JP3178081B2 - 表面色調に優れた薄鋼板の製造方法 - Google Patents

表面色調に優れた薄鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、薄鋼板の製造方法、
特に、明度を示すL*値が60以上の表面色調に優れた薄
鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食缶、18リットル缶等、種々の容器用素
材として広く使用されている冷延鋼板および表面処理鋼
板は、近年、製缶後、その内容物の保護のみならず、消
費者の購買意欲の増大を図るために、缶外面に、美麗な
外面塗装が施される。このような塗装においては、その
下地である冷延鋼板および表面処理鋼板の表面の色調
が、塗装後の色調に大きな影響を及ぼすことが知られて
いる。特に、下記条件にしたがって規定される、鋼板の
明度L*値が高い程、塗装板の仕上がり後の見映えが明
るくなって消費者に好まれる傾向にある。
【0003】L*は、光源C光(JIS Z 8701 5項) 、測
定法(JIS Z 8724 4.2.4項 条件b、2度視野における
L*(JIS Z 8730)によって規定されるものである。
【0004】図1に、塗装前の鋼板の明度と塗装仕上げ
後の目視による評価の結果を示す。図1から明らかなよ
うに、L*値が55以上になると、明るさを感じ、60以上
になると白いと感じて色調が良好と判断される傾向にあ
ることが分かる。
【0005】しかしながら、図2に示すように、一般的
に使用されるT4CAブライト仕上げの冷延鋼板および表面
処理鋼板は、そのL*値が50から58程度であるので、良
好な色調を有するには至っていない。
【0006】明度を上げるためには、ショット加工等に
よる、所謂、ダル仕上げによって、鋼板表面の光を拡散
させれば良いが、この方法は、通常の缶用材料の表面仕
上げであるブライト仕上げの場合と光沢が異なるので、
その後の印刷塗装性に種々の問題が生じる。
【0007】従って、従来のブライト仕上げと同様に、
0.1 から0.3 μm の表面粗さRaを有し、且つ、光を良好
に拡散できる表面加工方法が必要であった。また、表面
粗さRaの開口部、即ち、鋼板表面に形成された凹凸の山
と山との間隔が可視光領域の400 から700nm を吸収する
間隔、即ち、400nm 以下では、選択的に特定波長が吸収
されるので、鋼板の色調が変化する。従って、表面粗さ
Raの開口部の間隔が0.4 μm 以上の大きさを有し、且
つ、粗さ高さが0.3 μm 以下の微少凹凸を、鋼板表面上
に多く形成することが必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した鋼板仕上げを
行うには、所定の表面粗さを有する調質圧延ロールによ
って鋼板を圧延することが考えられるが、従来公知の放
電加工法、レーザー加工法、電子ビーム加工法等による
調質圧延ロール表面の加工法では、何れも、表面粗さRa
の開口部が広すぎるか、粗さの高さが高すぎる加工しか
できなかった。
【0009】従って、この発明の目的は、60以上のL*
値を有する鋼板を容易且つ確実に製造することができる
方法を提供することにある。
【0010】この発明は、0.4 から5μm の平均粒径を
有する金属クロムの突起が1mm2当たり3000個以上析出
したクロムメッキが施された調質圧延ロールによって鋼
板を調質圧延することに特徴を有するものである。
【0011】一般に、調質圧延ロールの表面は、ショッ
トおよび砥石研削加工によって所定の表面粗さに仕上げ
られ、この後、耐摩耗性の向上を図るために、クロムメ
ッキが施される。このクロムメッキを行う際に、ロール
表面の硬度を高めるために、クロムメッキ前後におい
て、陽極処理(エッチング処理)を行うことが知られて
いる。この陽極処理の際に生じる割れ目または粒状金属
クロムは、0.1 から100μm 程度の範囲内にランダムに
形成される。従って、この粒状金属クロムの突起を選択
的に一定の大きさに仕上げることによって、鋼板の表面
に微少な粗さを転写することが可能となる。
【0012】所定の大きさの粒状金属クロムの突起を形
成するための条件を得るべく、クロムメッキ開始前に陽
極処理を行い、その後、直ちに陰極処理を行ってクロム
メッキ厚みと金属クロムの突起の粒径との関係について
調べた。この結果を、図3に示す。このときの条件は、
陽極処理時間が3分、陽極処理後、陰極処理開始までの
電解停止時間が30秒、クロム酸が230g/l、硫酸とクロム
酸との比が1対100 のサージェント浴であった。
【0013】図3から明らかなように、当初、陽極処理
