JP3179521B2 - 小板形状の2,9−ジクロロキナクリドン - Google Patents

小板形状の2,9−ジクロロキナクリドン

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JP3179521B2 JP17221791A JP17221791A JP3179521B2 JP 3179521 B2 JP3179521 B2 JP 3179521B2 JP 17221791 A JP17221791 A JP 17221791A JP 17221791 A JP17221791 A JP 17221791A JP 3179521 B2 JP3179521 B2 JP 3179521B2
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pigments
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    • C09B67/0027Crystal modifications; Special X-ray patterns of quinacridones
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】顔料の粒子サイズはその顔料についての着
色条件を満足するためにはある特定の限度以下でなけれ
ばならないことは顔料の技術分野で公知でありそして関
連文献にしばしば記載されていることである。その通常
の必要粒子サイズは約0.1乃至1.0μm である。し
かしながら、金属フレーク顔料、グラファイト顔料ある
いは真珠光沢顔料などの、いわゆる「効果」顔料(effe
ct pigment) と呼ばれている顔料はかなりサイズの大き
い小板形状の粒子からなることが知られている。以前は
真珠光沢効果は天然のうろこ銀、すなわち、魚類の鱗か
ら得られるグアニン分散物を使用して得られていた。現
在では、真珠光沢顔料は通常Fe2O3 やCr2O3 のごとき着
色酸化物の層でコーティングされうる小板形状の無機粒
子からなっている ( K. Dorfner, E. Merck の論文、
“Pearl Lustre Pigment" 、 Speciality Chemicals 2
および3、1982年2月および5月発行、参照)。米
国特許第4370270号明細書には、「効果」顔料と
しての小板形状の有機顔料が開示されている。この顔料
は少なくとも長さが10μm そして幅が3μm のフレー
ク形状に合成されたβ−型の銅フタロシアニンである。
焼付け塗料ワニスに配合すると、この顔料は青色金属効
果塗層を与える。
【0002】キナクリドンは7,14−ジオキソ−5,
7,12,14−テトラヒドロキノロノ(2,3−b)
アクリドンとも呼称され、価値ある顔料である。多くの
特許明細書に1μm 以下の粒子サイズを有する特定の透
明または不透明キナクリドン顔料型の製造方法が記載さ
れている。さらに、下記式の線形2,9−ジクロロキナ
クリドンには3つの結晶形態的な型が存在することが公
知である〔Chemical Reviews, 67、1,1−18(1
967)参照〕。
【0003】
【化1】 3つの型のうち商業的に最も興味あるものは帯青赤色の
γ−型である。
【0004】安定な有機顔料でも高温では昇華すること
があることは一般に知られている。2,9−ジクロロキ
ナクリドン粉末を350℃以上の温度まで加熱すること
により厚さが2乃至5μm 、長さが50乃至150μm
の小板状構造のサイズの大きな薄い結晶が成長しそして
形成過程が化学的に研究されたことが報告されている
〔Farbe und Lack, 77,8,759−768(197
1)〕。しかしながら、この文献にはそのような方法で
2,9−ジクロロキナクリドンを顔料形態に変換するこ
とには全くふれられていない。
【0005】今回、本発明によって、誠に驚くべきこと
ながら、0.1乃至5μm の粒子サイズを有するプリズ
ム針状晶の粒子として存在すると知られている粗製2,
9−ジクロロキナクリドンを容易にかつ効果的に小板状
結晶形態を有する効果顔料(以下単に小板型ともいう)
に変換できることが見い出された。すなわち、本発明は
