JP3181583U - 吸引カテーテル - Google Patents
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Abstract
【課題】気管内チューブへ円滑且つ迅速に挿入することができる吸引カテーテルを提供する。
【解決手段】吸引カテーテル20は、体外から気管15に挿入された管状の気管内チューブ10に挿入されることによって、気管15に付着した異物24の吸引に使用されるものである。吸引カテーテル20は、内面39によって区画されており、吸引される異物24が通る吸引経路部21と、吸引カテーテル20が気管内チューブ10に挿入される際に気管内チューブ10の内面40と摺接する外面22と、を備えている。吸引カテーテル20の外面22には、多数の凹凸が形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】吸引カテーテル20は、体外から気管15に挿入された管状の気管内チューブ10に挿入されることによって、気管15に付着した異物24の吸引に使用されるものである。吸引カテーテル20は、内面39によって区画されており、吸引される異物24が通る吸引経路部21と、吸引カテーテル20が気管内チューブ10に挿入される際に気管内チューブ10の内面40と摺接する外面22と、を備えている。吸引カテーテル20の外面22には、多数の凹凸が形成されている。
【選択図】図2
Description
本考案は、患者の気管内の異物を吸引するために気管に挿入される吸引カテーテルに関する。
従来より、患者が呼吸するときの空気の通り道である気道を確保するために、管状の気管内チューブが使用されている。気管内チューブは、鼻や口或いは切開された喉などから気管に挿入される。これにより、患者の気管と体外との間において気道が確保される。
患者に対して上記のように気管内チューブが使用されている場合、患者の気管に溜まった痰などの異物が気道を塞いでしまうおそれがある。このような問題を解決するために、吸引カテーテルが使用される(特許文献1)。詳細には、気管内チューブの内径よりも小さい径であり且つ管状である吸引カテーテルが気管内チューブに挿入される。そして、ポンプによって、異物が吸引カテーテルを介して吸引される。
吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入は、円滑且つ迅速に実行される必要がある。しかしながら、従来、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入が円滑且つ迅速に実行できないおそれがあった。
つまり、吸引カテーテルが気管内チューブに挿入される際、吸引カテーテルの外面と気管内チューブの内面とが当接すると、吸引カテーテルは、気管内チューブとの間の摩擦力によって、気管内チューブに引っかかったような状態となってしまうおそれがあった。すると、ユーザは、吸引カテーテルを気管内チューブから引き抜いてから再度挿入する必要があった。つまり、従来、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入が1回で成功せず、数回のトライを要するおそれがあった。すなわち、従来、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入を円滑且つ迅速に実行するためには、ユーザの熟練を要していた。
本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、気管内チューブへ円滑且つ迅速に挿入することができる吸引カテーテルを提供することにある。
(1) 本考案に係る吸引カテーテルは、体外から気管に挿入された管状の気管内チューブに挿入されることによって、気管に付着した異物の吸引に使用される管状且つ可撓性のものである。本考案に係る吸引カテーテルは、上記吸引カテーテルの内面によって区画されており、吸引される異物が通る吸引経路部と、上記吸引カテーテルの外面で構成されており、上記吸引カテーテルが上記気管内チューブに挿入される際に上記気管内チューブの内面と摺接する摺接部と、を備える。上記摺接部には、多数の凹凸が形成されている。
本構成によれば、摺接部に多数の凹凸が形成されているため、摺接部と気管内チューブの内面との接触面積が小さくなる。これにより、摺接部と気管内チューブの内面とが当接した状態における摺接部と気管内チューブの内面との間の摩擦力を小さくすることができる。これにより、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入時に、吸引カテーテルが気管内チューブとの間の摩擦力によって気管内チューブに引っかかったような状態となってしまう可能性を低くすることができる。
(2) 本考案に係る吸引カテーテルは、塩化ビニル樹脂からなる。
耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、及び耐溶剤性などの特性を有し、しかも安価な塩化ビニル樹脂は、吸引カテーテルの素材として好適である。
