JP3179444U - 車載型コンテナの計量装置とこれを用いたコンテナ積載型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラックのシャシー等の上方に積載されるコンテナに載せた積荷の重量を計量するための車載型コンテナの計量装置を提供する。
【解決手段】車両における一対の車体フレームごとに取り付けた複数の支持フレーム11と、該支持フレームごとの外側面に取り付けた複数のブラケット12と、該ブラケットごとの水平板の上にシリンダ13aの下端部を固定して垂設した流体圧シリンダ13と、該流体圧シリンダごとのピストンロッド15の上端に取り付けたロードセル19と、コンテナの底面に取り付けられ、上記流体圧シリンダごとのピストンロッドが上昇した際に、上記ロードセルに接触して、上記荷物を含むコンテナを支持する当て板と、を備え、上記シリンダの上端部側は、少なくとも上記支持フレームおよびブラケットの水平板の何れか一方に一端が固定された振れ止め手段に拘束されている。
【選択図】図3

Description

本考案は、トラックのシャシーや貨車の台枠(車体フレーム)の上方に積み込みおよび積み下ろし可能にして積載されるコンテナに載せた積荷の重量を計量するための車載型コンテナの計量装置とこれを用いたコンテナ積載型車両に関する。
物流の合理化を図るため、一定サイズのコンテナやタンクをトラックのシャシーなどの車体フレーム上に積み込んだ状態で上記コンテナなどに荷物を積載しながら、該荷持の重量を計量する方法がある。この方法によれば、過積載による事故や車両の故障なども防げるので、適正な重量で運送することができる。
例えば、荷物の積載中に積荷の重量を計量するため、車両の荷台上で積荷を入れたタンクを支える支持枠と、該支持枠を複数箇所で昇降可能に支持し、その支持部の荷重を計量する同数の計重ユニットとからなり、該ユニットは、垂直面内で昇降および回動して上記支持枠に作用する荷重を支える荷重支持アーム、固定支柱、および油圧シリンダを備えた昇降装置と、上下の各端部が上記支持枠と荷重支持アームとに連結され、その支持部の荷重を計量するロードセルユニットとからなる車両搭載型計重装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、前記特許文献1の車両搭載型計重装置では、荷台(車体)の幅方向に沿って、固定支柱と油圧シリンダとを垂直に配置し、前者の上端部と後者のピストンロッドの上端部との間に荷重支持アームをピン結合し、該荷重支持アームの中間で且つ上記固定支柱と油圧シリンダとの間にロードセルユニットを結合した計重ユニットを用いている。そのため、積荷を計量するための計重装置として、構成する部品数が多く且つ複雑な構造となるため、その組立や車両への取付けに多くの工数と時間を要して、コスト高になると共に、車両の荷台付近において広いスペースが必要となり、経時的に故障を生じ易い、という問題があった。
特許第3,824,557号公報(第1〜11頁、図1〜9)
本考案は、背景技術において説明した問題点を解決し、構成すべき部品数が少なく且つ簡素な構造で、組立ても容易で且つ狭いスペースで行え、安価に製作できると共に、故障を生じにくくメンテナンスも容易な車載型コンテナの計量装置、およびこれを用いたコンテナ積載型車両を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および考案の効果
本考案は、前記課題を解決するため、車両を構成する一対の車体フレームの外側に複数の流体圧シリンダを垂設し、該流体圧シリンダとそのピストンロッドとを径方向に対して変位しにくくする、ことに着想して成されたものである。
即ち、本考案による車載型コンテナの計量装置(請求項1)は、車両の車体フレームの上方に搭載されたコンテナに積載した荷物の重量を計量する装置であって、車両における一対の車体フレームごとに取り付けた複数の支持フレームと、該支持フレームごとの外側面に取り付けた複数のブラケットと、該ブラケットごとの水平板の上にシリンダの下端部を固定して垂設した流体圧シリンダと、該流体圧シリンダごとのピストンロッドの上端に取り付けたロードセルと、上記コンテナの底面に取り付けられ、上記流体圧シリンダごとのピストンロッドが上昇した際に、上記ロードセルに接触して、上記荷物を含むコンテナを支持する当て板と、を備え、上記シリンダの上端部側は、少なくとも上記支持フレームおよびブラケットの水平板の何れか一方に一端が固定された振れ止め手段に拘束されている、ことを特徴とする。
