JP3181392B2 - 安定な水性透明液及びその製造方法、並びに凍結乾燥粉末 - Google Patents

安定な水性透明液及びその製造方法、並びに凍結乾燥粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の脂質1種以上と
高級脂肪酸及び/又は脂肪族アミンとを水中に均質に含
有する安定な水性透明液及びその製造方法、更には、
記水性透明液の凍結乾燥粉末に関する。
【0002】
【従来の技術】脂質を水と混ぜ合わせて安定に維持させ
ることは、化粧品、食品及び医薬品等の多分野において
脂質を使用する際に極めて重要である。脂質は一般に有
機溶媒に可溶性であるが、水には不溶性ないし難溶性で
ある。従って、脂質を水と混合すると、脂質と水が互い
に接触面で反発しあい、接触面積をできる限り小さくし
ようとする作用により油相と水相の2層に分離する。こ
の混合物を機械的に攪拌すれば脂質を小粒子として水中
に分散させることもできるが、接触面積が著しく大きく
なり、このような分散状態は極めて不安定であるので、
攪拌を停止するともとの2層分離状態に戻ってしまう。
このような脂質を水と混ぜ合わせて安定に維持するため
には、次に示すような方法が従来から主に用いられてき
た。 (1)有機溶媒(特には水親和性を有する有機溶媒)に
脂質を溶解させた後で水と混和させるか、あるいは有機
溶媒─水の混合液に脂質を溶解させる方法。 (2)シクロデキストリンの包接能を利用して、脂質の
疎水基を取り込ませることにより脂質を水中に分散させ
る方法。 (3)合成界面活性剤の1種又は複数種の適当な組み合
わせを用い、脂質を水中に分散、更には可溶化させる方
法。
【0003】しかしながら、これらの溶解又は分散方法
にはいずれも欠点が存在する。まず、有機溶媒を用いる
前記方法(1)は、有機溶媒が混入しているので使用範
囲が限定されてしまう。また、有機溶媒によって脂質が
変質してしまうことがある。更に、有機溶媒の揮発を防
ぐことが必要となり、取り扱いが不便である。シクロデ
キストリンを用いる前記方法(2)は、脂質をはじめと
する種々の水不溶性化合物に対して多方面で利用されて
いる。シクロデキストリンが有する環状構造内にゲスト
化合物分子の疎水性基が取り込まれて包接化合物が形成
され、水不溶性化合物が水中に分散される。しかしなが
ら、ゲスト化合物である脂質の疎水性基の大きさや構造
によっては、充分に満足な分散が得られないこともあ
る。また、調製後の時間経過に伴って、沈澱が生ずる場
合やシクロデキストリンによって脂質の分解が促進され
ることもある。シクロデキストリン自体の溶解性にも不
充分な点があり、更に、脂質がそのままの形ではなく包
接化合物の形で分散されるため、脂質が本来有している
機能特性が充分に発現されず、目的とする効果が得られ
ないこともある。
【0004】界面活性剤を用いる前記方法(3)も、脂
質をはじめとする多数の水不溶性化合物の分散に利用さ
れている。界面活性剤の種類も、アニオン、カチオン、
両性及び非イオン界面活性剤と多岐に渡り、極めて多数
の活性剤が知られている。水不溶性化合物の物性や使用
目的に応じて最適の界面活性剤を1種又は複数種選択し
て利用することができるので、選択自由度が一般的には
広く、前記方法(1)〜(3)の中では最も広く利用さ
れている。しかしながら、食品分野で利用する場合に
は、食品添加物としての観点から各種の制限があるの
で、使用することのできる界面活性剤の種類は限られて
しまう。また、医薬品分野において、例えば注射剤に界
面活性剤を添加する際には、界面活性剤による溶血作用
を防止するために、使用する界面活性剤の種類や使用量
に細心の注意を払う必要がある。また、毒性を考慮しな
くてはならない場合もある。更に診断薬分野において
も、例えば生体内酵素活性を測定する試薬に利用する際
は,界面活性剤による酵素活性阻害作用に対して注意が
必要である。
【0005】界面活性剤の利用については、その添加量
も重要な問題である。また、可溶化液を調製する場合に
は、エマルションやサスペンションの場合よりも多量の
界面活性剤が必要となる。例えば、特開昭59−918