(3) 上記吸引カテーテルが挿入先端を下側に向けて配置され、上記気管内チューブが上記吸引カテーテルの真下に開口を上側に向けた状態で配置された状態で、上記吸引カテーテルを所定速度で下降させて上記気管内チューブに挿入させた場合に、上記吸引カテーテルが上記気管内チューブに引っかかることなく摺動されるように、上記摺接部の凹凸の大きさ及び密度が決定されている。
摺接部の凹凸の大きさ及び密度が本構成のように決定されることによって、吸引カテーテルを気管内チューブへ円滑且つ迅速に挿入することができる。
(4) 上記吸引カテーテルまたは上記気管内チューブの少なくとも一方が、濡れた状態で配置されている。
通常、人体において、気管内チューブが挿入される箇所、具体的には鼻や口から気管までの間は、濡れた状態である。つまり、本構成によれば、上記(3)のような実験の実行の際に、実際に人体に挿入された気管内チューブへ吸引カテーテルを挿入する場合に近似した状態で、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入を実行することができる。
(5) 上記気管内チューブが、人体の体温に温められた状態で配置されている。
本構成によれば、気管内チューブが、人体の体温まで温められた状態で配置されている。そのため、上記(3)のような実験の実行に際に、実際に人体に挿入された気管内チューブへ吸引カテーテルを挿入する場合に近似した状態で、吸引カテーテルの気管内チューブへの挿入を実行することができる。
本考案によれば、吸引カテーテルが気管内チューブとの間の摩擦力によって気管内チューブに引っかかったような状態となってしまう可能性を低くすることができるため、吸引カテーテルを気管内チューブへ円滑且つ迅速に挿入することができる。
以下、本考案の好ましい実施形態を説明する。なお、本実施形態は本考案の一実施態様にすぎず、本考案の要旨を変更しない範囲で実施態様を変更できることは言うまでもない。
[気管内チューブ10]
図1に示されるように、気管内チューブ10は、患者の口36から挿入されて、咽頭13及び声帯14を介して、肺への分岐部の近傍の気管15まで延出されるチューブである。換言すると、気管内チューブ10は、患者の口36から咽頭13及び声帯14を介して気管15へ至る患者の呼吸路38に沿って患者の気管15まで延出されるチューブである。
図1に示されるように、気管内チューブ10は、患者の口36から挿入されて、咽頭13及び声帯14を介して、肺への分岐部の近傍の気管15まで延出されるチューブである。換言すると、気管内チューブ10は、患者の口36から咽頭13及び声帯14を介して気管15へ至る患者の呼吸路38に沿って患者の気管15まで延出されるチューブである。
図2及び図3に示されるように、気管内チューブ10は管状である。気管内チューブ10の断面形状に特に制限はない。例えば、気管内チューブ10の断面形状は、三角柱や四角柱であってもよいが、気管内チューブ10の好ましい断面形状は、角のない楕円などの形状である。また、気管内チューブ10の更に好ましい断面形状は、円形状である。
気管内チューブ10の外径は、患者の呼吸路38の径よりも小さい径であれば、特に制限はない。例えば、気管内チューブ10の外径は、患者の呼吸路38の径よりも小さく且つ5.5[mm]以上である。また、気管内チューブ10の好ましい外径は、患者の呼吸路38の径よりも小さく且つ7[mm]以上である。また、気管内チューブ10の更に好ましい外径は、患者の呼吸路38の径よりも小さく且つ8[mm]以上である。
また、気管内チューブ10の内径は、気管内チューブ10の厚みに応じた値である。つまり、気管内チューブ10の内径は、気管内チューブ10の外径よりも若干小さい値である。
図1及び図2に示されるように、気管内チューブ10の長さは、少なくとも患者の口36(門歯)から気管15までの呼吸路38の長さよりも長い長さである。ここで、一般に、口36から咽頭13までの長さは10〜12[cm]であり、咽頭13から気管15までの長さは10〜12[cm]である。よって、気管内チューブ10の長さは、少なくとも20[cm]よりも長いことが必要であるが、24[cm]よりも長いことが好ましい。
気管内チューブ10は、湾曲されている。湾曲の角度は、人体において、顔の前側に存在している口36から咽頭13及び声帯14を介して気管15に至る患者の呼吸路38の湾曲の角度と概ね同じ角度である。本実施形態において、湾曲の角度は概ね90度であるが、患者の呼吸路38に挿入可能であるならば、湾曲の角度は90度以外の角度であってもよい。
図2に示されるように、気管内チューブ10の先端側、換言すると患者の口36から挿入された状態(図1に示される状態)における気管内チューブ10の気管15側の先端近傍には、カフ17が設けられている。カフ17は、気管内チューブ10の先端近傍の外周面を覆い且つ外周面に密着された状態で配置されている。
