JP3180071B2 - 係止ねじ用の調節自在の開口部を持つ係止釘 - Google Patents

係止ねじ用の調節自在の開口部を持つ係止釘

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JP3180071B2
JP3180071B2 JP31828497A JP31828497A JP3180071B2 JP 3180071 B2 JP3180071 B2 JP 3180071B2 JP 31828497 A JP31828497 A JP 31828497A JP 31828497 A JP31828497 A JP 31828497A JP 3180071 B2 JP3180071 B2 JP 3180071B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、骨折の治療のため
に管状の骨の骨髄空間内に配置する、係止ねじを受け入
れるための実質的に半径方向に延びる多数の開口部を備
えた実質的に円筒形の細長いシャンクを持つ係止釘を提
供することに関する。
【０００２】
【従来の技術】骨接合術で使用するための骨髄釘（marr
ow nail ）及び特別の係止釘が周知である。これらの釘
は、骨の損傷部位を機械的に架工（bridge）するため、
損傷した骨の骨髄空間内に導入される。係止釘に関し、
骨及び係止釘を通して横方向に取り付けられる係止ねじ
は、骨と係止釘との間の連結部分を、骨の軸線方向に移
動しないようにすると同時に骨の軸線を中心として回転
しないように固定するのに役立つ。
【０００３】現在までの通常の係止釘では、係止ねじ
は、大腿骨基端において、係止釘に実質的に半径方向に
配置された分散して設けられた開口部に、例えばシャン
ク軸線に対して所定の傾いた角度で配置されるが、これ
らの開口部は、各場合において、シャンクの長さに関
し、並びにシャンクの角度に関し、調節不能に配置され
ている。
【０００４】様々な患者の個々の解剖学的状態及び病理
学的状態により、係止ねじ用の開口部の位置又は角度を
変化させ、係止ねじを開口部によって定められた場所以
外に配置するのが有利な場合がある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、係
止釘に設けられた係止ねじ用の開口部の位置及び角度
を、係止ねじ用の開口部が様々に配置された複雑で高価
な係止釘を準備する必要なしに、様々な患者に関する個
々の状態に合わせて 調節できるという目的を達成でき
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この目的は、請求項１の
特徴部分に記載の本発明によって達成される。
【０００７】本発明によれば、係止釘を、移植前に、患
者の個々の解剖学的状態及び病理学的状態に合わせるこ
とができ、この個々の状態と対応する特定の位置及び特
定の角度で係止釘に打ち込まれる係止ねじに対し、開口
部が適当な位置に適当な角度で配置され且つ調節され
る。
【０００８】本発明による係止釘は、係止ねじが配置さ
れるべき係止釘の少なくとも一つの領域において、長さ
方向に延びる係止釘のシャンクを細長い開口部が半径方
向に貫通し、この開口部内で少なくとも二つの摺動ブロ
ックが回転不能に案内され、且つ互いから移動しないよ
うに固定されているという事実により区別される。係止
ねじを受け入れるため、摺動ブロック間の少なくとも一
つの中間空間から開口部が形成され、この開口部が細長
い開口部と整合しており、そのため、係止ねじに対し半
径方向貫通開口部が提供される。本発明の好ましい実施
例では、摺動ブロックの摺動面は中間空間と整合してお
り、且つ中間空間を画定し、この開口部に配置された係
止ねじの円筒形形態に合わせるために凹状をなしてい
る。摺動ブロックは、好ましくは積極的嵌着（positive
fit）により、シャンクの細長い開口部内を案内され
る。本発明の好ましい形態では、これらの摺動ブロック
は、細長い開口部と係合する半径方向突出部を有し、こ
れらの突出部は、これらの開口部を外輪郭によって実質
的に塞ぐように満たす。更に、シャンクの長さ方向で
は、細長い開口部は任意の数の摺動ブロックによって実
質的に満たされる。これらの摺動ブロックは、例えば、
細長い開口部の端部に設けられた閉鎖体によって、互い
から遠ざかる方向に移動しないように固定されている。
本発明の好ましい形態では、閉鎖体は閉鎖ねじによって
形成されており、このねじは、様々な直径の係止ねじを
ぴったりと受け入れるために摺動ブロック間の中間空間
