JP2016086967A - 手術器具用固定機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れた手術器具用固定機構を提供する。
【解決手段】手術器具用固定機構9は、ロッド部6と、摺動部11と、操作部40とを備えている。摺動部11は、基端側の部分に形成されたロッド部用の貫通孔部11aの内周面がロッド部6の外周面に対して摺動することによりロッド部6に対して移動する。操作部40は、1回転未満、回転操作されることにより、摺動部11がロッド部6に対して固定される固定状態と、摺動部11がロッド部6に対して摺動可能となる摺動可能状態と、を切り替え可能に構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、手術器具用に用いられ、ロッド部に沿って摺動する摺動部を該ロッド部に対して固定可能な手術器具用固定機構に関する。
手術用の器具として、あるロッド状の部分(ロッド部)に沿って摺動する摺動部を該ロッド部に対して回転或いはスライド移動等させた後に固定することにより、当該摺動部(又は当該摺動部とともに移動する固定対象)を所望の位置で固定可能な器具が知られている。
例えば、特許文献1には、手術台等に固定された支柱(ロッド部)に沿って摺動する支持部材(摺動部)を備えた手術用具の保持装置が開示されている。この支持部材には、患者の切開創を開いて術野を確保するためのレトラクター(固定対象)を保持するためのアームが、軸部材等を介して取り付けられている。そして、この支持部材は、術者が所定の操作を行うことによりアーム、カム、軸部材等が協働し、支柱に対する摺動可能状態と固定状態とに切り替えられる。
また、特許文献2に開示される連結機構(摺動部)は、該連結機構が有する2つの部材によってロッド部を挟んで保持するように構成されている。そして、連結機構は、術者が固定用ボルトを部材に対して締め込んだり緩めたりすることで、ロッド部に対する摺動可能状態と固定状態とに切り替えられる。
また、特許文献2に開示される固定ツマミ(摺動部)は、該固定ツマミが摺動するアーム部(ロッド部)とツマミ部材とによってレトラクターを挟むことができる。そして、固定ツマミは、術者が該固定ツマミをアーム部側へ締め込んだり緩めたりすることで、アーム部に対する摺動可能状態と固定状態とに切り替えられる。
特開2010−264130号公報 実用新案登録第3181075号明細書
しかし、上述した特許文献1に開示される保持機構の場合、摺動部をロッド部に固定するために協働する部材が多数存在するため(アーム、カム、軸部材等)、機構が比較的複雑である。更に、機構が複雑であることに伴い、当該機構が大型となってしまう。
また、上述した特許文献2に開示される機構の場合、通常はネジを締め込んだり緩めたりするために固定用ボルト又はツマミ部を複数回、回す必要があるため、その操作が煩雑である。更に、摺動部が摺動可能状態であるか又は固定状態であるかの判断を、操作部(固定用ボルト又はツマミ部)の状態から判断することができない。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れた手術器具用固定機構を提供することである。
(1)上記目的を達成するための本発明に係る手術器具用固定機構は、ロッド状の部分であるロッド部と、前記ロッド部と交差する方向に沿って該ロッド部から離れる方向へ延びるとともに、基端側の部分に前記ロッド部が挿通する貫通孔部が形成され、該貫通孔部の内周面が前記ロッド部の外周面に対して摺動することにより前記ロッド部に対して移動する摺動部と、前記摺動部の延出方向に沿って前記ロッド部から離れる方向へ延びるように形成され、前記延出方向に沿う軸を回転軸として前記摺動部に対して摺動しながら回転可能であり、基端側の端部に形成された当接部が、前記貫通孔部に挿通した前記ロッド部を前記摺動部との間で挟んで保持する操作部と、を備え、前記操作部は、1回転未満回転操作されることにより、前記摺動部が前記ロッド部に対して固定される固定状態と、前記摺動部が前記ロッド部に対して摺動可能となる摺動可能状態と、を切り替え可能に構成され、前記固定状態では、前記当接部が前記ロッド部に当接して該当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態となることにより前記摺動部が前記ロッド部に対して固定され、前記摺動可能状態では、前記当接部の前記ロッド部に対する当接が解除されることにより前記摺動部が前記ロッド部に対して摺動可能となる。
この構成によると、摺動可能状態にある手術器具用固定機構において、摺動部をロッド部に対して摺動した後、操作部を1回転未満回転操作して、ロッド部を当接部と摺動部との間で挟むことにより、摺動部をロッド部に対して固定することができる。すなわち、この構成によれば、操作部を複数回、回転させることなく、1回転未満で、摺動可能状態と固定状態とを切り替えることができる。
また、この構成によると、固定状態においては、操作部における所定の位置に形成された当接部がロッド部と当接するため、ロッド部と操作部との相対的な位置関係が、いくつかの位置関係に限定される。すなわち、この構成によれば、ロッド部に対する操作部の相対的な位置関係を見るだけで、摺動部が摺動可能な状態にあるか又は固定された状態にあるかを、容易に判別することができる。
また、この構成によると、摺動部をロッド部に固定するための構造が、ロッド部、摺動部、及び操作部等を備えて構成された比較的小型で簡素な構造によって実現される。これにより、当該機構を簡素化且つ小型化できる。
従って、該手術器具用固定機構によると、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れた手術器具用固定機構を提供できる。
(2)好ましくは、前記操作部は、前記摺動部の外周面に対して摺動可能な内周面が形成された円筒部を有している。この構成によると、操作部を摺動部に対してスムーズに摺動させることができる。
(3)更に好ましくは、前記操作部は、前記円筒部の中心軸と垂直な方向に沿って、該円筒部から径方向外方へ延びる延出部を更に有している。この構成によると、円筒部の中心軸方向から視た場合における、ロッド部に対する延出部の角度を確認することにより、手術器具用固定機構が固定状態にあるか摺動可能状態にあるかを、より容易に判別することができる。
(4)更に好ましくは、前記延出部の長手方向は、前記摺動可能状態では前記ロッド部の長手方向に沿う方向となり、前記固定状態では前記ロッド部の長手方向と垂直な方向に沿う方向となる。
この構成によると、ユーザは、手術器具用固定器具の状態(固定状態にあるか、摺動可能状態にあるか)を、感覚的且つ瞬間的に把握することができる。
(5)好ましくは、前記操作部の基端側の端部は、前記円筒部の中心軸方向から視て、該円筒部の中心を通過する対称軸に対して線対称となるように形成されている。
この構成によると、例えば、操作部の基端側の端部を切削して当接部等を形成する場合、比較的容易に且つ短時間で形成することができる。具体的には、外周面に切削刃が形成された細長いドリル状の工具の切削刃を前記操作部の基端側の端部に宛がった状態で回転させながら両者を相対的に移動させることにより、前記端部の形状を一度に形成することができる。
(6)好ましくは、前記当接部は、前記摺動部との間で挟まれる前記ロッド部が嵌まり込む凹状に形成されている。
