JP3180626U - 再生セルロース不織布シート - Google Patents

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Abstract

【課題】ビスコースから調製される再生セルロースの不織布シートの表面に形成する模様を改良することにより、用途に適した所望の感触、風合いを備え、しかも強度を保持した再生セルロース不織布シートを提供する。
【解決手段】熱融着性セルロース繊維を湿式下で抄造しながらウエブを形成して、エンボスローラによりウエブを押圧しながら熱融着させてエンボスウエブ30を形成してなる再生セルロース不織布シートであって、エンボスウエブに転写される模様は、直線状の第1溝部51と直線状の第2溝部52の組み合わせからなり、第1溝部の長さ方向の中間位置53近傍の直角位置に第2溝部の端部56を直角状に配置し、さらに、第2溝部の長さ方向の中間位置54近傍の直角位置に第1溝部の端部55を直角状に配置することによって第1溝部と第2溝部を交互に連続してエンボスウエブの表面36全体に配置する。
【選択図】図5

Description

本考案は再生セルロース不織布シートに関し、特に、ビスコースから調製したセルロース繊維のみから布地に仕上げた不織布シートに関する。
パルプを原料にビスコース法により調製される再生セルロース繊維は、純粋なセルロースからなるため、近年生分解性材料として再評価が高まっている。再生セルロース繊維は織布に仕上げられる他、繊維同士を複雑に絡ませて不織布にも仕上げられる。
再生セルロース繊維の不織布形成に際し、バインダーにより繊維同士を接着する製造方法は簡便ではあるものの、セルロース分以外の成分も混ざり純粋さに欠く。これに対し、再生セルロース繊維同士をそれ自体で加熱と加圧により融着させて繊維の集まりから布状物を形成することができる。この方法では自己接着であるため、セルロース分以外が混入することはない。
例えば、ビスコースから調製されるセルロース繊維を湿式下で抄造しながらフラットローラを使用して押圧し熱融着する製法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の不織布はガラス板に挟む合紙を想定しているため、比較的平坦な仕上がりとなり布よりもむしろ紙に近い。
再生セルロース繊維からなる不織布は途中の加工方法により種々の感触、風合いを表現することができる。しかも通気性、吸水性に富むため、医療・衛生材料、生理用品、化粧品資材等をはじめとする人体に直接接触する用途にも比較的多く用いられる。
用途に適した所望の感触、風合いを備えた不織布を得るための方法として、再生セルロース繊維同士を加熱と加圧により自己接着する際、転写模様を制御することが簡便である。そこで、不織布シートの表面に形成する適切な模様が求められるに至った。
特開2007−217811号公報
本考案は、前記の点に鑑みなされたものであり、ビスコースから調製される再生セルロースの不織布シートの表面に形成する模様を改良することにより、用途に適した所望の感触、風合いを備え、しかも強度を保持した再生セルロース不織布シートを提供する。
すなわち、請求項1の考案は、ビスコースからヒドロキシメチルザンテートを含有する熱融着性セルロース繊維を生成し、前記熱融着性セルロース繊維を湿式下で抄造しながらウエブを形成して、エンボスローラにより前記ウエブを押圧しながら該ウエブ同士を熱融着させてエンボスウエブを形成してなる再生セルロース不織布シートであって、前記エンボスローラが前記ウエブを押圧する際に前記エンボスウエブに転写される模様は、直線状の第1溝部と直線状の第2溝部の組み合わせからなり、前記第1溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第2溝部の端部を直角状に配置し、さらに、前記第2溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第1溝部の端部を直角状に配置することによって前記第1溝部と前記第2溝部を交互に連続して前記エンボスウエブの表面全体に配置したことを特徴とする再生セルロース不織布シートに係る。
請求項2の考案は、前記第1溝部及び前記第2溝部が同形状である請求項1に記載の再生セルロース不織布シートに係る。
請求項3の考案は、前記第1溝部及び前記第2溝部が離れて配置されている請求項1または2に記載の再生セルロース不織布シートに係る。