粗製2,9−ジクロロキナクリドンを長鎖チオール化合
物と塩基の存在下極性溶剤中で再結晶することによって
該小板型に変換する一段階工程法を提供するものであ
る。本発明により得られる小板型は各種のコーティング
材料系に配合された場合にすばらしい光沢効果を与え
る。
【0006】小板形状の2,9−ジクロロキナクリドン
を製造するための本発明の方法は脂肪族長鎖化合物およ
び塩基と一緒に極性溶剤中で粗製2,9−ジクロロキナ
クリドンを撹拌混合しそしてこの混合物を50℃以上の
温度、好ましくは、還流温度に、変換が完了するまで、
通常は、選択された条件により1乃至24時間加熱する
ことにより実施される。変換は加圧下で実施することも
できるが、大気圧下の変換が好ましい。本発明による小
板型への変換の間、水はその工程を損なうことのない量
で存在することができる。本発明による小板型顔料への
変換が完了したならば、その顔料を濾過し、濾過ケーキ
を溶剤と水で順次洗いそして乾燥する。
【0007】適当な極性溶剤はN,N,N′,N′−テ
トラメチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルホルムアミドおよび好ましくはN,N−ジメチル
ホルムアミドである。本発明の目的のために特に適当で
あることが判明している塩基はLi、NaまたはKの水
酸化物及び/又はメトキシドであり、好ましいのはナト
リウムメトキシドである。適当な長鎖チオール化合物の
例はC6 乃至C18、好ましくはC10乃至C14の長さの炭
素鎖を有する脂肪族チオール化合物、たとえば、n−デ
カンチオール、n−ドデカンチオール、tert−ドデカン
チオールなどである。n−ドデカンチオール−1が特に
好ましい。
【0008】極性溶剤は顔料1部に対して5乃至20重
量部、好ましくは7乃至14重量部の量で存在する。顔
料対チオール化合物の適当なモル比は1:1.0乃至
5.0、好ましくは1:1.5乃至4.0である。塩基
の量はチオール化合物と等モル量となるように調整する
のが好ましい。本発明により得られる小板状顔料は、長
さが1乃至45μm 、幅が0.1乃至20μm 、厚さが
0.05乃至5μm の形状を呈する。特に好ましい顔料
は長さが1乃至20μm 、幅が0.1乃至7μm 、厚さ
が0.5乃至2.0μm の小板体を少なくとも50重量
%含有する。
【0009】本発明による新規な小板形状の2,9−ジ
クロロキナクリドンのX線回折パターンはフィルムに記
録されその面間隔(d値)および倍照角(double glanc
ingangle)が決定された。透過記録はギニエカメラ〔Enr
af-Nonius FR 522(商標)〕およびCu−k−α−
1−照射線(波長=1.54060オングストローム)
を使用して実施される。水晶が検度物質として使用さ
れ、d値が粉末回折ファイルから取り出される。次表は
ほとんどの反射のd値を視覚的に評価した相対的線強度
を付して示すと共にそれらの合成の倍照角を示すもので
ある。
【0010】 両 間 隔 倍 照 角 d値(Å) 強 度 グレード2Θ 16.9 強 5.2 5.86 非常に強 15.1 5.39 強 16.4 4.63 中 19.2 3.39 中 22.9 3.82 非常に強 23.3 3.65 中 24.4 3.36 中 26.5 3.24 中 27.5 3.21 非常に強 27.8 3.07 強 29.0 2.92 非常に強 30.6 2.29 強 39.4 2.27 弱 39.6 2.23 中 40.4 1.83 中 49.7 1.81 中 50.4 1.62 弱 56.5 1.60 中 57.5
【0011】Cu−k−α−1−照射線を使用してフィ
リップスPW1710X線回折計で測定したX線回折パ
ターンは本小板型顔料の試料作成の仕方によりそれぞれ
異なる反射を示した。本発明による新規な小板型顔料は
高分子有機材料の着色のためにきわめて好適である。プ
リズム針状粒子形状でマゼンタ色である公知のγ−結晶
型2,9−ジクロロキナクリドンと比較して、本発明に
よる新規な小板型はそれとは異なるそして鮮明な色を呈
する。その色は銅ブロンズに最も近くそしてこれまでの
有機顔料では見られなかった独特な鮮明な金属光沢効果
