JP3176731B2 - 感熱ラベル - Google Patents

感熱ラベル

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JP3176731B2
JP3176731B2 JP21928892A JP21928892A JP3176731B2 JP 3176731 B2 JP3176731 B2 JP 3176731B2 JP 21928892 A JP21928892 A JP 21928892A JP 21928892 A JP21928892 A JP 21928892A JP 3176731 B2 JP3176731 B2 JP 3176731B2
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  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば発電機や発動
機、加熱器などの過熱状態などを臭気で知らせる温度管
理用の感熱ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】過熱などの温度異常を検知する手軽で実
用性の高い温度管理方法として、温度によって色相の変
わる示温材を用いる場合がある。過熱の起きそうな、例
えばトランジスタ、集積回路、コンデンサ等の電気部品
にそれを貼付しておくと、発熱状態を視覚で検知するこ
とができる。この方法の場合、示温ラベルあるいは塗料
の変色は実際に目によって確認される。人の目が随時届
く試験や実験時、あるいは身近な部品の温度管理には適
している。しかし、工場などの広い空間で全体の温度を
管理するシステムには応用できない。
【0003】従来でも温度状態を嗅覚に伝達する素材は
知られている。例えば、特開昭53−133697号公報、特開
昭64-75284号公報、特開平1-297067号公報、特開平2-14
7858号公報、特開平2-214698号公報、 特開平2-5958号公
報などに開示がある。これらは、たばこの火や加熱した
サーマルヘッドなどの高熱によってマイクロカプセルの
殻が破壊され、充填されていた臭気料が発散して臭気を
発する。
【0004】ある温度で一定の臭気を発する性質のある
素材は、過熱状態などを警告する機器などへの応用が考
えられる。ただし、過熱警告器の場合、通常、監視員な
どが警告信号に気づくまで少なくともある程度持続的に
警告信号を発信し続けなければならない。従来の感熱用
のマイクロカプセルの場合、殻が破壊されるとただちに
臭気料は揮散するため、臭気にはほとんど持続性がな
い。そのため、従来の感熱マイクロカプセルは、温度管
理用の過熱警告器としては実際の使用にほとんど耐える
ことができないという問題点があった。
【0005】殻の破壊はかなりの高温域で行なわれる。
必要な感熱温度を広い範囲の中から自由に選択できるマ
イクロカプセルはほとんどない。安全性を考慮し、温度
が十分上り切らない例えば常温から200℃ぐらいまで
の範囲で、比較的早期に温度異常を知らせることができ
る温度管理用のマイクロカプセルを形成することは非常
に難しいという問題点があった。
【0006】特開昭63-97168号公報には、温度を制御す
る2分子膜からなるマイクロカプセルが記載されてい
る。この場合、使用環境は水中に限られ、応用範囲は狭
くなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の課題
を解決するためなされたもので、温度選択が自由で、例
えば電気設備などで、狭小で人の手や目の届きにくい箇
所の温度情報を早期に簡易に確実に知らせることができ
る感熱ラベルを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の感熱ラベルを実施例に対応する図
1に従って説明する。
【0009】本発明の感熱ラベルは、吸収性基材層1の
上に臭気料層2が設けられ、その臭気料層2が熱溶融性
