JP3178515B2 - 硫黄、窒素およびオレフィンが低減された改良ガソリンの生成方法 - Google Patents

硫黄、窒素およびオレフィンが低減された改良ガソリンの生成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はライトおよびヘビー
原料、特に、特にヘビーナフサ原料を水素転化する方
法、硫黄および窒素不純物を有する原料の水素転化方法
において使用される触媒、およびこのような触媒を得る
ための方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】ライトナフサ原料は、
高級異性化ライトブレンド成分を生成するために、転化
で処理することができる。このような処理の方法におい
ては、種々のゼオライト触媒を含む様々な触媒が有用で
ある。ヘビーナフサ原料も同様にブレンド成分の有用な
原料である。しかしながら、従来のゼオライト触媒は、
硫黄、窒素、コークス、および他の不純物により容易に
不活性となるものであった。
【0003】Laworなどに付与された米国特許第
4,734,539号には、いくつかの用途に有用であ
るこの種の触媒が開示されている。しかしながら、La
worなどの触媒は、硫黄不活性化になり易く、またコ
ークスにより同様に容易に不活性となる1次元のポアシ
ステム(pore system )を有するものであった。
【0004】LaPierreなどに付与された米国特
許第4,962,269号には、ゼオライト触媒を使用
した異性化のための方法が開示されている。しかしなが
ら、LaPierreなどは、YあるいはZSM−20
ゼオライトを使用しており、これらは特別な生成物であ
る(よって、製造コストが増大する)。LaPierr
eなどの方法はまた、芳香族化合物が著しく増大してし
まう。
【0005】よって、本発明の主要な目的は、有用なガ
ソリンブレンド生成物を提供するための、硫黄および窒
素不純物の含量が大きいヘビーナフサ原料の水素転化方
法を提供することにある。本発明の他の目的は、水素転
化触媒の汚染および有害化を防止するための、ナフサ原
料から窒素を除去する方法を提供することにある。本発
明の別の目的は、硫黄、窒素およびコークスによって著
しく不活性化することがない、水素転化方法のための触
媒を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、
芳香族化合物の増大を招くことなく、異性化のレベルが
著しい、このような水素転化触媒を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、本発明による触媒を生成する
ための方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
目的および特長を容易に達成することができる。本発明
によれば、触媒活性のあるマトリックス、前記マトリッ
クスを通して分散(distribute through)されるととも
に、シリコンモレキューラシーブ材を含んでなる担体
(support medium)、および前記担体上に担持されると
ともに、元素周期表のIIIA族から選択された第1の
金属からなる触媒活性相を含んでなる、水素転化触媒シ
ステムが開示される。
【0007】好ましくは、触媒システムは、元素周期表
のIIIA族から選択された第1の金属、IIIA族か
ら選択された第2の金属、VII族から選択された第3
の金属、VIB族から選択された第4の金属、およびV
A族から選択された第5の金属を含む触媒活性のあるマ
トリックス、マトリックスを通して分散されるとともに
シリコンモレキュラシーブ材を含んでなる担体、および
前記担体上に担持されるとともにIIIA族金属とVI
B族金属からなる触媒活性相を含んでなる。
【0008】本発明によれば、さらに、硫黄リッチのヘ
ビーナフサ原料を改質する方法であって、初期硫黄含量
および初期オクタン価を有するナフサ原料を供給するス
テップと、原料の前記初期硫黄含量よりも少ない最終硫
黄含量を有し、また前記原料の初期オクタン価以上の最
終オクタン価を有する最終生成物を生成するために前記
原料を水素雰囲気下で水素転化触媒システムと接触させ
るステップとを含んでなり、最終生成物は、前記原料に
対して、異性化成分が増大し、かつ、芳香族含量が実質
的に増大していないものである。
【0009】原料が最初に水素化脱硫され、また次いで
改質される、2段階の方法が、同様に開示されている。
【0010】本発明によれば、本発明の触媒システムを
提供するための方法が同様に開示されている。この方法
は、約250m2 /gから約1200m2 /gの間の表
面積を有し、また元素周期表のIIIA族から選択され
た第1の金属および元素周期表のVIB族から選択され
た第2の金属を含んでなる触媒活性相を担持するシリコ
ンモレキュラシーブを含んでなる担体を提供するステッ
プ、約50m2 /gから約290m2 /gの間の表面積
を有するマトリックス材を提供するステップ、少なくと
も約0.1の前記マトリックスに対する前記担体の重量
比を有する実質的に均質なペーストを形成するために前
記担体を前記マトリックスに混合するステップ、前記ペ
ーストを触媒要素に形成するステップ、および前記触媒
要素をか焼するステップであって、これにより前記触媒
活性相の第1の金属の少なくとも一部が前記担体から前
記マトリックスに移行して、前記マトリックスが触媒的
に活性となるステップを含んでなる。
【0011】さらに、本発明によれば、ナフサ原料から
窒素と硫黄を除去するための方法が提供される。この方
法は、初期窒素含量、初期硫黄含量および初期オクタン
価を有するナフサ原料を供給するステップ、初期窒素含
量よりも少ない低減窒素含量有する低減窒素原料を提供
するために前記ナフサ原料を酸性源と接触させるステッ
プ、初期窒素含量よりも小さい最終窒素含量、初期硫黄
含量よりも小さい最終硫黄含量および実質的に前記初期
オクタン価以上の最終オクタン価を有する最終生成物を
提供するために前記低減窒素原料を水素雰囲気下で、水
素異性化温度および圧力で、水素転化触媒システムと接
触させるステップを含んでなるものであり、前記最終生
成物は前記原料に対して増大した異性化成分を有し、ま
た芳香族含量の実質的に増大がないものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。本発明は触媒システムに関するものであり、特
に、原料を異性化してRON/MON値が改良されたガ
ソリンあるいはガソリン添加物を提供するために、ヘビ
ーナフサ、分解ナフサ直留ナフサなどを含むナフサ原料
の転化において使用するための、水素転化触媒に関する
ものである。本発明によれば、触媒はまた、触媒の急速
な不活性化を招くことなく、原料における硫黄および窒
素レベルを減じ、また不必要な芳香族化合物の生成を防
止する。
【0013】本発明はさらに、触媒の活性化および/ま
たは有害化を減じるために、本発明の触媒との接触の前
に、窒素を除去して、窒素リッチのナフサ原料を改質す
るための方法に関するものである。以下に詳細に説明す
る通り、本発明によるこの方法は、窒素含量を著しく減
じるために好適に機能するものであり、また本発明によ
る方法においては時間あるいはコストを著しく加えるも
