JP3161749U - 止血鉗子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本考案は、簡単な機構によって鉗子の先端の挟持部の挟持圧力を無段階連続に維持できる止血鉗子を提供することを目的とする。【解決手段】本考案の止血鉗子100は、血管等を挟持する挟持部110と弾性体120と圧力調整機構130を備える。弾性体120は、基端部121と操作部122と先端部123と圧力伝達機構124を備えている。無操作時に弾性体120により挟持部110の挟持圧力を血管や生体組織の径に適する圧力に維持されている。圧力伝達機構124は、操作部122において一対の金属板を交差させる構造となっており、操作部122に対する外側からの手術者の摘まみ圧力を挟持部110の開動作方向への圧力として伝達する。手術者が操作部を指の腹で押して挟持部110の挟持間隔を開いて血管等を差し入れ、指を離せば挟持部110が閉じて挟持できる。圧力調整機構130で圧力調整板131を移動させ挟持部110の挟持圧力を調整する。【選択図】図1

Description

本考案は、小さな生体組織を把持するための鉗子、例えば、生体血管や人工血管をその組織や壁面を傷つけずに把持するために使用される止血鉗子に関する。
手術器具の一つとして、止血や生体組織の採取等の目的に応じて種々の形状を持った止血鉗子が用いられている。一般的な従来の止血鉗子10の構造を図5に示す。図5(a),図5(b)に示すように、一般的な止血鉗子は一対のレバー11を所定位置で支軸5によって回動可能に接続して構成されている。支軸5から一方の端部側には人工血管や生体血管を挟んで止血し或いは組織を挟んで挟持する挟持部4a,4bが形成されており、他方の端部には手術者が指を挿入して操作する把持部1a,1bが形成されている。なお、把持部1a,1bと支軸5の間に柄部2a,2bが形成されている。
従来の止血鉗子10は、挟持部4a,4bにより目的の血管等を挟んだ後、手術者が把持部1a,1bを離した後もその挟持状態を保持できる手術器具であり、そのために把手部1a,1bから内側に突設された係止部6a,6bが設けられている。それぞれの係止部6a,6bには、相互に係脱可能な凹凸が形成されていて、これら凹凸を係合させることで、使用者が手を離した場合でも、閉鎖状態を維持することができるようになっている。
すなわち、従来の止血鉗子10は、支軸5を中心にして、把持部1が、図5(a)に示す閉鎖状態と図5(b)に示す開放状態をとることができる。図5(a)に示す閉鎖状態においては、挟持部4のそれぞれの内側の挟持面7a,7bがほぼ合わさるようになっている。これら挟持面7a,7bには、滑り止め用の凹凸が形成されている。また、一方、図5(b)に示す開放状態においては、係止部6の係合が解除されるとともに、把持面7a,7bが離間される。なお、実際に例えば、人工血管や生体血管などを挟持部4によって挟持する場合には、図5(a)の完全閉鎖状態の少し手前、すなわち挟持面7a,7bがわずかに間隙がある状態で人工血管や生体血管を挟持して圧力をかけ、血液が流れない程度に変形させ、この状態を維持するために係止部6により係合される。
このように、従来の一般の止血用の鉗子は、図5に示すように刃を持たないものの、全体の概形としては、はさみ形状に構成されている。
特開2007−000296号公報 特開平9−285470号公報
上記公知例に係る止血鉗子は充分に大きい挟持力を得ることができ、かつ把持部の操作が直接手術者の手で操作できるため、使い勝手が良いという利点がある。しかし、上記従来のはさみ型の止血鉗子10では以下の問題があった。
第1の問題は、従来のいわゆるはさみ型の止血鉗子10では、先端の挟持部4の間隔が微妙に調整できないことである。上記のように止血鉗子とは挟持部4で人工血管や生体血管などの組織を挟持した後、そのまま挟持した状態を維持するものであるが、図5に示すように、その機構が把持部1から突出した係止部6を噛み合わせることによるロック機構となっていた。係止部6のロック機構は係止穴と係止ピンの組み合わせであるため、通常は3段階か4段階程度の挟持間隔の調整しかできないものであった。もし仮に、4段階以上の多段階のきざみのロック機構を付加した場合、当該機構が大きなものであったり重いものであったりすれば、手術野を確保しにくくなってしまい、また、操作が複雑なものであれば手術者の操作負荷が大きくなってしまう。
