JP3181075U - レトラクター固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手術用具を使用しやすく、且つレトラクターの配置自由度が高いレトラクター固定装置を提供する。
【解決手段】レトラクター固定装置1は、直線状に形成されたロッド部を有して手術台又は手術台に固定された部材Lに取り付けられる第1支持機構10と、中途部分に屈曲部を有する棒状に形成されたアーム本体を有するアーム部、及びアーム部の一端部を前記ロッド部へ連結する連結機構を有する第2支持機構30と、レトラクター80をアーム部の他端側へ固定するレトラクター固定機構60とを備えている。連結機構は、ロッド部に対してスライド可能且つ回転可能であるとともに、アーム部の一端部を回転自在に支持している。
【選択図】図1

Description

本考案は、患者の開創部を広げた状態で保持するためのレトラクターを固定するレトラクター固定装置に関する。
従来より、手術対象者となる患者の開創部をレトラクターによって広げた状態で、このレトラクターを手術台に対して固定するレトラクター固定装置が知られている。例えば特許文献1には、開創器(レトラクター)を支持する開創器支持体と、開創器支持体を外科手術台に固定するための手段とを備えたシステム(レトラクター固定装置)が開示されている。開創器支持体は、略J字状の支持アームを備えている。支持アームは、患者の開創部を取り囲むように配置される。開創器は、クランプによって支持アームに固定される。
また、非特許文献1には、手術台のレールに取り付けられるフレームと、フレームに取り付けられ各種のレトラクターを手術野に自在な位置に設置する装置とが開示されている。
特開2006−187632号公報
赤星良、他5名「多目的レトラクター支持装置システムの臨床応用に関する研究」、病体生理、1988年、第51号、p.8〜10
ところで、特許文献1に記載の支持アームは、J字状に形成され、切開線(開創部)を取り囲むように配置されるため、該支持アームが邪魔になり、執刀医が手術器具を使用しにくい。
また、非特許文献1に記載された装置は、直線状に延びるフレームに対してスライド移動のみを行うように構成されているため、開創部に対するレトラクターの配置自由度が比較的低い。
本考案は、上記実情に鑑みてなされるものであり、その目的は、手術用具を使用しやすく、且つレトラクターの配置自由度が高いレトラクター固定装置を提供することである。
上記目的を達成するための第1考案に係るレトラクター固定装置は、手術台又は手術台に固定された部材に取り付けられる基台部、及び直線状に形成され前記基台部に固定されるロッド部を有する第1支持機構と、中途部分に屈曲部を有する棒状に形成されたアーム本体を有するアーム部、及び該アーム部の一端部を前記ロッド部へ連結する連結機構を有する第2支持機構と、手術対象者の開創部を広げるためのレトラクターを前記アーム部の他端側へ固定するレトラクター固定機構とを備え、前記連結機構は、前記ロッド部が挿通し該ロッド部に対してスライド可能且つ回転可能であるとともに、前記アーム部の一端部を回転自在に支持することを特徴とする。
この構成によると、アーム部をロッド部へ連結する連結機構が、ロッド部に対してスライド可能且つ回転可能となっている。これにより、連結機構をロッド部に対してスライドさせることで、アーム部がロッド部の長手方向に平行移動し、連結機構をロッド部に対して回転させることで、アーム部が回転移動する。これにより、レトラクターの可動域が広がるため、手術対象者の開創部に対するレトラクターの配置自由度を高めることができる。
また、連結機構がアーム部の一端部を回転自在に支持しているため、該アーム部の一端部を中心としてアーム部を旋回できる。しかも、アーム本体が屈曲部を有しており、該アーム本体の一端部側の軸を中心に回転可能なため、例えばアーム本体が屈曲部を有さない直線状に形成されている場合と比べると、アーム部の他端側、すなわちレトラクターが固定される部分の可動域を広げることができる。
更に、アーム部が連結されるロッド部は、直線状に形成されている。ここで、直線状とは、直線形状及び直線形状に近い形状(例えば緩やかに湾曲するような形状)を示す。すなわち、ロッド部は、開創部を取り囲むような形状には形成されていない。従って、執刀医が開創部に対して処置を施す際に、ロッド部が邪魔になることがないため、手術用具を使用しやすくなる。
従って、上記の構成によると、手術用具を使用しやすく、且つレトラクターの配置自由度が高いレトラクター固定装置を提供できる。
第2考案に係るレトラクター固定装置は、第1考案に係るレトラクター固定装置において、前記連結機構は、前記ロッド部が挿通される一対の開口部が形成された中空状に形成され、ボルト孔が形成された第1壁部及び該第1壁部に対向するように配置され前記アーム本体の一端部が挿通される貫通孔が形成された第2壁部を有するボックス部材と、前記一対の開口部に挿通された前記ロッド部へ向かって進行するように、前記ボックス部材の外側から前記ボルト孔に螺合する固定用ボルトとを備え、前記アーム部の一端部は、前記貫通孔の内径よりも直径の大きな球状に形成され、前記アーム本体の一端部が前記貫通孔に挿通した状態で前記ボックス部材内に配置されるボール部として構成され、前記連結機構は、前記固定用ボルトが前記ボルト孔へ螺合することにより、該固定用ボルトの先端と前記第2壁部との間で前記ロッド部及び前記ボール部を挟んで保持するように構成されていることを特徴とする。
この構成によると、固定用ボルトをボルト孔に螺合することで、ロッド部に対する連結機構の位置固定と、連結機構に対するアーム部の位置固定とを同時に行うことができる。これにより、例えばアーム部が適切な位置に配置されるよう連結機構やアーム部を動かした後、固定用ボルトを締めるだけで、アーム部の位置が固定される。従って、比較的容易にアーム部の位置を固定できる。
しかも、アーム部の位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合には、固定用ボルトをやや緩めた状態で連結機構やアーム部を動かし、固定用ボルトを再度締めればよい。これにより、アーム部の位置の再調整を容易に行うことができる。
また、アーム部の一端部はボール部として構成されている。こうすると、ボール部がボックス部材内でひっかかりにくくなるため、ボール部を比較的スムーズに回転できる。従って、アーム部を比較的自由な位置に配置できる。
