JP3177526B2 - 選別供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は選別供給装置に関する。
より詳しくは、本発明は、いちご等の比較的柔らかく力
が掛ると傷み易い果実や農作物等を選別、特に重量選
別、する装置に選別対象物を供給するための装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、いちご等の比較的柔らかい果実や
農作物は、肉眼によりその形状、特に外観の大きさによ
り選別していた。しかしながら、最近、選別精度の一層
の向上が望まれ、従来の形状選別から重量選別へ移行す
る傾向にある。

【０００３】本発明者は、先に重量選別装置として、上
皿天秤タイプの重量選別装置を提案した（実開平１−１
２４２７８号公報を参照）。この装置により、選別対象
物を正確に、効率よく且つ迅速に重量選別することがで
きる。この装置においては、秤の受皿への選別対象物の
供給を人手によって行っている。

【０００４】しかしながら、いちご等の柔らかい果実や
農作物では人手で触れると傷み易く、極力人手の接触を
減らす必要があり、また、処理する選別対象物の数量が
多いため、人手で供給する場合には供給量が少なく、選
別装置の処理能力に比較し遥かに低く選別能率が大幅に
低下するという問題がある。

【０００５】選別装置への選別対象物の供給を自動的に
行う装置として、実公昭６３−２６２２０号公報や実公
平１−１８２２３号公報に開示されたものがある。これ
らの装置は何れも形状選別タイプの選別装置へ農産物を
供給するものであり、供給装置のコンベアの出口側に固
定の受渡板を設置して、この受渡板の上に供給コンベア
から１個ずつ農作物を供給し、一方、選別装置の選別体
（保持体）が垂直面内において循環しており、選別体が
上昇する際に選別体に取着した受取杆（すくい上げ材）
が固定の受渡板上に供給されている農産物をすくい上げ
て選別体内に投入するものである。

【０００６】また、前記実公昭６３−２６２２０号公報
に開示された供給装置は、コンベア部が無端帯に一定ピ
ッチでローラを並設しており、且つこれらのローラとロ
ーラの間に該ローラよりも巾狭の細杆を配設したことを
特徴とする選果機であり、供給装置から選別装置へ選別
対象物（農産物）を受渡す際に供給装置のローラの間に
選別対象物が挟まることを防止している。

【０００７】前記実公平１−１８２２３号公報に開示さ
れた供給装置は、農産物の支持体を複数個並設した無端
コンベアからなり、この無端コンベアの前方にストッパ
付の受渡部材が固定設置されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実公昭
６３−２６２２０号公報や実公平１−１８２２３号公報
に開示の供給装置を前述した実開平１−１２４２７８号
公報の重量選別装置に適用することはできない。すなわ
ち、実開平１−１２４２７８号公報の重量選別装置には
受取杆（すくい上げ部材）が設けられていない。仮に、
受取杆を取付けたとしても、選別対象物が小さい農産物
の場合は上手くすくい上げることができず、更に、水平
面内で循環するタイプの選別装置には全く適用不可能で
ある。

【０００９】また仮に、固定の受渡部材を介さず、前記
供給装置のコンベアから直接に重量選別装置の選別体内
に農産物を落下供給させようとすると、重量選別装置の
受皿と供給装置とのタイミングを非常に微妙に調整する
必要があり、実際問題として供給装置により供給された
農産物が選別装置の受皿の上にうまく載らないという問
題が生じる。特に、実開平１−１２４２７８号公報の重
量選別装置において受皿を水平面内を移動させるように
した場合には、連続的に水平に移動している受皿に向け
て連続的に移動する供給装置から選別対象物を投入する
こととなり、両者のタイミングを合わせることは至難で
ある。更に、供給装置のコンベアと選別装置の受皿との
間の距離が大きくなってしまい、いちごのような柔らか
いものを供給すると、落下時にいちごを傷めてしまうと
いう問題も生ずる。