第2の問題は、従来のはさみ型の止血鉗子10の把持部1の使い勝手の問題である。止血鉗子の把持部1は通常は輪状のもので一方に親指を入れ、他方に人差し指又は中指を入れる、いわゆるはさみの持ち手のような構造をしているが、手術では止血する人工血管や生体血管の位置が常に手術者に正対する位置にあるとは限らず、斜めから人工血管や生体血管にアクセスせざるを得ない場合がある。このように斜め方向からアクセスする状況下では、一方に親指を入れ、他方に人差し指又は中指を入れて操作するはさみの持ち手のような操作が行いにくい場合がある。従来は手術者が立ち位置を変えたり、背伸びしたり、屈んだりなど姿勢を変えてアクセス角度を調整しなければならなかった。
第3の問題は、従来のはさみ型の止血鉗子10では、挟持部4の開閉間隔が大きく、また、挟持部4の開閉動作が略平行の開閉動作ではなく角度がついた開閉動作であり、挟持部4の位置に応じて発生する挟持力にバラツキがあるという問題である。人工血管や生体血管の一時的な閉締を目的としているため、挟持部4の挟持間隔は、理想的には、人工血管や生体血管を挟むために適度な間隔で略平行に開き、その後、略平行のまま人工血管や生体血管を潰さない程度に間隔を調整できることが良い。しかし、上記従来の止血鉗子10では、いわゆるはさみのような概形の回動動作になるため、挟持部4の先端部分の開閉が不必要に大きく、逆に挟持部4の根元部分の開閉が小さく、人工血管や生体血管などの細い組織を均等に押圧して閉締する操作にとって理想的な動作であるとは言えなかった。
上記問題点に鑑み、本考案は、簡単な機構によって鉗子の先端の挟持部の間隔を無段階連続に維持できる止血鉗子を提供することを目的とする。また、本考案は、手術者が、従来のはさみ型の鉗子のように一方の輪に親指をいれ、他方の輪に人差し指又は中指を入れるような把持部ではなく、「指の腹で摘まむ」という簡単な把持による操作を可能とする止血鉗子を提供することを目的とする。さらに、本考案は、先端の挟持部の開閉動作の幅が生体血管や人工血管に適する幅であり、かつ、略平行な開閉動作ができ、生体血管や人工血管の挟持に適した開閉動作となる止血鉗子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案の止血鉗子は、外科手術に用いられる止血鉗子であって、生体血管や生体組織を挟持する挟持部と、弾性を有する一対の金属板を長手方向で結合した基端部と、挟持部を支持する先端部と、基端部と挟持部をつなぐ操作部とを備え、基端部を支点とし、無操作時に、挟持部の挟持圧力を手術部位の血管等や生体組織の径に適する圧力に維持する弾性体を備え、弾性体が、操作部に対する外側からの手術者の摘まみ圧力を挟持部の開動作方向への圧力として伝達し、内側からの機械押圧力を挟持部の閉動作方向への圧力として伝達する圧力伝達機構と、弾性体の操作部に対して内側から機械押圧力を調整して付与し、挟持部の挟持間隔を微調整する圧力調整機構とを備えた止血鉗子である。
なお、上記構成において、圧力伝達機構は、操作部において対向し合う一対の金属板を交差させて入れ替える構造であり、圧力調整機構が、操作部の内壁に圧力調整板を当接させつつ一対の金属板の間に挟み込んだ構造とすることが好ましい。
また、上記構成において、弾性体が、基端部付近において対向し合う金属板の間隔が滑らかに漸減する弓状の内壁面を備え、圧力調整機構が、基端部の弓状の内壁面の部位において圧力調整板が当接する位置を無段階連続に調整できる機構であり、挟持部の挟持圧力を無段階連続に調整できることが好ましい。
さらに、圧力調整機構の部材として、圧力調整板と基端部との間に配設された第2の弾性体を備え、第2の弾性体の弾性力を圧力調整板面に印加する構造とすれば、弾性体の操作部の内壁に当接する圧力調整板の姿勢を安定させることができる。
ここで、上記構成において、圧力伝達機構において、操作部との接続端から交差部分までの距離が、挟持部との接続端から交差部分までの距離に比べて長く、操作部との接続端の間隔が、挟持部との接続端の間隔に比べて大きい構造とし、圧力調整機構によって、操作部の金属板への操作が挟持部に比例関係で伝達され、挟持部の開閉動作が略平行を保ちつつ間隔を狭めたり拡げたりする動作とする。圧力伝達機構においてこの関係があれば、圧力伝達機構は、操作部に対して加えられた手術者の指の操作量を、挟持部の作用量として伝達しつつ略平行に開閉動作を行うものである。