この構成によると、ロッド部が凹状の部分に嵌まり込むことにより、手術器具用固定器具を固定状態で確実に保持することができる。これにより、固定状態にある手術器具用固定器具が術者の意に反して摺動可能状態に切り替わり、摺動部が固定した位置から動いてしまうことを防止できる。
(7)好ましくは、前記摺動部における前記当接部よりも該摺動部の先端側の部分には、第1孔部が形成されている。
この構成によると、手術器具用固定機構が摺動可能状態から固定状態へ切り替えられる際、操作部における当接部付近の部分が撓んでロッド部が当接部に当接する。すなわち、ロッド部及び操作部の寸法誤差が比較的大きくなっても、上述した部分の撓みによって、摺動可能状態と固定状態との間の切り替えをスムーズに行うことができる。よって、この構成によれば、ロッド部及び操作部等に要求される寸法公差を緩くできるため、その分、ロッド部及び操作部等の製造に必要なコストを低減できる。
(8)好ましくは、前記操作部には、前記当接部としての第1当接部と、該操作部の基端側の端部における前記第1当接部が形成された部位とは異なる部位に設けられた第2当接部と、が形成され、前記摺動可能状態では、前記第2当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態において、前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗が、前記固定状態のときの前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗よりも小さくなる。
この構成では、上述のような第2当接部を操作部に形成することにより、手術器具用固定機構を摺動可能状態にすることが可能となる。すなわち、この構成では、他の部品を用いることなく手術器具用固定機構を、自重では動かない程度の適度な摺動抵抗を伴った摺動可能状態で保持することが可能となるため、より簡素化された手術器具用固定機構を提供できる。
(9)更に好ましくは、前記摺動部における前記第2当接部よりも該摺動部の先端側の部分には、第2孔部が形成されている。
この構成によると、ロッド部が第2当接部に当接している摺動可能状態において摺動部をロッド部に対して摺動させると、操作部における第2当接部付近の部分が撓むため、摺動部とロッド部との間の摺動抵抗を適切に確保することができる。
(10)好ましくは、前記操作部には、前記当接部としての第1当接部と、該操作部の基端側の端部における前記第1当接部が形成された部位とは異なる部位に設けられた第3当接部と、が形成され、前記操作部は、回転操作されることにより、前記第3当接部が前記ロッド部に当接して該第3当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態であって、当該状態における前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗が前記摺動可能状態のときよりも高く且つ前記固定状態のときよりも低い緩固定状態、にも切り替え可能である。
この構成によると、手術器具用固定機構を、摺動可能状態及び固定状態だけでなく、緩固定状態にも切り替えることができる。こうすると、例えば、手術器具用固定機構を緩固定状態とすることにより摺動部をロッド部に対して仮固定した状態にもできるため、ユーザのニーズに合わせたより操作性に優れた手術器具用固定機構を提供できる。
本発明によると、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れた手術器具用固定機構を提供できる。
第1実施形態に係るレトラクター固定装置の使用形態の一例を示す概略図である。 図1に示すレトラクター固定機構の正面図である。 図2のIII-III線における断面図である。 図2に示すベース部の形状を示す図であって、(A)は正面図、(B)は(A)のIVB-IVB線における断面図である。 図2に示すレバー部の形状を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は正面図である。 図5(B)に示すレバー部の一部を拡大して示す図である。 図3のVII-VII線における断面図であって、ベース部に対するレバー部の取付け状態を説明するための図である。 レトラクター固定機構のレバー部の操作状態を示す斜視図であって、(A)は固定機構部が固定状態のときの図、(B)は固定機構部が摺動可能状態のときの図、である。 第2実施形態に係る創外固定器を示す斜視図である。 図9に示す創外固定器の摺動部の斜視図である。 第3実施形態に係るデプスゲージを示す正面図である。 図11に示すデプスゲージを矢印XII方向から視た矢視図である。 変形例に係るレトラクター固定装置のレバー部の形状を示す斜視図である。 変形例に係るレトラクター固定装置のレバー部の形状を示す斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、本発明の実施形態に係る手術器具用固定機構を有するレトラクター固定装置1を例に挙げて説明するが、手術器具用固定機構の適用例はこれに限らず、その他の手術器具に広く適用することができる。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るレトラクター固定装置1の使用形態の一例を示す概略図である。レトラクター固定装置1は、患者Pの開創部P1を広げた状態のレトラクターRを、患者Pに対する所望の位置で固定するためのものである。図1では、レトラクター固定装置1は、患者Pが横たわる手術台Bに固定されるL字状のスクリーン掛けLに固定される。スクリーン掛けLは、手術時に使用される覆布を掛けるためのものである。
[全体構成]
レトラクター固定装置1は、図1に示すように、第1支持機構2と、第2支持機構3と、手術器具用固定機構としてのレトラクター固定機構9と、を有している。なお、図1では、レトラクター固定装置1における固定機構部10(詳しくは後述する)の位置を、破線で示された直方体によって概略的に図示している。レトラクター固定装置1では、第2支持機構3が、スクリーン掛けLに固定された第1支持機構2に対して、連結機構4を介して取り付けられる。連結機構4は、一対のブロック部4a,4b及び固定ネジ4cを有している。連結機構4では、該連結機構4を第1支持機構2の棒状部2aに対する所望の位置に配置し、一対のブロック部4a,4bの間に第1支持機構2の棒状部2aが挟まれた状態で固定ネジ4cが締め込まれる。これにより、一対のブロック部4a,4bによって棒状部2aが挟まれて保持されるため、第2支持機構3を第1支持機構2に対して固定することができる。
第2支持機構3は、連結機構4によって第1支持機構2に固定されるアーム部5を有している。アーム部5は、図1に示すように、ロッド状の部材の長手方向における中途部分に屈曲部が形成されたアーム本体6と、アーム本体6の一端側に固定されたボール部7とを有している。アーム部5は、図1に示すように、ボール部7が連結機構4のボックス部材4dとブロック部4bとの間に挟まれることにより、第1支持機構2に対して保持される。
[レトラクター固定機構の構成]
レトラクター固定機構9は、上述したアーム本体6(ロッド部)と、固定機構部10とを有している。レトラクター固定機構9によれば、レトラクターRを、固定機構部10によって、アーム本体6の先端側の部分である先端側部6aに対して固定することができる。