第3考案に係るレトラクター固定装置は、第2考案に係るレトラクター固定装置において、前記連結機構は、前記ボックス部材内における前記第1壁部と前記ロッド部との間に配置される第1部材と、前記ボックス部材内において前記ロッド部を挟んで前記第1部材に対向するように配置される第2部材とを備え、前記連結機構は、前記固定用ボルトが前記ボルト孔へ螺合することにより、前記固定用ボルトの先端が前記第1部材を前記第2部材側へ押圧し前記第1部材と前記第2部材との間で前記ロッド部を挟んで保持するとともに、前記第2部材と前記第2壁部との間で前記ボール部を挟んで保持するように構成されていることを特徴とする。
この構成によると、2つの部材(第1部材及び第2部材)によってロッド部が挟まれて保持され、第2部材とボックス部材における一つの壁部(第2壁部)とによってボール部が挟まれて保持される。これにより、ロッド部、連結機構、及びアーム部を互いに固定できる。
第4考案に係るレトラクター固定装置は、第3考案に係るレトラクター固定装置において、前記第2部材における前記ボール部側の部分には、縁部及び底部の少なくとも一方で該ボール部を前記第2壁部側へ押圧する凹部が形成されていることを特徴とする。
この構成によると、ボール部が第2部材及び第2壁部に挟んで保持される際、ボール部は、第2部材に形成された凹部の縁部及び底部の少なくとも一方によって第2壁部側へ押圧された状態となっている。すなわち、ボール部は、第2部材における点部分のみで押圧されておらず、線部分(凹部の縁部)及び面部分(凹部の底部)の少なくとも一方によって押圧されている。これにより、ボール部を比較的広範囲で保持できるため、ボール部を確実に保持できる。
また、アーム部の位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合、固定用ボルトをやや緩めても、ボール部の一部が第2部材に形成された凹部に嵌まり込んだ状態が維持される。これにより、第2部材がボックス部材から脱落することを防止できる。
第5考案に係るレトラクター固定装置は、第1考案から第4考案のいずれかのレトラクター固定装置において、前記レトラクター固定機構は、前記アーム本体における前記屈曲部よりも他端側の部分であるアーム先端側部が挿通し、該アーム先端側部に対してスライド可能且つ回転可能であるとともに、前記レトラクターを回転自在に支持することを特徴とする。
この構成によると、レトラクターをアーム部に固定するレトラクター固定機構が、アーム先端側部に対してスライド可能且つ回転可能となっている。これにより、レトラクター固定機構をアーム先端側部に対してスライドさせることで、レトラクターがアーム先端側部の長手方向に平行移動し、レトラクター固定機構をアーム先端側部に対して回転させることで、レトラクターが回転移動する。これにより、レトラクターの可動域が広がるため、手術対象者の開創部に対するレトラクターの配置自由度を更に高めることができる。
第6考案に係るレトラクター固定装置は、第5考案に係るレトラクター固定装置において、前記レトラクター固定機構は、前記アーム先端側部が挿通するアーム挿通孔が形成されたアーム連結部と、前記アーム連結部に螺合するツマミ部とを有し、前記ツマミ部は、前記アーム先端側部が前記アーム挿通孔に挿通し、且つ前記アーム連結部が前記レトラクターに形成された位置決め孔に挿通した状態で、前記アーム連結部に螺合することにより、前記アーム先端側部及び前記レトラクターを、前記アーム挿通孔の内壁との間で挟んで保持するように構成されていることを特徴とする。
この構成によると、アーム先端側部がアーム挿通孔に挿通し且つアーム連結部がレトラクターに形成された位置決め孔に挿通した状態で、ツマミ部をアーム連結部に螺合することで、アーム先端側部に対するレトラクター固定機構の位置固定と、レトラクター固定機構に対するレトラクターの位置固定とを同時に行うことができる。これにより、例えばレトラクターが適切な位置に配置されるようにレトラクター固定機構又はレトラクターを動かした後、ツマミ部を締めるだけで、レトラクターの位置が固定される。従って、比較的容易にレトラクターの位置を固定できる。
しかも、レトラクターの位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合には、ツマミ部をやや緩めた状態でレトラクター固定機構やレトラクターを動かし、ツマミ部を再度締めればよい。これにより、レトラクターの位置の再調整を容易に行うことができる。
第7考案に係るレトラクター固定装置は、第6考案に係るレトラクター固定装置において、前記ツマミ部は、前記位置決め孔に挿通される際に該位置決め孔によって内側へ押圧されて弾性変形し、前記位置決め孔を通過した後に復元する、前記位置決め孔の内径よりも大きな弾性機構を備え、前記弾性機構は、前記アーム先端側部及び前記レトラクターを、前記アーム挿通孔の内壁との間で挟んで保持することを特徴とする。
この構成において、レトラクターをレトラクター固定機構に取り付けする場合、まず、ツマミ部がアーム連結部に螺合された状態で、レトラクターの位置決め孔に弾性機構が入り込むようにレトラクターを押し込む。このとき、位置決め孔によって弾性機構が内側へ押圧され、すぼまるように弾性変形する。そして、弾性機構が位置決め孔を通過すると、すぼまっていた弾性機構が元の大きさに復元する。その結果、レトラクターがレトラクター固定機構から抜け落ちなくなる。すなわち、上記構成とすることで、レトラクターをレトラクター固定機構へ押し込むだけで、つまりワンタッチで、レトラクターをレトラクター固定機構に取り付けることができる。
このように取り付けられたレトラクターは、ツマミ部をアーム連結部に対して更にネジ締めすることで、弾性機構とアーム先端側部との間に挟まれて保持される。
第8考案に係るレトラクター固定装置は、第7考案に係るレトラクター固定装置において、前記レトラクターには、長手方向に沿って複数の前記位置決め孔が形成され、前記ツマミ部が挿入される前記位置決め孔の長手方向の位置によって、該位置決め孔を基準位置とした前記レトラクターの突出長さが決定されることを特徴とする。
この構成によれば、レトラクターのどの位置決め孔にツマミ部を挿入するかによって、ツマミ部を挿入した位置決め孔を基準としたレトラクターの突出長さを決定できる。従って、レトラクターの配置自由度を更に高めることができる。
本考案によると、手術用具を使用しやすく、且つレトラクターの配置自由度が高いレトラクター固定装置を提供することができる。