98号公報には、脂質の1種であるモノグリセライド又
は1,2−ジグリセライドの透明可溶化液を得るため
に、その脂質5〜100重量部に対し非イオン界面活性
剤100〜500重量部を用いて透明液を調製している
が、充分に満足な結果が得られたとはいえない。即ち、
脂質と同量あるいは数倍量の界面活性剤を含むことにな
るので、界面活性剤を含有することによるマイナスの効
果(例えば、食品分野や医薬品分野において界面活性剤
が有する前記の種々の問題)の比重が更に大きなものに
なるからである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
における前記の各種欠点を解消するために、脂質を水に
混ぜ合わせるために加える添加剤の量を減少させる研究
を鋭意行なったところ、脂肪酸又は脂肪族アミンを添加
剤として用いると、少量の使用で脂質の安定な透明液を
得ることができることを見出した。本発明は、こうした
知見に基づくものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は中性
脂質、真性ロウ、ステロール、ステロールエステル、リ
ン脂質、糖脂質、硫脂質、高級アルコール、高級炭化水
素及び脂溶性ビタミンからなる群から選んだ水不溶性化
合物と高級脂肪酸又は脂肪族アミンとを水中に均質に含
(但し、中性脂質とリン脂質とを同時に含む場合を除
く)し、波長550nmにおける透過率が95%以上で
あることを特徴とする、安定な水性透明液に関する。
【0008】ここで、中性脂質はグリセロールと脂肪酸
とのエステルであり、モノ─、ジ─及びトリ─グリセラ
イドが含まれる。これらは、対称型又は非対称型グリセ
ライドであることができ、更に単純又は混合グリセライ
ドであることができる。グリセライドを形成する脂肪酸
は、例えば、炭素原子8〜30個(好ましくは、炭素原
子8〜24個)の飽和又は不飽和脂肪酸、例えば、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草
酸、カプロン酸、ヘプチル酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパ
ルミチン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、
アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン
酸、モンタン酸、メリシン酸、クロトン酸、ミリストレ
イン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、
ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リ
ノレン酸、アラキドン酸である。
【0009】真性ロウは、ミツロウに代表される高級脂
肪族アルコールと脂肪酸とのエステルである。ここで、
高級脂肪族アルコールは、例えば、炭素原子8〜44個
(好ましくは、炭素原子10〜32個)の飽和又は不飽
和脂肪族アルコール、例えば、デカノール、エイコサノ
ール、オクタコサノール、ドトリアコンタノール、オレ
イルアルコール、オクタデセニルアルコール等である。
また、脂肪酸は、前記の中性脂質で述べた脂肪酸と同じ
ものである。
【0010】ステロールとしては、例えば、コレステロ
ール、エルゴステロール、胆汁酸又はステロイド性ホル
モン(例えば、コルチコイド、アンドロゲン、エストロ
ゲン又はゲストゲン)、スチグマステロール、β−シト
ステロール、ステロイドサポニン(例えば、ジギトニ
ン)、ステロイドアルカロイド(例えば、ソラニジン)
又は強心配糖体(例えば、プルプレア配糖体A)を挙げ
ることができる。ステロールエステルはステロールと脂
肪酸とのエステルである。ステロールは前記の化合物で
あり、脂肪酸は、前記の中性脂質で述べた脂肪酸と同じ
ものである。
【0011】リン脂質は、アルコールと脂肪酸のエステ
ルであって、リン酸基を必ず含む化合物であり、それ以
外に含窒素原子団を有する化合物もある。例えば、ホス
ファチジルコリン、ホスファチジルセリン、カルジオリ
ピン、プロスマローゲン又はスフィンゴミエリンを挙げ
