JP7251879B2 - 気管吸引を訓練するための装置 - Google Patents

Description

本発明は、救急救命士もしくは医師または看護師のような医療従事者の医療訓練のための訓練機器に関する。本発明は、特に、マネキンのような医療シミュレータ上で気管吸引を訓練するための装置に関する。

マネキンのような医療シミュレータには、一般的に、模擬肺と連絡している口腔気道および鼻腔気道が装備されている。肺は、頭部から首部を通って、肺が配置されている胸部に延びるチューブを通って気道に流体的に結合されている。ほとんどのマネキンでは、模擬気管支を介して共通の模擬気管にそれぞれ結合する２つの肺が存在する。気管支および気管は、チューブによって構成される。

そのようなマネキンは、マネキンの設計に応じて、ＣＰＲまたはより高度な医療処置を訓練するために、医療スタッフまたは人々によって頻繁に使用される。

この装置は、主として、マネキンの喉に形成された開口部を通して挿入するように意図されている。開口部は、シミュレータの気管を形成するチューブと接続する。これは、気管切開のための貴重な訓練を提供し、ここでは、患者の皮膚および気管を通してスリットを作るために、患者の喉を切開しなければならない。スリットができたら、気管切開チューブをスリットから気管に挿入する。マネキンでは、スリットは、便利なことに、既に存在しているが、気管切開チューブの挿入によって開かれなければならない。

ＣＰＲの実施中に、チューブおよび肺が汚染されないように、したがって、洗浄および消毒をする必要がないようにするために、通例、換気布などの手段が使用される。これによって、唾液および細菌が気道に入ることが概ね防止できる。

しかしながら、気道内の粘液を吸い出すために気管切開チューブからカテーテルまたは細いチューブを挿入する気管吸引の訓練の際には、飛沫が気道に入らないように設計されたこのような布やその他の手段を使用することは不可能である。

その結果、そのような吸引訓練は、流体が存在しない「乾燥訓練」として行われることが多い。この乾燥吸引は、適切な訓練を提供しない場合がある。その理由は、医療従事者には、処置によって、十分な粘液または幾分かの粘液が吸引されたかが分からないためである。したがって、気道に存在する模擬粘液があることが望ましい。模擬粘液は、訓練に現実感を加えるので、医療従事者には、吸引装置を通る模擬粘液の流れから、吸引が正しく行われていることが直ちに分かる。

粘液は、空気換気圧によって肺に押し込まれることがあるので、粘液が肺に入るのを防ぐために、換気前に気道から粘液を除去することが重要である。肺に粘液がたまると、患者に危害を与え、肺に空気が適切に入らないようになることがある。

特許文献１は、エアバッグ付きの気管チューブが気管の中に挿入されたときに、単純な呼吸器支援換気によって引き起こされる衝撃気流によってエアバッグ上の残留液を除去するのをシミュレートするためのシミュレータを記載している。残留液は、フィルタによって保持され、収集容器に収集される。

この装置は、本発明がシミュレートすることを意図した処置とは異なる処置をシミュレートするためのものである。この公知の装置は、気管吸引をシミュレートするために使用することができない。

したがって、医療シミュレータの気道および肺にいかなる模擬粘液も侵入するリスクなしに、模擬気管吸引を可能にする装置が必要である。

中国実用新案第２０５０９１９５８号

本発明の目的は、模擬粘液がマネキンの肺に入るリスクなしに、気管切開チューブを通る気管吸引および換気に関する現実的な訓練を可能にする装置を提供することである。

以下で、図面を参照して本発明を説明する。

本発明の装置を分解図で示す。 本発明の装置を組立図で示す。 マネキンの中に配置された本発明の装置を示す。

本発明の訓練装置１は、主に、マネキン６０（図３）の喉の気管開口部またはスリットを通って入るように適合されるが、マネキンの口開口部６２（図３）または鼻開口部６３（図３）を通って使用されてもよい。訓練装置は、気管開口部６４（図３）に通される遠位端２と、気管開口部６４の近くで喉の外側に留まるように適合される近位端３とを有する。