第1実施形態に係るレトラクター固定装置の概略図であって、患者の開創部を広げているレトラクターが該レトラクター固定装置によって固定されている状態を示す図である。 第1支持機構が固定された状態のスクリーン掛けを示す斜視図である。 第1支持機構の斜視図である。 図3に示す第1支持機構の正面図である。 図3に示す第1支持機構の側面図である。 スクリーン掛けLに第1支持機構が固定された状態における、スクリーン掛けLの直線部L1の長手方向に対して垂直な断面であって、図4において第1支持機構がスクリーン掛けに固定された状態のA−A断面図である。 第2支持機構の斜視図である。 図7に示す第2支持機構の正面図である。 図7に示す第2支持機構の分解斜視図である。 固定ツマミを示す正面図である。 レトラクターの概形を示す斜視図である。 レトラクターをアーム部に固定する手順を説明するための模式図であって、(A)は固定ツマミの弾性機構がレトラクターの位置決め孔を通過している途中の状態を示す図、(B)は弾性機構が位置決め孔を通過した状態を示す図、(C)は固定ツマミとアーム部とでレトラクターが挟まれて保持されている状態を示す図、である。 第2実施形態に係る固定ツマミを示す正面図である。 第3実施形態に係る固定ツマミを示す正面図である。 変形例に係るレトラクター固定装置のアーム部を示す平面図である。 変形例に係るレトラクター固定装置の固定ツマミを示す正面図である。
以下、本考案を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本考案は、手術の際に手術対象者としての患者の開創部を広げるためのレトラクターを固定するレトラクター固定装置として広く適用することができる。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係るレトラクター固定装置1の使用形態の一例を示す概略図である。図1では、レトラクター固定装置1は、手術対象者である患者Pが横たわる手術台Bに固定されるL字状のスクリーン掛けLに対して固定される。スクリーン掛けLは、手術時に使用される覆布を掛けるためのものである。図2は、第1支持機構10が固定された状態のスクリーン掛けLを示す斜視図である。なお、図2においては、スクリーン掛けLに掛けられる覆布、及び手術台は省略している。
図2に示すように、スクリーン掛けLは、L字型の棒状に形成された金属製の丸棒である。スクリーン掛けLは、長手方向中央部分が90度に屈曲されている。スクリーン掛けLは、2つの直線部L1,L1のうちの一方が手術台Bから鉛直方向上方へ延びるように、手術台Bに対して固定される。これにより、他方の直線部L1は、手術台Bの上方に該手術台Bと平行となるように配置される。
図1に示すように、レトラクター固定装置1は、患者Pの開創部P1を広げた状態のレトラクター80を固定して保持するためのものである。本実施形態では、開創部P1は、患者Pの膝関節の部分に形成されている。本実施形態に係るレトラクター固定装置1は、スクリーン掛けLに固定される第1支持機構10と、第1支持機構10に連結される第2支持機構30と、レトラクター80を第2支持機構30に固定するための固定ツマミ60(レトラクター固定機構)とを備えている。なお、図1においては、1つの第1支持機構10に対して2つの第2支持機構30が連結されているが、これに限らず、1つの支持機構10に対して1又は3以上の第2支持機構30を連結してもよい。更には、複数の第1支持機構10のそれぞれを、複数のスクリーン掛けLのそれぞれに固定してもよい。また、レトラクター固定装置1における第1支持機構10、第2支持機構30、固定ツマミ60のそれぞれの数は限定されず、1つ又は複数であってもよい。
−第1支持機構の構成−
図3から図5は、それぞれ、第1支持機構10の斜視図、正面図、側面図であり、図6は、スクリーン掛けLに第1支持機構10が固定された状態における、スクリーン掛けLの直線部L1の長手方向に対して垂直な断面であって、図4において第1支持機構10がスクリーン掛けLに固定された状態のA−A断面図である。第1支持機構10は、基台部11と、該基台部11に固定されるロッド部12とを備えている。
基台部11は、それぞれが板状に形成された2枚の金属プレート13,13と、連結部材14と、2つのスクリーン掛け固定機構15,15とを備えている。
連結部材14は、図3及び図4に示すように、2つの細長いプレート状の細片部14a,14aを有する、横断面が略L字形状の鋼材によって構成されている。各細片部14a,14aにおける外側の面には、2枚の金属プレート13,13のそれぞれが、例えば溶接によって固定されている。2枚の金属プレート13,13の間の角度は、直角になっている。
2つのスクリーン掛け固定機構15,15は、それぞれ、各金属プレート13における外側の面上に固定されている。各スクリーン掛け固定機構15は、スクリーン掛けLの直線部L1を受ける受け部16と、該受け部16にセットされたスクリーン掛けLを受け部16側へ押圧して固定する押圧部17と、該押圧部17を受け部16側へ押圧するレバー部18とを備えている。
受け部16には、図3、図4及び図6に示すように、スクリーン掛けLの直線部L1が嵌まり込む溝部16aが形成されている。2つの受け部16,16は、それぞれ、各受け部16に形成された溝部16aにスクリーン掛けLの各直線部L1,L1が嵌るように、各金属プレート13上に固定されている。
押圧部17は、金属プレート13上に固定された支持台19の第1支点軸19aを中心として回動可能に固定されている。押圧部17は、トーションバネ20(図6参照)によって受け部16から離れる方向へ付勢されている。
レバー部18は、支持台19の第2支点軸19bを中心として回動可能に固定されている。レバー部18は、作用点側の端部である先端部18aで押圧部17を金属プレート13側へ押圧するように構成されている。具体的には、作業者によって、レバー部18における先端部18aと反対側の部分が金属プレート13と反対側へ向かうように、第2支点軸19bを中心として回転操作されると、レバー部18の先端部18aが、トーションバネ20の付勢力に抗して押圧部17を受け部16側へ押圧する。これにより、スクリーン掛けLは、図6に示すように、受け部16と押圧部17とによって挟まれた状態で保持される。
ロッド部12は、直線形状に形成された金属製の丸棒によって構成されている。ロッド部12における一端側の部分は、連結部材14における谷状の部分に溶接等によって固定される。
