JPH11200005A - 塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛めっき鋼板およ びその原板 - Google Patents

塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛めっき鋼板およ びその原板

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JPH11200005A
JPH11200005A JP2258798A JP2258798A JPH11200005A JP H11200005 A JPH11200005 A JP H11200005A JP 2258798 A JP2258798 A JP 2258798A JP 2258798 A JP2258798 A JP 2258798A JP H11200005 A JPH11200005 A JP H11200005A
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coating
plating
roughness
galvanized steel
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Nobuyuki Ishida
信之 石田
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 塗装後の鮮映性、特にプレコート塗装や印刷のような薄
膜塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛めっき鋼板や
合金化溶融亜鉛めっき鋼板、および前記鋼板を得るのに
好適なめっき原板を得る。 【課題】 めっき付着量が片面50g/m2以下の薄目
付溶融亜鉛めっき鋼板の表面粗さを、中心線平均粗さR
a≦0.5μm、最大高さRy≦5.0μm、かつ十点
平均粗さRz≦5.0μm(カットオフ値λc=0.8
mm)とする。まためっき原板の表面粗さを、中心線平
均粗さRa≦0.5μm、最大高さRy≦5.0μm、
かつ十点平均粗さRz≦5.0μm(カットオフ値λc
=0.8mm)とする。カットオフ値を0.8μmで、
Ra、Ry、Rzを前記範囲に規定することによって薄
目付溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後の鮮映性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塗装後の鮮映
性、特に薄膜塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛め
っき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその原板に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶融亜鉛めっき鋼板は、自動
車、家電、建材といった用途に、裸使用あるいは塗装使
用されている。中でも家電用途を中心とした塗装や印刷
を行なう用途に使用される溶融亜鉛めっき鋼板は、人目
につきやすい外板に使用されるため、塗装後の仕上がり
面が反射像の輪郭の鮮明さ等(鮮映性)に優れているこ
とが要求される。
【0003】印刷やプレコート塗装といった工程におけ
る塗膜厚は5〜25μmと非常に薄く、塗膜の特性上、
塗装原板の表面状態が塗装仕上がり面に大きく影響して
鮮映性を左右する。
【0004】鮮映性に優れる塗装鋼板を得るために、め
っき原板粗さとめっき後の調圧条件の両方を規定して、
鋼板表面を塗装に適した表面状態にする方法が提案され
ている。
【0005】例えば、特開平7−150326号公報
(以下、先行技術1)には、めっき原板として、中心線
平均粗さRaが0.8μm以下の冷間圧延鋼板を使用し
て、溶融亜鉛めっきと合金化処理を行った後の鋼板の表
面粗さを小さくし、また、合金化処理後、ロール表面の
中心線平均粗さRaが0.4μm以下の調質圧延ロール
を使用して、圧下率S(%)を冷間圧延鋼板の中心線平
均粗さ中心線平均粗さRa(μm)に応じて、0.5×
中心線平均粗さRa+1.0≦S≦4の範囲で調質圧延
を行うことによって、調質圧延による材質劣化を防ぎな
がら、合金化溶融亜鉛めっき鋼板に特有の合金化処理に
よって著しく粗面化した表面を平滑にすることが記載さ
れている。
【0006】また、特公平6−75728号公報(以
下、先行技術2)には、溶融亜鉛めっき鋼板のような厚
目付の表面処理鋼板について、原板の表面粗度を、中心
線平均粗さRaが0.4μm以下、かつ、PPI(1イ
ンチあたりの山数)100以下として表面処理後の鋼板
の表面粗度をできるだけ小さくするとともに、表面処理
後、伸率で0.5%以上、1.8%以下の調質圧延を施
すこと、あるいは前記調質圧延を2回以上の圧延に分割
し、最初の圧延を表面粗度が、中心線平均粗さRaが
0.2μm以下のロールを用いて行い、あるいはまた最
終の圧延をロール表面粗度うねりの平均値Wcaが0.