本考案に係る止血鉗子によれば、弾性体の内側に配設した圧力調整機構により、鉗子の先端の挟持部の間隔を無段階連続に維持できる。圧力調整機構としては、弾性体の基端部の弓状の内壁面に対する圧力調整板の当接位置を例えばボルトナット式で移動させるというきわめて簡単な構造でよい。また、本考案に係る止血鉗子によれば、弾性体の操作部分を指の腹で摘まむという簡単な把持による挟持部の開閉動作が可能となる。また、本考案に係る止血鉗子によれば、挟持部の略平行な開閉動作ができ、生体血管や人工血管の挟持に適した開閉動作となる。
以下、本考案の止血鉗子を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本考案はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本考案に係る止血鉗子の構成例を、図面を参照しながら説明する。図1は、本考案の実施例1の止血鉗子100の構成例を簡単に示した図である。図1(a)は平面図、図1(b)は右側面図となっている。なお、図1(c)は圧力伝達機構124の部位の符号のみを説明するため取り出して示している。
図1に示すように、止血鉗子100は、挟持部110、弾性体120、圧力調整機構130を備えた構造となっている。挟持部110は、人工血管、生体血管その他生体組織などを挟持する部分であり、2枚の板状の金属片110a、110bが略平行に対向し合う形となっている。後述するように、その動作は、対向し合う板状の金属片110a、110bが略平行を保ちつつ間隔を狭めたり拡げたりする動作となる。挟持部110の間隔は後述する弾性体120によって手術部位の人工血管、生体血管その他生体組織などの径に適する間隔に維持されている。挟持部110の間隔は、後述するように、止血鉗子100の操作部122の押圧操作により拡がり、手術部位の人工血管、生体血管その他生体組織を挟み込んだ後、操作部122の押圧を停止すると狭まり、適度な圧により血管等を挟持するものである。この圧の大きさについては後述する。
また、後述するように、挟持部110の挟持間隔及び挟持圧力は、圧力調整機構130により調整できるため、大動脈や肝門脈など太い血管を挟持する場合であれば、圧力調整機構130を操作して、より太い血管(例えば3mm程度などの血管)を適切に挟持できるように挟持間隔及び挟持圧力を調整することも可能である。
挟持部110の素材は、ある程度の剛性と靱性があり衛生的に管理しやすい素材であれば良いが、金属素材、例えば、ステンレス鋼、チタン合金、マグネシウム合金などで良い。
弾性体120は、全体が馬蹄形をした金属体であり、基端部121、操作部122、先端部123の各部と、弾性運動をするそれら各部にかかる圧力を伝達する圧力伝達機構124を備えている。
弾性体120全体の素材としても、ある程度の剛性と靱性があり衛生的に管理しやすい素材であれば良く、挟持部110と同様、金属素材、例えば、ステンレス鋼、チタン合金、マグネシウム合金などで良い。
弾性体120の基端部121は、馬蹄型の基端部であり、一枚の金属板が長手方向に弓状に曲げられた湾曲部分を形成したものとなっている。逆に言えば、一対の弾性を有する金属板120a,120bを長手方向で結合したものとなっている。図1(a)に示すように、基端部付近において対向し合う金属板の間隔が滑らかに漸減する弓状の内壁面となっている。後述するように、この弾性体120の基端部121を支点とした湾曲により弾性体120全体としての弾性力が得られるものとなっている。
弾性体120の操作部122は、馬蹄型の腹の部分であり、基端部121と先端部123をつなぐ操作部分となっている。後述するように、手術者が指で操作する際、手術者が指の腹でこの操作部122を摘まんで撓ませることにより圧力伝達機構124を介して挟持部110の開閉を操作するものとなっている。
先端部123は、挟持部110を支持する接続部分である。この構成例では、操作部122と先端部123との連動が圧力伝達機構124を介して行われる。
圧力伝達機構124は、操作部122に対する外側からの手術者の摘まみ圧力を挟持部110に伝達する機構であるが、この構成例では、圧力伝達機構124が、操作部122において対向し合う金属板120a,120bを交差させて長手方向においてクロスする構造となっている。