図2は、図1に示すレトラクター固定機構9の正面図である。また、図3は、図2のIII-III線における断面図である。なお、図3では、アーム本体6の図示を省略している。
固定機構部10は、図2及び図3に示すように、ベース部11(摺動部)、揺動部20、レバー部40(操作部)、抜け止め部50、第1プランジャー55、及び第2プランジャー56等を有している。なお、図2及び図3では、説明の便宜上、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方、前と記載された矢印が指示する方向を前側又は前方、後と記載された矢印が指示する方向を後側又は後方、右と記載された矢印が指示する方向を右側、左と記載された矢印が指示する方向を左側、と称する。左右方向は、アーム本体6の先端側部6aが延びる方向に対応している。
図4は、図2に示すベース部11の形状を示す図であって、(A)は正面図、(B)は(A)のIVB-IVB線における断面図である。ベース部11は、内部に複数の穴が形成された細長い略円柱状の部材である。ベース部11の長手方向中央部分には、左右方向(該ベース部11の延出方向に垂直な方向)に延びて該ベース部11を貫通する貫通孔部11aが形成されている。この貫通孔部11aは、アーム本体6の先端側部6aが挿通するアーム用貫通孔部11aとして設けられている。ベース部11は、アーム用貫通孔部11aが設けられた部分である基部12と、該基部12からアーム本体6の長手方向に垂直な方向に向かって延びる第1延出部13と、前記基部12から前記第1延出部13が延びる方向と反対方向へ延びる第2延出部14と、によって構成されている。第1延出部13は、揺動部20が取り付けられる揺動部側延出部13として設けられ、第2延出部14は、レバー部40が取り付けられるレバー部側延出部14として設けられている。
ベース部11には、該ベース部11におけるレバー部側延出部14側の端面から上方(ベース部11の延出方向)に向かって前記アーム用貫通孔部11aまで延びる貫通孔部11bが形成されている。この貫通孔部11bは、第1プランジャー55が挿入されて固定される第1プランジャー用貫通孔部11bとして設けられている。第1プランジャー用貫通孔部11bには、雌ネジが形成されている。
揺動部側延出部13には、前後方向(ベース部11の延出方向及び貫通孔部11aの延出方向の双方に垂直な方向)に延びて該揺動部側延出部13を貫通する2つの貫通孔部13a,13bが形成されている。これら2つの貫通孔部13a,13bは、上下方向に沿って配列されている。貫通孔部13aは、貫通孔部13bよりも下側に形成されている。
また、揺動部側延出部13には、図4(B)に示すように、スリット部13cが形成されている。スリット部13cは、揺動部側延出部13を前後に分断するスリットによって形成される。これにより、揺動部側延出部13には、互いに対して前後方向(図4(B)における左右方向)に離間して対向する一対の片部15,15が形成される。
レバー部側延出部14には、貫通孔部13a,13bの延出方向に沿って延びて該レバー部側延出部14を貫通する貫通孔部14aが形成されている。この貫通孔部14aは、第2プランジャー56が挿入されて固定される第2プランジャー用貫通孔部14aとして設けられている。第2プランジャー用貫通孔部14aには、雌ネジが形成されている。
レバー部側延出部14の先端側(下側)は、該レバー部側延出部14における基部12側の部分よりも外径が小さい小径部16として設けられている。この小径部16の外周面には雄ネジが形成されている。
揺動部20は、ベース部11側から離間する方向へ延びるように形成された部分であって、その基端部分が揺動ピン22によってベース部11の一対の片部15,15に対して揺動自在に固定されている。揺動部20は、基部21及びツマミ部30を有している。
基部21は、板状部23と、第1円板部24及び第2円板部25と、雄ネジ部26を有し、これらが一体に形成されている。
板状部23は、ベース部11のスリット部13cに挿入可能な厚みを有する板状に形成された部分である。板状部23の中央部分には貫通孔部23aが形成されている。板状部23は、該板状部23の貫通孔部23aと揺動部側延出部13の貫通孔部13bとに跨って圧入される揺動ピン22によって、ベース部11に対して揺動自在となっている。なお、板状部23と揺動部側延出部13との間には、ウェーブワッシャ27が設けられている。これにより、ベース部11に対する揺動部20の揺動位置が保持される。
第1円板部24は、板状部23の上側に設けられた部分であって、上下方向に所定の厚みを有する円板状に形成されている。第2円板部25は、第1円板部24よりも小径の円板状に形成された部分であって、第1円板部24の上側に設けられている。第2円板部25は、その外周にレトラクターRの位置決め孔hが嵌まり込む大きさに形成されている。第1円板部24及び第2円板部25は、互いの中心軸が同軸状となるように設けられている。
雄ネジ部26は、第2円板部25の中心部から上方へ延びるように設けられた部分であって、その外周面に雄ネジが形成されている。
ツマミ部30は、本体部31と、ツマミ片32と、コイルバネ33とを有している。
本体部31は、上下方向に細長い部材であって、その下側に基部21の雄ネジ部26が螺合する雌ネジ部34が形成されている。
ツマミ片32は、基端側の部分が、本体部31の先端側(上側)に設けられた支点軸35を中心として、本体部31に対して回動可能に設けられている。
コイルバネ33は、本体部31とツマミ片32との間に設けられたコイル状のバネである。コイルバネ33は、本体部31に対してツマミ片32を外側へ付勢している。
図5は、図2に示すレバー部の形状を示す図であって、(A)は斜視図、(B)は正面図である。また、図6は、図5(B)に示すレバー部の一部(上側の部分)を拡大して示す図である。
レバー部40は、詳しくは後述するが、固定機構部10がアーム本体6に対して摺動可能な摺動可能状態と、固定機構部10がアーム本体6に対して固定される固定状態と、に切り替え可能な切替機構として設けられている。レバー部40は、ベース部11のレバー部側延出部14に対して取り付けられている。レバー部40は、円筒部41とレバー本体48とを有し、これらが一体に形成されている。
円筒部41は、レバー部40において円筒状に形成された部分である。円筒部41には、図3に示すように、ベース部11におけるレバー部側延出部14が挿通している。円筒部41の内周面は、レバー部側延出部14の外周面に対して摺動可能である。
レバー本体48は、円筒部41の軸方向における一方側の部分(図2における下側)に設けられている。本実施形態では、レバー本体48は、一対の延出部49,49によって構成されている。一対の延出部49は、基端側の部分が円筒部41と一体に設けられ、互いに反対方向に離反して延びるように形成されている。
円筒部41における、レバー本体48が設けられている側の端面と反対側の端面42には、2つの平坦面43、2つの凹部44(当接部)、及び4つの傾斜面45が形成されている。
各平坦面43は、円筒部41の筒軸方向に垂直な面として設けられている。各平坦面43は、円筒部41の筒軸方向上側(上方)から視て、端面42における一対の延出部49のそれぞれが設けられている側の部分に形成されている。これにより、各平坦面43は、相手側の平坦面43に対して、上方から視て、円筒部41の中心を挟んだ180度反対側の位置に形成されている。
