JP3177657B2 - インクジェット式印字ヘッド - Google Patents

インクジェット式印字ヘッド

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印字データの入力を受けた時点で、インク
を液滴又はミストとして飛翔させ、このインク滴又はミ
ストにより記録用紙にドットを形成するオンデマンド型
インクジェット式印字ヘッドに関する。具体的分野とし
てコンピュータの出力端末や、カラープリンタ用等とし
て広く用いられているオンデマンド型インクジェット式
ヘッドに関するものである。
〔従来の技術〕
オンデマンド型インクジェット式印字ヘッドは、大き
く分けて3種類のものがある。第1のものはノズルの直
下又は壁面にインクを瞬間的に気化させるヒータを設
け、気化時の膨張圧力によりインク滴を生成し、飛翔さ
せる、いわゆるバブルジェット型である。第2のものは
インク溜部を形成する容器に、信号により変形する圧電
素子を設け、変形時に生じる圧力によりインクを液滴と
して飛翔させるものである。第3のものは、インク溜部
内にノズルに対向させて圧電素子を配設し、この圧電素
子の伸縮によりノズル領域に動圧を生じさせてインク滴
を飛翔させるものである。
上記第3の形式のオンデマンド型インクジェット式印
字ヘッドは、日本特許公報特公昭60−8953号公報に示さ
れたように、インクタンクを構成する容器の壁面に複数
のノズル開口を形成するとともに、各ノズル開口と対向
するように伸縮方向を一致させて圧電素子を配設して構
成されている。この印字ヘッドは、印字信号を圧電素子
に印加して圧電素子を伸長させ、このときに発生するイ
ンクの動圧によりノズルからインク滴を飛出させて印刷
用紙にドットを形成するものである。
このような形成の印字ヘッドにおいては、液滴の形成
効率や飛翔力が大きいことが望ましい。しかしながら、
圧電素子の単位長さ、及び単位当りの伸縮率は極めて小
さいため、印字に要求される液滴の形成効率と飛翔力を
得るには、インクの動圧がノズル開口に集中する構造と
するとともに、高い電圧を印加することが必要となる。
このため構造及び駆動回路や電気絶縁対策が複雑化する
という問題がある。
上記問題を解消するために以下の提案がなされてい
る。まず、印字に要求される液滴の形成効率と飛翔力を
得るための、インクの動圧がノズル開口に集中する構造
として、一般的にインク溜部側のノズル開口部をインク
出口側開口部より大きくする構造が提案されている。具
体的にはノズル開口部を有する部材の厚み方向に段差ま
たはホーン型形状を設ける構造、日本特許公報特公昭60
−8953号公報の中で示された円錐形、さらにまた、イン
ク溜部側に上記形状を突出させる方法等種々の提案が提
示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来の技術で延べた様な方法の実現に際して
は、インク溜部側のノズル開口部、すなわち容器の内壁
部に複雑な形状を形成しなければならないため、加工法
及び製作コスト面から、容器とは別体の部材にせざるを
得なかった。従って上記の形状を形成した別体の部材を
容器に結合することによって、寸法精度の累積や変形等
によって動圧の中心とノズル開口部の上記形状の中心が
ずれたり傾いたりすることによりその効果が少なくなっ
てしまうという問題がある。また接着等の結合などにお
いては環境条件及び時間的経過条件等により剥離等が生
じ極めて信頼性に劣るという問題がある。
また印字に要求される飛翔力を得るために高い電圧を
印加しない方法として、日本特許公報特開昭63−295269
号公報に示されているように、電極と圧電材料を交互に
サンドイッチ状に積層したインクジェット印字ヘッド用
の圧電素子が提案されている。この圧電素子によれば電
極間距離を可及的に小さくすることができるため、駆動
信号の電圧を下げることができるという効果がある。し
かしながら、このような圧電素子は小型に成型すること
が困難であるため、その用途が限定されるという問題が
ある。
本発明は、小型、高密度化が可能で、可及的に低い電
圧で十分な飛翔力のインク滴を安定的に吐出することが
可能な新規な構造のインクジェット式印字ヘッドを提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明のインクジェット式印字ヘッドは、圧電材料と
導電材料により形成された複数の圧電素子と、この複数