を示す。その金属効果は本顔料が配合される重合体の種
類ならびに本顔料が配合される条件の関数として変化さ
れうる。本発明による新規な小板型顔料は成形品に加工
される高分子有機材料の着色のためならびにラッカー組
成物やエナメル塗装組成物の着色のために好適であり、
特に自動車塗装ペイントの着色のために非常に好適であ
る。
【0012】ここで成形品とは応力の配向によって、た
とえば、繊維のリボンまたは圧延板の塑造や鋳造によっ
て得られるような物品を特に意味する。成形品に加工し
うる熱可塑性プラスチック、熱硬化性プラスチックまた
はエラストマーの例を以下に示す:セルロースエーテル
およびセルロースエステルたとえばエチルセルロース、
線状または架橋ポリウレタン、線状、架橋または不飽和
ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィンたと
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンまた
はポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、ポリ
スルホン、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリイミ
ド、ポリエーテル、ポリエーテルケトンまたはポリフェ
ニレンオキシド、さらにはポリ−p−キシレン、ポリビ
ニルハライドたとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリアクリロニトリル、アクリル重合体、ポリア
クリレート、ポリメタクリレート、ゴム、シリコーン重
合体、フェノール/ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−
ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムま
たはクロロプレンゴム。これらは単独化合物または混合
物でありうる。
【0013】適当な塗料組成物の例は熱硬化性塗料、自
然乾燥または物理乾燥塗料または化学反応性架橋結合塗
料、特に、高温反応性の常用結合剤、たとえば、アクリ
ルアルキド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、ブロックイソシアナート樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂、セルロースエーテル樹脂およびこれらの組合せか
らなる群から選択された結合剤を含有している焼付け仕
上塗料である。適当な自然乾燥または物理乾燥塗料の例
は、特に化粧品の業界で通常使用されているラッカー、
たとえば、マニキュア用のラッカー、およびその他当業
者にとって公知の塗料、たとえば、ニトロセルロースラ
ッカーなどである。
【0014】本発明による顔料は自動車工業で常用され
ている塗料、特にアクリル/メラミン樹脂系、アルキド
/メラミン樹脂系または熱可塑性樹脂系あるいはまた水
性塗料系に配合して使用することができる。上記に例示
した高分子有機化合物は単独または混合物であり得る。
すなわち、プラスチック、溶融物、紡糸液、ラッカー、
ペイント、水性ペイントさらには印刷インクなどの形状
でありうる。目的用途によっては、本発明による顔料を
トナーまたは調合物の形で使用するのが好都合である。
本発明による新規な小板型顔料は高分子有機材料に対し
て0.01乃至30重量%、好ましくは、0.1乃至1
0重量%の量で使用される。
【0015】本発明の小板型顔料による高分子有機材料
の着色は、顔料をそのまままたはマスターバッチの形態
で、ロールミル、混合装置または摩砕装置を使用して基
質内に配合することによって都合よく実施することがで
きる。このあと着色された材料をそれ自体公知の方法
で、たとえば、カレンダーがけ、プレス、押出し、はけ
塗り、流し込みあるいは射出成形などによって最終形状
の製品に加工することができる。非剛性製品を作るため
または脆性を減少させるため加工前に高分子有機材料に
可塑剤(軟化剤)を配合するのが多くの場合望ましい。
適当な可塑剤と例としてはリン酸、フタル酸、セバシン
酸などのエステルが考慮される。可塑剤は本小板型顔料