図１に示すように、装置１は、気管コア４０を備え、この気管コアは、遠位端２がマネキン６０の気管チューブ６１（図３）内に配置されるように適合された管状部分４０ａを有し、この管状部分は、次に、肺を含む下部気道に通じる。近位端３において、気管コア４０は、以下で更なる説明をするフランジ４を有する。

また、装置は、管状部分１０ａを備える気管インサート１０も含む。遠位端２にはプラグ２０を備えることができるが、好ましい実施形態では、遠位端は閉じている。プラグ２０が使用される場合、インサート１０の内部とプラグ２０との間には摩擦嵌合が存在することもあり、こうして、気密嵌合を形成する。より好ましくない別の選択肢は、プラグ２０が気密嵌合を形成するために、ねじ山を有することもあり、インサート１０の内側の対応するねじ山によって受容される。

近位端３において、インサート１０は、一対のタブ６、７を備えたスリーブ継手５を有し、この一対のタブは、リビングヒンジを介してスリーブ継手５に結合される。

スリーブ継手５と管状部分１０ａとの間には複数の通気開口部８が設けられている。これらの開口部には、液体が通過するのを防止するフィルタを設けることができる。

管状部分の反対側のスリーブ継手の近位端には、インサート漏斗３０が設けられている。インサートは、通気開口部８を隠す。インサート漏斗３０は、吸引ホース（図示せず）の進入を容易にするために円錐形状を有する。

ネックフランジ５０を気管コア４０の周りに設け、フランジ４のすぐ遠位に配置して、装置１をマネキン６０に固定することができる。コア４０は、気管とコアとの間を密封するために、外側に膨張可能なカフ（図示せず）を備えてもよい。ネックフランジは、マネキン６０の首の周りに固定することができるストラップ（図示せず）を受け入れるように適合されたスリットを有する。

使用時には、コア４０は、図３に示すように、マネキンの喉で気管開口部に挿入される。遠位端２は、マネキンの気道チューブによってぴったりと嵌まるように受け入れられるようになっている円錐部分９を有する。ストラップは、マネキンの首の周りに導かれ、ネックフランジ５０に固定される。

次に、プラグ２０（存在する場合）を気管インサート１０の遠位端２にねじ込む。次に、インサート１０に模擬粘液を充填し、コア４０の開放近位端３に供給する。タブは、フランジ４上のノッチ１０と位置合わせされ、フランジ４の後方で把持されて、インサートをコア４０に固定し、インサートとコアとの間にシールを形成する。

インサート漏斗３０は、好ましくは、製造中にスリーブ５の近位端に恒久的に固定される。次に、組み立てられた装置は、図２に示されるようになる（マネキンはこの図には示されていない）。

学生は、気管吸引の訓練をするために、外側端部でシリンジまたは同様の装置に連結されている吸引ホース（図示せず）を、インサート漏斗３０によって形成された開口部に供給する。ホースは、漏斗３０によってスリーブ５内の中心に置かれるので、インサート１０に容易に入る。ホースは、インサート１０の底部までずっと供給することができ、その内部は模擬粘液のためのリザーバとして作用する。

インサート１０内のリザーバは、訓練前と、吸引ホースが所定の位置にあるときに、粘液で満たされる。次いで、吸引訓練を開始することができ、学生および教師は、吸引されている粘液を観察し、聞くことができる。

マネキン６０の換気は、本発明の訓練装置によって妨げられることなく行うことができる。換気空気は、インサート漏斗３０を通って押し込まれる。空気は、インサート１０の内部に入ることはできないが、これは、この端部が閉鎖されることによって、またはプラグ２０があるために、遠位端２で閉鎖されるからである。空気は、その代わりに、複数の開口部８を通ってコア４０上に流れる。コア４０がマネキン６０の気道に結合されると、空気は肺（図示せず）に流入する。

