぐためには、250デニール以下程度で
あることが好ましい。
に制限はないが、捲縮斑や複合仮撚加工糸の巻付き構造
の斑の発生を防ぐためには、250デニール以下程度で
あることが好ましい。
【0017】次いで、上記合成繊維糸条は、ガイド2、
2’およびプリテンションローラー3、3’を経由して
加熱ローラー5、5’に供給され、セパレートローラー
6、6’を介して該加熱ローラーに複数回捲回された
後、仮撚具8、8’で加撚および解撚を施され、引取り
ローラー9、9’で引き取られた後、スピンドル式巻取
り装置12、12’でパーン13、13’に巻き取られ
る。
2’およびプリテンションローラー3、3’を経由して
加熱ローラー5、5’に供給され、セパレートローラー
6、6’を介して該加熱ローラーに複数回捲回された
後、仮撚具8、8’で加撚および解撚を施され、引取り
ローラー9、9’で引き取られた後、スピンドル式巻取
り装置12、12’でパーン13、13’に巻き取られ
る。
【0018】一般に、DTY機の糸条供給ローラーに
は、前述の「フィラメント加工技術マニュアル(上
巻)」第96頁〜同第97頁に記載の如く、ニップ型、
ゴデット型、エプロン型の3種類がある。
は、前述の「フィラメント加工技術マニュアル(上
巻)」第96頁〜同第97頁に記載の如く、ニップ型、
ゴデット型、エプロン型の3種類がある。
【0019】本発明においては、上記ローラーのうちセ
パレートローラーを有するゴデット型ローラーを採用
し、しかも該ローラーを加熱ローラーとして合成繊維糸
条を先ず非加撚状態で加熱しているので、合成繊維糸条
がローラー上で開繊され、中心部の構成単糸にも充分な
熱量を付与することができる。
パレートローラーを有するゴデット型ローラーを採用
し、しかも該ローラーを加熱ローラーとして合成繊維糸
条を先ず非加撚状態で加熱しているので、合成繊維糸条
がローラー上で開繊され、中心部の構成単糸にも充分な
熱量を付与することができる。
【0020】さらに、上記構成を採用することにより、
加熱ローラーの出口の加熱終了点が加撚開始点となり、
加熱された糸条が加撚力によってねじられた際、応力の
集中が起こるので、延伸点や加撚開始点が固定化され、
断糸や毛羽の発生が防止できる。
加熱ローラーの出口の加熱終了点が加撚開始点となり、
加熱された糸条が加撚力によってねじられた際、応力の
集中が起こるので、延伸点や加撚開始点が固定化され、
断糸や毛羽の発生が防止できる。
【0021】また、複合仮撚加工糸を製造するに際して
は、加撚開始点がローラーの出口で固定化されるので、
高伸度糸の芯糸への巻き付き形状の斑等が発生しにくい
という利点もある。
は、加撚開始点がローラーの出口で固定化されるので、
高伸度糸の芯糸への巻き付き形状の斑等が発生しにくい
という利点もある。
【0022】上記加熱ローラーの温度は、使用する合成
繊維糸条の種類や所望の捲縮性能等に応じて適宜設定す
れば良いが、使用する合成繊維糸条のガラス転移温度以
上であることが好ましい。ただ、あまり温度が高すぎる
と糸条の融着や断糸が多発するので、通常は210℃以
下程度の温度が採用される。
繊維糸条の種類や所望の捲縮性能等に応じて適宜設定す
れば良いが、使用する合成繊維糸条のガラス転移温度以
上であることが好ましい。ただ、あまり温度が高すぎる
と糸条の融着や断糸が多発するので、通常は210℃以
下程度の温度が採用される。
【0023】また、加熱ローラーへの捲回数は、所望の
熱量に応じて適宜設定すれば良いが、糸条のスリップを
防止するためには4回以上捲回することが好ましい。
熱量に応じて適宜設定すれば良いが、糸条のスリップを
防止するためには4回以上捲回することが好ましい。
【0024】仮撚具はピン方式、三軸摩擦型ディスク方
式等従来公知のものが任意に採用できるが、仮撚速度を
高速化できる三軸摩擦型ディスク方式の仮撚装置を使用
することが好ましい。
式等従来公知のものが任意に採用できるが、仮撚速度を
高速化できる三軸摩擦型ディスク方式の仮撚装置を使用
することが好ましい。