を重合体に混入する前または後で配合することができ
る。
【0016】本発明による新規な小板型2,9−ジクロ
ロキナクリドンは優れた使用特性を有するものである
が、組織改良剤を配合してさらにその特性を向上させる
ことができる。適当な組織改良剤の例としては次ぎのも
のが考慮される:少なくとも12個の炭素原子を有する
脂肪酸、たとえば、ステアリン酸またはベヘン酸;それ
らの酸のアミド、エステルまたは塩、たとえば、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
アルミニウムまたはベヘン酸マグネシウム;第四アンモ
ニウム化合物、たとえば、トリ(C1 −C4 −)アルキ
ルベンジルアンモニウム塩;可塑剤たとえばエポキシド
化大豆油;ワックスたとえばポリエチレンワックス;樹
脂酸たとえばアビエチン酸、ロジンセッケン、水素化ま
たは二量化ロジン;C12−C18−パラフィン−ジスルホ
ン酸;アルキルフェノール;アルコールたとえばステア
リルアルコール;ラウリルアミンまたはステアリルアミ
ン;脂肪族1,2−ジオールたとえばドデカン−1,2
−ジオール。
【0017】好ましい組織改良剤はラウリルアミン、ス
テアリルアミン、脂肪族1,2−ジオール、ステアリン
酸およびそのアミド、塩またはエステル、エポキシド化
大豆油、ワックスまたは樹脂酸である。これら添加剤は
顔料を基準にして0.05乃至20重量%、好ましくは
1乃至10重量%の量で配合することができる。本発明
による新規な小板型顔料と他の有機顔料及び/又は無機
顔料及び/又はポリマー溶解性塗料と組合せて使用する
と有用なユニークな色が得られる。特に、本新規小板型
顔料の他のいわゆる効果顔料、たとえば、真珠光沢顔
料、グラファイト顔料、アルミフレークのごとき金属効
果顔料と組合せて使用すると格別に興味ある色が得られ
る。
【0018】有機顔料の例はアゾ、アゾメチン、メチ
ン、アントラキノン、フタロシアニン、ペリノン、ペリ
レン、ジオキサジン、ジケトピロロピロール、チオイン
ジゴ、イミノイソインドリン、イミノイソインドリノ
ン、キナクリドン、キナクリドンキノン、フラヴァント
ロン、インダントロン、アントラピリミジンまたはキノ
フタロンの系列の顔料および金属錯塩顔料たとえば、ア
ゾ、アゾメチンまたはメチンの金属錯塩顔料である。耐
熱性が良好で透明度の高い顔料が特に適当である。好ま
しい有機顔料はフタロシアニン、アントラキノン、ペリ
レン、ジケトピロロピロール、イミノイソインドリノ
ン、キナクリドン、インダントロン、ジスアゾ系列の顔
料である。
【0019】有機顔料の例は金属酸化物、たとえば、酸
化鉄、アンチモンイエロー、クロム酸鉛、クロム硫酸
鉛、モリブデン酸鉛、ウルトラマリンブルー、コバルト
ブルー、マンガンブルー、酸化クロムグリーン、水素化
酸化クロムグリーン、コバルトグリーン、さらには金属
硫化物、たとえば、硫化カドミウム、硫化亜鉛、三硫化
アンチモン、スルホセレン化カドミウムである。好まし
い無機顔料の例はクロム酸鉛、クロム硫酸鉛、モリブデ
ン酸鉛および酸化鉄である。ポリマー溶解性染料の例は
アントラキノンまたはフタロシアニンをベースとした染
料またはアゾ染料の金属錯塩、さらには、蛍光染料、た
とえば、クマリン、ナフタルイミド、ピラゾリン、アク
リドン、キサンテン、チオキサンテン、オキサジン、チ
アジンまたはベンゾチアゾール系列の蛍光塗料である。
【0020】真珠光沢顔料の例はシルバーホワイト顔料
のごとき天然または合成の真珠光沢顔料、たとえば、い
わゆる天然“魚鱗”顔料、あるいは合成真珠光沢顔料と
しては、塩基性炭酸鉛、オキシ塩化ビスマスまたはキャ
リアーに支持されたオキシ塩化ビスマス、および特に、
二酸化チタンでコーティングした雲母顔料である。これ
らはその他の着色金属酸化物、たとえば、酸化鉄、酸化
コバルト、酸化マグネシウムまたは酸化クロムを含むこ
とが出来る。本発明による新規な小板型顔料は耐熱性、
耐光堅牢性、耐候性が優秀である。さらに、この顔料は
容易に有機基質に配合することができ、色濃度、彩度、
不透明度の均質な効果顔料着色物を与える。以下、本発
明を実施例によってさらに説明する。実施例中の部は、
別途記載のない限り、すべて重量部である。