の圧電素子の一端が自由端となるように他端を固定した
基台と、インク溜めとなるキャビティの間隔を形成する
ように前記圧電素子の自由端と対向配置された仕切ブロ
ックと、前記インク溜め部と連通するノズル開口が形成
されたノズル部材と、前記圧電素子間に配設された列間
仕切部材とを備えたインクジェット式印字ヘッドであっ
て、前記ノズル部材と前記列間仕切部材が一体に形成さ
れ、さらに前記列間仕切部材は樹脂系材料からなり、前
記圧電素子の基台固定部分から自由端に延びる側面を前
記樹脂系材料で充填し前記列間仕切部材と前記仕切ブロ
ックにより前記インク溜となるキャビティの少なくとも
3面が形成されていることを特徴とする。
〔実 施 例〕
以下本発明の詳細を実施例により図面を参照して説明
する。
第1図〜第6図は本発明における第1の形成のオンデ
マンド型インクジェット式印字ヘッドの構成を示すもの
であり、第1図は外観斜視図、第2図は平面図、第3図
は正面図、第4図は第2図におけるA−A′断面でノズ
ル部中心の駆動部の断面図、第5図は第2図におけるB
−B′断面で仕切部を中心とした断面図、第6図はノズ
ル開口部8を設けたノズル部材7を除去した平面図であ
る。第4図及び第6図において、圧電素子4は強固な接
着剤(又はろう付け)15によって基板1及びハウジング
2に固定されている。圧電素子4は圧電定数d33方向に
縦振動するように内部電極40、42が交互にキャビティ11
と対向する方向に形成されている。圧電素子4の外部電
極47、48(第9図(II)参照)は上下面に全面にわたっ
て形成され、高ヤング率接着剤(又はろう付け材)6、
9又は導電材を介して基板1の上に形成された共通電極
13、リード電極14と電気的に接続されている。さらに第
5図において、圧電素子4の列の間の隙間はヤング率が
圧電素子4のヤング率の20%以下である接着剤又は充填
剤等の樹脂系材料から成る列間仕切部材で埋められてい
る。また、キャビティ部は、列間仕切部材5で仕切ら
れ、各圧電素子4毎に独立したキャビティ11が形成され
ている。キャビティ11の圧電素子4に対向する側面はセ
ラミックス又はプラスチックス又は金属等の仕切りブロ
ック3で形成されている。仕切ブロック3は、基板1に
固着されている。また、キャビティ11に連通したノズル
開口部8を形成したノズル部材7は、列間仕切部材5と
同等の材料で列間仕切部材5と一体的に形成され、仕切
ブロック3及び圧電素子4及びハウジング2のそれぞれ
の端面と接合している。
上述の如き構成を成すオンデマント型インクジェット
式印字ヘッドについて製造プロセスを追いながら詳述す
る。
プロセス1 第7図は、基板の平面図である。図示のものは同時に
多数個取りができるようにしたもので、図中の破線aで
切断することにより、1ユニット、すなわち1ヘッド分
の基板1を多数取ることができる。取り枚数は各ヘッド
のノズル数及び製造装置の能力によって決定される。こ
の基板は絶縁材料より成り、アルミナ等のセラミック
ス、あるいはガラス基板等が用いられる。21はインク導
入用のスルーホールでレーザー又は型取りによって裏面
と貫通している。22は表面電極であり焼成により作成し
た導通電極用の導通ペーストである。一般にはAg/Pd
系、Au/Pd系、Pt/Pd系が用いられる。もちろんその他の
導通ペーストも用いることができ、厚さは3μm〜20μ
mまでが好ましい。
プロセス2 このような基板を切断した1ユニットの基板1の上に
仕切ブロック3及び圧電素子ブロック34を接着剤15で回
着する。接着剤15は、エポキシ系又はシリコン系等の樹
脂系接着剤又はAgろう等を用いる。
第8図は、基板1の上に仕切ブロック3と圧電素子ブ
ロック34を接着した状態を示す図である。この時点で圧
電素子ブロック34は各圧電素子列に分割されておらず、
ブロックの状態である。この圧電素子ブロック34は、上
下面にそれぞれ外部電極47、48(第9図(II)参照)が
表面全体にカバーされている。また、図中31は、将来キ
ャビティ11を形成する空隙である。この空隙31にはレジ
ストフィルム等の後で除去可能な膜が張り付けられてい
る。又はフォトリソ用のレジストを流し込み固化させて
も良い。
圧電素子ブロック34を基板1に固定する際、キャビテ
ィ11側と反対側の端部は、高強度の圧電素子4と同等の
ヤング率を有する部材にて固定する。これにより、圧電
素子4の伸縮量はキャビティ11側の自由端側に有効に作