請求項4の考案は、前記第1溝部及び前記第2溝部の形状が、長方形、楕円形もしくは紡錘形のいずれかである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シートに係る。
請求項5の考案は、前記第1溝部及び前記第2溝部の長さが2〜3mmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シート。
請求項6の考案は、前記第1溝部及び前記第2溝部によって前記エンボスウエブに生じた圧着面積率は10〜20%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シートに係る。
請求項1の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、ビスコースからヒドロキシメチルザンテートを含有する熱融着性セルロース繊維を生成し、前記熱融着性セルロース繊維を湿式下で抄造しながらウエブを形成して、エンボスローラにより前記ウエブを押圧しながら該ウエブ同士を熱融着させてエンボスウエブを形成してなる再生セルロース不織布シートであって、前記エンボスローラが前記ウエブを押圧する際に前記エンボスウエブに転写される模様は、直線状の第1溝部と直線状の第2溝部の組み合わせからなり、前記第1溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第2溝部の端部を直角状に配置し、さらに、前記第2溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第1溝部の端部を直角状に配置することによって前記第1溝部と前記第2溝部を交互に連続して前記エンボスウエブの表面全体に配置したため、ビスコースから調製される再生セルロースの不織布シートの表面に形成する模様を改良することにより、用途に適した所望の感触、風合いを備えることができる。
請求項2の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、請求項1に係る考案において、前記第1溝部及び前記第2溝部が同形状であるため、再生セルロース不織布シートのいずれの向きに対しても強度を保持することができる。
請求項3の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、請求項1または2に係る考案において、前記第1溝部及び前記第2溝部が離れて配置されているため、再生セルロース不織布シートの風合いを硬くならなくすることができる。
請求項4の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、請求項1ないし3いずれかの考案において、前記第1溝部及び前記第2溝部の形状が、長方形、楕円形もしくは紡錘形のいずれかであるため、溝部の形状の自由度を活かして融着部の大きさを適切に制御して出来上がる再生セルロース不織布シートの風合い、感触を調整することができる。
請求項5の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、請求項1ないし4のいずれかの考案において、前記第1溝部及び前記第2溝部の長さが2〜3mmであるため、出来上がる不織布シート自体の強さや感触に変化を付けることができる。
請求項6の考案に係る再生セルロース不織布シートによると、請求項1ないし5のいずれかの考案において、前記第1溝部及び前記第2溝部によって前記エンボスウエブに生じた圧着面積率は10〜20%であるため、再生セルロース不織布シートの風合いや感触を良好に仕上げることができる。
熱融着性セルロース繊維の断面模式図である。 再生セルロース不織布シートの部分拡大写真である。 エンボスローラによる模様転写時の概要図である。 第1実施例の再生セルロース不織布シートの全体斜視図である。 図4の部分拡大平面図である。 第2実施例の再生セルロース不織布シートの部分拡大平面図である。 第3実施例の再生セルロース不織布シートの部分拡大平面図である。
本考案の再生セルロース不織布シートを構成する再生セルロースについて、その調製から説明する。綿花、木材チップ等からセルロース分が精製されたパルプは、苛性ソーダ等のアルカリ存在下、二硫化炭素との反応によりビスコースに転化される。ビスコースはメチロール化剤を含む紡糸浴中に吐出、紡糸されて図1の断面構造の熱融着性セルロース繊維10となる。熱融着性セルロース繊維10は、外側からセルロース11、ヒドロキシメチルセルロースザンテート12、ナトリウムセルロースザンテート13の3層構造体である。