カフ17は、合成樹脂で構成されたバルーンである。カフ17の基端側から細管18が延びている。ここで、基端側は、気管内チューブ10が患者の口36から挿入された状態(図1に示される状態)における気管内チューブ10の口36側である。細管18は、気管内チューブ10の外周面に沿って体外まで延びている。
細管18におけるカフ17とは反対側の端部には、アダプタ19が取り付けられている。アダプタ19には、注射器(不図示)が差し込まれる。カフ17は、注射器から細管18を介して空気を注入されることによって膨張する。
図1及び図2に示されるように、気管内チューブ10の基端側には、コネクタ16が取り付けられている。コネクタ16には、人工呼吸器(不図示)から延びた管状のチューブ(不図示)が接続される。
気管内チューブ10は、合成樹脂で構成されている。具体的には、気管内チューブ10の好ましい素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルである。また、気管内チューブ10の更に好ましい素材は、ポリ塩化ビニルである。
気管内チューブ10は、インサート成形などの射出成形や、押出成形などの塑性加工などによって製造される。
[気管内チューブ10の使用方法]
ユーザは、気管内チューブ10を患者の口36から挿入する前に、気管内チューブ10にコネクタ16を取り付ける。ユーザは、気管内チューブ10を、コネクタ16が取り付けられていない側を先端側として、患者の口36から挿入する。この際、ユーザは、気管内チューブ10の先端が気管15(詳細には肺への分岐部よりも咽頭13側の気管)に達するまで、気管内チューブ10を挿入する。
ユーザは、気管内チューブ10を患者の口36から挿入する前に、気管内チューブ10にコネクタ16を取り付ける。ユーザは、気管内チューブ10を、コネクタ16が取り付けられていない側を先端側として、患者の口36から挿入する。この際、ユーザは、気管内チューブ10の先端が気管15(詳細には肺への分岐部よりも咽頭13側の気管)に達するまで、気管内チューブ10を挿入する。
ユーザは、細管18のアダプタ19に、注射器を差し込む。そして、ユーザは、注射器によって、細管18を介してカフ17に空気を注入する。これにより、カフ17は膨張する。膨張したカフ17が患者の呼吸路38の内壁23と当接すると、患者の呼吸路38は、カフ17によって閉塞される。これにより、患者の口36と気管15との間は、気管内チューブ10によってのみ連通された状態となる。つまり、気管内チューブ10の内部空間は、患者の呼吸路38の代わりの役割を果たす。
ユーザは、コネクタ16に、人工呼吸器から延びた管状のチューブを接続する。これにより、気管内チューブ10を介して患者の体内に空気を送出し、且つ患者の体内の空気を吸引することができる。つまり、患者を人工的に呼吸させることができる。
なお、本実施形態では、気管内チューブ10は、患者の口36から挿入されて気管15まで延出されるが、気管内チューブ10は、患者の口36以外から挿入されてもよい。例えば、図4(A)に示されるように、気管内チューブ10は、患者の鼻孔11から挿入されて気管15まで延出されていてもよい。また、例えば、図4(B)に示されるように、気管内チューブ10は、患者の切開された喉37から挿入されて気管15まで延出されていてもよい。
[吸引カテーテル20]
図2に示されるように、吸引カテーテル20は、患者の口36から挿入された気管内チューブ10に挿入されるチューブである。
図2に示されるように、吸引カテーテル20は、患者の口36から挿入された気管内チューブ10に挿入されるチューブである。
図2及び図3に示されるように、吸引カテーテル20は管状である。吸引カテーテル20の断面形状に特に制限はない。例えば、吸引カテーテル20の断面形状は、三角柱や四角柱であってもよいが、吸引カテーテル20の好ましい断面形状は、角のない楕円などの形状である。また、吸引カテーテル20の更に好ましい断面形状は、円形状である。
吸引カテーテル20の外径は、気管内チューブ10の内径よりも小さい。なお、吸引カテーテル20の外径は、気管内チューブ10の内径の1/2以下であることが好ましい。吸引カテーテル20の内径は、吸引カテーテル20の厚みに応じて、の外径よりも若干小さい値である。例えば、気管内チューブ10の外径が8[mm]の場合、気管内チューブの内径は8[mm]より小さい必要があり、4[mm]以下であることが好ましい。
図1及び図2に示されるように、吸引カテーテル20の長さは、少なくとも患者の口36(門歯)から気管15までの呼吸路38の長さよりも長い長さである。よって、吸引カテーテル20の長さは、気管内チューブ10と同様に、少なくとも20[cm]よりも長いことが必要であるが、24[cm]よりも長いことが好ましい。また、吸引カテーテル20は気管内チューブ10に挿入されるものであるため、吸引カテーテル20の長さは気管内チューブ10よりも長い長さである。
吸引カテーテル20の一方の端部には、コネクタ(不図示)が取り付けられている。当該コネクタには、吸引レギュレータ(不図示)から延びた管状のチューブ(不図示)が接続される。
