JP2018033833A - レトラクター保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レトラクターの把持部分が硬くなるのを防ぎ、長時間でも筋組織を傷めずに、かつ手術対象部位を塞がないように筋組織を拡げるレトラクターを保持可能なレトラクター保持装置を提供する。【解決手段】基端部2aが寝台Bに取り付け可能に形成され、先端部2zが寝台Bの上方に延びている支柱2と、支柱2の先端部2zから水平方向へ延びる延出部3と、延出部3の先端部3zから上方に延びる芯部4と、芯部4を中心として周方向に回動可能に接続された回動部26と、芯部4を中心として径方向に沿って延びる軸部28と、を有する複数の延伸部6と、延伸部6の先端部6zに設けられた滑車8と、端部10aが芯部4に接続され、端部10zがレトラクターRの把持部Rbに着脱可能に形成され、端部10a,10zの間で滑車8に巻装されると共に、端部10zと滑車8への巻装部分との間に弾性部12を有するレトラクター支持部材10と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、レトラクター保持装置に関する。
近年、疾病や事故、加齢等によって股関節の構成部位が損傷を受け、股関節に痛みを生じさせる変形性股関節症、関節リウマチ、大腿骨頭壊死等に代表される疾患において、保存療法を行っても股関節痛が軽減しない場合や、症状或いは股関節変形がかなり進行している場合等には、損傷を受けた部分を人工股関節に置換する人工股関節置換術が行われている。
人工股関節置換術では、損傷を受けた股関節を上述の人工股関節に置換するため、術者によって患者の損傷を受けた部分が開創され、開創部をレトラクターと呼ばれる器具によって広げた状態で手術が進められる。レトラクターは、深部の開創手術から小切開手術に至る多種多様な術式や手術手技、患者の体型等に対応するために、数百種類以上の形状で形成されている。
手術時には、術者が術野を見易くなるように、開創部を中心として複数のレトラクターを平面視放射状に配置し、開創部の筋組織等を拡げる。このような配置のレトラクターを固定するための装置として、例えば、特許文献1には、レトラクターをアーム部に固定するレトラクター固定機構がアーム先端側部に対してスライド可能且つ回転可能に構成されたレトラクター固定装置が開示されている。このレトラクター固定装置では、連結機構をロッド部に対してスライドさせることで、アーム部がロッド部の長手方向に平行移動し、連結機構をロッド部に対して回転させることで、アーム部が回転移動する。
実用新案登録第3181075号公報
人工股関節置換術において、上述のように、開創部を中心として平面視放射状に配置された複数のレトラクターは、特許文献1に記載のレトラクター固定装置をはじめとするレトラクター専用の固定装置類や助手によって保持されていた。
前述のようにレトラクター専用の従来の固定装置を用いてレトラクターを保持すると、レトラクターの位置や姿勢を変更する度に術者によるレトラクターの固定作業が発生し、術者への負担が大きくなるという問題や、レトラクターの固定作業回数が増える程ジョイント部分が硬くなる傾向がみられるという問題、加えてレトラクターが固定装置に強く固定されていることで、患者が多少動いた場合等に筋組織を傷付けかねないという問題があった。また、レトラクターを助手が保持すると、助手が正確なレトラクターの保持に慣れていない場合に、筋組織にダメージを与えてしまう虞や、長時間の保持により助手が疲労し、筋組織等を充分拡げられなくなるという問題があった。
本発明は、上述の問題を解決するために、レトラクターの把持部分(ジョイント部分)が硬くなるのを防ぎ、長時間でも筋組織を傷めずに、かつ手術対象部位を塞がないように筋組織を拡げるレトラクターを保持可能なレトラクター保持装置を提供する。