【００１０】更に、実公昭６３−２６２２０号公報の供
給装置では、いちごのような柔らかいものを処理する場
合には、選別対象物（いちご）をローラにより傷め実用
に供し得ない。

【００１１】

【発明の目的】本発明は上述したような問題点に鑑み
て、供給装置に供給された選別対象物を人手によらず選
別装置の受皿の上に１つづつ確実に供給することがで
き、しかもいちご等の柔らかく傷み易い果実や農作物等
の選別対象物が損傷されることがない選別供給装置を提
供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明においては、上述
の目的を、無端状チェーンに取着され、一方向に移動さ
れ、選別対象物を１つずつ載せる多数の受皿を具備した
選別装置と、表面に前記選別対象物を１つずつ収納する
凹部または穴を具備し前記選別装置の受皿へ選別対象物
を送るコンベア装置と、該コンベア装置の出口部と選別
装置との間に設けられ、前記コンベア装置の凹部または
穴に収納された前記選別対象物を１つずつ前記選別装置
の受皿へ供給するタイミング装置とからなり、該タイミ
ング装置は前記コンベア装置および前記選別装置の無端
状チェーンに連動して実質的に水平面内に位置する循環
路に沿って移動する受け皿と、該受け皿をコンベア装置
の出口部の下方において、該コンベア装置の凹部または
穴に同期して該凹部または穴に収納された前記選別対象
物を１つずつ受取る状態とさせると共に、前記選別装置
の上方において、該選別装置の受皿に同期して該受皿へ
前記選別対象物を１つずつ放出する状態とさせる受け皿
姿勢制御手段とを具備し、該受け皿姿勢制御手段が受け
皿の循環路に配置されたカムと、移動する受け皿側に設
けられたカムフォロアとからなることを特徴とする選別
供給装置により達成する。また、本発明においては、受
け皿姿勢制御手段が受け皿の循環路に配置されたカム
と、移動する受け皿側に設けられたカムフォロアとから
なっており、タイミング装置の受け皿の移動によりカム
フォロアが固定設置したカムに係合して受取り状態およ
び放出状態の一方または双方をとるようにしているの
で、構造が簡単となり故障もない。

【００１３】

【作用】以上の構成からなる本発明においては、選別対
象物Ａがコンベア装置の入口側のトレイ（図示せず）に
供給され、または適宜、人手によりコンベア装置に形成
された凹部に選別対象物が１つずつ載せられ、この状態
でコンベア装置により、その出口に向って移動されて行
く。この場合に、コンベア装置の隣接する凹部間の間隔
は選別装置の受皿の間隔よりも遥かに狭いため、コンベ
ア装置の移動速度は選別装置の受皿の移動速度よりもか
なり遅い。従って、コンベア装置の隣合う凹部の設置箇
所が近接し且つコンベアの移動速度が充分に遅いので、
作業者は選別対象物（いちご）を容易にコンベア装置の
凹部に載置できる。

【００１４】以上のようにして、選別対象物は、１つず
つコンベア装置の出口部において受取り状態（ほぼ水平
状態）となっているタイミング装置の受け皿に供給され
る。

【００１５】タイミング装置の受け皿と選別装置の受皿
とを同期させており、タイミング装置は、その受け皿に
選別対象物を受け取り、そしてタイミング装置の受け皿
が回転軸のまわりに回転して選別装置の受皿の近傍に位
置するとタイミング装置の受け皿は放出状態（傾斜状
態）となり、その下方に到達した選別装置の受皿に選別
対象物を放出する。これにより、選別装置の受皿上には
選別対象物が１つずつ確実に載置される。また、タイミ
ング装置と受皿との垂直方向の高さが非常に小さい状態
で選別対象物が放出されるために受皿への搭載時の衝撃
が小さく、選別対象物が損傷されることもない。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図示した図面に従い
本発明を詳細に説明する。本発明の図示した実施例にお
いては、選別装置駆動系のチェーン２Ａが図２に示すよ
うにほぼ水平面内を移動するようになっている。

