JP3181410B2 - ティンフリースチール製缶胴の溶接方法 - Google Patents

ティンフリースチール製缶胴の溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スリーピース缶用の缶
胴の溶接方法に関し、特に、円筒状に成形したティンフ
リースチール板の両端縁部の重ね合わせ部分を超音波シ
ーム溶接法により直接溶接できるようにしたティンフリ
ースチール製缶胴の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ビールやその他の炭酸飲料のよう
に内圧が加わる用途においては、深絞り加工としごき加
工を組み合わせたDI方式によるアルミあるいはスチー
ルのツーピース缶が広く使用されているものの、コーヒ
ー飲料その他の非炭酸飲料や食缶のような内圧の加わら
ない用途においては、DI方式によるツーピース缶では
缶胴が強度面から不適当とされていることから、缶蓋、
缶胴、缶底がそれぞれ別体で形成されたスチール製のス
リーピース缶が多く使用されている。
【0003】このようなスチール製のスリーピース缶に
おいては、表面処理鋼板のブランクを湾曲し、その両端
縁部を重ね合わせて円筒状に成形し、その重ね合わせ部
を溶接することによりスリーピース缶用の缶胴を製造す
る場合の溶接方法として、電気抵抗シーム溶接という方
法が一般的に適用されている。
【0004】すなわち、円筒状に丸められた表面処理鋼
板ブランクの両端縁部の重ね合わせ部を、上下両電極ロ
ールにより構成される溶接箇所にて両電極ロール間に挟
み込んで送る間に、電極ロールからの電流通過時の抵抗
による加熱と、両電極ロール間の挟み込みによる加圧と
によって溶接するものである。(必要とあれば、例えば
特開昭57−165187号公報、特開昭57−187
182号公報、特開昭57−193284号公報等参
照)
【0005】また、上記のような電気抵抗シーム溶接法
によりスチール製の缶胴を溶接する場合、これを大気下
で行うと溶接部表面に900Åを超える厚くて脆い酸化
鉄皮膜を形成することとなり、これがネックイン加工や
フランジ加工を受けると鋼層から剥離してしまい缶品質
上問題となるため、わざわざ窒素ガス雰囲気で溶接を行
うことにより、溶接部表面の酸化鉄皮膜を300〜90
0Å程度の厚さとして、耐蝕性の良い溶接部を形成する
ということも行われている。(特公平1−60540号
公報参照)
【0006】一方、アルミニウム合金製の缶において
は、従来DI方式又は絞りと再絞りを組み合わせたDR
D缶方式によるツーピース缶以外にスリーピース缶の製
造は行われていない。これは材料が高価であることと、
材質の関係から電気抵抗シーム溶接法を適用することが
困難であるためである。
【0007】そこで、電気抵抗による溶接が困難なアル
ミニウム合金製の缶において超音波シーム溶接法を適用
することも考えられるが、この超音波シーム溶接法によ
れば、スチール缶における電気抵抗シーム溶接法と比べ
て、極めて溶接速度が遅い(例えば、板厚0.2mmに
おいては、スチール缶の場合は30〜60m/分なの
に、1m/分程度)という難点がある。
【0008】この点を克服してもっと高速の溶接速度
(10m/分程度)でアルミニウム合金製の缶胴の溶接
を可能とするために、超音波シーム溶接時における端部
同士の重ね代を0.5〜4.0mmの範囲内とし、その
重ね合わせ部の全体を押し潰しながらその厚みの変化度
が20〜50%となるように超音波シーム溶接する、と
いう技術が提案されている。(特公平3−54033号
公報)
【0009】しかしながら、スチール製の缶胴を製造す
る場合の溶接法として、超音波シーム溶接法が採用され
たり、あるいはそのような提案がなされたことは、本発
明者が知る限りにおいては未だない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近はスリ
ーピース缶の製缶コストを低減させるために、錫メッキ
量の非常に少ない錫メッキ鋼板や錫メッキ層を全く持た
ないニッケルメッキ鋼板を用いて溶接缶胴を製造すると
いうことが行われている。
【0011】そこで、材料コストの低減、あるいは塗膜
の密着性という観点から、缶蓋に広く使用されている電
解クロム酸処理鋼板、即ちティンフリースチール板(T
FS−CT)を缶胴材として使用することが有利である
と考えられるが、ティンフリースチール板はその表面皮