組成物層3と気体透過フィルム層4とで覆われてなる。
【0010】吸収性基材層1としては、例えば和紙、あ
るいは上質紙などが挙げられる。
【0011】臭気料層2は、揮発して臭気を発散する物
質で形成されていれば良く、非水溶性であれば特に限定
されない。その中でも各種機器に支障を与えることがな
く、人体にも影響のない物質が好ましく、そのようなも
のであれば例えば人に快感を与えるいわゆる香料でも良
い。香料は、天然香料でも良く、合成香料でも良い。
【0012】天然香料としては、動物性香料、植物性香
料のどちらも使用できる。合成香料としては、水酸化合
物およびその誘導体、カルボニル化合物類、エーテル
類、ラクトン類、エステル類、そのほか複素環式化合
物、合成ムスクなどが挙げられる。そのうち、水酸化合
物としては、アルコール類、フェノール類が挙げられ
る。カルボニル化合物類としては、アルデヒド類、ケト
ン類が挙げられる。具体的には例えば、脂肪族アルデヒ
ド、芳香族アルデヒド、脂肪族ケトン、芳香族ケトン、
脂環式ケトン、大環状ケトンなどがある。エーテル類と
しては、アセタール類、環状エーテル、脂環式エーテル
などが挙げられる。ラクトンとしては、脂環式ラクト
ン、大環状ラクトンなどが挙げられる。エステル類とし
ては、脂肪族酸のエステル、芳香族酸エステルなどが挙
げられる。合成香料としてはテルペン系化合物も挙げら
れる。テルペン系化合物は幅広く、例えばテルペン系炭
化水素、テルペン系アルコール、テルペン系アルデヒ
ド、テルペン系ケトンなどが挙げられる。これらの香料
物質は単独で用いられても良く、組み合わされて用いら
れても良い。
【0013】香料は通常、ほとんどが油性の疎水性混合
溶液である。臭気料層2は液状の香料をマイクロカプセ
ル化して形成すると良い。マイクロカプセル化は、香料
などを殻で被覆する。被覆方法に特に制限はなく、従来
公知のマイクロカプセル製造方法を適宜選択して使用す
れば良い。
【0014】例えば、界面重合法でも良い。芯物質の表
面で重合性化合物に界面重合を起こさせ、芯物質表面を
重合体で被覆する。in situ 重合法でも良い。
1種類のモノマーを粒子表面で直接重合させる。液中硬
化被覆法でも良い。芯物質をマトリックスの溶液中に乳
化させ、えられた乳化物を更に別の液体で乳化させるこ
とで液滴を硬化させて殻を形成する。相分離法でも良
い。殻のもとになる溶質を溶かした所定の溶液に芯物質
を懸濁し、その溶質に対し貧溶解性の物質を加えたり、
溶質の溶解度の差に着目して温度を下げて分離する。粉
床法でも良い。芯物質を粉体の入っている鍋状容器の中
で転がし、表面に粉体を付着させていく。気中懸濁被覆
法でも良い。粒子を上昇気流の中に懸濁しコーティング
する。真空蒸着被覆法でも良い。加熱炉から出てきた金
属蒸気流に芯物質をさらし、金属蒸気を芯物質表面で冷
却する。スプレードライ法でも良い。殻のもとになる溶
質を溶かした所定の溶液に芯物質を懸濁し、次いで噴霧
乾燥させる。
【0015】そのほか、融解分散冷却法でも良い。液中
乾燥法でも良い。内包物交換法でも良い。無機質壁カプ
セルでも良い。静電的合体法でも良い。
【0016】ただし、多孔質な殻が得られる界面重合法
がより好ましい。殻が多孔質であると香料は、殻に包ま
れたまま容易に香気を放出するようになる。
【0017】マイクロカプセルの芯物質としては香料な
どの臭気料、香料以外の臭気料、そのほか、臭気料と前
述の熱溶融性組成物と臭気料との混練物が挙げられる。
熱溶融性組成物と混練した臭気料を内包させると、マイ
クロカプセル自体で感知温度をコントロールできるよう
になって好ましい。
【0018】臭気料は、吸収性基材層1の全面に設けら
れても良く、部分部分に分布していても良い。特に、臭
気が互いに相違する組成物を吸収性基材層1の上でそれ
ぞれ離して分布させても良い。
【0019】熱溶融性組成物層3を形成する熱溶融性組
成物は疎水性で、その溶融点は常温から200℃程度が
好ましい。その中でも特に溶融温度は温度監視を予定す