各凹部44は、円筒部41の端面42からやや凹む凹状に形成されている。各凹部44は、上方から視て、端面42において各平坦面43が形成された位置から90度ずれた位置に形成されている。これにより、各凹部44は、相手側の凹部44に対して、上方から視て、円筒部41の中心を挟んだ180度反対側の位置に形成されている。各凹部44は、図5(B)及び図6に示すように、前後方向から視て円弧状に形成されている。また、各凹部44は、各凹部44の最下点44aが平坦面43の位置よりも上方となるように形成されている。なお、最下点44aとは、凹部44における最も下側の部分(凹部44において最も低い部分)である。
各傾斜面45は、平坦面43と凹部44との間に形成された部分であって、平坦面43側から凹部44側へ向かってその位置が徐々に高くなるように形成されている。
円筒部41には、4つの孔部41a,41bが形成されている。これらの孔部41a,41bのうちの2つの孔部41a(第1孔部)は、それぞれ、各凹部44に対応して設けられている。具体的には、各孔部41aは、円筒部41における各凹部44のやや下側の部分を該円筒部41の厚さ方向に貫通する貫通孔によって形成されている。この孔部41aによって、円筒部41における凹部44の下側の部分には、上下方向に撓むことが可能な撓み部46が形成される。2つの孔部41bは、上述した各孔部41aの下方に形成されている。孔部41bの内径は、孔部41aの外径よりも小さい。これら2つの孔部41bは、第2プランジャー56のボール56bが嵌まり込む第2プランジャーボール用孔部41bとして設けられている。
図7は、図3のVII-VII線における断面図であって、ベース部11に対するレバー部40の取付け状態を説明するための図である。抜け止め部50は、ベース部11に取り付けられたレバー部40がベース部11から抜け落ちるのを防止するためのものである。抜け止め部50は、図7に示すように、雌ネジ部51及びフランジ部52を有し、これらが一体に形成されている。
雌ネジ部51は、内周面に雌ネジが形成された筒状の部分である。雌ネジ部51は、ベース部11の小径部16の外周面に形成された雄ネジと螺合する。
フランジ部52は、雌ネジ部51の外周面から径方向外方へ延びるフランジ状の部分である。フランジ部52は、雌ネジ部51の筒軸方向における一方側に形成されている。
レバー部40は、図7に示すように、レバー本体48が下側に位置した状態で、レバー部側延出部14が円筒部41に挿通している。この状態において、ベース部11の小径部16に抜け止め部50が螺合している。これにより、抜け止め部50がベース部11に対して固定される。そして、このとき、抜け止め部50のフランジ部52が、レバー部40の円筒部41における内周縁部を下側から支持する。これにより、ベース部11に対するレバー部40の抜け落ちが防止される。
第1プランジャー55は、図3に示すように、ボールプランジャーによって構成されている。第1プランジャー55は、筒状に形成された本体部55aとボール55bとを有していて、コイルバネ(図示省略)の付勢力によりボール55bが本体部55aの軸方向外側へ付勢されている。ボール55bは、本体部55aに対して軸方向外側へ突出した状態で、該本体部55aに対して保持されている。
第1プランジャー55の本体部55aの外周面には、雄ネジが形成されている。第1プランジャー55では、本体部55aの雄ネジが、第1プランジャー用貫通孔部11bの雌ネジに螺合する。これにより、第1プランジャー55が第1プランジャー用貫通孔部11bに対して固定される。
第1プランジャー55は、固定機構部10がアーム本体6に対して摺動可能となる程度に、当該固定機構部10をアーム本体6に対して保持するためのものである。具体的には、第1プランジャー55は、ベース部11のアーム用貫通孔部11aにアーム本体6が挿通していない状態では、ボール55bがアーム用貫通孔部11aの内部へ突き出た状態となっている。この状態において、アーム本体6がアーム用貫通孔部11aに挿通されると、アーム本体6によって、ボール55bがコイルバネの付勢力に抗して第1プランジャー55の本体部55a側へ押し下げられる。これにより、ボール55bとアーム用貫通孔部11aにおける上側の部分(貫通孔部上側部分11c)とでアーム本体6が挟まれる。その結果、固定機構部10がアーム本体6に対する所定の位置で保持される。
なお、第1プランジャー55としては、上述のようにアーム本体6がボール55bとアーム用貫通孔部11aにおける貫通孔部上側部分11cとで挟まれた状態において、術者等のユーザが固定機構部10を把持してアーム本体6に沿った力を加えることにより、固定機構部10をアーム本体6に対して摺動可能となる程度のバネ力を有するボールプランジャーが用いられる。
第2プランジャー56は、第1プランジャー55と同様、図3に示すように、ボールプランジャーによって構成されている。第2プランジャー56は、筒状に形成された本体部56aとボール56bとを有していて、コイルバネ(図示省略)の付勢力によりボール56bが本体部56aの軸方向外側へ付勢されている。ボール56bは、本体部56aに対して軸方向外側へ突出した状態で、該本体部56aに対して保持されている。
第2プランジャー56の本体部56aの外周面には、雄ネジが形成されている。第2プランジャー56では、本体部56aの雄ネジが、第2プランジャー用貫通孔部14aの雌ネジに螺合する。これにより、第2プランジャー56が第2プランジャー用貫通孔部14aに対して固定される。
第2プランジャー56は、レバー部40が、詳しくは後述する摺動可能状態で保持されるように、該レバー部40をベース部11に対する所定の位置で固定するためのものである。具体的には、第2プランジャー56のボール56bがレバー部40の第2プランジャーボール用孔部41bに嵌り込んでいる状態では、レバー部40が摺動可能状態で保持される。一方、ボール56bが第2プランジャーボール用孔部41bに嵌り込んでいない状態、すなわちボール56bの先端部が円筒部41の内周面に当接している状態では、レバー部40は、詳しくは後述する固定状態で保持されているか、又は、固定状態と摺動状態との切り替えの途中段階となっている。
[摺動可能状態及び固定状態について]
図8は、レトラクター固定機構9のレバー部40の操作状態を示す斜視図であって、(A)は固定機構部10が固定状態のときの図、(B)は固定機構部10が摺動可能状態のときの図、である。
固定機構部10では、レバー部40を回転操作することにより、固定機構部10がアーム本体6に対して固定される固定状態と、固定機構部10がアーム本体6に対して摺動可能となる摺動可能状態と、を切り替えることができる。
具体的には、レバー部40が適宜回転操作されて、図8(A)に示す状態にあるときには、固定機構部10が固定状態となっている。具体的には、この固定状態では、レバー部40のレバー本体48が延びる方向が、アーム本体6の長手方向に垂直な方向に沿う方向となっている。このときには、アーム本体6が、レバー部40の凹部44と、ベース部11における貫通孔部上側部分11cとによって挟まれている。これにより、この状態では、アーム本体6に対して固定機構部10が固定された状態となる。
一方、レバー部40が適宜回転操作されて、図8(B)に示す状態にあるときには、固定機構部10が摺動可能状態となっている。具体的には、この摺動可能状態では、レバー部40のレバー本体48が延びる方向が、アーム本体6の長手方向に沿う方向となっている。このときには、アーム本体6が、第1プランジャー55のボール55bと、ベース部11における貫通孔部上側部分11cとによって挟まれている。これにより、この状態では、アーム本体6に対して固定機構部10が摺動可能な状態となっている。なお、この状態では、アーム本体6とレバー部40とは当接していない。