【0025】さらに、加熱ローラー表面への撚の遡及を
防止し、延伸点の固定や加撚開始点の固定を一層確実な
ものとするために、上記加熱ローラーには、7、7’で
示される糸押さえローラーを設ける。
防止し、延伸点の固定や加撚開始点の固定を一層確実な
ものとするために、上記加熱ローラーには、7、7’で
示される糸押さえローラーを設ける。
【0026】該糸押さえローラーは、特公昭52−38
138号公報に開示されている如く、加熱ローラーに捲
回されている糸条のうち少なくとも最後の一捲回は加熱
ローラー上に把時し、且つ少なくとも最初の一捲回は非
把時状態に維持するものであることが好ましい。
138号公報に開示されている如く、加熱ローラーに捲
回されている糸条のうち少なくとも最後の一捲回は加熱
ローラー上に把時し、且つ少なくとも最初の一捲回は非
把時状態に維持するものであることが好ましい。
【0027】一方、上記方法で高捲縮糸を得る場合、加
熱ローラーでの加熱の熱量が不足するときは、加熱ロー
ラーを複数個使用しても良く、図3および図4に示す如
く、加熱ローラーの下流側に、糸の走行に伴ってその接
圧でフリーに回転することが可能な加熱ローラー14、
14’を設ける方法、同じく加熱ローラーの下流側に熱
板、加熱気体発生装置を設ける方法等任意の方法が採用
できる。
熱ローラーでの加熱の熱量が不足するときは、加熱ロー
ラーを複数個使用しても良く、図3および図4に示す如
く、加熱ローラーの下流側に、糸の走行に伴ってその接
圧でフリーに回転することが可能な加熱ローラー14、
14’を設ける方法、同じく加熱ローラーの下流側に熱
板、加熱気体発生装置を設ける方法等任意の方法が採用
できる。
【0028】この場合、延伸点や仮撚開始点が加熱ロー
ラーの出口で固定化される様、加熱の熱量を調整すると
ともに、摩擦や屈曲による応力集中が起こらない様に糸
条を走行させることが必要である。
ラーの出口で固定化される様、加熱の熱量を調整すると
ともに、摩擦や屈曲による応力集中が起こらない様に糸
条を走行させることが必要である。
【0029】非加撚状態で加熱された合成繊維糸条は、
加熱後直ちに仮撚具で加撚および解撚を施され、引取り
ローラーで引き取られた後、スピンドル式巻取り装置を
用い、パーンとして巻き取られることが好ましい。
加熱後直ちに仮撚具で加撚および解撚を施され、引取り
ローラーで引き取られた後、スピンドル式巻取り装置を
用い、パーンとして巻き取られることが好ましい。
【0030】即ち、低捲縮の加工糸をチーズとして巻取
った場合は、撚糸工程やウオータージェットルーム織機
の緯糸に供給する際、開舒性を向上させるための巻き返
しが必要であったが、スピンドル式巻取り装置を用いた
場合には、そのまま撚糸工程あるいは織機に供給できる
ので、巻き返しの工程が不要になるという利点がある。
った場合は、撚糸工程やウオータージェットルーム織機
の緯糸に供給する際、開舒性を向上させるための巻き返
しが必要であったが、スピンドル式巻取り装置を用いた
場合には、そのまま撚糸工程あるいは織機に供給できる
ので、巻き返しの工程が不要になるという利点がある。
【0031】また、引取りローラーの形状については特
に制限はないが、糸条供給ローラーと同様のゴデット型
ローラーにすれば、糸条のスリップがほぼ完全に防止で
きるので好ましい。
に制限はないが、糸条供給ローラーと同様のゴデット型
ローラーにすれば、糸条のスリップがほぼ完全に防止で
きるので好ましい。
【0032】さらに、引取りローラーも糸条供給ローラ
ーと同様の加熱ローラーとすれば、仮撚を施された糸条
を熱セットすることができ、いわゆる2段ヒーター仮撚
糸が容易に製造できる。
ーと同様の加熱ローラーとすれば、仮撚を施された糸条
を熱セットすることができ、いわゆる2段ヒーター仮撚
糸が容易に製造できる。
【0033】
【作用】本発明においては、合成繊維糸条を同時延伸仮
撚加工するに際し、撚の遡及がない糸条供給ローラー上
で予め非加撚状態で加熱するので、糸条が開繊され構成
