JP3180882U - 換気ファンの油煙フィルター取付装置 - Google Patents

Abstract

【課題】台所に設置する換気ファンの油煙フィルター交換作業に関して、容易かつ安価に行える油煙フィルター取付装置を提供する。
【解決手段】油煙フィルターの交換作業を、容易かつ安価に行うため、箱体レンジフードセット底面の開口部に引き出し式フィルターセット４を設ける。その引き出し式フィルターセットの構造は、凹部を設けたフィルター支持枠と、弾性のフィルター抑え枠とからなり、その二者の間に油煙フィルターを取り付け取り外しが容易にできるように挟み込んだ。また、建屋に合わせて、引出し式フィルターセット４の高さ位置を、床に立ったまま作業が出来るように、箱体レンジフードセットの箱体について、これを下方に伸長させる機能を合わせ持たせた。
【選択図】図２

Description

本考案は、既設の換気ファンに対して配置される油煙フィルター（排気中の油煙等により換気ファンが汚染されるのを防ぐフィルター）の取付装置に関する。

既設の多くの換気ファンは、部屋の天井近くの壁の通気孔に設けられ、油煙フィルターは、排気ファンに近接して、ファンの面に平行に（換言すると、排気の流れに対してフィルター面が直角になるように）配置されている。

したがって、汚染された油煙フィルターを新しい油煙フィルターに交換しようとすると、それは高所にあるため、交換作業に危険や困難を伴いその煩わしさから、油煙フィルターの配置を省略して排気ファンのみを設置する家もあり、油煙フィルターを配置した家にあっても、フィルターの交換の頻度は極めて少ないものとなりがちであった。

油煙フィルターがない、あるいはフィルター交換が十分にされない換気ファンを構成する多くの部品は油を含む厄介な汚れにまみれ、その修復には多くの労力を要するだけでなく、場合によっては、有料の清掃専門業者にその修復作業を依頼する必要があった。

換気ファンは通常建屋壁面の室内側に露出して設置するため、室内からの景観を損ねる一方、ファンの回転に起因する騒音は室内に響いた。

一方、シロッコファン等を組み込んだ複雑構造のレンジフードファンにかかわるフィルターは低位置に設置することができ、その交換作業に関しては、高所故の危険性はほとんど排除されているものの、高価な専用フィルターを購入する必要があった。

また、シロッコファン等を組み込んだ複雑構造のレンジフードファンの清掃作業に関しては、高価な専用フィルターの代わりに汎用性のある安価な市販のフィルターを用いる場合には、フィルターをレンジフードファンの機種の寸法に合わせて切断し、これを所定部に下方から上方に向かって張り付けるという作業が必要になる。その上、フィルター交換後の状態は、その確実性あるいは安定性という点において、不十分さは否めなかった。その理由は、現在採用されているフィルター交換時のその張り付け方法が、つぎの例の如く、すべて「点付け」にある。▲１▼マジックテープで固定▲２▼両面テープで固定▲３▼磁石で固定▲４▼予め所定のコーナー等に設置した先端のとがったピン等に突き刺すことによって固定等になっているためである。

なお、シロッコファン等を組み込んだ複雑構造のレンジフードファンに関わる内部構造部品の清掃作業に関しては、その複雑さ故に、とかく敬遠されるだけでなく、有料の清掃専門業者に依頼することが多かった。

本考案の技術課題は、次の２つを含む。
１．建屋壁面の高所にある既設の換気ファンをそのまま利用し、景観および騒音の改善を目的とした室内のリフォームが安価にかつ容易に行える油煙フィルター取付装置を提供する。
２．シロッコファン等を組み込んだ複雑構造のレンジフードファンに比較して、油煙フィルターの交換作業を安価で安全かつ容易、確実に行うだけでなく、換気ファンおよび換気ファンを覆う箱体レンジフードセットの内部構造部品等の清掃作業なども容易に行える油煙フィルター取付装置を提供する。

前記の技術課題１を解決するために本考案は次の手段を採用した。
換気流通孔を箱体レンジフードセットの箱体の後部上方に設け、引き出し式フィルターセットを前記箱体の底面の開口部に設けた。

油煙フィルターの交換を安価にかつ容易、確実に行うため、本考案は特に次の手段を採用した。
凹部を設けたフィルター支持枠と、弾性のフィルター抑え枠とを用意し、その二者の間に油煙フィルターを取り付け取り外しが容易にできるように挟み込んだ。