【0021】実施例1 温度計、撹拌器および冷却器を具備した1リットルフラ
スコを窒素でフラッシしそして工業用N,N−ジメチル
ホルムアミドの190ml、ドデカンチオール−1の36
ml、粗製2,9−ジクロロキナクリドンの19.0gお
よびナトリウムメトキシドの8.1gを装填する。この
混合物を撹拌し、還流加熱する。顔料がほとんど完全に
溶解して青味がかった溶液となる。8時間還流を続ける
間に溶液から銅ブロンズ色の金属様外観を呈する2,9
−ジクロロキナクリドンの小板体が析出する。この懸濁
物を室温まで冷却しそして新規小板型顔料を濾過単離す
る。濾過ケーキを最初メタノールで、次ぎに水で洗いそ
して100℃で乾燥する。しかして下記寸法を有する光
沢のある顔料18.5gを得る。長さ3乃至25μm 、
幅 1乃至10μm 、厚さ0.05乃至2μm 。粉末化
するとこの顔料は容易に自動車用塗料および熱可塑性プ
ラスチックに配合することができる。単離された顔料を
走査電子顕微鏡で観察すると明瞭にフレーク形状乃至小
板形状を呈する粒子が見られる。
【0022】実施例2 ポリ塩化ビニル 63.0g、 エポキシド化大豆油 3.0g、 バリウム/カドミウム安定化剤 2.0g、 ジオクチルフタレート 32.0g、 実施例1で製造された新規小板型2,9−ジクロロキナクリドン 1.0g をガラスビーカーに入れて撹拌棒で撹拌混合した。この
混合物を実験室用2本ロールミルに8分間かけて厚さ
0.4mmの軟質ポリ塩化ビニルシートに圧延加工した。
圧延温度は160℃、速度は25rpm そしてフリクショ
ンは1:1.2であった。折りたたみ、排出および供給
は定常的に実施された。得られた軟質PVC(ポリ塩化
ビニル)シートは着色濃度の高い光沢のある銅ブロンズ
色に着色されていた。その熱、光およびマイグレーショ
ンに対する堅牢性は優秀であった。
【0023】実施例3 新規な小板型2,9−ジクロロキナクリドンの0.5g
とさらに付加的に公知顔料(IRIODIN Ti-100, MERCK
社)の0.75gを使用して実施例2に記載したように
操作を実施した。比較的良好な堅牢性を有する明るい光
沢のあるブロンズ色に着色された軟質PVCシートを得
た。
【0024】実施例4 下記成分を液体ミキサーに入れて1400rpm の速度で
約5分間撹拌して混合物を調製した: ビニル樹脂(VINNOL H65D, WACKER 社) 92.0g、 ビニル共重合体( VESTROLIT HIS 7587 HUELS 社) 8.0g、 エポキシド化大豆油可塑剤 1.5g、 バリウム/カドミウム安定化剤 2.8g、 有機亜リン酸塩補助安定化剤(IRGASTAB CH-300, CIBA-GEIGY 社) 0.7g、 脂肪酸エステル(IRGAWAX 370, CIBA-GEIGY 社) 0.4g、 パラフィン油誘導体潤滑剤(IRGAWAX 360, CIBA-GEIGY 社)0.2g、 ベンゾトリアゾル誘導体光安定化剤(TINUVIN 320, CIBA-GEIGY 社) 0.25g。 上記により得られた硬質PVC混合物の15g、実施例
1で製造された新規な小板型2,9−ジクロロキナクリ
ドンの0.05g、真珠光沢顔料(IRIODIN Ti-100, ME
RCK 社)の0.05gをヘンシェル (Henschel) ミキサ
ーに装填して室温で約3分間約2000rpm の速度で混
合した。得られた着色硬質PVC混合物をロールミルに
かけて温度190℃、速度25rpm 、フリクション1:
1.2で6分間プレスし、そして次ぎにビュルクル(Bu
erkle)プレスにかけて2枚のクロムメッキ鋼板の間で温
度190℃で6分間プレスして厚さ約1mmのPVCシー
トに加工した。得られたシートは優れた耐光堅牢性およ
び耐候性を有する光沢のある赤色に着色されていた。
【0025】実施例5 実施例1で製造された新規小板型2,9−ジクロロキナ
クリドンの1.0g、酸化防止剤(IRGANOX 1010, CIBA
-GEIGY社)の1.0gおよび高密度ポリエチレン顆粒
( VESTOLEN A 6016, HUELS 社)の1000gをローラ
ーギアベンチの上に置いたガラスフラスコに入れて15
分間撹拌した。得られた混合物を単軸スクリュー押出機