ることができる。糖脂質は、グリコリピドともいい、糖
と脂質を構成成分とする化合物群であり、例えば、スフ
ィンゴシン、セレブロシド、ガングリオシド等をアグリ
コンとする配糖体等である。また、硫脂質は、スルホリ
ピドともいい、分子内に硫黄(硫酸又はスルホン酸)を
含有する脂質であり、例えば、セミノリピド、スルファ
チド等である。
【0012】高級アルコールは、炭素原子6〜44個
(好ましくは、炭素原子6〜30個)の飽和又は不飽和
脂肪族アルコール、例えば、オクチルアルコール、セチ
ルアルコール、ステアリルアルコール、セリルアルコー
ル、ミリシルアルコール等がある。高級炭化水素として
は、炭素原子15〜35個(好ましくは、炭素原子15
〜30個)の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素(例えば、
パラフィン系炭化水素のn−エイコサン、n−オクタコ
サン)、カロチノイド(例えば、カロテン、リコピン、
クリプトキサンチン、ゼアキサンチン、ロドキサンチン
又はビキシン)、又はスクアレン等を挙げることができ
る。脂溶性ビタミンは、ビタミン類のうち脂肪溶剤に溶
け、水に不溶なビタミンの総称であり、例えば、ビタミ
ンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミン
F、これらのエステル類又はこれらの各種誘導体であ
る。
【0013】本発明の水性透明液は、前記の水不溶性化
合物1種又は2種以上を含むことができる。本発明で
は、それらの水不溶性化合物を水と混ぜ合わせ、安定に
維持するために、脂肪酸及び/又は脂肪族アミンを用い
る。本発明で用いる脂肪酸は、好ましくは炭素原子8〜
30個(より好ましくは、炭素原子8〜24個)の飽和
又は不飽和の脂肪酸であり、例えば、カプリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、オレイン酸又はリノレン酸等
を挙げることができる。また、本発明で用いる脂肪族ア
ミンは、好ましくは炭素原子8〜24個(より好ましく
は、炭素原子10〜22個)の飽和又は不飽和脂肪族炭
化水素を有する、第1アミン、第2アミン又は第3アミ
ンであり、例えば、ラウリルアミン又はステアリルアミ
ンがある。
【0014】本発明の水性透明液は、前記の水不溶性化
合物(1種又は2種以上)の量に対して前記の脂肪酸及
び/又は脂肪族アミンを好ましくは0.5〜200重量
%、より好ましくは1〜50重量%含ませることによ
り、前記の水不溶性化合物(1種又は2種以上)を0.
005〜0.5重量%の量で水中に含有することができ
る。
【0015】また本発明の水性透明液は、前記の脂肪酸
及び/又は脂肪族アミンに加えて、更に少量の非イオン
性界面活性剤を添加することにより、調製条件(温度や
後述する物理的擾乱)を比較的穏やかにすることができ
る。非イオン性界面活性剤としては、例えばポリエチレ
ンオキサイド付加物、高級アルコールエチレンオキサイ
ド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加
物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、ポリプロピレン
グリコールエチレンオキサイド付加物、多価アルコール
エステルエチレンオキサイド付加物等が好ましい。ま
た、ソルビットやソルビタンの脂肪酸エステル及び脂肪
酸エステルエーテルも好適に用いることができる。具体
的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ノミデ
ット、ノニポールソフト、ドバノックス、ニッコールB
T−9等)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル(TritonX−100等)、ポリオキシエチレ
ンソルビタンエステル(Tween20、ニッコールT
O−10、ニッコールTO−10M等)、ソルビタン脂
肪酸エステル(ニッコールSO−10等)等が挙げられ
る。
【0016】これらから選択された非イオン性界面活性
剤を前記の水不溶性化合物(1種又は2種以上)の量に
