JP3180126U - ピーク値表示機能付きデジタルノギス - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定部位の最大値又は最小値であるピーク値の検出作業を、簡単、迅速にできるようにし、ピーク値の検出に係る手間暇を軽減できるデジタルノギスを提供する。
【解決手段】本尺1にスライダー2を摺動自在に設け、このスライダー2の移動量を検出する検出器3と、この検出器3の検出値を数値で表示する表示部4とをスライダー2に設ける。本尺1の測定子5と、スライダー2の測定子6とで被測定部位を測定するものであり、上記のスライダー2が、被測定部位のピーク値である最大値又は最小値の何れかの測定モードを選択するためのモードスイッチ7と、このモードスイッチ7が入ると被測定部位の最大値又は最小値を検出器3からの検出値を基に算出し、上記の表示部4に表示して保持するコントローラ8とを備えて形成されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、デジタルノギスに関し、更に詳しくは被測定部位の最大値又は最小値を自動で判断して表示できるよう形成したピーク値表示機能付きデジタルノギスに関するものである。
従来、デジタルノギスは、本尺にスライダーが摺動自在に設けられ、このスライダーの移動量を検出する検出器と、この検出器の検出値を数値で表示する表示部とがスライダーに設けられ、上記の本尺の測定子と、スライダーの測定子とで被測定部位を測定するよう形成されている。そして、この場合、従来品は、デジタル表示値をホールドできるよう形成されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、従来品を使用して、管や孔等の内径を測定する場合は、従来、作業者は、測定作業を何度か行った後、その内の最大値を求める内径の値とするのが通例であった。また被測定部位が、例えば溝やブロック状物体の場合は、表示値の内の最小値を求める溝幅やブロック状物体の正しい長さとして取得するのが通例であった。
そして、この種の測定作業の際、作業者は、最大値又は最小値と思われる数値が出たところでホールドスイッチを押し、表示値をホールドしてから数値を読み取っていたものである。
従って、従来品の場合は、作業者がホールドスイッチを押し損ねたり、押し間違えて測定作業を遣り直す必要が生じ易かった。その結果、従来品を使用すると、この種の測定作業に煩わしさを伴い、測定作業に手間暇がかかる、という問題点があった。
特開2010−38730号公報
本考案は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本考案が解決しようとする技術的課題は、被測定部位の最大値又は最小値であるピーク値の検出作業を、簡単、迅速にできるようにし、ピーク値の検出に係る手間暇を軽減できるよう形成したピーク値表示機能付きデジタルノギスを提供することにある。
本考案は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本考案のノギスは、図1等に示されるように、本尺1にスライダー2が摺動自在に設けられ、このスライダー2の移動量を検出する検出器3と、この検出器3の検出値を数値で表示する表示部4とがスライダー2に設けられ、上記の本尺1の測定子5と、スライダー2の測定子6とで被測定部位を測定するよう形成されているデジタルノギスであって、上記のスライダー2が、被測定部位のピーク値である最大値又は最小値の何れかの測定モードを選択するためのモードスイッチ7と、このモードスイッチ7が入ると被測定部位の最大値又は最小値を検出器3からの検出値を基に算出し、上記の表示部4に表示して保持するコントローラ8とを備えて形成されていることを特徴とする(請求項1)。
この場合、本考案は、図10等に示されるように、スライダー2を初期動作位置から移動させた段階とスライダー2を初期動作位置に戻した段階でオンするためのセットキー13がスライダー2に設けられ、スライダー2が初期動作位置から移動された後、セットキー13からのオン信号を受けると、スライダー2の表示値を保持して以後のカウントを禁止すると共に、スライダー2が初期動作位置に戻された後、セットキー13からのオン信号を受けると、カウント禁止状態を解除する制御部16をコントローラ8が備えて形成されているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、被測定部位が、一方の丸孔17の中心縦軸から他方の丸孔18の中心縦軸までの距離のとき、この種の丸孔ピッチの測定作業を楽にできるからである。