35μm以下にダル加工したロールを用いて行うことに
よって、表面処理によって粗面化した鋼板表面を平滑に
して鮮映性に優れた表面を得ることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、前記した印刷や
プレコート塗装を行う鮮映性が要求される用途に、薄め
っきの電気亜鉛めっき鋼板の代替品として、めっき付着
量が片面50g/m2以下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板
や合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されるようになって
きた。片面50g/m2以下のめっき付着量領域にある
薄目付溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板
に前記薄膜塗装等を行った場合、めっき、調質圧延後の
鋼板表面の微少な凹凸が塗装後に凹凸となって表れる
「肌荒れ」と呼ばれる、鮮映性に悪影響を及ぼす現象が
ある。
【0008】先行技術1は、一般的な合金化溶融亜鉛め
っき鋼板を対象として、合金化処理によって粗面化した
表面を調質圧延によって押しつぶして平滑にするもので
あり、薄目付溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後の鮮映性の改
善については、特別に考慮されていない。
【0009】先行技術2は、厚目付の表面処理鋼板を対
象として、溶融めっき等によって粗面化した鋼板表面を
調質圧延によって押しつぶして平滑にするものである。
先行技術2は、本発明とは対象とする鋼板のめっき厚さ
が異なり、薄目付溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後の鮮映性
の改善について考慮されていない。
【0010】したがって、薄目付溶融亜鉛めっき鋼板や
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の塗装後の鮮映性を改善する
技術については、これまで提案されていない。
【0011】また、前記先行技術1、2は、主にめっき
後の調質圧延条件によって粗面化した鋼板表面を押しつ
ぶして平滑にして鮮映性を改善するので、調質圧延量が
制約されたり、伸率の制約から鋼板材質に悪影響を及ぼ
したりする場合があるので、生産性や材質面からみた場
合、必ずしも有利な方法とはいえない。
【0012】本発明はこのような事情を考慮したもので
あり、その目的は、塗装後の鮮映性、特にプレコート塗
装や印刷のような薄膜塗装後の鮮映性の優れた薄目付溶
融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき鋼板、および
前記鋼板を得るのに好適なめっき原板を提供することに
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、亜鉛付着
量が片面50g/m2以下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板
(合金化溶融亜鉛めっき鋼板を含む。以下、同じ。)の
塗装後の「肌荒れ」の原因について種々の調査をした。
その結果、亜鉛付着量が片面50g/m2以下の薄目付
領域では、めっき原板である冷延鋼板自体の粗さが、め
っき後調質圧延した鋼板表面に表れ、これが塗装後の
「肌荒れ」の原因になっていることが判った。
【0014】したがって、薄目付溶融亜鉛めっき鋼板に
ついて、塗装後に優れた鮮映性を得るには、従来行われ
ているように、めっき後あるいは合金化処理後、調質圧
延ロールによって押しつぶして平滑な表面にするのでは
なく、冷延鋼板(めっき原板)の表面粗さを適切な範囲
に制御して、めっき後あるいは合金化処理後にできるだ
け平滑な表面にした後、調質圧延する必要がある。
【0015】このような考えに基いて、薄目付溶融亜鉛
めっき鋼板について、めっき原板の表面粗さ、調質圧延
後のめっき鋼板の表面粗さと塗装後の鮮映性の関係につ
いて種々検討した。その結果、めっき原板、調質圧延後
のめっき鋼板の表面粗さを測定する要素としてカットオ
フ値λcを定めて、中心線平均粗さRa、最大高さR
y、十点平均粗さRzを規定することによって、塗装や
印刷後に鮮映性の優れた薄目付溶融亜鉛めっき鋼板を得
ることができることを見出した。
【0016】本発明は、この知見に基いてなされたもの
