JP3178393B2 - 行動生成装置、行動生成方法及び行動生成プログラム記録媒体 - Google Patents

行動生成装置、行動生成方法及び行動生成プログラム記録媒体

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JP3178393B2 JP30856197A JP30856197A JP3178393B2 JP 3178393 B2 JP3178393 B2 JP 3178393B2 JP 30856197 A JP30856197 A JP 30856197A JP 30856197 A JP30856197 A JP 30856197A JP 3178393 B2 JP3178393 B2 JP 3178393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ロボット等の模
擬生物、及び、コンピュータシステムのディスプレイ等
に表示される仮想生物等の人工生物モデルが実行すべき
自律的な行動を生成する行動生成装置、行動生成方法及
び行動生成プログラム記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボット等の模擬生物やコンピュータシ
ステムのディスプレイ等に表示される仮想生物として、
従来より外部から入力された情報に応じて自律的に行動
するようにした人工生物モデルが存在する。従来より、
この種の人工生物モデルが実行する行動を、現実の生物
の行動にできるだけ近似させる試みが多くなされてい
る。
【0003】ここで、現実の生物は、経験に基づく学習
により知識を獲得し、獲得した知識を状況に応じて利用
することにより、反応としての行動を行うことができる
状況を次第に増やし、多様な行動パターンを自律的に生
成する。また、現実の生物は、特定の状況に長期間にわ
たって遭遇しない場合には、その状況に対する反応行動
を忘れ、状況に対する反応が遅れたり、全く反応できな
くなる等の忘却と呼ばれる現象を生じる。さらに、現実
の生物には、反応すべき事象が同時に複数存在する場合
に自分にとって反応する価値の最も高い事象のみに対し
て行動するといった意識が存在する。
【0004】したがって、現実の生物の行動の生成には
学習、忘却及び意識が不可欠であり、人工生物モデルの
行動を現実の生物の行動に近似させるためには、状況に
対して行うべき行動の生成過程において学習、忘却及び
意識の概念が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
人工生物モデルでは、刺激としての外部状況と出力とし
ての行動との関係が予め固定的に決定されており、状況
に応じた行動を経験に基づく学習によって知識として獲
得することができないものが一般的である。また、外部
刺激や内部状態の履歴に基づいて反応パターンとしての
行動を生成するようにしたものも提案されているが、こ
の場合にも予め想定されていない状況に対しては適当な
反応パターンを生成することができない。このような場
合に、起こりうる全ての状況を予め想定することは困難
であるとともに、多数の状況を想定して記憶しておくた
めには容量の大きな記憶手段が必要で現実的でない。
【0006】また、従来の人工生物モデルでは、過去の
刺激や内部状態の履歴に基づいて反応パターンを生成す
る際に、新しい履歴データの重み値を大きくするととも
に古い履歴データの重み値を小さくすることによって反
応パターンの生成に忘却の概念を取り入れるようにした
ものがあるが、このような反応パターンの生成方法で
は、個々の刺激や内部状態に関する履歴データを保存し
ておくために容量の大きな記憶手段が必要になる問題が
ある。
【0007】さらに、従来の人工生物モデルでは、意識
の概念を用いて刺激に対する反応行動を生成するように
したものがなく、反応すべき事象が同時に複数存在する
場合に、全ての事象に対して反応行動を生成しようとす
る結果、処理時間が長時間化して反応行動の実行が遅れ
たり、反応行動の優先順位を決定できずに所謂デッドロ
ック状態に陥る等の問題がある。
【0008】この発明の目的は、学習、忘却及び意識の
概念に基づいて状況に対して自律的な行動を生成するこ
とにより、現実の生物の行動に極めて近似した行動を生
成することができる行動生成装置、行動生成方法及び行
動生成プログラム記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1、9及び17に
記載した発明は、外部情報を検出する外部情報検出部
と、特定の刺激や物体を得ようとする取得目標と、特定
の刺激や物体を避けようとする回避目標との2種類の行
動目標を含む予め定められた複数の基本行動目標を記憶
するとともに、各基本行動目標の優先順位を表し経時的
に変化する重要度を記憶する基本行動目標記憶部と、外
部情報検出部が検出した外部情報と基本行動目標記憶部
が記憶している各基本行動目標との関係を、外部情報の
基本行動目標の達成への関連度として記憶し、且つその
関連度を該外部情報のある毎に可変する獲得行動目標記
憶部と、を設け、基本行動目標記憶部及び獲得行動記憶
部が記憶している記憶内容に基づいて外部情報検出部が
検出した外部情報に対して実行すべき行動を決定するこ
とを特徴とする。
【0010】請求項1、9及び17に記載した発明にお
いては、検出した外部情報と予め定められた基本行動目
標との関係から新たな行動目標を獲得行動目標として学
習し、学習した獲得行動目標を含めた行動目標に基づい
て外部情報に対して実行すべき行動が決定される。した
がって、外部情報に対して実行すべき行動を決定するた
めの行動目標が学習により補充され、行動目標との関係
が予め定められていない外部情報に対しても実行すべき
行動が自律的に決定される。
【0011】請求項2、10及び18に記載した発明
は、複数の外部情報のそれぞれについて獲得行動目標を
保存すべき期間を表す記憶度を記憶し、記憶度に基づい
て各獲得行動目標を個別に消去することを特徴とする。
【0012】請求項2、10及び18に記載した発明に
おいては、学習により獲得した新たな行動目標が記憶度
に基づいて個別に消去される。したがって、新たに獲得
した行動目標の一部が消去され、外部情報に対して実行
すべき行動を決定するための行動目標が過度に保存され
ることがない。
【0013】請求項3、11及び19に記載した発明
は、前記記憶度のそれぞれを時間経過に伴って個別に減
少することを特徴とする。
【0014】請求項3、11及び19に記載した発明に
おいては、時間経過にともなって減少する記憶度にした
がって獲得行動目標が個別に消去される。したがって、
外部情報に対して実行すべき行動を決定する際に、現実
の生物に生じる忘却現象が再現される。
【0015】請求項4、12及び20に記載した発明
は、前記記憶度のそれぞれを各外部情報についての獲得
行動目標の使用状態に応じて個別に増減することを特徴
とする。
【0016】請求項4、12及び20に記載した発明に
おいては、使用状態に応じて減少する記憶度にしたがっ
て獲得行動目標が個別に消去される。したがって、外部
情報に対して実行すべき行動を決定する際に、各外部情
報の出現頻度に応じて現実の生物に生じる忘却現象がよ
り忠実に再現される。
【0017】請求項5、13及び21に記載した発明
は、複数の基本行動目標のそれぞれの優先順位を表す重
要度を記憶することを特徴とする。
【0018】請求項5、13及び21に記載した発明
は、前記外部情報に対して実行すべき行動が、前記取得
目標の達成または紛糾で喜びまたは怒りの感情の出力に
基づくものとなり、前記回避目標の達成または紛糾で安
堵または嫌悪の感情の出力に基づくものとなることを特
徴とする。
【0019】請求項6、14及び22に記載した発明
は、複数の外部情報のそれぞれについて基本行動目標と
の関連度を記憶することを特徴とする。
【0020】請求項6、14及び22に記載した発明に
おいては、各基本行動目標に関係する複数の外部情報の
それぞれについて、その基本行動目標との関連度が付与
される。したがって、外部情報に対して実行すべき行動
を決定する際に、外部情報のそれぞれに付与された関連
度を参照することにより、同一の基本行動目標に関係す
る複数の外部情報が同時に検出された場合にも、単一の
外部情報に対する単一の行動が決定される。
【0021】請求項7、15及び23に記載した発明
は、前記関連度のそれぞれを各外部情報についての獲得
行動目標の使用状態に応じて個別に増減することを特徴
とする。
【0022】請求項7、15及び23に記載した発明に
おいては、各外部情報に付与された関連度が、その外部
情報についての獲得行動目標の使用状態に応じて個別に
増減される。したがって、外部情報に対して実行すべき
行動を決定する際に、外部情報のそれぞれに付与された
関連度を参照することにより、同一の基本行動目標に関
係する複数の外部情報が同時に検出された場合にも、出