対して100重量%以下、好ましくは50重量%以下の
量で含ませることにより、脂肪酸及び/又は脂肪族アミ
ン0.5〜200重量%との併用により、容易に前記の
水不溶性化合物(1種又は2種以上)の水性透明液を得
ることができる。
【0017】本発明の水性透明液は、例えば、以下の方
法で調製することができる。 (1)水不溶性化合物の水性分散液に脂肪酸及び/又は
脂肪族アミンを添加し、物理的擾乱(perturba
tion)を与える方法。 (2)水不溶性化合物の水性分散液と脂肪酸及び/又は
脂肪族アミンの水性分散液と混合し、物理的擾乱を与え
る方法。 (3)水不溶性化合物と脂肪酸及び/又は脂肪族アミン
との水性分散液に物理的擾乱を与える方法。 (4)脂肪酸及び/又は脂肪族アミンの水性分散液に水
不溶性化合物を添加し、物理的擾乱を与える方法。 また、前記の非イオン性界面活性剤を適宜少量添加し
て、前記(1)〜(4)に記載の方法と同様に行うこと
もできる。
【0018】水不溶性化合物の水性分散液、又は脂肪酸
及び/又は脂肪族アミンの水性分散液の調製は、水不溶
性化合物、又は脂肪酸及び/又は脂肪族アミンを精製
水、生理食塩水あるいは種々の緩衝液(例えば、リン酸
緩衝液又はホウ酸緩衝液)に加え、予備的に物理的擾乱
を加えることによって行うことができる。物理的擾乱
は、超高速ホモジナイザーによる攪拌、超音波処理によ
る方法、またそれらが同時に行える超音波ホモジナイザ
ーによる方法、高圧ホモジナイザー、フレンチプレス、
コロイドミル等によって与えることができる。超音波処
理による物理的擾乱が好ましく、超音波は10〜30K
Hzで、水中における強さとしては10〜100Wであ
れば充分である。超高速ホモジナイザーは200〜40
000rpmの範囲、また高圧ホモジナイザーは100
〜1000kg/cm2 の範囲、フレンチプレスは1000
〜10000kg/cm2 の範囲、そしてコロイドミルは1
000〜20000rpmの範囲であればそれぞれ充分
である。また、これらの処理を組み合わせて行っても良
い。
【0019】物理的擾乱を加える際に必要に応じて加温
処理を行うこともできる。加温処理の温度は、その水性
分散液に含まれている水不溶性化合物、脂肪酸及び/又
は脂肪族アミンが変質しない温度で行う。好ましくは1
00℃以下で行う。また、水不溶性化合物の濃度が比較
的高い水性透明液を調製する場合には、最初から所望濃
度の水不溶性化合物を水性分散液中に加えて目的とする
水性透明液を調製してもよいが、所望濃度よりも低濃度
の水不溶性化合物含有水性透明液を最初に調製した後、
減圧下で水分を留去させることもできる。
【0020】従来法でトリグリセリド(例えば、トリオ
レイン)を水と混ぜ合わせるには、例えば、特開昭58
−156330号公報に開示されている方法、即ち、非
イオン界面活性剤水溶液の曇点を境にして現れる物理的
作用の変化を応用した特殊で複雑な方法を利用すること
ができたが、それ以外では極めて困難であった。しか
し、本発明によれば、トリオレインを0.005〜0.
5重量%含有する水性透明液が、脂肪酸(例えば、パル
ミチン酸)をトリオレインの量に対して1〜20重量%
共存させるだけで得られる。即ち、トリオレインに所望
の濃度になるように精製水、生理食塩水あるいは種々の
緩衝液を加え、5〜60秒間物理的擾乱として超音波処
理を行ない、そこにトリオレインの量に対してパルミチ
ン酸を添加して分散させた後、約70℃に加温しながら
超音波処理を行うだけでトリオレインの水性透明液を調
製することができる。パルミチン酸に換えて、例えばオ
レイン酸を用いる場合には、加温処理を省くことができ
る。こうして調製されたトリオレインの水性透明液は極
めて透明性に優れ、波長550nm(可視域400〜7
00nmの中間波長)におけるその透過率は95%以上
である。また、調製後6ケ月経過してもその透明性に変
化はない。
【0021】また、少量の非イオン界面活性剤を併用す
ることにより、調製温度や物理的擾乱の程度を低減させ
ても、同程度の性能の水性透明液を調製することができ
る。例えば、脂肪酸(例えば、オレイン酸)に精製水を
加え、1〜5分間分散処理(例えばホモジナイズ処理、