であり、その特徴とする構成は以下のとおりである。
【0017】(1)めっき付着量が片面50g/m2
下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板であって、その表面粗さ
が、中心線平均粗さRa≦0.5μm、最大高さRy≦
5.0μm、かつ十点平均粗さRz≦5.0μm(カッ
トオフ値λc=0.8mm)であることを特徴とする塗
装後の鮮映性に優れ薄目付溶融亜鉛めっき鋼板。 (2)表面粗さが、中心線平均粗さRa≦0.5μm、
最大高さRy≦5.0μm、かつ十点平均粗さRz≦
5.0μm(カットオフ値λc=0.8mm)であるこ
とを特徴とする塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛
めっき用原板。 (3)前記(2)のめっき用原板に、めっき付着量が片
面50g/m2以下の溶融亜鉛めっき層を形成したこと
を特徴とする塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛め
っき鋼板。
【0018】めっき後の鋼板の表面粗さを第1発明に規
定することによって、薄膜塗装であっても、塗装後の鮮
映性が優れる。表面粗さが第2発明に規定する範囲内に
あるめっき原板は、原板のダル目や砥石目等の凹凸がめ
っき後の鋼板表面に表れにくく、このめっき原板にめっ
き付着量が片面50g/m2以下の亜鉛めっき層を形成
した第3発明の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板は、薄膜塗装
後に鮮映性を低下する「肌荒れ」の原因になる原板のダ
ル目や砥石目等の凹凸がない。第3発明のめっき鋼板は
調質圧延を施すことによって、第1発明に規定する塗装
後の鮮映性に優れた薄目付溶融亜鉛めっき鋼板を得るの
に適する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに説明
する。塗装鋼板の鮮映性は主に塗膜表面の粗さに支配さ
れる。めっきや塗装・印刷といった処理は、一般的にロ
ーパスフィルター(lowpass filter)として働き、その
処理後の粗さを小さくする傾向がある。しかし、家電用
途に主に用いられるプレコート塗装・印刷等の焼付処理
によって形成される塗膜は、塗膜厚が均一で、かつ非常
に薄いため、ローパスフィルターとしての働きが少なく
なり、塗装原板の表面性状の影響が大きく表れる。
【0020】塗装原板である溶融亜鉛めっき鋼板は、従
来厚目付であったため、亜鉛付着量を制御する気体絞り
工程における亜鉛付着量のばらつきや溶融めっき層の凝
固過程で亜鉛の結晶粒界が凹んで生じる溶融めっき特有
の粗さが大きく、これが調質圧延後の鋼板の表面性状に
大きな影響を与えていた。
【0021】しかし、亜鉛付着量が片面50g/m2
下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板や合金化溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき厚さは7μm以下である。めっき厚さが薄
いため、冷間圧延時に圧延ロールから転写された冷間圧
延鋼板のダル目や砥石目等の凹凸が、めっき後の鋼板表
面に鮮明に表れるが、溶融めっきや合金化処理によるめ
っき層自体の表面の粗面化は比較的少ない。めっき後の
鋼板表面に表れためっき原板のダル目や砥石目等の凹凸
が、調質圧延によっても是正されずに残り、これが塗装
後の鮮映性を低下する「肌荒れ」の原因になっているこ
とがわかった。
【0022】亜鉛付着量が片面50g/m2以下の薄目
付溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき原板の粗さがめ
っき後の表面に表れる理由は、片面50g/m2以下の
薄目付にするには、めっき直後の気体絞り工程における
気体の絞り力、すなわち鋼板に衝突するガス圧を非常に
大きくしなければならないため、めっき処理のローパス
フィルターとしての働きが少なくなり、めっき原板上に
微視的にも均一なめっき皮膜が形成されることによる。
【0023】以下に、塗装や印刷等の塗装後に「肌荒
れ」になる薄目付溶融亜鉛めっき鋼板表面の微少な凹凸
について調査した結果を示す。
【0024】ブライト仕上、ショットダル仕上の冷間圧
延鋼板に片面35g/m2の溶融めっき層を形成した場