このように、一対の対向し合う金属板120a,120bを交差させているので、操作部122に対する外側からの手術者の摘まみ圧力を挟持部110の開動作方向への圧力として伝達し、また、操作部122に対する内側からの押圧力を挟持部110の閉動作方向への圧力として伝達する機構となっている。なお、この構成例では、操作部122に対する内側からの押圧力は、圧力調整機構130の圧力調整板131が内側から操作部122の内壁面に当接することにより印加されている。
図2を参照しつつ圧力伝達機構124による力の伝達について説明する。圧力伝達機構124は、操作部122に対して加えられた手術者の指の操作量を、挟持部110の作用量として伝達する機構である。この実施例では、図1(c)に示すように、圧力伝達機構124は、操作部122との接続端1241、交差部分1242、挟持部110との接続端1243の各部があるが、交差部分1242は支点のように固定される軸を持たず、2枚の金属板の対向関係が入れ替わるのみである。図2(a)に示すように、基本姿勢において挟持部110の間隔は適度な圧力で閉じられている。
ここで、図2(b)に示すように、手術者の指の腹で操作部122を図中上下方向から押圧すると、圧力伝達機構124による力の伝達は、図2(b)に示すように、操作部122から接続端1241から伝えられる力は図中上下方向の動作であり、交差部1242を経て接続端1243から挟持部110に伝えられる力は図中上下方向の動作である。つまり、図2(b)に示すように、操作部122に対して加えられた手術者の指の押圧により、金属板120aが下方向に移動し、金属板120bが上方向に移動すれば、操作部122において、金属板120aが図中上側、金属板120bが図中下側にあるため、操作部122では両者の間隔が狭まるように動作するが、交差部分1242により金属板120aと金属板120bの位置関係が入れ替わり、挟持部110において、金属板120aが図中下側、金属板120bが図中上側にあるため、挟持部110では両者の間隔が拡がるように動作する。
一方、図2(c)に示すように、操作部122に対して加えられた手術者の指の押圧を緩めれば、弾性体120の弾性力により金属板120aが上方向に戻り、金属板120bが下方向に戻れば、操作部122において、金属板120aが図中上側、金属板120bが図中下側にあるため、操作部122では両者の間隔が拡がるように動作し、交差部分1242により金属板120aと金属板120bの位置関係が入れ替わり、挟持部110において、金属板120aが図中下側、金属板120bが図中上側にあるため、挟持部110では両者の間隔が狭まるように動作する。最終的には挟持部110の間隔は元通りの挟持圧力が発生するまで締まる。
ここで、圧力伝達機構124により伝達される、操作部122に対して加えられた手術者の指の操作変位量(上下移動距離)X1と、挟持部110の作用変位量(上下移動距離)X2は、略同じものとなっている。
次に、圧力調整機構130について図3を参照しつつ説明する。圧力調整機構130は、弾性体120の操作部122に対して内側から機械押圧力を調整して付与し、挟持部110の挟持間隔を微調整する機構である。この構成例では、圧力調整機構130は、圧力調整板131、調整部132、第2の弾性体133を備えた構成となっている。
圧力調整板131は、図3(a)に示すように、内側から操作部122の内壁に当接させつつ挟まれた構造となっており、その長さが、操作部122における対向し合う金属板120a,120bに当接しつつ収まる長さとなっている。つまり、圧力調整板131は操作部122において対向し合う金属板120a,120bの内壁面の間に当接するように配置されている。
ここで、この構成例は、図3(a)に示すように、基端部121付近において対向し合う金属板120a,120bの間隔が滑らかに漸減する弓状の内壁面となっているので、圧力調整板131の金属板120a,120bへの当接位置が基端部121の内壁面近くであり、圧力調整機構130により圧力調整板131が当接する位置を基端部121の弓状の内壁面の部位付近で無段階連続に調整できる機構となる。