本発明に係るレトラクター保持装置は、基端部が前記寝台に取り付け可能に形成され、先端部が寝台の上方に延びている支柱と、前記支柱の先端から水平方向へ延びる延出部と、前記延出部の前記支柱とは反対側の端部から上方に延びる芯部と、前記芯部に対して該芯部を中心として周方向に回動可能に接続された回動部と、前記芯部を中心として径方向に沿って延びる軸部と、を有する複数の延伸部と、前記延伸部の先端に設けられた滑車と、一方の端部が前記軸部に接続され、他方の端部が前記レトラクターの把持部に着脱可能に形成され、前記一方の端部と前記他方の端部との間で前記滑車に巻装されると共に、前記一方の端部と前記滑車への巻装部分との間に弾性部を有するレトラクター支持部材と、を備えていることを特徴とする。
上述のレトラクター保持装置によれば、患者の開創部を拡げるためのレトラクターは、開創部の筋組織に係止すると共に、レトラクター支持部材によって筋組織を拡げる方向および滑車とレトラクター支持部材の他方の端部とを結ぶ方向に保持される。このようにレトラクター支持部材を用いてレトラクターの把持部を保持するので、従来のようにレトラクターの把持部が何らかの固定具等によって押圧されることもなく、硬くならない。さらに、手術中に患者が動くことがあっても、レトラクター支持部材の弾性部およびレトラクター自体の張力等によって、レトラクターから開創部の筋細胞あるいは筋組織に伝わる力が適度に分散され、レトラクターの適度な緊張度が保たれ、筋細胞あるいは筋組織へのダメージが抑えられる。
上述のレトラクター保持装置は、前記レトラクターの把持部に着脱可能に形成された重錘をさらに備えていることが好ましい。
レトラクターの把持部を開創部よりも下方に保持するレトラクターについては、レトラクターの傾斜姿勢に応じて、レトラクターの把持部に重錘を付けることで、レトラクター支持部材がレトラクターを上方に支持する力に対して適度に重力が付加され、所望のレトラクターの傾斜姿勢が容易に保持される。
また、上述のレトラクター保持装置では、前記軸部は前記芯部を中心として径方向に沿って伸縮可能であることが好ましい。
また、上述のレトラクター保持装置では、前記レトラクター支持部材の前記一方の端部には、前記芯部に挿通可能に形成された環状の係止部が設けられ、前記係止部には、環状且つ開閉自在に形成された長さ調節部が連結されていることが好ましい。
本発明のレトラクター保持装置によれば、レトラクターの把持部分が硬くなるのを防ぎ、長時間でも筋組織を傷めずに、かつ手術対象部位を塞がないように筋組織を拡げるレトラクターを保持することができる。
本発明を適用したレトラクター保持装置の概略図である。 本発明を適用したレトラクター保持装置の支柱の構成例を示す概略図である。 本発明を適用したレトラクター保持装置の支柱の別の構成例を示す概略図である。 本発明を適用したレトラクター保持装置の延伸部および芯部の構造を説明するための概略図である。 本発明を適用したレトラクター保持装置のレトラクター支持部材の概略図である。 本発明を適用したレトラクター保持装置を用いたレトラクターの保持方法の変形例を説明するための概略図である。
以下、本発明を適用した一実施形態のレトラクター保持装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更できる。
本発明を適用した一実施形態(以下、「本実施形態」とする)であるレトラクター保持装置1は、図1に示すように、寝台Bの上に仰向きとされた患者Mの開創部Dを拡げるためのレトラクターR(図1には3本のレトラクターR1,R2,R3を例示)を保持可能に構成されたレトラクター保持装置である。レトラクター保持装置1は、以下に説明する支柱2と、延出部3と、芯部4と、延伸部6と、滑車8と、レトラクター支持部材10と、を備え、重錘14をさらに備えている。
レトラクターRは、図1に一例を示すように、ステンレスまたは酸化チタン等の金属製の帯状部材を加工して製造される器具である。帯状部材の一方の端部は屈曲しており、屈曲した部分の内側に開創部Dの筋組織を挿入することで開創部の筋組織に係止する。すなわち、前述の屈曲した部分は、開創部Dの筋組織に係止する筋組織係止部Raとして機能する。帯状部材の他方の端部は把持部Rbとして機能し、他方の端部には、レトラクターRを保持するための器具等との接続を行う際に用いられる貫通孔が形成されている。筋組織係止部Raを筋組織に係止させた状態でレトラクターRを開創部の外方に向って適度に引きつつ保持することで、開創部Dの筋組織は拡げられる。なお、筋組織係止部Raの先端部は、骨組織に係止していてもよい。