に2回通して押出した。得られた顆粒を220℃の温度
で射出成形機で成形し、次いで180℃の温度で5分間
後成形した。得られた射出成形品は堅牢性の優れた光沢
のあるブロンズレッド色に着色されていた。
【0026】実施例6 重合体をポリスチレン1000gに変更した点を除き実
施例5と同様に操作を実施した。優れた堅牢性を有する
光沢のあるブロンズレッド色に着色されたプレス成形板
を得た。
【0027】実施例7 下記成分よりなる混合物20gに新規な小板型2,9−
ジクロロキナクリドンの6gを撹拌混入した。 芳香族炭化水素( SOLVESSO 150, ESSO 社) 50g、 酪酸ブチル 15g、 ケトオキシム基剤均染剤 5g、 メチルイソブチルケトン 25g、 シリコーン油(SOLVESSO 150 中1%) 5g。 安全に分散された後、アクリル樹脂(キシレン/ブタノ
ールの3:1混合物中51%)(BAYCRYL L 530, BASF
社) 43.3gおよびメラミン樹脂(MAPRENALTTX, HOE
CHST社;ブタノール中55%)23.7gを添加した。
このバッチを短時間均質化し、そして得られた塗料組成
物を金属板の上にスプレー塗布し、これを130℃で3
0分間焼付けした。得られた仕上げ塗装は堅牢性の優れ
た光沢のあるブロンズレッド色に着色されていた。塗料
組成物は流動性が非常に良くそして顔料の分散状態は優
良であった。
【0028】実施例8 下記成分をボールミルに入れて96時間十分に摩砕混合
した。 ポリエステル樹脂、SOLVESSO 150中60%、 (DYNAPOL H 700, DYNAMIT NOBEL 社) 25.2g、 メラミン樹脂、ブタノール中55%、 ( MAPRENAL MF 650, HOECHST 社) 2.7g、 アセト酪酸セルロース(キシレン/酢酸ブチル 1:2混合物中25%) 15.5g、 鉱物油/カルボン酸エステル基剤触媒 (IRGASOL TZ6, CIBA-GEIGY 社) 1.1g、 酪酸ブチル 23.3g、 キシレン 11.6g、 SOLVESSO 150 (ESSO社) 11.6g 実施例1で製造された新規な小板型2,9−ジクロロキナクリドン 9.0g。
【0029】得られた顔料分散物を酢酸ブチル/キシレ
ン/SOLVESSO150混合物(上記と同じ混合比)でドイツ
標準規格、DIN4による粘度が約18秒(20℃)と
なるまで稀釈しそして金属シート上にスプレー塗布し
た。短時間空気にさらした(約40℃で2分間)後、こ
の着色プライマー塗層の上にさらに下記の組成の未着色
クリアートップコートを塗布した。 アクリル樹脂、キシレン中60%、 (VIACRYL VC 373, VIANORA 社) 58.3g、 メラミン樹脂、ブタノール中55%、 (MAPRENAL MF590, HOECHST 社) 27.3g、 シリコーン油A、キシレン中1%(BAYER 社) 1.0g、 ベンゾトリアゾル誘導体(TINUVIN 900, CIBA-GEIGY 社) 1.0g、 キシレン 5.4g、 SOLVESSO 150 (ESSO社) 4.0g、 エチレングリコールアセテート 3.0g。 塗層を40℃で30分間空気にさらし、次ぎに135℃
の温度で30分間焼付けした。得られた光沢のあるブロ
ンズ色の塗装膜は優秀な堅牢性を示した。また、高い光
沢と像明瞭性を有していた。人工光源からの光または太
陽光にこの塗装膜を当てると塗装膜中に存在する顔料粒
子から由来する明瞭な格子効果が生じた。
【0030】実施例9 本実施例は本発明による小板型顔料を高濃度塗料(ハイ
ソリッドエナメル)に配合する例を示す。顔料分散物の調合 半パイント容量の缶に実施例1で製造された小板型顔料
24gを入れ、つぎにアクリル樹脂68.6gとキシレ
ン57.5gを導入する。この混合物をプロペラ撹拌器
でゆっくりと撹拌する。この分散物は結合剤に対する顔
料の比が0.5である場合に、顔料16%そして固形分
48%を含有する。
【0031】触媒と安定化剤の溶液調合 プロペラ撹拌器付きの1ガロン容量のジャーに酢酸エチ
ル855g、紫外線遮断剤溶液2039g、アミン溶液
(キシレン、メタノール、ブタノール中N−プロピルア
ミン)33gを撹拌混合する。これにメタノール47.