熱融着性セルロース繊維10は、湿式下(水分存在下)で適当な長さに裁断の後、抄造されてウエブ20(図2参照)として形成される。ウエブ20の状態では、個々の熱融着性セルロース繊維10は単に絡まり合っている状態である。
図2のとおり、湿潤状態のウエブ20はエンボスローラ31と支持ローラ33の間に挿通されるとともに両ローラからの押圧を受ける。エンボスローラ31の表面には凹凸状のエンボス型面33が形成されている。エンボスローラ31と支持ローラ33は60℃ないし120℃に加熱されており、ウエブ20内の熱融着性セルロース繊維10にエンボス型面32が圧接して熱融着が生じ、エンボスウエブ30が得られる。ローラの加熱温度はウエブ20の厚さやローラの直径、回転速度等により調節される。ローラ内を蒸気や温水が循環することにより、常時加熱温度は一定に維持される。
両ローラから受ける押圧力と加熱により、ヒドロキシメチルセルロースザンテートとナトリウムセルロースザンテートは熱分解される。その後、希酸下でセルロースへの再生が進み、漂白、水洗、乾燥を経ることにより、エンボスウエブ30内はほぼ完全に再生セルロースのみとなり、再生セルロース不織布シート50は完成する(図3参照)。
図3の写真は再生セルロース不織布シート50の拡大写真であり、白色の細かい繊維状物は不織布を形成する個々の再生セルロース繊維41である。紙面中央の下方の白色の塊状物は融着部42であり、熱融着性セルロース繊維10同士がエンボスローラの押圧により生じる。この様子からわかるように、エンボスローラ31をウエブ20に加熱しながら押圧する際に、ウエブ20の表面にエンボスローラ31のエンボス型面32の模様は転写され、熱融着性セルロース繊維同士の融着により当該模様は固定化される。
図4の全体斜視図から理解されるように、一連の工程から出来上がった再生セルロース不織布シート50は、直線状の第1溝部51と、同じく直線状の第2溝部52の組み合わせからなる。第1溝部51及び第2溝部52の模様は、エンボスローラ31がウエブ20を押圧してエンボスウエブ30となる際に形成される。第1溝部及び第2溝部の直線状とは長軸側に延びた形状の意味であり、必ずしも線の幅狭状のみに限定されるわけではない。
図5は再生セルロース不織布シート50の部分拡大平面図である。同図を用い第1溝部51及び第2溝部52の模様について説明する。図示実施例の再生セルロース不織布シート50では、第1溝部51及び第2溝部52は双方ともに同形状であり、図示からわかるように長方形形状である。また、第1溝部51及び第2溝部52については、第1溝部51の長さL1及び第2溝部52の長さL2をともに2mmないし3mm、好ましくは2.3mmないし2.8mmの長さとしている。
第1溝部51の長さ方向の中間位置53の近傍であり、これの直角位置に第2溝部52の端部56は直角状に配置される。さらに、第2溝部52の長さ方向の中間位置54の近傍であり、これの直角位置に第1溝部51の端部55も直角状に配置される。この繰り返しにより、第1溝部51と第2溝部52は交互に連続してエンボスウエブ30の表面36の全体に配置される。ちょうど、2個の溝部同士によるT字状を模した組み合わせとなる配置が縦横を変えながら一面全体に広がった配置である。第1溝部51と第2溝部52を同形状としているため、再生セルロース不織布シート50のいずれの向きに対しても強度を保持することができる。
第1溝部51と第2溝部52は、互いを接続してT字状としても良く、あるいは図示のとおり溝部同を適度に離して模様を形成しても良い。溝部同士の間隔、大きさは、エンボスローラ表面の型形状や型の凹凸量、表面における溝部の配置数等により規定される。これらを適度に制御することにより出来上がる不織布シート自体の強さや感触に変化を付けることができる。
例えば、不織布シートを柔らかめの感触とする場合、第1溝部、第2溝部の数を減らして全体に疎とする。こうすると、第1溝部、第2溝部の直下による融着部の数も減ることから硬さも抑えられる。逆に、不織布シートに硬さや丈夫さを求める場合、第1溝部、第2溝部の数を増やして全体に密とする。結果、第1溝部、第2溝部の直下による融着部の数も増えてエンボスウエブはより硬さを増す。
また、第1溝部と第2溝部を適度な間隔を置いて離すこと、あるいは互いに接続することにより、エンボスウエブの硬軟を調整することもできる。第1溝部と第2溝部を離した場合、両溝部の融着部に起因したエンボスウエブの締まりは硬くなりにくくなり、適度に軟らかい風合いとなる。これに対し、第1溝部と第2溝部を接続した場合、融着部の位置からエンボスウエブが硬く締まった部分が増して全体的に固めの風合いとなる。