引出し式フィルターセットを水平方向に安全に抜き差しできるようにするために、本考案は特に次の手段を採用した。
箱体レンジフードセットの箱体の両側板の内側にガイドを設けた。

既設の換気ファンが高所にあり、引出し式フィルターセットも高い位置にあると、油煙フィルターの交換作業などを安全かつ容易、確実におこなう事ができなくなるが、そのような場合の難点を解決するため、本考案は特に次の手段を採用した。
箱体レンジフードの箱体を下方に伸長させ、引き出し式フィルターセットを清掃作業や油煙フィルターの交換作業などが行い易い高さに位置させるように構成した。

換気ファンおよび換気ファンを覆う箱体レンジフードセットの内部構造部品等の清掃作業を容易にするため、本考案は特に次の手段を採用した。
箱体の前板、上板または側板にそれらを各別に開閉する機能を持たせた。

なお、箱体レンジフードの内面の清掃作業を一層容易に行うためには、箱体の内面に、溌油性の塗料等を塗布しておくことなどが考えられる。

本考案の最大の効果は、日常における油煙フィルターの交換作業を、安価な市販フィルターなどを使って、床面に立ったまま、安全かつ容易、確実に行うことが出来る事にある。

本考案の効果は、箱体レンジフードセットの内部構造部品等の清掃作業が容易な為、専門業者に依頼する必要性が少なくなる事にある。

本考案の効果は、室内から眺める景観が改善し、また、ファンの回転に起因する騒音をかなり低減させる事にある。

本考案の一実施例を示す斜視図である。 （ａ）は図１の縦断面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は底面図である。 図２（ａ）のＡ−Ａ断面の一部拡大図である。 引き出し式フィルターセットの外観を示す斜視図である。 （ａ）は引き出し式フィルターセットの図４のＢ−Ｂ断面図であり、（ｂ）は図５（ａ）のａ部の拡大図である。 （ａ）は引き出し式フィルターセットの図４のＣ−Ｃ断面図であり、（ｂ）は図６（ａ）のｂ部の拡大図、（ｃ）は同図ｃ部の拡大図である。 請求項４に記載した考案の実施例の外観を示す斜視図である。

以下、本考案の実施形態を、図１から図７で、実施例を挙げて詳細に説明する。これらは一例に過ぎず、これらに限定するものではない。

図１は、本考案の一実施例の外観を斜視図として示す。
その構成部品として（１）は箱体レンジフードセットの開放しない状態にある前板（２）は左右２枚ある箱体レンジフードセットの側板（３）は箱体レンジフードセットの上板（４）は引出し式フィルターセット（５）は、実際には箱体に隠れるが、既設の換気ファン。ただし、（１）と（３）は曲面等で接続させた一体物でも良い。
（６）と（７）は、前板を開閉するための開閉部、例えばヒンジ部のおよその位置と形状を表す。実際は（６）あるいは（７）のどちらか一方を設置する。（６）を設置すれば前板は上方に開放し、（７）を設置すれば前板は横方向へ開放する。（１）と（３）を一体物としたときは、（３）の後縁にヒンジ部を設ける。開放前後における前板の固定方法は、既知の技術で対応すればよい。

図２は、本考案の前記実施例について、正面図（ｂ）・縦断面図（ａ）・底面図（ｃ）を三角図法によって示す。ただし、縦断面図（ａ）に示す（５−１）は、建屋壁穴（１３）に取り付けられた換気ファン。（５−２）は、レンジフードセットに一体的に取り付けられた換気ファンを示す。箱体レンジフードセットの箱体の後部上方には換気流通孔（１４）が設けられる。（８）（９）は引出し式フィルターセット（４）のガイド板であり、引出し式フィルターセット（４）を抜き差しすべく、左右２枚の側板（２）に設置する。（図３を参照）。ただし、（９）については、場合によっては設置の必然性は無い。