これによれば、一対の車体フレームごとに取り付けた複数の支持フレームごとにおける外側面に取り付けた複数のブラケットごとの水平板の上に、下端部のみを固定して流体圧シリンダが垂直に立設され、該シリンダにおけるピストンロッドの上端に取り付けたロードセルを該ロッドが上昇した際に、荷物を載せたコンテナの底面に取り付けられた当て板に接触可能とされている。そのため、例えば、上記コンテナを載せた車両を、車両計量場(いわゆる看貫場)に移動させずに、そのままの状態で荷物の重量をリアルタイムで計量できる。また、予め、荷物を載せたコンテナの重量が適正な範囲であるか否かや、空のコンテナを先に車体フレームの上方で且つ上記複数のロードセルごとに支持した状態で、適正な範囲になるまで荷物を順次積み込むことができる。
従って、荷物の重量を計量する作業と該荷物を含むコンテナの車両への積載作業とがほぼ同時ないし平行的に行うことが可能となる。
しかも、前記流体圧シリンダは、該シリンダの下端部のみがブラケット上に固定され、該シリンダの上端部側を、前記支持フレームやブラケットの水平板に一端が固定された振れ止めにより拘束されているため、例えば、比較的細径の油圧シリンダであっても、車体フレームの外側において、容易に取り付けられる。従って、該シリンダを含む前記計量装置全体を、比較的少ない部品数によって、コンパクトにして安価に組み立てて製作することができる。
尚、前記車両は、一対のシャシーを前後方向に沿って有し、且つ該シャシーごとの上側または運転室以外の荷台上に、コンテナを拘束して搭載でき、且つ該コンテナを非拘束で後方または側方に下ろせるトラックや鉄道用貨車などである。
また、前記車体フレームは、トラックなどのシャシーあるいは鉄道用貨車の台枠を含む。必要に応じて、上記車体フレームまたは台枠ごとの上には、搭載すべきコンテナを支持するための架台枠が固定した形態としても良い。
更に、前記コンテナは、天井を有し且つ開閉扉を含む六面体(直方体)の容器や、天井のない箱形(通称、ベッセル、あるいは無蓋貨物容器)の容器のほか、各種の液体などを充填するタンクを含むものである。
また、前記支持フレームには、トラックのシャシーを外側から囲む断面チャンネル形のほか、貨車の台枠の外側面に取り付け得る平板状の形態も含まれる。
更に、前記流体圧シリンダには、油圧シリンダ、水圧シリンダ、およびエアシリンダが含まれる。
加えて、前記ロードセルは、全体が丈の低い円柱形を呈し、上面の中心部に上向きの凸部を有し、該凸に加わる荷重を電気信号に変換する形態のほか、全体が直方体状で且つ断面がほぼ繭形状または骨形状の貫通孔を有する形態も含まれる。
また、本考案には、前記振れ止め手段は、少なくとも前記支持フレームの垂直面あるいはブラケットの水平板の何れか一方に一端側が固定され、且つ他端側が前記シリンダの内周面側の半周面を囲む内支え材と、該内支え材に両端を固定され且つ上記シリンダの外周面側の半周面を囲む外支え材とからなり、上記シリンダの上端部側は、上記内・外支え材に挟まれている、車載型コンテナの計量装置(請求項2)も含まれる。
これによれば、比較的細径あるいは小型の流体圧シリンダであっても、該シリンダのシリンダ本体の下端部のみを前記ブラケットの水平板上にボルト・ナットなどにより垂直姿勢にして固定しても、該シリンダの上端部側が振れ止め手段を構成する内支え材および外支え材によって挟持されている。
従って、流体圧シリンダにおいて、シリンダ本体の下端部側のみをブラケット上に固定し、且つ該シリンダ本体の上端部側を上記振れ止め手段の内・外支え材により拘束しているので、比較的少ない部品数により、上記シリンダ本体とその上端部から昇降するピストンロッドとの垂直姿勢を確実に保つことができる。
更に、本考案には、前記流体圧シリンダごとのピストンロッドの上端には、前記ロードセルを上方に支持するベース板が固定され、該ベース板の外側面から垂下した縦板の内側面は、前記外支え材の外側面に所定幅の隙間を介して接近している、車載型コンテナの計量装置(請求項3)も含まれる。