のでなく、有効な方法である。この窒素除去方法は、本
発明の硫黄除去および水素添加方法、および窒素除去が
必要な用途と組み合わせて使用されるのに適している。
【0014】本発明の触媒は、マトリックス、マトリッ
クス内部あるいはマトリックスを通して分散される担
体、触媒的な活性を付与するためにマトリックス上ある
いはマトリックス内部に組み込まれた触媒的に活性な
相、および担体上に担持(support )された触媒的に活
性な相を含んでなる触媒システムを含んでいる。
【0015】マトリックスは、好ましくはアルミニウム
を、好ましくはメソポーラス(mesoporous)あるいはガ
ンマアルミナマトリックス(gamma alumina matrix)の
形態で含んでおり、またIIIA族の金属、好ましくは
ガリウムを含む触媒的に活性な相を担持している。
【0016】本発明の最も好ましい実施の形態によれ
ば、マトリックスは、さらに、マトリックスの活性相を
完全にする別の金属を含有ないし担持している。これら
の金属には、VIII族の金属、好ましくはニッケルま
たはコバルト、最も好ましくはコバルト、VIB族の金
属、好ましくはクロムまたはモリブデン、最も好ましく
はモリブデン、およびVA族の金属、好ましくは燐が含
まれる。上記の金属の、最終の触媒におけるモリブデン
に対するコバルトの重量の全体の比率は、好ましくは、
約0.5から5であり、また、モリブデンに対する燐の
重量の全体の比率は少なくとも約0.4である。この金
属の組合せにより、触媒システムに、下記の実験例によ
り例証されるような、顕著に改良された、予期しえない
特性を持たせることができる。
【0017】マトリックスの活性相のガリウム、コバル
トあるいはニッケル、モリブデンおよび燐は、触媒シス
テムの活性を所望の脱水素反応および水素化脱硫反応に
対する増大するため、マトリックスを触媒的に活性にさ
せるように機能する。
【0018】マトリックスは、好ましくは、約50m2
/gから約290m2 /gの間の表面積を有している。
マトリックスは、マトリックスのポア直径が好ましくは
約20オングストロームから約500オングストローム
の範囲にあり、「中間細孔状」である。マトリックスは
また、好ましくは、少なくとも95%の粒子が200ミ
クロンよりも小さく、少なくとも85%が90ミクロン
よりも小さく、少なくとも60%が45ミクロンよりも
小さく、また少なくとも40%が25ミクロンよりも小
さい、粒径分布を有している。
【0019】上記したマトリックスの物理的な特性によ
り、ヘビー原料の分子がマトリックスを通して分散され
あるいはマトリックス上に担持された担体および触媒的
に活性な金属に十分アクセスすることができるようにな
る。
【0020】担体は、好ましくは、ゼオライト触媒ある
いは他の金属珪酸塩、特にアルミノ珪酸塩のような、水
熱的に安定な多孔性の結晶シリコンのモレキュラーシー
ブ材である。担体は、好ましくは、ZSM−5あるいは
ZSM−12ゼオライトのようなMFIタイプのゼオラ
イトであり、また、本発明によれば、以下に例証するよ
うに、ZSM−5およびZSM−12の混合物を使用す
ることで、良好な結果が得られるものである。担体は、
好ましくは、約250m2 /gから約1200m2 /g
の間の表面積を有している。担体は、好ましくは、XR
D技術により2θの22°と25°の間に線を示すこと
で特徴付けられ、特に、これらの線は、基準線(main l
ine )として、Aに対しては(23、06)、(26、
226)および(23、856)に位置し、またBに対
しては(20、90)、(22、90)および(23、
17)に位置している。担体は好ましくは、少なくとも
約10、好ましくは約10から約200のSi/Alの
比を有している。
【0021】担体上に担持された触媒的に活性な相は、
好ましくは、複数の、好ましくは2つの、触媒的に活性
な金属を含んでいる。1つの金属はIIIA族の金属、
好ましくはガリウムあるいはホウ素、最も好ましくはガ
リウムである。他の金属は、VIB族の金属、好ましく
はクロムである。ガリウムとクロムはそれぞれ、最終的
な触媒内に、重量比で触媒の約0.01%から約5.0
%の間の量だけ酸化物として存在している。さらに、ク
ロムに対するガリウムの触媒内における全体の重量比
は、好ましくは、約1から約10である。最終的な触媒
はさらに、約10から約50の間の、Mに対するSiの
比を示し、Mは、アルミニウム以外のIIIA族の金属
とVIB族の金属として規定される。
【0022】最終的な触媒は、好ましくは、Si/Al
=0.01−1.0;Si/Ga=10−250;Si
/Cr=1−50;およびSi/(Ga+Al+Cr+
Mo+Co+P)=0.001−5.0、の原子比によ
り特徴付けられる化学的な表面組成を有している。この
触媒は、好ましくは、約0.5mmから約3mmの粒
径、約140m2 /gから約250m2 /gの表面積、
約0.3cc/gから約0.9cc/gのポア容積、お
よび約60オングストロームから約140オングストロ
ームのポア直径を有している。
【0023】本発明による触媒は、後述する実験例に示
したように、芳香族化合物を増大することなく改良され
た異性化を示し、また硫黄、窒素およびコークスなどの
混入による不活性化に対する耐性を有している。
【0024】本発明による触媒は、本発明により、次の
ようにして調製される。ゼオライト担体は、最初に所望
の触媒的に活性な相、好ましくはガリウムとクロム、を
担持して準備される。ガリウム元素およびクロム元素
は、含浸(impregnation)、交換(exchange)、直接的
な合成(direct syntheses)などの公知技術のいずれか
の手段により、ゼオライトに付着されあるいはゼオライ
ト上に担持される。なお、金属類が付いたゼオライト
は、好適には、1993年5月3日に出願された米国特
許出願第08/055,089号に開示された方法によ
り直接的に合成される。
【0025】金属がゼオライト担体上に含浸される場
合、クロムを最初に、次いでガリウムを含浸することが
好ましく、これにより、クロムの良好な分散が確保され
る。
【0026】含浸は、好ましくは、水系媒体内で金属塩
により行われる。好ましい塩にはCr(NO32 ・9
2 OおよびGa(NO32 ・9H2 Oなどが含まれ
るが、他の塩も使用することができる。水系媒体内で塩
を溶解することで、金属をモレキュラシーブ内部に有効
に交換ないし含浸することができる。
【0027】各含浸の後には好ましくは乾燥工程が続
く。乾燥工程は、約80℃から約150℃の間の温度、
好ましくは約120℃で、約0.5kg H2 O/時間
−kgに等しい水蒸気を含む空気流下で、約1時間から
約6時間の間だけ行われる。
【0028】本発明により担持されたゼオライトには、
酸化物の形態の各金属が約0.01wt%から約5.0
wt%の間の最終的な触媒組成を提供するための量のガ
リウムおよびクロムが設けられる。ゼオライト担体はま
た、好ましくは、約0.01から約5.0の間の、結果
としてのSi/Mの原子比を有し、Mは全部の活性相金
属である。
【0029】酸化物の形態である、金属の配合後、金属
を備えた担体は、実質的に均質なペーストを作るため
に、アルミナゲル材と混合される。このペーストは、こ