現頻度の最も高い単一の外部情報に対する単一の行動が
決定される。
【0023】請求項8、16及び24に記載した発明
は、前記重要度、及び、前記関連度にしたがって、検出
した複数の外部情報のいずれかを選択し、選択した外部
情報について基本行動目標又は獲得行動目標に基づいて
実行すべき行動を決定することを特徴とする。
【0024】請求項8、16及び24に記載した発明に
おいては、複数の外部情報が同時に検出された際に、前
記重要度、及び、前記関連度を参照して単一の外部情報
に対して実行すべき行動が決定される。したがって、外
部情報に対して実行すべき行動を決定する際に、現実の
生物に生じる意識的な選択が模擬的に再現される。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態に係
る行動生成装置が適用される人工生物モデルの構成を示
す図である。人工生物モデル1は、アクチュエータを介
して現実世界において行動するロボット等の模擬生物、
又は、コンピュータシステムを構成するディスプレイ内
の仮想世界において行動する仮想生物である。人工生物
モデル1は、外部情報検出部2、知識設定記憶部3、認
識評価部4、状態記憶部5、行動計画部6及び動作出力
部7によって構成されている。以下に人口生物モデル1
の各部の構成及び処理内容を、 1 外部情報検出部 2 知識設定記憶部 2−1 目標記憶部 2−2 経験知識記憶部 3 認識評価部 3−1 認識部 3−2 意識レベル計算部 3−3 評価部 4 状態記憶部 4−1 外部状態記憶部 4−2 内部状態記憶部 4−2−1 内部状態起因の抽出処理 4−2−2 内部状態の更新処理 5 行動計画部 6 動作出力部 6−1 歩行動作及び方向転換 6−2 顔表情合成 6−3 音声合成 7 人工生物モデルの処理手順 の順に説明する。
【0026】1 外部情報検出部 外部情報検出部2は、人間等の他の生物を含む外部環境
から刺激としての外部情報を検出する。この外部情報検
出部2は、例えば、CCDカメラ、マイクロフォン、振
動センサ又はマウス等の入力装置によって構成される。
【0027】2 知識設定記憶部 知識設定記憶部3は、図2に示すように、先天的行動目
標を記憶する目標記憶部11、及び、後天的行動目標を
記憶する経験知識記憶部12によって構成されている。
【0028】2−1 目標記憶部 目標記憶部11は、人工生物モデル1に生得的に備わっ
ている目標や欲求に疑似する行動目標を、この発明の基
本行動目標である先天的行動目標として記憶する。この
先天的行動目標は、人工生物モデル1の製造時に予め設
定されるとともに、飼い主であるユーザにおいて初期的
に設定するようにしてもよい。
【0029】目標記憶部11に記憶される先天的行動目
標には、人工生物モデル1が特定の刺激や物体を取得し
ようとする取得行動目標と、人工生物モデル1が特定の
刺激や物体を避けようとする回避行動目標と、がある。
先天的行動目標としては、例えば、 目標1:「撫でられる触覚刺激を取得する」 目標2:「光刺激を取得する」 目標3:「叩かれる触覚刺激を回避する」 目標4:「飲食物を取得する」 目標5:「飼い主の喜びを取得する」 目標6:「飼い主の怒りを回避する」 目標7:「飼い主の悲しみを回避する」 があり、目標1、2、4、5が取得目標であり、目標
3、6、7が回避目標である。このように取得目標及び
回避目標を設定しておくことにより、取得目標が達成さ
れるか紛糾するかに応じて人工生物モデル1に喜び又は
怒りの表情を出力させることができ、回避目標が達成さ
れるか紛糾するかに応じて人工生物モデル1に安堵又は
嫌悪の表示を出力させることができる。
【0030】目標記憶部11は、先天的行動目標のそれ
ぞれについて重要度を記憶する。この重要度は、複数の
先天的行動目標の相互間の優先順位を定めたものであ
り、各先天的行動目標に固定的又は可変的に設定され
る。重要度の設定値を変化させる場合には、例えば、入
力を時間、出力を重要度とするsin関数等の周期関数
を用いて経時的に変化させることが考えられる。
【0031】このように、各先天的行動目標の優先順位
を表す重要度を経時的に変化させることにより、同一の
刺激に対して人工生物モデル1が行う行動が時系列的に
変化し、現実の生物の行動に現れる「気紛れ」を再現す
ることができる。
【0032】2−2 経験知識記憶部 経験知識記憶部12は、図5に示すように、人工生物モ
デル1が行動する過程において外部情報検出部2が検出
した外部情報の認識結果と目標記憶部11に記憶されて
いる先天的行動目標との関係を、この発明の獲得行動目
標である後天的行動目標として記憶する。
【0033】経験知識記憶部12は、外部情報のそれぞ
れについて関連度及び記憶度を記憶する。関連度は、
“0”〜“1”の範囲の値をとり、各外部情報と先天的
行動目標との関連性を表し、正の関連度と負の関連度と
が存在する。
【0034】正の関連度が付された外部情報は、先天的
行動目標の達成に貢献する。例えば、図5において、
「撫でられる触覚刺激を取得する」という先天的行動目
標1に対して色1には“0.7”の正の関連度が付与さ
れており、撫でられた時に人工生物モデル1が色1を検
出したことを示している。正の関連度は、各外部情報が
属する先天的行動目標が達成された際に同一の外部情報
が認識されている場合に“0.1”増加され、各外部情
報が属する先天的行動目標が達成された際に同一の外部
情報が認識されていない場合に“0.1”減少される。
【0035】負の関連度が付された外部情報は、先天的
行動目標の達成を紛糾させる。例えば、図5において、
「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天的行動目標
3に対して音3には“0.4”の負の関連度が付与され
ており、叩かれた時に人工生物モデル1が音3を検出し
たことを示している。負の関連度は、各外部情報が属す
る先天的行動目標が紛糾した際に同一の外部情報が認識
されている場合に“0.1”増加され、各外部情報が属
する先天的行動目標が紛糾した際に同一の外部情報が認
識されていない場合に“0.1”減少される。
【0036】記憶度は、“0”〜“1”の範囲の値をと
り、各外部情報について先天的行動目標との関係を消去
すべき時期の決定に用いられる。即ち、外部情報が経験
知識記憶部12に新たに記憶された時の記憶度を“1”
として、時間経過にともなって減少させ、関連度の増加
にともなって増加させる。そして、記憶度の値が“0”
になった時に、その外部情報を経験知識記憶部12の記
憶内容から消去する。この記憶度は、現実の生物の行動
に現れる「忘却」を再現するために使用することができ
る。即ち、記憶度が大きい外部情報に対する反応を早く
し、記憶度が小さい外部情報に対する反応を遅くする。
また、記憶度が“0”になればその外部情報に対して反
応しなくなる。なお、記憶度により外部情報の保存期間
を定めることにより、記憶すべき外部情報の総数を削減
し、メモリの記憶容量を減少することができる。
【0037】目標記憶部11及び経験知識記憶部12の
記憶内容は、後述する認識評価部4から状態記憶部5に
出力される評価出力リストに基づいて更新される。評価
出力リストは図8に示すように、目標、状態、対象、方
向、新規性、重要度、関連度、関連方向及び適合度の各
欄によって構成されている。
【0038】目標欄には、目標記憶部11に記憶されて
いるいずれかの先天的行動目標が記述される。状態欄に
は目標欄に記載された先天的行動目標が、達成した、紛
糾した、達成しそう、又は、紛糾しそうのいずれの状態
であるかが記述される。対象欄には、認識された単一又
は複数の外部情報の種類が記述される。方向欄には、外
部情報検出部3を構成するCCDカメラの撮像画面にお
ける外部情報の重心の座標値が記述される。
【0039】新規性欄には、目標欄に記述されている先
天的行動目標と対象欄に記述されている外部情報との関
係が新規であるか否かが記述される。重要度欄には、目
標欄に記述されている先天的行動目標の重要度が記述さ
れる。関連度欄には、対象欄に記述されている外部情報
の関連度が記述され、新規な外部情報の場合には中間値
“0.5”が記述される。関連方向欄には、目標が達成
された場合には「正」が、目標が紛糾した場合には
「負」が記述される。適合度欄には、対象欄に記述され
ている外部情報の認識時の適合度が記述される。
【0040】図8に示す評価出力リストは、状態記憶部
5において保存される。経験知識記憶部12は、状態記
憶部5に保存されている評価出力リストを参照し、状態
欄の記述内容が「達成した」又は「紛糾した」である場
合に、目標欄に記述されている先天的行動目標に属する
記憶内容を更新する。
【0041】即ち、新規性欄の記述内容が「YES」で
ある場合には関連度欄に記述されている“0.5”を付
して対象欄に記述されている外部情報を新たに記憶し、
新規性欄の記述内容が「NO」である場合には対象欄に
記述されている外部情報の関連度及び記憶度を“0.
