JP2001500048A - 気管内吸引プローブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、人工呼吸中の患者から痰を吸引するための気管内カテーテル（５）に関する。本発明は、このカテーテル（５）は加圧状態の呼吸混合気を継続的に吹き込むチャネル（９）を備えており、この吹き込みチャネル（９）の先端オリフィス（１２）が側方にあると共に吸引カテーテル（５）の先端部（５Ｅ）から十分に離れていることによって、吸引カテーテル（５）が呼吸管（１）内の最大挿入位置にある時ても、先端オリフィス（１２）は呼吸管（１）の内壁（１Ｉ）と向き合う位置にあることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】 気管内吸引プローブ 本発明は、人工呼吸中の患者用の気管内吸引プローブに関する。 人工呼吸中の患者は気管に入れた呼吸管によって人工呼吸器に接続されて、そ の人工呼吸器から呼吸ガスを供給されることは周知である。そのような患者は痰 を分泌し、これを１日に数回、除去する必要がある。この痰を吸引するプローブ も周知である。呼吸管の構造に応じて、そのようなプローブは呼吸管の代わりに 、または呼吸管にはめ込んで気管に挿入することができ、痰の吸引中、人工呼吸 を中断しなければならない場合も、反対に持続できる場合もある。 しかし、痰の吸引中も人工呼吸が持続される最も好ましい場合でも、患者に低 酸素血症が生じる危険性は少なくなく、これは心臓の動きを遅くし、停止させる ことさえあり、これらの危険性は、人工呼吸器が約１／３の時間だけ呼吸ガスを 吹き込むことに起因している。このため、残りの２／３の時間では痰の吸引によ って肺虚脱が発生する可能性がある。 本発明の目的は、人工呼吸中の患者から痰を吸引する間の低酸素血症の危険性 を完全に排除することである。 このため、本発明によれば、気管に入れた呼吸管によって人工呼吸器に接続さ れている人工呼吸中の患者から痰を吸引するために、吸引手段に接続されると共 に呼吸管に挿入される気管内吸引プローブは、加圧状態の呼吸ガスを継続的に吹 き込むチャネルを備えていることと、この吹き込みチャネルの先端オリフィスが 側方にあると共に吸引プローブの先端部から十分に離れていることによって、吸 引プローブが呼吸管内の最大挿入位置にある時でも、先端オリフィスは呼吸管の 内壁と向き合う位置にあることを特徴としている。 このため、痰の吸引中、呼吸ガスが患者の気管に吹き込まれるため、肺虚脱が 起こることはあり得ない。さらに、吹き込みチャネルの先端オリフィスは呼吸管 の内壁と向き合う位置にあるため、この吹き込みガスが気管および気管支の粘膜 を傷つけることはあり得ない。 この結果を得るために、大人用の場合、吹き込みチャネルの先端オリフィスと 吸引プローブの先端部の間の距離を少なくとも１０ｃｍにするのが好都合であり 、好ましくは少なくともおよそ１５ｃｍにするのが好ましい。幼い子供用のプロ ーブの場合、この距離を少なくとも２ｃｍにすることができる。 この吸引プローブ内に、吸引プローブの先端部付近に開いて肺の圧力測定に使 用されるチャネルを設けて、肺虚脱を防止すべく呼吸ガスの流量を調節するため にこの圧力測定用のチャネル内の圧力を使用するのが好都合である。 吹き込みガスは、例えば酸素にすることができる。 好適な実施の形態では、吹き込みチャネルおよび圧力測定用のチャネルの両方 またはいずれか一方が吸引プローブの壁に形成されている。 好ましくは、吹き込む呼吸ガスの圧力は３．５バール以下に選択される一方、 吸引プローブの先端部の負圧は数百ミリバール程度である。 添付の図面は、本発明をいかに実現できるかをわかりやすく示している。これ らの図面において、同一の参照番号は同様な部材を示している。 第１図は、本発明に従った気管内吸引プローブの、呼吸管に挿入されている状 態での概略的な長手方向断面図である。 第２図は、第１図のＩＩ−ＩＩ線に沿った断面図である。 第１図において、概略的に示されている呼吸管１は、接続線３で人工呼吸器２ に接続されており、図面では気管４だけが示されている患者の呼吸に使用される 。この目的のために、この呼吸管１の先端部分１Ｄは気管４に入っているのに対 して、呼吸管１の基部１Ｐは患者の口（図示せず）から突出し、患者の口の外に あって接続線３で人工呼吸器２に接続されている。 患者から痰を吸引するためのプローブ５を呼吸管１に挿入することができる。 プローブ５は中央にある長手方向の管腔６を含み、その基部６Ｐは接続線８で吸 引器７に接続されている。吸引器７は、例えば数百ミリバールの負圧をプローブ ５の先端部５Ｅに発生する。 吸引プローブ５は、例えばその壁の厚さ内に形成された第１長手方向チャネル ９を備えており、その基部９Ｐは接続線１１で加圧状態の呼吸ガス源１０に接続 されている。