の時点では、例えば、円筒状、3裂(trilobe )および
/または4裂(quadlobe)の形状、粒剤、粒子あるいは
本発明の触媒システムを提供するために望ましい他の形
態に押し出されあるいは形成され、この形状および/形
態を纏めて触媒要素と称する。
【0030】触媒要素は、次いで、所望のVIII族、
VIB族およびVA族金属の塩の混合物を含有し水系溶
剤に含浸される。好ましい塩溶液は、Mo723(NH
46 ・4H2 O(アンモニウムヘプタモリブデン酸
塩;ammonium heptamolybate)、Co(NO32 ・6
2 0(硝酸コバルト)、H3 PO4 (燐酸)などを含
んでいる。含浸された触媒要素は、所望の金属をマトリ
ックス上に付着あるいは含浸したままにするために、上
記したように次いで乾燥される。当然のことであるが、
所望の金属は、当業者に公知の他の技術により配合ある
いは付着されるようにしても良い。さらに、必要に応じ
て、マトリックスとの混合の前に、マトリックス上に、
これらの金属を組合せても良い。
【0031】所望の金属がマトリックスと担体の両方の
上に位置したならば、最終的な触媒生成物を提供するた
めに、触媒要素が次いで本発明にしたがってか焼され
る。か焼工程の間、ガリウムに上記した表面比(surfac
e ratio )を提供するために、ゼオライト上に最初に担
持されたガリウムの一部が触媒のアルミナゲル(マトリ
ックス)部に移行する。よって、最終の触媒のマトリッ
クスは、コバルト、モリブデンおよび燐に加えてガリウ
ムを担持するアルミナマトリックスから構成され、これ
は、本発明において触媒システムを動作させるために重
要である。
【0032】本発明によれば、か焼は、約600℃で約
6時間、触媒の約0.5kg H20/時間−kgに等
しい水蒸気を含んだ空気流下で行われる。好ましくは、
か焼は、2段階で行われる。第1のか焼段階は、約12
0℃から約350℃の間で約1−6時間行われ、また、
第2のか焼段階は、約350℃から約700℃の間で約
1−6時間行われる。
【0033】上記した工程により、芳香族生成が増大す
ることなくナフサ原料を異性化することができ、また硫
黄、窒素およびコークスからの不活性化に対する耐性の
ある、本発明の触媒が提供される。この工程によれば、
ガリウムは、担体からマトリックスに移行して、触媒の
特性を改善する助けとなるように機能する。本発明の最
も好ましい実施の形態によれば、移行したガリウムはマ
トリックスのコバルト、モリブデンおよび燐とともに、
原料内の硫黄および窒素混入物の低減および耐性を高
め、またオクタン価が増大し改質された生成物を生じる
ために芳香族化合物の増大を招くことなく所望の異性化
反応に対する触媒の活性を高めることができる。
【0034】使用時には、触媒は、好ましくは所望の反
応を得るために有効な処理条件下、典型的には、約1バ
ールから約50バールの間の圧力、約250℃から約4
50℃の間の温度、約0.1から約3h-1の間の空間速
度、約30から約1000標準l/l供給の間の再循環
ガス比および約1から約10 l/l供給の間の再循環
液比を含む条件下で原料と接触される。反応段階の入口
における最小の水素分圧は、全体の圧力にもよるが、通
常は再循環流内における約50%の水素純度において、
約0.5バールから約40バールの間に調節される。
【0035】本発明による触媒は、好ましくは、固定ベ
ッドおよび/または結合ベッド構成である、多数の反応
段階で反応器内に導入される。この工程は、当業技術で
は公知であるが、1またはそれより多くの反応段階、置
換反応(swing reaction)段階、液およびガス再循環な
どを含んでいる。触媒は、好ましくは、デンスロード
(dense load)で約0.5mmから約3.0mmの間の
粒径で提供される。
【0036】再生の準備ができたときに反応器を流れな
しにする、制御あるいはセンサ装置とともに、好ましく
は複数の並列反応器が使用される。
【0037】本発明では、約50,000ppmまでの
硫黄含量を良好に処理できるが、好ましい原料は、約1
から約8500ppmの間の硫黄含量を有しているもの
である。
【0038】水素化脱硫工程は、原料中に高濃度の硫黄
が存在する場合に有用である。従来の水素化脱硫技術
は、60%より大きなファクターで硫黄を低減するため
に使用されている。しかしながら、このような硫黄低減
はしばしばオクタン価の損失を伴うものであった。本発
明によれば、このような脱硫された中間生成物は、硫黄
含量がさらに低減し、異性化した生成物の割合が大き
く、オクタン価が増大し(少なくとも原料の元のオクタ
ン価まで増大し、およびこれを越える可能性がある)、
また実質的に芳香族化合物の生成のない、最終生成物を
提供するために、本発明の触媒システムと接触する。水
素化脱硫は、一般的には、20,000ppmを越え、
好ましくは1,000ppmを越え、また約50,00
0ppmまでの硫黄含量を有する原料に好ましいもので
ある。
【0039】本発明の触媒システムと接触される原料
は、好ましくは、約1ppmから約20,000ppm
までの硫黄含量を有しているが、このような原料は通常
は少なくとも50ppmの最少の硫黄を含んでいる。
【0040】原料はまた、約200ppmまでの、好ま
しくは約25ppm以下の窒素含量を有している。本発
明によれば、触媒システムは、これら窒素の量に実質的
に影響されず、また水素転化工程の間において原料にお
ける窒素を減じるために有用である。
【0041】本発明によれば、原料の窒素含量を低減す
るための工程が設けられており、この工程は、本発明の
触媒が晒される窒素を低減するために本発明の水素処理
スキーム(hydroprocessing scheme)に適したものであ
り、これにより、窒素による触媒の不活性化および/ま
たは有害化をさらに制限することができる。
【0042】本発明によれば、上記したような硫黄含量
のみならず、10,000ppm(wt)を越える窒素
含量を有する初期の窒素リッチの原料が処理される。本
発明によれば、好ましくは、上記したような窒素リッチ
の原料は、本発明により処理されて、約200ppm以
下、より好ましくは約25ppm以下の低減された窒素
含量を有する低減窒素含量原料が提供される。
【0043】図1を参照して、本発明の窒素除去工程の
図式的な例示が説明されている。図示したように、高窒
素含量ナフサのような窒素含有原料は、酸性源、好まし
くは酸性水溶液と接触される。この接触ないし混合によ
り、水溶液内において、窒素含有ナフサからの窒素の除
去がなされる。低窒素含有ナフサと窒素含有水溶液の混
合物は、次いで、セパレータを通過し、ここで、低窒素
含有ナフサは窒素含有水溶液から分離され、好ましくは
本発明の水素化処理スキームにしたがって、別の処理が
なされ、また、窒素含有水溶液は、本発明にしたがっ
て、本発明による高窒素含有ナフサとの混合あるいは接
触の際の再使用のために、窒素を除去し、水溶液の酸性
濃度を再生するために処理される。
【0044】特定の理論による拘束されることなく、高
窒素含量ナフサ中に見出だされた窒素は典型的には、ア
ンモニアよりも強い塩基性である脂肪族アミン類、アニ
リン、インドールあるいはピリジンなどのような芳香族
あるいは環状アミン類のような、高級塩基性アミン類の