によって生成された不連続なクロム水和酸化物層がメッ
キ厚を増す毎に生長して、金属クロムの突起の粒径は増
加することが分かる。従って、メッキ厚を調整すること
によって、金属クロムの突起の粒径を選択的に一定の大
きさに仕上げることができる。
【0014】次に、この発明において、調質圧延ロール
表面の金属クロムの突起の平均粒径を、0.4 から5μm
の範囲内に限定し、そして、金属クロムの突起の析出密
度を1mm2 当たり3000個以上に限定した理由について説
明する。
【0015】表1に、A:陽極処理時間(分)、 B:陽極処理後、陰極処理開始までの電解停止時間
(秒)、 C:クロムメッキ厚(μm )、 D:金属クロムの突起の粒径(μm )、 E:金属クロムの突起の密度(個/mm2 ) の各条件を変化させたときの、 F:L*値(JIS 、C光、10°視野)、 G:表面粗さRa(μm ) の結果を示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1の比較例5から明らかなように、金属
クロムの突起の粒径が0.4 μm 未満では、調質圧延後の
鋼板に有効な表面粗さの転写が行われない。即ち、明度
L*値は、通常の冷延鋼板と変わらず、この発明におけ
るL*値の下限値である60に達しない。一方、比較例6
から明らかなように、金属クロムの突起の粒径が5μm
を超えると、光を拡散する表面の凹凸が減少して、明度
L*値は、この発明におけるL*値の下限値である60に
達しない。しかも、この場合、表面粗さRaが目標である
0.1 から0.3 μm の範囲を外れて大きくなる。
【0018】これに対して、金属クロムの突起の粒径が
0.4 から5μm の範囲内で且つ突起密度が3000個以上で
ある、この発明の実施例1から4のL*値は、何れも、
60以上であり、優れた色調を有していることが明かであ
る。
【0019】次に、調質圧延ロールにクロムメッキを施
す際の電解条件について調べた。即ち、陽極処理時間お
よび陰極処理開始までの電解停止時間を種々変えて、生
成される金属クロムの突起の均一性について調べた。こ
の結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2から明らかなように、陽極処理時間が
3分を超えるか、陰極処理開始までの電解停止時間が30
秒を超えると、金属クロムの突起が均一に生成されない
ことが分かった。
【0022】従って、この発明によれば、0.4 から5μ
m の平均粒径を有する金属クロムの突起が1mm2 当たり
3000個以上析出したクロムメッキが施された調質圧延ロ
ールによって鋼板を調質圧延することによって、鋼板の
表面上に、60以上のL*値を有する凹凸が付与できるの
で、表面色調に優れた薄鋼板を容易且つ確実に製造する
ことができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、明度を示すL*値が60以上である、表面色調に優れ
た薄鋼板を容易且つ確実に製造することができるといっ
た有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】塗装前の鋼板の明度と塗装仕上がり後の目視に
よる評価を示すグラフである。
【図2】ブライト仕上げの冷延鋼板の明度分布を示すグ
ラフである。
【図3】クロムメッキ厚と金属クロムの突起の粒径との
関係を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−146715(JP,A) 特開 昭63−264201(JP,A) 特開 昭64−66003(JP,A) 特開 平1−95803(JP,A) 特開 平1−123094(JP,A) 特開 平1−262006(JP,A) 特開 平4−300004(JP,A) 特開 昭63−317205(JP,A) 特開 昭63−112086(JP,A) 特開 昭62−137111(JP,A) 特開 昭61−202708(JP,A) 特公 昭60−33908(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22 B21B 27/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.4 から5μm の平均粒径を有する金属
    クロムの突起が1mm2当たり3000個以上析出したクロム
    メッキが施された調質圧延ロールによって鋼板を調質圧
    延することを特徴とする、表面色調に優れた薄鋼板の製
    造方法。」
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