上述したように、吸引カテーテル20は管状である。つまり、吸引カテーテル20は、その内面39(図3参照)によって区画された吸引経路部21を備えている。後述するように、吸引経路部21には、患者の気管15から吸引される痰などの異物が通る。
吸引カテーテル20は、気管内チューブ10と同様に、合成樹脂で構成されている。具体的には、吸引カテーテル20の好ましい素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニルである。また、吸引カテーテル20の更に好ましい素材は、ポリ塩化ビニルである。また、吸引カテーテル20は、可撓性を有する。
吸引カテーテル20は、インサート成形などの射出成形や、押出成形などの塑性加工などによって製造される。吸引カテーテル20の好ましい製法は、押出成形である。
また、吸引カテーテル20は、上述した製法による成形後に、以下に示される加工を施される。つまり、本考案に係る吸引カテーテル20の製法は、押出成形などによる製造後に、敢えて、以下に示される加工を施した特殊な製法である。なお、上記加工を施されることによって、吸引カテーテル20の外面22には、後述するような多数の凹凸が形成される。
上記加工は、後述するような多数の凹凸を形成することが可能なものであれば、特に限定されないが、好ましい上記加工としては、研磨剤を水、窒素または圧縮空気に混ぜて吸引カテーテル20の外面22に吹き付けることによって多数の凹凸を形成するサンドブラスト製法や、吸引カテーテル20の外面22を削ることによって多数の凹凸を形成する製法や、吸引カテーテル20の外面22をエッチング処理することによって多数の凹凸を形成する製法などが挙げられる。
吸引カテーテル20の外面22に形成された凹凸の大きさ及び密度は、吸引カテーテル20が、気管内チューブ10に挿入される際に、気管内チューブ10に引っかかることなく摺動されるように決定されている。具体的には、吸引カテーテル20の外面22に形成された凹凸の大きさ(凹凸の径)は、1〜20[μm]であり、吸引カテーテル20の外面22に形成された凹凸の密度は、位置によって異なるが平均で100[μm2]につき3〜5個である。
[吸引カテーテル20の使用方法]
吸引カテーテル20の挿入は、気管内チューブ10が患者の口36から挿入された後に実行される。ユーザは、吸引カテーテル20の一方の端部に取り付けられているコネクタを、吸引レギュレータから延びた管状のチューブに接続する。その後、ユーザは、吸引レギュレータを適切な吸引圧に設定する。
吸引カテーテル20の挿入は、気管内チューブ10が患者の口36から挿入された後に実行される。ユーザは、吸引カテーテル20の一方の端部に取り付けられているコネクタを、吸引レギュレータから延びた管状のチューブに接続する。その後、ユーザは、吸引レギュレータを適切な吸引圧に設定する。
ユーザは、吸引カテーテル20を、コネクタが取り付けられていない側を先端側として、患者の口36に挿入された気管内チューブ10から挿入する。この際、ユーザは、図2に示されるように、吸引カテーテル20の先端が気管内チューブ10の先端から若干突出する位置に達するまで、吸引カテーテル20を挿入する。好ましくは、吸引カテーテル20は、その先端が気管内チューブ10の先端から1〜2cm突出する位置まで挿入される。なお、気管内チューブ10の先端から突出した吸引カテーテル20は、肺への分岐部よりも咽頭13側に位置するように挿入される。
吸引カテーテル20が気管内チューブ10に挿入される際、吸引カテーテル20の外面22は、気管内チューブ10の内面40と当接する。つまり、吸引カテーテル20の外面22は、気管内チューブ10の内面40と摺接するものである。以上より、吸引カテーテル20の外面22は、本考案の摺接部の一例である。
吸引カテーテル20が気管内チューブ10に挿入時に、吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40とが当接しても、吸引カテーテル20は、気管内チューブ10の内面40との間の摩擦力によって止まることはなく、気管内チューブ10に対して摺動する。これにより、吸引カテーテル20の先端は、上述したように、気管内チューブ10の先端から若干突出した状態となる。その結果、気管内チューブ10の先端は、呼吸路38における気管15の内壁23に付着している異物24と近接する。
次に、ユーザは、吸引レギュレータを駆動する。なお、吸引レギュレータがバキュームブレーカの開閉によって吸引調節されるものである場合、ユーザは、バキュームブレーカの吸引調節口を指で塞ぐ。これにより、異物24が、吸引カテーテル20の他方の端部から吸引される。以上より、吸引カテーテル20は、気管内チューブ10に挿入されることによって、気管15に付着した異物24の吸引に使用される。
なお、異物24の吸引の終了後、ユーザは、吸引レギュレータ20を気管内チューブ10からゆっくりと引き出す。
[実施形態の作用効果]