合について、三次元表面粗さ計を用いて、めっき前、め
っき後、めっき層剥離後の鋼板表面の粗さプロフィール
を観察した。図1にブライト仕上げ材、図2にショット
ダル仕上げ材の粗さプロフィールを示す。
【0025】ブライト仕上材は、めっき前後とも表面が
平滑である。ショットダル仕上材は、めっき後の表面に
凹凸があり、この凹凸が塗装後の「肌荒れ」になる。ま
た、めっき後の表面の凹凸は、めっき層剥離後の鋼板表
面に存在する大きな凹凸箇所(高いピーク、深い谷)に
対応していることが確認される。
【0026】また、めっき後の鋼板表面の凹凸箇所につ
いて、三次元表面粗さ計を用いて、めっき層剥離前後の
局部的な粗さプロフィールを観察した。観察した粗さプ
ロフィールを図3に示す。めっき後の凹凸箇所はめっき
層を剥離した母材表面の凹凸箇所に一致している。めっ
き付着量が片面35g/m2程度の場合、めっき母材で
10μm程度の凹部が、めっき後でも4μm程度の凹部
になっている。めっき母材表面の凹凸は、冷間圧延ロー
ルのショットダルの圧痕等によるものと考えられる。
【0027】また、ショットダル仕上げの冷延鋼板を、
めっき付着量を種々変えてめっきし、同一条件で調質圧
延した場合について、めっき付着量とめっき後の鋼板表
面粗さ、塗装後の鮮映性の関係を調査した。鮮映性は、
塗装外観を目視観察し、反射像の鮮明さを5段階に評価
した。調査結果を図4に示す。鮮映性は、評点5が最も
優れ、評点1が最も劣っている。
【0028】めっき付着量の変化による中心線平均粗さ
Raの変化は少ない。しかし、最大高さRy、十点平均
粗さRzは、めっき付着量の減少とともに大きくなり、
またそれにともなって、鮮映性が劣化している。この傾
向は、めっき付着量が50g/m2以下の領域でより顕
著である。
【0029】図1乃至図4から、めっき付着量が片面5
0g/m2以下の薄目付領域では、めっき原板の表面性
状がめっき後の鋼板の表面性状、さらに塗装後の鋼板の
表面性状に影響を与えていることが判る。従来より、表
面性状を示す指標として、一般的に表面粗さが用いられ
ている。めっき付着量が片面50g/m2以下の薄目付
領域で、薄膜塗装後の鮮映性に影響を与えるショットダ
ルの圧痕等による表面の高いピーク、深い谷に対応する
凹凸の程度を評価するには、中心線平均粗さRaだけで
は不十分であり、さらに鋼板表面の最大の凹凸を管理す
るために最大高さRy、表面疵等のノイズを排除するた
めに十点平均粗さRzを考慮することが必要である。
【0030】また、粗さを測定する要素において、カッ
トオフ値λcが粗さ周波数のフィルターの役割を果すた
め、カットオフ値の設定により測定される粗さの値が変
化する。カットオフ値と粗さの関係を調査した結果を図
5〜図8に示す。
【0031】図5〜図8の調査では、図4の調査と同一
のサンプルについて、鋼板の長手方向(L)、幅方向
(C)の粗さを、カットオフ値を変えて測定した。カッ
トオフ値λcは、図5、図6では0.8mm、図7、図
8では0.25mmである。ショットダルの圧痕等によ
る表面の高いピーク、深い谷に対応する凹凸の程度を表
す場合、カットオフ値0.25mmで測定するよりも、
0.8mmで測定した方が、凹凸の実態をとらえてお
り、表面粗さの管理に適している。
【0032】ところで、種々の表面粗さの冷延鋼板、電
気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板等の塗装原板に
ついて調査した結果から、通常のプレコート塗装や印刷
のような薄膜塗装鋼板においては、塗装原板の表面粗さ
が中心線平均粗さRaで0.5μm以下であれば、実用
上必要な鮮映性を満足できることがわかっている。
【0033】また、市販されている写像鮮明度測定機N
SIC型(スガ試験機社製)を用いたストライプパター
ン像の波形解析による方法(NSIC法)によって、塗
装後の鮮映性を評価した場合、良好な鮮映性を得るに
は、NSIC値を60%以上にする必要のあることがわ
かった。
【0034】しかし、めっき付着量が片面50g/m2
以下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板の場合、中心線平均粗
さRaが0.5μm以下であっても、良好な鮮映性を安
定して得られない。この理由は、前記したようにめっき
原板表面の凹部がめっき後の鋼板表面に残り、これが鮮
映性に影響を与えるためである。
【0035】そこで、めっき付着量が片面50g/m2