これによれば、ピストンロッドの上端に固定されたベース板の外側面から垂下した縦板の内側面が、前記外支え材の外側面に所定幅の隙間を介して接近しているので、ピストンロッドが円周方向に沿って不用意に回転する事態を予防できる。その結果、前記支持板や、該支持板と前記ロードセルとの間に介在する載置台が加工の容易な平面視が矩形(長方形または正方形)であっても、これらが前記車体フレームや架台枠に対し、不用意に接触しにくくなる。従って、本計量装置の全体を限られたスペースに納まるようにコンパクトにして製作することができる。
尚、前記縦板は、その内側面と前記外支え材の外側面との間に位置する幅がほぼ一定の隙間を約1〜数mm程度として、前記ピストンロッドが不用意に水平方向に沿って回転しようとした際に、該隙間の一部を解消し、当該縦板およびピストンロッドの上記回転を阻止するためのものである。
一方、本考案のコンテナ積載型車両(請求項4)は、車載型コンテナの計量装置を、一対の車体フレームごとの外側面に複数個取り付けている、ことを特徴とする。
これによれば、部品数が少なく且つ簡素な構造で、組立ても容易で且つ狭いスペースで行え、安価に製作できると共に、故障を生じにくくメンテナンスも容易な前記計量装置を、一対の車体フレームごとの外側面に複数個取り付けたコンテナ積載型車両、例えば、コンテナ積載型トラック、またはコンテナ積載型(鉄道用)貨車を提供できる。従って、コンテナを載せたその場所で荷物の重量を確実に計測でき、且つ適正な重量にして運送できるので、過積載による事故や車両故障などを防ぎ、合理的で安全な物流システムの構築に寄与することが可能となる。
トラックのシャシ上に車載型コンテナを積み込む状態を示す概略図。 上記コンテナをトラックのシャシ上に積み込んだ状態を示す概略図。 本考案による車載型コンテナの計量装置の取付状態を示す斜視図。 上記車載型コンテナの計量装置の取付状態を示す側面(正面)図。 上記車載型コンテナの計量装置の作動状態を示す側面(正面)図。 (A)〜(C)はロードセルが接触する当て板の異なる形態を示す断面図。 (A)は図2〜4で示した内・外支え板と縦板の断面とを示す平面図、(B)、(C)は平面視が異なる形態の外支え板と縦板の断面とを示す平面図。 複数の計量装置を台枠の外側面に取り付けたコンテナ用貨車の側面図。 (A)、(B)は上記貨車に取り付けた計量装置付近の部分拡大図。
以下において、本考案を実施するための形態について説明する。
図1は、運転室4と複数のタイヤ3とを有するトラック(車両)1のシャシー(車体フレーム)2上に車載型コンテナ6を積載する状態を示す概略図である。
該トラック1は、図1に示すように、前後方向に沿った左右一対のシャシー2と、該シャシー2上ごとに固定された左右一対の架台枠5と、これらの間に位置し且つ前後方向に沿って旋回可能な多段式のブーム8と、該ブーム8における中間側と先端側との間でスライド可能で且つ基端ピン9bを中心として旋回可能なL字型アーム9とを備えている。
尚、上記アーム9の先端には、全体がほぼ直方体で上方が開口しているベッセル(車載型コンテナ)6の一端壁に設けた水平バー6bを把持するチャック9aが取り付けられている。また、上記ベッセル6の底面6aにおける前後および左右の複数箇所(本例では4箇所)には、平板からなる当て板21が取り付けている。更に、左右一対のシャシー2の外側面の前後には、本考案の計量装置10が複数箇個(本例では4個)取り付けられている。
即ち、図1中の矢印で示すように、荷物Wが大凡の目安で積み込まれたベッセル6の水平バー6bをチャック9aが把持すると、L字型アーム9と共にブーム8が前方側に旋回し、該ブーム8を軸方向に沿って伸長して架台枠5と平行姿勢にし、更に、係るブーム8の先端側にL字型アーム9をスライドさせた後、基端ピン9bを中心に該L字型アーム9を前方側へ旋回させる。最後に、チャック9aをベッセル6の水平バー6bから離す。
その結果、図2に示すように、荷物Wが積み込まれたベッセル6を、左右一対の架台枠5上に載置することができる。係る状態で、複数(4)個の計量装置10を作動することで、荷物Wを含むベッセル6の重量を計量することが可能となる。
尚、前記荷物Wには、例えば、各種の産業廃棄物や原材料が挙げられる。
図3は、本考案の計量装置10を示す斜視図であり、図4は、その側面(正面)図である。