支柱2は、基端部(基端)2aが寝台Bに取り付け可能に形成され、先端部2zが寝台Bの上方に延びている。支柱2の基端部2aは、図2や図3に例示しているような回施用クランプや手術代固定具等を備え、寝台Bの側部に取り付け可能に形成されている。
図2に示す支柱2の基端部2aの構成例は、把持部に支柱2を挿通可能な貫通孔が形成されたクリップ型の本体61と、該本体の把持部の間に配置可能に形成され、支柱2を挿通可能な貫通孔が形成された介在部材62と、を有するものである。この構成では、クリップ型の本体61と介在部材62のそれぞれの貫通孔に支柱2を挿通させ、所定の位置で介在部材62に設けられている固定ねじを締めることで、支柱2が安定して支持可能とされている。また、クリップ型の本体61のクリップ部分を寝台Bの側部に挟み込むことで、支柱2が安定して寝台Bに取り付け可能とされている。
図3に示す支柱2の基端部2aの構成例は、図2に示すクリップ型の本体61のクリップ部分とは反対側の背部に固定ねじが設けられ、クリップ型の本体61の下部に下方からクリップ部分を締めるねじが設けられたものである。図3に示す支柱2の基端部2aの構成例を用いた場合でも、クリップ型の本体61´に形成された貫通孔に支柱2を挿通させ、固定ねじを締めることで、支柱2が安定して支持可能とされている。また、クリップ型の本体61´のクリップ部分を寝台Bの側部に挟み、クリップ部分を締めるねじを締めることで、支柱2が安定して寝台Bに取り付け可能とされている。
レトラクターRの姿勢や傾斜角度を広い範囲で設定可能とする観点から、支柱2は、高さ調節可能に形成されていることが好ましい。図1に示すように、支柱2は、基端部2a側の部材に、先端部2z側の部材が外嵌し、これらの部材の嵌合位置を固定するための固定具が設けられていることで、先端部2z側の部材が基端部2a側の部材に対してスライド可能とされ、伸縮可能に構成されている。
延出部3は、支柱2の先端部(先端)2zから水平方向へ延びている。すなわち、延出部3の基端部3aは、支柱2の先端部2zに接続されている。延出部3の先端部(支柱2とは反対側の端部)3zは、患者Mの開創部Dの上方に配置されている。
延出部3の先端部3zにかかる荷重を支えるために、基端部3a側の延出部3と先端部2z側の支柱2には補強部材30が架橋されている。
図1等には、支柱2と延出部3が一体化され、支柱2と延出部3が支柱2の先端部2zと延出部3の基端部3aとの接続部分に相当する位置で略直角に屈曲している屈曲部材で構成されている例を示している。図示していないが、支柱2の先端部2zと延出部3の基端部3aとの接続部分が略直角に屈折していても構わない。
勿論、支柱2と延出部3は、互いに別体であってもよい。
図4に示すように、芯部4は、延出部3の支柱2とは反対側の端部、すなわち延出部3の先端部3zから上方に延びている。芯部4の基端部4aには、フランジ20が設けられている。レトラクター保持装置1の組み立て時には、フランジ20の外周に延出部3の先端部3zが接続可能とされている。
フランジ20の上面には、周方向に沿って所定のピッチを有する凹凸構造からなる嵌合部22が形成されている。フランジ20の上面には、上方に延びる棒状部材24が接続されている。棒状部材24の所定の位置から下部は、ねじ切りされている。
延伸部6は、芯部4に対して芯部4を中心として周方向に回動可能に接続された回動部26と、芯部4を中心として径方向に沿って延びる軸部28と、を有する。
回動部26は、芯部4のフランジ20と略同等の径寸法を有する円筒部材で構成されている。回動部26の上面には、嵌合部22と同様の凹凸構造からなる嵌合部27が形成されている。回動部26の底面には、嵌合部22または嵌合部27に嵌合可能な被嵌合部25が形成されている。すなわち、被嵌合部25は、嵌合部22および嵌合部27の凹凸構造と同一の所定のピッチを有する凸凹構造を有している。回動部26の中心には、円筒部材の軸線方向に沿って、芯部4の棒状部材24を挿通可能な貫通孔26hが形成されている。貫通孔26hの内壁面は、芯部4の棒状部材24の下部に形成されたねじ切り部分に螺合可能となるように、ねじ切りされている。なお、貫通孔26hの内壁面は、自由に回動してもよいように、ねじ切りされていなくてもよい。