【００１７】図１から図３に示すように、本実施例のコ
ンベア装置４０は、選別装置の水平面内で移動するチェ
ーン２Ａの移動方向にほぼ平行する方向に、いちご等の
比較的柔らかく傷み易い果実や農作物等の選別対象物Ａ
を供給するものであり、選別装置の受皿９がコンベア装
置４０の出口部の下方に到達した時点にコンベア装置か
ら後述するタイミング装置６０を介して選別対象物Ａを
１個ずつ受皿に供給するようになっている。

【００１８】すなわち、図２において、アタッチメント
付チェーン２Ａをエンドレス状に連結し、図２の左右両
端位置に回転可能に支承した一対の水平スプロケット３
０に噛合させて長円形状の移動手段を構成している。移
動手段中の互いに平行して位置する２つの水平な直線状
部分（図２）の一方が選別用経路Ｌを構成している。上
記一対の水平スプロケット３０の一方を駆動モータ（図
示せず）に連結して、移動手段を図２の矢印方向に移動
させるようにしている。

【００１９】複数の上皿天秤秤用テコ１（天秤）がアタ
ッチメント付チェーン２Ａに取付けられ、各テコ１には
受皿９が取着されている。移動手段の一方の直線部に沿
って複数の重量選別箇所が設けられている。なお、重量
選別箇所の上流位置において、本発明のコンベア装置４
０およびタイミング装置６０により選別対象物Ａが受皿
９上に供給される。

【００２０】各重量選別箇所には、その入口側に移入案
内用レール５が、各重量選別箇所にはレール３が、ま
た、その出口側には移出案内用レール６および制動手段
８が設けられている。なお、隣接する一対の重量選別箇
所の上流側の重量選別箇所に設けられた移出案内用レー
ル６が下流側の移入案内用レール５に一体的に連続して
いてもよい。更に、各重量選別箇所の内側には重量付与
手段４が設けられている。

【００２１】各重量選別箇所の出口側の制動手段８に対
応して、移動手段の外側位置には放出傾斜姿勢に揺動し
たテコ１から選別対象物Ａを受取るシュート２２が設け
られている。選別対象物Ａがいちご等の柔らかく傷み易
いものであることから、シュート２２の表面に発泡シー
ト、人工芝等を貼着する等してシュート２２の表面を柔
軟な部材として選別対象物の傷付きを防止することが好
ましい。

【００２２】図４および図５に示すように、移動手段の
アタッチメント付チェーン２Ａのアタッチメントに多数
のブラケット１２が取着され、ブラケット１２の上部
に、図５に示すように、テコ１が揺動軸芯Ｒの回りに揺
動可能に支承されている。テコ１の先端にピン１ｃによ
り受皿支持縦棒１ａを枢着し、受皿支持縦棒１ａの下端
部とブラケット１２とをレバー１ｂ、ピン１ｄ、１ｅに
より連結して平行クランク機構を構成し、受皿支持縦棒
１ａは常時垂直状態を維持する。受皿支持縦棒１ａに、
選別対象物Ａを載置用受皿９の底部を枢着し、テコ１の
回動時（図５鎖線）、受皿９は大きく傾斜して選別対象
物Ａをシュート２２に放出する。

【００２３】ブラケット１２に取付けたストッパー７
（図５）は放出傾斜姿勢に揺動したテコ１をその姿勢に
保持する。ブラケット１２の後側面に周方向溝付きのロ
ーラ１３を回転可能に支承し、選別用経路Ｌに沿ってガ
イドレール２Ｂを設け、ローラ１３の溝にガイドレール
２Ｂが係合している（図５）。テコ１の他端部に、スプ
リング１０ｂにより付勢された刃状部材１０をピン１０
ａにより枢着している。

【００２４】刃状部材１０は、重量選別箇所の入口側で
は移入案内用レール５に、重量選別箇所ではレール３
に、また、出口側では選別結果に応じて移出案内用レー
ル６または制動手段８に摺接する。レール３に摺接した
状態で、重量付与手段４により刃状部材１０（力点ａ）
に予め設定された釣合重量が作用する。