長手方向チャネル９は、プローブ５の先端部分５Ｄにおいてその先 端部５Ｅから距離ｄのところに形成された側方オリフィス１２を介して、プロー ブ５の壁に開口している。プローブ５が大人用である場合、その距離ｄは１０ｃ ｍないし１５ｃｍ程度である。呼吸ガス源１０は第１長手方向チャネル９に、例 えば酸素を主成分とした吹き込みガスを送り込むため、吸引中に継続して呼吸ガ スジエットが側方オリフィス１２から出る。この呼吸ガスジェットの圧力は３． ５バール以下である。 吸引プローブ５はさらに、例えばその壁の厚さ内に形成された第２長手方向チ ャネル１３を備えており、その基部１３Ｐは接続線１４で圧力センサ１５に接続 されている。長手方向チャネル１３は、プローブ５の先端部分５Ｄにおいてその 先端部５Ｅに近接させて形成された側方オリフィス６を介して、プローブ５の壁 に開口している。 圧力センサ１５は、接続線１７で呼吸ガス源１０に接続されている。 吸引プローブ５は、例えばオペレータ（図示せず）が指１８でプローブの基端 部５Ｐを把持することによって手で保持される。 第１図では、吸引プローブ５はすでに人工呼吸管１にはめ込まれている。それ は、オペレータの指１８によってその基端部５Ｐで保持されて、その指は気管内 管１の基端部１Ｐに当接しており、これによって管１内へのプローブ５の最大挿 入位置が定められる。 この最大挿入位置にあっても、吹き込みオリフィス１２は管１の内壁１Ｉと向 き合う位置にあるため、オリフィス１２から出る継続的な吹き込みガスジェット はこの内壁に衝突し、管１によって患者の肺の方へ拡散されるため、気管および 気管支の粘膜を傷つける恐れはない。 患者の肺の中の呼吸ガスの圧力はオリフィス１６で捕捉されて、チャネル１３ および接続線１４を介して圧力センサ１５に伝達され、この圧力センサ１５は接 続線１７で呼吸ガス源１０の送り出し流量を制御して、低酸素血症を完全に防止 できるような値に調節することができる。 このため、吸引器７および接続線８によってプローブ５の管腔６で痰を吸引す る間、患者の肺の呼吸ガスの圧力を常に最適化することができる。 吸引プローブ５の管１（第１図）への挿入またはそれからの取り出しを容易に 行うことができることは容易に理解されるであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．気管（１４）に入れた呼吸管（１）によって人工呼吸器（２）に接続されて いる人工呼吸中の患者から痰を吸引するために、吸引手段（７）に接続されると 共に該呼吸管（１）に挿入される気管内吸引プローブ（５）であって、 加圧状態の呼吸ガスを継続的に吹き込むチャネル（９）を備えており、 該吹き込みチャネル（９）の先端オリフィス（１２）が側方にあると共に前記 吸引プローブ（５）の先端部（５Ｅ）から十分に離れていることによって、前記 呼吸管（１）内の最大挿入位置にある時でも、前記先端オリフィス（１２）は前 記呼吸管（１）の内壁（１Ｉ）と向き合う位置にあることを特徴とする気管内吸 引プローブ（５）。 ２．大人用であって、前記吹き込みチャネル（９）の前記先端オリフィス（１２ ）と前記吸引プローブの前記先端部（５Ｅ）の間の距離（ｄ）は少なくとも１０ ｃｍであることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の吸引プローブ。 ３．前記距離（ｄ）は少なくとも約１５ｃｍであることを特徴とする請求の範囲 第２項に記載の吸引プローブ。 ４．前記吸引プローブ（５）の前記先端部（５Ｅ）付近に開口（１６）して肺の 圧力測定に使用されるチャネル（１３）を備えていることを特徴とする請求の範 囲第１項から第３項までのいずれか１項に記載の吸引プローブ。 ５．肺の圧力測定用の前記チャネル（１３）内の圧力は、吹き込まれる呼吸ガス の流量を制御することを特徴とする請求の範囲第４項に記載の吸引プローブ。 ６．吹き込まれる前記呼吸ガスは酸素を主成分としていることを特徴とする請求 の範囲第１項から第５項までのいずれか１項に記載の吸引プローブ。 ７．前記吹き込みチャネル（９）を前記プローブ（５）の壁に形成していること を特徴とする請求の範囲第１項から第６項までのいずれか１項に記載の吸引プロ ーブ。 ８．前記圧力測定用の前記チャネル（１３）を前記プローブ（５）の壁に形成し ていることを特徴とする請求の範囲第４項から第７項までのいずれか１項に記載 の吸引プローブ。 ９．吹き込まれる呼吸ガスの圧力は３．５バール未満であることを特徴とする請 求の範囲第１項から第８項までのいずれか１項に記載の吸引プローブ。 １０．前記吸引プローブ（５）の前記先端部の負圧は数百ミリバール程度である ことを特徴とする請求の範囲第１項から第９項までのいずれか１項に記載の吸引 プローブ。