最上部に配置される回動部26の上面を保護し、芯部4からの回動部26の抜けを防止する観点から、最上部に配置される回動部26の上に配置可能な蓋部29が用意されていてもよい。その場合、蓋部29の下方に配される部材、すなわち回動部26が固定されるように、蓋部29の内壁面は、芯部4の棒状部材24の下部に形成されたねじ切り部分に螺合可能となるように、ねじ切りされている。
軸部28は、棒状部材で構成されている。レトラクターRの姿勢や傾斜角度を広い範囲で設定可能とする観点から、軸部28は、芯部4を中心として径方向に沿って伸縮可能であることが好ましい。そのため、軸部28は、基端部28a側の部材に、先端部28z側の部材が外嵌し、これらの部材の嵌合位置を固定するための固定具が設けられていることで、先端部28z側の部材が基端部2a側の部材に対してスライド可能とされ、伸縮可能に構成されている。
貫通孔26hに芯部4の棒状部材24を貫通させ、被嵌合部25に嵌合部27を嵌合させることで、芯部4に複数の延伸部6を接続可能とされている。芯部4に接続する延伸部6の数は、特に限定されず、手術等に使用されるレトラクターRの数に合わせて適宜設定されることが好ましく、例えば二本以上四本以下とされている。
滑車8は、延伸部6の先端部(先端)6z、すなわち軸部28の先端部28zに設けられている。詳しくは、滑車8の軸の両端部を支持する支持部材が軸部28の先端部28zに連設されている。また、滑車8における延伸部6の先端部6zとは反対側には、滑車8に巻装されるレトラクター支持部材10への衝突を防止し、レトラクター支持部材10を保護するための保護部8cが設けられている。
支柱2と、延出部3と、芯部4と、延伸部6および滑車8をそれぞれ構成する材質は、患者Mの第一の脚Ldに直接接触しても変質等を生じないものであれば特に限定されないが、例えばステンレス(SUS)やアルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
レトラクター支持部材10は、所定の長さを有する組み合わせ部材として構成されている。図1に示すように、レトラクター支持部材10の基端側の端部(一方の端部)10aは、芯部4に接続可能に形成されている。レトラクター支持部材10の先端側の端部(他方の端部)10zは、レトラクターRの把持部Rbに着脱可能に形成されている。また、レトラクター支持部材10は、端部10a,10zの間で滑車8に巻装されると共に、一方の端部10aと滑車8への巻装部分との間に弾性部12を有する。
図5に示すように、レトラクター支持部材10は、端部10aから端部10zに向って、芯部接続部40と、芯部接続部40に接続された弾性部12と、一端が弾性部12の芯部接続部40とは反対側に接続され、所定の長さを有する長尺の支持部42と、支持部42の他端に接続されたレトラクター係止部44と、を備えている。
芯部接続部40は、例えば、芯部4の棒状部材24を上方から挿通可能な環状部材50で構成されている。
レトラクターRの姿勢や傾斜角度を広い範囲で設定可能とする観点から、レトラクター支持部材10の端部10aには、芯部4に挿通可能に形成された環状の係止部16が設けられ、係止部16には、環状且つ開閉自在に形成された長さ調節部18が連結されていることが好ましい。具体的には、環状部材50には、芯部4の棒状部材24を上方から挿通可能かつ開閉自在に形成された環状部材52からなる長さ調節部18が複数連結されている。このような構成により、芯部4の棒状部材24に、環状部材50または複数の環状部材52のうちの何れかを挿通させることができる。また、長さ調節部18のレトラクター支持部材10への着脱が容易になる。この際、芯部4の棒状部材24に挿通させる環状部材50または複数の環状部材52を適宜選択することで、レトラクター支持部材10の長さが調節可能とされている。なお、長さ調節部18は、環状部材52の他に、環状部材50,52に着脱可能なS字部材53を含んでもよい。
弾性部12は、例えばばねで構成されている。レトラクターの適度な緊張度を保つ観点から、弾性部12を構成するばねのばね係数は10N/m以上200N/m以下であることが好ましい。弾性部12を構成するばねのばね係数が上述の範囲内であれば、1kgから20kg程度までの重さの重錘14を使用しても、弾性部12が重錘14の重みに耐え、良好に機能する。