る環境の通常時の温度、予想される異常時の温度などを
もとに適宜に選択すれば良い。熱溶融性組成物は、その
成分の組み合わせを変えれば溶融点をかなり自由に調節
することができる。
【0020】熱溶融性組成物としては、例えば脂肪酸系
化合物とそれ以外の化合物とが挙げられる。脂肪酸系化
合物としては、脂肪酸および脂肪酸誘導体が挙げられ
る。
【0021】脂肪酸としては、特に疎水性の脂肪酸が良
く、直鎖状、分枝状、環状のいずれでも良い。これらの
脂肪酸は飽和でも、不飽和でも良い。不飽和脂肪酸は、
アセチレン酸のような3重結合も良く、2重結合でも良
い。分子中の不飽和基の数は1つ例えばモノエンでも良
く、それ以上の例えばジ−、トリ−、テトラ−エンでも
良い。脂肪酸誘導体としては、脂肪酸塩化物、脂肪酸無
水物、脂肪酸エステルなどが挙げられる。脂肪酸無水物
としては、例えば単独酸無水物、混合酸無水物などが挙
げられる。具体的には例えば酢酸の無水物が挙げられ
る。
【0022】脂肪酸エステルとしては、水酸化合物と脂
肪酸とのエステルでも良く、チオールと脂肪酸とのエス
テルでも良い。その場合の水酸化合物の水酸基は、1つ
でも良く2つ以上でも良い。水酸基が1つの化合物と脂
肪酸とのエステルの場合、鎖状の一価アルコールとのエ
ステル、環状の一価水酸化合物とのエステルが挙げられ
る。鎖状アルコールとのエステルの場合、例えば脂肪酸
とメタノール、エタノールなどとのエステルが挙げられ
る。一価アルコールは、飽和アルコールに限らない。例
えばアリルエステル、プロペニルエステルなども挙げら
れる。環状水酸化合物とのエステルとしては、例えばシ
クロヘキサノール、フェノールあるいはα−フルフリル
アルコールなどとのエステルが挙げられる。環状水酸化
合物は集合環の水酸化合物でも良い。例えばコレステリ
ックエステルなどが挙げられる。水酸基が2以上の化合
物とのエステルとしては、α,ω−ジオールなどのポリ
オールとの脂肪酸エステル、モノ−,ジ−あるいは、ト
リ−グリセリドなども挙げられる。
【0023】水酸化合物とエステルを形成する脂肪酸と
しては、例えば低級ビニル酸が挙げられる。具体的には
アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。この場合
の脂肪酸は一塩基酸でも良く、二塩基酸でも良い。二塩
基酸は飽和二塩基酸でも良く、不飽和二塩基酸でも良
い。二塩基酸エステルの場合、2つのカルボキシル基の
一方にのみエステル結合したモノエステル、両方にエス
テル結合したジエステルのいずれでも良い。脂肪酸エス
テルとしては、具体的にはそのようなモノエチルエステ
ル、二塩基酸ジエチルエステルなどが挙げられる。例え
ばジアルキルマロン酸ジエチルエステルなどがある。
【0024】水酸化合物とエステルを構成する脂肪酸
は、その炭素鎖に炭化水素基以外の置換基が結合してい
る誘導体脂肪酸でも良い。そのような脂肪酸としては、
例えばオキシ脂肪酸、ハロゲン化脂肪酸、シアノ脂肪
酸、ケト酸、カルボキシル基が主鎖の途中に結合してい
る脂肪酸、ケイ素系の置換基が置換している脂肪酸、イ
オウが架橋している脂肪酸が挙げられる。
【0025】オキシ脂肪酸の主鎖は、飽和していても良
く、不飽和でも良い。例えば天然ポリオキシ飽和酸、そ
の他にも2−オキシ飽和脂肪酸、3、ω−ジオキシ飽和
酸、2,3−ジオキシ飽和酸、リシノール酸、その他の
オキシアルケン酸が挙げられる。このようなオキシ脂肪
酸はアルキル基系の側鎖基が置換していても良い。例え
ば3,3−ジアルキル−3−オキシプロピオン酸が挙げ
られる。水酸基の立体配置は問題にならない。Dあるい
はL−2−メチル−2−オキシ飽和酸が挙げられる。そ
の他のメチル置換オキシ酸も挙げられる。
【0026】ハロゲン化脂肪酸としては、例えば2−フ
ルオロ酸、ω−クロロ飽和酸、2,ω−ジブロム飽和酸
が挙げられる。これらは更にアルキル側鎖基などが置換
していても良い。シアノ脂肪酸としては、例えば、2−
シアノ−3,3−ジアルキル酸、2−シアノ−α,β−