の幅を調節するのにも使用できる。閉鎖ねじは、係止釘
の端部の細長い開口部の、シャンクに関して軸線方向の
開口部を塞ぐ。細長い開口部は、この端部まで、係止釘
の長さの好ましくは三分の一に亘って延びる。これと同
時に、細長い開口部は、係止釘の基端及び／又は先端に
配置できる。この好ましい実施例では、係止釘の細長い
開口部を備えた全ての端部には、シャンクの端部が拡が
らないようにするため、係止釘を取り囲むリングが設け
られている。このリングにより、摺動ブロックを導入す
るために軸線方向開口部を開放状態のままにする。これ
と同時に、各細長い開口部は、製造に関し、好ましく
は、シャンクの長さ方向に延び且つ問題の係止釘の端部
まで半径方向に貫通したスロットとして形成され、シャ
ンクは、少なくとも一つのスロットの領域には円筒形中
空部が形成され、そのため、摺動ブロックをシャンクの
中空で円筒形の内輪郭に積極的に嵌着した状態で案内で
きる。
【０００９】種類の異なる摺動ブロックを適用すること
によって、開口部の数、シャンクの長さ方向軸線に対す
る開口部の角度、並びに開口部と係止釘の端部との間の
距離を様々に変化させることができる。これによって、
細長い開口部の各々は、摺動ブロックの摺動面と一致し
た長さ及び角度で満たされるため、中間空間の数、位
置、及び整合を所望の通りにすることができる。
【００１０】本発明によれば、骨折の治療のために管状
の骨の骨髄空間内に配置する、係止ねじを受け入れるた
めの実質的に半径方向に延びる多数の開口部を備えた実
質的に円筒形の細長いシャンクを持つ係止釘において、
少なくとも一つの細長い半径方向開口部が上記シャンク
の長さ方向に延びており、少なくとも二つの摺動ブロッ
クが上記シャンク内で回転不能に案内され、上記ブロッ
クは互いから遠ざかる方向に移動しないように固定され
ており、そのため、上記長さ方向に対して所定の角度を
なした少なくとも一つの開口部が上記摺動ブロック間の
少なくとも一つの中間空間から形成され、この開口部
は、係止ねじを受け入れるため、上記細長い開口部と整
合している、ことを特徴とする係止釘が提供される。
【００１１】上記中間空間と整合した、上記摺動ブロッ
クの上記摺動面は凹状をなしているのがよい。
【００１２】更に、上記摺動ブロックは、上記細長い開
口部の外に半径方向に落下しないように積極的嵌着によ
って固定されるように上記シャンク内に形成されている
のがよい。
【００１３】また、上記摺動ブロックは、上記細長い開
口部と係合する半径方向突出部を有し、これらの突出部
は、上記シャンクの外輪郭を実質的に塞ぐ。
【００１４】本発明による係止釘は、上記シャンクの長
さ方向で様々な長さを持ち、及び／又は上記摺動面と上
記シャンクの長さ方向とが様々な角度をなす、一組の交
換可能な摺動ブロックを有するのがよい。
【００１５】上記細長い開口部は、同じ長さの又は異な
る長さの任意の数の摺動ブロックで実質的に満たされて
いるのがよい。
【００１６】上記摺動ブロックは、更に、係止釘の端部
に設けられた閉鎖体によって互いから遠ざかる方向に移
動しないように固定されている。
【００１７】上記閉鎖体は閉鎖ねじであるのがよい。
【００１８】上記摺動ブロック間の中間空間の幅は、少
なくとも一つの摺動ブロックを調節自在のストップで調
節することによって設定できるのがよい。
【００１９】上記細長い開口部の長さは、上記係止釘の
長さの少なくとも三分の一であるのがよい。
【００２０】細長い開口部は、上記係止釘の先端及び／
又は基端に配置されているのがよい。
【００２１】更に、上記係止釘の少なくとも一方の端部
に形成された上記細長い開口部は、上記シャンクの長さ
方向に延びるスロットによって形成されており、上記端
部まで上記シャンクを通って半径方向に延びており、上
記シャンクの少なくとも上記スロットの領域は、円筒形
中空体をなして形成されており、上記摺動ブロックは、
上記円筒形中空シャンク内を積極的嵌着によって案内さ
れるのがよい。
【００２２】スロットを備えた上記係止釘の端部にはリ
ングが設けられ、このリングは、上記係止釘を取り囲
み、上記摺動ブロックを導入するために軸線方向開口部
を開放状態のままにしている。
【００２３】本発明の好ましい実施例を添付図面を参照
して以下に詳細に説明する。
【００２４】
【発明の実施の形態】図１及び図２を参照する。先ず最
初に図２を参照すると、この図には係止釘のシャンク１
２の端部に二つの開口部１０が示してあり、これらの開
口部は、三つの摺動ブロック１４、１６、及び１８の間
の中間空間から形成される。開口部１０に向かって整合
しており且つこれらの開口部を画定する摺動面２０は凹