用することとなる。本実施例ではハウジング2をセラミ
ックス等の高ヤング率材料として圧電素子4の固定端に
密着するよう当接配置した。更に固定を確実にするため
に、基板1と圧電素子4及びハウジング2と圧電素子4
間の部分を高ヤング率接着剤6、9を使用して固着し
た。例えば、ガラスフリット材、セラミックス系ペース
ト材等を使用し、焼成により固着化可能である。
さらに圧電素子4について詳述する。
第9図(II)は圧電素子ブロック34を示すもので、図
中符号40、40、40・・・はそれぞれの一方の内部電極を
構成する導電層である。また42、42、42・・・は他方の
内部電極を構成する導電層である。各導電層40、42は互
いに平行となるように交互に圧電材料44、44、・・・に
サンドイッチ状に配設されている。また一方の内部電極
となる導電層40は一方の端部がブロックの裏面に露出さ
れ、また他方の内部電極となる導電層42はその端部がブ
ロックの表面に露出するように構成されている。このよ
うな層構造は、適当な圧電素子材料、例えば、チタン酸
・ジルコン酸鉛系複合ペロブスカイトセラミックス材料
をグリーンシート状とし、この表面に印刷法により内部
電極材料を印刷する。次いでこのシートを交互に必要枚
数重ねてラミネートする。こうして所定枚数を形成し、
予備乾燥及びシンタリングを行い、焼結体とする。この
状態を第9図(I)に示す。この直方体状のものの内部
電極42及び40が露出している面にそれぞれ外部電極を構
成する導電材料47、48を塗布乾燥又は焼成して第9図
(II)に示す状態となる。これが圧電素子ブロック34で
あり、最終的にはスリット46を入れて各アレイに分割し
使用する。
このように構成した各圧電素子列の一方の内部電極40
を接続している外部電極48には、第11図に示すようにそ
れぞれ独立のリード電極14を接続し、また他方の内部電
極42を接続している外部電極47には共通電極13を接続す
る。これにより、独立のリード電極14と共通電極13との
間に電気信号を印加すると、独立のリード電極14により
選択的に信号が印加された圧電素子は、外部電極47、48
を介して内部電極40、42間に同一の電圧を同時に印加さ
れることになるから、内部電極間の圧電材料が同時に伸
長し、各層の変位が足し合わされて自由端側が軸方向へ
変位する。もとより、各内部電極間の圧電材料は、極め
て薄く形成されているから、最大限の伸長を行わせるた
めの電圧は極めて小さな値で済むことになる。
圧電素子ブロック34、導電剤により基板1上の電極と
導通させている。導通方式は種々あるが、一般にはAgロ
ウ材や導電ペーストを用いる。又、金属ボウルを基板と
圧電素子の間で押しつぶして用いる場合もある。導電ス
ペースは電極面全体である必要はなく、ある部分が確実
に導通されていればよい。ただし前述したように圧電素
子ブロック34はカッティングして使用される為、各圧電
素子列毎に導通しているよう配慮する必要はある。
プロセス3 プロセス2により得られた第8図に示す状態のものを
第10図の一点鎖線C−C′の方向に、ダイシングソース
やワイヤーソーを用いてスリットを入れる。この時、基
板1の表面電極22も分割される様、基板1の表面から10
〜50μmの深さまでカッティングを行なう。ピッチは所
望の数値で良い。例えば300Dot Per Inchのヘッドを作
るのであれば片側150Dot Per Inchで169.3μmピッチと
なる。こうしてカットされた圧電素子ブロック34の周囲
を囲い込むようにハウジング2を設置する。ハウジング
2は基板1及び各圧電素子列のキャビティ11側と逆の端
面と強力に固着する。ここで用いる接着剤はヤング率が
できるだけ大きいことが望ましい。
プロセス4 ワイヤーソー等によりカッティングしてできたスリッ
ト空間に列間仕切部材5をなす樹脂系材料を注入充填し
硬化する。
樹脂系材料はエポキシ系、シリコン系等が適当である
が、硬化膜が適度な硬度と密着性及び強度をもっていれ
ばこれにこだわる必要はない。
プロセス5 各圧電素子列の上面に形成されている電極を導通させ
共通電極を取り出す。既に基板1側と各圧電素子列下面
の電極はプロセス3によるカッティングで個別リード電
極として構成されている。上面は例えばハウジング2の
外壁を利用する等して基板1側共通電極13に導通させ
る。第11図はその1例を示すものであり、ハウジング2
の表面に導電ペーストで導電路61を形成している。導電