−第2支持機構の構成−
図7から図9は、それぞれ、第2支持機構の斜視図、正面図、分解斜視図である。第2支持機構30は、アーム部31と、連結機構40とを備えている。
連結機構40は、アーム部31を第1支持機構10のロッド部12に連結するためのものである。連結機構40は、ボックス部材41と、該ボックス部材内に収容される第1部材50及び第2部材51と、固定用ボルト55とを備えている。
ボックス部材41は、図7から図9に示すように、矩形状の4つの壁部42,43,44,45で構成された四角い筒状の部材によって構成されている。この筒状の部材における2つの開口部46,47(図9参照)が、ボックス部材41における一対の開口部46,47を構成している。このボックス部材41の4つの壁部のうち対向する一対の壁部42,43、及び残り一対の壁部44,45は、共に矩形状に形成されている。一対の壁部42,43は、それぞれ、第1壁部42及び第2壁部43として構成されている。図9に示すように、第1壁部42の中央部には、固定用ボルト55が螺合する内ネジが形成されたボルト孔42aが形成されている。また、第2壁部43の中央部には、前記ボルト孔42aと同じ中心軸を持つ円形の貫通孔43aが形成されている。
第1部材50は、図9に示すように、略直方体状に形成されたブロック状の部材で構成されている。第1部材50は、一側面がボックス部材41の第1壁部42に当接するようにボックス部材41内に収容されている。第1部材50における前記一側面に対向する面には、ボックス部材41の開口方向に延びる溝部50aが形成されている。
第2部材51は、図9に示すように、第1部材50よりもやや薄い略直方体状に形成されたブロック状の部材で構成されている。第2部材51は、一側面が第1部材50に対向するように、ボックス部材41内に収容されている。第2部材51の前記一側面には、ボックス部材41の開口方向に延びる溝部51aが形成されている。この溝部51aは、第1部材50の溝部50aとの間で、ロッド部12を挟持するためのものである。第2部材51の溝部51aの幅は、前記第1部材50の溝部50aの幅よりも狭い。なお、第2部材51の溝部51aの幅が、第1部材50の溝部50aの幅よりも広くてもよい。
また、第2部材51における前記一側面と反対側の面(第2壁部43に対向する面)には、球状に凹む凹部51bが形成されている。この凹部51bは、該凹部51bの縁部及び底部と、ボックス部材41の第2壁部43との間で、アーム部31のボール部33を挟持するためのものである。なお、凹部51bの大きさや深さを適宜調整することにより、凹部51bの縁部のみでボール部33を第2壁部側へ押圧したり、凹部51bの底部のみでボール部33を第2壁部側へ押圧するような構成としてもよい。
固定用ボルト55は、第1壁部42のボルト孔42aに螺合するボルト部56と、該ボルト部56の基端から垂直方向両側へ延びるように形成された把持部57とを備えている。固定用ボルト55の把持部57を右ネジの方向に回転させると、ボルト部56がボックス部材41の内部へ向かって回転しながら進み、該ボルト部56の先端が第1部材50を第2部材51側へ押圧する。
アーム部31は、アーム本体32と、該アーム本体32の一端部に固定されるボール部33とを備えている。
アーム本体32は、金属製の丸棒における中途部分の一か所が屈曲されて形成されている。アーム本体32において屈曲された部分は、屈曲部34を構成している。また、アーム本体32における屈曲部34よりも一端側(ボール部側)の部分はアーム基端側部35を構成し、アーム本体32における屈曲部34よりも先端側(ボール部と反対側)の部分はアーム先端側部36を構成している。アーム基端側部35及びアーム先端側部36は、ともに直線形状に形成されている。本実施形態では、アーム基端側部35とアーム先端側部36との間の角度は、110度程度となっている。
ボール部33は、球状に形成された金属製の部材によって構成されている。ボール部33には、その中心点を含むように該ボール部33を貫通する貫通孔が形成されている。ボール部33は、該貫通孔にアーム本体32のアーム基端側部35が挿通された状態で、アーム基端側部35に対して溶接により固定されている。これにより、アーム本体32とボール部33とが一体化されている。
−固定ツマミの構成−
図10は、固定ツマミ60の正面図である。固定ツマミ60は、レトラクター80をアーム部31に固定するためのものである。固定ツマミ60は、アーム連結部61と、ツマミ部65とを備えている。
アーム連結部61は、略円柱状に形成された金属製の部材である。アーム連結部61における軸方向一方側の部分には、該アーム連結部61の中心軸と垂直方向に該アーム連結部61を貫通するアーム挿通孔61aが形成されている。このアーム挿通孔61aの内径は、アーム本体32の外径よりも僅かに大きい。これにより、アーム連結部61は、アーム挿通孔61aにアーム先端側部36が挿通した状態で、該アーム先端側部36に対して摺動できる。
また、アーム連結部61には、該アーム連結部61におけるアーム挿通孔61aに近い側の底面に、該アーム連結部61の中心軸と同心の略円柱状に形成され、外周面にネジ山が形成されたネジ部61bが設けられている。さらに、アーム連結部61には、前記ネジ部61bが設けられた底面と反対側の底面から前記アーム挿通孔61aまで延びるプランジャー孔61cが形成される。
アーム連結部61は、圧縮バネ(図示省略)及びボール部材64を有するボールプランジャー62を備えている。ボールプランジャー62は、図10に示すように、ボール部材64の一部が僅かにアーム挿通孔61aから露出するように、プランジャー孔61cに挿通固定されている。ボールプランジャー62は、プランジャー孔61cから抜け落ちないように、その底面の部分が封止部材63によって封止されている。
ツマミ部65は、本体部66と、一対の支点軸67,67と、本体部66に取り付けられる弾性変形可能な弾性機構70とを備えている。
本体部66は、略円柱状に形成された金属製の部材で構成されている。本体部66の軸方向一方側の部分(アーム連結部61と反対側の部分)には、本体部66の中心軸に対して垂直方向に延びる2本の支点軸67,67が、互いに並行するように該本体部66を貫通して設けられている。
また、本体部66におけるアーム連結部61側の底面には、ネジ穴66aが形成されている。ネジ穴66aは、アーム連結部61のネジ部61bが螺合可能なように形成される。