従来、丸孔ピッチを測定する場合は、円錐形の測定子5、6を使用し、この測定子5、6を孔に差し込んでスライダー2の表示値を読み取って行なうのが通例である。
ところで、デジタルノギスは、測定子5、6を当接させた初期動作位置においては、表示部4にゼロが表示される。従って、この状態で作業者が、一方の測定子5を一方の丸孔17に、他方の測定子6を他方の丸孔18に入れ、スライダー2の表示部4の表示値を読むと、この表示値には、円錐形の測定子5、6の中心縦軸間の距離(測定子5、6の半径の2倍、即ち測定子5、6の直径の長さ)が含まれていないことになる。
換言すると、表示値は、本来、求める数値より、測定子5、6の中心縦軸間の距離だけ少ない状態となる。従って、従来、丸孔ピッチ測定を行う場合は、表示値に上記の距離を暗算で足すか、予め上記の距離(数値)を表示部4にボタン操作を繰り返して設定しておく必要があった。
従って、従来品を使用すると、測定値に誤りが生じ易く、またボタン操作を何度も繰り返して初期設定しなければならない、という煩わしさがあった。
請求項2記載の本考案品は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものである。従って、これによれば、丸孔ピッチの測定作業を、簡単且つ迅速に、また楽にできるものである。
本考案は、このようにスライダーが、被測定部位のピーク値である最大値又は最小値の何れかの測定モードを選択するためのモードスイッチと、このモードスイッチが入ると被測定部位の最大値又は最小値を検出器からの検出値を基に算出し、表示部に表示して保持するコントローラとを備えて形成されている。
従って、本考案によれば、被測定部位の最大値又は最小値であるピーク値の検出を、簡単、迅速にでき、ピーク値の検出に係る手間暇を軽減できる、という実用上優れた効果を奏する。
本考案のデジタルノギスの使用状態時の正面図である。 同上ノギスの要部のブロック図である。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 同上ノギスの作用を説明するためのフローチャートである。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 同上ノギスの使用例を説明するための正面図である。 丸孔ピッチの測定機能を備えた本考案ノギスの使用例を説明するための要部正面図である。 図10に示す本考案ノギスの使用例を説明するための要部正面図である。 図10に示す本考案ノギスの使用例を説明するための要部正面図である。 図10に示す本考案ノギスの使用例を説明するための要部正面図である。 図10に示す本考案ノギスの使用例を説明するための要部正面図である。 図10に示す本考案ノギスの作用を説明するためのフローチャートである。
以下、本考案の好適な一実施形態を添付図面に従って説明する。
本考案は、本尺1にスライダー2が摺動自在に設けられ、このスライダー2の移動量を検出する検出器3と、この検出器3の検出値を数値で表示する表示部4とがスライダー2に設けられている。本考案は、本尺1の測定子5と、スライダー2の測定子6とで被測定部位を測定するデジタルノギスである。
上記のスライダー2は、被測定部位のピーク値である最大値(MAX)又は最小値(MIN)の何れかの測定モードを選択するためのモードスイッチ7と、このモードスイッチ7が入ると被測定部位の最大値又は最小値を検出器3からの検出値を基に算出し、上記の表示部4に表示して保持するコントローラ8とを備えて形成されている。
この実施形態の本考案品は、モードスイッチ7を短時間(例えば1秒間)押すと、所定のパルス信号がコントローラ8に入力し、コントローラ8は、この信号を受けると、表示部4に、直前に使用したモード(最大値はMAXの文字、最小値はMINの文字)を表示するよう形成されている。
またこの実施形態の本考案品は、モードスイッチ7を短く押すごとに、最大値表示機能と、最小値表示機能が交互に変更、設定されるよう形成されている。最大値又は最小値の検出を停止する場合は、モードスイッチ7を長押し(例えば2秒間)する。モードスイッチ7が長押しされると、コントローラ8から、表示部4に、表示をクリアする信号が送られるよう形成されている。