膜が電気の不良導体であるので、そのままでは電気抵抗
シーム溶接することができない。
【0012】もっとも、溶接予定部の表面皮膜を予め剥
離しておくと溶接できるが、剥離作業が面倒であるし、
剥離した微粉末が浮遊して作業環境を悪くしたり、剥離
した微粉末が缶胴ブランクに付着するのを防止するのが
難しい等の理由で、実際には比較的溶接速度が遅い10
リットル缶以上の大型缶の一部に採用されているだけで
ある。
【0013】本発明は、上記のような電気抵抗シーム溶
接法によるティンフリースチール製の缶胴の溶接法の持
つ不都合を解消することを目的としており、より具体的
には、ティンフリースチール製缶胴の溶接について、
接するときの条件を限定して超音波シーム溶接法の適用
を可能とすることにより、ティンフリースチール板の重
ね合わせ部分の表面皮膜を溶接前に予め剥離するという
前処理を施すことなく、しかも、特に不活性ガス雰囲気
中で溶接せずとも耐蝕性の良い溶接部を形成できるよう
することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決しかつ目的を達成するために、ティンフリースチー
ル板のブランクを湾曲させ、その両端縁部を重ね合わせ
て円筒状に成形してから、その重ね合わせ部分を溶接す
ることによりスリーピース缶用の缶胴を製造するのに際
して、ブランクとなるティンフリースチール板の厚さ
(t)を0.3mm以下としティンフリースチール板
の両端縁部の重ね代(w)を0.3〜1.2mmとし、
且つ、ティンフリースチール板の厚さに対する重ね代の
割合(w/t)を2.0〜5.0とすると共に、ティン
フリースチール板の重ね合わせ部を、超音波溶接ホーン
とアンビルとで加圧力が20〜100kgfとなるよう
に挟み込んで、この重ね合わせ部分を超音波溶接法によ
り直接溶接するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0015】
【作 用】上記のような構成により、ティンフリースチ
ール製の缶胴に対して、超音波シーム溶接法を適用し
て、従来の電気抵抗シーム溶接法の場合に近い溶接速度
によって、良好な溶接状態で溶接を行うことができる。
【0016】すなわち、溶接されるティンフリースチー
ル板の厚さ(t)が0.3mmを超える場合には、重ね
合わせ部分にかかる加圧力を非常に高くすれば溶接を行
うことは不可能ではないが、超音波溶接ホーンにかかる
負荷が過剰となり、ティンフリースチール板の溶接部分
の変形が著しくなり、実用上不適当なものとなる。
【0017】また、重ね合わせ部分となるティンフリー
スチール板の両端縁部の重ね代(w)が1.2mmを超
えると、未溶接部分を生じ、その後の製缶工程でのフラ
ンジ成形や蓋の巻締め等の加工の際に該未溶接部分から
クラック(割れ)が発生することとなり、0.3mm未
満であると、溶接部分の接合面積が少なくなって溶接強
度が不足し、やはりフランジ成形や蓋の巻締め等の加工
の際に該溶接部分が剥離することとなる。
【0018】なお、ティンフリースチール板の両端縁部
の重ね代(w)とティンフリースチール板の厚さ(t)
の関係については、たとえ板厚(w)が0.3〜1.2
mmの範囲内にあっても、板厚と重ね代の比(w/t)
が5.0を超える場合には、やはり未溶接部分を生じや
すく、(w/t)が2.0未満の場合には、溶接部分の
強度低下を生じる。
【0019】さらに、超音波溶接ホーンとアンビルとで
挟んで加える重ね合わせ部分への加圧力については、2
0kgf未満である場合には溶接強度が低下し、100
kgfを超える場合には、超音波溶接ホーンに過負荷が
かかると共に、ティンフリースチール板の溶接部分近傍
にシワが発生する場合がある。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1および図2は、本発明に係るティ
ンフリースチール製缶胴の溶接方法を実施するための缶
胴製造装置における溶接装置10の一例を示すものであ
って、溶接装置10は、図1に示すように、矢印I方向
(缶胴16の接線方向)に振動する超音波振動子12
と、この超音波振動子12の先端部分13に回転可能に
設けられている超音波溶接ホーン24と、超音波溶接ホ
ーン24に対向して回転可能に設けられたアンビル14
と、この溶接装置10に送り込まれてくる缶胴16を一
定の円筒状態に保持するための保持ロール26a...