支持部42は、軟網線、ケーブル、ひも、チェーン等であって、ある程度の伸び特性を有する部材で構成されている。支持部42を構成するロープ状の部材は、曲げることができ、適度な弾性を有しているものが好ましい。詳しくは、ロープ状の部材の引張強度は20kg以上150kg以下の重さに耐えられる程度であることが好ましい。ロープ状の部材が適度な弾性と前述の範囲の引張強度とを有することで、ロープ状の部材を通じてレトラクター支持部材10に適度な弾性と引張強度が付与され、レトラクターを保持する際の緊張度がより良好に保たれる。
支持部42は滑車8に巻装されることで滑車8に接触し、擦れる可能性がある部分であるため、手術中の破断を防止する観点から、ロープ状の部材は、接触摩擦に対して所定の耐性を有する材質で構成されていることが好ましい。このようなロープ状の部材を構成する材質としては、例えば、ステンレス(SUS)やタングステン等が挙げられるが、重錘14の重さに耐えられる強度を有し、かつ滅菌操作をしても再使用が可能なものであれば特に限定されない。
レトラクター係止部44は、レトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔に係止可能に形成されているものであり、例えばフック状に形成された部材で構成されている。
芯部接続部40を構成する環状部材50,52、弾性部12を構成するばねおよびレトラクター係止部44を構成するフック状の部材を構成する材質としては、例えばステンレスやアルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
重錘14は、公知の重錘の上部に、レトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔に係止可能に形成されたフック状の部材を備えたものである。重錘14の重さは、レトラクターRの姿勢や傾斜角度を広い範囲で設定可能とするために、レトラクター支持部材10の上述の各構成要素の物性等を勘案して、適切に設定されている。また、レトラクターRを所望の姿勢や傾斜角度で保持する観点から、複数の種類の重さの重錘14が用意されていることが好ましい。
以上説明したレトラクター保持装置1を用いる際には、先ず、図1に示すように、支柱2を寝台Bの側部に取り付け、支柱2と、延出部3と、芯部4と、をそれぞれ接続する。次に、図4に示すように、芯部4の棒状部材24に、回動部26の貫通孔26hを挿通させつつ、延伸部6を芯部4に取り付ける。芯部4に取り付ける延伸部6の数は、手術等に使用するレトラクターRの数に合わせる。最上部の延伸部6の回動部26に蓋部29を取り付ける。
次に、図1に示すように、芯部4の棒状部材24に、芯部4に取り付けた延伸部6の数と同数のレトラクター支持部材10を用意し、それぞれのレトラクター支持部材10における所望の位置の環状部材50または複数の環状部材52のうちの何れかを挿通させる。それぞれのレトラクター支持部材10の支持部42を滑車8に巻装し、レトラクター支持部材10のレトラクター係止部44をレトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔に係止させる。レトラクターRの保持姿勢に合わせ、必要に応じて、レトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔に重錘14をかける。また、芯部4の周方向におけるレトラクター支持部材10の角度を変える際には、該当するレトラクター支持部材10を上方に持ち上げる。その後、レトラクター支持部材10の被嵌合部25とその下方のレトラクター支持部材10の嵌合部27、または芯部4のフランジ20の嵌合部22との嵌合状態を一旦解除し、レトラクター支持部材10を芯部4の周方向に回し、所望の偏光位置で下降させ、再び被嵌合部25と嵌合部27または嵌合部22とを嵌合させればよい。
上述の作業により、複数のレトラクターRを患者Mの開創部Dを拡げるように保持することができる。