形態である。本発明によれば、酸性溶液との接触の間に
おいて、以下の一般式による塩を形成するために、アミ
ン類は酸と反応する。
【0045】
【化1】R3 NH2 +酸→アミン塩
【0046】上記によれば、窒素の特性が改善される。
ナフサ原料からのアミン類は、炭化水素溶媒中に溶解可
能なオディフェリアスな(odiferous )液体またはガス
である。本発明により形成されたアミン塩は、しかしな
がら、無臭、不揮発性な固体であり、また典型的には炭
化水素溶剤内に不溶である。これらのアミン塩は、しか
しながら、水中に溶解可能である。よって、高窒素含量
ナフサと酸性溶液との接触あるいは混合の結果、窒素
が、本発明にしたがって、酸性溶液内に抽出され、低窒
素含量ナフサおよび上記したアミン塩を含有した水溶液
が提供される。
【0047】本発明の方法によれば、さらに、低減窒素
含量ナフサおよび窒素含有水溶液は、次いで、セパレー
タを通過する、セパレータは、従来の油/水セパレータ
あるいは当業者に公知の他の装置であり、本発明にした
がって低窒素含有ナフサを窒素含有水溶液から分離す
る。
【0048】上記したように、典型的および好ましくは
約200ppm以下、より好ましくは約25ppm以下
の窒素含量を有する低窒素含有ナフサは、次いで、本発
明の触媒システムと接触し処理するために通過して本発
明の触媒システムの寿命および活性度が増進されるか、
あるいは、所望の他の方法において処理される。
【0049】本発明によれば、さらに、窒素含有水溶液
は、次いで、公知の技術によりそれからアミン塩を除去
あるいは浄化するために処理される。アミン塩が浄化さ
れた水溶液は、次いで、酸性度調整ステーションを通過
し、ここで、本発明にしたがって、所望のレベルに酸含
量を再生ないし戻すためにさらに酸が追加される。再循
環された酸性溶液は、次いで、好ましくは、本発明によ
り、さらに、本発明による高窒素含量ナフサ流と混合あ
るいは接触するために使用される。
【0050】高窒素含量ナフサと酸性溶液との接触のス
テップは、好ましくは、雰囲気圧力および温度で行われ
る。さらに、ナフサおよび酸性溶液は、好ましくは、ナ
フサ:酸性溶液が約50:50以下、より好ましくは約
50:50から約30:70(容積%)の比率で混合あ
るいは接触される。
【0051】本発明の工程において高窒素含量ナフサと
接触される酸性溶液は、好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸
およびこれらの水中での混合物からなる群から選択され
た酸の水溶液である。酸性溶液中の酸の濃度は、本発明
によれば、好ましくは、少なくとも約0.001mol
/lであり、より好ましくは約0.001mol/lか
ら約0.010mol/lの間である。
【0052】本発明によれば、さらに、好ましくは、本
発明において高窒素含量ナフサと混合される酸性溶液
は、単位時間ベースで、ナフサ原料の初期窒素含量の約
10倍以下の酸を含んでいる。
【0053】なお、本発明において窒素を除去する工程
は、本発明の水素化処理スキームと関連した予備処理ス
テップとして使用するために適したものである。さら
に、本発明の窒素除去プロセスは、他の処理あるいは触
媒システムを使用して処理される原料中の窒素含量を低
減するためにも同様に使用される。
【0054】本発明の触媒システムとの接触後の最終生
成物は、改良された特性を有する改質された生成物とし
て特徴付けされるものである。最終生成物では異性化成
分が約5−20%増大している。硫黄の低減量は、水素
化脱硫ステップの使用に応じて変動したものとなる。水
素化脱硫が使用された場合、硫黄は60%より多く、典
型的には約60%から約70%減じされる。原料が直接
本発明の水素転化触媒に供給された場合、硫黄低減は典
型的には少なくとも約20%から約40%からであり、
約30%から約70%になる。最終生成物はまた、芳香
族含量が実質的に変化せず、またオクタン価が約85R
ON(83MON)より大きくなる。オクタン価の実際
の増大は、当然であるが、原料に依存する。ヘビー直留
ナフサは典型的には、約30から約40RONだけ増大
し、一方、ヘビー分解ナフサの削減が約2から約10R
ONだけ増大する。
【0055】本発明による水素転化触媒との接触により
得られた最終生成物は、同様に、以下の実験例で例証す
るように、蒸留温度つまりT90値が改善されたものと
なる。
【0056】実験例1 本実験例では、本発明による2つの触媒の調製を例示す
る。2つの触媒の化学的な組成は、以下の表1に説明し
た。触媒は、次のようにして調製した。
【0057】H−ZSM5ゼオライトが担体として準備
され、またCr(NO33 ・H2OおよびGa(NO3
3 ・9H2 Oの水溶液に含浸した。含浸したゼオラ
イトはガンマアルミナマトリックスと組み合わされて実
質的に均質なペースが形成され、このペースとは押し出
しされ乾燥された。押し出しされた触媒要素は次いで、
0723(NH46 ・4H2 O、Co(NO32
6H2 O(触媒#1)、Ni(NO32 (触媒#
2)、およびH3 PO4 の水溶液に含浸された。含浸さ
れた固形物は、次いで乾燥されるとともに、表1に示し
た触媒を得るために、か焼された。
【0058】
【表1】 触媒の化学組成 CoMoP/Al23 NiMoP/Al23 +GaCr/H−ZSM−5 +GaCr/H−ZSM−5 Al(%) 18.0 16.9 Si(%) 24.0 16.4 Mo(%) 4.87 4.9 Co(%) 3.10 0 P (%) 1.30 0.9 Cr(%) 809 612 Ga(%) 3773 1210 Ni(%) 0 4.1 機械抵抗 5.7 4.7 (Kg/p) 表面積 204 213 (m2 /g)
【0059】触媒#1の表面組成は次のようにして、X
PS技術により決定した。
【0060】
【表2】 元素 % Co(2p3/2 ) 0.83 Mo(3d) 1.025 P 0.54 Al(2p) 17.43 Si(2p) 22.68 Ga(2p3/2 ) 0.16 Cr(2p3/2 ) 0.16 O(1s) 58.26
【0061】実験例2 本実験例では、ゼオライト担体上およびマトリックス上
にそれぞれ担持された活性金属の重要性を例証する。3
つの触媒が表3のようにして調製された。
【0062】
【表3】 触媒組成 触 媒 組成 A CoMoP/Al23 +GaCr/H−ZSM−5 B CoMoP/Al23 +H−ZSM−5 C Al23 +GaCr/H−ZSM−5
【0063】触媒Aは、本発明において最も好ましい触
媒であり、マトリックスおよびゼオライト担体の双方上
に活性相を有している。触媒Bはゼオライト上に活性金
属を有していない。触媒Cは、ゼオライト上に活性金属
を有しているが、マトリックス上にCoMoP金属を含
んでおらず、上記したようにか焼の間に移行されたGa
の部分を有するだけである。
【0064】触媒A、BおよびCは、温度350℃、4
00psiの圧力、H2 /n−C8比が7.33v/v
およびLHSVが3.75h-1において、n−オクタン
の水素異性化において使用された。表4に得られた結果
を示した。
【0065】