状をなしている。図１は、開口部１０内に収容された係
止ねじ２２を示す。これらのねじの方向は、摺動ブロッ
ク１４、１６、及び１８の摺動面２０によって案内され
る。開口部１０間の距離、即ち係止ねじ２２同士の距離
並びに係止ねじ２２と係止釘の端部との距離は、摺動ブ
ロック１４、１６、及び１８の長さによって定められ
る。開口部１０の角度即ち係止ねじ２２の角度は、摺動
面２０の角度で決まる。これに関し、摺動ブロックは、
ストップ２４及び閉鎖ねじ２８の調節自在のストップに
よって、互いから遠ざかる方向に移動しないように固定
されている。
【００２５】図３及び図４を参照すると、図３では、シ
ャンク１２が中空円筒形形状を備えていることがわか
る。シャンクを半径方向に貫通した細長い軸線方向開口
部３０には、摺動ブロック１４、１６、又は１８の半径
方向突出部３２が収容されており、かくして、摺動ブロ
ックは、積極的嵌着によって回転不能に案内される。
【００２６】再び図１及び図２を参照する。細長い開口
部３０は、ストップ２４からシャンクの長さ方向にその
端部３６まで延びている。これに関し、図１は、摺動ブ
ロック１４、１６、及び１８の半径方向突出部３２が、
実質的に、シャンク１２の外輪郭を塞ぐことを示す。細
長い開口部３０は、シャンク１２の長さ方向で、実質的
に、摺動ブロック１４、１６、及び１８で満たされてい
る。摺動ブロック１４、１６、及び１８間の中間空間の
幅は、閉鎖ねじ２８をシャンク１２の長さ方向で上方又
は下方に廻すことによって調節できる。
【００２７】図２は、閉鎖ねじ２８を回転させてシャン
ク１２の端部から外したところを示す。これは、摺動ブ
ロック１４、１６、及び１８を、図４に示すのと同じ断
面を持つ別の組の摺動ブロック（図示せず）を交換する
ために行うことができる。実際には、摺動ブロックの第
２の組により、摺動面間の中間空間を、互いに対して及
びシャンク１２の端部に対して様々な距離に配置する。
摺動面は、シャンク１２の長さ方向に対して様々な角度
で整合する。開口部１０は、シャンク１２の位置及び角
度に関し、摺動ブロックの様々な組の形状（摺動面間の
長さ、シャンクの長さ方向軸線に対する摺動面の角度）
により調節できる。
【００２８】図５は、細長い開口部３０を持つシャンク
１２のシャンク端部が拡がらないようにするため、シャ
ンクの端部を取り囲むリング３４を示す。この構成で
は、リングは、図４に示す断面形状の摺動ブロック１
４、１６、及び１８を導入するため、軸線方向開口部３
６を開放したままにする。
【図面の簡単な説明】
【図１】係止ねじを含む、本発明による係止釘のシャン
ク端部を通る部分断面側面図である。
【図２】係止ねじを含まない、閉鎖ねじを外した状態の
係止釘の同じ端部の部分平面図である。
【図３】摺動ブロックを含まない、図２のＡ−Ｂ線に沿
ったシャンク端部の断面図である。
【図４】図２の摺動ブロックを矢印Ｃの方向で見た平面
図である。
【図５】リングが追加してあり、係止ねじ、摺動ブロッ
ク、及び閉鎖体がない、図１及び図２と同じシャンク端
部の斜視図である。
【符号の説明】
１０ 開口部 １２ 円筒形シャンク １４、１６、１８ 摺動ブロック ２２ 係止ねじ ２６ ストップ ２８ 閉鎖体 ３０ 半径方向開口部 ３２ 半径方向突出部 ３６ 軸線方向開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 500508888 Ｐｒｏｆｅｓｓｏｒ−Ｋ▲ｕ▼ｎｔｓｃ ｈｅｒ−Ｓｔｒａｓｓｅ １−５，2314 Ｓｃｈ▲ｏ▼ｎｋｉｒｃｈｅｎ，Ｆｅ ｄｅｒａｌ Ｒｅｐｕｂｌｉｃ ｏｆ Ｇｅｒｍａｎｙ (72)発明者 ハンス・エリッヒ・ハーダー ドイツ連邦共和国デー−24253 プロブ シュタイアーハーゲン，メックレンブル ガー・シュトラーセ 35 (56)参考文献 欧州特許出願公開306709（ＥＰ，Ａ ２) 米国特許5569249（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 17/56 - 17/92

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 骨折の治療のために管状の骨の骨髄空間
    内に配置する、係止ねじ（２２）を受け入れるための実
    質的に半径方向に延びる多数の開口部（１０）を備えた
    実質的に円筒形の細長いシャンク（１２）を持つ係止釘
    において、 少なくとも一つの細長い半径方向開口部（３０）が前記
    シャンク（１２）の長さ方向に延びており、少なくとも
    二つの摺動ブロック（１４、１６、１８）が前記シャン