不飽和−3−アルキル酸が挙げられる。ケト酸として
は、例えば2−ケト−飽和酸、3−ケト飽和酸、2,4
−ジケト飽和酸、4−ケト−2−アルケン酸、その他の
長鎖ケト酸でも良い。そのようなケト酸はジカルボン酸
でも良い。例えばモノケトジカルボン酸が挙げられる。
カルボキシル基が主鎖の途中に結合している脂肪酸とし
ては、例えばα−アルキル置換カルボン酸が挙げられ
る。ケイ素系の置換基が置換している脂肪酸としては、
例えば12−シリルリシノール酸が挙げられる。イオウ
が架橋している脂肪酸としては、例えばエピチオ飽和脂
肪酸が挙げられる。基本がステアリン酸の場合、様々な
置換体が挙げられる。例えば、オキシステアリン酸、ケ
トステアリン酸が挙げられる。ステアリン酸には混合置
換体などの多置換体もある。例えばニトリロ−およびト
レオ−9,10−ジオキシステアリン酸、ニトリロ−お
よびトレオ−ジオキシステアリン酸が挙げられる。
【0027】上記のような誘導体脂肪酸と水酸化合物と
からなるエステルとしては、その他にも例えば12−シ
リルリシノール酸アルキニルエステル、α−スルホンス
テアリン酸エステルナトリウム塩、ω−アルキルチオお
よびω−アルキルスルホニルカルボン酸エステルなどが
挙げられる。
【0028】熱溶融性組成物としては、上記のような脂
肪酸系化合物の他にも、アルコール類、カルボニル化合
物、窒素化合物、その他炭化水素化合物、イオウ含有化
合物などが挙げられる。
【0029】アルコール類としては、飽和アルコール類
でも良く、不飽和アルコール類でも良い。不飽和アルコ
ール類としては、β,γ−不飽和第一アルコール、末端
不飽和アルコール、その他の不飽和長鎖アルコールなど
がある。アルコール類としては多価アルコールでも良
い。例えばグリコール類、グリセリンなどが挙げられ
る。グリコール類としては、例えばα,ω−グリコー
ル、アルカノール−1,2およびその他の1,2−ジオ
ールなどがある。グリセリンとしてはその中の置換グリ
セリンでも良い。アルコール類は鎖状アルコールでも良
く、環状アルコールでも良い。環状アルコールとしては
例えば環状グリコールなどがある。これらのアルコール
は当然、エステルあるいはエーテルを形成していても良
い。例えば、3重結合を有するジ−n−アルキニルエー
テル、2重結合を有する長鎖ビニルエーテルがある。
【0030】カルボニル化合物としては、具体的には、
アルデヒド類、ケトン類、アシロイン類などがある。ア
ルデヒド3量体などのケテン類も含まれる。
【0031】アルデヒド類のアルデヒド基の数はひとつ
に限らない。例えばジアルデヒドでも良い。その主鎖
は、飽和していても良く不飽和でも良い。アルデヒド基
を介して他の化合物と結合していても良い。例えばα,
β−不飽和アルデヒド、α,β−不飽和アルデヒド誘導
体、飽和アルデヒド誘導体、α,β−アルデヒド誘導体
などが挙げられる。ケトン類としては、二つの鎖状基を
持った例えばメチルアルキルケトンのようなジアルキル
ケトンが挙げられる。鎖状基と芳香基を持ったフェニル
アルキルケトンも挙げられる。環状体の一部にオキシ基
が結合している大環状ケトンも挙げられる。ケトン類と
しては飽和ケトンに限らない。不飽和ケトンも挙げられ
る。例えばα,β−不飽和ケトン、環状不飽和ケトンも
挙げられる。カルボニル基を複数有する例えばα−ジケ
トンも含まれる。アシロインとしては、長鎖アシロイ
ン、環状アシロインなども含まれる。ケテン類としては
コケテンなどがある。
【0032】窒素含有化合物としては、例えばアミン
類、アミド類、ニトリル類などが挙げられる。アミン類
としては、第一アミン、第二アミン、第三アミンが挙げ
られる。これらは、脂肪族アミンでも良く、芳香族アミ
ンでも良い。アミド類としてはN−メチル脂肪族アミド
のような脂肪族アミドが挙げられ、カルバミン酸エステ
ルも挙げられる。ニトリル類としては例えば脂肪族ニト
リルがある。
【0033】その他の炭化水素化合物としては、例え
ば、n−アルカン、n−アルケン−1、n−アルキルベ
ンゼン、n−アルキルナフタリンなどが挙げられる。こ