またコントローラ8は、この実施形態ではマイコンで構成され、検出値(表示値)や制御プログラム等を保存、格納するためのメモリIC9や、制御プログラムに従って被測定部位の最大値又は最小値を比較判断する比較回路10等を備えて形成されている。制御プログラムは、測定作業を何度か繰り返して得た数値の内の、最大又は最小の数値が2回カウントされたとき、その数値を、被測定部位の求める最大値又は最小値として表示部4に表示して保持するよう組まれている。
またコントローラ8は、最大値モードのとき、カウントは常にアップカウントし、ダウンカウントは表示しないようプログラムが組まれている(以下、アップカウント機能という)。また最小値モードのときは、カウントは常にダウンカウントし、アップカウントは表示しないようプログラムされている(以下、ダウンカウント機能という)。
従って、最大値モードのときは、アップカウント機能により、スライダー2が戻されても、ダウンカウントは表示されず、スライダー2が戻される前の数値が表示部4に表示され、常にアップカウントのみ表示される。また最小値モードのときは、ダウンカウント機能により、スライダー2が引き離されても、アップカウントは表示されず、スライダー2が引き離される前の表示値が保持され、表示部4は、常にダウンカウント表示される。
なお、11は電源スイッチであり、12はリセットスイッチである。また13は、後述するセットキーである。
次に、本考案品の使用例を説明する。
先ず、被測定部位の求める値が、最大値の場合の使用例を説明する。
この実施形態は、被測定部位である孔14の直径を測定する場合である。先ず、作業者は、図3〜図5に示されるように、孔14の内面に、本尺1の測定子5と、スライダー2の測定子6をあてがい、検出値を読み込む。
検出値が、直前の検出値より大きな値の場合、つまり、検出値がピーク値(最大値)よりの場合は、新しい検出値が表示部4に表示される。また検出値が、直前の検出値より小さいときは、ダウンカウントは表示されず、現状の表示値が維持される。
作業者が、孔14の内面の任意の箇所を繰り返し測定し、検出値の内、最大の数値(この実施形態の場合は、図5の122.78)が2回検出されると、この実施形態の本考案品は、その数値を被測定部位の求める最大値(ピーク値)として判断する(図6参照)。そして、このピーク値は、コントローラ8からの制御信号により、表示部4に表示が保持される。従って、作業者は、この表示値を被測定部位の求める最大値として読み取る。
そして、作業者が、その後、モードスイッチ7を長押し(例えば2秒間)すると、コントローラ8から、表示部4に、表示をクリアする信号が送られ、表示部4の表示がゼロになる。これにより、被測定部位としての孔14の直径の測定作業が完了する。
次に、被測定部位の求める値が、最小値の場合の使用例を説明する。
先ず、作業者がモードスイッチ7を短く(例えば1秒間)押す。すると、最大値表示を示すMAXの文字が表示部4から消え、最小値表示を示すMINの文字が表示部4の液晶画面に点灯する。
そして、作業者が、図7に示されるように、被測定物15を挟むように、その両端面に、本尺1の測定子5と、スライダー2の測定子6をあてがい、検出値を読み込む。
検出値が、直前の検出値より小さい値の場合、つまり、検出値がピーク値(最小値)よりの場合は、新しい検出値が表示部4に表示される(図6参照)。また検出値が、直前の検出値より大きいときは、アップカウントは表示されず、現状の表示値が維持される。
作業者は、図8、図9に示されるように、被測定物15を挟む角度や位置を変え、測定作業を繰り返し行なう。そして、検出値の内、最小の数値(この実施形態の場合は、図9の70.00)が2回検出されると、この実施形態の本考案品は、その数値を被測定部位の求める最小値(ピーク値)として判断する(図6参照)。そして、このピーク値は、コントローラ8からの制御信号により、表示部4に表示が保持される。従って、作業者は、この表示値を被測定部位の求める最小値として読み取る
而して、作業者が、その後、モードスイッチ7を長押し(例えば2秒間)すると、コントローラ8から、表示部4に、表示をクリアする信号が送られ、表示部4の表示がゼロになる。これにより、被測定部位としての被測定物15の両端面間の長さの測定作業が完了する。
以上の処において、本考案は、測定子5、6が円錐形に形成され、丸孔ピッチの測定作業を効率良く、楽にできるよう形成されているのでも良い。
この本考案品は、図1の本考案品において、本尺1とスライダー2の測定子5、6の内、ジョウと呼ばれる図面上、下側の左右の測定子5、6、くちばしと呼ばれる図面上、上側の左右の測定子5、6の、何れか一方側が円錐形に形成されたり、或いは、例えばジョウに、着脱式の円錐形測定子5、6が装着されることで実現される。