【００２５】レール３は、選別用経路Ｌ途中の重量選別
箇所に移動してきたテコ１の力点ａ（刃状部材１０）に
係合し、釣合重量付与装置４に設定された重量と選別対
象物Ａの重量に応じてテコ１の揺動を規制し、次の２位
置を取る。

【００２６】（１）受皿９の載置重量が設定値未満のと
きには、図６に示す第１位置となり、受皿９上に選別対
象物Ａを載置保持するようテコ１を水平姿勢に保持す
る。

【００２７】（２）受皿９の載置重量が設定値以上のと
きには、図７に示す第２位置となり、放出傾斜姿勢より
も緩傾斜の傾斜姿勢にテコ１を保持する。

【００２８】重量付与装置４は、図２に示すように移動
手段の内側に固定設置されており、図６および図７に示
すように、テコ１５が軸芯Ｘ1 周りに揺動自在に固定ブ
ラケット２３に支承され、テコ１５に垂直枠１８が軸芯
Ｘ2 により枢着され、垂直枠１８の下端部はリンク１
９、ピン１９ａ、１９ｂにより固定ブラケット２３に連
結され平行クランク機構が構成されており、垂直枠１８
は常時垂直姿勢に保持されている。垂直枠１８は上端部
に分銅１６の受皿１７を備え、中間部にレール３が垂直
枠１８に直交して取着されている。

【００２９】重量選別箇所では、そこに移入してきたテ
コ１の受皿９上に載置されている選別対象物Ａの重量が
重量付与装置４の設定値未満のときは、レール３は図６
のように下降したまま（第１位置）となり、テコ１は水
平姿勢を保つ。一方、選別対象物Ａの重量が重量付与装
置４の設定値以上のときは、レール３が図７のように上
昇し（第２位置）、テコ１を傾斜姿勢とする。従って、
重量付与装置４の設定値を閾値として選別対象物Ａを重
量選別することができる。

【００３０】レール３と重量付与装置４とを備えた重量
選別箇所は、選別用経路Ｌの途中に複数個形成されてお
り、チェーンの移動方向に見て上流側から下流側に向け
て重量付与装置４の設定重量を順次小さくしている。

【００３１】本実施例のコンベア装置４０はタイミング
ベルトを用いたコンベア装置からなり、図２に示すよう
に、コンベア装置４０は選別装置の移送方向に平行して
水平に設置されており、無端状のタイミングベルトは前
後に設けられた回転可能な一対の水平軸（図示せず）に
掛け渡されている。

【００３２】タイミングベルト４１の外周面にタイミン
グベルト４１の幅方向に延び、選別対象物（いちご）を
受入れる凹部４２ａまたは穴（図示せず）を有し柔軟素
材からなる短冊状の板４２を多数隣接して貼着している
（図１、図３参照）。なお、凹部または穴付きの発泡ス
ポンジを柔軟素材としてタイミングベルト４１の外周に
貼着する場合には、多数の板４２に代えて連続した帯状
の発泡スポンジしてもよい。

【００３３】ここに短冊状の板４２は選別対象物Ａをソ
フトに受入れるため、発泡スポンジ等の柔軟な部材で製
作することが好ましい。板４２は凹部４２ａが形成でき
る幅を有していればよく、充分に狭くすることができ隣
合う凹部４２ａの間隔は選別装置の隣合う受皿９の間隔
よりも遥かに狭くできる。なお、短冊状の板４２ではな
く、連続シートとすることもできるが、タイミングベル
トがタイミングプーリ間の水平状態と、タイミングプー
リに巻掛けられる円弧状状態をとることによる剥離をな
くするためには実施例のように短冊状とすることが好ま
しい。