上述した実施形態によれば、吸引カテーテル20の外面22に多数の凹凸が形成されているため、吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40との接触面積が小さくなる。これにより、吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40とが当接した状態における吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40との間の摩擦力を小さくすることができる。これにより、吸引カテーテル20の気管内チューブ10への挿入時に、吸引カテーテル20が気管内チューブ10との間の摩擦力によって気管内チューブ10に引っかかったような状態となってしまう可能性を低くすることができる。そのため、吸引カテーテル20を気管内チューブ10へ円滑且つ迅速に挿入することができる。
上述した実施形態によれば、吸引カテーテル20の外面22に多数の凹凸が形成されているため、吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40との接触面積が小さくなる。これにより、吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40とが当接した状態における吸引カテーテル20の外面22と気管内チューブ10の内面40との間の摩擦力を小さくすることができる。これにより、吸引カテーテル20の気管内チューブ10への挿入時に、吸引カテーテル20が気管内チューブ10との間の摩擦力によって気管内チューブ10に引っかかったような状態となってしまう可能性を低くすることができる。そのため、吸引カテーテル20を気管内チューブ10へ円滑且つ迅速に挿入することができる。
また、上述した実施形態において吸引カテーテル20の素材として使用されている塩化ビニル樹脂は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、及び耐溶剤性などの特性を有し、しかも安価であるため、吸引カテーテル20の素材として好適である。
また、吸引カテーテル20の外面22の凹凸の大きさ及び密度が上述した実施形態のように決定されていることによって、吸引カテーテル20を気管内チューブ10へ円滑且つ迅速に挿入することができる。
[実施例]
本考案に係る吸引カテーテルの実施例として、上述した実施形態における製造方法のうちの一つによって、外面(表面)に図7(A)に示されるような凹凸が形成された外径が4[mm]の吸引カテーテルを作製した。具体的には、押出成形によって吸引カテーテルの本体を成形し、その後、成形した当該本体の表面にサンドブラスト製法によって凹凸を形成した。
本考案に係る吸引カテーテルの実施例として、上述した実施形態における製造方法のうちの一つによって、外面(表面)に図7(A)に示されるような凹凸が形成された外径が4[mm]の吸引カテーテルを作製した。具体的には、押出成形によって吸引カテーテルの本体を成形し、その後、成形した当該本体の表面にサンドブラスト製法によって凹凸を形成した。
[比較例1]
比較例1として、テルモ社製のSF−SE1235R(外径4[mm])を使用した。
比較例1として、テルモ社製のSF−SE1235R(外径4[mm])を使用した。
[比較例2]
比較例2として、トップ社製の14410(外径4[mm])を使用した。
比較例2として、トップ社製の14410(外径4[mm])を使用した。
[比較例3]
比較例3として、JMS社製のJX−SS1250SH(外径4[mm])を使用した。
比較例3として、JMS社製のJX−SS1250SH(外径4[mm])を使用した。
[表面観察]
実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルの表面を電子顕微鏡で観察した。その結果を図7(A),(B),(C),(D)にそれぞれ示す。図7(A)に示される実施例の表面の凹みによって生じている影は、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面の凹みによって生じている影よりも濃い。つまり、図7(A)に示される実施例の表面の凹みは、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面の凹みよりも深いことが確認された。
実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルの表面を電子顕微鏡で観察した。その結果を図7(A),(B),(C),(D)にそれぞれ示す。図7(A)に示される実施例の表面の凹みによって生じている影は、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面の凹みによって生じている影よりも濃い。つまり、図7(A)に示される実施例の表面の凹みは、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面の凹みよりも深いことが確認された。