而して、この本考案は、図2、図10等に示されるように、スライダー2を初期動作位置から移動させた段階とスライダー2を初期動作位置に戻した段階でオンするためのセットキー13がスライダー2に設けられている。またこの本考案品は、スライダー2が初期動作位置から移動された後、セットキー13からのオン信号を受けると、スライダー2の表示値を保持して以後のカウントを禁止すると共に、スライダー2が初期動作位置に戻された後、セットキー13からのオン信号を受けると、カウント禁止状態を解除する制御部16をコントローラ8が備えて形成されている。
この本考案品の場合は、スライダー2を移動させることで測定子5、6間の距離を予め表示部4に置いて測定できる。従って、これによれば、丸孔ピッチの測定を、簡単、迅速にできるものである。
次に、丸孔ピッチの測定作業を、具体的に説明する。
先ず、作業者は、図10に示されるように、本尺1の円錐形の測定子5と、スライダー2の円錐形の測定子6とを当接させる。このとき、表示部4にはゼロが表示される。この実施形態の場合、測定子5、6の中心縦軸同士の間隔Dは、40(mm)に選定されている。この間隔Dは、円錐形測定子5、6の直径と同一である。以下、この間隔Dの値は、セット値という。
次に、作業者は、表示部4にセット値が表示されるまでスライダー2を本尺1に沿って動かし、表示されたらスライダー2の移動を停止する(図11参照)。そして、作業者は、スライダー2の表示部4に、セット値が表示されたら、セットキー13を、長押しする(例えば2秒間)。これにより、表示部4に、セット値が表示されて例えば点滅し(図12参照)、以後のカウントは禁止される。
次に、作業者は、初期動作位置(セット位置)までスライダー2を戻す。このとき、表示部4には、セット値が表示されたままになる(図13参照)。そして、作業者が、セットキー13を短く押す(例えば1秒間)。すると、セットキー13からの信号を受け、制御部16から、表示部4の点滅表示を停止し、カウント禁止を解除する信号が表示部4に送られる。
その後、作業者が、図14に示されるように、一方の丸孔17に本尺1の測定子5を差し込み、他方の丸孔18にスライダー2の測定子6を差し込む。本考案品は、表示部4に、測定子5、6を当接させたときの中心縦軸間の距離D(40mm)が予め置かれているから、表示値45(mm)が、一方の丸孔17の中心から、他方の丸孔18の中心までの求める距離dとなる。
以上の処において、上例では一つのセットキー13に、長押しと短押しの2つの機能を持たせているが、本考案品は、これに限られるものではない。即ち、本考案品は、長押し機能を有するセットキー13と、短押し機能を有するセットキー13が、夫々スライダー2に設けられているのでも良いことは勿論である。
1 本尺
2 スライダー
3 検出器
4 表示部
5 本尺の測定子
6 スライダーの測定子
7 モードスイッチ
8 コントローラ
13 セットキー
16 制御部

Claims (2)

  1. 本尺にスライダーが摺動自在に設けられ、このスライダーの移動量を検出する検出器と、この検出器の検出値を数値で表示する表示部とがスライダーに設けられ、上記の本尺の測定子と、スライダーの測定子とで被測定部位を測定するよう形成されているデジタルノギスであって、上記のスライダーが、被測定部位のピーク値である最大値又は最小値の何れかの測定モードを選択するためのモードスイッチと、このモードスイッチが入ると被測定部位の最大値又は最小値を検出器からの検出値を基に算出し、上記の表示部に表示して保持するコントローラとを備えて形成されていることを特徴とするピーク値表示機能付きデジタルノギス。
  2. 請求項1記載のデジタルノギスであって、スライダーを初期動作位置から移動させた段階とスライダーを初期動作位置に戻した段階でオンするためのセットキーがスライダーに設けられ、スライダーが初期動作位置から移動された後、セットキーからのオン信号を受けると、スライダーの表示値を保持して以後のカウントを禁止すると共に、スライダーが初期動作位置に戻された後、セットキーからのオン信号を受けると、カウント禁止状態を解除する制御部をコントローラが備えて形成されていることを特徴とするピーク値表示機能付きデジタルノギス。
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