弾性機構70は、支点軸67を支点として本体部66に対して回動する一対のツマミ部材71,71と、該ツマミ部材71,71のそれぞれに対応して設けられる一対のトーションバネ(図示省略)とを備えている。
各ツマミ部材71は、細長い片状に形成されている。ツマミ部材71は、一方側の部分(支点部71a)が支点軸67によって回動可能に支持され、他方側の部分(作用部71b)が支点軸67を中心として回動する。一対のツマミ部材71は、トーションバネによって、それぞれの作用部71bが互いに離れる方向へ付勢されている。
図10に示すように、各トーションバネによって付勢された各ツマミ部材71は、相手側のツマミ部材71の支点部71aに当たって止まり、その回動位置が規制される。この状態における、一対のツマミ部材71,71の作用部71b,71bの先端部同士の距離をD1とする。
−レトラクターの構成−
図11は、レトラクターの概形を示す斜視図である。レトラクター80は、細長い金属製の板状の部材で構成され、その一端側が湾曲している。この湾曲した部分が、患者Pの開創部P1に接触して該開創部P1を広げる開創保持部81を構成する。
レトラクター80における前記湾曲した部分と反対側の部分には、長手方向に沿って等間隔となるように、複数の位置決め孔82,82,…が形成されている。この位置決め孔82には、固定ツマミ60の弾性機構70が挿入される。位置決め孔82の内径Φは、弾性機構70の一対のツマミ部材71,71における、作用部71b,71bの先端部同士の距離D1よりも小さい。すなわち、弾性機構70は、レトラクター80の位置決め孔82の内径Φよりも大きい。
−レトラクターの固定手順−
レトラクター80を固定する手順について説明する。
まず、第1支持機構10をスクリーン掛けLに固定する。具体的には、第1支持機構10における一方のスクリーン掛け固定機構15の受け部16の溝部16aにスクリーン掛けLの一方の直線部L1が嵌り、且つ、他方のスクリーン掛け固定機構15の受け部16の溝部16aに他方の直線部L1が嵌るよう、第1支持機構10をスクリーン掛けLに対して配置する。そして、その状態で、両方のスクリーン掛け固定機構15,15のレバー部18を操作することにより、レバー部18の先端部18aがトーションバネ20の付勢力に抗して押圧部17を金属プレート13側へ押圧する。そうすると、押圧部17と受け部16との間でスクリーン掛けLの直線部L1が挟まれた状態で保持される。これにより、第1支持機構10がスクリーン掛けLに対して強固に固定される(図2及び図6参照)。
次に、第1支持機構10のロッド部12が、連結機構40における第1部材50の溝部50aと第2部材51の溝部51aとの間に挿通するよう、ロッド部12に対して第2支持機構30をセットする。その際、固定用ボルト55は、ボックス部材41のボルト孔42aに先端部のみが螺合している。このとき、連結機構40はロッド部12に対してスライド可能且つ回転可能な状態であり、且つ、アーム部31は連結機構40に対して回転可能な状態となっている。
次に、アーム先端側部36が固定ツマミ60のアーム挿通孔61aに挿通するよう、アーム先端側部36に対して固定ツマミ60をセットする。このとき、アーム先端側部36は、ボールプランジャー62のボール部材64を押し込みながらアーム挿通孔61aに挿通する。そうすると、アーム先端側部36は、アーム挿通孔61aの内壁とボールプランジャー62のボール部材との間で挟んで保持される。これにより、固定ツマミ60は、自重では抜け落ちたり回転したりしないものの、手で力を加えればスライドしたり回転したりする程度に、アーム先端側部36に保持される。なお、固定ツマミ60をアーム先端側部36にセットした状態で、第2支持機構30をロッド部12に対してセットしてもよい。
次に、患者Pの開創部P1がレトラクター80によって最適な位置に広げられるようにレトラクター80を手で動かし、その状態でレトラクター80を保持する。そして、レトラクター80がこの状態でレトラクター固定装置1によって固定されるよう、レトラクター固定装置1をセットする。具体的には、第2支持機構30の連結機構40をロッド部12に対してスライド及び回転させたり、アーム部31のボール部33を連結機構40に対して回転させたり、アーム基端側部35の軸を中心にアーム先端側部36を回転させたり、固定ツマミ60をアーム先端側部36に対してスライド及び回転させたりすることによって、固定ツマミ60を位置決め孔82付近に持っていき、該固定ツマミ60のツマミ部65を位置決め孔82に挿入する。
ツマミ部65を位置決め孔82に挿入すると、弾性機構70における一対の作用部71b,71bが互いに近づくように内側へ倒れこむ(図12(A)参照)。そして、弾性機構70が位置決め孔82を通過すると、一対の作用部71b,71bはトーションバネのバネ力によって互いに離れるように広がって元の状態に復元する(図12(B)参照)。その結果、レトラクター80が、一対の作用部71b,71bに引っかかって抜けなくなる。すなわち、レトラクター80をツマミ部65の弾性機構70に押し込むだけで、ワンタッチで、レトラクター80を固定ツマミ60に取り付けることができる。
その後、ツマミ部65のネジ穴66aをネジ部61bに対してきつく締めることで、一対の作用部71b,71bとアーム挿通孔61aの内壁との間で、アーム先端側部36及びレトラクター80が挟んで保持される。(図12(C)参照)。これにより、レトラクター80がアーム部31に固定される。
そして最後に、第1支持機構10の固定用ボルト55をきつく締めることで、該固定用ボルト55のボルト部56の先端部が第1部材50を押圧し、第1部材50の溝部50aと第2部材51の溝部51aとの間でロッド部12を挟んで保持するとともに、第2部材51の凹部51bと第2壁部43との間でアーム部31のボール部33を挟んで保持する。これにより、アーム部31が第1支持機構10のロッド部12に固定される。
なお、レトラクター80の位置を再調整したい場合には、固定用ボルト55やツマミ部65をやや緩めた状態でアーム部31やレトラクター80の位置を適宜調整し、再度固定用ボルト55及びツマミ部65を締めればよい。これにより、比較的容易にレトラクター80の位置変更を行うことができる。
[効果]
以上説明したように、レトラクター固定装置1は、アーム部31をロッド部12へ連結する連結機構40が、ロッド部12に対してスライド可能且つ回転可能となっている。これにより、連結機構40をロッド部12に対してスライドさせることで、アーム部31がロッド部12の長手方向に平行移動し、連結機構40をロッド部12に対して回転させることで、アーム部31が回転移動する。これにより、レトラクター80の可動域が広がるため、患者Pの開創部P1に対するレトラクター80の配置自由度を高めることができる。