200rpm)し、トリオレイン及びトリオレインに対
して1〜50重量%の非イオン界面活性剤(例えば、商
品名ノニデット〔ポリオキシエチレン第1級アルキルエ
ーテル〕)に前記脂肪酸分散液を添加し、ホモジナイザ
ー(200〜40000rpm)で攪拌することで、ト
リオレインの水性透明液を調製することができる。こう
して調製されたトリオレインの水性透明液も前記と同様
に極めて透明性に優れ、波長550nm(可視域400
〜700nmの中間波長)におけるその透過率は95%
以上である。また、調製後6ケ月経過してもその透明性
に変化はない。
【0022】本発明による水性透明液は、凍結乾燥粉末
として長期間保存することができ、水を加えるだけで簡
単に元の水性透明液に再現することができる。一般的に
凍結乾燥粉末を製造するには賦形剤が必要である。賦形
剤としては、糖類(例えば、グルコース、サッカロー
ス、ラクトース等)、多糖類(例えば、デキストラン、
セルロース、カルボキシメチルセルロース、フィコール
等)、多糖類の誘導体、アミノ酸(グリシン等)、タン
パク質(アルブミン等)、合成高分子化合物(ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレングリコール等)、無機塩
(塩化カリウム等)等が用いられる。それら賦形剤(1
種又は2種以上)1〜10%程度を水性透明液に添加
し、公知の方法によって凍結乾燥することで製造するこ
とができる。こうして調製された凍結乾燥粉末に水を添
加して得られる水性透明液の透明性は、凍結乾燥前と比
較して、同等かあるいは向上する。これは、賦形剤が有
する補助効果によるものである。
【0023】本発明の水性透明液及び凍結乾燥粉末は、
必須の配合成分(即ち、前記の水不溶性化合物、脂肪酸
及び/又は脂肪族アミン、場合により添加することので
きる非イオン界面活性剤並びに賦形剤)以外にも、所望
により、従来から公知の任意の添加剤、例えば、安定剤
(例えば糖類)、防腐剤等を含有することができる。
【0024】本発明の水性透明液は、医薬品、化粧品、
又は分析用試薬等として広範に利用することができる。
例えば、脂溶性ビタミンの水性透明液又は凍結乾燥粉末
は、注射剤や各種の液剤として用いることができる。ま
た、スクアレン又は脂肪酸エステルは、化粧品として用
いることができる。更に、グリセライドやステロールの
水性透明液又は凍結乾燥粉末は、臨床検査試験の試薬
(標準品や基質液等)として使用することができる。
【0025】
【作用】前記の水不溶性化合物はいずれも脂質に属する
化合物である。これらの脂質化合物は、界面活性剤など
を利用しても水中で一般に巨大な凝集体として存在し、
その水性液は濁りを呈する。一方、本発明において使用
する脂肪酸及び脂肪族アミンも水不溶性であり、その水
性液も同様の濁りを呈する。従って、これらの化合物を
共存させることによって前記の水不溶性化合物を極めて
微細な粒子として散在させ、安定な水性透明液が得られ
ることは驚くべきことである。例えば、1,2−ジパル
ミチンを単独で含む水性分散液は、0.8μm以上に主
な粒径をもつ粒子の水性分散液として調製され、その分
散液は乳白色を呈している。これに対し、本発明により
脂肪酸及び/又は脂肪族アミン(例えば、オレイン酸又
はパルミチン酸)の存在下に加温し超音波処理を行なっ
て得られた水性透明液に含まれる分散質の粒径を測定す
ると、0.007〜0.009μmをピークとする分布
を示す。即ち、本発明により粒径が1/100以下に小
さくなり、極端な表面積の増大をもたらす。
【0026】本発明が開示したように、脂肪酸及び/又
は脂肪族アミンを加えることによって前記の水不溶性化
合物が水と混ざり合って透明水性液となり、安定に維持
される詳細な機構は明確ではないが、脂質化合物粒子の
表面を著しく増大させるにもかかわらず、系が長期間安
定に維持される理由は以下のように解釈することができ
る。即ち、脂肪酸及び/又は脂肪族アミンを加えること
によって、 粒子間の反発相互作用を生じさせる電気二重層が粒子
表面に形成される; 粒子─分散媒間の親和性が著しく改善される;及び/
又は、 粒子の微小化によりブラウン運動が活発になり、粒子