以下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板にプレコート塗装や印
刷のような薄膜塗装を行った場合に、優れた鮮映性の得
られる調質圧延後の鋼板の表面粗さやめっき原板の表面
粗さについて、中心線平均粗さRaだけでなく、最大高
さRyや十点平均粗さRzについても調査した。
【0036】鮮映性の評価は、NSIC法およびスリッ
ト模様の反射像の輪郭の鮮明さの目視観察によって行っ
た。NSIC法においては、NSIC値に応じて、○:
NSIC値が60%以上、△:NSIC値が30%以上
60%未満、×:NSIC値が30%未満、と評価し
た。スリット模様の反射像の輪郭の鮮明さについては、
○:輪郭が鮮明なもの、△:輪郭がやや不鮮明なもの、
×:輪郭が不鮮明なもの、と評価した。両者の劣る方の
評価を鮮映性の評価とした。鮮映性の評価結果を図9、
図10に示す。
【0037】図9、図10に示すように、めっき後の鋼
板表面粗さが、カットオフ値λc=0.8mmにおい
て、中心線平均粗さRa≦0.5μm、最大高さRy≦
5.0μm、十点平均粗さRz≦5.0μmであれば、
鮮映性に優れる。またそのためには、めっき原板の表面
粗さが、カットオフ値λc=0.8mmにおいて、中心
線平均粗さRa≦0.5μm、最大高さRy≦5.0μ
m、十点平均粗さRz≦5.0μmにすればよい。
【0038】本発明においては、めっき後の鋼板の表面
粗さを第1発明に規定することによって、薄膜塗装であ
っても、塗装後の鮮映性が優れる。
【0039】また、表面粗さが第2発明に規定する範囲
内にあるめっき原板は、原板のダル目や砥石目等の凹凸
がめっき後の鋼板表面に表れにくく、このめっき原板
に、めっき付着量が片面50g/m2以下の亜鉛めっき
層を形成した第3発明の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板は、
薄膜塗装後に鮮映性を低下する「肌荒れ」の原因になる
原板のダル目や砥石目等の凹凸がない。そのため、第3
発明のめっき鋼板は調質圧延を施して、調質圧延後の鋼
板の表面粗さが第1発明に規定する範囲内にある薄目付
溶融亜鉛めっき鋼板を得るのに好適である。
【0040】調質圧延では、めっき後の鋼板表面を平坦
にし、また形状矯正すると同時に、調質圧延後の鋼板の
表面粗さを本発明において規定する範囲内にする必要が
ある。そのためには、調質圧延ロールの表面粗さは、カ
ットオフ値λc=0.8mmにおいて、中心線平均粗さ
Ra≦0.5μm、最大高さRy≦5.0μm、十点平
均粗さRz≦5.0μmであることが望ましく、また伸
率は、0.3%以上にすることが望ましい。伸率の上限
は、調質圧延量の制約を緩和したり、鋼板材質に悪影響
を及ぼすことを防止するために、2.5%程度以下にす
ることが望ましい。
【0041】
【実施例】B添加の極低炭素鋼を用い、冷間圧延の最終
スタンドに仕上げと粗さの異なる圧延ロールを用いて圧
延した鋼板を、連続式溶融亜鉛めきラインに装入し、片
面45g/m2の溶融亜鉛めっきを施し、あるいはさら
に合金化処理を施した後、仕上げと粗さの異なる調質圧
延ロールを用いて、伸率0.5〜0.7%の調質圧延を
行い、溶融亜鉛めっき鋼板を製造した。冷間圧延の最終
スタンドに使用した圧延ロールの仕上げと粗さを表1、
調質圧延に使用した調質圧延ロールの仕上げと粗さを表
2に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】冷間圧延後の鋼板の表面粗さ、めっき付着
量、調質圧延後の鋼板の表面粗さを調査した。また、調
質圧延後の鋼板に、塗膜厚10μm程度の薄膜塗装を行
い、鮮映性を調査した。鮮映性の評価は、NSIC法お
よびスリット模様の反射像の輪郭の鮮明さの目視観察に
よって行った。NSIC法においては、NSIC値に応
じて、○:NSIC値が60%以上、△:NSIC値が
30%以上60%未満、×:NSIC値が30%未満、
と評価した。スリット模様の反射像の輪郭の鮮明さにつ
いては、○:輪郭が鮮明なもの、△:輪郭がやや不鮮明
なもの、×:輪郭が不鮮明なもの、と評価した。また、
両者の劣る方の評価を鮮映性の評価とした。調査結果を
表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表面粗さが第2発明に規定する範囲内にあ
るブライト仕上げのめっき原板を使用した発明例No.