【表4】 触媒A 触媒B 触媒C 全転化率(%) 54.46 70.68 52.22 ガス収率(%) 14.87 36.35 19.43 液収率(%) 39.60 34.32 33.04 ガス生成物選択率(%) 27.30 51.43 37.21 C5+液生成物選択率(%) 72.70 48.57 63.29 飽和線形生成物(%) 5.79 9.35 5.18 異性体 C5+(%) 49.72 32.36 38.64 不飽和液生成物(%) 0.70 1.04 0.46 環状生成物(%) 10.55 5.43 9.10 芳香族化合物(%) 5.94 0.39 9.41
【0066】図示したように、触媒Aは異性体および最
も低いガス形成に対する選択性が最も高い。触媒Bはガ
ス生成物の選択性が比較的高いが、所望の異性体形成に
おいては最も低い。触媒Cは、本発明の広い範囲におい
て定式化されたものであり、全転化率が低く、またC5+
液生成物の選択性が低いが、良好な異性化を示してい
る。
【0067】よって、本発明によれば、Ga+Crだけ
でなく、Co、MoおよびPを含む発生相を有する触媒
Aが最も良い結果を提供した。
【0068】本発明により定式化されたものであり、マ
トリックスに移行されたガリウムを有する触媒Cも、同
様に所望の結果を提供した。
【0069】実験例3 実験例2の触媒Aをさらに、実験例2と同様な水素転化
条件下でヘビー直留ナフサの水素異性化に使用した。但
し、本発明の水素異性化プロセスにおける圧力の影響を
例証するため、異なる圧力150psigと400ps
igとした。結果を表5に示した。
【0070】
【表5】 原料 生成物 圧力(psig) 150 400 API 58.9 58.0 61.0 硫黄(ppm ) 94 49 25 窒素(ppm ) <1 <1 <1 Brナンバー <1 <1 <1 RVP(psi ) 2.81 5.60 7.0 RON 57.9 69.6 80.0 MON 57.0 69.6 80.0 パラフィン類(%V) 56 49 52 オレフィン類(%V) 0 1 0 ナフテン類(%V) 32 33 31 芳香族(%V) 12 17 16 模擬蒸留°F(T90) 0/10 133/169 81/160 77/138 30/50 214/248 210/244 196/239 70/90 284/324 282/324 270/297
【0071】図示したように、圧力が150から400
psigに増大するのとともにプロセスが改善された。
とくに、硫黄低減、RON、API重さおよびT90が
すべて改善された。なお、芳香族およびオレフィン含量
は実質的に所望のように変化しないままであり、またリ
ード蒸気圧は9psiより小さいままであった。
【0072】実験例4 本実験例では、市販の水素化脱硫触媒を使用した2段階
のプロセス、および水素転化に続く、本発明による実験
例2の触媒Aを使用したプロセスを例証する。水素化脱
硫は、340℃および400psig、および500N
v/VのH2 /HCと1.h-1のLHSVで行われた。
次いで、中間生成物の水素異性化が、300℃、700
psig、500Nv/vのH2 /HCおよび0.75
-1で行われた。結果は表6に含めて示した。
【0073】
【表6】 水素化脱硫 水素異性化 ヘビー分解ナフサ 中間体 最終生成物 API 46.3 52.3 56.5 硫黄(ppm) 8910 31 <20 RON 77 44 81 T90(°F) 410 385 334 Br.No. 78 <1 <1 収率(wt%) 95 90
【0074】上記の通り、水素化脱硫による硫黄が低減
したが、オクタン価(RON)も低減した。本発明の触
媒は、本発明が目標とした通り、低下したオクタン価を
原料より大きなレベルに回復し、硫黄含量をさらに低減
し、API重さを増大し、またT90を低減している。
【0075】実験例5 本実験例では、実験例4に類似した2段階のプロセスを
例証する。但し、ヘビーFCCナフサ原料および実験例
2の触媒Aを使用している。
【0076】水素化脱硫は、340℃、400psi
g、500Nv/VのH2 /HCと1.h-1のLHSV
で行われた。次いで、水素異性化が、330℃、700
psig、500Nv/vのH2 /HCおよび0.75
-1で行われた。本実験例の結果は表7に示した。
【0077】
【表7】 水素化脱硫 水素異性化 ヘビーFCCナフサ 中間体 最終生成物 API 33.2 硫黄(ppm) 3820 30 28 RON 92.8 88.1 91 T90(°F) 459 385 455 Br.No. 11 C5+(wt%) 94
【0078】上記のように、触媒Aによって硫黄含量が
さらに低減し、またRONはほぼ元の値に回復した。
【0079】実験例6 本実験例6では、以下の条件で原料を触媒に接触させる
ことで、高RONおよびMON値、および低RVP(リ
ード蒸気圧)および芳香族含量である、より最適に異性
化された炭化水素生成物への転換を行うために、低硫黄
含量(60ppm)の大気直留ナフサ(atomospheric s
traight-run naphtha )が本発明の触媒で処理すること
を例証する。 反応温度=280℃−320℃ 全圧力=200psig H2 /HC原料分子比=3 L.H.S.V.=1−2 h-1
【0080】原料は、本発明の触媒と接触する前に、従
来型の熱交換器を用いて発生蒸気により予備加熱され
た。表8に、反応が定常状態に達した後に得られた容量
沸点分布(volumetric boiling point distribution )
(T90)を示した。本発明の触媒を使用することで得
られる利点は、次のように要約される。つまり、低RV
P、良好なHDS活性(硫黄除去)、高オクタン価(R
ONおよびMON)の軽および中間の異性化された生成
物が高含量であること、および反応を通して芳香族化合
物の元の含量が変化しないこと、などである。
【0081】
【表8】 原料および生成物の特性 分布(容積%) 原料 生成物 IBP−10 36−86 95−98 30−50 101−117 103−109 70−90 135−157 114−119 FBP 195 125 API重さ 55 65 オクタン価(RON) 55 85 芳香族化合物(容積%) 17 17 硫黄 60ppm 5ppm
【0082】実験例7 本実験例では、高RONおよびMONで、芳香族生成が
なく、良好な硫黄除去および得られたRVPが良好な、
軽異性化されたガソリンを生成するために、本発明の触
媒に対して、適度な硫黄含量(600ppm)のFCC
の軽分留(65℃−170℃)が通常の原料として直接
使用できることを例証する。
【0083】本実験例は、原料を以下の条件下で触媒に
接触させることで行った。 反応温度=320℃−350℃ 全圧力=400psig H2 /HC原料比=5 L.H.S.V.=0.75h-1
【0084】原料は、本発明の触媒と接触する前に、従
来型の熱交換器を用いて発生蒸気により予備加熱され
た。表9に、反応が定常状態に達した後に得られた容量
沸点分布を示され比較されている。
【0085】
【表9】 原料および生成物の特性 分布(容積%) 原料 生成物 IBP−10 72−84 65−73 30−50 92−117 83−95 70−90 139−150 107−122 FBP 162 148 API重さ 55 57 オクタン価(RON) 92.6 95.2 硫黄 600ppm 74ppm