1”増加する。また、目標欄に記述されている先天的行
動目標に属する外部情報のうち、対象欄に記述されてい
ない外部情報の関連度を“0.1”減少する。
【0042】3 認識評価部 認識評価部4は、図3に示すように、外部情報検出部2
が検出した外部情報を認識する認識部31、認識した外
部情報の関連度とその外部情報が属する先天的行動目標
の重要度とに基づいてその外部情報を無視するか否かを
判断するための意識度を算出する意識レベル計算部3
2、及び、算出した意識度に基づいて各外部情報を意識
するか否かの評価を行う評価部33によって構成され
る。
【0043】3−1 認識部 認識部31は、外部情報検出部2が検出した外部情報を
認識する。認識部31は、外部情報検出部2を構成する
入力装置に応じて、例えば、振動認識部、光認識部、色
認識部、個人顔認識部、飼い主感情認識部、音声認識
部、マウス操作認識部及び仮想世界認識部等によって構
成される。
【0044】振動認識部は、外部情報検出部2の振動セ
ンサからの入力を用いて、飼い主が人工生物モデル1を
撫でているか、叩いているかを認識する。即ち、飼い主
が人工生物モデル1を撫でている場合には、振動センサ
が検出する振動の振幅は比較的小さく、単位時間当りの
信号回数が多くなる。また、飼い主が人工生物モデル1
を叩いている場合には、振動センサが検出する振動の振
幅は比較的大きく、単位時間当りの信号回数が少なくな
る。振動認識部は、振動センサから入力される振幅デー
タ及び周波数データに基づいて、例えば、図6に示すフ
ァジィルールを用いたファジィ推論により、飼い主が撫
でているか叩いているかの適合度を出力する。この外部
情報は、先天的行動目標と直接的に関係しており、撫で
られたと認識した場合には「撫でられる触覚刺激を取得
する」という先天的行動目標が達成され、叩かれた場合
には「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天的行動
目標が紛糾したことになる。
【0045】光認識部は、外部情報検出部3のCCDカ
メラの視野内の画素のうち、所定数以上の画素によって
構成される画素集団の平均明度が閾値を越えるか否かを
判断する。光認識部は、この判断において平均明度が閾
値を越えている場合に、認識結果の適合度である画素集
団の画素数、及び、画素集団の座標値を出力する。この
外部情報は先天的行動目標と直接的に関係しており、光
認識部が光を認識した場合には、「光刺激を取得する」
という先天的行動目標が達成されたことになる。
【0046】色認識部は、いずれかの先天的行動目標が
達成又は紛糾した際に、外部情報検出部3のCCDカメ
ラが撮像している連続画像のうちの所定数のフレーム間
の差分を求め、差分の小さい部分を背景として除去す
る。また、画像中の肌色部分は人間の顔や腕と見做して
除去し、残りの部分を人間が着用している衣服と判断
し、この部分において画素数が最も多い色を検出し、検
出した色について加色混合の3原色であるRGBのそれ
ぞれの強度値を抽出する。
【0047】色認識部は、衣服の色から抽出したRGB
のそれぞれの強度値から、RGBのそれぞれについて、
例えば、図7に示す三角波関数であるメンバシップ関数
を作成して登録しておき、新たに検出した色から抽出し
たRGBのそれぞれの強度値について登録メンバシップ
関数における適合度を求め、得られた3つの適合度のう
ちの最小値が予め定められた閾値以上である場合にはそ
の適合度を出力し、閾値未満である場合には適合度とし
て“0”を出力する。また、新たにメンバシップ関数を
作成して登録する場合には適合度として“1”を出力す
る。色認識部は、適合度とともに衣服と判断した画像の
重心の座標値を出力する。
【0048】なお、色認識部は、RGBのそれぞれの強
度値が各メンバシップ関数の幅Mw内に含まれる複数の
色については類似色とし、中心値Mcを移動させること
により1組のメンバシップ関数を使用する。これによっ
て、登録するメンバシップ関数の数を削減して必要な記
憶容量を減少することができる。
【0049】この色認識部の処理により、外部情報の検
出結果の履歴に基づいて特定の色に対して反応する人工
生物モデル1を作成することができる。例えば、赤い衣
服を着用した人が人工生物モデル1を叩いた場合、「叩
かれる触覚刺激を回避する」という先天的行動目標が紛
糾したことになり、赤色を認識するためのメンバシップ
関数が作成される。また、「叩かれる触覚刺激を回避す
る」という先天的行動目標についての負の関連度が付与
された赤色の外部情報が経験知識記憶部12に記憶され
る。次に赤い衣服を着用した人が人工生物モデル1に近
づくと、色認識部において外部情報として赤色の衣服が
認識され、「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天
的行動目標について赤色に付与された負の関連度に基づ
いて、人工生物モデル1が、恐怖の表情を示したり、遠
ざかる方向に移動する等の行動をとることができる。
【0050】また、光刺激を受けようとして人工生物モ
デル1が光源方向に移動中に、人工生物モデル1と光源
との間に青い物体が割り込んで光源の光を遮った場合に
は、「光刺激を取得する」という先天的行動目標が青い
物体によって紛糾したことになり、青色を認識するため
のメンバシップ関数が作成されるとともに、「光刺激を
取得する」という先天的行動目標についての負の関連度
が付与された青色の外部情報が経験知識記憶部12に記
憶される。次に外部情報として青色が認識された場合に
は、「光刺激を取得する」という先天的行動目標につい
て青色に付与された負の関連度に基づいて、人工生物モ
デル1が、怒りの表情を示したり、攻撃する等の行動を
とることができる。
【0051】個人顔認識部は、先天的行動目標が達成又
は紛糾した際に、外部情報検出部3のCCDカメラの視
野内に存在する人間の個人顔を登録又は認識する。CC
Dカメラの撮像した画像から個人顔を抽出する方法とし
ては、例えば、「コンピュータによる顔の認識」(赤松
茂、電子情報通信学会論文誌、D-II,Vol.J80-D- II,No.