また、連結機構40がアーム部31のボール部33を回転自在に支持しているため、該ボール部33を中心としてアーム部31を旋回できる。しかも、アーム本体32が屈曲部34を有しており、該アーム本体32の一端部側の軸を中心に回転可能なため、例えばアーム本体が屈曲部を有さない直線状に形成されている場合と比べると、アーム部31の他端側、すなわちレトラクター80が固定される部分の可動域を広げることができる。
更に、アーム部31が連結されるロッド部12は、直線形状に形成されている。すなわち、ロッド部12は、開創部P1を取り囲むような形状には形成されていない。従って、執刀医が開創部P1に対して処置を施す際に、ロッド部12が邪魔になることがないため、手術用具を使用しやすくなる。
従って、本実施形態によると、手術用具を使用しやすく、且つレトラクター80の配置自由度が高いレトラクター固定装置1を提供できる。
また、レトラクター固定装置1によると、固定用ボルト55のボルト部56をボルト孔42aに螺合することで、ロッド部12に対する連結機構40の位置固定と、連結機構40に対するアーム部31の位置固定とを同時に行うことができる。これにより、例えばアーム部31が適切な位置に配置されるよう連結機構40やアーム部31を動かした後、固定用ボルト55を締めるだけで、ロッド部12に対するアーム部31の位置が固定される。従って、比較的容易にアーム部31の位置を固定できる。
しかも、アーム部31の位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合には、固定用ボルト55をやや緩めた状態で連結機構40やアーム部31を動かし、固定用ボルト55を再度締めればよい。これにより、アーム部31の位置の再調整を容易に行うことができる。
また、アーム部31の一端部はボール部33として構成されている。こうすると、ボール部33がボックス部材41内でひっかかりにくくなるため、ボール部33を比較的スムーズに回転できる。従って、アーム部31を比較的自由な位置に配置できる。
また、レトラクター固定装置1によると、2つの部材(第1部材50及び第2部材51)によってロッド部12が挟まれて保持され、第2部材51と第2壁部43とによってボール部33が挟まれて保持される。これにより、ロッド部12、連結機構40、及びアーム部31を互いに固定できる。
また、レトラクター固定装置1によると、ボール部33が第2部材51及び第2壁部43に挟んで保持される際、ボール部33は、第2部材51に形成された凹部51bの縁部及び底部によって第2壁部43側へ押圧された状態となっている。すなわち、ボール部33は、第2部材51における点部分のみで押圧されておらず、線部分(凹部の縁部)及び面部分(凹部の底部)によって押圧されている。これにより、ボール部33を比較的広範囲で保持できるため、ボール部33を確実に保持できる。
また、レトラクター固定装置1によると、レトラクター80をアーム部31に固定する固定ツマミ60が、アーム先端側部36に対してスライド可能且つ回転可能となっている。これにより、固定ツマミ60をアーム先端側部36に対してスライドさせることで、レトラクター80がアーム先端側部36の長手方向に平行移動し、固定ツマミ60をアーム先端側部36に対して回転させることで、レトラクター80が回転移動する。これにより、レトラクター80の可動域が広がるため、患者Pの開創部P1に対するレトラクター80の配置自由度を更に高めることができる。
また、アーム部31の位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合、固定用ボルト55をやや緩めても、ボール部33の一部が第2部材51に形成された凹部51bに嵌まり込んだ状態が維持される。これにより、第2部材51がボックス部材41から脱落することを防止できる。
また、レトラクター固定装置1によると、アーム先端側部36がアーム挿通孔61aに挿通し且つアーム連結部61がレトラクター80の位置決め孔82に挿通した状態で、ツマミ部65をアーム連結部61に螺合することで、アーム先端側部36に対する固定ツマミ60の位置固定と、固定ツマミ60に対するレトラクター80の位置固定とを同時に行うことができる。これにより、例えばレトラクター80が適切な位置に配置されるように固定ツマミ60又はレトラクター80を動かした後、ツマミ部65を締めるだけで、レトラクター80の位置が固定される。従って、比較的容易にレトラクター80の位置を固定できる。
しかも、レトラクター80の位置を固定した後、その位置の再調整が必要となった場合には、ツマミ部65をやや緩めた状態でツマミ部65やレトラクター80を動かし、ツマミ部65を再度ネジ締めすればよい。これにより、レトラクター80の位置の再調整を容易に行うことができる。
また、レトラクター固定装置1では、レトラクター80を固定ツマミ60に取り付けする場合、まず、ツマミ部65がアーム連結部61に螺合された状態で、レトラクター80の位置決め孔82に弾性機構70が入り込むようにレトラクター80を押し込む。このとき、位置決め孔82によって弾性機構70における一対の作用部71b,71bが互いに近づくように内側へ押圧され、すぼまるように弾性変形する。そして、弾性機構70が位置決め孔82を通過すると、すぼまっていた弾性機構70が元の状態に復元する。その結果、レトラクター80が固定ツマミ60から抜け落ちなくなる。すなわち、本実施形態によれば、レトラクター80を固定ツマミ60へ押し込むだけで、つまりワンタッチで、レトラクター80を固定ツマミ60に取り付けることができる。
また、レトラクター固定装置1では、レトラクター80のどの位置決め孔82に固定ツマミ60を挿入するかによって、固定ツマミ60を挿入した位置決め孔82を基準としたレトラクター80の突出長さを決定できる。従って、レトラクター80の配置自由度を更に高めることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態に係るレトラクター固定装置1は、第1実施形態に係るレトラクター固定装置と比べて、固定ツマミ60のツマミ部65の構成が異なっている。以下、第1実施形態と異なる点について主に説明し、第1実施形態と同様の構成の説明については、図面において同一の符号を付すことで又は同一の符号を引用して説明することで、省略する。