0gとドデシルベンゼンスルホン酸156gとの混合物
を添加する。得られた溶液を20分間撹拌する。塗料の調合 上記の顔料調合物33.4g、アクリル樹脂38.2
g、メラミン樹脂27.0gおよび上記触媒と安定化剤
の溶液28.9を混合しそしてキシレンでNo.4FORD cu
p で13乃至14秒の噴霧濃度まで稀釈する。以上によ
り得られた塗料を下塗りしたアルミ板にスプレー塗布
し、10分間周囲空気にさらした後、130℃の温度で
30分間焼付けした。
【0032】得られた光沢のあるブロンズ色に着色され
た塗装膜はすぐれた耐候性と独特な色を有していた。人
工光源からの光または太陽光にこの塗装膜を当てると塗
装膜中に存在する顔料粒子から由来する明瞭な格子効果
が生じた。上記の本発明による小板型2,9−ジクロロ
キナクリドンを使用して得られた塗装膜は同様方法で、
ただし顔料として市販のγ−2,9−ジクロロキナクリ
ドン(MONASTRAL Magenta RT-235-D) を使用して得られ
た塗装膜と比較して劇的な色の相違を示した。その色は
D65光源、C.I.E.Lab スケール、10デグリー
(degree) の観測器を使用して分光光度計で計器的に読
み取った特定成分の下記の色値で特徴づけられる。すな
わち、各色は色空間座標のL、A、Bの数値で表わされ
る。 塗 装 膜 L A B 小板型2,9−ジクロロキナクリドン使用 40.16 31.19 23.15 市販の2,9−ジクロロキナクリドン使用 29.27 21.41 4.51 要約すると、本発明は新規な小板形状の2,9−ジク
ロロキナクリドンのユニークな製造方法をあきらかに提
供している。なお、特許請求の範囲によって定まる本発
明の範囲から逸脱することなく、比率、実施方法、材料
などに関して各種の変更が可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 エドワード イー.ジャフ アメリカ合衆国,19810 デラウェア, ウィルミントン,クレンショウ ドライ ヴ 3 (56)参考文献 特開 平1−143870(JP,A) 特開 昭54−132625(JP,A) 特開 昭54−130622(JP,A) 米国特許3074950(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 471/04 C09B 1/00 - 69/10 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗製2,9−ジクロロキナクリドンをC
    6−C18チオール化合物と塩基の存在下高められた温度
    で極性溶剤から再結晶しそして小板体を取り出すことに
    より製造することができる、長さが1乃至45μm、幅
    が0.1乃至20μm、厚さが0.05乃至5μmの小
    板状のγ型2,9−ジクロロキナクリドン。
  2. 【請求項2】 小板状かつ顔料の形態のγ型2,9−ジ
    クロロキナクリドンの製造方法において、粗製2,9−
    ジクロロキナクリドンをC6−C18チオール化合物と塩
    基の存在下高められた温度で極性溶剤から再結晶しそし
    て小板体を取り出すことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 極性溶媒がN,N,N’,N’−テトラ
    メチル尿素、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチ
    ルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミドからな
    る群から選択される請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 N,N−ジメチルホルムアミド、ドデカ
    ンチオール−1およびナトリウムメトキシドの存在で実
    施される請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 粗製2,9−ジクロロキナクリドン1重
    量部当たり極性溶剤が5乃至20重量部使用され、粗製
    2,9−ジクロロキナクリドン対C6−C18チオール化
    合物のモル比が1:1.0乃至5.0であり、そしてC
    6−C18チオールと塩基が実質的に等モル量で存在する
    請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の小板状2,9−ジクロロ
    キナクリドンの有効着色量を含有している高分子有機材
    料。
  7. 【請求項7】 付加的に該有機材料に溶解可能な有機、
    無機または真珠光沢顔料または染料を含有している請求
    項6記載の高分子有機材料。
  8. 【請求項8】 高分子有機材料に請求項1記載の小板状
    2,9−ジクロロキナクリドンの有効着色量を配合する
    ことを特徴とする高分子有機材料の着色方法。
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