第1溝部、第2溝部の長さについても、出来上がる不織布シート自体の強さや感触に変化を付ける上で前記の範囲としている。溝部を短くすればその直下の融着部は短くなりウエブの圧縮も抑えられる。従って、不織布の柔らかな仕上がりとすることができる。逆に溝部を長めとすればその直下による融着部も長くなることから全体に圧縮されて硬さが増す。第1溝部51の底部57、第2溝部52の底部58はエンボスローラの型面転写により形成される融着部である。
エンボスローラの型面転写によりエンボスウエブ30に形成される第1溝部51及び第2溝部52の融着部については、エンボスローラの型面から圧着面積率として定量化することができる。具体的には、単位面積の再生セルロース不織布シート50(エンボスウエブ30)当たりにおいて、第1溝部51の底部57と第2溝部52の底部58の面積の合計が占める割合である。後記の実施例に開示のとおり、圧着面積率は10ないし20%である。圧着面積率が10%よりも低い場合、エンボスウエブの熱融着性セルロース繊維同士の融着量が少なくなり、再生セルロース不織布シートの強度低下につながる。圧着面積率が20%よりも高い場合、エンボスウエブの融着量が多くなりすぎて風合いや感触が悪くなりやすい。そのため、前記の圧着面積率の範囲が風合いや感触において適切である。
むろん、第1溝部、第2溝部の配置や大きさについては、再生セルロース不織布シートの用途毎の所望される感触に対応して適切に選択される。ウエブに第1溝部及び第2溝部の凹溝形状が転写されてエンボスウエブになることにより再生セルロース不織布シートは完成する。
これに加えて、いったんエンボスウエブとなった後に、高圧水流(ウォータージェット)が当該エンボスウエブに対して噴射される。エンボスウエブが高圧水流の噴射を受けた場合、不織布シートを構成する再生セルロースの繊維同士がさらに絡まる等により不織布シート自体の感触が変化する。また、エンボスウエブが高圧水流の噴射を受けることにより(水流交絡)、出来上がる不織布シートの嵩は高くなる。このことからも風合いが変わる。
高圧水流の噴射はエンボスウエブの水洗の後に加えられ、その後乾燥される。この工程からわかるように、高圧水流の噴射の工程中への付加は容易である。噴射時の水量や噴射時間、噴射の仕方等は対象となるエンボスウエブの目付量、仕上がりの風合いを考慮して適切に設定される。例えば、再生セルロース不織布シートを強くこすった場合であっても表面に毛玉等が生じにくくなる。また、不織布シートの形状保持特性もより強くなる。
図6は第2実施例の再生セルロース不織布シート50Aの部分拡大平面図である。再生セルロース不織布シート50Aは、第1溝部61及び第2溝部62をともに同形状とし、かつ、それぞれの形状を楕円形としている。図示実施例の楕円形形状の溝部は互いに適度な間隔を空けた配置としている。個々の溝部の底面部分(図示の楕円形部分)が熱融着性セルロース繊維同士のエンボスローラの押圧により生じた融着部である。第1溝部61の底部67、第2溝部62の底部68はエンボスローラの型面転写により形成される融着部である。
再生セルロース不織布シート50Aであっても、第1溝部61の長さ方向の中間位置63の近傍の直角位置に第2溝部62の端部66は直角状に配置される。そして、第2溝部62の長さ方向の中間位置64の近傍の直角位置に第1溝部61の端部65は直角状に配置される。この繰り返しにより、第1溝部61と第2溝部62は交互に連続してエンボスウエブ30の表面36の全体に配置される。ちょうど、2個の溝部同士によるT字状を模した組み合わせとなる配置が縦横を変えながら一面全体に広がった配置である。
図7は第3実施例の再生セルロース不織布シート50Bの部分拡大平面図である。再生セルロース不織布シート50Bは、第1溝部71及び第2溝部72をともに同形状とし、かつ、それぞれの形状を紡錘形としている。図示実施例の紡錘形形状の溝部は互いに接触した配置としている。個々の溝部の底面部分(図示の紡錘形部分)が熱融着性セルロース繊維同士のエンボスローラの押圧により生じた融着部である。第1溝部71の底部77、第2溝部72の底部78はエンボスローラの型面転写により形成される融着部である。