の沈降が生じなくなる等である。 また、トリパルミチンの水性透明液を調製するにあた
り、ステアリン酸、ステアリン酸メチル、ステアリルア
ルコール又はステアリルアミンを各々共存させたとこ
ろ、ステアリン酸又はステアリルアミンを使用した場合
がとりわけ有効であった。従って、イオン基の存在が好
ましいことが示唆される。以上のように、前記脂質化合
物の水に対する性質(分散性)が顕著に改善される要因
としては、イオン基の寄与と前記の粒径変化とが考えら
れる。
【0027】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 トリパルミチン100mgをビーカーにとり、その量に対
してパルミチン酸0.1重量%、0.2重量%、0.5
重量%、1.0重量%、2.0重量%、3.0重量%、
5.0重量%、10.0重量%及び20.0重量%をそ
れぞれ添加し、精製水100mlを加えた。温浴中で70
℃に加温し、5分間超音波処理(50W)を行なった。
得られたそれぞれの処理液の波長550nmにおける透
過率を分光光度計(日立330型)で測定した。結果を
表1に示す。表1から明らかなように、パルミチン酸
1.0重量%で透過率は90%を越え、目視的には殆ど
透明状態となる。脂肪酸として、カプリン酸、ミリスチ
ン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸及びリノ
レン酸を用いて同様の試験を実施したところ、同様の結
果を得た。
【0028】実施例2 表2に示す各脂質化合物100mgをビーカーにとり、表
2に示す各脂肪酸5mgを加えて、実施例1に記載の方法
と同様の操作を行なった。結果を表2に示す。
【0029】実施例3 実施例2で用いた各脂質化合物100mgをビーカーにと
り、オレイン酸2mgを加え、実施例1に記載の方法と同
様の処理を行なった。続いて、得られた0.1%水性透
明液9容量部に対して、賦形剤として30%フコール
400〔ショ糖とエピクロルヒドリンとの水易溶性合成
高分子化合物(分子量約40万);ファルマシア社製〕
と20%ショ糖とを含む水溶液1容量部を混和して10
ml用バイアル瓶に1mlずつ分注した。−60℃の冷却下
で凍結し真空乾燥した。得られた粉末状の凍結乾燥品1
バイアルに蒸留水1mlを加えて溶解し各々の透過率を測
定した。結果を表3に示す。
【0030】実施例4 ビタミンE100mgをビーカーにとり、ステアリルアミ
ン10mgを加えて実施例1と同様の操作を行なった。こ
うして得られた水性透明液の波長550nmにおける透過
率は95%であった。更にステアリルアミンに替えてラ
ウリルアミンを用いて同様の操作を行った時の透過率は
95%であった。
【0031】実施例5 表4に示す各脂質化合物100mgをビーカーに取り、表
4に示す脂肪酸、脂肪族アミンを各々加えて実施例1に
記載の操作を行った。結果を表4に示す。
【0032】実施例6 実施例2で調製した3種類のトリパルミチン水性透明液
について、冷蔵保存(4℃)における安定性を評価する
ため、透過率(550nm)及びトリパルミチン含有量の
変化を6ヵ月間に渡って2ヵ月毎に測定した。結果を表
5に示す(n=5)。なお、トリパルミチン含有量は以
下の操作によって測定した。即ち、各水性透明液2μl
を棒状薄層具〔商品名:クロマロッド;(株)ヤトロ
ン〕にスポットし、ベンゼン:クロロホルム:酢酸(5
0:20:0.7)混液を展開溶媒として10cm展開
し、風乾した。風乾後の棒状薄層具から、薄層クロマト
グラフ用水素炎イオン化検出装置〔イアトロスキャン
(登録商標):(株)ヤトロン〕により、トリパルミチ
ン量を定量した。表5の数値は、インテグレーター〔イ
アトロコーダー:(株)ヤトロン〕により、トリパルミ
チンのピーク面積を求め、調製直後(0ヵ月)を100
として換算した値である。
【0033】実施例7 オレイン酸5mgをビーカーにとり、精製水100mlを加
え、5分間ホモジナイズ処理(200rpm)を行い、
別の容器にトリオレイン100mg及びポリオキシエチレ
ン第1級アルキルエーテル(商品名ノニデット、シェル
化学、炭素数8、エチレンオキサイド付加モル数5.