係る計量装置10は、図3,図4に示すように、シャシー2の外周側を所定幅で囲むように取り付けられ且つ断面が該シャシー2と相似形の支持フレーム11と、該支持フレーム11の外側の垂直面に取り付けられ且つ側面視が断面横コ字形状のブラケット12と、該ブラケット12の水平板12a上に、シリンダ本体(以下、シリンダと称する)13aの下端に位置するフランジ(下端部)14を複数のボルトbで固定して垂直に立設した油圧シリンダ(流体圧シリンダ)13と、該油圧シリンダ13の上端から垂直方向に沿って昇降するピストンロッド15の上端に後述する支持板16と支持板18とを介して取り付けたロードセル19と、を含んでいる。上記シリンダ13aの上端部側は、次述する振れ止め手段により径方向への変位を規制されている。
上記振れ止め手段は、支持フレーム11の外側面の上端に固定した接続片22に中間部が接続され、且つ下端(一端)がブラケット11の水平板12に接続された断面逆L字状の内支え材23と、その外側に位置する断面アングル形状の外支え材25とからなる。上記内支え材23の外端側から垂下する縦片24と、外支え材25の内端側から垂下する縦片26との前後方向の両側は、ボルトb・ナット(図示せず)により締結され、上記内・外支え材23,25の前後方向の中間には、それぞれ平面視で半円形状の凹部(図示せず)が内・外対称に形成され、係る一対の凹部間に上記シリンダ13aの上端部側が挟まれている。
図3,図4に示すように、ピストンロッド15の上端とロードセル19との間には、平面視が矩形(長方形または正方形)のベース板16と支持板18とが介在している。係る支持板18とロードセル19の底面側とは複数のボルト(図示せず)により連結されている。
また、上記ベース板16の外側面から垂下した平らな縦板17の内側面は、前記外支え材25の外側面との間に、約1〜数mmの隙間sが介在し、係る隙間sを挟んで縦板17の内側面と外支え材25の外側面とが接近している。係る一定幅の隙間sが介在することで、前記ピストンロッド15が昇降する際に、不用意に円周方向に沿って回転する事態を予防している。
更に、図3,図4に示すように、全体がやや扁平な円柱形のロードセル19は、その上面の中心部に垂直方向に沿った凸部20が立設している。該凸部20に加わる荷重を基にして、前記荷物Wを含むベッセル(車載型コンテナ)6の荷重を電気信号に変換することにより、これらの総重量を計量可能としている。尚、全部で4個(複数個)のロードセル19において計測された総重量から予め入力したベッセル6の重量を差し引くことで、荷物Wだけの重量を計測できるように、図示しない演算手段が各ロードセル19と電気的に導通可能とされている。
加えて、各ロードセル19の真上に当たるベッセル6の底面6aには、平面視がほぼ正方形で且つ平板からなる当て板21が固定されている。該当て板21とロードセル19の凸部20との間は、適当な間隙が位置している。
図4に示すように、シャシ2ー上の架台枠5の上にベッセル6が載置された状態で、図5中の矢印で示すように、油圧シリンダ13のピストンロッド15を所定ストローク分上昇させると、ロードセル19の凸部20上にベッセル6側の当て板21が接触した状態となり、前記荷物Wを含むベッセル6は、架台枠5から浮き上がって4個(複数個)のロードセル19のみによって支持される。
係る状態において、各ロードセル19において計測された総重量を検出し、該総重量から前記演算手段においてベッセル6の重量を差し引くことにより、前記荷物Wだけの重量を正確に計量することができる。
以上のような本考案の計量装置10によれば、一対のシャシー2の外周側ごとに支持フレーム11を介して取り付けた複数のブラケット12の水平板12aごとの上に、下端部14を固定して流体圧シリンダ13が垂設され、該シリンダ13のピストンロッド15の上端に取り付けたロードセル19の凸部20を上記ロッド15が上昇した際に、荷物Wを載せた前記ベッセル6の底面6aに取り付けた当て板21に接触可能とされている。そのため、ベッセル6に載せたまま、荷物Wの重量を測定でき、且つ該重量が適正な範囲であるか否かを検知し、あるいは、空のベッセル6を先にシャシー2の上方で且つ複数のロードセル19の凸部20により支持した状態で、適正な範囲になるまで荷物Wを順次積み込むことができる。
従って、荷物Wの重量を計量する作業と該荷物Wを含むベッセル6のトラック1への積み込み作業とがほぼ同時ないし平行的に行うことができる。