8,pp.2031-2046,1997)や「顔画像照合による解錠制御
システム」(土居元紀、陳謙、千原國宏他、電子情報通
信学会論文誌、D-II,Vol.J80-D- II, No.8,pp.2203-220
8,1997)等を用いることができる。
【0052】個人顔認識部は、認識結果の適合度を出力
し、認識した顔に適合する顔が登録されていない場合に
は適合度“0”を出力する。また、新たに登録する場合
の適合度は“1”とする。適合度が所定の閾値を越える
場合には、認識した個人顔のCCDカメラが撮像した画
面における座標値を出力する。
【0053】この個人顔識別部の処理により、外部情報
の検出結果の履歴に基づいて特定の個人顔に対して反応
する人工生物モデル1を作成することができる。例え
ば、外部情報検出部3のCCDカメラの視野内にいる人
が人工生物モデル1を撫でた場合、「撫でられる感覚刺
激を取得する」という先天的行動目標が達成されたこと
になり、その人の個人顔が抽出されて登録され、「撫で
られる感覚刺激を取得する」という先天的行動目標につ
いての正の関連度を付与した個人顔が経験知識記憶部1
2に記憶される。次にCCDカメラが撮像した画像から
同一の個人顔が抽出された場合には、「撫でられる感覚
刺激を取得する」という先天的行動目標についてその個
人顔に付与された正の関連度に基づいて、人工生物モデ
ル1が、喜びの表情を示したり、その人に近づく方向に
移動する等の行動をとることができる。
【0054】飼い主感情認識部は、飼い主の顔の表情や
声の調子に基づいて、飼い主の感情を認識し、認識され
た飼い主の感情、及び、適合度を出力する。飼い主感情
認識部の処理により、「飼い主の喜びを取得する」、
「飼い主の怒りを回避する」及び「飼い主の悲しみを回
避する」等の先天的行動目標が達成されたか、又は、紛
糾したかを認識することができ、人工生物モデル1は、
飼い主の近くに存在する物体や刺激が飼い主の感情に与
える影響を認識することができる。例えば、特定の物体
が存在する時に飼い主の喜びの感情を認識した場合、次
に飼い主の悲しみの感情を認識した際に、人工生物モデ
ル1がその物体を飼い主の近くに移動させる等の行動を
とることができる。
【0055】なお、顔表情を認識する方法としては、例
えば、「連続出力確率密度分布を用いたHMMによる動
画像からの複数人物の表情認識」(大塚尚宏、大谷淳、
中津良平、電子情報通信学会論文誌、D-II,Vol.J80-D-I
I , No.8,pp.2129-2137,1997)等を用いることができ
る。また、人の音声から感情を認識する方法としては、
例えば、特開平5−12023号に開示されている感情
認識装置の構成等を用いることができる。さらに、顔表
情と音声とから感情を認識する方法としては、例えば、
「顔画像と音声を併用した対話者の心情抽出の検討」
(助川寛、岩野裕利、白井克彦、電子情報通信学会技術
報告、PRU94-109,1885)等を用いることができる。
【0056】音声認識部は、先天的行動目標が達成又は
紛糾した際に外部情報検出部3のマイクロフォンから入
力される音声を認識及び登録する。音声認識の方法とし
て、線形予測分析により求められるLPCケプストラム
係数を音声特徴量として用いることができる。例えば、
20次の線形予測分析を行った場合の特徴量は20次元
ベクトルとなる。これらの特徴量に対するメンバシップ
関数を前述の色認識部の処理におけるメンバシップ関数
と同様にして作成する。
【0057】音声認識部は、前述の色認識部と同様に、
閾値処理後の適合度を出力する。また、新たに登録され
る音声の適合度は“1”とする。この音声認識部は、2
本のマイクロフォンを備え、各マイクロフォンが集音し
た音声の強度の中心位置を求めることにより、音源の方
向を認識する。
【0058】この音声認識部の処理により、外部情報の
検出結果の履歴に基づいて特定の音声に対して反応する
人工生物モデル1を作成することができる。例えば、あ
る人が特定の音声を発声しながら人工生物モデル1を叩
いた場合、「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天
的行動目標が紛糾したことになり、その音声を認識する
ためのメンバシップ関数が作成されるとともに、「叩か
れる触覚刺激を回避する」という先天的行動目標につい
ての負の関連度を付与した音声が外部情報として経験知
識記憶部12に記憶される。次に同じ音声を認識した場
合に、「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天的行
動目標についてその音声に負の関連度が付与されている
ことから、人工生物モデル1が、怒りの表情を示した
り、音源から離れる方向に移動する等の行動をとること
ができる。
【0059】マウス操作認識部は、コンピュータシステ
ムのディスプレイ画面内において画像によって表現され
た仮想世界で行動する人工生物モデルにおいて、飼い主
によるマウスの操作内容を認識する。例えば、マウスの
操作によりディスプレイ内のカーソルを人工生物モデル
1の表示位置に移動してマウスボタンをクリックするこ
とにより、人工生物モデル1を叩くという行為を表現す
ることができる。また、ディスプレイ内のカーソルを人
工生物モデル1の表示位置に移動した後、マウスボタン
をクリックしながらカーソルを複数回往復移動させるこ
とにより、人工生物モデル1を撫でるという行為を表現
することができる。
【0060】マウス操作認識部は、マウスの操作によっ
て人工生物モデル1が撫でられたか、又は、叩かれたか
の適合度を出力し、いずれの操作もない場合には適合度
“0”を出力する。例えば、撫でるという行為について
は、10往復を最大値としてカーソルの往復移動回数を
計数し、“0”〜“1”の範囲で正規化した適合度を出
力する。また、叩くという行為については、10回を最
大値としてマウスボタンのクリック回数を計数し、
“0”〜“1”の範囲で正規化した適合度を出力する。
【0061】このマウス操作認識部の処理により、外部
情報の検出結果の履歴に基づいてマウスの操作に対して
反応する人工生物モデル1を作成することができる。例
えば、マウスの操作によって叩く行為が行われた場合に
は、「叩かれる触覚刺激を回避する」という先天的行動
目標が紛糾したことになり、「叩かれる触覚刺激を回避
する」という先天的行動目標についての負の関連度を付
与したマウス操作が経験知識記憶部12に記憶される。
次に、カーソルが人工生物モデル1に接近する方向に移
動した場合に、人工生物モデル1が、怒りの表情を示し
たり、カーソルから遠ざかる方向に移動する等の行動を
とることができる。
【0062】仮想世界認識部は、コンピュータシステム
においてディスプレイの画面内等に構成される仮想世界
の物体を認識し、物体の形状等の適合度及び物体の座標
値を出力する。
【0063】3−2 意識レベル計算部 意識レベル計算部32は、現実の生物が持つ意識という
概念を人工生物モデル1において疑似的に再現する。即
ち、現実の生物は、感覚器官から入力される全ての刺激
や物体を意識して行動するわけではなく、自分に直接関
係しない対象に対しては注意を向けない。これは、現実
の生物において脳の処理速度や短期記憶の容量には限界
があり、全ての対象に注意を向けていると生命に関わる
ような重要な対象に対する処理が遅れて生命の危険に瀕
する場合があるからである。
【0064】人工生物モデル1においても、計算処理速
度や記憶容量には限界があり、認識部が認識した外部情
報の全てについて処理を行うこととすると、刺激に対す
る反応としての行動をとるまでに長時間を要する場合が
あり、また、複数の対象に対する処理のいずれを優先す
るかを決定できずにデッドロック状態に陥る場合があ
る。そこで、意識レベル計算部は、複数の外部情報のそ
れぞれが人工生物モデル1の行動目標にどの程度関連し
ているのかを計算し、複数の外部情報のそれぞれに優先
順位を定めることにより、反応行動をとるまでの時間を
短時間化するとともに、デッドロックを防止する。
【0065】意識レベル計算部32は、認識部から入力
される複数の認識結果、及び、経験知識記憶部12の記
憶内容に基づいて、認識されたそれぞれの外部情報につ