【００３４】なお、タイミングベルトに代えて左右２本
のアタッチメント付チェーンを用い、左右２本のアタッ
チメント付チェーンの間に、多数のアタッチメント（図
示せず）を幅方向に間隔を開けた一対の小ねじにより螺
着するとともに、アタッチメントを平らなプレート部と
プレート部の進行方向の後ろ側端部を上方に折り曲げら
れた縁部から構成し、このＬ形部分の表面に柔軟なシー
トを貼着して選別対象物を受入れる凹部とし、この凹部
によりいちご等の比較的柔らかい果実や農作物等の本発
明の選別対象物の幅方向移動を規制してもよい。

【００３５】前述した選別装置の移動手段のチェーン２
Ａに係合するスプロケット３０または３１から、公知の
方法によりチェーン、スプロケット（図示せず）を介し
て水平軸の一方に動力が伝達されるように連結されて、
選別装置の受皿９の１ピッチ分とコンベア装置４０の１
ピッチ分とが同じ時間で移動されるようにしている。

【００３６】コンベア装置４０の出口部の下方で且つ前
述した選別装置の上方との中間位置に本発明のタイミン
グ装置６０が設けられている。図１に示すように、タイ
ミング装置６０は、固定設置した本体６８と、本体６８
の中心軸上に設けられた垂直な回転軸６１と、この回転
軸６１に周方向に等配的に配設され半径方向に延びる４
本のアーム６２からなっており、アーム６２の半径方向
長さは等しくなっている。なお、アーム６２の数は適宜
増減してもよい。各アーム６２の先端には図８、図９に
示すように周方向のピン６３により受け皿６４をアーム
６２に直交する軸線の回りに摺動可能に枢着しており、
受け皿６４からカムフォロア板６５が垂下している。

【００３７】本体６８にねじ６６でブラケット６７を取
着し、ブラケット６７に円環状をしたカム６９を設けて
おり、カム６９は図８に示すように選別装置の近傍の上
方において急下傾し、次いで緩上昇する凹部６９ａとな
っている。

【００３８】受け皿６４のカムフォロア板６５はカム６
９に摺接し、アーム６２が図８に矢印で示すように移動
するにつれ、受け皿６４は選別装置の受皿９に向けピン
６３の回りに回動して受け皿６４は図９に示すように下
傾する。

【００３９】上述のようにタイミング装置６０の回転軸
６１は前述した選別装置の移動手段２Ａとスプロケット
およびチェーン（図示せず）により公知の方法により連
結しており、図１、図３に矢印で示すように選別装置の
受皿９と同期して回転軸６１が回転し、アーム６２およ
び受け皿６４が受皿９と同期するようになっている。

【００４０】タイミング装置６０の回転軸６１の回転方
向は、アーム６２によって選別対象物Ａが選別装置の受
皿９の移動方向とほぼ同方向に移動するようになってい
る（図２参照）。

【００４１】他の実施例を図１０〜図１２を参照して説
明する。。本実施例は前述の実施例とタイミング装置の
構造が異っているが他の構造は実質的に同一であるので
相違点について説明する。

【００４２】この実施例のタイミング装置１６０は、固
定設置した円板からなる本体１６８と、この本体１６８
の中心位置において回転する垂直な回転軸１６１と、回
転軸１６１から十字形に突出したアーム１６２からなっ
ている。

【００４３】アーム１６２の各先端からアーム１６２の
長手方向に断面が円形の長孔１６２ａを穿っている（図
１１参照）。受け皿１６４から円形断面をした回動軸１
６４ａを突出させ、回動軸１６４ａをアーム１６２の長
孔１６２ａに回動可能に嵌合させている。回動軸１６４
ａの先端の近傍には環状凹部１６４ｂを形成しており、
アーム１６２に螺合した小ねじ１６４ｃの先端を環状凹
部１６４ｂと係合させて受け皿１６４がアーム１６２の
軸線回りに回動することを許容しつつ回動軸１６４ａが
アーム１６２から抜出ることを防止する。

【００４４】回動軸１６４ａからカムフォロア１６５を
垂下させており、カムフォロア１６５は定常状態におい
ては受け皿１６４の計量対象物受面が実質的に水平状態
となるよう重錘の役割も果している。