なお、図8(A)に示すように、レバー本体48の延びる方向がアーム本体6の長手方向と垂直になっている状態を、以下では、レバー部40が垂直状態となっている、と称する。また、図8(B)に示すように、レバー本体48の延びる方向がアーム本体6の長手方向と平行になっている状態を、以下では、レバー部40が平行状態となっている、と称する。すなわち、レバー部40が垂直状態にあるときには固定機構部10が固定状態となる一方、レバー部40が平行状態にあるときには固定機構部10が摺動可能状態となる。
[レトラクターの固定手順]
図1を参照して、レトラクターRの固定時には、まず、術者が、第1支持機構2をスクリーン掛けLに固定する。そして、術者は、第2支持機構3を、連結機構4を介して第1支持機構2の棒状部2aに仮固定する。具体的には、術者は、第2支持機構3のアーム部5を所望の位置に配置した後、一対のブロック部4a,4bの間に棒状部2aが挟まれた状態で固定ネジ4cを締め込む。このとき、連結機構4は、棒状部2aに対してスライド不能且つ回転不能な状態であり、且つ、アーム部5は連結機構4に対して回転不能な状態となっている。
次に、術者は、アーム部5に固定機構部10を取り付ける。具体的には、術者は、レバー部40が平行状態となった固定機構部10を、アーム本体6の先端側部6aがアーム用貫通孔部11aに挿通するように、アーム本体6に対してスライドさせる。このとき、アーム本体6は、第1プランジャー55のボール55bを押し込みながらアーム用貫通孔部11aに挿入される。その結果、アーム本体6は、アーム用貫通孔部11aの内周面と第1プランジャー55のボール55bとに挟まれて、アーム用貫通孔部11aの内周面に摩擦結合する。このとき、固定機構部10は、該アーム本体6の長手方向に沿って摺動しながらスライド可能、且つ該アーム本体6の周方向に沿って摺動しながら回転可能な、摺動可能状態となっている。これにより、摺動可能状態の固定機構部10は、自重では抜け落ちたり回転したりしないものの、術者が手で力を加えることで、スライド、および回転可能な程度に、アーム本体6に保持される。
次に、術者は、患者Pの開創部P1がレトラクターRによって最適な位置に広げられるように、レトラクターRを手で動かす。そして、術者は、この状態でレトラクターRを保持する。そして、術者は、レトラクターRがこの状態でレトラクター固定装置1によって固定されるよう、レトラクター固定装置1をセットする。
具体的には、術者は、連結機構4の固定ネジ4cを緩めて連結機構4及びアーム部5を移動可能な状態とした後、連結機構4を棒状部2aに対してスライドおよび回転させる動作と、アーム本体6を回転させる動作と、固定機構部10をアーム本体6に対してスライドおよび回転させる動作などと、を行う。これにより、術者は、固定機構部10のツマミ部30をレトラクターRの位置決め孔hの近傍に配置する。そして、揺動部20の揺動ピン22回りの回転との組み合わせによって、揺動部20をレトラクターRに正対させた状態で、術者は、ツマミ部30を位置決め孔hに挿入する。
上述のようにツマミ部30が位置決め孔hに挿入される際、ツマミ片32は、位置決め孔hによって内側(本体部31側)に押し込まれながら、当該位置決め孔hに挿入される。そして、ツマミ片32は、位置決め孔hを通過すると、コイルバネ33の付勢力により元の状態に戻る。これにより、レトラクターRは、ツマミ片32に引っかかって抜けなくなくなる。
その後、術者は、ツマミ部30を回転させることで、ツマミ部30を基部21側へ変位させる。これにより、ツマミ部30と、基部21の第1円板部24とで、レトラクターRが挟んで保持される。この際、揺動部20(基部21及びツマミ部30)が揺動ピン22の回りを適宜揺動することで、レトラクターRの位置決め孔hの周縁部と第1円板部24とが平行になる。
そして最後に、術者は、連結機構4の固定ネジ4cをきつく締め込む一方、レバー部40を90度回転させて、平行状態から垂直状態に切り替える。これにより、患者Pに対するレトラクターRの位置が固定される。
なお、レトラクターRの位置を再調整したい場合には、固定ネジ4c及びツマミ部30をやや緩めたり、レバー部40を垂直状態から平行状態に切り替えたりした後、アーム部5及びレトラクターRの位置を適宜調整し、再度、固定ネジ4c及びツマミ部30を締め、レバー部40を平行状態から垂直状態に切り替えればよい。これにより、比較的容易にレトラクターRの位置変更を行うことができる。
[固定機構部の動作について]
術者が、上述のようにレバー部40を平行状態から垂直状態に切り替える際、固定機構部10は、以下のように動作する。
具体的には、術者が、平行状態にあるレバー部40(図8(B)参照)のレバー本体48を回転操作してレバー部40を回転させると、アーム本体6は、平坦面43よりも高い位置にある傾斜面45に当接する。そして、術者が、更にレバー部40を回転させると、アーム本体6は、傾斜面45を乗り越えた後、凹部44に嵌まり込む(図8(A)参照)。その際、レバー部40に形成された撓み部46が撓みながらアーム本体6への圧接を徐々に強め、凹部44への嵌まり込みに至る。これにより、アーム本体6が、アーム用貫通孔部11aの内周面と凹部44との間で挟まれるため、固定機構部10が固定状態となって、アーム本体6に対して固定される。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るレトラクター固定機構9によれば、摺動可能状態にあるレトラクター固定機構9において、摺動部としてのベース部11をアーム本体6に対して摺動した後、レバー部40を1回転未満回転(本実施例の場合、4分の1回転)操作して、アーム本体6をレバー部40(具体的には、凹部44)とベース部11との間で挟むことにより、ベース部11(すなわち、固定機構部10)をアーム本体6に対して固定することができる。すなわち、この構成によれば、レバー部40を複数回、回転させることなく、1回転未満で、摺動可能状態と固定状態とを切り替えることができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、固定状態においては、レバー部40における所定の位置に形成された当接部としての凹部44がアーム本体6と当接するため、アーム本体6とレバー部40との相対的な位置関係が、いくつかの位置関係に限定される。すなわち、レトラクター固定機構9によれば、アーム本体6に対するレバー部40の相対的な位置関係を見るだけで、固定機構部10が摺動可能な状態にあるか又は固定された状態にあるかを、容易に判別することができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、固定機構部10をアーム本体6に固定するための構造が、アーム本体6、ベース部11、及びレバー部40等を備えて構成された比較的小型で簡素な構造によって実現される。これにより、レトラクター固定機構9を簡素化且つ小型化できる。
従って、レトラクター固定機構9によれば、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れたレトラクター固定機構を提供できる。