いての意識レベルを、次式によって算出する。
【0066】(意識レベル)=(適合度)×(関連度)
×(記憶度)×(重要度) ここに、適合度、関連度、記憶度及び重要度は、いずれ
も前述した処理において決定される。
【0067】また、仮想物体についての意識レベルは、
次式によって算出する。
【0068】(意識レベル)=(人工生物モデルから仮
想物体までの距離)×(関連度)×(記憶度)×(重要
度) 但し、経験知識記憶部12に記憶されていない新たな刺
激(外部情報又は仮想物体)に対する意識レベルは
“1”とする。また、目標記憶部11に記憶されている
先天的行動目標に直接関連する刺激についての関連度及
び記憶度は“1”とする。さらに、1つの刺激が複数の
先天的行動目標に属する場合には、各先天的行動目標に
ついて意識レベルを算出し、算出した意識レベルの最大
値をその刺激の意識レベルとする。
【0069】意識レベル計算部32は、認識された全て
の刺激についての意識レベルに対して閾値処理を行い、
所定の閾値以上の意識レベルを持つ刺激を意識上の対象
として出力する。
【0070】3−3 評価部 評価部33は、意識レベル計算部32から出力された意
識上の対象がどの先天的行動目標に関連するかを評価
し、その評価結果を図8に示した評価出力リストとして
出力する。
【0071】評価出力リストの出力方法は、意識上の対
象に応じて3種類の方法がある。即ち、意識上の対象
が、先天的行動目標と直接関係する対象である場合、既
に登録済の対象である場合、及び、未登録の対象である
場合のそれぞれにおいて、評価出力リストの出力方法が
異なる。
【0072】意識上の対象が先天的行動目標と直接関係
する対象である場合には、評価出力リストの目標欄には
意識上の対象が直接関係する先天的行動目標の番号、及
び、取得目標であるか回避目標であるかの種別が、状態
欄には目標を達成したか紛糾したかの種別が、それぞれ
記述される。また、対象欄には、先天的行動目標と直接
関係する対象が記述され、人工生物モデル1が現実世界
に存在するロボットである場合には振動1(撫でる)、
振動2(叩く)、光刺激又はユーザ感情のいずれかが記
述され、仮想世界に存在する仮想生物の場合にはさらに
飲食物が含まれる。方向欄には、対象欄の記述内容が光
刺激である場合における光源の座標値、仮想生物の場合
には物体の座標値が記述される。新規性欄には“NO”
が、重要度欄には目標欄の記述内容に対応した重要度
が、それぞれ記述される。また、関連度欄には“1”
が、関連方向欄には目標の達成/紛糾の別に応じて正/
負が、適合度欄には認識結果の適合度が、それぞれ記述
される。
【0073】意識上の対象が経験知識記憶部12に既に
登録されている対象である場合であって、目標と直接関
係する対象である場合には、評価出力リストの目標欄に
は意識上の対象が直接関係する先天的行動目標の番号、
及び、取得目標であるか回避目標であるかの種別が、状
態欄には目標を達成したか紛糾したかの種別が、それぞ
れ記述される。目標と直接関係する対象でない場合に
は、目標欄にはその対象が属する先天的行動目標の番
号、及び、取得目標であるか回避目標であるかの種別
が、状態欄には関連度の正/負に応じて「達成しそう」
/「紛糾しそう」が、それぞれ記述される。既に登録済
の対象である意識上の対象が複数の先天的行動目標に属
する場合には、関連度が最大の先天的行動目標について
記述され、複数の先天的行動目標についての関連度も等
しい場合には記憶度が最大の先天的行動目標について記
述され、複数の先天的行動目標についての記憶度も等し
い場合には目標の番号の小さい方の先天的行動目標につ
いて記述される。
【0074】一例として、先天的行動目標と直接関係す
る意識上の対象が存在し(例えば、叩かれた場合)、か
つ、別の意識上の対象として色1(図5参照)が存在す
る場合について説明すると、この場合、図5を参照すれ
ば、色1は先天的行動目標1(撫でられる触覚刺激を取
得)に関連するという知識は既にあるが、今回は、先天
的行動目標3(叩かれる触覚刺激を回避)に関連する外
部情報として認識されるため、評価出力リストの目標欄
には「3(回避)」が、状態欄には「紛糾した」が、対
象欄には「色1」が、方向欄には色1の重心座標値が、
新規性欄には「YES」が、重要度欄には先天的行動目
標3の重要度が、関連度欄には新たな外部情報の関連度
「0.5」が、関連方向欄には「負」が、適合度欄には
色1についての認識結果における適合度が、それぞれ記
述される。
【0075】一方、先天的行動目標と直接関係する意識
上の対象が存在せず、意識上の対象として色1のみが存
在する場合、図5を参照すると色1は先天的行動目標1
(撫でられる触覚刺激を取得)に正の関連度を有するた
め、色1を認識したことは「先天的行動目標1を達成し
そうである」と解釈する。この解釈に基づき、評価出力
リストの目標欄には「1(取得)」が、状態欄には「達
成しそう」が、対象欄には「色1」が、方向欄には色1
の重心座標が、新規性欄には「NO」が、重要度欄には
先天的行動目標1の重要度(図5の例では0.8)が、
関連度欄には新たな外部情報の関連度(図5の例では
0.8)が、関連方向欄には「正」が、適合度欄には色
1についての認識結果における適合度が、それぞれ記述
される。
【0076】意識上の対象が未登録の対象である場合で
あって、その意識上の対象が直接関係する先天的行動目
標がある場合には、評価出力リストの目標欄にはその意
識上の対象が直接関係する先天的行動目標の番号及び種
別が、状態欄には達成/紛糾の別が、それぞれ記述され
る。対象欄には、今回認識された意識上の対象の種類と
整理番号が記述され、例えば、既に色5が登録されてい
る場合には色6が記述される。方向欄には今回認識され
た意識上の対象の座標値が、新規性欄には「YES」
が、重要度欄には目標欄に記述した先天的行動目標の重
要度が、関連度欄には新たな外部情報の関連度「0.
5」が、関連方向欄には状態欄に記述した達成/紛糾の
別に応じて「正」/「負」が、適合度欄には今回認識さ
れた意識上の対象についての認識結果における適合度
が、それぞれ記述される。
【0077】なお、意識上の対象が未登録の対象である
場合であって、その意識上の対象が直接関係する先天的
行動目標がない場合には、評価出力リストは作成しな
い。
【0078】人工生物モデル1が仮想世界に存在する場
合には、評価部33とともに仮想世界評価部が設けられ
る。仮想世界評価部は、仮想世界の状態を評価し、図8
に示した評価出力リストを作成する。ここに、仮想世界
の状態とは、仮想世界に存在する仮想物体の状態、及
び、仮想世界の人工生物モデルの行動を意味し、例え
ば、「人工生物モデルBが自分に食料を譲った」(例
1)、「人工生物Cが自分を叩いた」(例2)、「人工
生物Cが自分に近づいた」(例3)等である。
【0079】以下に、例1〜3の場合に仮想世界評価部
が作成する評価出力リストについて説明する。
【0080】例1の場合 「人工生物モデルBが自分に食料を譲った」ことを認識
すると、「飲食物を取得する」という先天的行動目標4
が達成されたと判断し、評価出力リストの目標欄には
「4(取得)」が、状態欄には「達成した」が、対象欄
には「人工生物モデルB」が、方向欄には人工生物モデ
ルBの座標値が、新規性欄には人工生物モデルBが未登
録か否かに応じて「YES」又は「NO」が、重要度欄
には目標欄の記述内容である先天的行動目標4の重要度
が、関連度欄には新規性欄の「YES」/「NO」に応
じて「0.5」又は経験知識記憶部12に記憶している
関連度が、関連方向欄には「正」が、適合度欄には
「1」が、それぞれ記述される。
【0081】例2の場合 「人工生物Cが自分を叩いた」ことを認識すると、「叩
かれる触覚刺激を回避する」という先天的行動目標3が
紛糾したと判断し、評価出力リストの目標欄には「3
(回避)」が、状態欄には「紛糾した」が、対象欄には
「人工生物モデルC」が、方向欄には人工生物モデルC
の座標値が、新規性欄には人工生物モデルCが未登録か
否かに応じて「YES」又は「NO」が、重要度欄には
目標欄の記述内容である先天的行動目標3の重要度が、
関連度欄には新規性欄の「YES」/「NO」に応じて
「0.5」又は経験知識記憶部12に記憶している関連