また、図7(A)に示される実施例の表面に形成されている凹みの数は、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面に形成されている凹みの数よりも多い。また、図7(A)〜(D)の倍率は同じであるため、図7(A)〜(D)の面積は同一である。つまり、図7(A)に示される実施例の表面の凹凸の密度は、図7(B)〜(D)に示される比較例1〜3の表面の凹凸の密度よりも大きいことが確認された。
[挿入試験]
実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルを用いて、気管内チューブへの挿入試験を行った。挿入試験は、実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルをそれぞれ長さ250mmに切断したものを試験片として行った。また、挿入試験は、後述される6条件で、実施例及び比較例1〜3について各々5回を行った。
実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルを用いて、気管内チューブへの挿入試験を行った。挿入試験は、実施例及び比較例1〜3の吸引カテーテルをそれぞれ長さ250mmに切断したものを試験片として行った。また、挿入試験は、後述される6条件で、実施例及び比較例1〜3について各々5回を行った。
[試験装置25]
以下、挿入試験において使用した実験装置25は、インストロン社製のインストロン5564である。実験装置25は、台座26と、台座26から上向きに立設された一対の第1フレーム27と、一対の第1フレーム27の上端部を連結する天板28と、一対の第1フレーム27の間において上下動可能に配置された第2フレーム29とを備えている。なお、以下の説明では、図5に示されるように、実験装置25が使用可能に設置された状態を基準として、上下方向7、前後方向8、及び左右方向9が定義される。
以下、挿入試験において使用した実験装置25は、インストロン社製のインストロン5564である。実験装置25は、台座26と、台座26から上向きに立設された一対の第1フレーム27と、一対の第1フレーム27の上端部を連結する天板28と、一対の第1フレーム27の間において上下動可能に配置された第2フレーム29とを備えている。なお、以下の説明では、図5に示されるように、実験装置25が使用可能に設置された状態を基準として、上下方向7、前後方向8、及び左右方向9が定義される。
図5に示されるように、台座26の上面には、取付部30が設けられている。挿入試験では、頸部見本31を、気管内チューブ(コヴィディエン社製:124−80(内径8mm))に取り付けられたコネクタが第2フレーム29と対向するように、取付部30に固定された状態で取り付けた。
顎部見本31は、図6に示されるように、アクリル板32と、アクリル板32に取り付けられた気管内チューブとを備えている。アクリル板32は、人体の顎部を模した形状の部材である。アクリル板32には、気管内チューブが概ね90度に湾曲された状態で取り付けられている。アクリル板32は、患者の頭部と概ね同じ大きさである。つまり、顎部見本31は、気管内チューブが実際に患者に挿入された状態を模した部材である。
図5に示されるように、第2フレーム29の下面には、取付部33が設けられている。取付部33に、実施例及び比較例1〜3に係る吸引カテーテルの各試験片を、長手方向が上下方向となるように固定治具34を介して取り付けた。つまり、実施例及び比較例1〜3のそれぞれが取付部33に取り付けられた状態(実験装置25にセットされた状態)において、実施例及び比較例1〜3の各試験片の一端は上端であり、他端は下端となる。
各試験片の下端から長さ15[mm]の部分が気管内チューブ内において後壁35(図6参照)に当接するように、実験装置25にセットした。その状態で、各試験片を200[mm/分]の速度で下降した。
[条件1]
試験環境を25℃、湿度35%として、各試験片の外面及び気管内チューブの内面が乾燥した状態で挿入試験を行った。
試験環境を25℃、湿度35%として、各試験片の外面及び気管内チューブの内面が乾燥した状態で挿入試験を行った。
[条件2]
各試験片の外面が乾いた状態であり、気管内チューブを35℃に温めて内面を霧吹きによって濡らした状態とした他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
各試験片の外面が乾いた状態であり、気管内チューブを35℃に温めて内面を霧吹きによって濡らした状態とした他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
[条件3]
各試験片及び気管内チューブが霧吹きによって濡らされた状態として、挿入試験を行った。なお気管内チューブは35℃に温めた。その他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
各試験片及び気管内チューブが霧吹きによって濡らされた状態として、挿入試験を行った。なお気管内チューブは35℃に温めた。その他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