路61は、圧電素子4の上面電極47と導電ペースト62で導
通している。又、導電路61は基板上の共通電極13とも導
電ペースト63で導通している。この電気的接合方式はい
ろいろとあり、例えばフレキシブルケーブルを利用した
り、ワイヤボンディングする等も可能である。
プロセス6 ノズル部材7及びノズル開口部8について詳述する。
第12図はその1例を示すもので、ハウジング2の外側を
囲むように、さらにノズル部材7の厚さの予定の位置D
よりE寸法高い枠16を基板1に仮接着し、前述の列間仕
切部材5と同等の材料を枠16の上面まで注入充填し硬化
させる。次に枠16を外してノズル部材7の厚さの予定の
位置Dの位置まで研削して平滑にする。研削は表面研削
盤やラッピング装置、またはダイシングソーを用いて行
なう。その後、レーザーまたはドリルによりキャビティ
11を形成する為に可溶性樹脂を充填してあったスペース
の真中にノズル部材7の厚さを貫いた穴であるノズル開
口部8を正確に穴明けする。ノズル部材7の厚さは0.05
〜0.5程度の薄さであるため、透明な樹脂系材料を使用
し、キャビティ11を形成する為の可溶性樹脂を着色する
ことにより仕切りブロック3と圧電素子4との識別が画
像処理技術等により簡単にできる。したがって傾きの無
い正確な位置に穴明けが可能である。また、枠16は外さ
ないで同時に研削しても良く、その場合は基板1に確実
に接着する必要がある。このようにノズル部材7と圧電
素子列の列間仕切部材5とが同じ樹脂系材料であるた
め、ノズル部材7の形成時に注入した材料が列間仕切部
材5と一体になり、十分な強度が保証され、変形、剥離
等が生じることが無くなる。
プロセス7 キャビティ11を形成するために充填してあったスペー
ス(第10図の空隙31)の可溶性樹脂を除去する。ポジ系
のフォトレジストであれば、アセトンまたはアンモニア
水にて除去するのが好適であり、ネガ系フォトレジスト
であれば強酸系の水溶液を加温して吹きつけて除去す
る。これにより第13図に示す如きキャビティ11を形成す
ることができる。第13図では仕切ブロック3も圧電素子
4と同時にカッティングし、列間仕切部材5をなす樹脂
系材料をそのスペースに注入充填し硬化させてキャビテ
ィ11を形成した場合を示している。なお、図では、ノズ
ル部材7及びノズル開口部8を省略してある。
本実施例では仕切ブロック3をはさんでキャビティ11
を対向させる方式について記述してきたが、ノズル開口
は1列でも良いし、あるいは更に多列化することも容易
である。
このように構成された印字ヘッドは、ケーブル12を介
して電気信号が圧電素子4に印加すると、圧電素子4は
電極の積層方向に伸長するから、圧電素子4の自由端は
前面のキャビティ内にあるインクを仕切ブロック3に向
けて押出すことになる。これにより、インクは、動圧を
受けてノズル開口部8に突入し、インク滴となって外部
空間を飛翔し、印刷用紙にドットを形成する。
電気信号の印加がなくなると、圧電素子4は元の状態
に縮小し、仕切ブロック3と圧電素子4の間のキャビテ
ィ11にインクがスルーホール21を通じて流入して次のイ
ンク滴発生に備えることになる。
ところで、インクジェットプリンタ用インクは絶縁性
の場合もあれば、導電性をもつ場合もある。特に導電性
インクを使用する場合は、圧電素子の電極はインクから
完全にシーリングされていなければならない。こうした
点をクリアする為に第14図のb層のように両自由端に圧
電作用に関与しない層を圧電材料で形成しておくのが望
ましい。さらに、列間仕切部材(樹脂系材料)5をスリ
ットに流し込む前に圧電素子列全体を絶縁性樹脂液、例
えばポリイミド溶液中にディッピングし、薄い絶縁膜を
圧電素子表面にコーティングするのも良い方法である。
第15図は第2の実施例を示す部分斜視図である。この
実施例では、各キャビティの仕切部材でもある列間仕切
部材5が仕切ブロック部3まで延設されていない。第1
の実施例は高密度形ヘッドである為、クロストークの問
題がある。本実施例は比較的、隣接するノズル開口部を
密度が高くない場合は有効であり、十分に実用性があ
る。図はノズル部材7を透視しており、圧電素子間は列
間仕切部材5により埋められている。この実施例の場合
は、第10図の空隙31を設ける必要はなく、仕切ブロック
3と圧電素子ブロック34は密着して接着し、圧電素子列
間に樹脂を埋めた後、ダイシングソー等で空隙31に相当
する部分を切断し、可溶性レジストを注入充填硬化させ