再生セルロース不織布シート50Bであっても、前記の不織布シート50Aと同様に、第1溝部71の長さ方向の中間位置73の近傍の直角位置に第2溝部72の端部76は直角状に配置される。そして、第2溝部72の長さ方向の中間位置74の近傍の直角位置に第1溝部71の端部75は直角状に配置される。この繰り返しにより、第1溝部71と第2溝部72は交互に連続してエンボスウエブ30の表面36の全体に配置される。ちょうど、2個の溝部同士によるT字状を模した組み合わせとなる配置が縦横を変えながら一面全体に広がった配置である。
再生セルロース不織布シート50Aの第1溝部61及び第2溝部62、再生セルロース不織布シート50Bの第1溝部71及び第2溝部72についても、それぞれの溝部の長さL1、L2は2mmないし3mmの範囲に規定される。熱融着性セルロース繊維からなるウエブには、エンボスローラの押圧により融着部が形成される。そこで、溝部の形状の自由度を活かして融着部の大きさを適切に制御して出来上がる再生セルロース不織布シートの風合い、感触等は調整される。
また、再生セルロース不織布シート50Aや50Bについても、エンボスウエブに対して高圧水流の噴射を含めることができる。前述の場合と同様に、完成品の目付量、仕上がり時の風合いを変化させることができ、使用目的等に対応することができる。
ウエブ同士を熱融着した再生セルロース不織布シートを製造するに際し、溝部の長さ(mm)や圧着面積率(%)の相違が不織布シートの物性に与える影響を測定し、併せて、不織布シートにおける腰強さを評価した。はじめに型面の異なるエンボスローラを4種類用意した(実施例1ないし4に対応)。各エンボスローラがエンボスウエブに転写する溝部の模様はいずれも同形状の長方形形状であり、図5参照のとおりT字を構成する各溝部同士を離して連続させた配置である。
ウエブの調製は、ビスコースからヒドロキシメチルザンテートを含有する熱融着性セルロース繊維を生成し、熱融着性セルロース繊維を湿式下で抄造する公知手法に準じた。4種類のエンボスローラを順番に押圧装置に装着し、供給されるウエブに対して加熱しながら加圧してエンボスウエブを得た。その後、希酸下浴の浸漬、漂白、水洗、エンボスウエブに対する高圧水流の噴射、及び乾燥を経て、実施例1ないし4の4種類の再生セルロース不織布シートを得た。
〔物性測定〕
実施例1ないし4の再生セルロース不織布シートのそれぞれについて、温度20℃、湿度65%RHの環境下、以下の測定、評価を行った。結果は表1である。
溝部長さ(mm)はエンボスローラの型面寸法の数値であり、第1溝部及び第2溝部ともに同寸法である。
圧着面積率(%)はエンボスローラの型面寸法から算出した。エンボスローラの型面寸法からウエブに形成される溝部の面積を計算し、単位面積当たりの再生セルロース不織布シートに占める割合(%)を求めた。
シート厚さ(mm)は再生セルロース不織布シートを3枚重ねて厚さを複数箇所で計測してその平均を求め、1枚当たりの厚さを計算した。
目付(g/m2)は、単位面積当たりの再生セルロース不織布シートの重量を測定し、1m2当たりの重量に換算し直した。
引張強度の測定は、株式会社オリエンテック製:テンシロン万能試験機RTG−1210を用い、JIS Z 1521(1995)に基づき、つかみ間隔100mm、試料長250mm、引張速度300mm/分として測定した。引張強度の測定に際し、再生セルロース不織布シートの巻き取り方向(MD方向)となる縦方向と、これに直交する幅方向(TD方向)となる横方向の両方を測定した。乾燥状態は前記の温度20℃、湿度65%RHの環境下とした。湿潤状態は20℃とし、再生セルロース不織布シートを水中に漬けて水分を軽く絞った状態とした。各実施例の乾燥、湿潤の両状態について50mm引張したときの荷重(N)として求めた。
腰強さは、各実施例の再生セルロース不織布シートを一辺30cmの正方形状に裁断し、裁断後の不織布シートを含水させ、水滴が落ちなくなる程度まで当該不織布シートを手で絞った。絞り終えた不織布シートを4つ折りにして当該不織布シートの辺部を被験者の皮膚に擦りつけた。ここで、摩擦等により不織布シートが擦れて生じる繊維同士の丸まりを目視により観察し評価した。「◎」は丸まりの生じなかった例である。「○」は不織布シートの辺部に部分的な丸まりが生じた例である。
Figure 0003180626
表1の物性の結果から、溝部の長さについては2mmないし3mm、圧着面積率については10%ないし20%の範囲が概ね適性である。溝部の量に伴う圧着面積率が増加するほど再生セルロース不織布シートが締まる。このため、目付量は同量であるにも関わらず、厚さは薄くなる。同時にシートは硬くなるため、強度も向上する。従って、再生セルロース不織布シートの風合いとその強度の均衡から溝部の大きさ、圧着面積率を規定するべきといえる。