【0086】生成物は、高RON値、改良されたRVP
および芳香族生成がなくて硫黄が少ない、軽異性化され
たガソリンであった。
【0087】実験例8 本実験例では、硫黄含量がある、あるいは硫黄含量がな
い、直留あるいはヘビー分解ナフサのいずれかからの、
軽異性化された生成物に対する選択性のために、本発明
の触媒が、他のタイプのゼオライトではなくて、MFI
タイプのゼオライト(あるいは金属珪酸塩)を含まなけ
ればならないことを例証する。本実験例、および以下の
実験例9−11では、ゼオライトの変更による影響をよ
り明確に例証するため、コバルト、モリブデンおよび燐
などの金属がマトリックスに添加されていない。
【0088】GaCr/HY(非MFI)触媒の調製 この触媒は、MFIベースの触媒を調製するために使用
したのと同じ工程で調製した。市販のHYゼオライト1
00gが、全部で約0.01重量%から5重量%の量の
金属が出現し、またGa/Cr原子比が1から10の範
囲となるまで、Cr(NO33 ・9H2 OおよびGa
(NO33 ・9H2 Oの水溶液に含浸された。含浸さ
れた担体はマトリックスと組み合わされて均質なペース
トが形成され、このペーストは押し出しされ、次いで、
か焼された。
【0089】この触媒は、次いで、同じ金属および量で
形成され、市販のH−ZSM−5ゼオライト上に同じ工
程で調製された、本発明により調製されたMFIベース
の触媒と比較された。この結果は表10に示した。
【0090】
【表10】 触媒の活性および選択性 GaCr/Hy+アルミナ GaCr/ZSM-5 +アルミナ 液収率(%) 46.81 59.88 BTX(%) <1 <1 異性体C5 +(%) 3.73 34.72 I/C比 <1 1.04 ガス収率(%) 53.19 40.12 C1 −C4 (%) 77.28 94.55 C3 =(%) 22.72 5.45
【0091】表10は、明らかに、実験例6を行うため
に使用したのと同じ操作条件で同じ原料から軽異性化さ
れたガソリンを生成する際において、GaCr/ZSM
−5触媒の活性、選択性および安定性が改善されたこと
を示している。一方、同じ条件および同じ原料におい
て、GaCr/HY触媒は、不要な分解および脱水素化
の活性を示した。
【0092】実験例9 本実験例では、ナフサ原料(分解またはそうでないも
の)において触媒により最良に異性化するためには、触
媒の担体がガリウムとクロムの両方を含まなければなら
ないことを例証する。3つの触媒、つまり、1つはガリ
ウムだけ(Ga/ZSM−5)を有するもの、1つはク
ロムだけ(Cr/ZSM−5)を有するもの、そして第
3は発明によるガリウムとクロムを両方(GaCr/Z
SM−5)を有するものが調製された。各触媒は、同じ
量のガリウム、クロム、およびガリウム+クロムをそれ
ぞれ含むように調製された。
【0093】Ga/ZSM−5触媒の調製 この触媒は、本発明のGaCr/ZSM−5ベースの触
媒を調製するのに使用したのと同じ工程で調製した。G
aCrベースの触媒を調製するために使用した同じ市販
のHZSM−5ゼオライト100gが、1つの活性金属
だけを存在させた、Ga(NO33 ・9H2 Oの水溶
液に含浸された。含浸された担体をアルミナマトリック
スと組み合わせて均質なペーストを作成し、このペース
トは押し出しされ、次いで、か焼された。
【0094】Cr/ZSM−5触媒の調製 この触媒は、本発明のGaCr/ZSM−5ベースの触
媒を調製するのに使用したのと同じ工程で調製した。G
aCrベースの触媒を調製するために使用した同じ市販
のHZSM−5ゼオライト100gが、1つの活性金属
だけを存在させた、Cr(NO33 ・9H2 Oの水溶
液に含浸された。含浸された担体をアルミナマトリック
スと組み合わせて均質なペーストを作成し、このペース
トは押し出しされ、次いで、か焼された。これらの触媒
は、同じ市販のH−ZSM−5ゼオライト上に同じ金属
と量および同じ工程で調製した、GaCr/ZSM−5
ベースの触媒と比較された。結果は以下の表11に示し
た。
【0095】
【表11】 触媒の活性および選択性 Ga/ZSM-5 + Cr/ZSM-5 + GaCr/ZSM-5 + アルミナ アルミナ アルミナ 液収率(%) 10.16 56.55 59.88 BTX(%) >89 <1 <1 異性体C5 +(%) 2.13 10.62 34.72 I/C比 1.02 1.03 1.04 ガス収率(%) 89.84 43.45 40.12
【0096】表11は、実験例6を行うために使用され
たのと同じ操作条件で、同じ原料から軽異性化されたガ
ソリンを生成する際において、本発明によるGaCr/
ZSM−5触媒の活性、選択性および安定性が改良され
たことを示している。Ga/ZSM−5触媒の場合の芳
香族化、およびCr/ZSM−5触媒の場合の分解およ
び脱水素化の活性のような不要な副反応は、最終生成物
中にGaおよびCrの両方が存在しない場合には好まし
いものである。
【0097】実験例10 本発明の触媒は、最終生成物が、活性化(つまり、か
焼)の後に、触媒の表面上にガリウム濃縮を有している
ことを示すために解析された。これは、触媒活性を有す
るGa23 /Al23 マトリックスを提供するため
に、担体からマトリックスへのガリウムの移行のよる結
果であると考えられる。
【0098】市販のZSM−5ゼオライト100gが、
全部で約0.01重量%から5重量%の量の金属が出現
し、またGa/Cr原子比が1から10の範囲となるま
で、Cr(NO33 ・9H2 OおよびGa(NO3
3 ・9H2 Oの水溶液に含浸された。含浸された担体は
マトリックスと組み合わされて均質なペーストが形成さ
れ、このペーストは押し出しされ、次いで、か焼され
た。
【0099】活性がある、あるいは活性のない触媒表面
は、XPS(X線光電子分光法)技術を使用して特性付
けすることができる。元素の相対存在量が、X線放出源
としてAl α陽極を使用して試験された。得られた結
果を表12に示した。
【0100】
【表12】 か焼の有無によるXPS表面特性 GaCr/ZSM-5+Al2 O 3 乾燥した新しい触媒 活性化したもの Si/Al表面比= 0.1475 0.1711 Si/Ga表面比= 8.5968 7.4750 Si/Cr表面比= 42.98 37.37 Ga/Si+Al+Cr表面比= 0.015 0.020 表面BET=300+/−10m2 /g
【0101】単に乾燥しただけの新しい触媒は、活性化
したものよりも、触媒表面におけるガリウムが少なかっ
た(高Si/Ga比)。活性化された触媒はまた、表面
にアルミニウムが少なく、またクロムが多かった。よっ
て、活性化ステップにより、マトリックスへのガリウム
の移行の結果、触媒表面にガリウム濃縮がなされ、マト
リックスの活性が増大した。
【0102】実験例11 本実験例では、Ga23 /Al23 を形成するため
のマトリックスへのガリウムの移動がマトリックスを触
媒的に活性な相として、最終的な触媒システムをより活
性のあるものとすることを例証する。
【0103】本実験を行うため、Ga23 /Al2
3 の混合物のサンプルが従来の工程により調製され、ま
た実験例6と同じ反応条件下で反応器内に載置された。
【0104】押し出ししない(アルミナ含量なし)Ga