肺が満たされ、換気圧が解放されると、空気は、反対方向に、マネキンの気道からコア４０内に流れ、複数の開口部８を通り、漏斗３０を通って流出する。

液体が気道の中に引き込まれないことを確実にするために、複数の開口部８は、飛沫の通過を効果的に防止するフィルタ材料を備えることができる。

このようにして、気道は、処置を通して清潔に保たれ、乾燥したままにしておくことができる。

訓練が終了したとき、タブ６、７を把持して、フランジ４との係合から外すことによって、インサート１０を容易に取り外すことができる。次いで、インサートをコア４０からスライドさせて、取り出すことができる。プラグ２０が存在する場合、ねじを外してインサートの洗浄を容易にすることができる。インサート１０が恒久的に閉鎖された遠位端を有する場合、インサートは、インサートの内部を洗い流すことによって、引き続き、洗浄されてもよい。

コア４０およびネックフランジ５０は、次の訓練まで所定の位置に残したままにしてもよいし、あるいはストラップを緩めてコア４０を引き出すことによって取り外してもよい。また、インサートは、後続のする複数の訓練の間、所定の場所に残したままにしてもよい。

コアは、気管開口部、または口開口部もしくは鼻開口部および気道を備える任意のマネキン６０にフィットするように適合させることができる。

図３は、マネキン６０がマネキンの気管開口部６４に挿入された訓練装置１を示している。

Claims (8)

1. 気管吸引を訓練するための訓練装置であって、
   医療訓練シミュレータ（６０）の気管、鼻腔（６３）、または口腔（６２）内に配置されるように適合された気管コア（４０）であって、前記医療訓練シミュレータ（６０）の気道に結合され、前記気道とともに換気用のダクトを形成する、気管コア（４０）と、
   前記気管コア（４０）内に挿入されるように適合されたインサート（１０）であって、前記インサート（１０）が遠位端（２）を閉じた状態で模擬粘液のためのリザーバを形成し、インサート漏斗（３０）を介して前記リザーバへの吸引ホースの進入を容易にするためのアクセスを提供する、インサート（１０）と、
   を備える、訓練装置。
2. 前記インサート（１０）の近位端は、前記気管コア（４０）の中に完全に配置されたときに、前記気管コア（４０）の近位端から突出し、吸引ホースのための開口部を形成する、請求項１に記載の訓練装置。
3. 前記気管コア（４０）および前記インサート（１０）は、前記インサート（１０）が前記気管コア（４０）に固定されることを可能にするインターフェースを備え、近位端の前記インサートは、一対のタブを備えたスリーブ継手を有し、前記一対のタブは、リビングヒンジを介して前記スリーブ継手に結合される、請求項１に記載の訓練装置。
4. 前記インサート（１０）と前記気管コア（４０）の近位端との間に空気開口部（８）が形成され、空気が前記インサート（１０）の前記近位端の開口部を通って前記気管コア（４０）に入るか、または前記気管コア（４０）から逃げることを可能にする、請求項１に記載の訓練装置。
5. 前記空気開口部（８）は、前記インサート（１０）のインサートチューブ（１０ａ）よりも大きな直径を有するスリーブ（５）の遠位端に形成される、請求項４に記載の訓練装置。
6. 前記インサート（１０）の遠位端（２）は、閉鎖端であり、前記閉鎖端は、前記気管コア（４０）の中に配置されるように適合される、請求項１に記載の訓練装置。
7. インサート漏斗（３０）が、前記インサート（１０）の近位端で開口部に配置されるように適合される、請求項１に記載の訓練装置。
8. 前記インサート（１０）が、前記気管コア（４０）の内径よりも小さい外径を有し、それらの間を空気が通過できるようにする、請求項１に記載の訓練装置。

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