れらの炭化水素化合物はハロゲン置換体でも良い。例え
ば、1−フルオロアルカン、1−クロルアルカン、1−
ブロムアルカン、1−ヨードアルカンなどが挙げられ
る。
【0034】イオウ含有化合物としては、チオールある
いはスルフィドなども挙げられる。例えば、n−アルカ
ンチオール−1などが挙げられる。
【0035】これらの熱溶融性組成物は、単独で用いら
れても良く、本願の目的を損なわない範囲で組み合わさ
れて用いられても良い。
【0036】上記の熱溶融性組成物は気体透過フィルム
層4とともに臭気料層2を覆っている。気体透過フィル
ムとしては、例えばナイロン、ポリウレタン、ポリスチ
レン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、三酢酸セ
ルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリ塩
化ビニル、ポリカーボネート、ポリテトラフロロエチレ
ン、ポリエチレン、ポリ4メチルペンテン−1、酢酸ブ
チルセルロースなどのプラスチックフィルムが好まし
い。
【0037】これらは単独で用いられてもよく組み合わ
されて用いられても良い。その厚さは5〜100μ、よ
り好ましくは10〜30μとすると良い。
【0038】もっとも、気体透過性がある限り基本的に
はその種類・厚さ、枚数に制限がない。気体透過フィル
ムとしては多孔性のポーラスフィルムを用いても良い。
【0039】このようなフィルムは、感熱ラベルの取扱
いを容易にし、臭気料層2を保護する。
【0040】臭気料層2を覆う熱溶融性組成物層3と気
体透過フィルム層4とは各1層づつで2層を形成してい
る場合に限らず、熱溶融性組成物層3が溶融した時に臭
気料層2が出す臭気を揮散できればこの両者を交互に3
層以上で重ねあわせてあっても良い。層の数が増えれば
感熱ラベルの発臭時間を持続させることができる。
【0041】臭気料が吸収性基材層上で部分部分に離れ
て分布している場合、熱溶融性組成物層3は吸収性基材
層1全面を覆っていなくても、臭気料層2が設けられて
いる範囲だけを事実上覆っていれば良い。
【0042】臭気の相違する組成物単位に吸収性基材層
1の上でそれぞれ臭気料層2が分かれて分布している場
合には、溶融温度の相違する複数の熱溶融性組成物を用
いる。その場合、溶融温度の相違と臭気の相違とを組み
合わせ、それぞれの臭気に対応する溶融温度を有する熱
溶融性組成物で、その対応する臭気料層2を覆う。この
ようにすると、熱溶融性組成物層3の溶融温度を調整す
ることで温度の相違を的確に確認できる感熱ラベルを得
ることができる。
【0043】吸収性基材層1と臭気料層2との間には図
2に示すように文字・記号層5を形成すると良い。文字
・記号層5があると熱溶融性組成物が溶解したときに文
字あるいは記号が浮き上がり、温度状態を視覚的にも確
認できるようになる。
【0044】熱溶融性組成物層3あるいは気体透過フィ
ルム層4と吸収性基材層1との積層は例えば感圧性接着
剤による接着層6を介して張り合わされることによって
なされていても良い。
【0045】吸収性基材層1の裏側に粘着剤層7を設け
ると、感熱ラベルをどこでも自由に貼付できるようにな
って好ましい。粘着剤層7を設ける場合には、通常は剥
離紙8で保護しておくと良い。
【0046】本発明の感熱ラベルは例えば次のようにす
ると形成できる。例えば、香料などの臭気料をマイクロ
カプセル化して吸収性基材層1表面にシルクスクリーン
印刷して臭気料層2を形成し、臭気料層2の上を熱溶融
性組成物層3で被覆し、できた熱溶融性組成物層3の上
面を気体透過フィルム層4で覆う。
【0047】シルクスクリーン印刷はマイクロカプセル
をインキ用バインダと混練して印刷インキを調製し、シ
ルクスクリーン印刷する。熱溶融性組成物による被覆
は、熱溶融性組成物をインキ用バインダと混練してイン
キ化し、予定箇所に印刷すれば良い。
【0048】熱溶融性組成物層3による被覆は臭気料層