また、レトラクター固定機構9によれば、レバー部40が、ベース部11におけるレバー部側延出部14の外周面に対して摺動可能な内周面が形成された円筒部41を有しているため、レバー部40をベース部11に対してスムーズに摺動させることができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、円筒部41の中心軸方向から視た場合における、アーム本体6に対するレバー本体48の角度を確認することにより、レトラクター固定機構9が固定状態にあるか摺動可能状態にあるかを、より容易に判別することができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、アーム本体6に対してレバー本体48が平行になっているときには、該レバー本体48の延出方向によって固定機構部10の摺動可能方向が示される。一方、アーム本体6に対してレバー本体48が垂直になっているときには、該レバー本体48の延出方向によって、固定機構部10のアーム本体6に対するスライドが規制されている様子が示される。すなわち、レトラクター固定機構9によれば、ユーザが、レトラクター固定機構9の状態(固定状態にあるか、摺動可能状態にあるか)を、感覚的且つ瞬間的に把握することができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、レバー部40の基端側の端面42が、円筒部41の軸方向から視て、該円筒部41の中心を通過する対称軸に対して線対称となるように形成されている。この構成によれば、例えば、前記端面42を切削して平坦面43、凹部44、及び傾斜面45を形成する場合、比較的容易に且つ短時間で形成することができる。具体的には、外周面に切削刃が形成された細長いドリル状の工具の切削刃を前記端面42に宛がった状態で回転させながら両者を相対的に移動させることにより、前記端面42の形状を一度に形成することができる。
また、レトラクター固定機構9によれば、アーム本体6が凹部44に嵌まり込むことにより、レトラクター固定機構9を固定状態で確実に保持することができる。これにより、固定状態にあるレトラクター固定機構9が術者の意に反して摺動可能状態に切り替わり、レトラクターRが固定した位置から動いてしまうことを防止できる。
また、レトラクター固定機構9によれば、レバー部40に上述のような孔部41aを設けているため、レトラクター固定機構9が摺動可能状態から固定状態へ切り替えられる際、レバー部40における凹部44付近の部分(撓み部46)が撓んでアーム本体6が凹部44に当接する。すなわち、アーム本体6及びレバー部40の寸法誤差が比較的大きくなっても、撓み部46の撓みによって、摺動可能状態と固定状態との間の切り替えをスムーズに行うことができる。よって、この構成によれば、アーム本体6及びレバー部40等に要求される寸法公差を緩くできるため、その分、アーム本体6及びレバー部40等の製造に必要なコストを低減することができる。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、手術器具用固定機構をレトラクター固定装置1に適用する例を挙げて説明したが、手術器具用固定機構の適用範囲は、これに限らない。以下では、第2実施形態として、手術器具用固定機構が創外固定器に適用される例を挙げて説明する。創外固定器とは、患者の骨折部における一方側の部分と他方側の部分とのそれぞれに埋め込まれる一対のピンを患者の体外で連結することにより、骨折部の治癒を促進する器具である。
[全体構成]
図9は、第2実施形態に係る創外固定器60の斜視図である。創外固定器60は、第1ピン61及び第2ピン62と、これらを連結する連結ユニット70とを備えている。なお、図9では、第1ピン61及び第2ピン62のうち先端側の部分(患者の骨部に埋設される部分)の図示が省略されている。
第1ピン61及び第2ピン62は、先端部に雄ネジ部(図示省略)を有するロッド状に形成されたロッド部として設けられている。第1ピン61及び第2ピン62は、横断面形状が円形状となるように形成され、それぞれの外径は互いに同じである。各ピン61,62の先端部は、患者の骨折部における一方側の部分と他方側の部分とのそれぞれに埋め込まれる。これにより、患者の骨折部に各ピン61,62が固定される。各ピン61,62の基端側の部分(雄ネジ部が形成されている側と反対側の部分)は、詳しくは後述する連結機構71,75のピン用貫通孔部72cに挿通する。
連結ユニット70は、第1連結機構71及び第2連結機構75と、これらを連結する連結ピン63(ロッド部)と、を有している。
第1連結機構71は、一対の固定機構部10a,10aを有している。各固定機構部10aは、摺動部72及びレバー部40を有している。レバー部40は、上述した実施形態のレバー部40と同じ構成であるため、その構成の説明を省略する。
図10は、図9に示す創外固定器60の摺動部72の斜視図である。摺動部72は、円柱部72a及びフランジ部72bを有し、これらが一体に形成されている。円柱部72aは、摺動部72のうち円柱状に形成された部分であって、レバー部40の円筒部41に挿通している。レバー部40の円筒部41の内周面は、円柱部72aの外周面に対して摺動可能である。フランジ部72bは、円柱部72aの外周面から径方向外方へ延びるフランジ状の部分である。フランジ部72bは、円柱部72aの軸方向における一方側に形成されている。
円柱部72aにおけるフランジ部72bと反対側の端部には、円柱部72aを該円柱部72aの軸方向と垂直な方向に貫通する貫通孔部72cが形成されている。この貫通孔部72cは、第1ピン61、第2ピン62、及び連結ピン63のいずれもが挿通して摺動可能な大きさに形成されたピン用貫通孔部72cとして設けられている。
なお、図示は省略するが、各固定機構部10aの円柱部72aの先端部(フランジ部72bが形成されている側と反対側の部分)には、相手側の固定機構部10aの円柱部72aの先端部に対して回転自在に連結する回転連結機構が形成されている。これにより、固定機構部10aは、相手側の固定機構部10aに対して回転自在に取り付けられている。
第2連結機構75は、第1連結機構71と同様の構成である。具体的には、第2連結機構75は、一対の固定機構部10a,10aを有し、それぞれが相手側の固定機構部10a,10aに対して回転自在に取り付けられている。
連結ピン63は、第1連結機構71及び第2連結機構75を連結するためのものであって、その横断面形状が円形状に形成されたロッド状の部材である。連結ピン63の外径は、第1ピン61及び第2ピン62の外径と同じである。連結ピン63の各端部は、図9に示すように、それぞれ、第1連結機構71における一方のピン用貫通孔部72c、及び第2連結機構75における一方のピン用貫通孔部72c、のそれぞれに挿通している。
なお、本実施形態(第2実施形態)では、上述した第1連結機構71、第2連結機構75、第1ピン61、第2ピン62、及び連結ピン63によって、手術用固定機構としての創外固定機構60aが形成される。
[創外固定器の使用方法]
創外固定器60を使用する際、まず、術者は、患者の骨折部における一方側の部分に第1ピン61を固定するとともに、患者の骨折部における他方側の部分に第2ピン62を固定する。そして、術者は、一対の固定機構部10a,10aのそれぞれのピン用貫通孔部72cに連結ピン63の各端部を挿通する一方、第1ピン61及び第2ピン62のそれぞれを、一対の固定機構部10a,10aのそれぞれにおける連結ピン63が挿通していない方のピン用貫通孔部72cのそれぞれに挿通する。このとき、各レバー部40は、平行状態となっている。これにより、各固定機構部10aは、各ピン61,62,63に対して摺動可能状態となっている。