圧力調整板131は操作部122において対向し合う金属板120a,120bの間に当接しているため、圧力調整板131が基端部121の弓状の内壁面の部位の方へ移動してゆくにつれ、基端部121を支点とし、対向し合う金属板120a,120bの間を押し広げるように機械的押圧力(抗力)を発生するものとなっている。つまり、間隔が滑らかに変化する弓状の内壁面に当接する圧力調整板131の当接位置を無段階に変化させることにより、対向し合う金属板120a,120bの間隔が無段階で自在に変化させることができる仕組みとなっている。その結果、本考案の止血鉗子100は、挟持部110の挟持圧力が無段階連続に調整できる仕組みとなっている。
ここで、圧力調整機構130による圧力調整板131の当接位置を移動させる手段は限定されないが、この構成例では、いわゆるボルトナットの締結・弛緩によって基端部121と圧力調整板131との距離を可変とするネジ式の調整部132が設けられている構成例となっている。
そこで、この構成例では、図3(b)に示すように、ネジを巻くようにネジ式の調整部132を締めれば、圧力調整板131を引き付けて基端部121と圧力調整板131との距離が小さくなり、圧力調整板131の当接位置が基端部121に近づき、弾性体120の金属板120a,120bが外側に拡がる圧力が増え、交差部131を経て挟持部110には逆に内側に狭まる圧力が増え、その結果、挟持部110挟持圧力が強まる。
一方、図3(c)に示すように、ネジを緩めるようにネジ式の調整部132を緩めれば、圧力調整板131を遠ざけて基端部121と圧力調整板131との距離が大きくなり、その結果、圧力調整板131の当接位置が基端部121から遠ざかり、弾性体120の金属板120a,120bが内側に狭まる圧力が増え、交差部131を経て挟持部110には逆に外側に拡がる圧力が増え、その結果、挟持部110の挟持圧力が弱まる。
手術者は、図3(b)又は図3(c)に示すように、ネジ式の調整部132を締めたり緩めたりして調整することにより、挟持部110の挟持間隔及び挟持圧力を微細に調整することができ、手術者の思いのままに人工血管、生体血管その他生体組織に合わせて挟持間隔及び挟持圧力を自在に変え、血流閉締の強さを自在に変えることができる。
第2の弾性体133は、圧力調整板131と基端部121との間に配設されたものであり、圧力調整板131の姿勢を安定させるものである。この構成例ではバネとなっている。第2の弾性体133は、図1に示すように、圧力調整板131と基端部121との間において弾性収縮して弾性力を生じており、その弾性力は圧力調整板131の面に対して印加されている。
この構成例では、圧力調整板131はネジ式の調整部132によって左右方向に移動するが、ネジがスムーズに回るために多少の遊びが必要である。また、圧力調整板131は、弾性体120の操作部122の内壁に当接して上下方向から押圧力を受けており、左右方向に移動時には上下の当接面において摩擦力が生じる。それら理由のため、圧力調整板131の左右方向への調整・移動が上下均等にならず安定しないおそれがある。そこで、第2の弾性体133により圧力調整板131面に対して上下均等に圧力を加え、圧力調整板131の姿勢を安定させる。
次に、本考案の止血鉗子100を用いて人工血管又は生体血管を挟んで閉締する手順について図4を参照しつつ示しておく。図4(a)は、本考案の止血鉗子100の斜視図である。図4(b)に示すように、手術者は指の腹で操作部122を押圧し、挟持部110を適当な間隔まで開く。その状態のまま、図4(c)に示すように、止血のため閉締したい人工血管又は生体血管を挟持部110の間に入れる。
この後、手術者が押圧していた指を離すと、弾性体120の弾性力により操作部122の間隔が元に戻り、挟持部110が略平行に移動しつつ閉じ、両者間に挟持圧力が生じる。その結果、人工血管又は生体血管が挟持部110により適切な挟持圧力により閉締される。
次に、本実施例1に示した本考案の止血鉗子100の試作品を実際に製作し、当該試作品の挟持部110における挟持力の均一性を確認する実験を行った。第1の実験は、挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部位における挟持力を測定する実験である。