図３に、図２（ａ）のＡ−Ａ断面の拡大図を示す。一点鎖線で示した（４）は引出し式フィルターセットのおよその位置を示す。

図４に、引出し式フィルターセット（４）の外観を斜視図として示す。
（４）は、フィルター抑え枠（４−１）、補強用金網（４−２）、フィルター支持枠（４−３）、前面板（４−４）、およびフィルター（４−５）から構成する。弾性のフィルター抑え枠（４−１）は金網（４−２）の四辺と一体成型し、フィルター支持枠（４−３）との間隙にフィルター（４−５）を挟み込んで両者を嵌合させ、（４−１）（４−２）（４−３）（４−５）を一体化させる。（４−１）の材質を例えば弾性のあるシリコンゴムとし、これを鋳込んで成型すれば、（４−１）（４−３）（４−５）は適度な力で嵌合・取り外しが可能となり、換気ファンの吸引力で（４−１）が上方へ抜ける可能性も防止できる。引出し式フィルターセット（４）の前面板（４−４）は（４−３）と接合し（図６（ｃ）を参照）、換気ファンの吸入時における、前方から箱体レンジフードへの空気の流入を防止する。（注）（４−５）は、図面ではその外縁の一部分だけを点線で表す。

図５（ａ）は、図４のＢ−Ｂ断面図で、（ｂ）は同図ａ部の詳細図である。
補強用金網（４−２）の４辺について、例えば弾性のあるシリコンゴムを鋳込んで成型した金網（４−２）の下面により広い面積の（４−５）を重ね、フィルター（４−５）の四辺を（４−１）の側部から上方に覗かせ、（４−３）の凹部とのわずかな隙間にフィルター（４−５）を挟み込むと図５（ｂ）のようになる。その際、（４−１）（４−３）（４−５）の相互間に隙間は生じない。

図６において（ａ）は、図４のＣ−Ｃ断面図、（ｂ）は図６（ａ）のｂ部、（ｃ）は図６（ａ）のｃ部の詳細図であるが、図５に示したａ部と同様な構造部については、前述した説明と共通である。また、ｃ部詳細図において、（４−４）は（４−３）と接合し、吸入時における、前方からの空気の流入を防止する。

図７は、請求項４に記載した考案の実施例であり、箱体レンジフードセットの箱体を下方に伸長させたものである。その目的は、フィルター交換作業時において、踏み台等を使用することなく引出し式フィルターセット（４）の抜き差しを容易に可能とすべく、床面からの高さを調節することにある。ただし、図１の形状があくまでも基本であり、建屋壁穴の設置位置に応じて図７が選択される。
（１０）は図１の（１）に相当し、（１１）は図１の（２）に相当し、（１２）は図１の（７）に相当する。（１０）（１１）（１２）の構造等に関しては、前記の内容に準ずる。

１ 箱体レンジフードセットの前板
２ 箱体レンジフードセットの左右２枚の側板
３ 箱体レンジフードセットの上板
４ 引出し式フィルターセット
５ 既設の換気ファン
６ 前板を上方に開放する場合のヒンジ
７ 前板を横方向へ開放する場合のヒンジ
８ 引出し式フィルターセットの下ガイド板
９ 引出し式フィルターセットの上ガイド板
１０ 箱体レンジフードセットの形状を下方に伸長させる場合の下方の前板
１１ 箱体レンジフードセットの形状を下方に伸長させる場合の左右２枚の下方の側板
１２ 箱体レンジフードセットの形状を下方に伸長させる場合の下方の前板用ヒンジ
１３ 建屋壁穴
１４ 換気流通孔

Claims (5)

1. 箱体レンジフードセットの箱体の後部上方に換気流通孔を設け、箱体の底面を開口し、該開口端に水平方向に抜き差し可能な引き出し式フィルターセットを配置した換気ファンの油煙フィルター取付装置。
2. 内側に凹部を設けたフィルター支持枠と、前記凹部に嵌合する弾性のフィルター抑え枠との間に、油煙フィルターを、その取り付け取り外しが容易にできるように挟み込んで、引き出し式フィルターセットとしたことを特徴とする請求項１に記載された換気ファンの油煙フィルター取付装置。
3. 箱体レンジフードセットの箱体の両側板の内側に、引き出し式フィルターセットを抜き差しするガイドを設けたことを特徴とする請求項１または請求項２に記載された換気ファンの油煙フィルター取付装置。
4. 箱体レンジフードセットの箱体の下端または底面の開口部に、前記箱体を下方に伸長させる箱体を付加し、付加した箱体の底面を開口し、該開口端に水平方向に抜き差し可能な引き出し式フィルターセットを配置したことを特徴とする請求項１、請求項２または請求項３に記載された換気ファンの油煙フィルター取付装置。
5. 箱体レンジフードセットの箱体の前板、上板または側板に、それら前板、上板または側板を各別に開閉する機能を持たせたことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３または請求項４に記載された換気ファンの油煙フィルター取付装置。

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