【００４５】本体１６８には図１０に示すように選別装
置に対応する位置にカム１６３を小ねじ１６３ｂにより
取着している（図１２）。カム１６３は図１２に示すよ
うにＬ字形状をしており、回転軸１６１の回動につれ
て、上方に突出した縁部１６３ａにカムフォロア１６５
が衝接することにより、受け皿１６４は回動軸１６４ａ
とともにアーム１６２の軸線の回りに回動し、これによ
り受け皿１６４上の計量対象物Ａを選別装置の受皿９へ
そっと受渡す。

【００４６】以上の実施例においては、回転軸６１、１
６１の回りに周方向に等配的に半径方向に延在するアー
ム６２、１６２を設け、アーム６２、１６２の先端に受
け皿６４、１６４を揺動可能に設けていたが、本発明の
タイミング装置の受け皿は循環路に沿って移動できれば
よく、例えば無端状チェーンに受け皿を等間隔に設け
て、タイミング装置の受け皿がコンベア装置の出口下方
に位置する受取り位置ではほぼ水平な受取り状態とする
とともに、タイミング装置の受け皿が選別装置の受皿の
上方に位置する放出位置では傾斜した放出状態をとるよ
うにしてもよい。

【００４７】また図示した実施例に示すように、本発明
においては、受け皿姿勢制御手段が受け皿の循環路に配
置されたカムと、移動する受け皿側に設けられたカムフ
ォロアとからなっており、タイミング装置の受け皿の移
動によりカムフォロアが固定設置したカムに係合して受
取り状態および放出状態の一方または双方をとるように
しているので、構造が簡単となり故障もなく好ましい。

【００４８】

【発明の効果】本発明においては、選別対象物Ａがコン
ベア装置４０の入口側のトレイ（図示せず）に供給さ
れ、または適宜、人手によりコンベア装置４０の上に載
せられ、その凹部に保持され幅方向の移動を規制されつ
つ１つずつ保持され、この状態でコンベア装置４０によ
り、その出口に向って移動されて行く。

【００４９】コンベア装置４０の出口において、選別対
象物（いちご等）Ａは水平状態となっているタイミング
装置６０、１６０の受け皿６４、１６４上に供給され
る。

【００５０】タイミング装置６０、１６０の受け皿６
４、１６４と選別装置の受皿９とを同期させており、タ
イミング装置６０、１６０は、その受け皿６４、１６４
に選別対象物Ａを受け取り、そしてタイミング装置６
０、１６０が回転軸６１のまわりに回転して受け皿６
４、１６４が選別装置の受皿９の上方に達すると受け皿
６４、１６４が転動し、選別対象物Ａを受け皿６４、１
６４から放出し、その下方に到達した選別装置の受皿９
に選別対象物Ａを放出する。これにより、選別装置の受
皿９上には選別対象物が１つずつ確実に載置される。ま
た、タイミング装置６０、１６０と受皿９との垂直方向
の高さが非常に小さい状態で選別対象物Ａが放出される
ために受皿９への搭載時の衝撃が小さく、選別対象物が
損傷されることもない。更に、本発明においては、受け
皿姿勢制御手段が受け皿６４、１６４の循環路に配置さ
れたカム６９、１６３と、移動する受け皿側に設けられ
たカムフォロア６５、１６５とからなっており、タイミ
ング装置６０、１６０の受け皿６４、１６４の移動によ
りカムフォロア６５、１６５が固定設置したカム６９、
１６３に係合して受取り状態および放出状態の一方また
は双方をとるようにしているので、構造が簡単となり故
障もなく好ましい。

【００５１】すなわち、本発明によれば、供給装置に供
給された選別対象物を人手によらず選別装置の受皿の上
に１つづつ確実に供給することができ、しかもいちご等
の柔らかく傷み易い果実や農作物等の選別対象物が損傷
されることがない選別供給装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の要部の平面図である。