以上説明したレトラクター保持装置1では、患者Mの開創部Dを拡げるためのレトラクターRは、開創部Dの筋組織に係止すると共に、レトラクター支持部材10によって筋組織を拡げる方向、すなわち図1に示すように、滑車8とレトラクター支持部材10の端部10zとを結ぶB1方向に引かれ、保持される。このようにレトラクター支持部材10を用いてレトラクターRの把持部Rbを保持するので、従来のようにレトラクターRの把持部Rbが何らかの固定具等によって押圧されることもなく、硬くならない。さらに、手術中に患者が動くことがあっても、レトラクター支持部材10の弾性部12および支持部42の張力等によって、レトラクターRから開創部Dの筋細胞あるいは筋組織に伝わる力が適度に分散され、レトラクターRの適度な緊張度が保たれ、筋細胞あるいは筋組織へのダメージが抑えられる。
したがって、レトラクター保持装置1を用いることで、従来のようにレトラクターを装置等に固定するのではなく、レトラクターRを開創部Dの周囲の筋肉の生理的弾性度に合致した自然な状態で保持することができる。そして、レトラクター保持装置1によれば、レトラクターRの把持部Rbが硬くなるのを防ぎ、長時間でも筋組織を傷めずに、かつ手術対象部位を塞がないように筋組織を拡げるレトラクターRを保持することができる。また、術者によるレトラクターRの挟み直しやジョイント変更の作業の削減を図り、少人数の助手しかいない施設においても複数のレトラクターRを所望の配置で保持可能な環境を提供することができる。
上述のレトラクター保持装置1によれば、従来のレトラクター把持装置で見られたレトラクターRの把持部Rbが硬くなるということはなく、上述のように、長時間でも筋組織を傷めずに、かつ手術対象部位を塞がないように筋組織を拡げることが可能になる。すなわち、術者や助手の技量に左右されずに、安心安全に最小侵襲手術である筋間アプローチ(進入法)などの筋腱温存手術をサポートすることできる。
また、上述のレトラクター保持装置1は、レトラクターRの把持部Rbに着脱可能に形成された重錘14をさらに備えている。これにより、レトラクターRの把持部Rbを開創部Dよりも下方に保持するレトラクターRの傾斜姿勢に応じて、レトラクターRの把持部Rbに重錘14を付けることで、レトラクター支持部材10がレトラクターRを上方に支持する力(すなわち、図1に示すB1方向の力)に対して適度に重力(すなわち、図1に示すB2方向の力)が付加され、レトラクターRは、上方に支持する力と重錘14による重力とを合成した力のB3方向に引かれ、保持される。したがって、開創部Dに対する相対方向によらず、レトラクターRを所望の傾斜姿勢で容易に保持することができる。
また、上述のレトラクター保持装置1によれば、軸部28は芯部4を中心として径方向に沿って伸縮可能に構成されているので、開創部Dに対するレトラクターRの角度をより広い範囲で調整することができ、レトラクターRを所望の姿勢で容易に保持し、必要に応じてその姿勢を容易に変更することができる。
また、上述のレトラクター保持装置1によれば、レトラクター支持部材10の端部10aに、環状の係止部16が設けられ、係止部16には長さ調節部18が連結されていることで、芯部4に接続する係止部16または長さ調節部18の位置を変更し、レトラクター支持部材10の全長を容易に調節することができる。これにより、レトラクターRを所望の姿勢で容易に保持し、必要に応じてその姿勢を容易に変更することができる。
上述したように、本発明によれば、長時間であっても複数のレトラクターRを患者Mの開創部Dを拡げるように保持することができる。したがって、本発明に係るレトラクター保持装置は、人工股関節置換術の手術中等の場面に限らず、所望の配置でレトラクターRを保持することを必要とする広い分野で応用可能である。