単糸に充分な熱量を付与することができる。
撚加工するに際し、撚の遡及がない糸条供給ローラー上
で予め非加撚状態で加熱するので、糸条が開繊され構成
単糸に充分な熱量を付与することができる。
【0034】また、予め開繊状態で加熱された糸条がロ
ーラーの出口で加撚力によってねじられた際には、応力
が加熱終了点と加撚開始点に集中し、延伸点や加撚開始
点が固定化されるので、従来のDTY機を使用した場合
には断糸や毛羽が多発する極細繊維や低配向繊維であっ
ても、均一な捲縮率を有する仮撚加工糸を安定して製造
することができる。
ーラーの出口で加撚力によってねじられた際には、応力
が加熱終了点と加撚開始点に集中し、延伸点や加撚開始
点が固定化されるので、従来のDTY機を使用した場合
には断糸や毛羽が多発する極細繊維や低配向繊維であっ
ても、均一な捲縮率を有する仮撚加工糸を安定して製造
することができる。
【0035】さらに、加撚開始点がローラーの出口で固
定化され、加撚と解撚が安定して行なわれるので、特に
複合仮撚加工糸を製造するに際しては、巻き付き構造等
の斑が発生しにくい。
定化され、加撚と解撚が安定して行なわれるので、特に
複合仮撚加工糸を製造するに際しては、巻き付き構造等
の斑が発生しにくい。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、実施例中の捲縮率の値は下記の方法に
より測定した。
説明する。なお、実施例中の捲縮率の値は下記の方法に
より測定した。
【0037】(捲縮率の測定)検尺機を用いて3000
デニールの綛を作り、6gの軽荷重と600gの重荷重
を吊るした時の綛長L0 読み取る。
デニールの綛を作り、6gの軽荷重と600gの重荷重
を吊るした時の綛長L0 読み取る。
【0038】重荷重を外し、97〜100℃の温水中に
30分間浸漬して捲縮発現させた後24時間自然乾燥
し、再度重荷重を吊るした時の綛長L2 を読み取る。
30分間浸漬して捲縮発現させた後24時間自然乾燥
し、再度重荷重を吊るした時の綛長L2 を読み取る。
【0039】重荷重を外し、1分後の綛長L3 を読み取
る。
る。
【0040】(捲縮率の算出) 捲縮率(%)=(L2−L3)/L0 ×100
【0041】[実施例1]紡糸速度1100m/分で紡
糸したポリエチレンテレフタレート未延伸糸条(100
デニール/96フィラメント)を第3図および第4図に
示す仮撚装置を用い、糸条供給ローラー温度115℃、
引取りローラー速度800m/分、延伸倍率2.6倍の
条件で延伸同時仮撚加工を行なった。
糸したポリエチレンテレフタレート未延伸糸条(100
デニール/96フィラメント)を第3図および第4図に
示す仮撚装置を用い、糸条供給ローラー温度115℃、
引取りローラー速度800m/分、延伸倍率2.6倍の
条件で延伸同時仮撚加工を行なった。
【0042】なお、仮撚装置には三軸摩擦型のディスク
式仮撚装置を用い、ディスクの周速度は1600m/分
であった。
式仮撚装置を用い、ディスクの周速度は1600m/分
であった。
【0043】また、巻取り装置としては縦型のスピンド
ル式巻取り装置を用い、スピンドル回転数を10000
回/分、巻取り張力を10gに設定した。
ル式巻取り装置を用い、スピンドル回転数を10000
回/分、巻取り張力を10gに設定した。
【0044】上記の条件下で、巻量2.5kgのパーン
を4本(加工時間約48時間)製造したところ、断糸の
発生は全くなく、得られたパーンの表面には毛羽は全く
認められなかった。また、得られた加工糸の捲縮率は
2.5%であった。
を4本(加工時間約48時間)製造したところ、断糸の
発生は全くなく、得られたパーンの表面には毛羽は全く
認められなかった。また、得られた加工糸の捲縮率は
2.5%であった。
【0045】[比較例1]実施例1において、糸条供給
ローラーの温度を室温(約25℃)とし、糸条供給ロー
ラーと仮撚装置の間に、温度115℃に設定した熱板を
設置して糸条の加熱と加撚を同時に行なった以外は実施