【図２】図１に示す第１実施例の平面図である。

【図３】コンベア装置の要部の拡大平面図である。

【図４】図２のIV部拡大平面図である。

【図５】図４のＶ矢視図である。

【図６】図４のVI矢視図である。

【図７】図６に対応する第２位置を示す正面図である。

【図８】図１のVIII矢視図である。

【図９】図１のIX矢視図である。

【図１０】本発明の第２実施例の要部の側面図である。

【図１１】図１０のXI矢視図である。

【図１２】図１０のXII 矢視図である。

【符号の説明】

２Ａ 無端状チェーン ９ 受皿 ４０ コンベア装置 ６０、１６０ タイミング装置 ６１、１６１ 回転軸 ６２、１６２ アーム６４、１６４ 受け皿 ６５、１６５ カムフォロア ６９、１６３ カム Ａ 選別対象物（いちご）

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状チェーンに取着され、一方向に移
   動され、選別対象物を１つずつ載せる多数の受皿を具備
   した選別装置と、表面に前記選別対象物を１つずつ収納
   する凹部または穴を具備し前記選別装置の受皿へ選別対
   象物を送るコンベア装置と、該コンベア装置の出口部と
   選別装置との間に設けられ、前記コンベア装置の凹部ま
   たは穴に収納された前記選別対象物を１つずつ前記選別
   装置の受皿へ供給するタイミング装置とからなり、該タ
   イミング装置は前記コンベア装置および前記選別装置の
   無端状チェーンに連動して実質的に水平面内に位置する
   循環路に沿って移動する受け皿と、該受け皿をコンベア
   装置の出口部の下方において、該コンベア装置の凹部ま
   たは穴に同期して該凹部または穴に収納された前記選別
   対象物を１つずつ受取る状態とさせると共に、前記選別
   装置の上方において、該選別装置の受皿に同期して該受
   皿へ前記選別対象物を１つずつ放出する状態とさせる受
   け皿姿勢制御手段とを具備し、該受け皿姿勢制御手段が
   受け皿の循環路に配置されたカムと、移動する受け皿側
   に設けられたカムフォロアとからなることを特徴とする
   選別供給装置。
2. 【請求項２】 無端状チェーンに取着され、一方向に移
   動され、選別対象物を１つずつ載せる多数の受皿を具備
   した選別装置と、表面に前記選別対象物を１つずつ収納
   する凹部または穴を具備し前記選別装置の受皿へ選別対
   象物を送るコンベア装置と、該コンベア装置の出口部と
   選別装置との間に設けられ、前記コンベア装置の凹部ま
   たは穴に収納された前記選別対象物を１つずつ前記選別
   装置の受皿へ供給するタイミング装置とからなり、該タ
   イミング装置は前記コンベア装置および前記選別装置の
   無端状チェーンに連動して回転する実質的に垂直に設け
   られた回転軸と、該回転軸の周囲に等配的に設けられ半
   径方向に延在する複数のアームと、該アームの半径方向
   の先端に取着された受け皿と、該受け皿をコンベア装置
   の出口部において、該コンベア装置の凹部または穴に同
   期して該凹部または穴に収納された前記選別対象物を１
   つずつ受取る状態とさせると共に、前記選別装置近傍に
   おいて、該選別装置の受皿に同期して該受皿へ前記選別
   対象物を１つずつ放出する状態とさせる受け皿姿勢制御
   手段とを具備し、該受け皿姿勢制御手段が受け皿の循環
   路に配置されたカムと、移動する受け皿側に設けられた
   カムフォロアとからなることを特徴とする選別供給装
   置。
3. 【請求項３】 前記タイミング装置の受け皿が半径方向
   に延びるアームに直交する軸線の回りに回動可能である
   ことを特徴とする請求項２に記載の選別供給装置。
4. 【請求項４】 前記タイミング装置の受け皿が半径方向
   に延びるアームに平行する軸線の回りに回動可能である
   ことを特徴とする請求項２に記載の選別供給装置。