キャビティを形成することができる。第15図91はこのよ
うにして形成したキャビティである。また、仕切ブロッ
ク3は圧電素子ブロックの圧電作用に寄与しない層を延
設して、その層を後でカットし、仕切ブロック3として
使用することも可能である。
また、前述までの実施例において、圧電素子列のスリ
ット空間に樹脂系材料を注入充填し硬化させた後ハウジ
ング2の表面導電路61に圧電素子4の上面の電極を導通
させ共通電極として取り出し、そのあとでノズル部材7
及びノズル開口部8を形成するための樹脂系材料5と同
等の材料を注入充填し硬化させることにより圧電素子列
の列間仕切部材5とノズル部材7とを一体にするという
ことで説明したが、この方法に限定されるものではな
く、その他種々の方法も採用し得る。たとえば、前述の
共通電極の取り出しを先にし、そのあとで圧電素子列の
列間仕切部材5とノズル部材7を同時に樹脂系材料を注
入充填し硬化させて一体に形成することができる。
〔発明の効果〕
以上延べたように、本発明のインクジェット式印字ヘ
ッドによれば、圧電材料と導電材料により形成された複
数の圧電素子と、この複数の圧電素子の一端が自由端と
なるよう他端を固定した基台と、前記自由端とインク溜
めとなるキャビティを形成する仕切ブロックと、前記イ
ンク溜め部と連通するノズル開口が形成されたノズル部
材と、前記圧電素子間に配設された列間仕切部材とを備
えたインクジェット式印字ヘッドであって、前記ノズル
部材と前記列間仕切部材が一体に形成されたことによ
り、小型、高密度化が可能で、可及的に低い電圧で十分
な飛翔力のインク滴を吐出することが可能な印字ヘッド
を提供することができるとともに、ノズル部材と列間仕
切部材とが一体に形成されているため、上記印字ヘッド
製造時のズレや変形を低減させることが可能となり、信
頼性の高い安定したインク液滴形成と飛翔力を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図は本発明における第1の形式のオンデマ
ンド型インクジェット式印字ヘッドの構成を示すもので
あり、 第1図は外観斜視図、 第2図は平面図、 第3図は正面図、 第4図は第2図におけるA−A′断面でノズル部中心の
駆動部の断面図、 第5図は第2図におけるB−B′断面で仕切部を中心と
した断面図、 第6図は第2図におけるノズル部関係を除去した平面
図。 第7〜第13図は本発明における製造プロセス説明図であ
り、 第7図は基板の詳細図、 第8図は基板上に仕切ブロックと圧電素子ブロックを接
着した図、 第9図(I)は圧電素子ブロックの焼結体の状態図、 第9図(II)は圧電素子ブロックの外部電極付の状態
図、 第10図は圧電素子ブロックの分割カッティングの状態
図、 第11図は共通電極の取り出し状態の一例を示す図、 第12図はノズル部材及びノズル開口部の形成状態の一例
を示す図、 第13図はキャビティ形成状態の他の例を示す図、 第14図は絶縁シーリング用としての圧電素子の構造の一
例を示す図、 第15図はキャビティの仕切部材が仕切ブロックまで延設
されていない実施例を示す図。 1……基板 2……ハウジング 3……仕切ブロック 4……圧電素子 5……列間仕切部材 7……ノズル部材 8……ノズル開口部 11……キャビティ 12……ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電材料と導電材料により形成された複数
    の圧電素子と、 この複数の圧電素子の一端が自由端となるように他端を
    固定した基台と、インク溜めとなるキャビティの間隔を
    形成するように前記圧電素子の自由端と対向配置された
    仕切ブロックと、 前記インク溜め部と連通するノズル開口が形成されたノ
    ズル部材と、 前記圧電素子間に配設された列間仕切部材とを備えたイ
    ンクジェット式印字ヘッドであって、 前記ノズル部材と前記列間仕切部材が一体に形成され さらに前記列間仕切部材は樹脂系材料からなり、前記圧
    電素子の基台固定部分から自由端に延びる側面を前記樹
    脂系材料で充填し 前記列間仕切部材と前記仕切ブロックにより前記インク
    溜となるキャビティの少なくとも3面が形成されている
    ことを特徴とするインクジェット式印字ヘッド。
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