例1と同様に実施した。なお、熱板の長さは実施例1に
おける糸条の加熱長と同じ長さとした。
ローラーの温度を室温(約25℃)とし、糸条供給ロー
ラーと仮撚装置の間に、温度115℃に設定した熱板を
設置して糸条の加熱と加撚を同時に行なった以外は実施
例1と同様に実施した。なお、熱板の長さは実施例1に
おける糸条の加熱長と同じ長さとした。
【0046】上記方法にて、実施例1と同量の仮撚加工
糸を製造しようとしたところ5回の断糸が発生し、得ら
れたパーンの表面には多数の毛羽が認められた。また、
得られた加工糸の捲縮率は1.5%であった。
糸を製造しようとしたところ5回の断糸が発生し、得ら
れたパーンの表面には多数の毛羽が認められた。また、
得られた加工糸の捲縮率は1.5%であった。
【0047】[実施例2]実施例1で使用した未延伸糸
条と、紡糸速度3000m/分で紡糸したポリエチレン
テレフタレート中間配向糸条(75デニール/72フィ
ラメント)とを引き揃え、第1図および第2図に示す仮
撚装置を用いて、糸条供給ローラー温度115℃、引取
りローラー速度800m/分、延伸倍率1.5倍の条件
で延伸同時仮撚加工を行ない、芯鞘二層構造型複合仮撚
加工糸を得た。
条と、紡糸速度3000m/分で紡糸したポリエチレン
テレフタレート中間配向糸条(75デニール/72フィ
ラメント)とを引き揃え、第1図および第2図に示す仮
撚装置を用いて、糸条供給ローラー温度115℃、引取
りローラー速度800m/分、延伸倍率1.5倍の条件
で延伸同時仮撚加工を行ない、芯鞘二層構造型複合仮撚
加工糸を得た。
【0048】なお、仮撚装置および巻取り装置は実施例
1と同じものを使用した。
1と同じものを使用した。
【0049】上記の条件下で、巻量2.5kgのパーン
を4本(加工時間約16時間)製造したところ、断糸の
発生は全くなく、得られたパーンの表面には毛羽は全く
認められなかった。
を4本(加工時間約16時間)製造したところ、断糸の
発生は全くなく、得られたパーンの表面には毛羽は全く
認められなかった。
【0050】また、得られた複合仮撚加工糸は、均斉な
交互撚糸状巻付き構造を呈しており、該パーンをそのま
ま撚糸工程に供給したところ、解舒性不良によるトラブ
ルは全く発生しなかった。
交互撚糸状巻付き構造を呈しており、該パーンをそのま
ま撚糸工程に供給したところ、解舒性不良によるトラブ
ルは全く発生しなかった。
【0051】[比較例2]実施例2において、糸条供給
ローラーの温度を室温(約25℃)とし、糸条供給ロー
ラーと仮撚装置の間に、温度115℃に設定した熱板を
設置して糸条の加熱と加撚を同時に行なった以外は実施
例1と同様に実施した。なお、熱板の長さは実施例1に
おける糸条の加熱長と同じ長さとした。
ローラーの温度を室温(約25℃)とし、糸条供給ロー
ラーと仮撚装置の間に、温度115℃に設定した熱板を
設置して糸条の加熱と加撚を同時に行なった以外は実施
例1と同様に実施した。なお、熱板の長さは実施例1に
おける糸条の加熱長と同じ長さとした。
【0052】上記方法にて、実施例1と同量の仮撚加工
糸を製造しようとしたところ3回の断糸が発生した。ま
た、得られた複合仮撚加工糸には、鞘糸の巻付きが不充
分で芯糸と鞘糸が分離した部分が存在していた。
糸を製造しようとしたところ3回の断糸が発生した。ま
た、得られた複合仮撚加工糸には、鞘糸の巻付きが不充
分で芯糸と鞘糸が分離した部分が存在していた。
【0053】さらに、得られたパーンをそのまま撚糸工
程に供給したところ、解舒性不良によるトラブルが多発
した。
程に供給したところ、解舒性不良によるトラブルが多発
した。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、極細繊維や低配向繊維
の延伸同時仮撚加工糸及びそれらを含む複合仮撚加工糸
を、断糸や毛羽を発生させることなく、しかも均一な捲
縮あるいは複合糸構造を有するように製造する方法およ
びそれに好適な製造装置が提供できる。
の延伸同時仮撚加工糸及びそれらを含む複合仮撚加工糸