上述のように、各固定機構部10aが各ピン61,62,63に対して摺動可能となっている状態において、術者は、第1ピン61及び第2ピン62に対して、各固定機構部10a及び連結ピン63の位置を、患者に対して適切な位置となるように適宜調整した後、レバー部40を90度回転させて垂直状態に切り替える(図9参照)。これにより、創外固定器60を、患者に対する適切な位置に容易に固定することができる。
以上のように、第2実施形態に係る創外固定機構60aによっても、上述した第1実施形態に係るレトラクター固定機構9の場合と同様、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れた創外固定機構を提供できる。
[第3実施形態]
図11は、第3実施形態に係るデプスゲージ80の形状を示す正面図である。以下では、第3実施形態として、手術器具用固定機構がデプスゲージ80に適用される例を挙げて説明する。デプスゲージ80は、計測対象となる穴の深さを計測するためのものである。
[全体構成]
デプスゲージ80は、図11に示すように、ゲージ本体81(ロッド部)と、摺動部82と、レバー部83とを備えている。なお、摺動部82については、上述した第2実施形態に係る摺動部72の構成と比べて回転連結機構が省略されている点を除いて該摺動部72の構成と概ね同じであるため、その説明を省略する。
ゲージ本体81は、細長いロッド状に形成された部材であって、長手方向に等間隔に目盛81aが付されている。各目盛81aには、計測対象となる穴部の深さを示す数値(図示省略)が付されている。
レバー部83は、レバー本体84の構成を除き、第1実施形態及び第2実施形態で説明したレバー部40の構成と概ね同じである。レバー本体84は、該レバー部83の円筒部41から該円筒部41の径方向外方へ延びる1つの延出部85によって構成されている。
なお、本実施形態(第3実施形態)では、上述したゲージ本体81(ロッド部)と、摺動部82と、レバー部83とによって、デプスゲージ固定機構80aが形成される。
[デプスゲージの使用方法]
デプスゲージ80を使用する際、まず、術者は、ゲージ本体81の先端部81bが計測対象となる穴部(図示省略)の底部に突き当たるまでゲージ本体81を穴部に挿入する。その後、術者は、その穴部の表面部分にレバー部83が当接するまで該レバー部83を穴部側へ移動させる。この時、レバー本体84はゲージ本体81の長手方向と平行になっている。すなわち、レバー部83が平行状態となっているため、術者は、レバー部83をゲージ本体81に対してスムーズにスライドすることができる。そして、レバー部83が穴部の表面部分に当接した状態で、レバー部83を90度回転させて平行状態から垂直状態に切り替えることにより(図12参照)、レバー部83をゲージ本体81に対して固定することができる。術者は、このようにゲージ本体81に対して固定された状態のレバー部83によって指示される目盛部分を読み取ることにより、計測対象である穴部の深さを計測することができる。
以上のように、第3実施形態に係るデプスゲージ固定機構80aによっても、上述した第1実施形態に係るレトラクター固定機構9、及び第2実施形態に係る創外固定機構60aの場合と同様、その外観から摺動可能状態と固定状態とを容易に判別可能であるとともに、簡素化された構成を有し且つ操作性に優れたデプスゲージを提供できる。
なお、デプスゲージ80の使用手順は、上述した手順に限らない。具体的には、術者は、ゲージ本体81の先端部81bが摺動部82側へ退避した状態において、レバー部83を計測対象となる穴部の表面に当接させた後、ゲージ本体81の先端部81bが穴部の底部に当接するまで該ゲージ本体81を穴部に挿入し、その後、レバー部を平行状態から垂直状態に切り替えてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)図13は、変形例に係るレトラクター固定装置のレバー部40aの形状を示す斜視図である。本変形例では、レバー部40aの円筒部41に、孔部41a及び孔部41bの他に、2つの孔部41c(第2孔部)が形成されている。これら2つの孔部41cは、レバー部40aを円筒部41の筒軸方向から視た場合において、2つの孔部41aが形成されている位置から90度ずれた位置に形成されている。孔部41cは、円筒部41を厚み方向に貫通する貫通孔によって形成されている。
本変形例では、レバー部40aにおける凹部44が第1当接部として設けられ、平坦面43aが第2当接部として設けられている。そして、本変形例では、手術器具用固定機構が摺動可能状態にある場合には、平坦面43aとベース部11とがアーム本体6を挟んで保持することにより、固定機構部10がアーム本体6に対して摺動可能に保持される。平坦面43aは、上述した実施形態の平坦面43よりも上側であって、凹部44よりも下側に形成されている。これにより、平坦面43aとベース部11とでアーム本体6を挟んだ状態において固定機構部が摺動可能状態となり、固定機構部のアーム本体6に対する摺動抵抗が、固定状態のときのアーム本体6に対する摺動抵抗よりも小さくなる。
以上のように、本変形例によれば、上述のような平坦面43aを形成することにより、レトラクター固定機構を摺動状態にすることが可能となる。すなわち、本変形例によれば、他の部品(具体的には、例えば第1実施形態における第1プランジャー55)を用いることなくレトラクター固定機構を摺動可能状態で保持することが可能となるため、より簡素化されたレトラクター固定機構を提供できる。
また、本変形例では、上述のように、第2当接部としての平坦面43の下側に孔部41cが形成されている。これにより、アーム本体が平坦面43aに当接している摺動可能状態において、レバー部40aにおける撓み部47がわずかに撓むため、ベース部とアーム本体との間の摺動抵抗を適切に確保することができる。
なお、ここでは、レバー部40aを有する手術器具用固定機構をレトラクター固定装置1に適用する例を挙げて説明したが、その他の装置(例えば、上述した創外固定器、デプスゲージ等)に適用することもできる。
(2)図14は、変形例に係るレトラクター固定装置のレバー部40bの形状を示す斜視図である。上述した実施形態では、固定状態と摺動可能状態とを切替可能な手術器具用固定機構について説明したが、これに限らない。具体的には、手術器具用固定機構を、固定状態と摺動可能状態との間の状態である緩固定状態にも切替可能に構成することもできる。
本変形例のレバー部40bの円筒部41における上側の端面には、第1凹部65(第1当接部)、第2凹部66、第3凹部67(第3当接部)、が形成されている。第1凹部65は、第1実施形態の円筒部41の端面42における凹部44に対応する部位に形成されている。第2凹部66は、第1実施形態の円筒部41の端面42における平坦面43に対応する部位に形成されている。第3凹部67は、第1実施形態の円筒部41の端面42における傾斜面45に対応する部位に形成されている。第1凹部65の最下点65aは、第3凹部67の最下点67aよりも上側に形成されている。第3凹部67の最下点67aは、第2凹部66の最下点66aよりも上側に形成されている。