度が、関連方向欄には「負」が、適合度欄には「1」
が、それぞれ記述される。
【0082】例2の後に例3が生じた場合 「人工生物Cが自分を叩いた」ことを認識した後に「人
工生物Cが自分に近づいた」ことを認識すると、評価出
力リストの目標欄には「3(回避)」が、状態欄には
「紛糾しそう」が、対象欄には「人工生物モデルC」
が、方向欄には人工生物モデルCの座標値が、新規性欄
には「NO」が、重要度欄には先天的行動目標3の重要
度が、関連度欄には経験知識記憶部12に記憶している
関連度が、関連方向欄には「負」が、適合度欄には
「1」が、それぞれ記述される。このように記述された
評価出力リストに基づいて、人工生物モデル1は人工生
物モデルCに叩かれるのではないかという不安を生じた
り、人工生物モデルCから遠ざかる方向に移動する等の
行動をとる。
【0083】4 状態記憶部 状態記憶部5は、図4に示すように、外部状態記憶部4
1及び内部状態記憶部42によって構成されている。
【0084】4−1 外部状態記憶部 外部状態記憶部41は、認識評価部4において作成され
た評価出力リストを一時的に格納する。外部状態記憶部
41に格納された評価出力リストは、内部状態記憶部4
2、知識設定記憶部3、行動計画部6及び動作出力部7
によって参照される。
【0085】4−2 内部状態記憶部 内部状態記憶部42は、現実の生物である人間の感情や
気分に相当する心情を、人工生物モデル1において模擬
的に再現する。即ち、喜び、怒り、悲しみ、嫌悪、恐怖
等の感情を再現する。ここで、感情とは高い覚醒レベル
における短期的な心の状態を言い、気分とは低い覚醒レ
ベルにおける長期的な心の状態を言う。感情の発生は、
人間がおかれている状況に依存して変化する。例えば、
「心の計算理論」(往住彰文著)によれば、喜びの感情
は目標が達成された時に発生し、悲しみの感情は目標が
紛糾した時に発生する。また、その他の感情も、目標や
嗜好その他の要因の状態に応じて発生し、変化する。気
分は、喜びや悲しみの状態が低い覚醒レベルで持続す
る。
【0086】このような考えに基づいて、内部状態記憶
部42は、認識評価部から出力された評価出力リストの
内容にしたがって、人工生物モデル1の感情の状態を、
内部状態起因の抽出処理、及び、内部状態の更新処理に
より、更新的に記憶する。
【0087】4−2−1 内部状態起因の抽出処理 内部状態を更新するための起因として、目標の達成度、
紛糾度を設定する。また、目標が達成しそうな場合の期
待度、目標が紛糾しそうな場合の不安度を設定する。こ
れら、達成度、紛糾度、期待度及び不安度をファジィ推
論を用いて求める。このファジィ推論に用いるファジィ
ルールの一例を図9に示す。なお、期待度及び不安度に
ついては、1ステップ前のものをファジィ推論の入力と
して用いる。ファジィ推論に用いるファジィルール、メ
ンバシップ関数等のパラメータを個々に設定することに
より、人工生物モデルに個性を与えることができる。
【0088】4−2−2 内部状態の更新処理 内部状態は人間の感情や気分を模擬的に再現するもので
あるため、ファジィ推論により感情強度の増加量を算出
する。ファジィ推論に用いるファジィルールの一例を図
10に示す。ファジィルール及びメンバシップ関数等の
パラメータを個々に設定することにより、人工生物モデ
ルに個性を与えることができる。
【0089】それぞれの感情強度Eiは、次式により算
出することができる。
【0090】
【数1】
【0091】減衰量γは、感情強度が“0”から正の値
になった時点で正の方向に増加し始め、感情強度が
“0”以下になった時点で“0”に戻る。感情強度が所
定の閾値以上である場合に、感情強度が最大の感情及び
強度を行動計画部22及び動作出力部6に出力する。
【0092】算出した感情強度を、その値が減衰量γに
よって“0”になるまで、長期的な内部状態として保存
することにより、現実生物である人間の気分という心情
を人工生物モデル1において模擬的に再現する。なお、
影響度Wjを個々に設定することにより、人工生物モデ
ルに個性を与えることができる。
【0093】5 行動計画部 行動計画部6は、知識設定記憶部3の記憶内容、評価出
力リスト、及び、感情に基づいて、人工生物モデル1が
実行すべき行動を計画する。行動を計画する際には、例
えば、図11に示す行動規則を参照する。複数の行動規
則が当てはまる場合には、重要度が最大である目標に関
する行動規則を選択する。行動計画部6の出力は、「近
づく」、「遠ざかる」、「威嚇する」等の行動名称と行
動の対象とからなる。
【0094】6 動作出力部 動作出力部7は、行動計画部6の出力、及び、状態記憶
部5が記憶する評価出力リストと感情に基づいて、人工
生物モデル1の行動を出力する。動作出力部7が出力す
る行動としては、例えば、歩行動作、方向転換、顔表情
の合成、及び、音声合成等がある。
【0095】6−1 歩行動作及び方向転換 人工生物モデル1が現実世界に存在する模擬生物である
場合には、例えば、サーボモータを用いたアクチュエー
タによって歩行動作及び方向転換を実現する。歩行動作
の進行方向は、行動計画部6の出力と評価出力リストの
座標値とに基づいて決定する。例えば、行動計画が「対
象に近づく」であり、対象がCCDカメラの視野の左側
にある場合には進行方向を左側に変えて進み、対象がC
CDカメラの視野の右側にある場合には進行方向を右側
に変えて進むことにより、人工生物モデル1を対象に近
づけることができる。また、行動計画が「対象から逃げ
る」であり、対象がCCDカメラの視野の左側にある場
合には進行方向を右側に変えて進み、対象がCCDカメ
ラの視野の右側にある場合には進行方向を左側に変えて
進むことにより、人工生物モデル1を対象から遠ざける
ことができる。
【0096】対象が音源の場合にも、人工生物モデル1
が現在向いている方向に対して音源が左右いずれ側に存
在するかの情報に基づいて進行方向を決定する。また行
動計画が「威嚇する」である場合には、対象の方向に前
進と後退とを繰り返しながら、「怒り」の顔表情と音声
とを出力する。
【0097】方向転換は、左右のサーボモータの出力を
変化させることによって実現できる。即ち、左側に方向
転換する場合には右側のサーボモータの出力を左側のサ
ーボモータの出力よりも大きくし、右側に方向転換する
場合には左側のサーボモータの出力を右側のサーボモー
タの出力よりも大きくする。
【0098】人工生物モデル1が仮想世界に存在する仮
想生物である場合には、例えば、コンピュータアニメー
ションのソフトウェアを用いて行動を表現し、ディスプ
レイ画面に表示する。
【0099】6−2 顔表情合成 顔表情は、行動計画部6からの出力、及び、状態記憶部
5が記憶する感情に基づいて合成される。また、感情強
度に応じて合成する表情の程度を調整する。例えば、行
動計画が「威嚇する」である場合には怒りの顔表情を合
成し、状態記憶部5において「喜び」の感情強度が所定
の閾値を越えた場合に喜びの顔表情を合成する。
【0100】人工生物モデル1が現実世界に存在する模
擬生物である場合には、例えば、「顔ロボット」(原文
雄、小林宏、丹下明、遠藤弘毅、日本機械学会大1会JS
MEロボメカ・シンポジア講演論文集、pp.77-84,1996 )
等により、アクチュエータの動作によって顔表情を作成
する。
【0101】人工生物モデル1が仮想世界に存在する仮
想生物である場合には、例えば、目、口、眉等の顔部品
画像を感情と感情強度とに応じて準備しておき、コンピ
ュータアニメーションのソフトウェアを用いて合成し、
ディスプレイ画面に表示する。
【0102】6−3 音声合成 音声は、行動計画部6からの出力、状態記憶部5が記憶
する感情に基づいて合成される。また、感情強度に応じ
て合成する音声の大きさを調整する。例えば、行動計画
が「逃げる」である場合には悲鳴を合成し、状態記憶部
5に記憶する「喜び」の感情強度が所定の閾値を越えた
際に喜びの音声を合成する。合成した音声はスピーカを
介して出力される。
【0103】7 人工生物モデルの処理手順 以上のように構成された人工生物モデル1の処理手順
を、図12のフローチャートに示す。人工生物モデル1
は、外部情報検出部2が外部情報を検出するまで、行動