Cr/ZSM−5を触媒として使用して、実験例6と同
じ条件下で他の実験を行った。
【0105】得られた結果を実験例6と比較した。表1
3には、本発明のGaCr/ZSM−5+Al23
媒が、GaCr/ZSM−5触媒およびGa23 /A
23 の単なる混合物により得られた活性の合計より
も、この反応に対してより活性があり、ガス収率が低
く、また異性体生産量が多いことを、明らかに示されて
いる。この混合物はまた、芳香族化合物およびコークス
形成が多いことが分かる。さらに、この比較により、本
発明の触媒は、このプロセスに対して、安定と選択性が
高い触媒であることが例証された。
【0106】
【表13】 良質品の触媒の活性および選択性(実施時間=6時間) Ga2 O 3 /Al2 O 3 GaCr/ZSM-5 GaCr/ZSM-5+Al2 O 3 全転化率(%) 3.58 43.88 52.18 ガス収率(C1 -C4 )(%) 14.01 25.63 19.43 液収率(C5 + )(%) 85.99 74.37 80.57 異性体(C5 + )(%) 0.01 28.76 30.80 環状生成物(%) >0.01 1.48 2.11 飽和線形生成物(%) 98.57 10.64 8.15 不飽和液生成物(%) >0.05 1.53 4.85 芳香族生成物(%) >0.01 0.78 1.88 コークス(%) 1.34 2.89 4.56
【0107】これらの結果により、本発明により調製さ
れた触媒の再生性(regenerability)、安定性および再
現性(reproducibility )が明確に確認された。
【0108】実験例12 本実験例は、本発明により、高窒素含量のFCC−C8
+ナフサ画分原料から窒素を除去することが例証されて
いる。
【0109】91ppm(wt)の初期窒素含量、8
4.3ppm(wt)の基礎窒素を有するナフサ原料
を、0.001および0.010mol/lの濃度を有
する塩酸の酸性溶液と接触させた。高窒素含量のナフサ
原料を、50:50(容積%)のナフサ:酸性溶液の比
で塩酸の酸性溶液と接触させた。初期接触後、低窒素含
量のナフサは窒素含量、およびアミン塩含有水溶液が得
られた。低窒素含有ナフサは窒素含量、および重量%に
対する水素化脱窒(HDN)が計測された。図2および
図3は、ナフサ:酸性溶液の比が50:50および3
0:70の場合での、これらの試験の結果をそれぞれ示
したものである。
【0110】図2を参照して、0.010の酸性濃度お
よび50:50のナフサ:酸性溶液に対しては、滞留時
間はHDN値に顕著な影響を与えていないことが判る。
【0111】図3を参照して、ナフサ:酸性溶液の比率
を30:70まで減じることで、0.001mol/l
の酸性濃度において良好な結果が得られることが判る。
【0112】酸性溶液中におけるより高い濃度の酸を使
用し、またより高いナフサ:酸性溶液の比、つまり7
0:30の比を使用して、別の窒素除去プロセスが行わ
れた。表14に、上記の窒素除去の試験の結果を示し
た。
【0113】
【表14】
【0114】表14に示したように、酸濃度が0.01
0mol/lより大きくなっても、窒素除去の効率が著
しく改善されない。さらに、ナフサ:酸性溶液の比が7
0:30まで増大しても相対的に良好な結果が得られな
い。
【0115】実験例13 本実験例は、FCCの全範囲のナフサ原料を使用した、
本発明の窒素除去プロセスを例証するものである。本実
験例では、窒素除去プロセスは2つのレベルの酸濃度、
つまり、0.01mol/lと0.001mol/l
で、また50:50のナフサ:酸性溶液の比で行った。
表15に、これらのプロセスの結果を示した。
【0116】
【表15】
【0117】表15に示したように、これらの結果は、
上記の実験例12において観察されたのと同じパターン
が例証された。これは、全範囲のナフサにおけるC8−
画分が約10容量%であり、また図4に示したFCC留
分分布曲線における典型的な窒素含量から判るように、
この軽量画分にける窒素含量が1ppm wt.より少
ないことから、期待した通りものである。全範囲のナフ
サのC8−画分の低窒素含量からして、使用した50:
50の比率において酸性溶液に対する窒素含量の有効な
低減が成された。これにより、全範囲のナフサ原料を使
用したときでも窒素除去がわずかながら改良された。添
付した図5には、実験例12および13の結果との間に
おけるこの比較が例証されている。
【0118】実験例14 本実験例では、FLEXI−COKERユニットからの
不安定ナフサ(unstable naphtha)を使用した、本発明
による窒素除去プロセスを例証する。本実験例では、ナ
フサ:酸性溶液の比が50:50と30:70で、滞留
時間5時間において、酸濃度は0.01mol/lと
0.1mol/lの間で変化させた。添付した図6に
は、0.01mol/l酸濃度においても、最も塩基性
の窒素が除去された(97wt%)ことが例証されてい
る。また、酸濃度が0.01mol/lより大きく増大
しても、あるいはナフサ:酸性溶液の比率が減少して
も、窒素抽出における実質的な減少はなかった。
【0119】同様に、本実験例では、本発明により生成
された低窒素含量のナフサについて、塩素含量の増大が
評価された。結果は以下の表16に示した通りである。
図示したように、多くの場合は、ナフサ中の初期含量に
対して塩素が1ppm(wt.)より少ないオーダー
で、やや増大があっただけである。さらに、この追加さ
れた塩素は無機の形態であり、このため、追加された塩
素はナフサ原料中に残った酸性溶液のこん跡によるもの
であると思われる。
【0120】
【表16】
【0121】表16に示したように、本発明により得ら
れた低窒素含有ナフサ原料における塩素のわずかな増加
は、塩素レベルの予想された濃度範囲を越えるものでは
なかった。
【0122】実験例15 本実験例では、7ppm wt.の窒素含量で他の特性
を以下の表17に示したFCCハート留分(heart cut
)(193−271°F)のガソリンを、本発明の触
媒システムを使用して処理した。
【0123】
【表17】 実験例15の原料特性 ナフサ画分 193−271°F 全範囲のパーセント 容量% 19.8 重量% 20.2 生成率、bpsd 8、000 比 重 0.764 API重さ 53.6 硫 黄、wppm 1783 窒 素、wppm 7 臭素価 53.2 パラフィン類、容積% 5.93 イソパラフィン類、容積% 20.7 オレフィン類、容積% 24.9 ナフテン類、容積% 25.7 芳香族化合物、容積% 22.8 オクタン RON/MON 85.7/77.9 RVP、psig 2.11 蒸留、°F 推定量 容積% IBP/5 −/185 10/30 193/210 50/70 235/245 90/95 275/285 FBP −
【0124】反応器に、市販の水素化処理用触媒1/3
およびISAL触媒(ISALはIntevep、S.
A.の商標)2/3含んでなる触媒を充填した。操作条
件は、水素分圧290psig、反応器温度635°
F、および空間速度1.5H-1とした。以下の表18
に、このプロセスの最終生成物の特性を説明した。本実
験例では、硫黄含量は1、783ppm wt.から7
ppm wt.に低減し、またオレフィン含量は24.