本考案の止血鉗子100は、上記したように、挟持部110の挟持圧力は調整部132の回転角で調整可能である。そこで、調整部132の回転角を0度、90度、180度、270度の4通りに調整し、それぞれの調整角度にて挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部位における挟持力を測定した。なお、比較対照としてブルドック鉗子を用意して同一条件で実験を行った。ブルドック鉗子の場合はねじ調節の回転数を0回転、4回転、8回転として、それぞれの回転数にて挟持部の先端部、中央部、根元部の各部位における挟持力を測定した。
挟持力の測定方法は、米国Tekscan社製の力センサ、FlexiForce(登録商標)ELFシステムにて、本考案に係る止血鉗子100の先端部、中央部、根元部での挟持力を測定する方法を採用した。測定結果は[表1]に示すように得られた。
Figure 0003161749
表1に示す通り、本考案に係る止血鉗子100の試作品では、挟持力調整範囲が191g〜677gであるが、挟持部110の先端部、中央部、根元部での挟持力の差異は最大でも46gしかない。つまり、本考案に係る止血鉗子100の試作品では挟持部110の先端部、中央部、根元部での挟持力は略均一でばらつきが少なく、挟持する場所により挟持力に差異がない機構、つまり、挟持部110が略平行に開閉する機構であることが確認された。一方、ブルドック鉗子の挟持力はねじ調節が0回転でも先端部、中央部、根元部の挟持力の差異は96g、8回転になると298gもある。つまり、従来のブルドック鉗子では挟持する場所により挟持力にばらつきがあることが分かる。
次に、第2の実験は、本考案の止血鉗子100による人工血管の遮断効果を確認する実験である。遮断効果は、挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部位において確認した。上記実験1と同様、本考案の止血鉗子100は調整部132の回転角を0度、90度、180度、270度の4通りに調整し、それぞれの調整角度にて挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部位における遮断効果を確認した。なお、比較対照としてブルドック鉗子を用意して同一条件で実験を行った。ブルドック鉗子の場合も実験1と同様、ねじ調節の回転数を0回転、4回転、8回転として、それぞれの回転数にて挟持部の先端部、中央部、根元部の各部位における遮断効果を確認した。
実験方法として、ePTFE製の人工血管及び多層構造の人工血管200の片端を120mmHgの圧力がかかるように、水を満たした回路に接続して、従来のブルドック鉗子及び本考案に係る止血鉗子100の先端部、中央部、根元部で把持した際に水流が遮断されるかを確認する方法を採用した。測定結果は[表2]および[表3]に示すように得られた。
Figure 0003161749
Figure 0003161749
[表2]の結果を考察する。単層構造の人工血管Aの場合、本考案に係る止血鉗子100では、調整部132の回転角が0度のとき、先端部、中央部、根元部の各部位において一様に遮断効果が見られない一方、調整部132の回転角が90度、180度、270度のとき、先端部、中央部、根元部の各部位において一様に遮断効果が見られる。つまり、本考案に係る止血鉗子100では、先端部、中央部、根元部の各部位において一様に遮断効果の有無が確認できる。一方、ブルドック鉗子では、ねじ調節が0回転では先端部、中央部、根元部のいずれでも遮断効果はないが、ねじ調節が4回転、8回転になると先端部、中央部には遮断効果はないが根元部には遮断効果が見られる。このように、従来のブルドック鉗子では挟持する場所により遮断効果にばらつきがあることが分かる。
[表3]の結果を考察する。多層構造の人工血管Bの場合、単層構造の人工血管Aよりも壁面が厚く弾力があるため、大きな挟持力で挟持しないと遮断効果が発揮されない。本考案に係る止血鉗子100では、調整部132の回転角が0度、90度、180度では、挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部とも遮断効果は見られないが、調整部132の回転角が270度まで至ると挟持部110の先端部、中央部、根元部の各部とも遮断効果は見られるようになる。つまり、本考案に係る止血鉗子100では、先端部、中央部、根元部の各部位において一様に遮断効果の有無が確認できる。一方、ブルドック鉗子では、ねじ調節が0回転、4回転では先端部、中央部、根元部のいずれでも遮断効果はないが、ねじ調節が8回転になると先端部、中央部には遮断効果はないが根元部には遮断効果が見られる。このように、従来のブルドック鉗子では挟持する場所により遮断効果にばらつきがあることが分かる。