計画部6及び動作出力部7の動作によって移動及び停止
をランダムに繰り返す(s1,s2)。外部情報検出部
2が外部情報を検出すると、認識評価部4の認識部31
により外部情報検出部2が検出した外部情報を認識する
処理を行い(s3)、認識した外部情報について意識レ
ベル計算部32において意識レベルの計算を行う(s
4)。
【0104】次いで、認識された外部情報のうち意識レ
ベルが所定の閾値以上の外部情報を意識上の対象として
評価部33において抽出し(s5)、抽出した意識上の
対象について評価部33において評価出力リストを作成
する(s6)。さらに、作成された評価出力リストに基
づいて内部状態記憶部42が記憶する内部状態を更新す
るとともに(s7)、知識設定記憶部3の経験知識記憶
部12の記憶内容を更新する(s8)。
【0105】この後、評価出力リスト及び経験知識記憶
部12の記憶内容に基づいて行動計画部6において行動
計画を作成し(s9)、作成された行動計画に基づいて
動作出力部7により動作を出力する(s10)。人工生
物モデル1は、電源がオンされている状態において上記
s1〜s10の処理を繰り返し実行する。
【0106】以上の処理により、この実施形態に係る人
工生物モデル1は、現実の生物における行動の生成過程
に用いられる学習、忘却及び意識の概念を模擬的に実行
し、外部情報に対して自律的な行動を生成し、現実の生
物の行動に極めて近似した行動を実行する。
【0107】なお、上述した人工生物モデル1におい
て、知識設定記憶部3、認識評価部4、状態記憶部5及
び行動計画部6は、メモリを備えたマイクロコンピュー
タ内に構成することができ、上記の人工生物モデル1の
処理手順は、CD−ROM等の記録媒体に記録された処
理プログラムとしてマイクロコンピュータに供給するこ
とができる。
【0108】
【発明の効果】請求項1、9及び17に記載した発明に
よれば、検出した外部情報と予め定められた基本行動目
標との関係から新たな行動目標を獲得行動目標として学
習し、学習した獲得行動目標を含めた行動目標に基づい
て外部情報に対して実行すべき行動を決定することによ
り、外部情報に対して実行すべき行動を決定するための
行動目標を学習により補充することができ、予想できな
い外部情報に対しても実行すべき行動を自律的に決定す
ることができるとともに、予め設定しておくべき行動目
標の数を削減することができる。
【0109】請求項2、10及び18に記載した発明に
よれば、学習により獲得した新たな行動目標を記憶度に
基づいて個別に消去することにより、新たに獲得した行
動目標の一部を消去して外部情報に対して実行すべき行
動を決定するための行動目標を過度に保存することがな
く、行動の決定処理が煩雑化することを防止できるとと
もに、行動目標の記憶容量を削減することができる。
【0110】請求項3、11及び19に記載した発明に
よれば、時間経過にともなって減少する記憶度にしたが
って獲得行動目標を個別に消去することにより、外部情
報に対して実行すべき行動を決定する際に、現実の生物
に生じる忘却現象を再現することができ、現実の生物に
近似した行動を生成することができる。
【0111】請求項4、12及び20に記載した発明に
よれば、使用状態に応じて減少する記憶度にしたがって
獲得行動目標を個別に消去することにより、外部情報に
対して実行すべき行動を決定する際に、各外部情報の出
現頻度に応じて現実の生物に生じる忘却現象をより忠実
に再現することができ、現実の生物により近似した行動
を生成することができる。
【0112】請求項5、13及び21に記載した発明に
よれば、外部情報に対して実行すべき行動を決定する際
に、複数の基本行動目標のそれぞれに付与された重要度
を参照することにより、検出した外部情報が複数の基本
行動目標に関係する場合にも、その外部情報に対して単
一の行動を決定することができ、相反する複数の行動が
決定されることによるデッドロック状態を確実に防止す
ることができる。
【0113】請求項6、14及び22に記載した発明に
よれば、外部情報に対して実行すべき行動を決定する際
に、外部情報のそれぞれに付与された関連度を参照する
ことにより、同一の基本行動目標に関係する複数の外部
情報が同時に検出された場合にも、単一の外部情報に対
する単一の行動を決定することができ、相反する複数の
行動が決定されることによるデッドロック状態を確実に
防止することができる。
【0114】請求項7、15及び23に記載した発明に
よれば、外部情報に対して実行すべき行動を決定する際
に、外部情報のそれぞれに付与された関連度を参照する
ことにより、同一の基本行動目標に関係する複数の外部
情報が同時に検出された場合にも、出現頻度の最も高い
単一の外部情報に対する単一の行動を決定することがで
き、相反する複数の行動が決定されることによるデッド
ロック状態を確実に防止することができる。
【0115】請求項8、16及び24に記載した発明に
よれば、複数の外部情報が同時に検出された際に、前記
重要度、及び、前記関連度を参照して単一の外部情報に
対して実行すべき行動を決定することにより、外部情報
に対して実行すべき行動を決定する際に、現実の生物に
生じる意識的な選択を模擬的に再現することができ、現
実の生物に近似した行動を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係る行動生成装置を適用
した人工生物モデルの構成を示す図である。
【図2】同人工生物モデルの知識設定記憶部の構成を示
す図である。
【図3】同人工生物モデルの認識評価部の構成を示す図
である。
【図4】同人工生物モデルの状態記憶部の構成を示す図
である。
【図5】同知識設定記憶部の記憶内容を示す図である。
【図6】同認識評価部における振動認識のためのファジ
ィ推論に用いられるメンバシップ関数を示す図である。
【図7】同認識評価部における色認識に用いられるメン
バシップ関数を示す図である。
【図8】同認識評価部において作成される評価出力リス
トを示す図である。
【図9】同状態記憶部の内部状態記憶部における内部状
態起因の抽出処理に用いられるファジィルールを示す図
である。
【図10】同状態記憶部の内部状態記憶部における内部
状態の更新処理に用いられるファジィルールを示す図で
ある。
【図11】同人工生物モデルの行動計画部における行動
計画の決定に用いられる行動規則を示す図である。
【図12】同人工生物モデルにおける処理手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
1−人工生物モデル 2−外部情報検出部 3−知識設定記憶部 4−認識評価部 5−状態記憶部 6−行動計画部 7−動作出力部 11−目標記憶部 12−経験知識記憶部 31−認識部 32−意識レベル計算部 33−評価部 41−外部状態記憶部 42−内部状態記憶部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−68063(JP,A) 特開 平4−195250(JP,A) 特開 平3−184156(JP,A) Steven Levy「ARTIF ICIAL LIFE」VINTAGE BOOKS A DIVISION OF RANDOM HOUSE,IN C AUGUST 1993 p243−246 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06N 3/08 B25J 13/00 EPAT(QUESTEL) INSPEC(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部情報を検出する外部情報検出部と、特定の刺激や物体を得ようとする取得目標と、特定の刺
    激や物体を避けようとする回避目標との2種類の行動目
    標を含む 予め定められた複数の基本行動目標を記憶する
    とともに、各基本行動目標の優先順位を表し経時的に変
    化する重要度を記憶する基本行動目標記憶部と、 外部情報検出部が検出した外部情報と基本行動目標記憶
    部が記憶している各基本行動目標との関係を、外部情報
    の基本行動目標の達成への関連度として記憶し、且つそ