2を形成した部分のみで足りる。気体透過フィルムは、
熱溶融性組成物を塗布した部分あるいはマイクロカプセ
ルをシルクスクリーン印刷した部分の外周部分で吸収性
基材層1表面と接着させる。
【0049】
【作用】このような感熱ラベルを過熱のおそれのある機
器に貼り付けておくと、過熱異常が生じたときに熱溶融
性組成物層3は溶融して一部は吸収性基材層1に吸収さ
れる。臭気料層2の臭気料は、溶融状態の熱溶融性組成
物層3と気体透過フィルム層4とを通過して揮散し、付
近の人の嗅覚を刺激する。
【0050】熱溶融性組成物層3は、それ自身が溶融す
るまで臭気料の揮散を有効に抑制し、臭気料を封入状態
で長期間保存する。熱溶融性組成物層3が溶融したとき
も、臭気料が短時間に揮散するのを抑制する。
【0051】
【発明の効果】本発明の感熱ラベルによれば、温度選択
が自由で狭い局所的箇所でもその部分の必要な温度情報
を早期に簡易に確実に知ることができる。発動機など過
熱のおそれがある装置の温度監視にあたり、装置のそば
に監視員を常駐させることなく巡回させるだけでも、あ
るいは臭気センサなどを設置あるいは巡回させるだけで
異常を検知出来る。
【0052】このような感熱ラベルは、発動機に限ら
ず、例えば発電機、空気温度調節器、電子機器など、過
熱状態などを監視する必要のある機器の温度管理に広く
用いることができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により説明する。
【0054】実施例1 図1は、本発明の実施例の一つであり、同図に従って説
明する。
【0055】吸収性の和紙1の上にマイクロカプセル化
された香料でなる臭気料層2が設けられている。臭気料
層2は熱溶融性組成物層3で覆われ、その上を多孔性の
ポーラスフィルム4で覆われている。
【0056】マイクロカプセル粉末は界面重合法によ
り、香料あるいは香料と熱溶融性組成物との混練物をエ
ポキシ樹脂で被覆して得た。
【0057】上記の感熱ラベルは、次のようにして製造
した。マイクロカプセル粉末を水性バインダーである金
銀用バインダー(商品名 株式会社ミノグループ製のイ
ンキ用バインダ)と混練してインキ化し、これを和紙1
の片側に部分部分で散点状にシルクスクリーン印刷して
臭気料層2を形成した。
【0058】熱溶融性のパルチミン酸をポリインキメジ
ウム(商品名 株式会社ミノグループ製のインキ用バイ
ンダ)と混練してインキ化し、臭気料層2の上に重ねて
印刷し、パルチミン酸混練インキで熱溶融性組成物層3
を形成した。
【0059】熱溶融性組成物層3が印刷されなかった部
分には和紙1の上に直接感圧性接着剤を印刷して接着層
6を形成した。感圧性接着剤にはSKダイン100(商
品名綜研化学工業株式会社製のアクリル系感圧性接着
剤)を用いた。
【0060】熱溶融性組成物層3、接着層6の両方を覆
って多孔性のポーラスフィルム4を和紙1の片側全面に
積層し、接着層6を介してポーラスフィルム4と和紙1
とをはり合わせた。
【0061】和紙1の反対側片面には剥離紙7を貼付し
た。
【0062】このようにして出来た感熱ラベルを加熱試
験台に貼付し、昇温実験したところ、55℃になったと
き、強い臭気を持続的に発した。
【0063】マイクロカプセルは、吸収性和紙1の上に
スクリーン印刷するのではなく、和紙1の上に両面テー
プを貼付、あるいは粘着性のインキを塗布して新たに接
着層を形成し、その上からマイクロカプセル粉体をふり
かけても良い。
【0064】感圧性接着剤はSKダイン100でなく、
そのほかのSKダイン200又は、SKダイン700
(商品名 綜研化学工業株式会社製のアクリル系感圧性
接着剤)でも良い。
【0065】実施例2 図2は、本発明を適用した感熱ラベルの別の実施例の断
面図である。
【0066】和紙1と臭気料層2との間に文字・記号層
5を設けた。そのほかは実施例1と同様である。
【0067】所定温度以上になると熱溶融性組成物層3
が溶融し、熱溶融性組成物層3が和紙1に吸収されて香
料が揮散した。文字・記号層5が浮き出て、目視によっ