    ク（１２）内で回転不能に案内され、前記ブロックは互
    いから遠ざかる方向に移動しないように固定されてお
    り、そのため、前記長さ方向に対して所定の角度をなし
    た少なくとも一つの開口部（１０）が前記摺動ブロック
    （１４、１６、１８）間の少なくとも一つの中間空間か
    ら形成され、この開口部（１０）は、係止ねじを受け入
    れるため、前記細長い開口部と整合している、ことを特
    徴とする係止釘。
  2. 【請求項２】 前記中間空間と整合した、前記摺動ブロ
    ック（１４、１６、１８）の摺動面が凹状をなしている
    ことを特徴とする請求項１に記載の係止釘。
  3. 【請求項３】 前記摺動ブロック（１４、１６、１８）
    は、前記細長い開口部（１０）の外に半径方向に落下し
    ないように積極的嵌着によって固定されるように前記シ
    ャンク（１２）内に形成されている、ことを特徴とする
    請求項１又は２に記載の係止釘。
  4. 【請求項４】 前記摺動ブロック（１４、１６、１８）
    は、前記細長い開口部と係合する半径方向突出部（３
    ２）を有し、これらの突出部は、前記シャンク（１２）
    の外輪郭を実質的に塞ぐ、ことを特徴とする請求項１、
    ２、又は３に記載の係止釘。
  5. 【請求項５】 前記シャンク（１２）の長さ方向で様々
    な長さを持ち、及び／又は前記摺動面（２０）と前記シ
    ャンク（１２）の長さ方向とが様々な角度をなす、一組
    の交換可能な摺動ブロック（１４、１６、１８）を有す
    る、ことを特徴とする請求項１乃至４のうちのいずれか
    一項に記載の係止釘。
  6. 【請求項６】 前記細長い開口部（３０）は、同じ長さ
    の又は異なる長さの任意の数の摺動ブロック（１４、１
    ６、１８）で実質的に満たされている、ことを特徴とす
    る請求項１乃至５のうちのいずれか一項に記載の係止
    釘。
  7. 【請求項７】 前記摺動ブロック（１４、１６、１８）
    は、係止釘の端部に設けられた閉鎖体（２８）によって
    互いから遠ざかる方向に移動しないように固定されてい
    る、ことを特徴とする請求項１乃至６のうちのいずれか
    一項に記載の係止釘。
  8. 【請求項８】 前記閉鎖体（２８）は閉鎖ねじである、
    ことを特徴とする請求項１乃至７のうちのいずれか一項
    に記載の係止釘。
  9. 【請求項９】 前記摺動ブロック（１４、１６、１８）
    間の中間空間の幅は、少なくとも一つの摺動ブロックを
    調節自在のストップ（２６）で調節することによって設
    定できる、ことを特徴とする請求項１乃至８のうちのい
    ずれか一項に記載の係止釘。
  10. 【請求項１０】 前記細長い開口部（３０）の長さは、
    前記係止釘の長さの少なくとも三分の一である、ことを
    特徴とする請求項１乃至９のうちのいずれか一項に記載
    の係止釘。
  11. 【請求項１１】 細長い開口部（３０）は、前記係止釘
    の先端及び／又は基端に配置されている、ことを特徴と
    する請求項１乃至１０のうちのいずれか一項に記載の係
    止釘。
  12. 【請求項１２】 前記係止釘の少なくとも一方の端部に
    形成された前記細長い開口部（３０）は、前記シャンク
    （１２）の長さ方向に延びるスロットによって形成され
    ており、前記端部まで前記シャンク（１２）を通って半
    径方向に延びており、前記シャンクの少なくとも前記ス
    ロットの領域は、円筒形中空体をなして形成されてお
    り、前記摺動ブロック（１４、１６、１８）は、前記円
    筒形中空シャンク（１２）内を積極的嵌着によって案内
    される、ことを特徴とする請求項１乃至１１のうちのい
    ずれか一項に記載の係止釘。
  13. 【請求項１３】 スロットを備えた前記係止釘の端部に
    はリング（３４）が設けられ、このリングは、前記係止
    釘を取り囲み、前記摺動ブロック（１４、１６、１８）
    を導入するために軸線方向開口部（３６）を開放状態の
    ままにする、ことを特徴とする請求項１２に記載の係止
    釘。
JP31828497A 1996-11-22 1997-11-19 係止ねじ用の調節自在の開口部を持つ係止釘 Expired - Lifetime JP3180071B2 (ja)

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