    の関連度を該外部情報のある毎に変更する獲得行動目標
    記憶部と、を設け、 基本行動目標記憶部及び獲得行動記憶部が記憶している
    記憶内容に基づいて外部情報検出部が検出した外部情報
    に対して実行すべき行動を決定することを特徴とする行
    動生成装置。
  2. 【請求項2】前記獲得行動目標記憶部が、複数の外部情
    報のそれぞれについて、獲得行動目標を保存すべき期間
    を表す記憶度を記憶する請求項1に記載の行動生成装
    置。
  3. 【請求項3】前記獲得行動目標記憶部が、前記記憶度の
    それぞれを時間経過に伴って個別に減少する請求項2に
    記載の行動生成装置。
  4. 【請求項4】前記獲得行動目標記憶部が、前記記憶度の
    それぞれを各外部情報についての獲得行動目標の使用状
    態に応じて個別に増減する請求項2に記載の行動生成装
    置。
  5. 【請求項5】前記外部情報に対して実行すべき行動が、
    前記取得目標の達成または紛糾で喜びまたは怒りの感情
    の出力に基づくものとなり、前記回避目標の達成または
    紛糾で安堵または嫌悪の感情の出力に基づくものとな
    る、請求項1に記載の行動生成装置。
  6. 【請求項6】前記獲得行動目標記憶部が、複数の外部情
    報のそれぞれについて基本行動目標との関連度を記憶す
    る請求項1に記載の行動生成装置。
  7. 【請求項7】前記獲得行動目標記憶部が、前記関連度の
    それぞれを各外部情報についての獲得行動目標の使用状
    態に応じて個別に増減する請求項6に記載の行動生成装
    置。
  8. 【請求項8】少なくとも前記基本行動目標記憶部に記憶
    した重要度、及び、前記獲得行動目標記憶部に記憶した
    関連度にしたがって、前記外部情報検出部が検出した複
    数の外部情報のいずれかを選択し、選択した外部情報に
    ついて基本行動目標及び獲得行動目標に基づいて実行す
    べき行動を決定する請求項6又は7に記載の行動生成装
    置。
  9. 【請求項9】外部情報を検出してプログラムにより行動
    を決定する人工生物モデルの行動生成方法において、 外部情報を検出するステップと特定の刺激や物体を得ようとする取得目標と、特定の刺
    激や物体を避けようとする回避目標との2種類の行動目
    標を含む 予め定められた基本行動目標を記憶し、基本行
    動目標に対し、各基本行動目標の優先順位を表し経時的
    に変化する重要度を与えるステップと、 外部情報検出部が検出した外部情報と基本行動目標との
    関係を獲得行動目標とし、この獲得行動目標を外部情報
    の基本行動目標の達成への関連度として記憶し、且つそ
    の関連度を該外部情報のある毎に変更するステップと、 基本行動目標及び獲得行動目標に基づいて外部情報検出
    部が検出した外部情報に対して実行すべき行動を決定す
    るステップと、 を備えることを特徴とする人工生物モデルの 行動生成方
    法。
  10. 【請求項10】複数の外部情報のそれぞれについて獲得
    行動目標を保存すべき期間を表す記憶度を記憶し、記憶
    度に基づいて各獲得行動目標を個別に消去するステップ
    を備える請求項9に記載の人工生物モデルの行動生成方
    法。
  11. 【請求項11】前記記憶度のそれぞれを時間経過に伴っ
    て個別に減少するステップを備える請求項10に記載の
    人工生物モデルの行動生成方法。
  12. 【請求項12】前記記憶度のそれぞれを各外部情報につ
    いての獲得行動目標の使用状態に応じて個別に増減する
    ステップを備える請求項10又は11に記載の人工生物
    モデルの行動生成方法。
  13. 【請求項13】前記外部情報に対して実行すべき行動
    が、前記取得目標の達成または紛糾で喜びまたは怒りの
    感情の出力に基づくものとなり、前記回避目標の 達成ま
    たは紛糾で安堵または嫌悪の感情の出力に基づくものと
    なる請求項9に記載の人工生物モデルの行動生成方法。
  14. 【請求項14】複数の外部情報のそれぞれについて基本
    行動目標との関連度を記憶するステップを備える請求項
    9に記載の人工生物モデルの行動生成方法。
  15. 【請求項15】前記関連度のそれぞれを各外部情報につ
    いての獲得行動目標の使用状態に応じて個別に増減する
    ステップを備える請求項14に記載の人工生物モデルの
    行動生成方法。
  16. 【請求項16】前記重要度、及び、前記関連度にしたが
    って、検出した複数の外部情報のいずれかを選択し、選
    択した外部情報について基本行動目標及び獲得行動目標
    に基づいて実行すべき行動を決定するステップを備える
    請求項14又は15に記載の人工生物モデルの行動生成
    方法。
  17. 【請求項17】外部情報を検出して行動を決定する人工
    生物モデルの行動生成プログラムによりを記憶する人工
    生物モデルの行動生成プログラム記憶媒体において、 外部情報を検出する処理と特定の刺激や物体を得ようとする取得目標と、特定の刺
    激や物体を避けようとする回避目標との2種類の行動目
    標を含む 予め定められた基本行動目標を記憶し、基本行
    動目標に対し、各基本行動目標の優先順位を表し経時的
    に変化する重要度を与える処理と、 外部情報検出部が検出した外部情報と基本行動目標との
    関係を獲得行動目標とし、この獲得行動目標を外部情報
    の基本行動目標の達成への関連度として記憶し、且つそ
    の関連度を該外部情報のある毎に変更する処理と、 基本行動目標及び獲得行動目標に基づいて外部情報検出
    部が検出した外部情報に対して実行すべき行動を決定す
    る処理と、 からなる行動生成プログラムを記録したことを特徴とす
    る人工生物モデルの行動生成プログラム記憶媒体
  18. 【請求項18】複数の外部情報のそれぞれについて獲得
    行動目標を保存すべき期間を表す記憶度を記憶する処理
    と、記憶度に基づいて各獲得行動目標を個別に消去する
    処理と、を含むプログラムを記録した請求項17に記載
    人工生物モデ ルの行動生成プログラム記憶媒体
  19. 【請求項19】前記記憶度のそれぞれを時間経過に伴っ
    て個別に減少する処理を含むプログラムを記録した請求
    項18に記載の行動生成プログラム記録媒体。
  20. 【請求項20】前記記憶度のそれぞれを各外部情報につ
    いての獲得行動目標の使用状態に応じて個別に増減する
    処理を含むプログラムを記録した請求項18又は19に
    記載の人工生物モデルの行動生成プログラム記憶媒体
  21. 【請求項21】前記外部情報に対して実行すべき行動
    が、前記取得目標の達成または紛糾で喜びまたは怒りの
    感情の出力に基づくものとなり、前記回避目標の達成ま
    たは紛糾で安堵または嫌悪の感情の出力に基づくものと
    なる請求項17に記載の人工生物モデルの行動生成プロ
    グラム記憶媒体。
  22. 【請求項22】複数の外部情報のそれぞれについて基本
    行動目標との関連度を記憶する処理を含むプログラムを
    記録した請求項17に記載の人工生物モデルの行動生成
    プログラム記憶媒体
  23. 【請求項23】前記関連度のそれぞれを各外部情報につ
    いての獲得行動目標の使用状態に応じて個別に増減する
    処理を含むプログラムを記録した請求項22に記載の
    工生物モデルの行動生成プログラム記憶媒体
  24. 【請求項24】前記重要度、及び、前記関連度にしたが
    って、検出した複数の外部情報のいずれかを選択する処
    理と、選択した外部情報について基本行動目標又は獲得
    行動目標に基づいて実行すべき行動を決定する処理と、
    を含むプログラムを記録した請求項22又は23に記載
    人工生物モデルの行動生成プログラム記憶媒体
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