すなわち、本発明に係るレトラクター保持装置は、人工関節全置換術あるいは人工骨頭置換術だけでなく、広く整形外科領域の手術全般において、生理的な開創部周囲の筋肉の張力と合致した自然な圧迫力で創部を開大させるレトラクターRの保持装置として利用可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係るレトラクター保持装置は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、レトラクター保持装置1では、レトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔にレトラクター係止部44を係止させているレトラクター支持部材10の端部10a側の環状部材50を芯部4から抜き、図6に示すように、このレトラクター支持部材10の支持部42を滑車8の延伸部6側(すなわち、内側)からその反対側に巻き直し、環状部材50に重錘14をかけることができる。このような配置構成では、重錘14の重力がレトラクター支持部材10の支持部42を介して、レトラクターRの把持部Rbを下方へ引く力として、レトラクターRに伝わる。重錘14の重さを調節することで、レトラクターRの把持部Rbを下方へ引く力およびレトラクターRの傾斜角度や姿勢を容易に変更することができる。
また、図6に示すように、レトラクターRの把持部Rbには、複数(図6では二つ)の貫通孔が形成されている場合がある。その場合には、二つの貫通孔に図6の実線および一点鎖線で示す重錘14を係止し、複数の重錘14による重力の合計値を変更することで、レトラクターRにかかる力の方向を調整してもよい。
また、図示していないが、レトラクターRの把持部Rbに形成されている貫通孔のそれぞれには、二個以上の重錘14を係止してもよい。この際、貫通孔に係止する複数の重錘14の重さは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。このように、一つの貫通孔に対して複数の重錘14を係止することで、レトラクターRの把持部Rbにかかる重力の合計値を容易に変更し、レトラクターRの把持部Rbを下方へ引く力を調整することができる。
さらに、レトラクター支持部材10の支持部42を術者または助手が把持するか、または押さえて、所定の方向に支持すると共に移動させてもよい。このような支持方法によっても、レトラクターRの傾斜角度や姿勢を微調整することができる。
1…レトラクター保持装置
2…支柱
2a…基端部(基端)
3…延出部
3a…基端部
3z…先端部(支柱2とは反対側の端部)
4…芯部
6…延伸部
8…滑車
10…レトラクター支持部材
14…重錘
16…係止部
18…長さ調節部
26…回動部
28…軸部
B…寝台
D…開創部
M…患者
R,R1,R2,R3…レトラクター

Claims (4)

  1. 寝台上の患者の開創部を拡げるためのレトラクターを把持可能に構成されたレトラクター保持装置であって、
    基端部が前記寝台に取り付け可能に形成され、先端部が寝台の上方に延びている支柱と、
    前記支柱の先端から水平方向へ延びる延出部と、
    前記延出部の前記支柱とは反対側の端部から上方に延びる芯部と、
    前記芯部に対して該芯部を中心として周方向に回動可能に接続された回動部と、前記芯部を中心として径方向に沿って延びる軸部と、を有する複数の延伸部と、
    前記延伸部の先端に設けられた滑車と、
    一方の端部が前記芯部に接続され、他方の端部が前記レトラクターの把持部に着脱可能に形成され、前記一方の端部と前記他方の端部との間で前記滑車に巻装されると共に、前記一方の端部と前記滑車への巻装部分との間に弾性部を有するレトラクター支持部材と、
    を備えていることを特徴とするレトラクター保持装置。
  2. 前記レトラクターの把持部に着脱可能に形成された重錘をさらに備えていることを特徴とするレトラクター保持装置。
  3. 前記軸部は前記芯部を中心として径方向に沿って伸縮可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレトラクター保持装置。
  4. 前記レトラクター支持部材の前記一方の端部には、前記芯部に挿通可能に形成された環状の係止部が設けられ、
    前記係止部には、環状且つ開閉自在に形成された長さ調節部が連結されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載のレトラクター保持装置。

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