26gとを有するものであり、保持ロール26a...
26gは、それぞれが缶胴16の曲率と同様の凹みを有
する鼓状ロールからなり、缶胴16のほぼ全周にわたっ
て配置されるものである。
【0021】この溶接装置10には、電気抵抗シーム溶
接法を適用した従来公知の缶胴の製造方法の場合と同様
に、積み重ねた状態から1枚づつ引出された板状のティ
ンフリースチールのブランクが、丸められて中空の円筒
体とされた後、その両端縁部が、例えば図3に示すよう
な従来公知の案内部品(Zバー)の最初の部材3の溝部
分6に挿入されて、溶接装置10に向かって溝部分6、
7、8と前進させられながら、次第の重ね合った形態と
され、重ね合わせ部分18が未接合の状態の缶胴とされ
て、案内部品5の最後の部材5の溝8から離されて送り
込まれてくるものである。
【0022】このように、ティンフリースチール板の両
端縁部を重ね合わせ部分18として円筒状に成形された
缶胴16は、重ね合わせ部分18が超音波溶接ホーン2
4とアンビル14との間に挟み込まれるように、案内部
品1から溶接装置10に連続的に送り込まれた後、図2
に示すように、超音波溶接ホーン24とアンビル14と
からなる溶接箇所において重ね合わせ部分18の溶接が
行われる。
【0023】この溶接の状態を図6により更に詳しく説
明すると、図6(A)に示すように、超音波溶接ホーン
24とアンビル14との間に重ね合わせ部分18が挟圧
されている状態で、超音波振動子12の振動に伴って超
音波溶接ホーン24が缶胴16の接線方向(矢印I方
向)に振動することにより、重ね合わせ部分18は、図
6(B)に示すように、超音波溶接ホーン24とアンビ
ル14とによりその接線方向に挟圧されつつ擦りつけら
れて次第に溶接され、図6(C)に示すような状態に溶
接される。
【0024】その際、超音波溶接ホーン24とアンビル
14とは、いずれも缶胴16の進行方向に回転可能であ
るので、缶胴16の溶接部分20に過大の負担をかけて
傷等をつけると言う恐れはない。
【0025】また、このような溶接時においては、超音
波溶接ホーン24の振動方向(矢印I方向)は缶胴16
の円筒形状が開く方向に働くのであるが、図1に示すよ
うに、缶胴16は保持ロール26a...26gにより
一定の円筒状態が保たれるように保持されているため、
超音波溶接ホーン24の接線方向の振動に対しても、缶
胴16は変形を生じることなく、重ね合わせ部分18が
隔離することもない。
【0026】なお、このような溶接装置10において
は、図6にも示されているように、少なくとも超音波溶
接ホーン24の重ね合わせ部分18との接触面に溝28
等の凹凸が設けられていることが好適であり(図示され
ているものでは、超音波溶接ホーン24と対向するアン
ビル14の重ね合わせ部分18との接触面にも同様に溝
29が設けられている。)、特に、振動方向に直交する
或いは交差する方向への溝あるいは線状突起を設けるこ
とが好適である。このように超音波溶接ホーン24の
ね合わせ部分18との接触面に凹凸を設けた場合には、
溶接性が向上し、超音波溶接ホーン24の加圧力をより
低減させることができる。
【0027】上記のような溶接装置により、重ね合わせ
部分を除いて表裏両面に缶用塗料が塗布され焼付けられ
ているティンフリースチール板のブランクを用いて、以
下に示すような条件下で溶接性試験を行い、フランジ加
工を施した後に、溶接部の適否を評価した結果について
は、下記の表1に示す通りである。
【0028】溶接条件 溶接雰囲気:大気下 溶接速度:10m/分重ね合わせ部分 加圧力:30〜50kgf 超音波溶接ホーン先端振幅:20μm 超音波溶接ホーン振動周波数:20KHz
【0029】なお、溶接の適否の評価においては、溶接