−ツマミ部の構成−
図13は、第2実施形態に係る固定ツマミを示す正面図である。
第2実施形態に係るレトラクター固定装置1のツマミ部65は、支柱部85と、支点軸86と、ツマミ部材87と、ストッパー88と、トーションバネ(図示省略)とを備えている。本実施形態では、弾性機構70は、支柱部85と、ツマミ部材87と、トーションバネとで構成されている。
支点軸86は、支柱部85の外周面から、該支柱部85の中心軸と垂直方向に突出するように形成されている。
ツマミ部材87は、細長い片状に形成されている。ツマミ部材87は、支柱部85に対して、支点軸86を中心として回転可能に、且つ、片持ち状に支持されている。すなわち、ツマミ部材87は、一方側の部分(支点部87a)が支点軸86によって回動可能に支持され、他方側の部分(作用部87b)が支点軸86を中心として回動する。ツマミ部材87は、支点軸86の軸方向から視て作用部87bが支柱部85よりも外方に位置するように、トーションバネによって付勢されている。
トーションバネによって付勢されたツマミ部材87は、ストッパー88に当たって止まり、その回動位置が規制される。この状態における、支点軸86の軸方向から視た、作用部87bの外側の部分と、支柱部85の外周面における該作用部87bと反対側の部分との距離をD2とする。この距離D2は、レトラクター80の位置決め孔82の内径Φよりも大きい。
本実施形態において、ツマミ部65をレトラクター80の位置決め孔82に挿入すると、弾性機構70におけるツマミ部材87は、支点軸86の軸方向から視て作用部87bが支柱部85と重なるように、支点軸86を中心として回動する。そして、弾性機構70が位置決め孔82を通過すると、トーションバネによって支柱部85の外側へ付勢されて元の状態に復元する。すなわち、本実施形態2の弾性機構70によれば、第1実施形態の場合と同様、ワンタッチでレトラクター80を固定ツマミ60へ取り付けることができる。
[第3実施形態]
第3実施形態に係るレトラクター固定装置1は、第1実施形態及び第2実施形態に係るレトラクター固定装置と比べて、固定ツマミ60のツマミ部65の構成が異なっている。
−ツマミ部の構成−
第3実施形態に係るレトラクター固定装置1のツマミ部65は、弾性機構70がバネ機構で構成されている。
具体的には、弾性機構70は、軸部90と、それぞれが該軸部90の一端部(図14における上端部)からアーム連結部61側へ向かって延びる細い板状に形成された一対の板バネ部91,91とを備えている。一対の板バネ部91,91は、軸部90の一端部からアーム連結部61側へ向かって互いに離れながら延びるように形成されている。該一対の板バネ部91,91の先端部同士の距離をD3とする。この距離D3は、レトラクター80の位置決め孔82の内径Φよりも大きい。
本実施形態において、ツマミ部65をレトラクター80の位置決め孔82に挿入すると、弾性機構70における一対の板バネ部91,91が内側(軸部90側)へ撓むように倒れこむ。そして、弾性機構70が位置決め孔82を通過すると、一対の板バネ部91,91は自身のバネ力によって互いに広がって元の状態に復元する。すなわち、本実施形態3の弾性機構70によれば、第1実施形態や第2実施形態の場合と同様、ワンタッチでレトラクター80を固定ツマミ60へ取り付けることができる。
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案は上述の実施形態に限られるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
[変形例]
(1)前述の実施形態では、第1部材50及び第2部材51でロッド部12を挟んで保持しているが、この限りでなく、例えば第1部材50を省略した構成において、ロッド部12を、固定用ボルト55の先端部と第2部材51とで挟んで保持する構成であってもよい。
(2)前述の実施形態では、レトラクター80を、ツマミ部65における一対の作用部71b,71bとアーム先端側部36との間で挟んで保持しているが、この限りでなく、例えば一対の作用部71b,71bとアーム連結部61との間で挟んで保持するような構成であってもよい。
(3)前述の実施形態では、ロッド部12は直線状に形成されているが、直線に近い形状であればどのような形状であってもよい。例えば、ゆるやかに湾曲するような形状であってもよい。
(4)前述の実施形態では、アーム本体32は、1つの屈曲部34を有しているが、この限りでなく、複数の屈曲部を有していてもよい。
図15は、変形例に係るレトラクター固定装置1のアーム部101を示す平面図である。変形例のアーム部101のアーム本体102も、前述の実施形態の場合と同様、金属製の丸棒における中途部分が屈曲されて形成されている。しかし、前述の実施形態の場合と異なり、中途部分の2か所が屈曲されている。具体的には、アーム本体102は、3つの直線部(第1直線部105a、第2直線部105b及び第3直線部106)と、2つの屈曲部(第1屈曲部104a及び第2屈曲部104b)を有している。
第1直線部105aは、比較的短い直線状に形成されている。第1直線部105aは、その一端側がボール部33の貫通孔に挿通された状態で、ボール部33と溶接により固定されている。第2直線部105bは、第1直線部105aの先端から該第1直線部105aに対して略直角(本変形例では約100度)方向に延びる直線状に形成されている。第1直線部105aと第2直線部105bとの間には、第1屈曲部104aが設けられている。第3直線部106は、第2直線部105bの先端から該第2直線部105bに対して約20度の方向に延びる直線状に形成されている。すなわち、第3直線部106は、第2直線部105bに沿うような方向に延びている。第2直線部105bと第3直線部106との間には、第2屈曲部104bが設けられている。
上述の構成において、アーム本体102における第2屈曲部104bよりも一端側(ボール部側)の部分はアーム基端側部105を構成し、アーム本体102における第2屈曲部104bよりも先端側(ボール部と反対側)の部分、すなわち第3直線部106は、アーム先端側部106を構成している。
上述のような2つの屈曲部104a,104bを有するアーム本体102を形成することで、アーム先端側部106を、第1支持機構10のロッド部12付近に配置しやすくなる。その結果、ロッド部12付近におけるレトラクター80の配置自由度を高めることができる。