ても温度状況が分かった。
【0068】実施例3 実施例1に準じ、香料としてシトラスを用いたマイクロ
カプセルとフローラルを用いたマイクロカプセル、2種
類の香料内包マイクロカプセル粉末を調製した。
【0069】和紙1片側のある部分にはシトラスを用い
たマイクロカプセル粉末をスクリーン印刷した。距離を
おいて別の部分にはフローラルを用いたマイクロカプセ
ル粉末をスクリーン印刷した。
【0070】実施例1と同様に、熱溶融性組成物として
のパルチミン酸混練インキとステアリン酸混練インキ、
2種の混練インキを調製した。
【0071】シトラスを用いたマイクロカプセルを印刷
した上にはパルチミン酸混練インキを塗布した。フロー
ラルを用いたマイクロカプセルを印刷した上にはステア
リン酸混練インキを塗布した。マイクロカプセル粉末が
印刷されてない部分には感圧性接着剤を塗布した。
【0072】熱溶融性組成物層3と接着層6とを覆うよ
うにしてポーラスフィルム4で和紙1の片側全面を被覆
し、接着した。
【0073】環境が55℃以下では何の臭気も感じられ
なかった。55〜68℃のときシトラスの臭気が持続的
に感じられた。68℃以上ではシトラスとフローラル両
方の臭気が持続的に感じられた。
【0074】温度の相違がきめ細かく分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する感熱ラベル断面図である。
【図2】本発明を適用する文字・記号層付き感熱ラベル
断面図である。
【符号の説明】
1は吸収性基材層、2は臭気料層、3は熱溶融性組成物
層、4は気体透過フィルム層、5は文字・記号層、6は
接着層、7は粘着剤層、8は剥離紙である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水沢 弘道 埼玉県川越市的場2003−3 (72)発明者 太田 浩一 埼玉県大宮市宮原町2−126−10 (56)参考文献 特開 昭61−138132(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 11/00 G01K 11/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収性基材層の上に臭気料層が設けら
    れ、その臭気料層が熱溶融性組成物層と気体透過フィル
    ム層とで覆われてなることを特徴とする感熱ラベル。
  2. 【請求項2】 臭気料層が臭気料を殻内に充填したマイ
    クロカプセル粉末で形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の感熱ラベル。
  3. 【請求項3】 気体透過フィルムがナイロン、ポリウレ
    タン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサル
    ホン、三酢酸セルロース、エチルセルロース、酢酸セル
    ロース、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリテト
    ラフロロエチレン、ポリエチレン、ポリ4メチルペンテ
    ン−1、酢酸ブチルセルロースの中から選択され、その
    厚さが5〜100μである請求項1または2に記載の感
    熱ラベル。
  4. 【請求項4】 気体透過フィルムが多孔性のポーラスフ
    ィルムである請求項1または2に記載の感熱ラベル。
  5. 【請求項5】 上記臭気料層が臭気の異なる複数種の組
    成物でなり、臭気の相違する組成物単位にそれらが吸収
    性基材層の上で分かれて分布し、上記熱溶融性組成物は
    溶融温度の相違する複数種を含み、その各溶融温度の相
    違で臭気の相違に対応し、各臭気料をそれぞれ覆ってい
    る請求項1〜4のいずれかに記載の感熱ラベル。
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