更に、前記流体圧シリンダ13は、該シリンダ13aの下端部14のみがブラケット12の水平板12a上に固定され、該シリンダ13aの上端部側を、前記支持フレーム11の外側面やブラケット12の水平板12aに一端が固定された内・外支え材(振れ止め手段)23,25により拘束されているので、例えば、比較的細径の油圧シリンダ13であっても、シャシ2ーの外側における比較的狭いスペースにも容易に取り付けられる。そのため、該シリンダ13を含む前記計量装置10全体を、比較的少ない部品数により、コンパクトで且つ安価に組み立てて製作することができる。
しかも、ピストンロッド15の上端に固定されたベース板16の外側面から垂下した縦板17の内側面が、前記外支え材25の外側面に所定幅の隙間sを介して接近しているので、ピストンロッド15が円周方向に沿って不用意に回転する事態を防止できる。その結果、前記ベース板16や、これとロードセル19との間に位置する支持板18が平面視で加工が容易な長方形や正方形であっても、これらが前記シャシー2や架台枠5に対し、不用意に接触しなくなる。従って、本計量装置10全体を限られたスペースに納まるようにコンパクトにできる。
加えて、4個(複数個)の前記計量装置10を一対のシャシー2の外側面に前後一対ずつ取り付けた本考案の前記トラック(車両)1によれば、部品数が少なく且つ簡素な構造であり、組立ても容易で且つ狭いスペースで行え、安価に製作できると共に、故障を生じにくくメンテナンスも容易な前記計量装置10を、一対のシャシー2ごとの外側に複数個取り付けたコンテナ積載型トラック(1)として提供できる。
従って、ベッセルを載せたまま、その荷物Wの重量を確実に適正な範囲に計量して搬送できるので、過積載に起因する事故や車両故障なども防ぎ、且つ合理的で且つ安全な運送(物流)システムの構築に寄与することが可能となる。
図6(A)〜(C)は、異なる形態の当て板21aを示す垂直断面図である。
係る当て板21aは、図6(A)に示すように、底面の中央部に円錐形状の凹部27が形成され、これに対向するロードセル19の凸部20の上には当該凹部27と相似形状である円錐形状のガイド20aが更に固定されている。
そのため、図6(B)に示すように、ロートセル19の中心と当て板21aの中心とが水平方向において多少ずれていても、該ロートセル19側のガイド20aのテーパ面が凹部27のテーパ面に接触する。
その結果、前記ピストンロッド15をそのまま上昇させると、上記ガイド20aが凹部27内に進入して、図6(C)に示すように、ロートセル19の中心と当て板21aの中心とが一致するようになり、且つロードセル19の凸部20側のガイド20aと凹部27とが嵌合することによって、計量が可能となる。
図7(A)は、前記計量装置10における内支え材23,外支え材25,および縦板17付近の一部断面を含む部分平面図であり、外支え材25の外側面と平坦な縦板17との間には、一定幅の隙間sが直線状に位置している。
図7(B)は、平面視において外支え材25の外側面の両端に角形の切欠kを形成し、且つ異なる形態の縦板17aの両端には、上記切欠kに隙間sを挟んで進入可能とした一対のフランジfを付設したものである。
更に、図7(C)は、平面視にて外支え材25の外側面の中央付近に丈の低い凸片tを形成し、且つ更に異なる形態の縦板17bの中央部には、前記凸片tの先端側が進入可能な浅い凹溝hを形成することにより、平面視で全体が低いほぼハット形状の隙間sを形成している。
図7(B),(C)に示したような外支え材25と縦板17a,17bとを併用することで、前記油圧シリンダ13のピストンロッド15が昇降した際に、円周方向に沿って該ロッド15が不用意に回転する範囲を一層厳しく規制できる。
図8は、前後方向に沿って複数(4個)のコンテナ(車載型コンテナ)36を積載するための貨車(車両)30を線路R上に走行可能にして示す側面図である。係る貨車30は、図9に示すように、左右一対の台枠(車体フレーム)31と、該台枠31の両端に位置する一対の細長部32の下側に配置した前後一対の台車33と、該台車33ごとの前後左右に配設した4個の車輪34とを備えている。
上記台枠31の外側面には、各コンテナ36の底面に隣接する前後左右の位置ごとに、それぞれ平板からなる支持フレーム11aを介して、4個(複数個)ずつの前記計量装置10が個別に取り付けられると共に、これらと同数の後述する緊結手段40も上記装置10ごとに隣接して取り付けられている。