3、HLB12.8)をトリオレインに対して2.0重
量%、5.0重量%、10.0重量%、20.0重量
%、50.0重量%、100.0重量%、又は200.
0重量%を添加し、先のオレイン酸分散液100mlを加
えた。室温で、5分間ホモジナイズ処理(2000rp
m)を行った。得られたそれぞれの処理液の波長550
nmにおける透過率を分光光度計で測定した。結果を表
6に示す。表6から明らかなように、脂肪酸と非イオン
性界面活性剤との併用により、ホモジナイズ処理(攪
拌)によっても、透過率の高いトリオレイン水性透明液
を調製することができること、界面活性剤の少量の添加
で室温条件にもかかわらず、高い透過率の水性透明液を
調製することができ、逆に界面活性剤の量が多くなり過
ぎると、透過率が低下することも確認できた。
【0034】実施例8 表7に示す各脂質化合物100mgをビーカーに取り、そ
れに対してオレイン酸5重量%と前記実施例7で用いた
ノニデット10重量%とを用いて、前記実施例7に記載
の方法と同様の操作を行った。また、ノニデットに換え
て、Tween20を用いて同様の操作を行った。それ
ぞれの結果を表7に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】
【表6】
【0041】
【表7】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、少量の脂肪酸及び/又
は脂肪族アミンを用いることにより、脂質の安定な水性
透明液を得ることができる。その調製方法も極めて簡便
である。また、通常の添加剤(例えば、界面活性剤)を
含有させる場合には、必須の配合成分に影響を与えず
に、その添加剤の使用量を低減させて目的とする効果を
得ることができる。更に、本発明による水性透明液は、
凍結乾燥粉末として長期間安定に保存することができ、
しかも、凍結乾燥粉末からの再現性も極めて良好であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/12 A61K 31/12 31/23 31/23 31/355 31/355 31/59 31/59 47/18 47/18 (72)発明者 杉野 弘明 茨城県つくば市並木3−24−2 コーポ 並木A101 (72)発明者 豊玉 英樹 茨城県つくば市梅園2−16−1 ルンビ ーニ梅園501 (72)発明者 中山 道代 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株式会社ヤトロン内 (72)発明者 浜 三知夫 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株式会社ヤトロン内 (72)発明者 田中 満直 東京都千代田区東神田1丁目11番4号 株式会社ヤトロン内 (56)参考文献 特開 平1−274830(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 47/12 A61K 7/00 A61K 31/01 A61K 31/045 A61K 31/12 A61K 31/23 A61K 31/355 A61K 31/59 A61K 47/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性脂質、真性ロウ、ステロール、ステ
    ロールエステル、リン脂質、糖脂質、硫脂質、高級アル
    コール、高級炭化水素及び脂溶性ビタミンからなる群か
    ら選んだ水不溶性化合物と高級脂肪酸又は脂肪族アミン
    とを水中に均質に含有(但し、中性脂質とリン脂質とを
    同時に含む場合を除く)し、波長550nmにおける透
    過率が95%以上であることを特徴とする、安定な水性
    透明液。
  2. 【請求項2】 中性脂質、真性ロウ、ステロール、ステ
    ロールエステル、リン脂質、糖脂質、硫脂質、高級アル
    コール、高級炭化水素及び脂溶性ビタミンからなる群か
    ら選んだ水不溶性化合物と高級脂肪酸又は脂肪族アミン
    と賦形剤とを均質に含有(但し、中性脂質とリン脂質と
    を同時に含む場合を除く)することを特徴とする、請求
    項1に記載の安定な水性透明液の凍結乾燥粉末
  3. 【請求項3】 中性脂質、真性ロウ、ステロール、ステ
    ロールエステル、リン脂質、糖脂質、硫脂質、高級アル
    コール、高級炭化水素及び脂溶性ビタミンからなる群か
    ら選んだ水不溶性化合物と高級脂肪酸又は脂肪族アミン
    とを含有(但し、中性脂質とリン脂質とを同時に含む場
    合を除く)する水に物理的擾乱を与えることを特徴とす
    る、請求項1に記載の安定な水性透明液の製造方法。
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