できない場合には(溶接不全)、一応溶接はできるが、
図5(a)に示すように、溶接部20の接合面積が小さ
くて溶接強度が低く、フランジ成形の際に溶接部が剥離
する場合には(強度不足)、図5(b)に示すように、
溶接部の両端部に未溶接部30を生じ、フランジ成形の
際に該未溶接部30からクラックが生じた場合には(溶
接部割れ)とした。
【0030】
【表1】
【0031】上記の表1から明らかなように、ティンフ
リースチール板は、厚さ(t)が0.3mm以下であれ
ば、条件を調整することにより、超音波溶接が可能であ
る。
【0032】また、重ね代(w)は、0.3〜1.2m
mで溶接可能であるが、この範囲内にあっても、板厚
(t)が0.15mmの場合には、重ね代(w)が0.
9mmで未溶接部を生じ、また、板厚(t)が0.3m
mの場合には、重ね代(w)が0.5mmでも強度不足
を生じることから、重ね代と板厚の比(w/t)が極め
て重要な意味をもっていることが理解される。すなわ
ち、重ね代(w)が0.3〜1.2mmであることを前
提として、重ね代と板厚の比(w/t)が、2.0〜
5.0にあることが必須の要件であるものと考えられ
る。
【0033】ところで、上記のような条件下で良好に溶
接されたティンフリースチール製缶胴の溶接部表面につ
いて見ると、大気下での溶接にもかかわらず黄金色や茶
色を呈している。これは溶接部表面の酸化皮膜が400
〜700Åの範囲の厚さの酸化鉄であることを示すもの
であり、このような厚さの範囲の酸化鉄は、その下層の
鋼層との密着性に優れていると共に、溶接後に溶接部表
面に補修塗装される塗膜との密着性に優れている性質を
有するものである。
【0034】すなわち、本発明の溶接方法によれば、大
気下での溶接であるにもかかわらず、電気抵抗シーム溶
接法のように溶接部表面に900Åを超える厚くて脆い
酸化鉄皮膜(ネックイン加工やフランジ加工を受けると
鋼層から剥離してしまう)が形成されることなく、鋼層
および塗膜との密着性に優れた性質を持つ適当な厚さの
酸化皮膜が形成され、耐蝕性に優れた溶接部となってい
ることがわかる。
【0035】上記のような本発明の溶接方法における溶
接速度(缶胴の送り速度)については、上記の溶接性試
験においては10m/分で試験を行ったが、超音波ホー
ンの先端振幅を大きくすることにより、30m/分程度
までは好適に溶接することができる。溶接速度を一層向
上させるためには、2回溶接(タンデム式)あるいは
ね合わせ部分への事前加熱(レザー、赤外線等による)
等の手段を採用すると良い。
【0036】また、重ね合わせ部分への加圧力について
は、上記の溶接性試験においては30〜50kgfで試
験を行ったが、20〜100kgfの範囲で好適に溶接
することができ、加圧力が20kgf未満であると、加
圧力不足により溶接強度が低下し、蓋の巻締め時等にお
いて溶接部分が剥離し、また、加圧力が100kgfを
超えると、溶接部近傍にシワが発生し、製品価値を低下
させる場合がある。
【0037】さらに、超音波振動する溶接ホーンの先端
の振幅については、上記の溶接性試験においては20μ
mで試験を行ったが、10〜40μmの範囲で好適に溶
接することができ、もし振幅が10μm未満であると、
実質的に溶接エネルギー不足となって溶接強度が不足
し、フランジ成形時又はその後の缶蓋巻締時に溶接部が
割れてしまい、また振幅が40μmを超えると、溶接ホ
ーンの劣化が著しく早くなる傾向にある。
【0038】さらにまた、超音波溶接ホーンの周波数に
ついては、上記の溶接性試験においては20KHzで試
験を行ったが、10〜30KHzの範囲で好適に溶接す
ることができる。