図9(A)の部分拡大図で示すように、前記貨車30の台枠31における上端のフランジ31aには、複数の貫通孔31bが所定の位置ごとに形成され、該貫通孔31bの下部側には、台枠31の外側面に取り付けた計量装置10の前記凸部20を含むロードセル19の上部側が進入可能とされている。また、上記貫通孔31b内の上部側には、予めコンテナ36の底面に取り付けた当て板21が進入可能とされている。
また、図9(A)に示すように、上記計量装置10に隣接し且つ台枠31上に載置されたコンテナ36の底面側ごとの角部の直下には、該コンテナ36を台枠31に固定するための緊結手段40が配置されている。
上記緊結手段40は、コンテナ36ごとの底面側の四隅に設けた直方体状の中空部37と、該中空部37の底面に開設された平面視が楕円形状または長円形状の通し孔37aと、台枠31のフランジ31aに開設した透孔31cと、該透孔31cおよび上記通し孔37aを通じて上記中空部37内に挿入された回転係止片38と、該回転係止片38の底面の中心部から通し孔37aと透孔31cとを通じて垂下した回転軸39と、該回転軸39の中間から径方向に突設された操作棒39aとを備えている。上記回転係止片38は、図9(A)に示す側面視では、ほぼ正三角形状あるいは台形状を呈し、これと直交する前後方向の視覚では、やや扁平な台形状または厚板形状を呈すると共に、その平面視の形状は、上記通し孔37aとほぼ相似形状である。
図9(A)は、図示しない荷物を収納した台枠31のフランジ31a上にコンテナ36が載置された状態を示し、貫通孔31b内において、コンテナ36側の当て板21と、計量装置10側のロードセル19の凸部20とが数cm程度離れて対向している。同時に、前記緊結手段40の回転係止片38は、透孔31cと通し孔37aとを通じて、コンテナ36側の中空部37内に進入している。
次に、図9(B)中の矢印で示すように、計量装置10ごとの油圧リンダ13を作動させてそのピストンロッド15を上昇させると、該ロッド15と共に上昇したロードセル19の凸部20が、各当て板21と共にコンテナ36が若干上昇し、且つ当該コンテナ36は、台枠31のフランジ31aから離れる。
その結果、コンテナ36は、4個のロードセル19にのみによって支持された状態となるので、荷物(W)を含む該コンテナ36の重量が計測可能となる。従って、コンテナ36に収容した荷物の重量が適正な範囲にあるか否かが容易に計量(検知)され、過積載を予防することが可能となる。
尚、上記計量作業の後は、油圧リンダ13のピストンロッド15を下降して、前記図9(A)の状態に戻し、更に、操作棒39aを回転して回転係止片38を通し孔37aから抜け出し不能とすることによって、コンテナ36を貨車30の台枠31上に強固に固定することができる。その結果、適正な重量の荷物を収納した複数のコンテナ36を線路R上に沿って走行することで輸送可能となる。
尚、前記緊結手段40は、隣接するコンテナ36,36ごとに対して、それぞれ取り付けられているので、隣接する2つの緊結手段40ごとの操作棒39aを、互いにピン結合を介して水平な単一の操作棒(図示せず)で連結することで、2つの回転軸39および回転係止片38を同時に操作することが可能となる。
また、各操作棒39aの戻りを防ぐため、各種のロック手段を付設しても良い。
更に、前記形態以外の各種の緊結手段(公知の形態を含む)を台枠31とコンテナ36との間において用いることも可能である。
以上のようなコンテナ積載型の貨車30によれば、前記計量装置10によって荷物の重量が適正な範囲にあることが計量された複数のコンテナ36を、一対の台枠31上に複数の緊結手段40で強固に固定することによって、上記コンテナ36を安全に搬送することが可能となる。
本考案は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、計量装置のブラケットは、水平板12を含む断面T字形状でも良い。
また、前記軽量装置10の油圧シリンダ13に替えて、他の流体圧シリンダ(水圧シリンダあるいはエアシリンダ)を用いても良い。
更に、前記振れ止め手段を構成する内支え板23は、その一端がシャシ2または台枠31の外側面のみに接続されているか、あるいはブラケット11の水平板12のみに接続された形態としても良い。