1、No.2は、調質圧延後の表面粗さが第1発明に規定
する範囲内にあり、塗装後の鮮映性に優れている。
【0047】表面粗さが第2発明に規定する範囲外にあ
るショットダル仕上げのめっき原板を使用した比較例N
o.3〜6は、調質圧延後の表面粗さが第1発明に規定す
る範囲を上回っており、塗装後の鮮映性に劣っている。
【0048】本実施例では、冷間圧延設備の最終スタン
ドロール、めっき後の調質圧延ロールに、いずれもブラ
イト仕上げロールを用いたが、中心線平均粗さRa、最
大高さRy、十点平均粗さRzが、本発明に規定する粗
さ条件を満たせば、冷間圧延設備の最終スタンドロー
ル、めっき後の調圧ロールには、ブライトロール、レー
ザーダルロール、放電加工ダルロール、ショットダルロ
ールのいずれを使用してもかまわない。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、めっき付着量が片面
50g/m2以下の薄目付溶融亜鉛めっき鋼板、合金化
溶融亜鉛めっき鋼板に薄膜の印刷塗装やプレコート塗装
を行った場合、鮮映性に優れた塗装鋼板を得ることがで
きる。
【0050】また、めっき原板の表面粗さを適切な範囲
に制御して、めっき後に高鮮映性を得るようにするの
で、調質圧延に際して、調質圧延量の制約を緩和でき、
また鋼板材質へ悪影響を及ぼす欠点を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブライト仕上した冷間圧延鋼板について、めっ
き前、めっき後、めっき層剥離後の鋼板表面を、三次元
表面粗さ計を用いて観察した粗さプロフィールを示す図
面代用写真で、(a)はめっき前原板、(b)はめっき
表面、(c)はめっき剥離後の表面を示す。
【図2】ダル仕上した冷間圧延鋼板について、めっき
前、めっき後、めっき層剥離後の鋼板表面を、三次元表
面粗さ計を用いて観察した粗さプロフィールを示す図面
代用写真で、(a)はめっき前原板、(b)はめっき表
面、(c)はめっき剥離後の表面を示す。
【図3】塗装後の「肌荒れ」箇所について、めっき層剥
離前後の粗さを、三次元表面粗さ計を用いて観察した粗
さプロフィールを示す図で、(a)はダル仕上げ材のめ
っき層剥離前の表面、(b)はめっき層剥離後の表面を
示す。
【図4】めっき付着量と表面粗さ、塗装後の鮮映性の関
係を示す図。
【図5】カットオフ値λc=0.8mmの場合のL方向
の表面粗さの変化を示す図。
【図6】カットオフ値λc=0.8mmの場合のC方向
の表面粗さの変化を示す図。
【図7】カットオフ値λc=0.25mmの場合のL方
向の表面粗さの変化を示す図。
【図8】カットオフ値λc=0.25mmの場合のC方
向の表面粗さの変化を示す図。
【図9】めっき原板粗さRa、調質圧延後の鋼板表面粗
さRaと鮮映性の関係を示す図。
【図10】めっき原板粗さRy、Rz、調質圧延後の鋼
板表面粗さRy、Rzと鮮映性の関係を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき付着量が片面50g/m2以下の
    薄目付溶融亜鉛めっき鋼板であって、その表面粗さが、
    中心線平均粗さRa≦0.5μm、最大高さRy≦5.
    0μm、かつ十点平均粗さRz≦5.0μm(カットオ
    フ値λc=0.8mm)であることを特徴とする塗装後
    の鮮映性に優れ薄目付溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 表面粗さが、中心線平均粗さRa≦0.
    5μm、最大高さRy≦5.0μm、かつ十点平均粗さ
    Rz≦5.0μm(カットオフ値λc=0.8mm)で
    あることを特徴とする塗装後の鮮映性に優れた薄目付溶
    融亜鉛めっき用原板。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のめっき用原板に、めっき
    付着量が片面50g/m2以下の溶融亜鉛めっき層を形
    成したことを特徴とする塗装後の鮮映性に優れた薄目付
    溶融亜鉛めっき鋼板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015036426A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛系めっき用鋼板の製造方法

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JP2015036426A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 Jfeスチール株式会社 溶融亜鉛系めっき用鋼板の製造方法

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