を、断糸や毛羽を発生させることなく、しかも均一な捲
縮あるいは複合糸構造を有するように製造する方法およ
びそれに好適な製造装置が提供できる。
【図1】本発明の仮撚装置の一例を示す正面図。
【図2】本発明の仮撚装置の一例を示す側面図。
【図3】本発明の仮撚装置の一例を示す正面図。
【図4】本発明の仮撚装置の一例を示す側面図。
1、1’ 合成繊維糸状 2、2’ ガイド 3、3’ プリテンションローラー 4、4’ プリテンションローラーに接して回転する押
さえローラー 5、5’ 糸状供給用加熱ローラー 6、6’ 加熱ローラーに接して回転する押さえローラ
ー 7、7’ 加熱ローラーと1対になって回転するセパレ
ートローラー 8、8’ 三軸摩擦型ディスク仮撚装置 9、9’ 引取りローラー 10、10’ 引取りローラーと1対になって回転する
セパレートローラー 11、11’ ガイド 12、12’ スピンドル式巻取り装置 13、13’ パーン 14、14’ フリー回転可能な加熱ローラー
さえローラー 5、5’ 糸状供給用加熱ローラー 6、6’ 加熱ローラーに接して回転する押さえローラ
ー 7、7’ 加熱ローラーと1対になって回転するセパレ
ートローラー 8、8’ 三軸摩擦型ディスク仮撚装置 9、9’ 引取りローラー 10、10’ 引取りローラーと1対になって回転する
セパレートローラー 11、11’ ガイド 12、12’ スピンドル式巻取り装置 13、13’ パーン 14、14’ フリー回転可能な加熱ローラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−86658(JP,A) 特開 昭50−118049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/02 - 1/04 D02G 1/20
Claims (5)
- 【請求項1】 合成繊維糸条を同時延伸仮撚加工するに
際し、該合成繊維糸条を予め非加撚状態で加熱した後、
該加熱終了点を加撚開始点として仮撚を施すことを特徴
とする仮撚加工方法。 - 【請求項2】 糸条供給ローラーと引取りローラー、お
よび両ローラー間に糸条に仮撚を施す仮撚具を設けた仮
撚装置において、該糸条供給ローラーが、加熱ローラー
とセパレートローラー、および加熱ローラーに接して回
転する糸押さえローラーから構成される1対のゴデット
型ローラーであることを特徴とする仮撚装置。 - 【請求項3】 引取りローラーの下流側に設けられた巻
取り装置がスピンドル式巻取り装置である請求項2記載
の仮撚装置。 - 【請求項4】 加熱ローラーの下流側に補助加熱手段を
設けた、請求項2または3記載の仮撚装置。 - 【請求項5】 補助加熱手段がフリー回転可能な加熱ロ
ーラーである請求項4記載の仮撚装置。
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---|---|---|---|
JP26012294A JP3181794B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 仮撚加工方法および仮撚装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26012294A JP3181794B2 (ja) | 1994-10-25 | 1994-10-25 | 仮撚加工方法および仮撚装置 |
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-
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- 1994-10-25 JP JP26012294A patent/JP3181794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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