また、ロードセルは、前記凸部20を有する円柱形の形態に限らず、全体が直方体状で且つ断面が繭形状または骨形状の貫通孔を有する形態としても良い。
加えて、前記トラック1のシャシー2とこれに積載されるベッセル6との間にも、前記緊結手段40、またはこれ以外の各種の緊結手段を配置しても良い。
本考案によれば、構成すべき部品数が少なく且つ簡素な構造で、組立ても容易で且つ狭いスペースで行え、安価に製作できると共に、故障を生じにくくメンテナンスも容易な車載型コンテナの計量装置、およびこれを用いたコンテナ積載型車両を提供できる。
1…………………………トラック(車両)
2…………………………シャシー(車体フレーム)
6…………………………ベッセル(車載型コンテナ)
6a………………………ベッセルの底面
10………………………車載型コンテナの軽量装置
11,11a……………支持フレーム
12………………………ブラケット
12a……………………水平板
13………………………油圧シリンダ(流体圧シリンダ)
13a……………………シリンダ本体(シリンダ)
15………………………ピストンロッド
16………………………ベース板
17,17a,17b…縦板
19………………………ロードセル
21,21a……………当て板
23………………………内支え材(振れ止め手段)
25………………………外支え材(振れ止め手段)
30………………………貨車(車両)
31………………………台枠(車体フレーム)
36………………………コンテナ(車載型コンテナ)
W…………………………荷物
s…………………………隙間

Claims (4)

  1. 車両(1,30)の車体フレーム(2,31)の上方に搭載されたコンテナ(6,36)に積載した荷物(W)の重量を計量する装置であって、
    車両(1,30)における一対の車体フレーム(2,31)ごとに取り付けた複数の支持フレーム(11,11a)と、
    上記支持フレーム(11,11a)ごとの外側面に取り付けたブラケット(12)と、
    上記ブラケット(12)ごとの水平板(12a)の上にシリンダ(13a)の下端部(14)を固定して垂設した流体圧シリンダ(13)と、
    上記流体圧シリンダ(13)ごとのピストンロッド(15)の上端に取り付けたロードセル(19)と、
    上記コンテナ(6,36)の底面(6a)に取り付けられ、上記流体圧シリンダ(13)ごとのピストンロッド(15)が上昇した際に、上記ロードセル(19)に接触して、上記荷物(W)を含むコンテナ(6,36)を支持する当て板(21,21a)と、を備え、
    上記シリンダ(13a)の上端部側は、少なくとも上記支持フレーム(11,11a)およびブラケット(12)の水平板(12a)の何れか一方に一端が固定された振れ止め手段に拘束されている、
    ことを特徴とする車載型コンテナの計量装置(10)。
  2. 前記振れ止め手段は、少なくとも前記支持フレーム(11,11a)の垂直面あるいはブラケット(12)の水平板(12a)の何れか一方に一端側が固定され、且つ他端側が前記シリンダ(13a)の内周面側の半周面を囲む内支え材(23)と、該内支え材(23)に両端を固定され且つ上記シリンダ(13a)の外周面側の半周面を囲む外支え材(25)とからなり、上記シリンダ(13a)の上端部側は、上記内・外支え材(23,25)に挟まれている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載型コンテナの計量装置(10)。
  3. 前記流体圧シリンダ(13)ごとのピストンロッド(15)の上端には、前記ロードセル(19)を上方に支持するベース板(16)が固定され、該ベース板(16)の外側面から垂下した縦板(17,17a,17b)の内側面は、前記外支え材(25)の外側面に所定幅の隙間(s)を介して接近している、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車載型コンテナの計量装置(10)。
  4. 請求項1乃至3に記載の何れかにおける車載型コンテナの計量装置(10)を、一対の車体フレーム(2,31)ごとの外側面に複数個取り付けている、
    ことを特徴とするコンテナ積載型車両(1,30)。
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