以上、本考案の業務用の止血鉗子の構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本考案の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本考案の止血鉗子は、止血鉗子などに広く適用することができ、特に、人工血管、生体血管その他生体組織を挟持閉締する止血鉗子などに広く適用することができる。
本考案の実施例1の止血鉗子100の構成例を簡単に示した図である。 圧力伝達機構124による力の伝達を簡単に示した図である。 圧力調整機構130による挟持部110の挟持圧力を調整する様子を説明する図である。 人工血管又は生体血管を挟んで閉締する手順を説明する図である。 一般的な従来の止血鉗子10の構造を示す図である。
110 挟持部
120 弾性体
121 基端部
122 操作部
123 先端部
124 圧力伝達機構
130 圧力調整機構
131 圧力調整板
132 調整部
133 第2の弾性体
100 止血鉗子

Claims (5)

  1. 外科手術に用いられる止血鉗子であって、
    血管や生体組織を挟持する挟持部と、
    弾性を有する一対の金属板を長手方向で結合した基端部と、前記挟持部を支持する先端部と、前記基端部と前記挟持部をつなぐ操作部とを備え、前記基端部を支点とし、無操作時に、前記挟持部の挟持圧力を手術部位の前記血管や前記生体組織の径に適する圧力に維持する弾性体を備え、
    前記弾性体が、前記操作部に対する外側からの手術者の摘まみ圧力を前記挟持部の開動作方向への圧力として伝達し、内側からの機械押圧力を前記挟持部の閉動作方向への圧力として伝達する圧力伝達機構と、前記弾性体の前記操作部に対して内側から前記機械押圧力を調整して付与し、前記挟持部の挟持圧力を微調整する圧力調整機構とを備えた止血鉗子。
  2. 前記圧力伝達機構が、前記操作部において対向し合う一対の前記金属板を交差させて入れ替える構造であり、
    前記圧力調整機構が、前記操作部の内壁に圧力調整板を当接させつつ一対の前記金属板の間に挟み込んだ構造である請求項1に記載の止血鉗子。
  3. 前記弾性体が、前記基端部付近において対向し合う前記金属板の間隔が滑らかに漸減する弓状の内壁面を備え、
    前記圧力調整機構が、前記基端部の前記弓状の内壁面の部位において前記圧力調整板が当接する位置を無段階連続に調整できる機構であり、前記挟持部の挟持圧力を無段階連続に調整できる請求項2に記載の止血鉗子。
  4. 前記圧力調整機構の部材として、前記圧力調整板と前記基端部との間に配設された第2の弾性体を備え、前記第2の弾性体の弾性力を前記圧力調整板面に印加することにより、前記弾性体の前記操作部の内壁に当接する前記圧力調整板の姿勢を安定させることを特徴とする請求項2に記載の止血鉗子。
  5. 前記圧力伝達機構において、前記操作部との接続端から前記交差部分までの距離が、前記挟持部との接続端から前記交差部分までの距離に比べて長く、前記操作部との接続端の間隔が、前記挟持部との接続端の間隔に比べて大きい構造とし、前記圧力調整機構によって、前記操作部の前記金属板への操作が前記挟持部に比例関係で伝達され、前記挟持部の開閉動作が略平行を保ちつつ間隔を狭めたり拡げたりする動作となることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の止血鉗子。
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CN108420489A (zh) * 2018-01-11 2018-08-21 温州医科大学附属第医院 一种阴茎血管临时阻断器
CN113367760A (zh) * 2021-06-22 2021-09-10 张爱民 一种下腔静脉快速止血钳

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