図14に示すレバー部40bを有するレトラクター固定機構では、レバー部40bを平行状態と垂直状態とに切り替えることにより、上述した第1実施形態の場合と同様、レトラクター固定機構を摺動可能状態と固定状態とに切り替えることができる。更に、レバー部40bを有するレトラクター固定機構では、レバー部40bを、平行状態と垂直状態との間の中間状態とすることにより、レトラクター固定機構を緩固定状態にすることもできる。具体的には、レバー部40bのレバー本体48を、アーム本体に対して約45度となるように回転させると、アーム本体が、レバー部40bにおける第3凹部67とベース部とによって挟まれる。このとき、本変形例に係るレトラクター固定機構では、アーム本体に対する当該レトラクター固定機構の摺動抵抗が、摺動可能状態のときよりも高く且つ固定状態のときよりも低くなる。よって、例えば術者は、レバー部40bのレバー本体48をアーム本体に対して45度の位置まで回転させることにより、レトラクター固定機構をアーム本体に対して仮固定することができる。
以上のように、本変形例によれば、レトラクター固定機構を、摺動可能状態及び固定状態だけでなく、緩固定状態にも切り替えることができる。こうすると、例えば、レトラクター固定機構を緩固定状態とすることにより、ベース部をアーム本体に対して仮固定した状態にもできるため、ユーザのニーズに合わせたより操作性に優れたレトラクター固定機構を提供できる。
なお、ここでは、レバー部40bを有する手術器具用固定機構をレトラクター固定装置1に適用する例を挙げて説明したが、その他の装置(例えば、上述した創外固定器、デプスゲージ等)に適用することもできる。
本発明は、手術器具用に用いられ、ロッド部に沿って摺動する摺動部を該ロッド部に対して固定可能な手術器具用固定機構として、広く適用することができる。
1 レトラクター固定装置
6 アーム本体(ロッド部)
9 レトラクター固定機構(手術器具用固定機構)
11 ベース部(摺動部)
11a アーム用貫通孔部(貫通孔部)
40,40a,40b,83 レバー部(操作部)
44 凹部(当接部)
60 創外固定器
60a 創外固定機構(手術器具用固定機構)
61 第1ピン(ロッド部)
62 第2ピン(ロッド部)
63 連結ピン(ロッド部)
65 第1凹部(当接部)
72,82 摺動部
80 デプスゲージ
80a デプスゲージ固定機構(手術器具用固定機構)
81 ゲージ本体(ロッド部)

Claims (10)

  1. ロッド状の部分であるロッド部と、
    前記ロッド部と交差する方向に沿って該ロッド部から離れる方向へ延びるとともに、基端側の部分に前記ロッド部が挿通する貫通孔部が形成され、該貫通孔部の内周面が前記ロッド部の外周面に対して摺動することにより前記ロッド部に対して移動する摺動部と、
    前記摺動部の延出方向に沿って前記ロッド部から離れる方向へ延びるように形成され、前記延出方向に沿う軸を回転軸として前記摺動部に対して摺動しながら回転可能であり、基端側の端部に形成された当接部が、前記貫通孔部に挿通した前記ロッド部を前記摺動部との間で挟んで保持する操作部と、
    を備え、
    前記操作部は、1回転未満、回転操作されることにより、前記摺動部が前記ロッド部に対して固定される固定状態と、前記摺動部が前記ロッド部に対して摺動可能となる摺動可能状態と、を切り替え可能に構成され、
    前記固定状態では、前記当接部が前記ロッド部に当接して該当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態となることにより前記摺動部が前記ロッド部に対して固定され、
    前記摺動可能状態では、前記当接部の前記ロッド部に対する当接が解除されることにより前記摺動部が前記ロッド部に対して摺動可能となることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  2. 請求項1に記載の手術器具用固定機構において、
    前記操作部は、前記摺動部の外周面に対して摺動可能な内周面が形成された円筒部を有していることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  3. 請求項2に記載の手術器具用固定機構において、
    前記操作部は、前記円筒部の中心軸と垂直な方向に沿って、該円筒部から径方向外方へ延びる延出部を更に有していることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  4. 請求項3に記載の手術器具用固定機構において、
    前記延出部の長手方向は、前記摺動可能状態では前記ロッド部の長手方向に沿う方向となり、前記固定状態では前記ロッド部の長手方向と垂直な方向に沿う方向となることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の手術器具用固定機構において、
    前記操作部の基端側の端部は、前記円筒部の中心軸方向から視て、該円筒部の中心を通過する対称軸に対して線対称となるように形成されていることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手術器具用固定機構において、
    前記当接部は、前記摺動部との間で挟まれる前記ロッド部が嵌まり込む凹状に形成されていることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の手術器具用固定機構において、
    前記摺動部における前記当接部よりも該摺動部の先端側の部分には、第1孔部が形成されていることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の手術器具用固定機構において、
    前記操作部には、前記当接部としての第1当接部と、該操作部の基端側の端部における前記第1当接部が形成された部位とは異なる部位に設けられた第2当接部と、が形成され、
    前記摺動可能状態では、前記第2当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態において、前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗が、前記固定状態のときの前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗よりも小さくなることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  9. 請求項8に記載の手術器具用固定機構において、
    前記摺動部における前記第2当接部よりも該摺動部の先端側の部分には、第2孔部が形成されていることを特徴とする、手術器具用固定機構。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の手術器具用固定機構において、
    前記操作部には、前記当接部としての第1当接部と、該操作部の基端側の端部における前記第1当接部が形成された部位とは異なる部位に設けられた第3当接部と、が形成され、
    前記操作部は、回転操作されることにより、前記第3当接部が前記ロッド部に当接して該第3当接部と前記摺動部との間で前記ロッド部を挟んだ状態であって、当該状態における前記摺動部と前記ロッド部との間の摺動抵抗が前記摺動可能状態のときよりも高く且つ前記固定状態のときよりも低い緩固定状態、にも切り替え可能であることを特徴とする、手術器具用固定機構。
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