9容積%から2.8容積%に低減した。モーター法オク
タン価は実質的に一定であった。なお、このような特性
を備えた生成物は優れた再生ガソリン成分である。
【0125】
【表18】 実験例15のISAL生成物特性 液収率(C5+) 容量% 95.2 重量% 94.8 比 重 0.7613 API重さ 54.4 硫黄、wppm 7 窒素、wppm <1 臭素価 <1 パラフィン類、容積% 49.5 オレフィン類、容積% 2.8 ナフテン類、容積% 24.7 芳香族化合物、容積% 23.0 オクタン RON/MON 81.4/77.9 RVP、psig 4.0 蒸留、°F 推定量 容積% IBP/5 −/162 10/30 173/215 50/70 228/240 90/95 275/287 FBP −
【0126】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は本発明の要旨を逸脱することなく、種々の形態
で実施することができる。よって、上記した各実施の形
態は例示的であり、非限定的なものであって、本発明の
範囲は添付した請求の範囲により示され、この範囲に含
まれるすべての変更は本発明に包含されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒素除去プロセスの図式的な説明
図である。
【図2】50:50(容積%)のナフサ:酸性溶液の比
で0.010mol/lと0.001mol/lの酸性
濃度を使用してFCC−C8+ナフサ画分から窒素除去
をした結果を示したグラフである。
【図3】30:70(容積%)のナフサ:酸性溶液の比
で0.010mol/lと0.001mol/lの酸性
濃度を使用してFCC−C8+ナフサ画分から窒素除去
をした結果を示したグラフである。
【図4】FCCナフサ留分における典型的な窒素分布を
示したグラフである。
【図5】実験例12と13の結果を比較したグラフであ
る。
【図6】50:50(R1)および30:70(R3)
のナフサ:酸性溶液の比に対するコーカーナフサ原料か
らの窒素除去を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10G 35/095 C10G 35/095 45/12 45/12 Z (72)発明者 エウセビオ パルミサノ ヴェネズエラ,カラカス,モンタルバ ン,アプト.2 ビー,レス.コロノ ト,カレ 6 モンタルバン III (72)発明者 ウオルフガング ジェイ.ガルシア ヴェネズエラ,エド.ミランダ,ウル ブ.ピコット,ダット.ロス サリアス (72)発明者 ロドルフ ブルノ ソラリ ヴェネズエラ,ロス テケス,ウルブ. サンタ ロサ セクタ エル タンボル (56)参考文献 特開 昭56−16591(JP,A) 特開 昭55−134642(JP,A) 特開 昭63−159494(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10G 67/08 B01J 29/46 B01J 29/48 C10G 17/00 C10G 35/04 C10G 35/095 C10G 45/12

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素および硫黄リッチのヘビーナフサ原
    料を改質する方法であって、 初期窒素含量、初期硫黄含量および初期オクタン価を有
    するナフサ原料を供給するステップと、 前記初期含量よりも少ない低減窒素含量を有する低減窒
    素原料を生成するために前記ナフサ原料を酸性源と接触
    させるステップと、 前記初期窒素含量よりも少ない最終窒素含量および前記
    初期硫黄含量よりも少ない最終硫黄含量を有し、また前
    記原料の初期オクタン価以上の最終オクタン価を有する
    最終生成物を生成するために前記低減窒素原料を水素雰
    囲気下で水素転化触媒システムと接触させるステップと
    を含んでなり、前記最終生成物は、前記原料に対して、
    異性化成分が増大し、かつ、芳香族含量が実質的に増大
    していないものであり、 前記触媒システムが、 触媒活性のあるマトリックス、 前記マトリックスを通して分散されるとともに、シリコ
    ンモレキューラシーブ材を含んでなる担体、および 前記
    担体上に担持されるとともに、元素周期表のIIIA族
    から選択された第1の金属および元素周期表のVIB族
    から選択された第2の金属を含んでなる触媒活性相を含
    んでなるものであり、 前記マトリックスが、元素周期表のIIIA族から選択
    された第1の金属および第2の金属を含んでなるもので
    ある ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記原料が、約1ppmと約20、00
    0ppmの間の初期硫黄含量を有するものであることを
    特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記最終硫黄含量が、前記初期硫黄含量
    の約30%と約60%の間であることを特徴とする請求
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記最終オクタン価が前記初期オクタン
    価よりも約2と約40の間だけ大きいことを特徴とする
    請求項記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記原料がヘビー直留ナフサであり、前
    記最終オクタン価が 約30から約40の間だけ前記初期
    オクタン価よりも大きいことを特徴とする請求項1記載
    の方法。
  6. 【請求項6】 前記原料がヘビー分解ナフサであり、前
    記最終オクタン価が約2から約10の間だけ前記初期オ
    クタン価よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  7. 【請求項7】 前記マトリックスが約50m2 /gから
    約290m2 /gの間の表面積を有し、前記担体が約2
    50m2 /gから約1200m2 /gの間の表面積を有
    することを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記マトリックスに含まれる前記第1の
    金属がアルミニウムであり、前記マトリックスに含まれ
    る前記第2の金属がガリウムであることを特徴とする請
    求項記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記マトリックスがさらに、元素周期表
    のVIII族から選択された第3の金属、VIB族から
    選択された第4の金属、VA族から選択された第5の金
    属の金属を含むことを特徴とする請求項記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記マトリックスに含まれる前記第1
    の金属がアルミニウムであり、前記マトリックスに含ま
    れる前記第2の金属がガリウムであり、前記第3の金属
    がコバルト、ニッケルおよびこれらの混合物からなる群
    から選択されたものであり、前記第4の金属がモリブデ
    ン、クロムおよびこれらの混合物からなる群から選択さ
    れたものであり、および前記第5の金属が燐であること
    を特徴とする請求項記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第3の金属がコバルトであり、前
    記第4の金属がモリブデンであることを特徴とする請求
    10記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記接触させるステップが、前記低減
    窒素原料および窒素含有溶液の混合物を提供するため
    に、所望の酸性濃度を有する酸性溶液と前記原料を混合
    するステップと、前記低減窒素原料を前記窒素含有溶液
    から分離するステップとを含んでいることを特徴とする
    請求項記載の方法。
  13. 【請求項13】 窒素を除去して前記酸性溶液を提供す
    るために、前記窒素含有溶液を処理するステップ、およ
    び前記接触させるステップを繰り返すステップとをさら
    に含むことを特徴とする請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記窒素含有溶液が窒素塩を含み、ま
    た前記処理するステップが、前記窒素塩を除去するとと
    もに、前記酸性溶液に前記所望の酸性濃度を付与するた
    めに十分な酸を加えることを含むことを特徴とする請求
    13記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記混合するステップが、前記原料と
    前記酸性溶液を、容積で約50:50以下の原料:溶液
    の比で混合することを含んでなることを特徴とする請求
    12記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記混合するステップが、前記原料と
    前記酸性溶液を、容積で約50:50から約30:70
    の間の原料:溶液の比で混合することを含むことを特徴
    とする請求項12記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記所望の酸性濃度が少なくとも約
    0.001mol/lであることを特徴とする請求項
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記所望の酸性濃度が約0.001m
    ol/lから約0.01mol/lの間であることを特
    徴とする請求項12記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記酸性溶液が、塩酸、硫酸、硝酸お
    よびこれらの混合物からなる群から選択された酸の溶液
    からなるものであることを特徴とする請求項12記載の
    方法。
  20. 【請求項20】 前記ナフサ原料が、少なくとも約10
    ppm(wt)の前記初期窒素含量を有し、前記酸性源
    が、単位時間ベースで、前記初期窒素含量の約10倍以
    下の量の酸を含んでいることを特徴とする請求項記載
    の方法。
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