(5)前述の実施形態では、ネジ部61bをアーム連結部61に設け、ネジ穴66aをツマミ部65に設けているが、この限りでなく、ネジ部及びネジ穴を設ける部材が逆であってもよい。具体的には、図16に示すように、ネジ部66bをツマミ部65に設け、ネジ穴61dをアーム連結部61に設けてもよい。このような構成であっても、アーム先端側部36がアーム挿通孔61aに挿通し且つアーム連結部61がレトラクター80の位置決め孔82に挿通した状態で、ツマミ部65をアーム連結部61に螺合することで、前述の実施形態の場合と同様、アーム先端側部36に対する固定ツマミ60の位置固定と、固定ツマミ60に対するレトラクター80の位置固定とを同時に行うことができる。
(6)前述の実施形態では、レトラクター80を、固定ツマミ60によってアーム部31へ固定しているが、この限りでなく、例えばクランプ機構やボルト締め機構によって固定してもよい。
(7)前述の実施形態では、第1支持機構10は、スクリーン掛けLに対して固定されているが、この限りでなく、手術台に直接、固定されてもよい。
本考案は、患者の開創部を広げた状態で保持するためのレトラクターを固定するレトラクター固定装置として、広く適用することができる。
1 レトラクター固定装置
10 第1支持機構
11 基台部
12 ロッド部
30 第2支持機構
31 アーム部
32 アーム本体
34 屈曲部
40 連結機構
60 固定ツマミ(レトラクター固定機構)
80 レトラクター
B 手術台
P 患者(手術対象者)
P1 開創部
L スクリーン掛け(手術台に固定された部材)

Claims (8)

  1. 手術台又は手術台に固定された部材に取り付けられる基台部、及び直線状に形成され前記基台部に固定されるロッド部を有する第1支持機構と、
    中途部分に屈曲部を有する棒状に形成されたアーム本体を有するアーム部、及び該アーム部の一端部を前記ロッド部へ連結する連結機構を有する第2支持機構と、
    手術対象者の開創部を広げるためのレトラクターを前記アーム部の他端側へ固定するレトラクター固定機構とを備え、
    前記連結機構は、前記ロッド部が挿通し該ロッド部に対してスライド可能且つ回転可能であるとともに、前記アーム部の一端部を回転自在に支持することを特徴とするレトラクター固定装置。
  2. 請求項1に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記連結機構は、
    前記ロッド部が挿通される一対の開口部が形成された中空状に形成され、ボルト孔が形成された第1壁部及び該第1壁部に対向するように配置され前記アーム本体の一端部が挿通される貫通孔が形成された第2壁部を有するボックス部材と、
    前記一対の開口部に挿通された前記ロッド部へ向かって進行するように、前記ボックス部材の外側から前記ボルト孔に螺合する固定用ボルトとを備え、
    前記アーム部の一端部は、前記貫通孔の内径よりも直径の大きな球状に形成され、前記アーム本体の一端部が前記貫通孔に挿通した状態で前記ボックス部材内に配置されるボール部として構成され、
    前記連結機構は、前記固定用ボルトが前記ボルト孔へ螺合することにより、該固定用ボルトの先端と前記第2壁部との間で前記ロッド部及び前記ボール部を挟んで保持するように構成されていることを特徴とするレトラクター固定装置。
  3. 請求項2に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記連結機構は、
    前記ボックス部材内における前記第1壁部と前記ロッド部との間に配置される第1部材と、
    前記ボックス部材内において前記ロッド部を挟んで前記第1部材に対向するように配置される第2部材とを備え、
    前記連結機構は、前記固定用ボルトが前記ボルト孔へ螺合することにより、前記固定用ボルトの先端が前記第1部材を前記第2部材側へ押圧し前記第1部材と前記第2部材との間で前記ロッド部を挟んで保持するとともに、前記第2部材と前記第2壁部との間で前記ボール部を挟んで保持するように構成されていることを特徴とするレトラクター固定装置。
  4. 請求項3に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記第2部材における前記ボール部側の部分には、縁部及び底部の少なくとも一方で該ボール部を前記第2壁部側へ押圧する凹部が形成されていることを特徴とするレトラクター固定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記レトラクター固定機構は、前記アーム本体における前記屈曲部よりも他端側の部分であるアーム先端側部が挿通し、該アーム先端側部に対してスライド可能且つ回転可能であるとともに、前記レトラクターを回転自在に支持することを特徴とするレトラクター固定装置。
  6. 請求項5に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記レトラクター固定機構は、
    前記アーム先端側部が挿通するアーム挿通孔が形成されたアーム連結部と、
    前記アーム連結部に螺合するツマミ部とを有し、
    前記ツマミ部は、前記アーム先端側部が前記アーム挿通孔に挿通し、且つ前記アーム連結部が前記レトラクターに形成された位置決め孔に挿通した状態で、前記アーム連結部に螺合することにより、前記アーム先端側部及び前記レトラクターを、前記アーム挿通孔の内壁との間で挟んで保持するように構成されていることを特徴とするレトラクター固定装置。
  7. 請求項6に記載のレトラクター装置であって、
    前記ツマミ部は、前記位置決め孔に挿通される際に該位置決め孔によって内側へ押圧されて弾性変形し、前記位置決め孔を通過した後に復元する、前記位置決め孔の内径よりも大きな弾性機構を備え、
    前記弾性機構は、前記アーム先端側部及び前記レトラクターを、前記アーム挿通孔の内壁との間で挟んで保持することを特徴とするレトラクター固定装置。
  8. 請求項7に記載のレトラクター固定装置であって、
    前記レトラクターには、長手方向に沿って複数の前記位置決め孔が形成され、
    前記ツマミ部が挿入される前記位置決め孔の長手方向の位置によって、該位置決め孔を基準位置とした前記レトラクターの突出長さが決定されることを特徴とするレトラクター固定装置。
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