【0039】なお、ティンフリースチール板のブランク
に施される塗装については、溶接時に塗膜同士が擦れ合
うとスリップして溶接不可になりやすく、また、溶接で
きても溶接部分に不純物が混入して強度不足となる場合
があるため、電気抵抗シーム溶接する缶胴ブランクと同
様に、重ね合わせ部分となるブランクの両端縁付近を除
いた抜き塗装とする必要があり、この未塗装部分には溶
接後に補修塗装を施すのがよい。
【0040】以上、本発明のティンフリースチール製缶
胴の溶接方法を実施例に基づいて説明したが、これによ
れば、ブランクとなるティンフリースチール板の厚さ、
重ね合わせ部分となるティンフリースチール板の両端縁
部の重ね代、重ね合わせ部分への加圧力をそれぞれ特定
の範囲に調整することより、ティンフリースチール製缶
胴において超音波シーム溶接法による溶接が実用上可能
となるものであることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したような本発明のティンフリ
ースチール製缶胴の溶接方法によれば、従来のティンフ
リースチール製缶胴の溶接では前処理として必ず行って
いた重ね合わせ部分の表面皮膜の剥離工程を省略して
も、缶胴の溶接を超音波シーム溶接法により良好に行う
ことができることから、耐蝕性に優れた溶接部を得るた
めに従来のスチール製缶胴の電気抵抗シーム溶接法で行
っていた溶接雰囲気を不活性ガス雰囲気とするような手
間をかけることなく、優れた溶接缶胴を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のティンフリースチール製缶胴の溶接方
法を実施するための溶接装置の一例による缶胴の溶接状
態を示す正面から見た説明図。
【図2】図1に示された溶接装置による缶胴の溶接状態
を示す側方から見た説明図。
【図3】缶胴を溶接装置に送り込むための従来公知の案
内部品(Zバー)の一例を示す側面図。
【図4】図3に示す案内部品(Zバー)により缶胴が溶
接装置の方向に案内されている状態を示す一部断面図。
【図5】溶接されたティンフリースチール製缶胴の溶接
不良の各状態(A)、(B)を示す一部拡大断面図。
【図6】図1に示された溶接装置による缶胴の溶接開始
時の状態(A)、溶接中の状態(B)および溶接後の溶
接箇所(C)を示す一部拡大断面図。
【符号の説明】
16 ティンフリースチール板 24 超音波振動ホーン 14 アンビル 18 重ね合わせ部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/10 B21D 51/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ティンフリースチール板のブランクを湾
    曲させ、その両端縁部を重ね合わせて円筒状に成形して
    から、その重ね合わせ部分を溶接することによりスリー
    ピース缶用の缶胴を製造するのに際して、ブランクとな
    るティンフリースチール板の厚さ(t)を0.3mm以
    下としティンフリースチール板の両端縁部の重ね代
    (w)を0.3〜1.2mmとし、且つ、ティンフリー
    スチール板の厚さに対する重ね代の割合(w/t)を
    2.0〜5.0とすると共に、ティンフリースチール板
    の重ね合わせ部を、超音波溶接ホーンとアンビルとで加
    圧力が20〜100kgfとなるように挟み込んで、こ
    の重ね合わせ部分を超音波溶接法により直接溶接するよ
    うにしたことを特徴とするティンフリースチール製缶胴
    の溶接方法。
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