〔摩擦耐性の評価〕
表1の結果にあるように、再生セルロース不織布シートの細かな溝部の連続により構成する模様は当該シートの物性を調節できる。そこで、模様による摩擦への強さを検証した。そこで、実施例2の再生セルロース不織布シートと、比較例として材質、製法、及び目付を実施例2と同様として溝部の形状を1辺7mmの連続した菱形の格子状とした再生セルロース不織布シートを用意した。
JIS L 0849(2004)「摩擦に対する染色堅ろう度試験方法」に準拠し、同試験方法の摩擦試験機II形を採用して日本TMC株式会社製の学振型摩擦堅牢度試験機II型を用いた。試験機の摩擦部に東洋紡株式会社製の濾布を取り付け、摺動台側に実施例2もしくは比較例の再生セルロース不織布シートを取り付けた。再生セルロース不織布シートの取り付け方向は巻き取り方向(MD方向)とした。取り付け後、再生セルロース不織布シートと濾布を接触させて往復動させた。そこで、何回の往復動の後に再生セルロース不織布シートが破断したのかを計測した。回数は平均値とした。併せて、往復動の摩擦時の様子も目視により観察した。試験条件は、温度20℃、湿度65%RHとした。
前記の摩擦試験の結果、実施例2の再生セルロース不織布シートでは「29回」であり、往復摩擦時のよれはほとんど生じなかった。比較例の再生セルロース不織布シートでは「16回」であり、実施例と比較して、よれ、しわが多く生じた。
双方の比較から、長い溝部を格子状にエンボスウエブに配するよりも、より細かい溝部の模様としてT字を模した組み合わせによって摩擦耐性を向上することができた。従って、再生セルロース不織布シートの布地に近い風合いを維持しつつ、表面の摩擦耐性を高めて繊維の絡まり抑制に貢献することができる。例えば、含水のタオル等の皮膚に直接接触する用途において、良好な質感とともに繊維の絡まりの不快感を低減できて都合良い。
10 熱融着性セルロース繊維
11 セルロース
12 ヒドロキシメチルセルロースザンテート
13 ナトリウムセルロースザンテート
20 ウエブ
30 エンボスウエブ
31 エンボスローラ
32 支持ローラ
33 エンボス型面
36 表面
41 再生セルロース繊維
42 融着部
50,50A,50B 再生セルロース不織布シート
51,61,71 第1溝部
52,62,72 第2溝部
53,54,63,64,73,74 中間位置
55,56,65,66,75,76 端部
57,58,67,68,77,78 底部

Claims (6)

  1. ビスコースからヒドロキシメチルザンテートを含有する熱融着性セルロース繊維を生成し、前記熱融着性セルロース繊維を湿式下で抄造しながらウエブを形成して、エンボスローラにより前記ウエブを押圧しながら該ウエブ同士を熱融着させてエンボスウエブを形成してなる再生セルロース不織布シートであって、
    前記エンボスローラが前記ウエブを押圧する際に前記エンボスウエブに転写される模様は、直線状の第1溝部と直線状の第2溝部の組み合わせからなり、
    前記第1溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第2溝部の端部を直角状に配置し、さらに、前記第2溝部の長さ方向の中間位置近傍の直角位置に前記第1溝部の端部を直角状に配置することによって前記第1溝部と前記第2溝部を交互に連続して前記エンボスウエブの表面全体に配置したことを特徴とする再生セルロース不織布シート。
  2. 前記第1溝部及び前記第2溝部が同形状である請求項1に記載の再生セルロース不織布シート。
  3. 前記第1溝部及び前記第2溝部が離れて配置されている請求項1または2に記載の再生セルロース不織布シート。
  4. 前記第1溝部及び前記第2溝部の形状が、長方形、楕円形もしくは紡錘形のいずれかである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シート。
  5. 前記第1溝部及び前記第2溝部の長さが2〜3mmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シート。
  6. 前記第1溝部及び前記第2溝部によって前記エンボスウエブに生じた圧着面積率は10〜20%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の再生セルロース不織布シート。
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