[条件4]
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を、1000[mm/分]とした他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を、1000[mm/分]とした他は、条件1と同じ条件で挿入試験を行った。
[条件5]
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を1000[mm/分]とした他は、条件2と同じ条件で挿入試験を行った。
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を1000[mm/分]とした他は、条件2と同じ条件で挿入試験を行った。
[条件6]
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を1000[mm/分]とした他は、条件3と同じ条件で挿入試験を行った。
各試験片を気管内チューブへ挿入させる速度を1000[mm/分]とした他は、条件3と同じ条件で挿入試験を行った。
[評価]
各試験片が降下されて気管内チューブにほぼ完全に挿入されるまでに(固定治具34が気管内チューブの上端に到達するまで)、試験片が挿入不可能な程度にまで湾曲や挫屈しなかったときを挿入成功と判定して、5回の挿入のうち成功した回数を下記の表1に示した。
各試験片が降下されて気管内チューブにほぼ完全に挿入されるまでに(固定治具34が気管内チューブの上端に到達するまで)、試験片が挿入不可能な程度にまで湾曲や挫屈しなかったときを挿入成功と判定して、5回の挿入のうち成功した回数を下記の表1に示した。
表1に示されるように、実施例は、条件1〜6の全てにおいて、5回の挿入の試みの全てに成功した。このとき、実施例の気管内チューブへの挿入に必要となった力は、最大で0.045[kgf]であった。一方、比較例1、2は、条件1〜6の全てにおいて、5回の挿入の試みの全てに失敗した。また、比較例3は、条件1において、5回の挿入の試みのうちの1回のみの成功にとどまり、条件2〜5において、5回の挿入の試みの全てに失敗した。
10・・・気管内チューブ
15・・・気管
16・・・コネクタ
17・・・カフ
18・・・細管
19・・・アダプタ
20・・・吸引カテーテル
21・・・吸引経路部
22・・・外面
23・・・内壁
24・・・異物
15・・・気管
16・・・コネクタ
17・・・カフ
18・・・細管
19・・・アダプタ
20・・・吸引カテーテル
21・・・吸引経路部
22・・・外面
23・・・内壁
24・・・異物
Claims (5)
- 体外から気管に挿入された管状の気管内チューブに挿入されることによって、気管に付着した異物の吸引に使用される管状且つ可撓性の吸引カテーテルであって、
上記吸引カテーテルの内面によって区画されており、吸引される異物が通る吸引経路部と、
上記吸引カテーテルの外面で構成されており、上記吸引カテーテルが上記気管内チューブに挿入される際に上記気管内チューブの内面と摺接する摺接部と、を備え、
上記摺接部には、多数の凹凸が形成されている吸引カテーテル。 - 塩化ビニル樹脂からなる請求項1に記載の吸引カテーテル。
- 上記吸引カテーテルが挿入先端を下側に向けて配置され、上記気管内チューブが上記吸引カテーテルの真下に開口を上側に向けた状態で配置された状態で、上記吸引カテーテルを所定速度で下降させて上記気管内チューブに挿入させた場合に、上記吸引カテーテルが上記気管内チューブに引っかかることなく摺動されるように、上記摺接部の凹凸の大きさ及び密度が決定されている請求項1または2に記載の吸引カテーテル。
- 上記吸引カテーテルまたは上記気管内チューブの少なくとも一方が、濡れた状態で配置されている請求項3に記載の吸引カテーテル。
- 上記気管内チューブが、人体の体温に温められた状態で配置されている請求項3または4に記載の吸引カテーテル。
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CN104055561A (zh) * | 2014-07-14 | 2014-09-24 | 上海市肺科医院 | 吸盘式气管镜用取物器 |
WO2016117462A1 (ja) * | 2015-01-22 | 2016-07-28 | テルモ株式会社 | 気管用チューブ |
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JP2021508073A (ja) * | 2017-12-21 | 2021-02-25 | レールダル メディカル エー エスLaerdal Medical AS | 気管吸引を訓練するための装置 |
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2012
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